JPH11109564A - ハロゲン化銀写真感光材料およびそれを用いた写真組体 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料およびそれを用いた写真組体

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JPH11109564A
JPH11109564A JP27485897A JP27485897A JPH11109564A JP H11109564 A JPH11109564 A JP H11109564A JP 27485897 A JP27485897 A JP 27485897A JP 27485897 A JP27485897 A JP 27485897A JP H11109564 A JPH11109564 A JP H11109564A
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silver halide
light
layer
mol
emulsion
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JP27485897A
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English (en)
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Takayoshi Oyamada
孝嘉 小山田
Katsutoshi Yamane
勝敏 山根
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高コントラストで、画質、感度に優れ、迅速処
理適性がある。 【解決手段】支持体の片面のみに2層以上の感光性乳剤
層を有し、各々の感光性乳剤層が異なる感度のハロゲン
化銀乳剤からなり、最上層の感光性乳剤の方が下層の感
光性乳剤よりも感度が低く、各々のハロゲン化銀乳剤の
ヨード含量が銀に対して0.6モル%以下であり、感光
材料を現像処理を行うことで算出されるコントラストが
3.4〜4.8であり、現像時間が15秒以下であるマ
ンモグラフィー用ハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なハロゲン化
銀写真感光材料および新規ハロゲン化銀写真感光材料と
放射線増感スクリーンとの組体に関し、管電圧が40kVp
以下の低エネルギーX線により撮影が行われる乳房X線
写真の分野において、優れた画像を提供するマンモグラ
フィー用ハロゲン化銀写真感光材料および写真組体に関
する。特にそのハロゲン化銀写真感光材料において、各
種使用条件下とりわけ迅速処理条件下でも安定に高画質
を提供しうるハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年乳ガンに侵される人が増加しつつあ
り、社会問題となりつつある。乳ガン検診には、触診、
超音波画像診断、X線による乳房レントゲン写真(マン
モグラフィー)等が行われているが、特に蛍光スクリー
ンを用いたマンモグラフィーの有用性が明確になりつつ
ある。乳房診断用システムの進歩については、Phys.Me
d.Biol., 41 (1996), 315などにレビューされている。
【0003】蛍光スクリーンを用いたレントゲン写真は
胸部・腹部・胃部の撮影等の医療分野で多用されている
が、この中で乳房撮影用X線写真は、そのスクリーン/
ハロゲン化銀写真感光材料のシステムを開発する立場か
ら見ると特殊な位置づけにある。すなわち、乳房の被写
体のコントラストが非常に低くなるのを補う目的で、通
常のレントゲン写真ではほとんど使用されない管電圧が
40kVp以下の低エネルギーのX線により撮影が行わ
れている。また数100μm サイズの微少な石灰化像を
観察する必要性があり、非常に高い鮮鋭度が要求され
る。このように通常のレントゲン写真システムとは異な
る線源を使用したり、求められる性能も異なるので、お
のずとそのスクリーン/ハロゲン化銀写真感光材料のシ
ステムに要求される性能および設計も異なってくる。よ
って従来の通常レントゲン写真用に開発された技術はほ
とんど参考にならず、各社ともこの乳房撮影用に専用の
システムを開発し発売している。また各種改良の試みも
報告されている。
【0004】ところで、乳房撮影用の専用システムのハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理時間はDry-to-Dryで、各
社とも90秒以上が主流である。その為、検診等で多く
の患者を撮影する場合など、患者の待ち時間が長く、処
理時間の短縮化が非常に望まれている。また、迅速処理
対応自現機が一般的になってきている現状からも、迅速
処理できるマンモグラフィー用感材の登場は非常に切望
まれている。それにも関わらずこれまでは、迅速処理と
画質等との両立が困難で、実現されていないのが現状で
あった。
【0005】US4914303号には蛍光体サイズ分
布によって、構造ノイズの改良されたマンモグラフィー
用スクリーンが報告されている。特公平7−18955
号には蛍光体層の染料分布を最適化することによって、
高画質のスクリーンを得る方法が開示されている。しか
しスクリーン単独による改良であり、この到達レベルは
現在一般に市販されている商品と同程度であり、不充分
なものである。
【0006】マンモグラフィー用ハロゲン化銀写真感光
材料(感材)としては、特開平1−179145号、特
開平5−45807号等に開示されている。しかしなが
ら、これらにしても、処理時間は90秒以上で感材の性
能もいぜん充分なものとはいいがたく更なる改良が切望
されている。そして、その実施例から明らかなように感
材のコントラストは3.3以下であり、依然として迅速
処理できる高コントラスト感材は作製出来ていない。一
方、1996年にはイーストマンコダック社より新規感
材MinR2000が発売されたが、上記迅速処理では
コントラストは3.3以下に過ぎず、迅速処理と高コン
トラストの両立は出来ていない。またEP071203
6号に新規マンモグラフィーシステムに関する開示があ
るが、ここでもそのコントラストは今回の処理時間では
3.3以下に過ぎず従来の技術範囲をでるものではな
い。
【0007】感材としてはこのように迅速処理できる高
コントラストの感材を模索してきたが、技術的にこのよ
うな感度域で高コントラストの感材を作製することは困
難であった。また本発明者のこれまでの研究によれば、
現像時間15秒以下(Dry-to-Dryが45秒以下)の迅速
処理でコントラストを3.4以上にあげた場合、現像処
理液の日間差変動による写真濃度の変化が大きく実際の
使用においては使い勝手が悪いことが問題であった。ま
た従来の延長線上で高コントラストにしても逆に粒状性
が許容範囲を超えて悪化してしまい、必ずしも好ましい
結果が得られるとは限らなかった。
【0008】このようにマンモグラフィーとしての迅速
処理化及び診断能の向上の要望は大きいものの新たな展
開が見いだせないでいた。
【0009】一方、特公平7−18956号には、通常
1枚の増感紙と片面感材を使用する乳房撮影用ながらフ
ロント・バックの2枚の増感紙を使用した両面システム
によって高画質を得る試みが報告されている。しかしな
がら、このようなシステムでは、両面にすることによる
クロスオーバー光によるボケの効果や、散乱線の混入、
また薄すぎるフロント増感紙による弊害などにより、実
質的に大きな進歩は見られていない。またこの実施例の
中にいくつかのスクリーンの具体的な記載例があるが、
いずれも強く着色されていたり、蛍光体の粒子サイズが
大きく、仮に単独に片面で使用されたとしても、スクリ
ーンとしてその性能が進歩しているわけではない。更
に、迅速処理に関する記載もない。
【0010】特開平2−96740号には支持体の上に
蛍光体層と感光層を同時に塗布したシステムが提案され
ている。しかしながら、このような蛍光体を再利用しな
い方法では、1回のX線撮影にかかるコストが大きく、
スクリーニング用途としては現実性にとぼしいと考えら
れる。
【0011】一方、マンモグラフィー用に設計されたも
のではないが、特開平7−43861号やWO93−0
1522号に高鮮鋭度の片面感材システムが紹介されて
いる。これらのサンプルは迅速処理適性はあるものの、
特開平7−43861号のものはその鮮鋭度がマンモグ
ラフィー用としては不足しており、また高コントラスト
感材を設計するという観点も盛り込まれていない。ま
た、WO93−01522号のものは紫外発光蛍光体を
使用したものであり、スクリーンの鮮鋭度は高く設計で
きるものの、高コントラスト感材を設計するという観点
は盛り込まれておらず、このようなシステムの延長線上
では良い乳房撮影用システムは達成されない。
【0012】このように種々の試みにも関わらず、いず
れも充分な効果は得られず商品として普及するには至っ
ていない。
【0013】このように、通常のレントゲン写真とは異
なる特殊性をもった、低エネルギーX線で撮影されるマ
ンモグラフィーの分野においては、その診断能向上のた
めの迅速処理できる高画質のシステムの出現が強く望ま
れていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に、高コントラストの特性を有し、迅速処理が可能で、
処理の安定性に優れた新規なX線撮影系を構成するマン
モグラフィー用ハロゲン化銀写真感光材料(以下、マン
モ感材という)を提供することである。
【0015】本発明の目的は、第二に、画質と感度のバ
ランスにおいて、優れた新規なX線撮影系を構成する、
ハロゲン化銀写真感光材料と増感スクリーンとの写真組
体を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(7)の手段によって達成された。 (1)支持体の片面のみに少なくとも2層以上の感光性
乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、各
々の感光性乳剤層が異なる感度のハロゲン化銀乳剤から
なり、最上層の感光性乳剤の方が下層の感光性乳剤より
も感度が低く、かつ各々のハロゲン化銀乳剤のヨード含
量が銀に対して0.6モル%以下であり、かつ前記ハロ
ゲン化銀写真感光材料を下記現像処理(1)を行うこと
で算出されるコントラストが3.4以上4.8以下であ
り、かつ現像時間が15秒以下であることを特徴とする
マンモグラフィー用ハロゲン化銀写真感光材料。
【0017】現像処理(1) 以下の現像液(G)を用い、現像温度35℃、現像時間
15秒で現像する。 現像液(G): 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 2.5g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとしたのち、pHを10.2に調節する。
【0018】(2)少なくとも1層に使用しているハロ
ゲン化銀乳剤のハロゲン化銀の粒子サイズの変動係数が
3%以上12%以下である(1)のマンモグラフィー用
ハロゲン化銀写真感光材料。
【0019】(3)少なくとも1層に使用しているハロ
ゲン化銀乳剤のヨード含量が銀に対して0.3モル%以
下である(1)または(2)のマンモグラフィー用ハロ
ゲン化銀写真感光材料。
【0020】(4)前記コントラストが3.8以上4.
