JPH1054900A - X線乳房撮影用の写真組体 - Google Patents

X線乳房撮影用の写真組体

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JPH1054900A
JPH1054900A JP22139696A JP22139696A JPH1054900A JP H1054900 A JPH1054900 A JP H1054900A JP 22139696 A JP22139696 A JP 22139696A JP 22139696 A JP22139696 A JP 22139696A JP H1054900 A JPH1054900 A JP H1054900A
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JP
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screen
ray
sensitivity
phosphor
layer
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JP22139696A
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English (en)
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Katsutoshi Yamane
勝敏 山根
Nobuyuki Iwasaki
信之 岩崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】乳房を撮影するための画質と感度のバランスを
改良する。 【解決手段】管電圧が40kV以下の低エネルギーX線乳房
撮影用の組体であって、実質的にGd22 S:Tb蛍
光体を用いた蛍光体層よりなるX線用増感スクリーンと
支持体の片側のみに感光層をもつハロゲン化銀写真感光
材料との組体において、該スクリーンの発光輝度が15
0〜250であり、かつコントラスト伝達関数(CT
F)が、空間周波数5本/mmで0.40〜1.00で
あり、かつ該感光材料の平均コントラストが3.6〜
4.8であり、組体感度が5.5〜10mRであるX線
乳房撮影用の写真組体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な放射線増感ス
クリーンと新規なハロゲン化銀写真感光材料との組体に
関し、また、新規なX線画像形成方法に関する。本発明
は、管電圧が40kVp 以下の低エネルギーX線により撮影
が行われる乳房X線写真の分野において、優れた画像を
提供する、ハロゲン化銀写真材料と増感スクリーンとの
画像形成組体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年乳ガンに侵される人が増加しつつあ
り、社会問題となりつつある。乳ガン検診には、触診、
超音波画像診断、X線によるレントゲン写真(マンモグ
ラフィー)等が行われているが、特に蛍光スクリーンを
用いたマンモグラフィーの有用性が明確になりつつあ
る。乳房診断用システムの進歩については、Phys.Med.B
iol. 41 (1996) 315 などにレビューされている。
【0003】蛍光スクリーンを用いたレントゲン写真は
胸部・腹部・胃部の撮影等の医療分野で多用されている
が、この中で乳房撮影用X線写真は、そのスクリーン/
ハロゲン化銀感光材料のシステムを開発する立場から見
ると特殊な位置づけにある。すなわち、乳房の被写体の
コントラストが非常に低いのを補う目的で、通常のレン
トゲン写真ではほとんど使用されない管電圧が40kV
p以下の低エネルギーのX線により撮影が行われてい
る。また数百μm サイズの微少な石灰化像を観察する必
要性があり非常に高い鮮鋭度が要求される。このように
通常のレントゲン写真システムとは異なる線源を使用し
たり、求められる性能も異なるので、おのずとそのスク
リーン/ハロゲン化銀感光材料のシステムに要求される
性能及び設計も異なってくる。よって従来の通常レント
ゲン写真用に開発された技術はほとんど参考にならず、
各社ともこの乳房撮影用に専用のシステムを開発し発売
している。また各種改良の試みも報告されている。
【0004】USー4914303には蛍光体サイズ分
布によって、構造ノイズの改良されたマンモグラフィー
用スクリーンが報告されている。特公平7ー18955
には蛍光体層の染料分布を最適化することによって、高
画質のスクリーンを得る方法が開示されている。しかし
スクリーン単独による改良であり、この到達レベルは現
在一般に市販されている商品と同程度であり、不十分な
ものである。
【0005】マンモグラフィー用ハロゲン化銀写真感光
材料(感材)としては、特開平1ー179145、特開
平5ー45807等に開示されている。これらはすでに
製品として市場で発売されており好評であるが、いぜん
充分なものとはいいがたく更なる改良が切望されてい
る。また、これらは単に感材のみによる改良であり、こ
の延長線上ではこれら特許の到達レベルが限界である。
その実施例から明らかなように感材のコントラストは
3.6以下であり、本発明で有用性が見いだされた高コ
ントラスト感材は作製出来ていない。一方、日本放射線
学会’96の展示会において、イーストマンコダック社
より新規感材による実技が展示されていたが、その写真
のコントラストは3.5に過ぎず、既存のシステムの範
囲を出るものではない。
【0006】感材としてはこのように高コントラストの
感材を模索してきたが、技術的にこのような感度域で高
コントラストの感材を作製することは困難であった。ま
た本発明者の研究によれば、従来の延長線上でコントラ
ストを3.6以上にあげても、逆に粒状性が許容範囲を
超えて悪化してしまい、好ましくないことは本発明の実
施例にて示したとおりである。このようにマンモグラフ
ィーとしての診断能の向上の要望は大きいものの新たな
展開が見いだせないでいた。
【0007】一方、特公平7−18956には、通常1
枚の増感紙と片面感材を使用する乳房撮影用ながらフロ
ント・バックの2枚の増感紙を使用した両面システムに
よって高画質を得る試みが報告されている。しかしなが
ら、このようなシステムでは、両面にすることによるク
ロスオーバー光によるボケの効果や、散乱線の混入、ま
た薄すぎるフロント増感紙による弊害などにより実質大
きな進歩は見られていない。またこの実施例の中にいく
つかのスクリーンの具体的な記載例があるが、いずれも
強く着色されていたり、蛍光体の粒子サイズが大きく、
仮に単独に片面で使用されたとしても、本発明の構成で
ある高輝度・高鮮鋭度スクリーンの性能は達成しておら
ず、スクリーンとしてその性能が進歩しているわけでは
ない。ましてや、発光輝度の低いニオブ付活タンタル酸
イットリウムなどを使用したのと同程度性能であり、本
発明の設計思想とは異なる。
【0008】特開平2−96740には支持体の上に蛍
光体層と感光層を同時に塗布したシステムが提案されて
いる。しかしながら、このような蛍光体を再利用しない
方法では、1回のX線撮影にかかるコストが大きく、ス
クリーニング用途としては現実性にとぼしい。
【0009】一方、マンモグラフィー用に設計されたも
のではないが、特開平7ー43861、WO93ー01
522に高鮮鋭度の片面感材システムが紹介されてい
る。しかしながら、特開平7ー43861はその鮮鋭度
がマンモグラフィー用としては不足であり、また高コン
トラスト感材を設計するという観点も盛り込まれていな
い。また、WO93ー01522は紫外発光蛍光体を使
用したものであり、スクリーンの鮮鋭度は高く設計でき
るものの、詳細な説明で記載の通りこのようなシステム
の延長線上では良い乳房撮影用システムは達成されな
い。
【0010】このように種々の試みにも関わらず、いず
れも充分な効果は得られず商品として普及するには至っ
ていない。このように、通常のレントゲン写真とは異な
る特殊性をもった、低エネルギーX線で撮影されるマン
モグラフィーの分野においては、その診断能向上のため
の高画質のシステムの出現が強く望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に乳房を
撮影するための画質と感度のバランスにおいて、優れた
新規なX線撮影系を構成する、ハロゲン化銀写真材料と
増感スクリーンとの組体を提供することを主な目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
手段によって達成された。 (1)管電圧が40kV以下の低エネルギーX線乳房撮影用
の写真組体であって、実質的にGd22 S:Tb蛍光
体を用いた蛍光体層よりなるX線用増感スクリーンと支
持体の片側のみに感光層をもつハロゲン化銀写真感光材
料との写真組体において、該スクリーンの発光輝度が1
50以上250以下であり、かつコントラスト伝達関数
(CTF)が、空間周波数5本/mmで0.40以上
1.00以下であり、かつ該ハロゲン化銀写真感光材料
の平均コントラストが3.6以上4.8以下であり、か
