JPH0764221A - ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成方法

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JPH0764221A
JPH0764221A JP21066193A JP21066193A JPH0764221A JP H0764221 A JPH0764221 A JP H0764221A JP 21066193 A JP21066193 A JP 21066193A JP 21066193 A JP21066193 A JP 21066193A JP H0764221 A JPH0764221 A JP H0764221A
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JP
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silver halide
light
sensitivity
layer
intensifying screen
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JP21066193A
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Nobuyuki Iwasaki
信之 岩崎
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】画質と感度のバランスにすぐれた新しいX線撮
影系を構成するハロゲン化銀感材を提供する。 【構成】透明な支持体の両側に、ハロゲン化銀感光性乳
剤層を少くとも1層有する写真感光材料であり、該写真
感光材料の少くとも1方の側の感光層は、放射線増感ス
クリーンの主発光ピーク波長と同一の波長を有し、かつ
半値幅が20±5nmの単色光で露光し、現像液温度35
℃、現像時間25秒で現像処理し、露光面と逆側の感光
層を剥離したのち測定して、露光面の感光層にて得られ
る濃度が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要
な露光量が0.010ルクス秒から0.035ルクス秒
となる感度を有し、かつ該写真材料を構成するハロゲン
化銀乳剤の少くとも1種類は、粒子表面の沃化銀含有率
が粒子内部の沃化銀含有率より小であるハロゲン化銀粒
子が、全ハロゲン化銀粒子数の70%以上であることを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なハロゲン化銀写真
感光材料に関し、また、新規なX線画像形成方法に関す
る。本発明は、医療用のX線画像診断の分野において、
優れた画像を提供する、ハロゲン化銀写真材料とその画
像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用放射線写真において、患者の組織
の画像は、透明支持体に塗布形成された少なくとも一層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む写真感光材料(ハロ
ゲン化銀写真感光材料)を使用し、そのハロゲン化銀写
真感光材料にX線の透過パターンを記録することにより
作られる。X線の透過パターンはハロゲン化銀写真感光
材料を単独に用いて記録することができる。しかしなが
ら、人体が大量のX線の露光にさらされることは望まし
くないため、通常は、ハロゲン化銀写真感光材料に放射
線増感スクリーンを組み合せてX線撮影を行なってい
る。放射線増感スクリーンは、支持体の表面に蛍光体層
を備えてなるもので、その蛍光体層がX線を吸収して、
感光材料にとって感光度の高い可視光に変換するため、
その使用はX線撮影系の感度を顕著に向上させることが
できる。
【0003】X線撮影系の感度を更に向上させる方法と
して、両面に写真乳剤層を有する感光材料、すなわち支
持体の前側および後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光
層を備えてなるハロゲン化銀写真感光材料を用い、その
両側を放射線増感スクリーン(単に増感スクリーンとも
よぶことがある)ではさんだ状態でX線撮影する方法が
開発されており、現在では、通常のX線撮影は、このよ
うな撮影方法が利用されている。この方法は、一枚の増
感スクリーンの使用では充分なX線吸収量が達成できな
いことから開発された方法である。すなわち、X線吸収
量を増すために一枚の増感スクリーンの蛍光体量を増量
しても、増量のため厚くなった蛍光体層内で変換された
可視光が、蛍光体層内部で散乱、反射するため、増感ス
クリーンから放出されて、増感スクリーンに接して配置
されている感光材料に入射する可視光が大きくぼけてし
まう。また、蛍光体層の深部で発生する可視光は蛍光体
層から出にくいため、むやみに蛍光体層を増加させて
も、増感スクリーンから放出される有効な可視光は増加
しない。従って、適度の厚さの蛍光体層を有する二枚の
増感スクリーンを使用したX線撮影方法は、全体として
のX線吸収量を増大させ、かつ増感スクリーンから有効
に変換された可視光を取り出すことができるとの利点を
有する。画質と感度のバランスにおいて優れたX線撮影
系を見い出すための研究は、これまでにも絶え間なく行
なわれてきている。たとえば、従来では、タングステン
酸カルシウム蛍光体の蛍光体層を有する青色発光の増感
スクリーンと、分光増感されていないハロゲン化銀写真
感光材料との組合せ(例、ハイスクリーン・スタンダー
ドとRX(いずれも富士写真フイルム株式会社商品名)
との組合せ)が一般的に利用されていたが、最近では、
テルビウム賦活希土類元素オキシスルフィド蛍光体の蛍
光体層を有する緑色発光の増感スクリーンと、オルソ分
光増感されたハロゲン化銀写真感光材料との組合せ
(例、グリネックス4とRXO(いずれも富士写真フイ
ルム株式会社商品名)との組合せ)が用いられるように
なり、感度と画質の双方において向上した結果が得られ
ている。
【0004】なお、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン
化銀写真感光材料においては、クロスオーバー光による
画質の劣化が発生しやすいとの問題がある。このクロス
オーバー光とは、感光材料の両側に配置されたそれぞれ
の増感スクリーンから放出され、感光材料の支持体(通
常170〜180μm程度の厚いものが用いられる)を
透過して反対側の感光層に届く可視光で、画質(特に鮮
鋭度)の低下をもたらす光である。
【0005】上記のクロスオーバー光を減少させるため
に、これまでに各種の技術が開発されてきた。たとえ
ば、米国特許第4425425号と第4425426号
の明細書に示されている分光増感された高アスペクト比
平板状粒子乳剤を感光性ハロゲン化銀写真乳剤として用
いる発明があり、この発明によってクロスオーバーが1
5〜22%まで減少するとされている。また、米国特許
第4803150号明細書には、現像処理により脱色可
能な微結晶性染料層をハロゲン化銀写真感光材料の支持
体と感光層との間に設ける発明が開示されており、この
発明によりクロスオーバーが10%以下にまで減少する
とされている。
【0006】写真の調子(特性曲線の形)は、医療画像
診断を行う上で非常に重要であるとされている。近年、
診断部位別に、写真感光材料の使い分けがされつつあ
り、各写真メーカーも、その要求に応じ、特性曲線の異
なる感光材料を提供している。大別すると、血管造影撮
影用硬調感材、一般用標準調子感材、腹部胃部撮影用ワ
イドラチィチュード感材、胸部撮影用超ワイドラチィチ
ュード感材である。また、特開昭59−214027、
同60−41035、同60−159741、同61−
116346、同62−42146、同62−4214
7に種々の特性曲線を持つ感光材料が開示されている。
【0007】一方、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン
化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組合せを
特定の条件に設定して画質と感度とのバランスにおいて
優れたX線撮影系を見い出そうとの試みもなされてい
る。たとえば、特開平2−266344号公報、同2−
297544号公報、および米国特許4803150号
明細書には、X線照射側の増感スクリーン(前面増感ス
クリーン)と感光層(前面感光層)との組合せにより得
られる光特性(感度)を、反対側の増感スクリーン(後
面増感スクリーン)と感光層(後面感光層)との組合せ
により得られる光特性(感度)とを互いに相違するよう
に設定し、また前者の組合せと後者の組合せとが互いに
相違するコントラストを示すように設定したX線撮影系
が開示されている。一方、フォトグラフィック・サイエ
ンス・アンド・エンジニアリング、第26巻、第1号
(1982)の40頁には、スリーエム社製放射線増感
スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組合せにお
いて、Trimax12(スリーエム社の市販増感スクリーン
の商品名)とXUD(スリーエム社の市販ハロゲン化銀
写真感光材料の商品名)との組合せが、Trimax4(スリ
ーエム社の市販増感スクリーンの商品名)とXD(スリ
ーエム社の市販ハロゲン化銀写真感光材料の商品名)と
の組合せに対して、ほぼ同等の感度、鮮鋭度(MTF)
を示すが、高いNEQ(アウトプットのシグナルノイズ
比)を与えるとの実験結果を示している。そして、この
結果は、XUDがXDに比べて高い鮮鋭度を示し、一方
ではTrimax12がTrimax4に比べて高いX線吸収量を示
すためと教示している。
【0008】勿論、X線画像の画質のみに注目すれば、
高い画質のX線画像を得ることは、感度の低いハロゲン
化銀写真感光材料に同じく感度の低い放射線増感スクリ
ーンを組合せて用いることにより可能であった。しか
し、このような低感度同士の組合せを利用する場合に
は、必然的に人体へのX線の露光量(被曝量)が増加す
るため、そのような組合せは実用上好ましくなく、特に
診断検診のように、被検者の大部分が健康な人である場
合には、被曝量の増加は極力回避する必要があるため、
実際に利用することができない。
【0009】上記のように、これまでにも様々な方式に
よる画質と感度のバランスにおいて優れたX線撮影系を
見い出すための研究が行なわれてきている。しかしなが
ら、X線画像診断の目的において、これまで開発されて
きたX線画像形成方法は依然として、充分な高画質と高
感度を備えたX線撮影システムということはできない。
例えば、胸部のX線画像では肺野の中の非常に細い血管
陰影を末端まで観察できることが診断上において非常に
重要であるが満足できるものではなかった。肺のX線写
真の診断のしやすさにおいて、コントラストが良いこ
と、ボケが少いこと、ざらつきが少いことが、主な因子
と言われている。どの因子も重要であるが、特にざらつ
きが多いと、細い血管陰影が途切れてしまい、診断上の
大きな支障となってしまう。またびまん性疾患のあるX
線肺画像は、ざらつきの程度により、その疾患の重大性
を所見とするものであり、X線画像そのもののざらつき
(ノイズ)が大きいと、診断できなくなってしまう。じ
ん肺、結核の診断においても病変によるざらつきと、ノ
イズの区別がつかないと誤診につながる危険性がある。
肺がんの腫りゅう陰影の診断の重要性は、腫りゅう陰影
が良性か悪性かの診断が重要なポイントである。形状観
察の判断は、素直な円形をしているか、不規則な変形を
しているかであり、腫りゅう陰影の形が判定できない
と、良性、悪性の判断ができなくなる。形状観察におい
て、画像のざらつきは大きな影響を与える。ざらつきが
大きいと、陰影境界が不明瞭になり、形状観察ができな
くなる。以上のように、肺のX線写真を診断する上で画
像のざらつきが、診断をしにくくさせることは明白であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画質と感度
のバランスにおいて、優れた新規なX線撮影系を構成す
る、ハロゲン化銀写真材料を提供することを主な目的と
する。本発明は特に、画像のざらつき(ノイズ)を押
え、かつ、シャープさ及びコントラストが損なわれない
画像を得る優れた新規なX線撮影系を構成する、ハロゲ
ン化銀写真材料を提供することを目的とする。またその
写真材料を用いた新規な画像形成方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、透明な支持体の両側にハロゲン化銀感光性乳剤層
を少くとも1層有する写真感光材料であり、該写真感光
材料の少くとも1方の側の感光層は、放射線増感スクリ
ーンの主発光ピーク波長と同一の波長を有し、かつ半値
幅が20±5nmの単色光で露光し、現像液〔I〕を用
い、現像液温度35℃、現像時間25秒で現像処理し、
露光面と逆側の感光層を剥離したのち測定して、露光面
の感光層にて得られる濃度が、最低濃度に0.5を加え
た値になるのに必要な露光量が0.010ルクス秒から
0.035ルクス秒となる感度を有することを特徴と
し、かつ該写真材料を構成するハロゲン化銀乳剤の少く
とも1種類は、粒子表面の沃化銀含有率が粒子内部の沃
化銀含有率より小となるハロゲン化銀粒子が、全ハロゲ
ン化銀粒子数の70%以上となるハロゲン化銀写真材料
によって達成された。 現像液〔I〕 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルにしたのち、pH10.02に調節する。
【0012】また上記感光材料を用い、下記特徴を有す
る二枚の放射線スクリーンでサンドウィチして放射線画
像を形成する方法により更に良好な画像を得る方法を見
出した。 放射線増感スクリーン 放射線増感スクリーンの内の少なくとも一方は、X線エ
ネルギーが80KVpのX線に対して25%以上の吸収
量を示し、コントラスト伝達関数(CTF)が、空間周
波数1本/mmで0.79以上、そして空間周波数3本/
mmで0.36以上である放射線増感スクリーン。
【0013】本発明の写真材料は、市販されているオル
ソシステムのX線写真材料に対して感度が低くなってい
る。従って標準的な撮影感度をもつためには、市販され
ている増感スクリーンを使用するに当っては、比較的高
感度である増感スクリーン、例えば富士写真フイルム
(株)製のHR-4、HR-6、HR-8を用いなければならない。
【0014】写真材料と、増感スクリーンの組合せは任
意にとれるが、その特定の組合せをとることにより、よ
り向上した画質と感度のバランスが得られることを意味
する。仮に、組体の感度を一定として、X線吸収量が非
常に多く、高感度の増感スクリーンと、低感度の感光材
料とを組合せて用いた場合、得られる画像の粒状度は極
めて良好になるが、鮮鋭度が顕著に低下する。この場合
において、感光材料として低感度で鮮鋭度の高い感光材
料を用いたとしても、得られる画像の鮮鋭度は充分とな
らず、診断上好ましいX線画像とならない。逆に、X線
吸収量の少ない低感度の増感スクリーンと、標準感度も
しくは高感度の感光材料を組合せて用いた場合には、高
い鮮鋭度のX線画像が得られるが、粒状度が悪くなり、
同じく診断上好ましいX線画像とならない。最もよい組
合せは、X線吸収量が80KVpのX線に対して25%
以上ある比較的高感度な増感スクリーンと、その増感ス
クリーンの高感度の特性をキャンセルする分だけ感光材
料の感度が下がった感光材料とを組合せることである。
【0015】本発明者の研究によると、ハロゲン化銀写
真感光材料と放射線増感スクリーンとの組体において、
増感スクリーンと感光材料の感度の最適な配分は、組体
の感度レベル、被検体のサイズ等により変化することが
判明した。しかしながら、更に研究を行なった結果、感
光材料として適度な感度を示すものを用い、増感スクリ
ーンとしては、許容される鮮鋭度レベルを維持できる程