5以下であり、感光層のバインダー使用量が2g/m2
上4.5g/m2であることが特徴の(1)〜(3)のい
ずれか1項記載のマンモグラフィー用ハロゲン化銀写真
感光材料。
【0021】(5)少なくとも1層に使用しているハロ
ゲン化銀乳剤に銀1モルに対して1×10-8モル以上5
×10-8モル以下のRh化合物がドープされている
(1)〜(4)のいずれかのマンモグラフィー用ハロゲ
ン化銀写真感光材料。
【0022】(6)請求項1〜5のいずれかのハロゲン
化銀写真感光材料と、実質的にテルビウム賦活ガドリニ
ウムオキシスルフィド(Gd22 S:Tb)からなる
蛍光体を用いたX線増感スクリーンとの組体において、
X線増感スクリーンが、空間周波数5本/mmで0.40
以上1.00以下であるコントラスト伝達関数(CT
F)を有することを特徴とする写真組体。
【0023】(7)X線増感スクリーンの蛍光体が実質
的にテルビウム賦活ガドリニウムオキシスルフィド(G
2 2 S:Tb)よりなり、かつ蛍光体層が実質的に
染色されておらず、かつ蛍光体層の蛍光体の体積充填率
が65%以上80%以下である(6)の写真組体。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、支
持体の片面のみに少なくとも2層以上の感光性乳剤層を
有し、最上層の感光性乳剤層の方が下層の感光性乳剤層
よりも感度が低く、かつハロゲン化銀乳剤のヨード含量
が銀に対して0.6モル%以下であり、前記の所定条件
の現像処理(1)によって得られるコントラストが3.
4以上4.8以下である。このような高コントラスト感
材であるので、管電圧が40kVp 以下の低エネルギーX
線により撮影の行われる乳房X線写真の分野において、
優れた画像が得られる。また、ヨード含量を上記範囲と
することで、迅速処理が可能となり、更に現像進行性が
改良出来たために高コンラスト感材において見られる処
理性能の変動を抑制することができ、経時により酸化劣
化したような現像液で処理しても高コントラストな安定
した写真性能を得ることができる。
【0026】これに対し、上記ハロゲン化銀乳剤のヨー
ド含量が銀の0.6モル%を超えると、迅速処理性が損
なわれ、現像時間15秒以下(Dry-to-Dry45秒処理)
で高コントラストが安定して得られなくなってしまう。
更にローラマークや残色の悪化が見られ非常に好ましく
ない。
【0027】またコントラストが3.4未満では、上記
のような乳房X線写真分野に適した画像を得ることがで
きなくなる。またコントラストが4.8超ではあまりに
も露光ラチチュードが狭くなって実用上好ましくない。
【0028】本発明の感材において、迅速処理で高コン
トラストを得るには、さらに、1)ハロゲン化銀粒子の
ヨード含量が銀の0.6モル%以下出来れば0.3モル
%以下にすること、2)ハロゲン化銀乳剤層を多層構成
とし、最上層の乳剤感度を下層の乳剤感度より低く設定
すること、3)少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤のハ
ロゲン化銀の粒子サイズの変動係数を3%以上12%以
下とすること、4)少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤
に銀1モルに対して1×10-8モル以上5×10-8モル
以下のRh化合物をドープすること、などが特に有効で
ある。本発明の感材には上記技術が全て導入されていな
くても構わない。
【0029】更に、処理性能の安定性を向上させるに
は、ハロゲン化銀乳剤のヨード含量を銀の0.3モル%
以下とすることなどが特に有効である。また、下層のヨ
ード含量は迅速処理で高コントラストを得るためには出
来るだけ少なくすること、出来れば0.15モル%以下
とすることが重要である。
【0030】そして、本発明の感材は、本発明者により
乳房X線撮影系に適することが見いだされた、コントラ
スト伝達係数CTFが空間周波数5本/mmで0.40以
上1.00以下である鮮鋭度のテルビウム賦活ガドリウ
ムオキシスルフィド(Gd22 S:Tb)蛍光体を用
いたX線増感スクリーンと組み合わせた写真組体におい
て、その特性を有効に発揮することができる。このよう
な本発明の写真組体は、高コントラスト、高感度であ
り、検出能に優れたものとなる。
【0031】さらに、X線増感スクリーンは、蛍光体層
が染色されていないものの方がスクリーンの発光輝度の
点で好ましく、蛍光体層の蛍光体の体積充填率が65%
以上80%以下であると鮮鋭度に優れたスクリーンが得
られる。また蛍光体層の厚みは50μm 以上120μm
以下であることが好ましく、スクリーンの発光輝度が高
くなり、かつコントラスト伝達係数CTF(5本/mm)
を0.40以上にすることが可能になる。
【0032】本明細書において、現像処理(1)を行う
ことで算出されるコントラストとは、X線露光量の対数
を横軸に、光学濃度を縦軸にした、単位長が等しい直交
座標上に示される特性曲線の、カブリ+0.25の点と
カブリ+2.0の点を結ぶ直線の傾き(横軸とのなす角
をθとし、tan θ)をいう。
【0033】感光材料の特性曲線を求める方法について
説明する。
【0034】乳房撮影においては、通常低圧X線を発す
るMoターゲット管で露光するが、実質的にテルビウム
賦活ガドリニウムオキシド(Gd22 S:Tb)から
なる蛍光体を用いた増感スクリーンを用いる場合に限
り、タングステン・ターゲット管から生じたX線を線源
にして距離法によりX線露光量を変化させる方法で特性
曲線を求めても実質的に変わらない。
【0035】具体的に本発明の測定には、三相の電力供
給で50kVp で運転されるタングステン・ターゲット管
から生じたX線を、厚み3mmのアルミニウム板を透過
させたものを用いる。市販のUM-Mammo Fine (以下UM-F
ine と略記)スクリーンと測定する感材を密着させ、富
士写真フイルム(株)社製ECMAカセッテに装填す
る。X線管球から順番に、カセッテ天板、フィルム、ス
クリーンとなるように配置してX線照射を行う。距離法
にてX線露光量Eを変化させ、logE=0.15 の幅でステッ
プ露光した。露光秒数は1秒である。
【0036】露光後のフィルムは、自動現像機(富士写
真フイルム(株)社製、商品名CEPROS−M)に
て、現像液(G)を用い、35℃にてDry-to-Dry45秒
(現像処理時間15秒)現像する。その後濃度を測定
し、照射線露光量の対数を横軸にし、縦軸に光学濃度を
とり特性曲線を得る。そのコントラストはカブリ+0.25
とカブリ+2.0の濃度点を結ぶ直線の傾き(横軸とのな
す角をθとして、tanθ)、即ち、コントラストが求
められる。
【0037】また、上記のセンシトメトリーより、その
感光材料の感度も求めることができる。感度は濃度1.
0を得るのに必要な露光量の逆数で表すことができる。
【0038】本発明の感材のコントラストは3.4以上
4.8以下であるが、更に好ましい範囲は、3.8〜
4.5である。
【0039】本発明の特性曲線をもつ感光材料を得る方
法は任意であるが、感度の異なる2種類以上のハロゲン
化銀乳剤を上層に低感乳剤を、下層に高感乳剤を層別に
塗布することによって好ましく達成される。低感乳剤と
高感乳剤の感度差はlogE(対数)で0.05〜0.