つ該組体感度が5.5〜10mRであることを特徴とす
るX線乳房撮影用の写真組体。
【0013】(2)前記スクリーンが、その蛍光体層が
実質的に着色されておらず、蛍光体塗布量が25mg/
cm2 以上100mg/cm2 以下であることを特徴と
する(1)記載のX線乳房撮影用の写真組体。
【0014】(3)前記コントラスト伝達関数(CT
F)が0.45以上1.0以下であることを特徴とする
(1)又は(2)に記載のX線乳房撮影用の写真組体。
【0015】(4)前記平均コントラストが3.8以上
4.8以下であることを特徴とする(1)、(2)又は
(3)に記載のX線乳房撮影用の写真組体。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】尚、本願明細書において、平均コントラス
トとは、ハロゲン化銀写真感光材料を下記現像処理
(1)を行った結果、特性曲線の被り+0.25の点と
被り+2.0の点を結ぶ平均コントラストをいう。ま
た、組体感度とは、三相電源26kvpで動作させたM
oターゲット管に1mmのBe、0.03mmのMoお
よび2cmのアクリルフィルターを透過したX線を用い
て該感光材料を露光し、現像処理(1)を行った結果、
カブリ+1.0の光学濃度を与えるのに必要な照射線量
をいう。
【0018】現像処理(1) 以下の組成の現像液Gを用い、現像温度35℃、現像時
間25秒で現像処理を行なう。 現像液G: 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2 g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5 g 臭化カリウム 4 g 水を加えて1リットルとしたのち、pH=10.2 に調節する。
【0019】本発明に使用される蛍光体は実質的にGd
22 S:Tbである。ここで、実質的にとは、蛍光体
の主成分がGd22 S:Tbであるという意味であ
り、その性能を向上させるための数%程度の添加物や、
表面を修飾するためのシリカ等は好ましく用いることが
できる。またGdに代わりに数十%程度以内の割合で
Y、La、Luを混用することも可能である。
【0020】一般に蛍光体はその密度が重いことがX線
を有効に吸収するため好ましい。乳房撮影用に用いられ
る線源ににおいて好ましいX線吸収能をしめすこの様な
蛍光体としては、Gd22 S:Tbの他に、YTaO
4 及びそれに発光中心として各種付活剤を加えたもの、
CaWO4 、BaFBr:Eu等が挙げられる。
【0021】これらの中で本発明の目的を達成するため
には、蛍光体の発光効率が高いことが極めて重要であ
る。後述するように乳房撮影用ハロゲン化銀感光材料
(感材)は、その階調(コントラスト)が高いことが重
要である。このような硬調感材でかつ高感度の物を作製
することは技術的に難しい。よって感材の設定感度低く
て十分なためには、増感スクリーンの発光輝度が高いこ
とが極めて重要である。発光効率の低い他の蛍光体の使
用ではこのような硬調感材を作ることは困難である。ま
た、このような硬調感材を作るためには、感材の光吸収
が十分に低いことが重要である。詳細は後述するが、感
材の光吸収、特に最上層の光吸収が大きいと、その遮蔽
効果により軟調化を起こしてしまう。特に本発明の目的
である乳房撮影用は、一般の胸部撮影用感材とことな
り、支持体の片側にのみハロゲン化銀乳剤が塗布されて
いるため、その塗布量が増えるためにこの影響は顕著で
ある。このように本発明の目的である片面・硬調感材を
設計するためには、その感材の光吸収を十分に低く制御
することができることが極めて重要である。しかしなが
ら、紫外・青域に発光を有する蛍光体では、ハロゲン化
銀の固有吸収がこの波長にあるためにその吸収が高すぎ
たり、またその吸収を自由に制御する事が困難である。
よって本発明の目的においては、ハロゲン化銀を色増感
することによってその吸収を自由に制御できる波長に発
光ピークをもつ蛍光体を使用することが重要である。
【0022】このような観点で、蛍光体としてはGd2
2 S:Tbが好ましく、その他のYTaO4 及びそれに発
光中心として各種付活剤を加えたものCaWO4 、BaFBr:Eu
では本発明のシステムは設計不可能である。
【0023】本発明の乳房撮影用スクリーンとしてはよ
りX線をたくさん吸収し、かつそのX線吸収による蛍光
体の発光光を外に取り出すことが重要である。この効率
を表す尺度として、そのスクリーンの発光輝度を定義す
る。
【0024】スクリーン輝度は、現像処理を行なうこと
で算出される感度が、0.21ルクス秒である片面ハロ
ゲン化銀写真感光材料を用いて以下のように定義するも
のとする。感光材料とスクリーンを密着させ、三相電源
26kvpで動作させたMoターゲット管に1mmのB
e、0.03mmのMoおよび2cmのアクリルフィル
ターを透過したX線を用いて該感光材料を照射し、同様
の現像処理を行ったとき、カブリ+1.0の光学濃度が
得られるX線照射線量の逆数をスクリーン輝度と定義す
る。尚、表記にあたってはそのX線照射線量が7.2m
Rであるスクリーンの輝度(0.139mR-1)を10
0とし、相対値で表わす。
【0025】以下、スクリーン輝度の定義を更に詳細に
説明する。本発明のスクリーンは実質的にGd22
S:Tb蛍光体を使用したものであるので、545nmに
主発光ピークを有する発光を示す。よって、スクリーン
輝度を定義するのに用いるハロゲン化銀写真感光材料も
この波長の光に色増感されたものを用いるものとする。
支持体の片面にハロゲン化銀乳剤層の塗布されたオルソ
増感乳房撮影用フィルムは各写真材料メーカーより発売
されているものを使用することができる。ただし、以下
に示すような方法でその感材の感度を測定し用いる。
【0026】感材の露光には、タングステン光源(色温
度:2856K°)と、透過ピーク波長が545nmで半
値幅20nmの透過性であるフィルターとを組合せた光源
を用いる。予め更正された照度計にて正しく照度が測定
されているこの単色光を光源として、ニュートラルフィ
ルターのステップウェッジを通して1秒間、1m離れた
感光材料を露光する。このハロゲン化銀写真感光材料を
現像処理し、定着乾燥したときに得られる光学濃度が、
最低濃度(カブリ)に1.0を加えた値になるのに必要
な露光量でその感光材料の感度とする。本発明のスクリ
ーンの発光輝度を定義するのに使用される感材の感度
は、この露光量が0.0210ルクス秒となる感度を有する片
面乳房撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を使用するもの
とする。測定値がこの値からずれている場合は、その分
を補正して用いることもできる。この感材の具体的例と
しては、富士写真フイルム(株)社製、UMMA−HC
フィルムを挙げることができる。なお本発明において、
同社製UMMA−HC#919ー01を以下の現像処理
Aで現像し、感度を測定したところ、0.0210ルクス秒で
あった。
【0027】現像処理A 以下の組成の現像液G・定着液Fとローラー搬送自動現
像機を用い、現像温度35℃、現像時間:25秒(液中
時間21秒+定着液に突入するまでの液外時間4秒)、
定着時間:20秒(液中時間16秒+水洗水に突入する
までの液外時間4秒)、水洗:12秒、スクイズ及び乾
燥:26秒で処理をおこなった。具体的には、市販のロ
ーラ搬送自動現像機である富士写真フイルム株式会社製
FPM−5000自動現像機、現像タンク:容量22リ
ットル、液温35℃、定着タンク:容量15.5リット
ル、液温25℃を用いた。
【0028】 現像液G: 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2 g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5 g 臭化カリウム 4 g 水を加えて1リットルとしたのち、pH=10.2 に調節する。
【0029】 定着液F: チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200 ml 亜硫酸ナトリウム 20 g ホウ酸 8 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1 g 硫酸アルミニウム 15 g 硫酸 2 g 氷酢酸 22 g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナトリウムもしくは氷酢酸 を用いて、pH4.5に調節する。
【0030】このような感度が0.0210ルクス秒の感材を
用いて、スクリーンの発光輝度を以下のようにして測定
する。
【0031】この感材(本発明では富士写真フイルム
(株)社製UMMAーHC#919−01を用いた)と
測定するスクリーンを密着させて、感材側よりX線を照
射することによって露光する。ここで、X線源として
は、三相電源26kVpで動作させたMoターゲット管
に約1mmのBeと、0.03mmのMo及び2cmの
アクリルフィルターを透過したX線を用いるものとす