度に蛍光体量を多くしてX線吸収量を増加したものを用
いた場合に、充分な感度で、高画質のX線画像が得られ
ることが判明した。
【0016】なお、好ましい鮮鋭度のレベルは被検体の
サイズに依存する。胸部における臨床的評価において
は、変調伝達関数(CTF)の物理量で表現すると、空
間周波数0.5本/mm〜3本/mmに亙るコントラスト伝
達関数が重要であり、その値は1本/mmで0.65以
上、2本/mmで0.22以上である。また、組体の感度
にも制限がある。高感度になる組体を選択すると最も好
ましいバランスを持った組合せにしても胸部等を診断す
る上の高画質が得られないからである。逆に低感度の組
体はX線の被曝の問題で好ましくない。
【0017】本発明のハロゲン化銀写真材料の特定の感
度範囲とは、放射線増感スクリーンの主発光ピーク波長
と同一の波長を有し、かつ半値幅が20±5nmの単色光
で露光し、前述の現像液〔I〕を用い、現像液温度35
℃、現像時間25秒で現像処理し、露光面と逆側の感光
層を剥離したのち測定して、該感光層にて得られる濃度
が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに必要な露光
量が0.010ルクス秒から0.035ルクス秒(好ま
しくは、0.012〜0.030ルクス)となる感度を
有するものである。
【0018】現像液〔I〕を用いた現像処理の標準的な
条件を更に詳しく説明すると、下記のようになる。 現像時間:25秒(液中21秒+液外4秒) 定着時間:20秒(液中16秒+液外4秒、定着液は下
記組成のもの) 水 洗:12秒 スクイズ及び乾燥:26秒 使用する現像装置:市販のローラ搬送自動現像機(例、
富士写真フイルム株式会社製FPM−5000自動現像
機) (現像タンク:容量22リットル、液温35℃) (定着タンク:容量15.5リットル、液温25℃) 同種の市販ローラ搬送自動現像機としては、イーストマ
ンコダック社製M−6AWがある。 定着液(定着液F)組成 チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200ml 亜硫酸ナトリウム 20g ホウ酸 8 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1g 硫酸アルミニウム 15g 硫酸 2g 氷酢酸 22g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナト
リウムもしくは氷酢酸を用いて、pH4.5に調節す
る。
【0019】ハロゲン化銀写真感光材料の感度を測定す
る方法において、用いる露光光源は組合せて使用する放
射線増感スクリーンの発光主ピークの波長に一致もしく
はほぼ一致していなくてはならない。例えば、放射線増
感スクリーンの蛍光体がテルビウム賦活ガドリニウムオ
キシスルフィドである場合には、主発光のピーク波長が
545nmであるところから、ハロゲン化銀写真感光材料
の感度を測定するときの光源は波長545nmを中心とす
る光とする。単色光を得る方法としては干渉フィルター
を組合せたフィルター系を用いる方法が利用できる。こ
の方法によれば、干渉フィルターの組合せにも依存する
が、通常、必要な露光量を持ち、かつ半値幅が20±5
nmの単色光を容易に得ることができる。なお、ハロゲン
化銀写真感光材料は、分光増感処理がなされているかど
うかにかかわらず、その分光感度スペクトルは連続であ
って、波長20±5nmの範囲では、その感度は実質的に
変わらないということができる。露光光源の例として
は、組合せて使用する放射線増感スクリーンの蛍光体が
テルビウム賦活ガドリニウムオキシスルフィドである場
合には、タングステン光源(色温度:2856K°)
と、透過ピーク波長が545nmで半値幅20nmの透過性
であるフィルターとを組合せた系を挙げることができ
る。
【0020】本発明の感光材料を構成するハロゲン化銀
粒子において、粒子の表面の沃化銀含有率は、その粒子
の内部の沃化銀含有率より小である。ここでいう粒子の
表面とは、粒子外表面から粒子の重心までの距離の1/
10以内の深さに渡る範囲の部分を示す。また粒子の内
部とは、粒子重心から粒子外表面までの距離の1/10
以内の範囲の部分を示す。粒子の内部より粒子の表面へ
の沃化銀含有率の変化は、不連続になっていても、連続
的な変化でもよい。即ち、粒子の内部だけ沃化銀含有率
が高く、粒子内部より外の部分が均一な、低い沃化銀含
有率になっていてもよく、また粒子外表面より粒子の重
心までの距離の1/10より深い部分が均一な、高い沃
化銀含有率で、粒子表面部分がより低い沃化銀含有率と
なっていてもよい。好ましい粒子内部と粒子表面の沃化
銀含有率の比は1対0.8〜1対0である。好ましい例
としては、粒子内部の沃化銀含有率は、2モル%〜40
モル%であり、粒子表面の沃化銀含有率は0モル%〜3
モル%である。
【0021】粒子トータルとしての、好ましい沃化銀含
有率は、0.5モル%〜5モル%で、最も好ましくは1
モル%〜3モル%である。本発明の支持体の両側に感光
性ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料においては、1
層あるいは2層以上の重層構成をとってもよいが、少く
とも1層は、ハロゲン化銀粒子内部が外側に対して沃化
銀含有率が高い乳剤でなければならない。また単一層の
感光性ハロゲン化銀乳剤層からなる感光材料であって
も、ハロゲン化銀乳剤を混合して乳剤層を構成してもよ
いが、その層を構成する少くとも1種類の乳剤は、ハロ
ゲン化銀粒子内部が外側に対して、沃化銀含有率の高い
乳剤でなければならない。多重乳剤層あるいは乳剤の混
合で感光材料が構成する場合においては、好ましくは、
粒子内部が粒子表面に対して、高い沃化銀含有率をもつ
乳剤が少くとも、銀量比で20%以上あることが好まし
い。支持体のそれぞれの側の層の構成及び用いるハロゲ
ン化銀乳剤は、実質的に同じものが好ましいが、異なっ
ていてもよい。最も好ましい場合は、感光材料を構成す
るすべてのハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀粒子内部
が外側に対して沃化銀含有率の高い乳剤であることであ
る。
【0022】ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率の測
定は、当業界でもよく知られているとうり、X線回析
法、蛍光X線分析法を用い、ハロゲン化銀粒子を高温で
アンニール処理をして測定できる。粒子内部の沃化銀含
有率の測定は、最近開発された分析電子顕微鏡法を用い
ることでできる。即ち、粒子をミクロトームで切断し、
粒子断面にそって、電子顕微鏡で位置を定めながら、電
子線ビームを照射して、微小部分からの2次X線を測定
し、沃化銀含有率を銀からのX線と沃素からのX線の強
度比として求める。
【0023】粒子内部が粒子表面に対して高沃化銀含有
のハロゲン化銀粒子乳剤の特徴は、微粒子にて高感度が
達成できることである。本発明のX線画像形成法におい
ては、比較的高感度の増感スクリーンに低感度の感光材
料を組合せる系であるため、X線量子ノイズが下り、そ
れゆえに感光材料の粒状度の寄与が大きくなっている。
乳剤粒子を微粒子にして、感光材料の粒状度を低下する
ことで、X線画像のざらつきが極めて改良できたことは
驚くべき発見であった。
【0024】ハロゲン化銀粒子内部の沃化銀含有率の高
い乳剤は、従来から知られた方法で調製できる。例えば
特公平5−4655号、特開昭54−48521号、米
国特許4565778号等の明細書を参考にして調製で
きる。より具体的には、できるだけハロゲン化銀溶剤を
少く、また銀イオン濃度を上げて、形成したハロゲン化
銀粒子が再溶解しにくいような条件下で、硝酸銀とハラ
イドの添加において、2回以上に分割し、初めに添加す
る沃化アルカリを多く、最後に添加する沃化アルカリを
少く、または添加しないことにより調製できる。調製し
たハロゲン化銀乳剤は、沈降法により水洗され、当業界
