JP2000122241A - 放射線写真フィルム - Google Patents

放射線写真フィルム

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JP2000122241A JP11292225A JP29222599A JP2000122241A JP 2000122241 A JP2000122241 A JP 2000122241A JP 11292225 A JP11292225 A JP 11292225A JP 29222599 A JP29222599 A JP 29222599A JP 2000122241 A JP2000122241 A JP 2000122241A
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Robert Edward Dickerson
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟組織画像形成用の感放射線性医学診断フィ
ルムを開示する。 【解決手段】 本フィルムは、マンモグラフィー画像形
成に一般に利用可能なフィルムより迅速な処理を可能に
し、許容可能な高レベルの画像鮮鋭度および低レベルの
モトルを保持する。放射線写真フィルムは、(a)画像
担持X線源を受けるように置かれた単一増感紙による露
光、および(b)90秒またはそれ以下の時間での現
像、定着および乾燥を含めた処理により軟組織の医学的
診断画像を記録するための放射線写真フィルムであっ
て、増感紙により放出された放射線を透過させる、前主
面と後主面とを向かい合わせて有するフィルム支持体
と、増感紙により像様露光され、処理された場合に、カ
ブリより0.25〜2.0高い濃度全体で測定した場合
に2.5〜3.5の範囲の平均コントラストを提供する
ための画像形成部分とを含む。画像形成部分は明細書中
に記載された通りである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増感紙で像様露光
した場合の軟組織の医学的診断画像を作製するための感
放射線性ハロゲン化銀乳剤を含有するフィルムに関す
る。James The Theory of the Photographic Process,
4th Ed., Macmillan, NewYork, 1977は、以後、“James
”として示される。
【0002】ハロゲン化銀粒子あるいは2つまたはそれ
以上のハロゲン化物を含有する乳剤に対する言及は、濃
度の上がる順にハロゲン化物の名を挙げる(James p.4
参照)。「高臭化物」および「高塩化物」という用語
は、総銀量を基礎にして、それぞれ50モル%より多い
臭化物または塩化物を含有するハロゲン化銀粒子および
乳剤を指す。
【0003】「等価円直径」または「ECD」という用
語は、ハロゲン化銀粒子の保護面積に等しい面積を有す
る円の直径を示すために用いられる。「変動係数」また
は「COV」という用語は、ハロゲン化銀粒子に適用さ
れる場合、(粒子ECDの標準偏差(δ)/平均粒子E
CD)x100を示すために用いられる。
【0004】「平板状粒子」という用語は、粒子のその
他のいずれの結晶面より明らかに大きい平行主面を有す
る粒子を示す。「薄平板状粒子」という用語は、0.3
μm未満の厚みを示す平板状粒子を指す。「平板状粒子
乳剤」という用語は、平板状粒子が全粒子投映面積の5
0%超を占める乳剤を指す。平板状粒子の「アスペクト
比」とは、そのECD/その厚み(t)である。
【0005】「低アスペクト比」、「中間アスペクト
比」および「高アスペクト比」という用語は、それぞれ
(a)5未満、(b)5〜8および(c)8より大きい
アスペクト比を示す。「前」および「後」という用語
は、本明細書中では、画像担持放射線源からそれぞれ最
も近いおよび最も遠い面を示す。
【0006】「両面被覆」という用語は、その支持体の
両側に被覆されたハロゲン化銀乳剤層を有するフィルム
を示す。色素の「半ピーク吸収バンド幅」という用語
は、それがそのピーク吸収(λmax)の少なくとも半