る。露光秒数は感材の定義に用いたのと同様に約1秒で
露光するものとする。このとき同時に照射X線量を測定
するために電離型線量計を用いて測定する。
【0032】露光された感材は、感材の感度を定義した
のと同じ現像処理を行う。X線管球の電流と、露光秒数
を0.5秒〜1.5秒の間で適当に変化させて、この操
作を繰り返すことによって、現像後の感材の光学濃度が
カブリ+1.0になるような照射X線量をもとめる。こ
の照射線量の逆数をスクリーンの発光輝度と定義する。
なお標記にあたってはこの照射線量が7.2mRである
スクリーンの輝度(=0.139mR-1)を100とし
て相対値で表わす。
【0033】この方法で市販のUM Mammo Fine(化成オプ
トニクス社製、以下UM-Fine と略記)スクリーンの発光
輝度を測定したところ、0.139mR-1であった。す
なわちこのスクリーンの発光輝度が100に相当する。
その他、いくつかの市販スクリーンの発光輝度は実施例
1に示した。
【0034】この測定のX線発生装置には市販の乳房撮
影用装置を用いることができる。本特許の測定には東芝
(株)製、DRX-B1356EC を用いた。Moフィルターは標
準装備のものを用い、管球から約20cmのところに厚
み2cmのアクリルフィルターを設置した。線源とスク
リーン面との距離は約60cmであった。線量計も低エ
ネルギーX線用の市販の電離型のものを用いることがで
きる。本特許記載の測定にはRadical Corporation 社製
のmdh1015C型電離型線量計と10X5-6M イオンチャンバー
を用いた。線量の測定位置と実際のスクリーン位置の補
正、および温度、気圧等を補正、カセッテ天板分の吸収
も補正することにより、実際にフィルム・スクリーン対
に照射される線量を測定した。
【0035】ここで本発明において好ましいスクリーン
の発光輝度は、このような方法で測定し150以上25
0以下のものである。より好ましくはこの輝度が160
以上240以下であり、さらに好ましくは170以上2
40以下、特に好ましくは170以上220以下であ
る。
【0036】先にも記載したように、スクリーンの輝度
は、ほぼそのX線利用効率に比例する。一般に乳房撮影
用スクリーンは高鮮鋭度を維持するために、その蛍光体
層を薄く塗布したり、着色したりして作製される。ただ
し、これはX線吸収率の減少や、X線を吸収したとして
もその奥の方の発光が有効に取り出されないため、有効
X線利用効率が減少する。このX線利用効率の減少は最
終画像のノイズ(量子ノイズ)の増加としてあらわれ
る。即ち、X線利用効率が低いと粒状の粗い画となる。
しかしながら、今までの乳房用撮影システム(X線増感
スクリーンと感材の組体)においては、この粒状の粗さ
は許容範囲内であった。そのため、鮮鋭度を重視するた
めにX線利用効率が低くても(粒状が多少荒くても)鮮
鋭度の高いスクリーンが主として用いられている。しか
し本発明のように感材の階調が従来のものより格段に高
いシステムにおいては、信号強度も増幅されて好ましい
代わりに、その量子ノイズも増幅されてしまうため最終
画像として診断の許容範囲を越えた粗い粒状になってし
まう。そこで本発明の目的のためには鮮鋭度の劣化を最
小限に押さえながら、高いX線利用効率を達成した高輝
度スクリーンが必要である。この高輝度スクリーンと高
階調の感材と組み合わせることにより、量子ノイズによ
る粒状の悪化を押さえ、高階調による信号強度の強い、
診断能の高い画を提供することができる。さらに、既に
説明したとおり、本発明の高輝度スクリーンと組み合わ
せることによって、システム感度(感材とスクリーンの
組体の感度)を維持するために必要な感材の感度を低く
設定することができるため、本来は作製することは極め
て難しい高階調感材を作製することが可能になるという
側面も合わせ持っている。このように、本発明のスクリ
ーンの発光輝度が150以上であるということは、X線
利用効率が高く粒状が良い画を提供するという観点と、
高階調の感材を作製可能にするという観点で極めて重要
である。
【0037】このような有効X線利用効率という概念は
一般にDQEで表される。DQEの詳細な記載について
は特開平6ー75097に詳しい。本発明の高発光輝度
スクリーンとは高DQEスクリーンを意味する。このよ
うに有効にX線を利用しながら、その鮮鋭度が実用レベ
ルにあることが本発明のスクリーンの特徴である。ここ
でこのような本発明の好ましいスクリーン態様であるス
クリーンの蛍光体層が実質的に着色されていないとは、
着色染料・または顔料等によって、全く着色されていな
いときに比べてスクリーン輝度が80%以上100%以
下であることを言う。
【0038】ここで本発明のスクリーンの鮮鋭度につい
て記載する。本発明者は、このような乳房撮影用システ
ムにおいて必要な鮮鋭度は空間周波数5本/mmで0.
40以上1.00以下であることを見いだした。さらに
好ましくは0.45以上1.00以下である。
【0039】以下に鮮鋭度の具体的な測定方法を記載す
る。鮮鋭度の測定に際しては、支持体の片面にのみハロ
ゲン化銀乳剤層の塗布された乳房撮影用感材を用いるこ
とができる。当然、当業界で常識であるハレーション防
止のために感材のバック面には水溶性染料等が塗布され
ている。本発明では富士写真フイルム(株)社製UMM
A−HC片面感光材料を用いた。この感材を測定対象の
増感スクリーンに接触状態に配置し富士写真フイルム
(株)社製の乳房撮影用ECMAカセッテに装填した。
MTF測定用矩形チャート(化成オプトニクス株社 T
ype9、Sn製、厚み:40μm 、空間周波数:0本〜
10本)をこのカセッテ上に密着して配置し撮影した。こ
れらMTFチャートとカセッテはX線管球から60cm
のところに、X線管球よりMTFチャート、カセッテ天
板、感材、増感スクリーンの順番に配置した。使用した
X線源は前記のスクリーン輝度測定用のものと同様であ
る。なおこのときのX線管球の焦点サイズは公称値で
0.4mmであった。
【0040】また前記したように、アクリルは管球焦点
から20cmのところに配置し、アクリルフィルターと
X線チャート、スクリーンまでの距離を40cmと十分
に大きく取ることにより、散乱線が混入するのを最小限
に抑えて露光した。
【0041】露光後のフィルムは前記のスクリーンの発
光輝度測定の現像処理で処理した。また撮影試料は、露
光時間の調節で濃い部分の濃度を1.8 にあわせた。この
ようにすることによってほぼ感材の特性曲線の直線部分
を使用することができる。現像後のチャートをマイクロ
デンシトメータで走査した。この時のアパーチャーは走
査方向が30μm 、それに垂直な方向が500μm のス
リットを使用し、サンプリング間隔30μm で濃度プロ
フィールを測定した。この操作を20回繰り返して平均
値を算出し、それをCTFを計算するもとの濃度プロフ
ィールとした。その後、この濃度プロフィールの各周波
数毎の矩形波のピークを検出し、各周波数毎の濃度コン
トラストを算出した。これをゼロ周波のコントラストで
規格化し、これをコントラスト伝達関数(CTF)とし
た。
【0042】本発明の乳房撮影用スクリーンはX線を十
分に吸収することが重要であるので、蛍光体塗布量は2
5mg/cm2 以上100mg/cm2 以下であること
が好ましく、25mg/cm2 以上80mg/cm2
下であることがより好ましい。またその蛍光体により吸
収されたX線による発光を有効に取り出すことが重要で
あるので、蛍光体層は実質着色されていないことが必要
である。ここで一般に、蛍光体塗布量を減らすことや蛍
光体層を着色することは鮮鋭度を向上させる目的で乳房
撮影用の高鮮鋭度スクリーンでは用いられるが、その反
面、有効に画像形成に使用されるX線量子数が減少する
ため本発明の目的には好ましくない。
【0043】本発明の目的である乳房撮影用のX線増感
スクリーンは胸部診断用などと比べて高解像度を必要と
される。よって一般に市販されている乳房撮影用のX線
増感スクリーンはその蛍光体層を着色することによって
その解像度を上げている。しかしながらこのような着色
はX線入射面に対し、奥の蛍光体により吸収されたX線
による発光光を有効に取り出すことができない。本発明
のX線増感スクリーンは実質的に蛍光体層を着色するこ
となく、さらに十分にX線を吸収できるだけの蛍光体を
塗布したうえで、必要な高鮮鋭度を得るスクリーンを提
供することが好ましい。
【0044】このようなスクリーンのためにはその蛍光
体の粒子サイズはより小さい方が好ましい。蛍光体のサ
イズの測定法方はコールターカウンター法、電子顕微鏡
による観察などにより測定することができる。本発明に
おいてはその蛍光体の球相当直径の平均が1〜5μm で
あることが好ましく、より好ましくは1〜4μm であ
る。従来のような蛍光体層を染色する乳房撮影用スクリ
ーンにおいてはこれは重要ではないが、本発明のスクリ
ーンの様に蛍光体層を実質的に染色しないスクリーンに
おいては特に好ましい。
【0045】またこのようなスクリーンにおいて鮮鋭度
を上げるためには蛍光体層のバインダーと蛍光体の重量
比において、よりバインダーが少ない方が好ましい。バ
インダー/蛍光体の重量比は1/50以上1/20以下