周知の方法で化学増感される。場合により、増感色素に
より分光増感されるが、その場合、周知の技術として、
増感色素の吸着を強化するために、微量の沃化アルカリ
を添加し、粒子表面を沃化銀にコンバージョンすること
は有効な方法である。
【0025】ハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成は沃素で
あればよく特に制限はない。またハロゲン化銀粒子の形
状についても特に制限はなく、球状粒子、平板状粒子、
双晶型厚板状粒子、八面体あるいは立方体正常晶粒子等
どれでもよい。また粒子サイズ分布は制限はないが、好
ましくは、変動係数(偏差/平均粒子径)が20%以下
の単分散な乳剤がよい。
【0026】更に好ましい態様として、感光材料に、放
射線増感スクリーンの発光する光を実質的に吸収する染
料を含有すると、更に良好な画質が得られることが判っ
た。この染料は当業界でいうクロスオーバーを減少する
働きをもつ。この染料は、現像処理により、脱色されな
ければならない。染料の含有層は、保護層、感光性乳剤
層、支持体と乳剤層の間に挿入されたゼラチン層である
が、最も好ましい態様は、支持体と乳剤層の間に挿入さ
れたゼラチン層に染料を固定化したものである。染料の
固定化は、ポリマーである媒染剤により水溶性染料を固
定化する方法もあるが、より好ましい方法は、米国特許
第4,803,150号で教示している、微結晶状の染
料を用いることである。固定化が良いことと、脱色性も
良く、多量の染料を含ませることができ、クロスオーバ
ーを減少させるのに非常に好ましい。この方法による
と、固定化不良による減感もなく、又45秒処理での染
料の脱色も可能でクロスオーバーを15%以下にでき
る。更に好ましい、クロスオーバー減少のための染料層
は、可能な限り高密度に染料を配置したものが良い。バ
インダーとして用いるゼラチン塗布量を減らし、染料層
の膜厚として0.5μ以下にすることが好ましい。しか
しながら極端な薄層化は密着不良が生じ易くなり、最も
好ましい染料層の膜厚は0.05μ〜0.3μである。
【0027】本発明において使用するハロゲン化銀写真
感光材料の代表的な構成としては、青色に着色した透明
支持体の両側(前側および後側)にそれぞれ、下塗り
層、クロスオーバー低減のための染料層、少なくとも一
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層そして保護層が順次形成
されてなる構成を挙げることができる。前側および後側
の各々の層は、実質的に互いに同一の層であることが望
ましい。
【0028】支持体は、ポリエチレンテレフタレートな
どの透明な材料から形成されたものであって、青色染料
により着色されている。青色染料としては、X線写真用
フィルムの着色用として知られているアントラキノン系
染料など各種のものが使用できる。支持体の厚さは16
0〜200μmの範囲から適宜選ぶことができる。支持
体の上には、通常のX線写真用フィルムと同様に、ゼラ
チンなどの水溶性高分子物質からなる下塗り層が設けら
れる。
【0029】下塗り層の上には、クロスオーバー低減の
ための染料層が設けられる。この染料層は通常、染料を
含むコロイド層として形成され、先に規定した現像処理
にて脱色される染料層であることが望ましい。染料層中
では、染料が層の下部に固定されていて、上層の感光性
ハロゲン化銀乳剤層や保護層に拡散することのないよう
にされていることが望ましい。染料層の上には、感光性
ハロゲン化銀乳剤層が形成される。本発明の感光材料に
おいて使用する感光性ハロゲン化銀乳剤は、周知の方法
で調製することができる。なお、ハロゲン化銀写真感光
材料は、一緒に用いる増感スクリーンに対して感光性を
持たなくてはならない。通常のハロゲン化銀乳剤は、青
色光〜紫外光の範囲の光に対して感光性を持っているの
で、増感スクリーンから発光する光が青色光〜紫外光の
範囲のもの(例えば、増感スクリーンの蛍光体としてタ
ングステン酸カルシウム蛍光体を用いた場合がこれに該
当する。)であればよいが、たとえば主波長545nmの
光を発光するテルビウム賦活カドリニウムオキシスルフ
ィド蛍光体を用いた増感スクリーンを用いる場合には、
感光材料のハロゲン化銀は緑色に分光増感されている必
要がある。
【0030】なお、前述のように、本発明のハロゲン化
銀写真感光材料には、前記の現像処理条件にて脱色され
る染料層であることが好ましいが、そのためには、染料
層の上層の感光層のバインダーの使用量を低く押えるこ
とが好ましい。即ち、感光層のバインダー使用量は5g
/m2以下とするのが好ましく、特に3g/m2以下とする
のが好ましい。一方、感光層中の銀の含有量は3g/m2
以下とするのが好ましく、特に2g/m2以下とするのが
好ましい。また好ましい塗布銀は3g/m2〜1g/m2
更に好ましくは2.5g/m2〜1.4g/m2である。
【0031】上記のようにして製造した、支持体の両側
に設けられた下塗り層と感光層との積層体の上に、常法
に従って、ゼラチンなどの水溶性高分子材料からなる保
護層が設けられ、本発明のハロゲン化銀写真感光材料を
得ることができる。
【0032】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製造
に利用される乳剤増感法や各種添加剤、構成材料、現像
処理方法等に関しては特に制限はなく、たとえば、特開
平2−68539号公報、特開平2−103037号公
報、および特開平2−115837号公報の下記の該当
箇所に記載の各種の技術を利用することができる。
【0033】 項 目 該 当 箇 所 1 化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行から 同左下欄16行目 2 カブリ防止剤、 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目 安定剤 及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄 3 分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄 4 界面活性剤、 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目 帯電防止剤 5 マット剤、 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行目、同第 滑り剤、可塑剤 14頁左下欄10行目から同右下欄1行目 6 親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目 7 硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目 8 支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目 9 染料、媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目 10 現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目か ら同第19頁左下欄15行目、及び特開平2−1158 37号公報第3頁右下欄5行目から、同第6頁右上欄1 0行目 更に好ましい画質と感度のバランスが得られる、放射線
増感スクリーンとしては、特願平4−193433号及
び同4−193432号の明細書の記載を参考にする事
ができ、これ等の記載に準じて作成することができる。
【0034】
【実施例】
実施例1 (1)粒子内部の沃化銀含有率の高い乳剤の調製(乳剤
A、B、C) 5.3gの臭化カリウムおよび4gのパラトルエンスル
フィン酸ナトリウムを含有する2重量%のゼラチン溶液
1リットルに、チオ硫酸ナトリウム5水和物10mg、ロ
ダンカリ1.4g、氷酢酸10ccを加え、これを激しく
攪拌しながらダブルジェット法で、硝酸銀5.2gを含
有する水溶液14ccと、1.8gの臭化カリウムと0.