50の範囲が好ましい。最も好ましい範囲は0.20〜
0.45である。この感度差は、上層の膜厚、光吸収能
によって異なるので低感乳剤の感度と、膜厚、光吸収を
考えて、適当なO/U層感度を決定する必要がある。ま
た、異なる感度を持つ3種以上の乳剤を感度の低い順序
に上層から下層に多層塗布することで更に良好コントラ
ストが得られるが、改良効果と経済性の関係を考慮する
と乳剤層は4層以上にする意味は小さい。また、上層乳
剤層の緑色光の吸収量は下層乳剤層に対して小さい方が
好ましい。そのために、最上層乳剤は緑色増感色素と青
色増感色素を併用すると良好な結果が得られる。乳剤の
比率としては銀量比(重量)で、各層ほぼ同量が好まし
いがこの限りではない。
【0040】一般にマンモグラフィー用感材は、その仕
上がり写真濃度の管理が重要であるとされている。即ち
同じ条件で撮影したときに常に同じ濃度が得られるよう
に露光装置、現像液等を管理する必要がある。ここで特
に本発明のような高コントラスト感材では、処理液の毎
日の変動による感度変動が濃度変動に大きく現れる。よ
って本発明の感材は多少の処理液の変動に対しても、感
度・階調が変化しないことが極めて重要な性能である。
本発明者の研究によればこのような性能を満足するため
には、感材に塗布されるハロゲン化銀のヨード含量は少
ない方が好ましいことが分かった。本発明の目的を達成
するためには、上記2層以上の乳剤層ともにヨード含量
が銀1モル当たり0.6モル%以下0モル%以上である
ことが必要である。より好ましくは0.3モル%以下0
モル%以上に設定することによって、処理液の日間差変
動に対する感度・階調変動の少ない安定な感光材料が得
られることが分かった。
【0041】また処理安定性の付与のためには、感材の
硬膜にも好ましい範囲が存在する。すなわち感材の乳剤
面を25℃の水で膨潤させたときの膨潤膜厚を乾膜の膜
厚で割った膨潤率が100%以上300%未満であるこ
とが好ましい。特に好ましくは120%以上250%以
下である。膨潤率を100%未満に設定すると、処理の
変動に対して感度・階調の変化が大きくなり好ましくな
い。また、膨潤率を高く設定しすぎると自動現像機の搬
送ローラーによる感材の黒はん点状のムラ(ローラーマ
ーク)が悪化し好ましくないばかりか、迅速処理で乾燥
出来ないというトラブルが生じ問題である。
【0042】また処理液の変動に対して濃度変動の少な
いためには、乳剤はセレン増感されていることが好まし
い。好ましい形態はセレン・硫黄・金増感されているこ
とである。
【0043】好ましいセレン増感剤の添加量は、銀1モ
ル当り5×10-7モル以上2×10 -5モル以下であり、
より好ましくは1×10-6モル以上1×10-5モル以下
である。
【0044】また本発明のようにヨード含量が少ないな
がら高コントラストな感材を得るためには、ヨード含量
を低く押さえたハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ分布が単
分散であることが好ましい。粒子サイズの偏差を平均粒
子サイズで割った値の100倍を変動係数(%)とする
と、変動係数が12%以下となる粒子サイズ分布をもつ
乳剤が好ましく、より好ましくは変動係数が10%以下
である。また変動係数の下限は通常3%程度である。
【0045】またヨード含量が少ないながら高コントラ
ストを得るためにはヨード含量を低く押さえたハロゲン
化銀乳剤において銀1モルに対して1×10-8モル以上
5×10-8モル以下のRhを含有させることが好まし
い。1×10-8モルより少ないとその高調化の効果はほ
とんど現れず、5×10-8モル超では減感が大きく実用
的ではない。Rh化合物は当業界で公知の種々方法によ
って添加することが可能であるが、より好ましくは粒子
形成時に、ハロゲン溶液中にRh化合物を存在させるこ
とによって添加する方法である。また化合物としては、
種々のものが使用可能であるが、(NH4)3 RhC
6 、K3 RhBr6 などが好ましく用いられる。
【0046】ハロゲン化銀粒子の形については任意であ
るが、主平面が{111}もしくは{100}面の平板
状粒子、アンモニア法による立方体粒子は特に有用であ
る。ハロゲン化銀粒子組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化
銀、塩沃化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀何れであっても構
わない。
【0047】2層以上の乳剤のうち、上層の乳剤は、緑
色吸収量を減らすため、緑色に吸収する色素と、青色に
吸収する色素を併用することが好ましい。特に、化学増
感する前に、緑色に吸収する色素と、青色に吸収する色
素を添加することで、化学増感の最適化ができ、高感度
で硬調な乳剤が作成出来る。このような色素の併用関し
ては特願平8−221396号等の記載を参照すること
ができる。
【0048】また本発明では下記のようなモノメチン化
合物の添加によって、特性曲線の足切り効果がでて、コ
ントラストを向上させることができるので好ましい。
【0049】
【化1】
【0050】
【化2】
【0051】このようなモノメチンの化合物の使用量
は、好ましくは銀1モル当たり50mg〜1000mg、よ
り好ましくは銀1モル当り100mg〜800mgである。
【0052】本発明において使用するハロゲン化銀写真
感光材料の代表的な構成としては、透明支持体の一方に
乳剤層、その逆側に染料を含む非感光性ゼラチン層をも
つものが挙げられる。
【0053】支持体は、ポリエチレンテレフタレートな
どの透明な材料から形成されたものであって、青色染料
により着色されていることが好ましい。青色染料として
は、X線写真用フィルムの着色用として知られているア
ントラキノン系染料など各種のものが使用できる。支持
体の厚さは160〜200μmの範囲から適宜選ぶこと
ができる。支持体の上には、通常のX線写真用フィルム
と同様に、ゼラチンなどの水溶性高分子物質からなる下
塗り層が設けられる。
【0054】下塗り層の上には、ハレーション防止のた
めの染料層が設けられてもよい。この染料層は通常、染
料を含むコロイド層として形成され、先に規定した現像
処理にて脱色される染料層であることが望ましい。染料
層中では、染料が層の下部に固定されていて、上層の感
光性ハロゲン化銀乳剤層や保護層に拡散することのない
ようにされていることが望ましい。
【0055】染料層の上には、感光性ハロゲン化銀乳剤
層が形成される。なお、ハロゲン化銀写真感光材料は、
一緒に用いる増感スクリーンに対して感光性を持たなく
てはならない。通常のハロゲン化銀乳剤は、青色光〜紫
外光の範囲の光に対して感光性を持っているので、テル
ビウム賦活ガドリニウムオキシスルフィド(Gd2 2
S:Tb)蛍光体を用いた増感スクリーンから発光する
光が、主波長545nmの光を発光するので、感光材料の
ハロゲン化銀は緑色に分光増感されている必要がある。
【0056】感光層のバインダー使用量(感材1m2当た
り)は2g/m2以上4.5g/m2以下とするのが好まし
く、特に2g/m2以上4g/m2以下とするのが好まし
い。一方、感光層中の銀の含有量(感材1m2当たり)は
2g/m2以上4.5g/m2以下とするのが好ましく、よ
り好ましくは2g/m2以上4g/m2以下、特に2.5g
/m2以上4g/m2以下とするのが好ましい。
【0057】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、支
持体に設けられた下塗り層、必要に応じて下塗り層上に
設けられるハレーション防止染料層、およびこれらの層
上に設けられる感光層の積層体の上に、常法に従って、
ゼラチンなどの水溶性高分子材料からなる保護層が設け
られて得られる。
【0058】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製造
に利用される乳剤増感法や各種添加剤、構成材料、現像
処理方法等に関しては特に制限はなく、例えば、特開平
2−68539号公報、特開平2−103037号公
報、および特開平2−115837号公報の下記の該当
箇所に記載の各種の技術を利用することができる。
【0059】 項 目 該 当 箇 所 1 化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行か ら同左下欄16行目 2 カブリ防止剤、 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目 安定剤 および同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄 3 分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄 4 界面活性剤、 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目 帯電防止剤 5 マット剤、 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行目、同第 滑り剤、可塑剤 14頁左下欄10行目から同右下欄1行目 6 親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目 7 硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目 8 支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目 9 染料、媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目 10 現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目か ら同第19頁左下欄15行目、および特開平2−115 837号公報第3頁右下欄5行目から、同第6頁右上欄 10行目
【0060】以下に本発明の感材と組み合わせて用いら
れる増感スクリーンの好ましい形態に関して、詳しく説
明する。
【0061】本発明の目的である乳房撮影用写真組体の
X線増感スクリーンは胸部診断用などと比べて高解像度
を必要とされる。よって一般に市販されている乳房撮影
用のX線増感スクリーンはその蛍光体層を着色すること
によってその解像度を上げている。しかしながらこのよ
うな着色はX線入射面に対し奥の蛍光体により吸収され
たX線による発光光を有効に取り出すことができない。
本発明のX線増感スクリーンは実質的に蛍光体層を着色
することなく、さらに十分にX線を吸収できるだけの蛍
光体を塗布したうえで、必要な高鮮鋭度を得るスクリー
ンを提供することが好ましい。
【0062】このようなスクリーンの目標を達成するた
めにはその蛍光体の粒子サイズが一定サイズ以下である
ことが好ましい。蛍光体のサイズの測定法方はコールタ
ーカウンター法、電子顕微鏡による観察などにより測定
することができる。その蛍光体のサイズとしての球相当
直径平均は1μm 以上5μm 以下であることが好まし