であることが好ましく、さらには1/50以上1/25
以下であることが好ましい。
【0046】バインダーとしては特開平6−75097
号公報の第4頁右欄45行目から同5頁左欄10行目に
記載の公知の物を使用することが出来るが、軟化温度ま
たは融点が30℃〜150℃の熱可塑性エストラマーを
単独、あるいは他のバインダーポリマーと共に用いるこ
とが好ましい。特に本発明のように鮮鋭度をあげるため
にバインダーの少ないスクリーンでは、そのスクリーン
の耐久性は悪化するので、これに耐えうるバインダーを
選択することは重要である。この解決策としては、十分
に柔軟性のあるバインダーを選択することが好ましい。
また蛍光体層内に可塑剤等を添加することも好ましく用
いられる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリス
チレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニ
ル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポ
リエチレン、スチレンーブタジエンゴム、シリコンゴム
などを挙げることができる。これらのうち、特にポリウ
レタンが好ましい。また蛍光体層の下塗りのバインダー
の選択も重要である。アクリル系バインダーが好ましく
用いられる。
【0047】また本発明のスクリーンは耐傷性・耐汚染
性の許す範囲で、その表面保護層が薄いことも好まし
い。その表面保護層の厚みは1〜7μm であることが好
ましく、2〜7μがより好ましく、より好ましくは2〜
4μm である。
【0048】表面保護層の素材はPET(特に延伸タイ
プ)、PEN、ナイロン等のフィルムを張り合わせるこ
とが出来る。またフッ素系樹脂を溶剤に溶かして塗布す
ることによって表面保護膜を形成することも汚れ防止の
観点から好ましく用いられる。好ましいフッ素樹脂の態
様については、特開平6ー75097号公報の第6頁左
欄4行目から同右欄43行目に詳しい。またこの様に溶
剤塗布型で表面保護層を形成できる樹脂としては、フッ
素樹脂の他にポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、セ
ルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、ポリエス
テル樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
【0049】また蛍光体の充填率が十分に高いことも、
高感度でかつ高鮮鋭度のスクリーンを得るためには重要
である。具体的には蛍光体の体積充填率が60%以上8
0%以下であることが好ましい。さらに好ましくは65
%以上80%以下である。ここで本発明のような微粒子
の蛍光体で体積充填率を高く保つためには特開平6−7
5097号公報の第4頁右欄29行目から同第6頁左欄
1行目に記載の蛍光体層を圧縮処理する工程が好ましく
用いられる。その他、本発明で好ましく用いられるスク
リーン技術の詳細に関しては、特開平6−75097、
特願平7−191237等に記載がある。
【0050】次に本発明の重要な構成要素である高階調
(コントラスト)のハロゲン化銀写真感光材料について
記載する。
【0051】本発明の支持体の片側のみに感光層を持つ
ハロゲン化銀写真材料(=感材)は、X線露光量の対数
を横軸に、光学濃度を縦軸にした、単位長が等しい直交
座標上に示される特性曲線の、被り+0.25 の点と被り+
2.0の点を結ぶ直線の傾き(横軸とのなす角をθとし、t
an θ)が3.6以上4.8以下であることが必要であ
る。この傾きを感材の平均コントラスト(=階調)と定
義する。また好ましくはこの傾きは3.8以上4.8以
下であり、さらに好ましくは3.9以上4.4以下であ
る。尚、ハロゲン化銀写真感光材料の平均コントラスト
は、下記現像処理(1)を行なうことで算出される。 現像処理(1) 以下の組成の現像液Gを用い、現像温度35℃、現像時
間25秒で現像処理を行なう。 現像液G: 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2 g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5 g 臭化カリウム 4 g 水を加えて1リットルとしたのち、pH=10.2 に調節する。
【0052】具体的な感材の現像処理方法は、前記現像
処理Aにならうものとする。以下、感光材料の特性曲線
を求める方法について説明する。乳房撮影においては、
通常低圧X線を発するMoターゲット管で露光するが、
実質的にGd22S:Tbからなる蛍光体を用いた増
感スクリーンを用いる場合に限り、タングステン・ター
ゲット管から生じたX線を線源にして距離法によりX線
露光量を変化させる方法で特性曲線を求めても実質的に
変わらない。
【0053】具体的には、三相の電力供給で50KVp
で運転されるタングステン・ターゲット管から生じたX
線を、厚み3mmのアルミニウム板を透過させたものを
本発明の測定では用いた。市販の化成オプトニクス株社
製UM-Fine スクリーンと測定する感材を密着させ、富士
写真フイルム(株)社製ECMAカセッテに装填した。
X線管球から順番に、カセッテ天板、フィルム、スクリ
ーンとなるように配置してX線照射を行った。X線露光
量は距離法によって変化させ、logE=0.15 の幅でステッ
プ露光した。その後、前記現像処理(1)で処理し、濃
度を測定し、照射線量の対数を横軸にし縦軸に光学濃度
をとり特性曲線を得た。この特性曲線よりカブリ+0.25
とカブリ+2.0 の濃度点を結ぶ平均コントラストが求め
られる。
【0054】本発明の特性曲線をもつ感光材料を得る方
法は任意であるが、以下に好ましい具体例を示す。まず
感度が異なる2種類の乳剤を選択し、その感度差は対数
で0.5〜0.15の範囲が好ましい。最も好ましい範囲は0.4
〜0.2 である。2種類の乳剤は上層に低感乳剤を、下
層に高感乳剤を層別に塗布する。異なる感度を持つ3種
以上の乳剤を感度の低い順序に上層から下層に多層塗布
する事で更に良好コントラストが得られるが、改良効果
と経済性の関係を考慮すると乳剤層は4層以上にする意
味は小さい。また、上層乳剤層の緑色光の吸収量は下層
乳剤に対して小さい方が好ましい。
【0055】乳剤の比率としては銀量比で、各層ほぼ同
量が好ましいがこの限りではない。用いる乳剤は単分散
な粒子サイズ分布をもつものが好ましい。粒子サイズの
偏差を平均粒子サイズで割った値の100倍を変動係数
(%)とすると、変動係数が20%以下となる粒子サイ
ズ分布をもつ乳剤が好ましい。ハロゲン化銀粒子の形、
ハロゲン組成については任意であるが、平板状粒子、ア
ンモニア法立体粒子は特に有用である。また、コントラ
ストを高めるために、沃化銀を1〜3モル%を混晶する
ことで有益な結果が得られる。
【0056】上層の乳剤は、緑色吸収量を減らすため、
緑色に吸収する色素と、青色に吸収する色素を併用する
ことが好ましい。特に、化学増感する前に、緑色に吸収
する色素と、青色に吸収する色素を添加することで、化
学増感の最適化ができ、高感で硬調な乳剤が作成出来
る。
【0057】本発明において使用するハロゲン化銀写真
感光材料の代表的な構成としては、青色に着色した透明
支持体の一方に乳剤層、その逆側に染料を含む非感光性
ゼラチン層をもつ。
【0058】支持体は、ポリエチレンテレフタレートな
どの透明な材料から形成されたものであって、青色染料
により着色されている。青色染料としては、X線写真用
フィルムの着色用として知られているアントラキノン系
染料など各種のものが使用できる。支持体の厚さは16
0〜200μmの範囲から適宜選ぶことができる。支持
体の上には、通常のX線写真用フィルムと同様に、ゼラ
チンなどの水溶性高分子物質からなる下塗り層が設けら
れる。
【0059】下塗り層の上には、ハレーション防止のた
めの染料層が設けられてもよい。この染料層は通常、染
料を含むコロイド層として形成され、先に規定した現像
処理にて脱色される染料層であることが望ましい。染料
層中では、染料が層の下部に固定されていて、上層の感
光性ハロゲン化銀乳剤層や保護層に拡散することのない
ようにされていることが望ましい。
【0060】染料層の上には、感光性ハロゲン化銀乳剤
層が形成される。なお、ハロゲン化銀写真感光材料は、
一緒に用いる増感スクリーンに対して感光性を持たなく
てはならない。通常のハロゲン化銀乳剤は、青色光〜紫
外光の範囲の光に対して感光性を持っているので、テル
ビウム賦活カドリニウムオキシスルフィド蛍光体を用い
た増感スクリーンから発光する光が、主波長545nmの
光を発光するので、感光材料のハロゲン化銀は緑色に分
光増感されている必要がある。
【0061】感光層のバインダー使用量は5g/m2以下
とするのが好ましく、特に2g〜4g/m2とするのが好
ましい。一方、感光層中の銀の含有量は5g/m2以下と
するのが好ましく、特に2.5g〜4.5g/m2とする
のが好ましい。
【0062】上記のようにして製造した、支持体の片面