07gのヨウ化カリウムとを含む水溶液7ccとを30秒
間で添加した。そして、その後3gのヨウ化カリウムを
含む水溶液30ccを添加した。上記の液に、まず硝酸銀
78gを含有する水溶液200ccを、次いで1分後に5
0.6gの臭化カリウムと1.90gのヨウ化カリウム
とを含む水溶液200ccを、それぞれ15分間かけて添
加した。次に、25重量%のアンモニア水14ccを添加
し、10分間熟成させた後、硝酸銀117gを含む水溶
液と臭化カリウム84.1gを含む水溶液とを同時に1
4分間で添加した。なお、全ての工程における反応液の
温度は70℃に維持した。上記の反応液を、常法により
フロキュレーション法で洗浄し、40℃にてゼラチン、
増粘剤、防腐剤を添加し分散した後、pHを5.6そし
てpAgを8.9に調節した。次に、この反応液を57
℃に維持しながら、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン21mgと増感色素I
460mgとを添加し、10分間熟成させた後、チオ硫酸
ナトリウム5水和物3.8mg、セレン化合物I 3.8
mg、ロダンカリ77mg、そして塩化金酸3.8mgを順次
添加し、80分間熟成させ、次いで4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン70mg
を添加した後、冷却して、平均沃化銀含有率2.5モル
%の沃臭化銀乳剤Aを得た。
【0035】
【化1】
【0036】表1に示される条件以外は、乳剤Aと全く
同様の方法にて、平均粒子サイズを変えた乳剤B、Cを
調製した。 (2)沃化銀含有率が均一な粒子からなる乳剤の調製
(乳剤D、E、F) 5.3gの臭化カリウムおよび4gのパラトルエンスル
フィン酸ナトリウムを含有する2重量%のゼラチン溶液
1リットルに、チオ硫酸ナトリウム5水和物10mg、ロ
ダンカリ1.4g、氷酢酸10ccを加え、これを激しく
攪拌しながらダブルジェット法で、硝酸銀5.2gを含
有する水溶液14ccと、1.8gの臭化カリウムを含む
水溶液7ccとを30秒間で添加した。そして、その後2
gのヨウ化カリウムを含む水溶液15ccを添加した。上
記の液に、まず硝酸銀78gを含有する水溶液200cc
を、次いで1分後に50.6gの臭化カリウムを含む水
溶液200ccを、それぞれ15分間かけて添加した。次
に、25重量%のアンモニア水14ccを添加し、10分
間熟成させた後、硝酸銀117gを含む水溶液と臭化カ
リウム84.1gとヨウ化カリウム3gとを含む水溶液
とを同時に14分間で添加した。なお、全ての工程にお
ける反応液の温度は70℃に維持した。上記の反応液
を、常法によりフロキュレーション法で洗浄し、40℃
にてゼラチン、増粘剤、防腐剤を添加し分散した後、p
Hを5.6そしてpAgを8.9に調節した。次に、こ
の反応液を55℃に維持しながら、4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン21mg
と増感色素I 460mgとを添加し、10分間熟成させ
た後、チオ硫酸ナトリウム5水和物3.8mg、セレン化
合物I 3.8mg、ロダンカリ77mg、そして塩化金酸
2.6mgを順次添加し、80分間熟成させ、次いで4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデン70mgを添加した後、冷却して、平均沃化銀含
有率2.5モル%の沃臭化銀乳剤Dを得た。表1に示さ
れる条件以外は、乳剤Dと全く同様の方法にて、平均粒
子サイズを変えた乳剤E、Fを調製した。 (3)粒子表面の沃化銀含有率が高い乳剤の調製(乳剤
G、H、I) 5.3gの臭化カリウムおよび4gのパラトルエンスル
フィン酸ナトリウムを含有する2重量%のゼラチン溶液
1リットルに、チオ硫酸ナトリウム5水和物10mg、ロ
ダンカリ1.4g、氷酢酸10ccを加え、これを激しく
攪拌しながらダブルジェット法で、硝酸銀5.2gを含
有する水溶液14ccと、1.8gの臭化カリウムを含む
水溶液7ccとを30秒間で添加した。そして、その後1
gのヨウ化カリウムを含む水溶液30ccを添加した。上
記の液に、まず硝酸銀78gを含有する水溶液200cc
を、次いで1分後に50.6gの臭化カリウムを含む水
溶液200ccを、それぞれ15分間かけて添加した。次
に、25重量%のアンモニア水14ccを添加し、10分
間熟成させた後、硝酸銀117gを含む水溶液と臭化カ
リウム84.1gとヨウ化カリウム4gとを含む水溶液
とを同時に14分間で添加した。なお、全ての工程にお
ける反応液の温度は70℃に維持した。上記の反応液
を、常法によりフロキュレーション法で洗浄し、40℃
にてゼラチン、増粘剤、防腐剤を添加し分散した後、p
Hを5.6そしてpAgを8.9に調節した。次に、こ
の反応液を57℃に維持しながら、4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン21mg
と増感色素I 460mgとを添加し、10分間熟成させ
た後、チオ硫酸ナトリウム5水和物3.8mg、セレン化
合物I 3.8mg、ロダンカリ77mg、そして塩化金酸
3.8mgを順次添加し、80分間熟成させ、次いで4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデン70mgを添加した後、冷却して、平均沃化銀含
有率2.5モル%の沃臭化銀乳剤Gを得た。表1に示さ
れる条件以外は、乳剤Gと全く同様の方法にて、平均粒
子サイズを変えた乳剤H、Iを調製した。 (4)粒子の沃化銀含有率の測定 (1)〜(3) で調製した乳剤を酵素処理と遠心分離処理で
ゼラチンを除去し、裸のハロゲン化銀粒子にした。粒子
をエポキシ樹脂に包埋し、ウルトラミクロトームで0.