い。より好ましくは1μm 以上4μm 以下である。特に
本発明で好ましく用いられる実質的に染色されていない
蛍光体層をもつ乳房撮影用スクリーンにおいては重要で
ある。
【0063】またこのようなスクリーンにおいて鮮鋭度
を上げるためには蛍光体層のバインダーと蛍光体の重量
比において、よりバインダーが少ない方が好ましい。バ
インダー/蛍光体の重量比は1/50以上1/20以下
であることが好ましく、さらには1/50以上1/25
以下であることが好ましい。
【0064】バインダーとしては特開平6−75097
号公報の第4頁右欄45行目から同5頁左欄10行目に
記載の公知のものを使用することが出来るが、軟化温度
または融点が30℃〜150℃の熱可塑性エストラマー
を単独、あるいは他のバインダーポリマーと共に用いる
ことが好ましい。特に本発明のように鮮鋭度を上げるた
めにバインダーの少ないスクリーンでは、そのスクリー
ンの耐久性は悪化するので、これに耐えうるバインダー
を選択することは重要である。この解決策としては、十
分に柔軟性のあるバインダーを選択することが好まし
い。また蛍光体層内に可塑剤等を添加することも好まし
く用いられる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポ
リスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニ
ル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレン、塩素化ポ
リエチレン、スチレンーブタジエンゴム、シリコンゴム
などを挙げることができる。これらのうち、特にポリウ
レタンが好ましい。また蛍光体層の下塗りのバインダー
の選択も重要である。アクリル系バインダーが好ましく
用いられる。
【0065】またスクリーンは耐傷性・耐汚染性の許す
範囲で、その表面保護層が薄いことも好ましい。その表
面保護層の厚みは2μm 以上7μm 以下であることが好
ましい。
【0066】表面保護層の素材はポリエチレンテレフタ
レート:PET(特に延伸タイプ)、ポリエチレンナフ
タレート:PEN、ナイロン等のフィルムを張り合わせ
ることが出来る。またフッ素系樹脂を溶剤に溶かして塗
布することによって表面保護膜を形成することも汚れ防
止の観点から好ましく用いられる。好ましいフッ素樹脂
の態様については、特開平6−75097号公報の第6
頁左欄4行目から同右欄43行目に詳しく記載されてい
る。またこのように溶剤塗布型で表面保護層を形成でき
る樹脂としては、フッ素樹脂の他にポリウレタン樹脂、
ポリアクリル樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタ
クリレート、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などを挙
げることができる。
【0067】また蛍光体の充填率が十分に高いことも、
高感度でかつ高鮮鋭度のスクリーンを得るためには重要
である。具体的には蛍光体の体積充填率が60%以上8
0%以下であることが好ましい。さらに好ましくは65
%以上80%以下である。ここで本発明のような微粒子
の蛍光体で体積充填率を高く保つためには特開平6−7
5097号公報の第4頁右欄29行目から同第6頁左欄
1行目に記載の蛍光体層を圧縮処理する工程が好ましく
用いられる。
【0068】また、本発明に使用される蛍光体は実質的
にGd22 S:Tbであることが好ましい。ここで、
実質的にとは、蛍光体の主成分がGd22 S:Tbで
あるという意味であり、その性能を向上させるための数
%程度の添加物や、表面を修飾するためのシリカ等は好
ましく用いることができる。またGdに代わりに数十%
程度以内の割合でY、La、Luを混用することも可能
である。
【0069】一般に蛍光体はその密度が重いことがX線
を有効に吸収するため好ましい。乳房撮影用に用いられ
る線源において好ましいX線吸収能を示すこのような蛍
光体としては、Gd22 S:Tbの他に、YTaO4
およびそれに発光中心として各種賦活剤を加えたもの、
CaWO4 、BaFBr:Eu等が挙げられる。
【0070】これらの中で、蛍光体の発光効率が高いこ
とが重要である。前述したように乳房撮影用ハロゲン化
銀感光材料(感材)は、その階調(コントラスト)が高
いことが重要である。このような硬調感材でかつ高感度
のものを作製することは技術的に難しい。よって感材の
設定感度が低くて十分なためには、増感スクリーンの発
光輝度が高いことが好ましい。発光効率の低い他の蛍光
体の使用ではこのような硬調感材を作ることは困難であ
る。また、このような硬調感材を作るためには、感材の
光吸収が十分に低いことが重要である。詳細は前述した
が、感材の光吸収、特に最上層の光吸収が大きいと、そ
の遮蔽効果により軟調化を起こしてしまう。特に本発明
の目的である乳房撮影用感材は、一般の胸部撮影用感材
と異なり、支持体の片側にのみハロゲン化銀乳剤が塗布
されているため、その塗布量が増えるためにこの影響は
顕著である。このように本発明の目的である片面・硬調
感材を設計するためには、その感材の光吸収を十分に低
く制御することができることが極めて重要である。しか
しながら、紫外・青域に発光を有する蛍光体では、ハロ
ゲン化銀の固有吸収がこの波長にあるためにその吸収が
高すぎたり、またその吸収を自由に制御することが困難
である。よって本発明の目的においては、ハロゲン化銀
を色増感することによってその吸収を自由に制御できる
波長に発光ピークをもつ蛍光体を使用することが好まし
い。
【0071】このような種々の観点で検討を重ねた結
果、本発明の感材に好ましく用いられるスクリーンの蛍
光体はGd22 S:Tbである。
【0072】また本発明の感材と組み合わせて用いられ
るスクリーンでは蛍光体により吸収されたX線による発
光を有効に取り出すことが重要であるので、蛍光体層は
実質的に着色されていないことが好ましい。ここで一般
に、蛍光体塗布量を減らすことや蛍光体層を着色するこ
とは鮮鋭度を向上させる目的で乳房撮影用の高鮮鋭度ス
クリーンでは用いられるが、その反面、有効に画像形成
に使用されるX線量子数が減少するため好ましくない。
このようにスクリーンとしてはよりX線をたくさん吸収
し、かつそのX線吸収による蛍光体の発光光を外に取り
出すことが好ましい。この効率を表す尺度として、その
スクリーンの発光輝度を定義する。
【0073】スクリーンの発光輝度は以下のようなハロ
ゲン化銀感光材料を用いて定義するものとする。本発明
のスクリーンは実質的にGd22 S:Tb蛍光体を使
用したものであるので、545nmに主発光ピークを有す
る発光を示す。よってハロゲン化銀写真感光材料もこの
波長の光に色増感されたものを用いるものとする。支持
体の片面にハロゲン化銀乳剤層の塗布されたオルソ増感
乳房撮影用フィルムは各写真材料メーカーより発売され
ているものを使用することができる。ただし、以下に示
すような方法でその感材の感度を測定し用いる。
【0074】感材の露光には、タングステン光源(色温
度:2856K°)と、透過ピーク波長が545nmで半
値幅20nmの透過性であるフィルターとを組合せた光源
を用いる。予め更正された照度計にて正しく照度が測定
されているこの単色光を光源として、ニュートラルフィ
ルターのステップウェッジを通して1秒間、1m離れた
感光材料を露光する。このハロゲン化銀写真感光材料を
現像処理し、定着乾燥したときに得られる光学濃度が、
最低濃度(カブリ)に1.0を加えた値になるのに必要
な露光量でその感光材料の感度とする。本発明のスクリ
ーンの発光輝度を定義するのに使用される感材の感度
は、この露光量が0.0210ルクス・秒となる感度を有する
片面乳房撮影用ハロゲン化銀写真感光材料を使用するも
のとする。測定値がこの値からずれている場合は、その
分を補正して用いることもできる。この感材の具体例と
しては、富士写真フイルム(株)社製、UMMA−HC
フィルムを挙げることができる。なお本発明において、
同社製UMMA−HC#919−01を以下の現像処理
で現像し感度を測定したところ、0.0210ルクス・秒であ
った。
【0075】現像処理 前記の組成の現像液Gを用い市販の富士写真フイルム株
式会社製CEPROS-M自動現像機を使用し、現像時間15
秒、全処理時間45秒で処理を行った。市販されている
前記UMMA-HC#919-01のみ以下の組成の現像液(G1)・
定着液(F)とローラー搬送自動現像機を用い、現像温
度35℃、現像時間:25秒、定着時間:20秒、水
洗:12秒、スクイズおよび乾燥:26秒で処理を行
う。具体的には、市販のローラ搬送自動現像機である富
士写真フイルム株式会社製FPM−5000自動現像機
を使用し、現像タンク:容量22リットル、液温35
℃、定着タンク:容量15.5リットル、液温25℃の
条件としている。
【0076】 現像液(G1): 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとしたのち、pH=10.2 に調節する。
【0077】 定着液(F): チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200 ml 亜硫酸ナトリウム 20 g ホウ酸 8 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1 g 硫酸アルミニウム 15 g 硫酸 2 g 氷酢酸 22 g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナトリウムもしくは氷酢酸 を用いて、pH4.5に調節する。
【0078】このような感度が0.0210ルクス・秒の感材
を用いて、スクリーンの発光輝度を以下のようにして測
定する。
【0079】この感材(本発明では富士写真フイルム
(株)社製UMMA−HC#919−01を用いた)と
測定するスクリーンを密着させて、感材側よりX線を照
射することによって露光する。ここで、X線源として
は、三相電源26kVpで動作させたMoターゲット管
に約1mmのBeと、0.03mmのMoおよび2cmのアク
リルフィルターを透過したX線を用いるものとする。露
光秒数は感材の定義に用いたのと同様に約1秒で露光す
るものとする。このとき同時に照射X線量を測定するた
めに電離型線量計を用いて測定する。
【0080】露光された感材は、感材の感度を定義した
のと同様な現像処理を行う。X線管球の電流と、露光秒
数を0.5秒〜1.5秒の間で適当に変化させて、この
操作を繰り返すことによって、現像後の感材の光学濃度
がカブリ+1.0になるような照射X線量を求める。こ
の照射線量の逆数をスクリーンの発光輝度と定義する。
なお標記にあたってはこの照射線量が7.2mRである
スクリーンの輝度(=0.139mR-1)を基準にして
100と標記するものとする。
【0081】具体的には、この方法で市販のUM Mammo F
ine(化成オプトニクス社製、以下UM-Fine と略記)スク
リーンの発光輝度を測定したところ、0.139mR-1