に設けられた下塗り層と感光層およびハレーション防止
染料層との積層体の上に、常法に従って、ゼラチンなど
の水溶性高分子材料からなる保護層が設けられ、本発明
のハロゲン化銀写真感光材料を得ることができる。
【0063】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製造
に利用される乳剤増感法や各種添加剤、構成材料、現像
処理方法等に関しては特に制限はなく、たとえば、特開
平2−68539号公報、特開平2−103037号公
報、および特開平2−115837号公報の下記の該当
箇所に記載の各種の技術を利用することができる。
【0064】 項 目 該 当 箇 所 1 化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行から 同左下欄16行目 2 カブリ防止剤、 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目 安定剤 及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄 3 分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄 4 界面活性剤、 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目 帯電防止剤 5 マット剤、 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行目、同第 滑り剤、可塑剤 14頁左下欄10行目から同右下欄1行目 6 親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目 7 硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目 8 支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目 9 染料、媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目 10 現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目か ら同第19頁左下欄15行目、及び特開平2−1158 37号公 報第3頁右下欄5行目から、同第6頁右上欄 10行目
【0065】さらにこのような感材とスクリーンを組み
合わせた組体感度にも、好ましい範囲が存在する。その
組体が、三相電源26kvpで動作させたMoターゲッ
ト管に1mmのBe、0.03mmのMoおよび2cm
のアクリルフィルターを透過したX線を用いて露光し、
現像処理(1)を行った結果、カブリ+1.0の光学濃
度を与えるのに必要なX線の照射線量を組体感度と定義
する。このようにして測定した組体感度が5.5〜10
mRであるようなシステム感度である組体が好ましく用
いられる。より好ましくは6〜9mRである。ここで必
要な露光量が多いほど低感度システムであり、露光量が
少ないほど高感度システムである。この照射線量が10
mR以上の低感度システムの方が量子ノイズがすくなく
良好であるが、患者の被爆線量が増加し好ましくない。
本発明者の検討によれば、10mR以上のような低感度
にすることによる最終画像のメリットは少なく好ましく
ない。また、5.5mR以下である高感度システムは、
患者の被爆線量が低下し好ましいが、逆に最終画像の粒
状の悪化がおこりはじめ、一部診断上に障害が見られる
と考えられた。
【0066】よって本発明の組体は、組体感度を上記範
囲内に設定することによって、その効果を発現する。ち
なみに、前記のように富士写真フイルム(株)社製のU
M−FineスクリーンとUMMA−HCフィルムの組
み合わせシステムの感度は7.2mRであった。本発明
のシステムはこのUM−FineスクリーンとUMMA
−HCフィルムの組み合わせシステムの感度と同等であ
るが、スクリーンの輝度が高く、逆に感材の感度が低い
ことが特徴である。本特許の感材の感度設定は任意でよ
いが、システム感度が前記範囲内になるように適当に調
整されていることが必要である。本発明を具体的に示す
ため実施例を示すが、本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0067】
【実施例】
実施例1 (1)カーボンブラック下塗り層の調整 カーボンブラック粉末40g、バインダーC(大日本イ
ンキ化学工業(株)製:クリスコートP1018GS)
80gにメチルエチルケトンに加え、混合・分散し、粘
度3PSになるように下塗り層塗布液を調製した。この
塗布液を厚み350μmの透明ポリエチレンテレフタレ
ート支持体上にドクターブレードを用いて均一に塗布し
たのち乾燥をおこなった.乾燥後の膜厚は20μm であ
り、十分な遮光性をもった下塗り層であっり、表面の平
滑性が高いものであった。
【0068】(2)二酸化チタン光反射層付き支持体の
調整 平均粒子サイズ0.28μm のルチル型TiO2 粉末
(石原産業(株)製、CR95)500g、バインダー
C(大日本インキ化学工業(株)製:クリスコートP1
018GS)100gにメチルエチルケトンに加え、混
合・分散し、粘度10PSになるように下塗り層塗布液
を調製した。結合材とTiO2粒子の混合比は1:5(重量
比)であった.この塗布液を厚み350μmの透明ポリ
エチレンテレフタレート支持体上にドクターブレードを
用いて均一に塗布したのち乾燥をおこなった。できあが
った乾燥膜厚は35μm であった。この光反射層中でTi
O2粒子の凝集は全く見られず、表面の平滑性が高いもの
であった。蛍光体の主発光ピークである545nmで、こ
の反射層の拡散反射率を測定したところ94%であっ
た。十分に高い反射率と、反射鮮鋭度をもった反射層で
あることが分かる。
【0069】(3)蛍光体層の調整 蛍光体シート形成用塗布液として蛍光体(Gd22
S:Tb、平均粒径2μm 、電子顕微鏡法による球相当
平均直径)250g、バインダーA(ポリウレタン、住
友バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモラックT
PKL−5−2625)固形分として)6g、バインダ
ーB(油化シェルエポキシ(株)製:エピコート100
1)1g、イソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製:コロネートHX)0.5gをメチルエチルケ
トンに加え、プロペラミキサーで分散し、粘度が20P
S(25℃)になるように調製した。この塗布液を仮支
持体(あらかじめシリコーン系離型剤が塗布されている
ポリエチレンテレフタレート)上に塗布し、乾燥後仮支
持体より剥離し、蛍光体層とした.このようにして作製
した蛍光体層の厚みは125μm であった。
【0070】(4)蛍光体スクリーンの作製 (1)の下塗り層を塗設した支持体上に(3)の蛍光体
層を重ね、カレンダーロールによって400Kgw/c
2 、80℃で加圧し、保護層なしの蛍光体シートを作
製した。カレンダー後の蛍光体層膜厚は105μm 、蛍
光体の体積充填率は68%であった。
【0071】(5)表面保護層の作製 フッ素系樹脂(セントラルガラス(株)製:セフラルコ
ート)10g、アルコール変成シロキサンオリゴマー
(信越化学工業(株):X−22−2809)1.5
g、イソシアネート(三井東圧化学(株)製:オレスタ
ーNP38−70S)3.2g、触媒(共同薬品(株)
製:KS1269)0.001gをメチルエチルケトン
・シクロヘキサノン(重量比1:1)溶媒に溶解し保護
層塗布液とした。この塗布液を前記保護層なしの蛍光体
シート上にドクターブレードを用いて塗布し、ゆっくり
と乾燥した後120℃10分熱処理をして4μmの保護
層を有する蛍光体シートを得た。
【0072】(6)エンボスの作製 ランダムな凹凸が施されているステンレス製ローラーを
用いて、線圧40kg/cm、50℃、3m/minで
エンボス処理をした。
【0073】(7)刻印の作製 保護層を塗設した蛍光体層の表面の刻印部分に、目的と
する刻印よりやや大きい穴のあいたポリエチレンテレフ
タレートフィルム(マスクフィルム)を密着させ、ピン
ホールテスター(東京高周波電気炉(株)製:テスラコ
イルK型)用い、25℃、65%RH、距離1cm、3
秒間の放電処理を行った。その後、インクリボン(中島
金属箔粉工業(株)製:BLACK−TP)を用い10
0℃、5kg/cm2 、10秒間のホットプレスによっ
て刻印した
【0074】このようにして表1に示すような、蛍光体
層厚み105μm 、表面保護層厚み4μmのスクリーン
2を作製した。同様にして、蛍光体層の厚みを変化させ
ることによって、スクリーン1〜スクリーン4を作製し
た。また下塗り層を(1)のカーボンブラック層から、
(2)の酸化チタン反射層に変更することによって、同
様にスクリーン5〜9を作製した。
【0075】次に、蛍光体層内に発光光の吸収剤として
カーボンブラック微粉末を添加することによる変化を示
すため、蛍光体層に蛍光体重量に対して0.0015WT% 、0.