分と等しい吸収レベルを示すnmでのスペクトル範囲で
ある。
【0007】「迅速アクセスプロセッサー」という用語
は、90秒またはそれ未満の時間で乾燥−乾燥処理を提
供し得る放射線写真フィルム処理機を示すために用いら
れる。「乾燥−乾燥」という用語は、乾燥した像様露光
要素がプロセッサーに入った時点から、それが出現し、
現像され、定着され、そして乾燥される時点までの間に
生じる処理サイクルを示す。
【0008】「点ガンマ」または「点γ」という用語
は、特性曲線上の任意の特定の点での写真濃度の変化
(△D)/log露光量の変化(△E)の比(濃度対l
og露光量のプロット)である。露光量(E)は、ルク
スセカンドで測定される。平均コントラストは、カブリ
より0.25高い濃度とカブリより2.0高い濃度とで
の特性曲線点の間に描かれる線の勾配である。
【0009】頭文字語「MTF」は、変調伝達因子およ
び変調伝達関数を示す場合に用いられる。増感紙−放射
線写真フィルム系に関する変調伝達因子測定は、Kuniio
Dio等("MTF and Wiener Spectra of Radiographic Sc
reen-Film Systems", U.S.Department of Health and H
uman Services, pamphlet FDA 82-8187 )により記載さ
れている。1mm当たりのサイクルの範囲全体の個々の
変調伝達因子のプロフィールは、変調伝達関数を構成す
る。MTF測定は、放射線写真画像鮮鋭度の当業界で認
められた定量化を提供する。
【0010】「モトル」という用語は、画像ノイズを示
す。当業界で容認された用法によれば、「構造モトル」
という用語は、放射線写真要素(そして、用いられる場
合には、単数または複数の増感紙)の構造による画像ノ
イズを示すために用いられるが、一方、「量子モトル」
という用語は、用いられるX線源による画像ノイズを示
すために用いられる。
【0011】画像トーンを示す場合の「冷」という用語
は、−6.5またはそれ以下である最小濃度より1.0
高い濃度で測定されるCIELABb* 値を有する画像
トーンを意味するために用いられる。測定技法は、Bill
meyer and Saltzman, Principles of Color Technolog
y, 2nd Ed., Wiley, New York, 1981, at Chapter3 に
より記載される。b* 値は、画像の黄色度対青色度を表
示し、+値が大きいほど黄色度傾向が強いことを示す。
Research Disclosure は、Kenneth Publications, Lt
d., Dudley House, 12 North St., Emsworth, Hampshir
e P010 7DQ, England により発行される。
【0012】
【従来の技術】医学的診断用画像のための感放射線性ハ
ロゲン化銀乳剤の使用は、ハロゲン化銀写真要素の不注
意な露光によるレントゲンのX線発見に起源をたどるこ
とができる。1913年、イーストマンコダック社は、
X線に露光させるよう特に意図されたその最初の製品を
紹介した。
【0013】高レベルのX線に対する患者の被爆は制限
することがのぞまいしいということは、医学的放射線写
真の開始から認識されていた。1918年、イーストマ
ンコダック社は、両面被覆された、即ち支持体の前およ
び後面上をハロゲン化銀乳剤で被覆された最初の医学用
放射線写真製品を紹介した。同時に、ハロゲン化銀乳剤
はX線よりも光により反応することが認識された。パタ
ーソンスクリーン社は、1918年に、コダック社の最
初の両面被覆(Duplitized(tm))X線写真要素に適合さ
せた増感紙を紹介した。増感紙は、X線を吸収し、通常
は紫外線付近の、スペクトルの青または緑部分の、より
長い波長の放射線を出す蛍りん光体を含有する。
【0014】高レベルのX線に対する患者の被爆を制限
することの必要性が迅速に理解された一方、低レベルの
X線に対する患者の被爆の問題も次第に持ち上がった。
非常に低レベルのX線を要する軟組織放射線写真の別個
の現像は、マンモグラフィーにより説明され得る。マン