であった。すなわちこのスクリーンの発光輝度が100
に相当する。その他、いくつかの市販スクリーンの発光
輝度は実施例2に示した。
【0082】この測定のX線発生装置には市販の乳房撮
影用装置を用いることができる。本明細書の測定には東
芝(株)製、DRX-B1356ECを用いる。Moフィルターは
標準装備のものを用い、管球から約20cmのところに厚
み2cmのアクリルフィルターを設置した。線源とスクリ
ーン面との距離は約60cmである。
【0083】線量計も低エネルギーX線用の市販の電離
型のものを用いることができる。本明細書記載の測定に
はRadical Corporation 社製のmdh1015C型電離型線量計
と10X5-6M イオンチャンバーを用いる。線量の測定位置
と実際のスクリーン位置の補正、および温度、気圧等を
補正、カセッテ天板分の吸収も補正することにより、実
際にフィルム・スクリーン対に照射される線量を測定す
る。
【0084】ここで本発明の感材と組み合わせて好まし
く用いられるスクリーンの発光輝度は、このような方法
で測定し150以上250以下のものである。より好ま
しくはこの輝度が160以上240以下であり、さらに
好ましくは170以上240以下である。
【0085】先にも記載したように、スクリーンの輝度
は、ほぼそのX線利用効率に比例する。このように有効
にX線を利用するためには、スクリーンの蛍光体層は実
質的に着色(染色)されていないことが好ましい。ここ
でスクリーンの蛍光体層が実質的に着色されていないと
は、着色染料・または顔料等によって、全く着色されて
いないときに比べてスクリーン輝度が80%以上100
%以下であることを言う。
【0086】ここで本発明で好ましく用いられるスクリ
ーンの鮮鋭度について記載する。本発明者は、このよう
な乳房撮影用システムに置いて必要な鮮鋭度は空間周波
数5本/mmで0.40以上1.00以下であることを見
いだした。さらに好ましくは0.45以上1.00以下
である。
【0087】以下に鮮鋭度の具体的な測定方法を記載す
る。鮮鋭度の測定に際しては、支持体の片面にのみハロ
ゲン化銀乳剤層の塗布された乳房撮影用感材を用いるこ
とができる。当然、当業界で常識であるハレーション防
止のために感材のバック面には水溶性染料等が塗布され
ている。本発明では富士写真フイルム(株)社製UMM
A−HC片面感光材料を用いる。この感材を測定対象の
増感スクリーンに接触状態に配置し富士写真フイルム
(株)社製の乳房撮影用ECMAカセッテに装填する。
MTF測定用矩形チャート(化成オプトニクス(株)社
製 Type9、Sn製、厚み:40μm 、空間周波数:
0 本〜10本)をこのカセッテ上に密着して配置し撮影す
る。これらMTFチャートとカセッテはX線管球から6
0cmのところに、X線管球よりMTFチャート、カセッ
テ天板、感材、増感スクリーンの順番に配置する。使用
したX線源は前記のスクリーン輝度測定用のものと同様
である。なおこのときのX線管球の焦点サイズは公称値
で0.4mmである。
【0088】また前記したように、アクリルフィルター
は管球焦点から20cmのところに配置し、アクリルフィ
ルターとX線チャート、スクリーンまでの距離を40cm
と十分に大きく取ることにより、散乱線が混入するのを
最小限に抑えて露光する。
【0089】露光後のフィルムは前記のスクリーンの発
光輝度測定の現像処理で処理する。また撮影試料は、露
光時間の調節で濃い部分の濃度を1.8にあわせる。この
ようにすることによってほぼ感材の特性曲線の直線部分
を使用することができる。
【0090】現像後のチャートをマイクロデンシトメー
タで走査する。この時のアパーチャーは走査方向が30
μm 、それに垂直な方向が500μm のスリットを使用
し、サンプリング間隔30μmで濃度プロフィールを測
定する。この操作を20回繰り返して平均値を算出し、
それをCTFを計算するもとの濃度プロフィールとす
る。その後、この濃度プロフィールの各周波数毎の矩形
波のピークを検出し、各周波数毎の濃度コントラストを
算出する。これをゼロ周波のコントラストで規格化し、
これをコントラスト伝達関数(CTF)とする。
【0091】このようなスクリーンの蛍光体層の厚みは
任意であるが、上記のような高感度・高鮮鋭度なスクリ
ーンは蛍光体層の厚みが50μm 以上120μm 以下で
特に好ましく実現される。
【0092】その他、本発明で好ましく用いられるスク
リーン技術の詳細に関しては、特開平6−75097
号、特願平7−191237号等に記載がある。
【0093】スクリーンフィルムの組体について説明す
る。
【0094】感材とスクリーンを組み合わせた組体の感
度にも、好ましい範囲が存在する。その組体が、三相電
源26kVp で動作させたMoターゲット管に1mmのB
e、0.03mmのMoおよび2cmのアクリルフィルター
を透過したX線を用いて露光し、現像処理(1)を行っ
た結果、カブリ+1.0の光学濃度を与えるのに必要な
X線の照射線量が4〜10mRであるような組体感度で
ある組体が好ましく用いられる。より好ましくは6〜9
mRである。ここで必要な照射量が多いほど低感度シス
テムであり、照射量が少ないほど高感度システムであ
る。この照射線量が10mR以上の低感度システムの方
が量子ノイズが少なく良好であるが、患者の被曝線量が
増加し好ましくない。また照射線量が少ない方は被曝と
画質の兼ね合いで設定されるものであり一概には断定で
きないが、感度が高くなるほど粒状性が悪化し診断上障
害をもたらす。
【0095】本発明の感材はスクリーンとの組み合わせ
で上記範囲内に設定することによって、よりその効果を
発現すると考えられた。ちなみに、前記のように富士写
真フイルム(株)社製のUM−FineスクリーンとU
MMA−HCフィルムの組み合わせシステム(組体)の
感度は7.2mRである。
【0096】以下に本発明を具体的に実施例で示すが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0097】
【実施例】
<実施例1 感光材料の作製および評価> (乳剤の調製) 1.ヨード含量0.13モル%の単分散硬調乳剤Aの調
製 0.101gの臭化カリウムおよび5.6gのパラトル
エンスルフィン酸ナトリウムを含有する4重量%のゼラ
チン溶液1.4リットルに、チオ硫酸ナトリウム5水和物
9.5mg、氷酢酸1.8cc、25重量%のアンモニア水
7.3ccを加え、これを70℃に保ちながら激しく攪拌
しながらダブルジェット法で、硝酸銀284.2gを含
有する水溶液840ccと臭化カリウム200gを含有す
る水溶液840ccを54分かけて一定量で添加した。3
分間熟成をさせた後、0.35gの沃化カリウムを含む
水溶液35ccを添加し、更に5分間熟成した。
【0098】上記の反応液を常法によりフロキュレーシ
ョン法で洗浄し、40℃にてゼラチン・増粘剤・防腐剤
を添加し分散した後、pHを5.6、pAgを8.7に
調節した。次にこの反応液を60℃に維持しながら、反
応液1kg当たりチオスルフォン酸化合物Tを1×10-5
モル/モルAg添加し、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデンを170mg添加し
5分間熟成させた後、増感色素A 245mg、増感色素
B 215mgを同時に添加し、10分間熟成させた後、
チオ硫酸ナトリウム5水和物5.4mg、セレン増感剤S
を0.4mg、塩化金酸3.3mg、ロダンカリ44mgを順
次添加し、100分間熟成させた。
【0099】この様にして平均粒子サイズ0.48μ
m、変動係数13%の単分散の単分散立方体乳剤Aを得
た。
【0100】尚、ここで用いた化合物の構造式は以下に
示すとおりである。
【0101】
【化3】
【0102】2.ヨード含量0.13モル%の単分散硬
調乳剤Bの調製 乳剤Aの25重量%のアンモニア水7.3ccを11ccに
する以外は乳剤Aと同様の粒子形成を行った。
【0103】上記の反応液を常法によりフロキュレーシ
ョン法で洗浄し、40℃にてゼラチン・増粘剤・防腐剤
を添加し分散した後、pHを5.6、pAgを8.7に
調節した。次にこの反応液を60℃に維持しながら、反
応液1kg当たり前記チオスルフォン酸化合物Tを1×1
-5モル/モルAg添加し、4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンを120mg添
加し5分間熟成させた後、前記増感色素A 180mgを
添加し、10分間熟成させた後、チオ硫酸ナトリウム5
水和物3.8mg、前記セレン増感剤Sを0.3mg、塩化
金酸2.3mg、ロダンカリ31mgを順次添加し、100
分間熟成させた。
【0104】この様にして平均粒子サイズ0.62μ
m、変動係数14%の単分散の単分散立方体乳剤Bを得
た。
【0105】3.ヨード含量0.1モル%の単分散平板
状硬調乳剤Cの調製 0.4gの臭化カリウムおよび0.5gの低分子量ゼラ
チン(平均分子量が2万以下)を含有する溶液1リットルを
40℃に保ち、激しく攪拌しながら1.5gの硝酸銀を
含有する水溶液20ccと、臭化カリウム1.05gおよ
び0.4gの低分子量ゼラチンを含有する水溶液20cc
とを40秒かけて添加した。その後2.2gの臭化カリ
ウムを含む水溶液を添加し40分かけて温度を40℃か
ら75℃に昇温させた。昇温直後に10%ゼラチン溶液
350ccを添加した。その後165gの硝酸銀を含有す
る水溶液735ccと臭化カリウム水溶液をpBr=2.
42に保ち添加した。なお硝酸銀水溶液は初速30cc/
分で40分かけて全量添加した。その後ロダンカリ3g
を含む水溶液を添加し5分間熟成した。この反応液を常
法によりフロキュレーション法で洗浄し、40℃にてゼ
ラチン、増粘剤、防腐剤を添加し分散した後、pHを
5.9、pAgを7.8に調節した。次にこの反応液を
56℃に維持しながら前記チオスルフォン酸化合物Tを
1×10-5モル/モルAg添加し、次にAgI微粒子を
全銀量に対し0.1モル%添加し、その後二酸化チオ尿
素0.043mgを添加し、22分間そのまま保持して還
元増感を施した。次に4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン30mgと前記増感
色素A 700mgを添加し、10分間熟成させた後、塩
化カルシウム0.83gを添加した。その後チオ硫酸ナ
トリウム5水和物3mg、セレン増感剤S2を2.5mg、
塩化金酸3.1mg、ロダンカリ54mgを順次添加し、4
0分間熟成させた。
【0106】この様にして平均投影面積直径0.7μ
m、変動係数14%、アスペクト比7.2の単分散平板
乳剤Cを得た。
【0107】尚、ここで新たに用いた化合物の構造式は
以下に示すとおりである。
【0108】
【化4】
【0109】4.ヨード含量0.1モル%の塩沃臭化銀
{100}平板単分散硬調乳剤Dの調製 反応容器にゼラチン水溶液1582ml(ゼラチン−1
(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化アル
カリ処理骨ゼラチン)19.5g、HNO3 1N液7.
8mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(100ml
中にNaCl 10gを含む)を13ml入れ、温度を4
0℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中にAgNO
3 20gを含む)とX−1液(100ml中にNaCl
7.05gを含む)を62.4ml/分で15.6mlずつ
同時混合添加した。3分間攪拌した後、X−2液(10
0ml中にKBr 1.1gを含む)を80.6ml/分で
28.2mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag
−1液とX−1液を62.4ml/分で46.8mlずつ同
時混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液2
03ml(ゼラチン−1 13g、NaCl 1.3g、
pH6.5にするためのNaOH1N液を含む)を加
え、pClを1.75とした後、温度を65℃に昇温
し、pCl 1.95に合わせ、3分間熟成した。その
後Ag−2液(100ml中にAgNO3 50gを含む)
とX−3液(100ml中にNaCl 16.9g、KB
r 1.4gを含む)をC.D.J.(controlled double je
t) で、Ag−3液の添加量が182mlとなるまで20
分間、一定流量で添加した。沈降剤を加え、温度を35
℃に下げ、沈降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、60
℃でpH6.0に調節した。該粒子のレプリカのTEM
像を観察した。得られた乳剤は、銀を基準としてAgB
rを3.94モル%含む塩臭化銀{100}平板粒子で
あった。投影面積が完成粒子の投影面積の75%まで成
長した該粒子の形状特性値は、(アスペクト比2以上2
5以下の{100}平板状粒子の全投影面積/全AgX
粒子の投影面積和)×100=a1 =91(アスペクト
比2以上25以下の{100}平板状粒子の平均アスペ
クト比(アスペクト比の平均))=12.1、(アスペ
クト比2以上25以下の{100}平板状粒子の平均直
径)=1.45μm 、(アスペクト比2以上25以下の
{100}平板状粒子の主面縁長比の平均)=1.2
1、(アスペクト比2以上25以下の{100}平板粒
子の平均厚さ)=0.12μm 、(アスペクト比2以上
25以下の{100}平板粒子の厚さ分布の変動係数
(厚さの標準偏差/平均厚さ)=0.13、(アスペク
ト比2以上25以下の{100}平板粒子で2本の転位
線が観察できる粒子の投影面積/アスペクト比2以上2
5以下の{100}平板粒子の投影面積×100)=8
5、(2本の転位線のなす角の平均角度)=57°、ま
た、この平板粒子の直接TEM像で観察したところ塗布
後の乳剤でも、投影面積の75%の粒子に本発明の該転
位線を観察することができた。
【0110】化学増感 以上の如く調製した粒子を攪拌しながら60℃に保った
状態で化学増感を施した。まず、前記、チオスルホン酸
化合物Tをハロゲン化銀1モルあたり10-4モル添加
し、つぎに直径0.10μm のAgBr微粒子を全銀量
に対して1.0モル%添加し、5分後1%のKI溶液を
ハロゲン化銀1モルあたり10-3モル添加しさらに3分
後、二酸化チオ尿素を1×10-6モル/モルAg添加
し、22分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎ
に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラアザインデンを3×10-4モル/モルAgと増感色
素Aを1×10-3モル/モルAgと増感色素Cを1×1
-5モル/モルAgをそれぞれ添加した。さらに塩化カ
ルシウムを添加した。さらに塩化金酸1×10-5モル/
モルAgおよびチオシアン酸カリウム3.0×10-3
ル/モルAgを添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウム
(6×10-6モル/モルAg)及び前記セレン増感剤S
2(4×10-6モル/モルAg)を添加した。さらに3
分後に核酸(0.5g/モルAg)(山陽国策パルプ社
製:商品名RNA−F)を添加した。40分後に水溶性
メルカプト化合物−1を添加し35℃に冷却した。こう
して乳剤の調製(化学熟成)を終了した。
【0111】
【化5】
【0112】5.ヨード含量0.13モル%の塩沃化銀
単分散硬調乳剤Eの調製 乳剤DでX−2を添加しない以外は乳剤Dと同様に乳剤
の調製を行った。
【0113】この様にして平均粒子サイズ0.50μ
m、変動係数13%の単分散の微粒子単分散立方体乳剤
Eを得た。
【0114】6.ヨード含量0.8モル%の沃臭化銀単
分散硬調乳剤Fの調製 乳剤Aで臭化カリウム200gを含有する水溶液840
ccを54分かけて一定量で添加する代わりに臭化カリウ
ム200gとヨウ化カリウム1.8gを含有する水溶液
840ccを54分かけて一定量で添加し、この様にして
平均粒子サイズ0.48μm 、変動係数13%の単分散
の微粒子単分散立方体乳剤Fを得た。
【0115】7.ヨード含量0.8モル%の沃臭化銀単
分散硬調乳剤Gの調製 乳剤Bで臭化カリウム200gを含有する水溶液840
ccを54分かけて一定量で添加する代わりに臭化カリウ
ム200gとヨウ化カリウム1.8gを含有する水溶液
840ccを54分かけて一定量で添加し、この様にして
平均粒子サイズ0.62μm 、変動係数14%の単分散
の微粒子単分散立方体乳剤Gを得た。
【0116】8.ヨード含量0.13モル%の単分散硬
調乳剤Hの調製 乳剤AのX−1の中にロジウム化合物Rを2.5×10
-8mol/mol Ag添加し、前記セレン増感剤Sを0.4mg添
加する代わりに0.8mg添加する以外は乳剤Aと同様に
乳剤の調製を行った。
【0117】この様にして平均粒子サイズ0.48μ
m、変動係数13%の単分散立方体乳剤Hを得た。
【0118】尚、ここで用いた化合物の構造式は以下に
示すとおりである。
【0119】
【化6】
【0120】9.ヨード含量0.13モル%の単分散硬
調乳剤Iの調製 乳剤BのX−1の中に前記ロジウム化合物Rを2.5×
10-8mol/mol Ag添加し、前記セレン増感剤Sを0.4
mg添加する代わりに0.8mg添加する以外は乳剤Aと同
様に乳剤の調製を行った。
【0121】この様にして平均粒子サイズ0.62μ
m、変動係数14%の単分散立方体乳剤Iを得た。
【0122】4.塗布液の調製 乳剤A〜Gに下記薬品を添加して、乳剤層塗布液を調製
した。また保護層塗布液を調製した。
【0123】 (乳剤塗布液) ・乳剤 1kg(ゼラチン81g 、Ag:92g) ・ポリマーラテックス(ポリ(アクリル酸エチル/ メタクリル酸)=97/3、重量比)) 2.9 g ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセト アミド)エタン) 1.1 g ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチル アミノ−1,3,5−トリアジン 0.04g ・デキストラン(平均分子量3.9 万) 10 g ・足切り剤 0.34g ・p−ハイドロキノンスルフォン酸カリウム 5.4g ・ヨウ化カリウム 0.05g ・ポリエチレンオキサイド化合物W 0.12g ・メルカプト化合物M 0.05g ・蒸留水を加えて 全量で1160ml
【0124】なお、ここで用いた化合物の構造式は以下
に示すとおりである。
【0125】
【化7】
【0126】 (保護層塗布液) ・ゼラチン 1 kg ・C1633O(CH2 CH2 O)10H 27 g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na 1.4 g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)15H 0.92 g ・ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径2.5 μm) 69 g ・プロキセル 0.7 g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 19 g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 10.5g ・NaOH 3.2g ・C8H17C6H4(OCH2CH2)3SO3Na 16.2g ・メルカプト化合物M2 1g ・化合物C 0.5g ・蒸留水を加えて 全量で 11.1 リットル
【0127】なお、ここで用いた化合物の構造式は以下
に示すとおりである。
【0128】
【化8】
【0129】(ハレーション防止層塗布液) (1)染料分散物Lの調製 染料−1およびオイル−I、−II各2.5gを酢酸エチ
ル50ccに溶解したものをドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム1.5gおよびp-ヒドロキシ安息香酸メチル
を0.18g含む8%ゼラチン水溶液90gと60℃で
混合し、ホモジナイザーで高速攪拌した。高速攪拌終了
後、エバポレーターを用いて60℃で減圧処理し、酢酸
エチルを92wt%除去した。これにより平均粒径0.
18μmの染料分散物Lを得た。
【0130】 (2)塗布液の調製 ・ゼラチン 1kg ・ポリマーラテックス(ポリ(アクリル酸エチル/ メタクリル酸)=97/3、重量比)) 130 g ・リン酸 1.23 g ・スノーテックスC 120 g ・プロキセル 0.4 g ・染料分散物L 190 g ・染料−2 18 g ・染料−3 12.5 g ・染料−4 13 g ・硬膜剤1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 17.5 g ・蒸留水を加えて 全量で 13.8リットル
【0131】なお、ここで用いた化合物の構造式は以下
に示すとおりである。
【0132】
【化9】
【0133】 (バック保護層塗布液) ・ゼラチン 1 kg ・C1633O(CH2 CH2 O)10H 33 g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3Na 1.4 g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)15H 0.92 g ・ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径3.7 μm) 34 g ・プロキセル 0.7 g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 75 g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 10.5g ・NaOH 2.3 g ・C8H17C6H4(OCH2CH2)3SO3Na 20 g ・蒸留水を加えて 全量で 10.7 リットル