006WT%のカーボンブラック微粉末を添加し、スクリーン
2と同様の方法でスクリーン10〜11を作製した。
【0076】<スクリーンの発光輝度の測定>詳細な説
明に記載したように、545nm±20nmの単色光で0.
0210ルクスの照度で1秒間露光し、現像処理条件
(1)で現像したとき、カブリ+1.0の光学濃度が得
られる片面ハロゲン化銀写真感光材料を用いて行った。
具体的には、富士写真フイルム(株)社製の乳房撮影用
フィルムUMMA-HC #919-01 を用いた。このフィルムの乳
剤面と測定するスクリーンの保護層を密着させ、富士写
真フィルム(株)社製ECMAカセッテに装填した。X
線管球から順番に、カセッテ天板、フィルム、スクリー
ンとなるように配置してX線照射を行った。
【0077】X線源としては、市販のマンモ撮影用装置
である東芝(株)製、DRX-B1356ECを用いた。三相電源
で26kVpで動作させたMoターゲット管に1mmの
Be窓と、0.03mmのMo及び2cmのアクリルフ
ィルターを透過したX線を用いた。線源とスクリーン面
との距離は約60cmであった。このとき同時に照射X
線量を測定するために市販の電離型線量計であるRadica
l Corporation 社製のmdh1015C 型線量計と10X5-6M イ
オンチャンバーを用いた。線量の測定位置と実際のスク
リーン位置の補正、および温度、気圧等を補正、カセッ
テ天板分の吸収も補正することにより、実際にフィルム
・スクリーン対に照射される線量を測定した。
【0078】管球の電流と、露光秒数を0.5秒〜1.
5秒の間で適当に変化させることにより、現像後のフィ
ルム濃度がカブリ+1.0になるような照射線量をもと
めた。
【0079】露光後のフィルムは、自動現像機(富士写
真フイルム(株)社製、商品名FPM−5000)に
て、現像処理Aをおこなった。その後濃度を測定し、X
線の照射線量に対してプロットすることにより、フィル
ムの濃度がカブリ+1.0になる照射線量を求めた。こ
のようにして求めた濃度1.0を得るのに必要な照射線
量の逆数をスクリーンの発光輝度を表す尺度とした。
尚、表記にあたってはX線照射線量が7.2mRである
スクリーンの輝度(0.139mR-1)を100として
相対値で表した。尚、市販の化成オプトニクス社製UM-F
ine スクリーンを用いて測定を行った結果、7.2mR の照
射線量でカブリ+1.0のフィルム濃度が得られた。こ
のUM-Fine スクリーンの発光輝度は0.139 mR-1であり、
定義による発光輝度100に相当する。本実施例で作製
したスクリーン、及び各社の市販スクリーンの発光輝度
を表1にまとめる。
【0080】<変調伝達関数(CTF)の測定>富士写
真フイルム(株)社製UMMA−HC片面感光材料を、
測定対象の増感スクリーンに接触状態に配置し、MTF
測定用矩形チャート(化成オプトニクス社製Type
9、Sn製、厚み:40μm 、空間周波数:0本〜10本)
を撮影した。
【0081】露光条件、露光配置はスクリーンの発光輝
度の測定と同様である。このとき管電流は100mAであ
ったので、X線管の焦点サイズは公称値0.4mmであっ
た。チャートはX線管球から約60cmのところにカセ
ッテに密着させて配置した。
【0082】なお線質調整用の2cmのアクリルは管球
焦点から20cmのところに配置し、アクリルフィルタ
ーとX線チャート、スクリーンまでの距離を40cmと
十分に大きく取り散乱線の混入を防止している。撮影試
料は、露光時間の調節で濃い部分の濃度を1.8 にあわ
せ、発光輝度の測定と同様に現像処理(1)をおこなっ
た。その後、詳細な説明に記載のとおりコントラスト伝
達関数(CTF)を求めた。空間周波数5本/mmにつ
いて測定された値を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】この表1より明らかなように、本実施例の
試作スクリーンは、その発光輝度・CTFの観点におい
て市販のスクリーンを凌駕していることが分かる。これ
らのうち、発光輝度が150以上かつCTF(5本/m
m)が0.40以上のスクリーンが本発明のスクリーン
である。乳房撮影用として、本発明の感材と組み合わせ
た場合これらのスクリーンが有用であることを以下の実
施例で示す。
【0085】なお、乳房撮影用ではないため、本発明と
は直接関係ないが、市販の管電圧40kVp以上の高圧
で使用されることを目的として開発されたスクリーンを
使って同様の実験を行った結果を参考までに表2に記載
する。仮にこれらを使用したとしてもこれらは本発明の
要件を満たしていないことが分かる。
【0086】
【表2】
【0087】<実施例2 感光材料の作製> (感光材料Aの作製) 1. 微粒子硬調乳剤a1 、c1 の調製 5.3gの臭化カリウムおよび4gのパラトルエンスル
フィン酸ナトリウムを含有する2重量%のゼラチン溶液
1リットルに、チオ硫酸ナトリウム5水和物10mg、ロ
ダンカリ1.6g、氷酢酸10ccを加え、これを激しく
攪拌しながらダブルジェット法で、硝酸銀5.1gを含
有する水溶液14ccと、1.8gの臭化カリウムと0.