08μmの厚みでスライスした試料を作成した。クライ
オホルダーに試料を固定し、−120℃にして電子線を
照射し、電子顕微鏡で照射位置を定めながら、その位置
からの2次X線を分散型エネルギー分析器で分析し、銀
による2次X線と沃素により2次X線の強度比より、沃
化銀含有率を求めた。結果について表1に示し、50個
の粒子についての平均沃化銀含有率と、粒子内部が粒子
表面より、沃化銀含有率が高い粒子の割合をパーセント
で示した。
【0037】
【表1】
【0038】(5)支持体の調製 (1) 下塗層用染料分散物Aの調製 下記の染料−Iを特開昭63−197943号に記載の
方法でボールミル処理した。
【0039】
【化2】
【0040】水434mlおよび Triton X−200界面
活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを
2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶
液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO2)のビーズ4
00ml(2mm径)を添加し、内容物を4日間粉砕した。
この後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡
したのち、濾過によりZrO2 ビーズを除去した。得ら
れた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒
径は直径0.05〜1.15μmにかけての広い分野を
有していて、平均粒径は0.37μmであった。さら
に、遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大
きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物Aを得
た。 (2) 支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μmの青色に着色したポリエ
チレンテレフタレートフィルム上にコロナ放電処理をお
こない、下記の組成より成る第1下塗液を塗布量が4.
9cc/m2となるようにワイヤーバーコーターにより塗布
し、185℃にて1分間乾燥した。次に反対面にも同様
にして第1下塗層を設けた。 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158 cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 塩4%溶液 41 cc ・蒸留水 300 cc 上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の
下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ず
つ、両面にワイヤー・バーコーター方式により155℃
で塗布、乾燥した。 ・ゼラチン 160 mg/m2 ・染料分散物A(染料固形分として) 25 mg/m2 ・C12H25O(CH2CH2O)10H 1.8 mg/m2 ・プロキセル 0.27 mg/m2 ・マット剤 平均粒径 2.5μmのポリメチルメタクリレート 2.5 mg/m2 このようにして、クロスオーバーカット層を含む支持体
を調製した。
【0041】(6)塗布液の調製 乳剤A〜Iに下記に示す薬品を添加して塗布液とした。
また保護層塗布液を下記のように調製した。 (乳剤塗布液) ・乳剤A〜I 1kg(ゼラチン83g 、Ag:92g) ・デキストラン(平均分子量 3.9万) 18g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 3g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1g ・ヨーカカリ 83mg ・トリメチロールプロパン 5g ・ポリマーラテックス(ポリ(アクリル酸エチル/メタク リル酸)=97/3、重量比)) 5g ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド )エタン) 2.7g ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミ ノ−1,3,5−トリアジン 55mg
【0042】
【化3】
【0043】 (保護層塗布液) ・ゼラチン 1kg ・デキストラン(平均分子量 3.9万) 200g ・C16H33O(CH2CH2O)10H 39g ・C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)SO3Na 1.6g ・C8 17SO3 K 7g ・ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径3.7 μm) 91g ・プロキセル 0.7g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量 4.1万) 45g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 3g ・NaOH 1.6g ・C8H17 C6H4(OCH2CH2)3SO3Na 24g ・蒸留水 up to 14.4リットル
【0044】(7)感光材料の調製 (6)で調製した塗布液を同時押し出し法により、 (5)で
調製した支持体の両側に同一条件で遂時塗布をした。尚
保護層のゼラチン量は1g/m2にした。乾燥して感光材
料を調製した。塗布の条件を表2に示した。
【0045】(8)感光材料の絶対感度の測定 (7)で調製した試料と市販感光材料 SuperHRS(富士
写真フイルム製)の絶対感度を調べた。透過ピーク波長
545nm半値巾20nmの透過性を示すフィルターを用
い、色温度が2856K°のタングステン光源(フィル
ターにより545nmの光−−後に一緒に用いる放射線増
感スクリーンの主発光波長に対応−−を中心とする光を
選んで用いた)を照射光として用いて写真感光材料を露
光し、その感度を測定した。即ち、上記の照射光をニー
トラルなステップウェッジに通し1/20秒間感光材料
に照射して露光を行なった。露光後に感光材料を、自動
現像機(富士写真フイルム株式会社製、商品名FPM−
5000)にて、現像液(I)を用い、35℃にて25
秒現像し、そして定着液F(チオ硫酸アンモニウム(7
0%重量/容量)200ml、亜硫酸ナトリウム20g、
ホウ酸8g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2
水塩)0.1g、硫酸アルミニウム15g、硫酸2g、
および氷酢酸22g、に水を加えて1リットルとしたの
ち、pHを4.5に調節したもの)を用い25℃20秒
で定着した。(全処理時間90秒)露光面と逆側の感光
層を剥離したのち、露光面の濃度を測定し、特性曲線を
得て、その特性曲線から最低濃度(Dmin )に0.5加
えた濃度となるに必要な露光量を算出し、それを感度と
して表2にルクス秒で示した。なお、露光量を算出する
に当り、タングステン光源より発光し、フィルターを透
過させた光の照度をPI−3F型照度計(更正済みのも
の)を測定した。表2より感光材料1、3が、本発明の
範囲の感度をもっていることがわかる。
【0046】
【表2】
【0047】(9)組体の感度の測定 評価対象の感光材料を、富士写真フイルム(KK)製市
販のHR−8、HR−4、HR−3スクリーンでサンド
ウィチして、距離法にてX線露光量を変化させ、log E
=0.15の幅でステップ露光した。使用したX線管球
は(株)東芝製DRX−3724HDであり、タングス
テンターゲットを用い、フォーカルスポットサイズ0.