【0134】感光材料の調製 (感光材料Iの作製)3で調製した塗布液を同時押し出
し法により、下塗り済みのPET175μmの支持体の
一方の側に塗布をした。保護層を最上層に、乳剤Aをそ
の下層上(上層乳剤層)に更に乳剤Bを最下層(下層乳
剤層)にした。なお、保護層のゼラチン量は0.6g/
m2にした。その後乾燥して感光材料を調製した。なお、
乳剤層の塗布量は表1に示す塗布銀量になるように定め
た。感光層の逆側には、ハレーション防止染料層と保護
層をそれぞれ、ゼラチン塗布量として、3.0g/m2
1.27g/m2になるようにした。
【0135】(感光材料II、III 、IV、V、VI、VII 、
VIII、IXの作製)感光材料Iの作製に記載と同様の方法
で、乳剤を変更することにより表1に示すような感光材
料II、III 、IV、V、VI、VII 、VIII、IXを作成した。
【0136】また乳剤の評価用に、それぞれの乳剤を単
層で塗布した試料も作製し、乳剤の感度の評価を行っ
た。感度はlogE(E:露光量)で表示する。
【0137】感光材料I〜IXについて表1にまとめる。
【0138】
【表1】
【0139】(感度・階調の測定)ここで、フィルムの
感度を、市販のUM-Fineスクリーンと測定する感材を組
み合わせてX線露光することによって求めることができ
る。距離法によりX線露光量を変化させる方法により測
定を行った。本測定は同一のスクリーンを用い、感材の
みを変化させたものなので、これで実際の乳房撮影用の
Moターゲット管で露光したときと同様の結果が得られ
る。
【0140】具体的には、三相の電力供給で50KVp
で運転されるタングステン・ターゲット管から生じたX
線を、厚み3mmのアルミニウム板を透過させたものを用
いた。市販のUM-Fineスクリーンと測定する感材を密着
させ、富士写真フイルム(株)社製ECMAカセッテに
装填した。X線管球から順番に、カセッテ天板、フィル
ム、スクリーンとなるように配置してX線照射を行っ
た。距離法にてX線露光量Eを変化させ、logE=0.15の
幅でステップ露光した。
【0141】露光後のフィルムは、自動現像機(富士写
真フイルム(株)社製、商品名CEPROS−Mにて、
現像液(G)を用い、35℃にて15秒(全処理時間4
5秒)現像した。具体的な条件は前記の詳細な説明のと
ころのものと同様であり、定着液は前出の定着液(F)
を用い、水洗には水道水を用いた。その後濃度を測定
し、カブリ+1.0の濃度を得るのに必要な照射線量の
逆数をフィルムの感度とした。なお、感度は545nm±
20nmの単色光で露光し、前記FPM-5000自動現像機を用
い全処理時間83秒で現像したとき、カブリ+1.0の
濃度が得られる光量が0.0210ルクス・秒であるUMMA-HC
の感度を100とおいて相対値で表した。
【0142】また、フィルムのコントラストは、前述の
定義に従い、カブリ+0.25とカブリ+2.0の濃度
点を結ぶ直線の傾きで求めた。結果を表2に示した。な
お、表2には感光材料A〜Mのほか、市販品の富士写真
フイルム(株)製のUMMA−HCについても示す。
【0143】
【表2】
【0144】(疲労現像液での感度・階調の測定)現像
液(G)を35℃で7日間放置することによって酸化劣
化液を作製した(現像液(G2))。現像液(G)の代
わりに現像液(G2)を用いることによって、同様な方
法で感度・階調を測定した。結果は表2に示す。なお現
像液(G2)はその成分を分析した結果、ハイドロキノ
ンが7g/リットルまで減少した劣化液であった。
【0145】表1、2より以下のことがわかった。
【0146】1.ハロゲン化銀乳剤層の各々の乳剤層の
ヨード含量が0.6モル%以下である本発明の感材は酸
化劣化液である現像液(G2)で現像時間15秒以下の
迅速処理をしても良好な感度・階調を達成でき、現像液
の変動に対して感度・階調の変動の少ない好ましい感材
が得られる。本発明の様な迅速処理対応の高階調の感材
にとってはその安定性は極めて重要な性能である。
【0147】本実施例ではヨード含量が0.1モル%程
度の感材を本発明の例として例示したが、0.6モル%
以下であれば明らかに迅速処理において有為な結果が得
られている。但し、0.6モル%以下の含量を鋭意検討
すると、0.3モル%以下の感材がとりわけ有為な性能
を示す。
【0148】2.より低感度の乳剤を上層にした2層構
成にした感材にする事により、乳剤を単層塗布した感材
よりも明らかにコントラストが向上し、本発明の迅速処
理対応の硬調感材がより容易に作製可能である。
【0149】3.銀に対して1×10-8モル以上5×1
-8モル以下のRhがドープされることによってより階
調の高い好ましい感光材料が得られる。5×10-8モル
以上のRh量では感度の低下が著しく、好ましくない。
【0150】4.また、ハロゲン化銀の粒子サイズ分布
はより単分散であることでより高階調が得られ好まし
い。
【0151】(ローラーマーク・残色の測定)それぞれ
の感材を濃度0.5に均一に光露光した後、感度・階調
を測定したときと同様に自動現像機にて処理した。現像
後のフィルムに発生した黒斑点状の跡(ローラーマー
ク)を評価した。結果を表3に示す。
【0152】 ○:ほとんどローラーマークの発生なし △:僅かに発生しているが許容である ×:発生が著しく不可
【0153】次に以下のような方法で現像処理後のフィ
ルムに残留する増感色素(残色)を評価した。未露光の
フィルムを感度・階調を測定したときと同様な方法で自
動現像機にて処理した。ただし水洗水の温度を10℃ま
で下げることによって残色の発生しやすい冬季の条件を
シミュレートした。処理後のフィルムの色を目視で評価
した。結果を表3に示す。
【0154】
【表3】
【0155】 ○:ほとんど残色の発生なし △:僅かに発生しているが許容である ×:発生が著しく不可
【0156】表3より以下のことが分かった。本発明の
ヨード含量が少ない感光材料は、診断上妨げとなるロー
ラーマーク・残色の発生が少なく好ましい。
【0157】<実施例2 増感スクリーンの製作>以下
に本発明の感光材料と組み合わせて好ましく用いること
のできる増感紙を示す。
【0158】(1)カーボンブラック下塗り層の調製 カーボンブラック粉末40g、バインダーC(大日本イ
ンキ化学工業(株)製:クリスコートP1018Gs)
80gにメチルエチルケトンに加え、混合・分散し、粘
度3Psになるように下塗り層塗布液を調製した。この
塗布液を厚み350μmの透明ポリエチレンテレフタレ
ート支持体上にドクターブレードを用いて均一に塗布し
たのち乾燥を行った。乾燥後の膜厚は20μmであり、
十分な遮光性をもった下塗り層であり、表面の平滑性が
高いものであった。
【0159】(2)二酸化チタン光反射層付き支持体の
調製 平均粒子サイズ0.28μmのルチル型TiO2 粉末
(石原産業(株)製、CR95)500g、バインダー
C(大日本インキ化学工業(株)製:クリスコートP1
018GS)100gにメチルエチルケトンに加え、混
合・分散し、粘度10Psになるように下塗り層塗布液
を調製した。結合材とTiO2粒子の混合比は1:5
(重量比)であった.この塗布液を厚み250μmの透
明ポリエチレンテレフタレート支持体上にドクターブレ
ードを用いて均一に塗布したのち乾燥を行った。できあ
がった乾燥膜厚は35μmであった。この光反射層中で
TiO2粒子の凝集は全く見られず、表面の平滑性が高
いものであった。蛍光体の主発光ピークである545nm
で、この反射層の拡散反射率を測定したところ94%で
あった。十分に高い反射率と、反射鮮鋭度をもった反射
層であることが分かる。
【0160】(3)蛍光体層の調製 蛍光体シート形成用塗布液として蛍光体(Gd22
S:Tb、平均粒径2μm、電子顕微鏡法による球相当
平均直径)250g、バインダーA(ポリウレタン、住
友バイエルウレタン(株)製 商品名:デスモラックT
PKL−5−2625)固形分として6g、バインダー
B(油化シェルエポキシ(株)製:エピコート100
1)1g、イソシアネート(日本ポリウレタン工業
(株)製:コロネートHX)0.5gをメチルエチルケ
トンに加え、プロペラミキサーで分散し、粘度が20P
s(25℃)になるように調製した。この塗布液を仮支
持体(あらかじめシリコーン系離型剤が塗布されている
ポリエチレンテレフタレート)上に塗布し、乾燥後仮支
持体より剥離し、蛍光体層とした。このようにして作製
した蛍光体層の厚みは125μmであった。
【0161】(4)蛍光体スクリーンの作製 (1)の下塗り層を塗設した支持体上に(3)の蛍光体
層を重ね、カレンダーロールによって400Kgw/cm
2 、80℃で加圧し、保護層なしの蛍光体シートを作製
した。カレンダー後の蛍光体層膜の厚みは105μm 、
蛍光体の体積充填率は68%であった。
【0162】(5)表面保護層の作製 フッ素系樹脂(旭硝子(株)製:ルミフロンLF10
0)10g、アルコール変成シロキサンオリゴマー(信
越化学工業(株)製:X−22−2809)1.5g、
イソシアネート(三井東圧化学(株)製:オレスターN
P38−70S)3.2g、触媒(共同薬品(株)製:
KS1269)0.001gをメチルエチルケトン・シ
クロヘキサノン(重量比1:1)溶媒に溶解し保護層塗
布液とした。この塗布液を前記保護層なしの蛍光体シー
ト上にドクターブレードを用いて塗布し、ゆっくりと乾
燥した後120℃で10分熱処理をして4μmの保護層
を有する蛍光体シートを得た。
【0163】(6)エンボスの作製 ランダムな凹凸が施されているステンレス製ローラーを
用いて、線圧40kg/cm、50℃、3m/min でエンボ
ス処理をした。
【0164】(7)刻印の作製 保護層を塗設した蛍光体層の表面の刻印部分に、目的と
する刻印よりやや大きい穴のあいたポリエチレンテレフ
タレートフィルム(マスクフィルム)を密着させ、ピン
ホールテスター(東京高周波電気炉(株)製:テスラコ
イルK型)を用い、25℃、65%RH、距離1cm、3
秒間の放電処理を行った。その後、インクリボン(中島
金属箔粉工業(株)製:BLACK−TP)を用い10
0℃、5kg/cm2 、10秒間のホットプレスによって刻
印した。
【0165】このようにして表4に示すような、蛍光体
層厚み105μm、表面保護層厚み4μmのスクリーン2
を作製した。同様にして、蛍光体層の厚みを変化させる
ことによって、スクリーン1〜スクリーン4を作製し
た。また下塗り層を(1)のカーボンブラック層から、
(2)の酸化チタン反射層に変更することによって、同
様にスクリーン5〜9を作製した。これらのスクリーン
1、3、4、5〜9においても蛍光体の体積充填率は6
8%であった。
【0166】次に、蛍光体層内に発光光の吸収剤として
カーボンブラック微粉末を添加することによる変化を示
すため、蛍光体重量に対して0.0015wt%、0.006wt%を蛍
光体層に添加し、スクリーン2と同様な方法で蛍光体層
の厚みを100μmにすることによってスクリーン10
〜11を作製した。これらのスクリーン10〜11にお
いても蛍光体の体積充填率は68%であった。
【0167】<スクリーンの発光輝度の測定>詳細な説
明に記載したように、545nm±20nmの単色光で0.