08gのヨウ化カリウムとを含む水溶液7ccとを30秒
間で添加した。そして、その後、3gのヨウ化カリウム
を含む水溶液30ccを添加した。上記の液に、まず硝酸
銀78.1gを含有する水溶液200ccを、次いで1分
後に50.6gの臭化カリウムと2.3gのヨウ化カリ
ウムとを含む水溶液200ccを、それぞれ15分間かけ
て添加した。次に、25重量%のアンモニア水7.8cc
を添加し、10分間熟成させた後、硝酸銀117gを含
む水溶液と臭化カリウム82.3gを含む水溶液とを同
時に14分間で添加した。なお、全ての工程における反
応液の温度は58℃に維持した。
【0088】上記の反応液を、常法によりフロキュレー
ション法で洗浄し、40℃にてゼラチン、増粘剤、防腐
剤を添加し分散した後、pHを5.6そしてpAgを
8.9に調節した。次に、この反応液を57℃に維持し
ながら、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン216mgを、続いて増感色素A
(緑色増感色素)270mg及び増感色素B (青色増感色
素)300mgとを添加し、10分間熟成させた後、チオ
硫酸ナトリウム5水和物8.7mg、ロダンカリ54mg、
そして塩化金酸3.1mgを順次添加し、60分間熟成さ
せ、次いで4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラザインデン690mg、ヨウ化カリウム1
0%水溶液5.1ccを添加した後、冷却して,平均粒子
サイズ0.45μm の微粒子単分散非平板状粒子乳剤a
1 を得た。
【0089】
【化1】
【0090】同様の方法で、粒子形成時の反応液温度を
70℃に、また、ロダンカリを2.4gにした以外は乳
剤a1と同条件でハロゲン化銀粒子のサイズを大きく
し、増感色素Bを除いた以外は乳剤a1と同じ化学増感
をして平均粒子サイズ0.65μmの乳剤c1をえた。
【0091】2 塗布液の調製 乳剤a1、c1に下記薬品を添加して、乳剤層塗布液を
調製した。また保護層塗布液を調製した。
【0092】 (乳剤塗布液) ・乳剤a1、c1 1kg(ゼラチン81g 、Ag:92g) ・ポリマーラテックス(ポリ(アクリル酸エチル/ メタクリル酸)=97/3、重量比)) 2.9 g ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセト アミド)エタン) 1.1 g ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチル アミノ−1,3,5−トリアジン 0.04g ・デキストラン(平均分子量3.9 万) 10g ・足切り剤 0.34g ・p−ハイドロキノンスルフォン酸カリウム 5.4g ・ヨウ化カリウム 0.05g ・蒸留水 upto 1160ml
【0093】
【化2】
【0094】 (保護層塗布液) ・ゼラチン 1 kg ・C1633O(CH2 CH2 O)10H 27g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na 1.4 g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)15H 0.92g ・ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径2.5 μm) 69g ・プロキセル 0.7g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 19g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 10.5g ・NaOH 3.2 g ・C8H17C6H4(OCH2CH2)3SO3Na 16.2 g ・蒸留水 upto 11.1リットル
【0095】(ハレーション防止層塗布液) (1)染料分散物Lの調整 下記染料−1およびオイル−I,−II各2.5gを酢酸
エチル50ccに溶解したものをドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム1.5gおよびp-ヒドロキシ安息香酸メ
チルを0.18g含む8%ゼラチン水溶液90gと60
℃で混合し、ホモジナイザーで高速攪拌した。高速攪拌
終了後、エバポレーターを用いて60℃で減圧処理し、
酢酸エチルを92wt%除去した。これにより平均粒径
0.18μmの染料分散物Lを得た。
【0096】 (2)塗布液の調整 ・ゼラチン 1kg ・ポリマーラテックス(ポリ(アクリル酸エチル/ メタクリル酸)=97/3、重量比)) 130 g ・リン酸 1.23g ・スノーテックスC 120 g ・プロキセル 0.4 g ・染料分散物L 190 g ・染料−2 18g ・染料−3 12.5g ・染料−4 13g ・硬膜剤1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 17.5g ・蒸留水 upto 13.8 リットル
【0097】
【化3】
【0098】 (バック保護層塗布液) ・ゼラチン 1 kg ・C1633O(CH2 CH2 O)10H 33g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na 1.4g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)15H 0.92g ・ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径3.7 μm) 34g ・プロキセル 0.7 g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 75g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 10.5g ・NaOH 2.3 g ・C8H17C6H4(OCH2CH2)3SO3Na 20 g ・蒸留水 upto 10.7リットル
【0099】3 感光材料の調製 2で調製した塗布液を同時押し出し法により、下塗り済
みのPET175μmの支持体の一方の側に塗布をし
た。保護層を最上層に、乳剤a1をその下層(上層乳剤
層)に更に乳剤c1を最下層(下層乳剤層)にした。尚
保護層のゼラチン量は0.6g /m2にした。乾燥して感
光材料を調製した。尚乳剤層の塗布量は表2に示す塗布
銀量になるように定めた。感光層の逆側には、ハレーシ
ョン防止染料層と保護層をそれぞれ、ゼラチン塗布量と
して、3.9g/m2 、1.27g/m 2 になるようにし
た。
【0100】(感光材料B,C,D,E,F,G、Hの
作成)感光材料Aと同様の方法で、感光層の乳剤の調整
方法、あるいは塗布液中の薬品添加量を変えて作成し
た。感光材料Aに対する違いについては、表1、表2に
示した。乳剤の調整方法は乳剤a1、c1に準じてい
て、反応液温度及び又はロダンカリの量を変え粒子サイ
ズを変えたこと、及び、その粒子サイズにあった写真感
度が引き出せる化学増感を施したこと、及び、増感色素
A、Bの添加量の調整により、乳剤の吸収特性を変えた
ことである。
【0101】
【表3】
【0102】(感度・階調の測定)ここで、フィルムの
感度を、市販のUM-Fine スクリーンと測定する感材を組
み合わせてX線露光することによって求めることができ
る。距離法によりX線露光量を変化させる方法により測
定をおこなった。本測定は同一のスクリーンを用い、感
材のみを変化させたものなので、これで実際の乳房撮影
用のMoターゲット管で露光したときと同様の結果が得
られる。
【0103】具体的には、三相の電力供給で50KVp
で運転されるタングステン・ターゲット管から生じたX
線を、厚み3mmのアルミニウム板を透過させたものを
用いた。市販のUM-Fine スクリーンと測定する感材を密
着させ、富士写真フィルム(株)社製ECMAカセッテ
に装填した。X線管球から順番に、カセッテ天板、フィ
ルム、スクリーンとなるように配置してX線照射を行っ
た。距離法にてX線露光量を変化させ、logE=0.15 の幅
でステップ露光した。
【0104】露光後のフィルムは、自動現像機(富士写
真フイルム(株)社製、商品名FPM−5000)に
て、現像液Gを用いた現像処理(1)をおこなった。そ
の後、濃度を測定し、カブリ+1.0の濃度を得るのに
必要な照射線量の逆数をフィルムの感度とした。なお、
感度は545nm±20nmの単色光で露光したとき、カブ
リ濃度+1.0が得られる光量が0.0210lux 秒であるUM
MA-HCの感度を100とおいて相対値で表した。
【0105】また、フィルムのコントラストはカブリ+
0.25とカブリ+2.0の濃度点を結ぶ平均コントラ
ストを求めた。結果を表4に示した。
【0106】
【表4】
【0107】次に、フィルムの絶対感度を545nmの
単色光で求めた。結果を表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】尚、感度90以上では、種々努力したが、
コントラストが3.8以上のものは得られなかった。
【0110】<実施例3 組体の画質評価>実施例2の
フィルムと実施例1で作製したスクリーンを組み合わせ
て、Gammex社製 RMI-156ファントーム(serial No 156-1
2438) を撮影し、その検出能を評価した。結果を表6に