モグラフィーのための最初の増感紙−放射線写真フィル
ムの組合せは、1970年初頭に紹介された。マンモグ
ラフィー用フィルムは、単一ハロゲン化銀乳剤層を含有
し、通常はフィルムとX線源との間に挿入された単一増
感紙により露光される。マンモグラフィーは、低エネル
ギーX線、即ち主として40keV未満のエネルギーレ
ベルを有する放射線を用いる。
【0015】マンモグラフィーでは、軟組織放射線写真
の多数の形態の場合と同様に、同定されるよう究明され
る病理学的特徴がしばしば非常に小さく、周囲の健常な
組織とさほど濃度が異ならない。したがって、0.25
〜2.0の濃度範囲にわたり2.5〜3.5の範囲の、
相対的に高い平均コントラストが典型的である。X線エ
ネルギーレベルの制限は、増感紙によるX線の吸収を増
大し、フィルムのX線露光を最小限にし、これは画像鮮
鋭度およびコントラストの損失の一因となり得る。
【0016】放射線学者が多量の医学的診断画像を作製
し始めたので、より迅速な処理の必要性が生じた。迅速
アクセス処理の出現は、Barnes等(米国特許第3,545,97
1 号)により説明される。迅速アクセス処理をうまく行
うためには、乾燥負荷−即ち、乾燥画像保持要素を生じ
るために蒸発されねばならない親水性コロイド層、例え
ばハロゲン化銀乳剤層に取り入れられる水を制限する必
要がある。考え得る一アプローチは、フィルムを完全に
前硬化し、それにより処理中の膨潤(水分取込み)を低
減することである。ハロゲン化銀医学診断フィルムの銀
画像カバリングパワー(最大濃度/銀被覆範囲)がフィ
ルムの前硬化により顕著に低減されたため、フィルムを
完全に前硬化せず、しかし現像液中に前硬化剤、典型的
にはグルタルアルデヒドを混入することにより、迅速ア
クセス処理中に診断フィルムの硬化を完了することが、
長年、容認された慣習であった。Dickerson (米国特許
第4,414,304 号)(以後、Dickerson Iとして言及)
は、薄(<0.3μm)平板状粒子乳剤を用いて達成可
能であるカバリングパワーの低損失を伴う完全前硬化を
実証している。
【0017】平板状ハロゲン化銀粒子乳剤を含有する放
射線写真要素の完全前硬化の採用のため、迅速アクセス
プロセッサーに配置される乾燥負荷を低減するための努
力は、医学診断要素の親水性コロイド含量の制限に多大
に集中された。しかしながら、乳剤層の親水性コロイド
含量が低くなりすぎると、湿潤感圧性の問題に出くわ
す。湿潤感圧性は、現像中に湿潤乳剤に圧力を適用する
ことにより生成される粒状性の出現である。迅速アクセ
ス処理では、フィルムはガイドロール上を通過するが、
このガイドロールは、特にガイドロールのいずれかが最
適調整に満たない場合には、あらゆる湿潤感圧性を明示
するのに十分な圧力を現像中に湿潤乳剤に適用し得る。
【0018】マンモグラフィー用フィルムは支持体の片
面上にすべてのハロゲン化銀乳剤を位置するため、その
結果生じる層ユニットはより高いハロゲン化銀および親
水性コロイドの塗被量を含有し、それゆえ、乾燥中に除
去されねばならない現像および定着中に取り入れられた
水の量が両面被覆フィルムの層ユニットより多くなる。
両面被覆フィルムでは、ハロゲン化銀と親水性コロイド
を前層ユニットと後層ユニットとに等分割することによ
り、片面当たりのハロゲン化銀と親水性コロイドは約半
分になる。したがって、従来の両面被覆フィルムは、マ
ンモグラフィー用フィルムより迅速アクセス処理をより
加速し得る。
【0019】マンモグラフィー用フィルムを両面被覆フ
ォーマットにうまく適合させ、それによりそれらの迅速
アクセス処理能力を改良するのを阻むいくつかの問題が
ある。両面被覆フィルムは、前後対の増感紙により慣用
的に露光されてきた。前増感紙は、フィルム支持体の前
面上の層ユニットを露光するよう提供され、後増感紙は
支持体の後面上の層ユニットを露光するよう提供され
る。残念ながら、前増感紙により放出される光のいくら
かは後層ユニットも露光し、後増感紙により放出される
光のいくらかは前層ユニットを露光する。これは、鮮鋭
度の低減を引き起こし、クロスオーバーと呼ばれる。