6mm×0.6mmとし、絞りを含め、3mmのアルミニウム
等価材料を通り、X線を発生するものである。三相にパ
ルス発生器で80KVpの電圧をかけ、人体とほぼ等価
な吸収を持つ水7cmのフィルターを通したX線を光源と
した。撮影後の感光材料は、 (8)と同様の現像処理を行
ない、測定試料を作成した。測定試料について可視光に
て濃度測定を行ない、特性曲線を得た。濃度1.5を得
るに必要な、X線露光量の逆数を感度とし、相対値とし
て示した。結果を表3に示した。 (10)CTFの測定 評価対象の感光材料を、同様にしてHR−4スクリーン
でサンドウィチして、X線源から2mの位置に配置し
て、CTF測定用矩形チャート(モリブデン製、厚み:
80μm、空間周波数:0本/mm〜10本/mm)を撮影
した。X線源、現像処理条件は前述の感度の測定と同様
である。X線露光時間で露光量を調節して、モリブデン
で、遮へいしていない部分の濃度が1.8になるように
した。
【0048】次に測定試料をマイクロデンシトメータで
操作した。この時のアパーチャアは操作方向が30μ
m、それに垂直な方向が500μmのスリットを使用
し、サンプリング間隔30μmで濃度プロフィールを測
定した。この操作を20回繰り返して平均値を計算し、
それをCTFを計算する基の濃度プロフィールとした。
その後、この濃度プロフィールの各周波数毎の矩形波の
ピークを検出し、各周波数毎の濃度コントラストを算出
した。空間周波数1本/mmと3本/mmについて測定され
た値を表3に示す。
【0049】(11)ウィナースペクトル(W.S.(ν)
) CTFの測定と同じX線源(80KVp、3mmアルミニ
ウム等価材料、水7cm幅のフィルターを使用)を用い、
X線管球から2mの位置に組体を置き、露光を与え、感
光材料を現像したときに、濃度が1.5となるように露
光量を調節し、W.S.測定試料を作成した。得られた
試料をマイクロデンシトメーターで走査した。この時の
アパーチャとしては、走査方向が30μm、それに垂直
な方向が500μmのスリットを使用し、サンプリング
間隔20μmにて濃度を測定した。8192(点/ライ
ン)×12(ライン)サンプリングを行ない、その結果
から256点毎に分割してFFT処理を行なった。FF
Tの平均回数は1320回である。この結果からウィナ
ースペクトルを算出した。空間周波数1本/mmと3本/
mmについて測定された値を表3に示す。
【0050】(12)胸部ファントームによる画像評価 京都化学(株)製胸部ファントーム、三相12パルス1
00KVp(3mm厚のアルミニウム等価フィルター装
着)、フォーカルスポットサイズ0.6mm×0.6mmの
X線源を用い、距離140cmの位置にファントームを置
き、そしてその後にグリッドレシオ8:1の散乱線カッ
トグリッド、そしてその後に感光材料と増感スクリーン
との組体を置き、撮影を行なった。現像処理は、写真特
性の測定の場合と同様に、自動現像機FPM−500
0、現像液(I)、そして前述の定着液Fを用い、35
℃で90秒処理(現像時間は25秒)をした。肺野の中
のある一点を定め、その濃度が1.5となるようにX線
露光量を、露光時間を変えることにより調節した。仕上
った胸部ファントーム写真をシャーカステンに並べ目視
評価を行なった。肺野の中の血管陰影の見え易さを評価
し、極めて良好をA、良好をB、なんとか診断可能を
C、そして診断不可能をDとした。なお、同じ評点でも
優位差のでるものについては、Aa(Aの中で優れてい
る)とAz(Aの中で劣っている)のように、評点マー
クの末尾にaまたはzを付した。結果を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】表3より以下のことが明らかになった。 増感スクリーンHR−8を用いたときの、種々の感
光材料の比較(組体 No.1〜9) ・ 同一の沃化銀含有率分布をもつ乳剤(A〜C、D〜
E、G〜I)においては感度の低下に従って、ウィナー
スペクトルが小さくなり(ノイズが低下する。)胸部目
視評価点が向上している。 ・ CTFは感光材料の種類によってほとんで変化がな
い。 ・ 粒子内部の沃化銀含有率が高い乳剤は(A〜C)、
沃化銀含有率が均一な乳剤(D〜F)、及び逆に粒子内
部の沃化銀含有率が低い乳剤(G〜I)に対して、感度
とウィナースペクトルの関係及び感度と胸部目視評価の
関係において、明らかに良好なことがわかる。 組体感度80〜100の組体比較 組体 No.1と No.11を比べると、同じ感度であるが、
No.1は No.11に比べて、CTFは若干劣ってはいる
ものの、ウィナースペクトルの値が非常に下っている。
肺血管の描写において、 No.11はざらつきのため細い
血管像が切れて識別性が No.1に対して劣っていた。 N
o.4と No.13においても No.1と No.11の関係と同
様のことが言えた。 組体感度40〜60の組体比較 組体 No.3、10、16を比べると、組体感度はほぼ等
しく、その感度を形成する感光材料の感度と、増感スク
リーンの感度のバランスが変わっている。感光材料の感
度が低い組体の方がCTFの劣化はあるもののウィナー
スペクトルが下っている。胸部目視評価点は感光材料の
感度が低い組体の方が高い。以上の結果より下記につい
て結論される。 (A)感光材料としては、特定の範囲の感度を有するこ
とで、より優れた画質と感度のバランスが得られた。 (B)粒子内部の沃化銀含有率が、粒子表面の沃化銀含
有率に対して高い乳剤からなる感光材料により、より優
れた画質と感度のバランスが得られた。
【0053】実施例2 感光材料10、11の調製 実施例1の感光材料1に対して、支持体の染料Iの塗布
量のみ変えた他は全く同様に調製した。染料Iの塗布量
は表4に示した。 組体の感度と画質の評価 感光材料1、10、11と増感スクリーンHR−8を組
合せ、実施例1と同様の評価をした。結果を表4に示し
た。
【0054】
【表4】
【0055】表4より本発明の感光材料の中でも、支持
体に染料Iを含んだ試料の方が、CTFが向上し、かつ
胸部目視評価においても特に鎖骨の骨梁の描写性で優れ
た結果になった。 〔実施例3〕 放射線増感スクリーンの調製 蛍光体シート形成用塗布液として、蛍光体(Gd2 2
S:Tb)200g、結合剤A(ポリウレタン、住友バ
イエルウレタン(株)製、商品名:デスモラックTPK
L−5−2625[固形分40%])20g、および結
合剤B(ニトロセルロース、硝化度11.5%)2g
を、メチルエチルケトン溶媒に加え、プロペラミキサー
で分散させて、粘度が30PS(25℃)の塗布液を調
製した(結合剤/蛍光体比=1/20)。これをシリコ
ーン系離型剤が塗布されているポリエチレンテレフタレ
ート(仮支持体、厚み180μm)上に、膜厚が160
mm(後述の加圧圧縮処理後の膜厚)となるように塗布
し、乾燥した後、仮支持体から剥離して蛍光体シートを
形成した。別に下塗層形成用塗布液として、軟質アクリ