0210ルクスの照度で1秒間露光し、現像処理条件
(1)で現像したとき、カブリ+1.0の光学濃度が得
られる片面ハロゲン化銀写真感光材料を用いて行った。
具体的には、富士写真フィルム(株)社製の乳房撮影用
フィルムUMMA-HC #919-01を用いた。このフィルムの乳
剤面と測定するスクリーンの保護層を密着させ、富士写
真フイルム(株)社製ECMAカセッテに装填した。X
線管球から順番に、カセッテ天板、フィルム、スクリー
ンとなるように配置してX線照射を行った。
【0168】X線源としては、市販のマンモ撮影用装置
である東芝(株)製、DRX-B1356ECを用いた。三相電源
で26kVp で動作させたMoターゲット管に1mmのBe
と、0.03mmのMoおよび2cmのアクリルフィルター
を透過したX線を用いた。線源とスクリーン面との距離
は約60cmであった。このとき同時に照射X線量を測定
するために市販の電離型線量計であるRadical Corporat
ion社製のmdh1015C型線量計と10X5-6Mイオンチャンバー
を用いた。線量の測定位置と実際のスクリーン位置の補
正、および温度、気圧等を補正、カセッテ天板分の吸収
も補正することにより、実際にフィルム・スクリーン対
に照射される線量を測定した。
【0169】管球の電流と、露光秒数を0.5秒〜1.
5秒の間で適当に変化させることにより、現像後のフィ
ルム濃度がカブリ+1.0になるような照射線量を求め
た。
【0170】露光後のフィルムは、自動現像機(富士写
真フイルム(株)社製、商品名FPM−5000)に
て、現像処理(1)を行った。その後濃度を測定し、X
線の照射線量に対してプロットすることにより、フィル
ムの濃度がカブリ+濃度1.0になる照射線量を求め
た。このようにして求めた濃度1.0を得るのに必要な
照射線量の逆数をスクリーンの発光輝度を表す尺度とし
た。詳細な説明に記載したとおり、市販の化成オプトニ
クス社製UM-Fineスクリーンを用いて測定を行った結
果、7.2mR の照射線量でカブリ+1.0のフィルム濃度
が得られた。このUM-Fine スクリーンの発光輝度は0.13
9 mR-1である。この発光輝度を100として他のスクリ
ーンの輝度を定義した。本実施例で作製したスクリー
ン、および各社の市販スクリーンの発光輝度を表4にま
とめる。
【0171】<コントラスト伝達関数(CTF)の測定
>富士写真フイルム(株)社製UMMA−HC片面感光
材料を、測定対象の増感スクリーンに接触状態に配置
し、MTF測定用矩形チャート(化成オプトニクス社製
Type9、Sn製、厚み:40μm 、空間周波数:0 本
〜10本)を撮影した。
【0172】露光条件、露光配置はスクリーンの発光輝
度の測定と同様である。このとき管電流は100mAであ
ったので、X線管の焦点サイズは公称値0.4 mmであっ
た。チャートはX線管球から約60cmのところにカセッ
テに密着させて配置した。
【0173】なお線質調整用の2cmのアクリルフィルタ
ーは管球焦点から20cmのところに配置し、アクリルフ
ィルターとX線チャート、スクリーンまでの距離を40
cmと十分に大きく取り、散乱線の混入を防止している。
【0174】撮影試料は、露光時間の調節で濃い部分の
濃度を1.8に合わせ、発光輝度の測定と同様に現像処理
(1)を行った。その後、詳細な説明に記載のとおりコ
ントラスト伝達関数(CTF)を求めた。空間周波数5
本/mmについて測定された値を表4に示す。
【0175】
【表4】
【0176】この表4より明らかなように、本実施例の
試作スクリーンは、その発光輝度・CTFの観点におい
て市販のスクリーンを凌駕していることが分かる。輝度
が高くかつCTF(5本/mm)が0.40以上のスクリ
ーンは蛍光体層の染色がなくかつ蛍光体層の厚みが50
μm以上120μm以下で好ましく達成されることが分か
る。
【0177】次に、これらのうち、CTF(5本/mm)
が0.40以上のスクリーンを本発明の感材と組み合わ
せた場合、乳房撮影用として特に有用であることを以下
の実施例で示す。
【0178】<実施例3 組体の画質評価>実施例1の
感材フィルムと実施例2で作製したスクリーンを組み合
わせて、Gammex社製 RMI-156ファントーム(serial No 1
56-12438)を撮影し、その検出能を評価した。結果を表
5に示す。撮影電圧は28kVpで、グリッドを用い
た。
【0179】 ○○:明瞭に見える。 ○ :十分に検出可能である。 △ :僅かだが見える。 × :良く見えない。
【0180】なお、評価にあたっては、1.マス・カル
フィケーション・ファイバーの検出能(検出能)、2.
カルフィケーション辺縁の検出能(辺縁検出能)という
2つの観点で評価をした。結果を表5に示す。
【0181】
【表5】
【0182】マス・カルシフィケーション・ファイバー
の検出能を上げるためには、とにかくコントラストを上
げれば良いことが分かる。蛍光体層をカーボンブラック
などで染色したスクリーンとの組み合わせでも良い画像
が得られるが、その組体感度が低く、患者の被曝量が上
昇するため好ましくない。好ましい使用方法は、充分に
高輝度なスクリーンと比較的低感な感材とを組み合わせ
ることによって、組体感度を4〜10mRの範囲に調整
することによって、粒状の悪化も少なく、被曝も少ない
好ましい画像が得られる。
【0183】<実施例4 組体の評価>実施例2と同様
な方法で、ただし表面保護層として厚み違いのPETフ
ィルムをラミネートすることによって表面保護層の厚み
の異なる表6の15〜17ようなスクリーンを作製し
た。また同様に、ただし使用する蛍光体のサイズを2μ
mと4μmのミックスに変更することによって、12〜1
4のようなスクリーンを得た(表6)。
【0184】
【表6】
【0185】このスクリーンをフィルムと組み合わせる
ことによって以下のようなシステムをつくり、実施例3
と同様にRMIファントームを評価した。結果を表7に
示す。
【0186】
【表7】
【0187】以上のように本発明の組体は、高感度で高
いX線利用効率をもった粒状の良いスクリーンとの組み
合わせで好ましく達成されるが、そのCTFは5本/mm
で0.40以上のレベルを維持していることが必要である。
これ以上のレベルでもその検出能の著しい向上はない
が、このレベルを下回るとその影響が出てくることが分
かる。
【0188】<実施例5 組体の評価>実施例2と同様
にして、ただしカレンダーロールによる加圧圧力を0〜
800kgw /cm2 の範囲で変化させることによって、蛍
光体層内の蛍光体粒子の体積充填率を変化させることに
よって、スクリーン18〜22を作製した(表8)。な
お表面保護層には厚み6μmのPETをラミネートし
た。
【0189】
【表8】
【0190】蛍光体層の充填率を上昇させることによっ
て鮮鋭度のすぐれたスクリーンが得られることが分か
る。このようなスクリーンと実施例1で作製の各種感材
を組み合わせた結果、特に充填率65%以上のスクリー
ン20、21、22とコントラスト3.7以上の感材の
組み合わせにおいて好ましい画像が得られた。
【0191】
【発明の効果】本発明によれば、乳房を撮影するための
高コントラストの特性を有しながら、迅速処理が可能で
処理の安定性に優れた新規なX線撮影系を構成するハロ
ゲン化銀写真感光材料が得られる。
【0192】また、こうしたハロゲン化銀写真感光材料
を用い、画質と感度のバランスにおいて、優れた新規な
X線撮影系を構成する、ハロゲン化銀写真感光材料と増
感スクリーンとの写真組体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21K 4/00 G21K 4/00 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面のみに少なくとも2層以上
    の感光性乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、各々の感光性乳剤層が異なる感度のハロゲン化銀
    乳剤からなり、最上層の感光性乳剤の方が下層の感光性
    乳剤よりも感度が低く、かつ各々のハロゲン化銀乳剤の
    ヨード含量が銀に対して0.6モル%以下であり、かつ
    前記ハロゲン化銀写真感光材料を下記現像処理(1)を
    行うことで算出されるコントラストが3.4以上4.8
    以下であり、かつ現像時間が15秒以下であることを特
    徴とするマンモグラフィー用ハロゲン化銀写真感光材
    料。 現像処理(1) 以下の現像液(G)を用い、現像温度35℃、現像時間
    15秒で現像する。 現像液(G): 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 2.5g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルとしたのち、pHを10.2に調節する。
  2. 【請求項2】 少なくとも1層に使用しているハロゲン
    化銀乳剤のハロゲン化銀の粒子サイズの変動係数が3%
    以上12%以下である請求項1のマンモグラフィー用ハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 少なくとも1層に使用しているハロゲン
    化銀乳剤のヨード含量が銀に対して0.3モル%以下で
    ある請求項1または2のマンモグラフィー用ハロゲン化
    銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記コントラストが3.8以上4.5以
    下であり、かつ感光層のバインダー使用量が2g/m2
    上4.5g/m2以下であることが特徴の請求項1〜3の
    いずれか1項記載のマンモグラフィー用ハロゲン化銀写
    真感光材料。
  5. 【請求項5】 少なくとも1層に使用しているハロゲン
    化銀乳剤に銀1モルに対して1×10-8モル以上5×1
    -8モル以下のRh化合物がドープされている請求項1
    〜4のいずれかのマンモグラフィー用ハロゲン化銀写真
    感光材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかのハロゲン化銀
    写真感光材料と、実質的にテルビウム賦活ガドリニウム
    オキシスルフィド(Gd22 S:Tb)からなる蛍光
    体を用いたX線増感スクリーンとの組体において、X線
    増感スクリーンが、空間周波数5本/mmで0.40以
    上1.00以下であるコントラスト伝達関数(CTF)
    を有することを特徴とする写真組体。
  7. 【請求項7】 X線増感スクリーンの蛍光体が実質的に
    テルビウム賦活ガドリニウムオキシスルフィド(Gd2
    2 S:Tb)よりなり、かつ蛍光体層が実質的に染色
    されておらず、かつ蛍光体層の蛍光体の体積充填率が6
    5%以上80%以下である請求項6の写真組体。
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