【0020】Abbott等(米国特許第4,425,425 号および
第4,425,426 号)(以後、ひとまとめに、Abbott等とし
て言及される)は、分光増感化平板状粒子乳剤がクロス
オーバーを20%未満に低減し得ることを、即ち、前増
感紙により放出された光の20%未満が後層ユニットに
透過されることを実証している。その後、Dickerson 等
(米国特許第4,803,150 号および第4,900,652 号)(以
後、Dickerson 等IおよびIIとして言及される)は、
分光増感化平板状粒子乳剤を、前および後乳剤層と支持
体との間に挿入される粒状処理溶液脱色性色素を含有す
る前および後コーティングと組合せて用いることにより
クロスオーバーを本質的に排除する配置を実証した。残
念ながら、これは、付加処理溶液脱色性色素を収容する
ための2つの付加的親水性コロイド層を要した。それで
も、Dickerson 等IおよびIIは、迅速アクセス処理促
進の利点を実現するための両面被覆フォーマット中の親
水性コロイドの管理を実証している。
【0021】Luckey等(米国特許第4,710,637 号)は、
両面被覆フィルムを用いてマンノグラフィー用画像形成
に着手して、不首尾に終わった試みを示している。増感
紙の前後対を両面被覆フィルムと組合せて使用可能にす
るために、Luckey等は、前増感紙を薄くしてその低エネ
ルギーX線吸収を制限することが必要であることを見出
した。Luckey等およびAbbott等の教示、同様にDickerso
n 等IおよびIIの教示はすべて用いられたが、しか
し、市販の両面被覆マンノグラフィー用フィルムは放射
線学者に受け入れられなかったために、中断された。放
射線学者は、排除され得なかった好ましくない画像特性
により過度に悪化される病理学診断を見出した。両面被
覆フィルムを露光するための前および後増感紙対の使用
は、単一増感紙単一乳剤層ユニット画像形成系と比較し
て、鮮鋭度(MTF)および前増感紙に対するX線透過
要件を増大し、前増感紙蛍りん光体層に対する得難い均
一性要件をもたらした。言い換えれば、両面被覆フィル
ムは、それらが満足を与え得なかったそれらの露光のた
めに用いられる増感紙対の前増感紙に性能要件を置いた
ために、放射線学者に受け入れられるマンノグラフィー
用画像を生成できなかった。
【0022】典型的には、両面被覆ハロゲン化銀医学診
断フィルムは、90秒またはそれ以内の時間で迅速アク
セスプロセッサーで処理される。例えば、コダックX−
OMAT M6A−N(tm)迅速アクセスプロセッサー
は、以下の処理サイクルを用いる: 現像 35℃で24秒 定着 35℃で20秒 水洗 35℃で20秒 乾燥 65℃で20秒 処理工程間のフィルム移動に要する時間は6秒までであ
る。
【0023】典型的現像液(以後現像液Aと呼ぶ)は、
以下の組成を示す: ハイドロキノン 30g フェニドン(tm) 1.5g KOH 21g NaHCO3 7.5g K2 SO3 44.2g Na2 2 3 12.6g NaBr 35.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.06g グルタルアルデヒド 4.9g 水で全量を1リットルにする(pH10.0) 典型的定着液は以下の組成を示す: チオ硫酸ナトリウム60% 260.0g 重亜硫酸ナトリウム 180.0g ホウ酸 25.0g 酢酸 10.0g 水で全量を1リットルにする(pH3.9〜4.5)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】X線を受容し、フィル
ムに光を放出するために配置された単一増感紙による露
光によって軟組織の医学診断画像を記録するための感放
射線性ハロゲン化銀含有放射線写真フィルム(例えばマ
ンノグラフィー用フィルム)は、最適レベルの画像鮮鋭
度を達成するため、支持体の片面上にすべての潜像形成
ハロゲン化銀粒子をコートすることを必要とした。これ
は次に、両面被覆放射線写真フィルムのいずれかの面に
用いられるよりも多くの親水性コロイド被覆量を要す
る。より多くの親水性コロイド被覆量は、迅速アクセス