ル樹脂90gとニトロセルロース50gとをメチルエチ
ルケトンに加え、混合分散して、粘度が3〜6PS(2
5℃)の分散液を調製した。
【0056】二酸化チタンを練り込んだ厚さ250μm
のポリエチレンテレフタレート(支持体)をガラス板上
に水平に置き、上記の下塗層形成用塗布液をドクターブ
レードを用いて支持体上に均一塗布した後、25℃から
100℃にまで徐々に温度を上昇させて塗布膜の乾燥を
行ない、支持体上に下塗層を形成した(塗布膜の厚さ:
15μm)。この上に最初に作成しておいた蛍光体シー
トを載せ、カレンダーロールを用い、400 Kgw/cm2
圧力、80℃の温度で加圧圧縮操作を行った。
【0057】別に、フッ素系樹脂(フルオロフレィン・
ビニルエーテル共重合体、旭硝子(株)製、商品名:ル
ミフロンLF100)70g、架橋剤(イソシアネー
ト、住友バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモジ
ュールZ4370)25g、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂5g、及びアルコール変性シリコーンオリゴマー
(ジメチルポリシロキサン骨格を有し、両末端に水酸基
(カルビノール基)を有するもの、信越化学工業(株)
製、商品名:X−22−2809)5gをトルエン・イ
ソプロピルアルコール(1:1、体積比)混合溶媒に添
加し、保護膜形成用塗布液を調製した。上記の保護膜形
成用塗布液を、先に支持体上で加圧圧縮操作を施した蛍
光体シートの表面にドクターブレードを用いて塗布し、
120℃にて30分間加熱処理して、乾燥と熱硬化を行
なわさせ、厚さ3μmの透明保護膜を形成した。以上の
ようにして、支持体、下塗層、蛍光体層、透明保護膜か
ら構成された放射線増感スクリーンAを製造した。
【0058】 放射線増感スクリーンの特性の測定 1)X線吸収量の測定 三相の電力供給で80KVpで運転されるタングステン
・ターゲット管から生じたX線を、厚さ3mmのアルミニ
ウム板を透過させ、ターゲット管のタングステン・アノ
ードから200cmの位置に固定した試料放射線増感スク
リーンに到達させ、次いでその増感スクリーンを透過し
たX線の量を、増感スクリーンの蛍光体層から50cm後
の位置で電離型線量計を用いて測定し、X線の吸収量を
求めた。なお、基準としては、増感スクリーンを透過さ
せないで測定した上記測定位置でのX線量を用いた。そ
れぞれの増感スクリーンのX線吸収量の測定値を表5に
示す。
【0059】2)変調伝達関数(CTF)の測定 イーストマン・コダック社製MRE片面感光材料を、測
定対象の増感スクリーンに接触状態に配置し、CTF測
定用矩形チャート(モリブデン製、厚み:80μm、空
間周波数:0本/mm〜10本/mm)を撮影した。X線管
球から2mの位置にチャートを置き、X線源に対して前
面に感光材料、そしてその後に増感スクリーンを配置し
た。X線源、現像処理条件、CTF測定条件は実施例1
と同じである。撮影試料は、露光時間の調節で濃い部分
の濃度が1.8になるようにした。結果を表5に示す。 3)感度の測定 CTFの測定で用いたものと同じX線源を用い、緑色増
感されているイーストマン・コダック社製MRE片面感
光材料を組合せ、距離法にてX線露光量を変化させ、lo
g E=0.15の幅でステップ露光した。露光後に感光
材料をCTF測定時と同じ条件にて現像処理を行ない、
測定試料を得た。測定試料について可視光にて濃度測定
を行ない、特性曲線を得た。濃度1.8を得るX線露光
量の逆数で感度を表わし、後側配置用増感スクリーンH
R−4を基準(「100」とした)にとり、相対的な感
度を調べた。その結果を表5に示す。表5より増感スク
リーンAは請求項3の条件を満足する増感スクリーンで
あることがわかる。
【0060】
【表5】
【0061】 組体の感度、画質の評価 実施例1及び2で調製した感光材料に富士写真フイルム
KK製市販のスクリーンHR−8と試作スクリーンAを
組合せて、組体の感度、CTF、ウィナースペクトル、
胸部ファントーム目視評価を行った。評価方法は実施例
1と全く同じである。結果を表6に示す。
【0062】
【表6】
【0063】表6より、増感スクリーンAを用いること
により、HR−8を組合せたときに比べ、更に感度及び
CTFが向上し、胸部ファントームの目視評価も高くな
ることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な支持体の両側に、ハロゲン化銀感
    光性乳剤層を少くとも1層有する写真感光材料であり、
    該写真感光材料の少くとも1方の側の感光層は、放射線
    増感スクリーンの主発光ピーク波長と同一の波長を有
    し、かつ半値幅が20±5nmの単色光で露光し、現像液
    〔I〕を用い、現像液温度35℃、現像時間25秒で現
    像処理し、露光面と逆側の感光層を剥離したのち測定し
    て、露光面の感光層にて得られる濃度が、最低濃度に
    0.5を加えた値になるのに必要な露光量が0.010
    ルクス秒から0.035ルクス秒となる感度を有し、か
    つ該写真材料を構成するハロゲン化銀乳剤の少くとも1
    種類は、粒子表面の沃化銀含有率が粒子内部の沃化銀含
    有率より小であるハロゲン化銀粒子が、全ハロゲン化銀
    粒子数の70%以上であることを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。 現像液〔I〕 水酸化カリウム 21g 亜硫酸カリウム 63g ホウ酸 10g ハイドロキノン 25g トリエチレングリコール 20g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 10g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5g 臭化カリウム 4g 水を加えて1リットルにしたのち、pH10.02に調節する。
  2. 【請求項2】 放射線増感スクリーンの発光する光を実
    質的に吸収し、現像処理で脱色され得る染料を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のハロゲン化銀感光材料
    と下記特徴を有する二枚の放射線増感スクリーンでサン
    ドウィチして放射線画像を形成する方法。 放射線増感スクリーン 放射線増感スクリーンの内の少なくとも一方は、X線エ
    ネルギーが80KVpのX線に対して25%以上の吸収
    量を示し、コントラスト伝達関数(CTF)が、空間周
    波数1本/mmで0.79以上、そして空間周波数3本/
    mmで0.36以上である放射線増感スクリーン。
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