示す。撮影電圧は28kVpで、グリッドを用いた。 ○○ : 明瞭に見える。 ○ : 十分に検出可能である。 △ : 僅かだが見える。 × : 良く見えない。
【0111】なお、評価にあたっては、1.大きなマス
・カルフィケーション・ファイバーの検出能(大検出
能)、2.小さなマス・カルフィケーション・ファイバ
ーの検出能(微小検出能)という2つの観点で評価をし
た。
【0112】
【表6】
【0113】大きなマス・カリフィケーション・ファイ
バーの検出能を上げるためには、とにかくコントラスト
を上げれば良いことが分かる。(組体1、2、3、4の
比較)しかし、市販のUM-Fine の様なスクリーンでは、
コントラスト3.6 以上では粒状が荒く、そのノイズにま
ぎれてしまうため微小なマス・カリフィケーション・フ
ァイバーを十分に検出可能な画像を提供することができ
ない。(組体8)しかし、本発明の様なX線を十分に利
用し粒状の良い(発光輝度の高い)スクリーンを使用
し、フィルムで組体感度を5.5〜10mR近辺に調整
してやることによって、粒状を抑えることができ、コン
トラストを上げて検出能の高い画像を提供することがで
きる。
【0114】また、表4にも示したように、フィルム相
対感度が90以上ではコントラストを3.8 までしか作製
することができなかった。この点、スクリーン輝度が高
い本発明のスクリーンとの組み合わせ感材は、フィルム
感度が半分でよいため技術的に難しい高コントラストの
感材を設計しやすい。このように高コントラストの感材
を作りやすいという観点でも本発明の高輝度スクリーン
は有用である。また、本発明の発光輝度の高いスクリー
ンに、感度が調節できていないフィルムを組み合わせる
と、組体の感度があがり、極めて粒状性が悪くなり微少
信号を描写出来なくなってしまう。(組体5、6、7)
【0115】またUM-Fine とフィルムBの組み合わせの
11は、確かにその検出能は高いが、システム感度が従
来の半分であり、患者の被爆線量が増加するため本発明
の目的である乳房撮影用スクリーンとしては好ましくな
い。このシステム11との比較で本発明のシステム2は
その検出能が同等で被爆線量が半分にできる発明である
ことが分かる。
【0116】実施例4 実施例1と同様な方法で、ただし表面保護層として厚み
違いのPETフィルムをラミネートすることによって表
面保護層の厚みを変えた表7のようなスクリーンを作製
した。
【0117】
【表7】
【0118】このスクリーンをフィルムと組み合わせる
ことによって以下のようなシステムをつくり、実施例3
と同様にRMIファントームを評価した。
【0119】
【表8】
【0120】以上の様に本システムは、高感度で高いX
線利用効率をもった粒状の良いスクリーンを必要とする
が、そのCTFは5本/mmで0.40以上のレベルを維持
していることが必要である。これ以上のレベルでもその
検出能の著しい向上はないが、このレベルを下回るとそ
の影響が出てくることが分かる。
【0121】実施例5 実施例2と同様にして、増感剤の量等を調節することに
より、相対感度75のフィルムを作製した。
【0122】
【表9】
【0123】この感材と実施例1のスクリーンを組み合
わせることによって、以下のようなシステムを作製し、
実施例3と同様にRMIファントームによって評価し
た。
【0124】
【表10】
【0125】このように従来のスクリーンのようにCT
Fを上げるため蛍光体層を薄くするor染色する(カーボ
ンブラック添加)スクリーン4や10では、粒状が悪化す
るため微小なものも検出能が落ちて好ましくない。一般
に微小なものの解像力はCTFに依存するが、CTFは
5本/mmで0.40以上あれば十分であり、このよう
な方法でCTFを必要以上に上げることは、検出能の向
上にほとんど寄与しないことが分かる。このように感材
のコントラストが高く、X線量子ノイズも増幅される系
においては、X線利用効率が高いスクリーンの方がその
検出能が高いことが分かる。
【0126】本発明は、このようにスクリーンとして
は、十分にX線を有効に利用し、かつ一定以上にCTF
をキープする事が乳房撮影用スクリーンとして重要であ
ることを開示するものである。この効果は特に高コント
ラストの感材と組み合わせた時に顕著である。
【0127】実施例6 組体感度が5mR(140)近辺のものを作製し、実施
例3と同様にRMIファントームによって評価した。
【0128】
【表11】
【0129】このように組体感度5mR付近の高感度域
でも本発明のスクリーンは従来の高感度システム19に
比べて好ましく用いられるが、その優位性は少ない。実
施例3との比較で、十分に感度の低いフィルムと組み合
わせて照射線量として5.5〜10mRで被り+1.0の
感材の光学濃度が得られる感度に設計することが好まし
いことが分かる。X線照射線量が10mR以上の低感度シ
ステムは画質上のメリットが少ない割に患者の被爆線量
が増加して好ましくない。
【0130】本実施例では詳しく記載しないが、このよ
うな高感度システムは、被爆線量低減が目的であるが、
その目的のためにはこのようにシステム感度を挙げるの
ではなく、照射するX線源を高エネルギーのX線に変更
することによって好ましく達成される。すなわちX線を
高エネルギーにすることによって、乳房のX線吸収率は
低下し、人体の被爆線量は低減する。しかしながらこの
とき被写体のコントラスト(信号強度)も減少するの
で、従来は好ましくなかった。しかし、本発明の高コン
トラストシステムを用いることによって、この信号強度
を補いながら被爆線量を減らすことが出来る。このよう
に高エネルギーのX線を得る方法は、管球電圧をあげる
こと、付加フィルターをMoよりRhやAlにかえるこ
と、管球のターゲットをMoよりRhに変えることによ
り達成される。
【0131】本明細書ではMo管球の26kVpでの測
定結果しか示していないが、本発明の高輝度スクリーン
と高コントラスト感材の組み合わせは、X線源を変更す
ることによって種々の発展性を持っていることを最後に
つけ加える。
【0132】実施例7 最後に本発明で好ましく用いられるシステムが、物理測
定値でも確かに優位であることを示す。ここで物理測定
値としては、量子検出効率(DQE)を用いた。この値
が高いほど有効にX線を利用できているシステムである
と解釈できる。DQEの算出方法等は特開平6ー750
97号公報の第26頁左欄41行目から同第27頁右欄
13行目に詳しい。なおDQEは本来絶対値で表される
物であるが、本実施例ではUM-Fine スクリーンとUMMA-H
C 感材の組体のDQEを100として相対値で表した。
結果を表12に示す。
【0133】
【表12】
【0134】このように本発明のシステムは高いDQE
でかつ一定以上のCTFを示すスクリーンを用いたシス
テムであると言い換えることができる。またほぼスクリ
ーンの輝度とDQEは相関している。蛍光体層を着色す
る事によってCTFを上げるスクリーン11やUM-Fine で
は十分なX線利用効率が達成されない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】スクリーン輝度は、現像処理を行なうこと
で算出される感度が、0.021ルクス秒である片面ハ
ロゲン化銀写真感光材料を用いて以下のように定義する
ものとする。感光材料とスクリーンを密着させ、三相電
源26kvpで動作させたMoターゲット管に1mmの
Be、0.03mmのMoおよび2cmのアクリルフィ
ルターを透過したX線を用いて該感光材料を照射し、同
様の現像処理を行ったとき、カブリ+1.0の光学濃度
が得られるX線照射線量の逆数をスクリーン輝度と定義
する。尚、表記にあたってはそのX線照射線量が7.2
mRであるスクリーンの輝度(0.139mR−1)を
100とし、相対値で表わす。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管電圧が40kV以下の低エネルギーX線乳
    房撮影用の写真組体であって、実質的にGd22 S:
    Tb蛍光体を用いた蛍光体層よりなるX線用増感スクリ
    ーンと支持体の片側のみに感光層をもつハロゲン化銀写
    真感光材料との写真組体において、該スクリーンの発光
    輝度が150以上250以下であり、かつコントラスト
    伝達関数(CTF)が、空間周波数5本/mmで0.4
    0以上1.00以下であり、かつ該ハロゲン化銀写真感
    光材料の平均コントラストが3.6以上4.8以下であ
    り、かつ該組体感度が5.5〜10mRであることを特
    徴とするX線乳房撮影用の写真組体。
  2. 【請求項2】 前記スクリーンが、その蛍光体層が実質
    的に着色されておらず、蛍光体塗布量が25mg/cm
    2 以上100mg/cm2 以下であることを特徴とする
    請求項1記載のX線乳房撮影用の写真組体。
  3. 【請求項3】 前記コントラスト伝達関数(CTF)が
    0.45以上1.0以下であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のX線乳房撮影用の写真組体。
  4. 【請求項4】 前記平均コントラストが3.8以上4.
    8以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記
    載のX線乳房撮影用の写真組体。
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