処理が加速され得る程度を制限する。したがって、一般
にマンモグラフィー用フィルムおよび同様の軟組織画像
形成医学診断フィルムは片面フォーマットで被覆されて
画像の鮮鋭度および均一性を最大にするが、しかし両面
被覆放射線写真フィルムの処理に際して使用の増大を見
出しているより高速の迅速アクセス処理は達成できな
い。
【0025】両面被覆フォーマットでマンノグラフィー
用フィルムを提供するための前記のLuckey等の試みは、
許容可能なほどの高鮮鋭度および低モトルの画像を提供
できなかったため、結局、放射線学者達に拒絶された。
高レベルの画像鮮鋭度および均一性、ならびに両面被覆
放射線写真フィルムにより得られる迅速アクセス処理の
加速能力を組合せて利用可能な軟組織を画像形成するた
めの医学診断放射線写真フィルム、例えばマンノグラフ
ィー用フィルムは、これまでなかった。
【0026】Dickerson 等(米国特許第5,738,981 号)
は、露光、そして90秒での、現像、定着および乾燥を
含めた処理によるデジタルに記憶された医学診断画像を
再生するための陰極線管、フォトダイオードまたはレー
ザーにより片面から露光される両面被覆フィルムの使用
を開示する。このフィルムはX線露光によりすでに捕捉
され、デジタル形態に変換された画像を再生するために
のみ用いられるよう意図されるため、フィルムの構築
は、画像ノイズを最小限にし、放射線感度を犠牲にして
処理便利性を最大にするよう選択される。したがって、
設計理由は、患者をX線に被爆させる医学診断画像形成
の場合とは全く異なる。平板状粒子乳剤は好ましくな
い。その代わりに、好ましい乳剤は0.4μm未満の平
均粒子ECDを有する。さらに、高塩化物乳剤は、それ
が一般的に、他の点では匹敵する粒子を有する高臭化物
乳剤より低い感度を示す場合でも、処理を促進するため
に好適である。
【0027】
【課題を解決するための手段】一局面において、本発明
は、(a)画像担持X線源を受けるように置かれた単一
増感紙による露光、および(b)90秒またはそれ以下
の時間での現像、定着および乾燥を含めた処理による軟
組織の医学的診断画像を記録するための放射線写真フィ
ルムであって、当該増感紙により放出された放射線を透
過させる、前主面と後主面とを向かい合わせて有するフ
ィルム支持体と、当該増感紙により像様露光され、処理
された場合に、カブリより0.25〜2.0高い濃度全
体で測定した平均コントラストが2.5〜4.0[1]
の範囲になる画像形成部分とを含み、さらに当該画像形
成部分が、(i)露光放射線の最大70%まで[2]を
吸収し、(a)40mg/dm2 未満[3]に制限され
た親水性コロイド、および(b)平均厚が0.3μmよ
り大きく[4]、平均アスペクト比が5未満である感放
射線性ハロゲン化銀粒子であって、ハロゲン化銀粒子の
塗被量が、銀の質量を基礎にして、40mg/dm2
満[3]に制限されたハロゲン化銀粒子を含有する、支
持体の前主面上に被覆された処理溶液透過性前層ユニッ
ト、ならびに(ii)(a)40mg/dm2 未満に制
限された親水性コロイド、(b)フィルム中に存在する
総感放射線性ハロゲン化銀の20〜45%[5]を占め
る感放射線性ハロゲン化銀粒子の形態の銀であって、後
層ユニット中の感放射線性ハロゲン化銀粒子の総投映面
積の少なくとも70%を、厚みが0.3μm未満
[6]、平均アスペクト比が5より大きい平板状粒子が
占めるもの、および(c)記録されるよう意図された露
光放射線の波長領域では少なくとも0.40の光学濃度
を、そして可視スペクトルでは0.1未満の光学濃度を
フィルム処理終了時に提供し得る色素であって、後層ユ
ニット内の感放射線性粒子の少なくとも20%を含有す
る後層ユニットの第一層から排除され、支持体からみて
第一層より遠くに被覆された残りの層の少なくとも1つ
に存在する色素、を含有する、支持体の後主面上に被覆
された処理溶液透過性後層ユニットを含み、前層ユニッ
トの親水性コロイドの硬膜程度が後層ユニットの親水性
コロイドのそれよりも低く[7]、そして前層ユニット
の感度を前層ユニットのカブリよりも1.0高い濃度で
測定し、後層ユニットの感度を後層ユニットのカブリよ
りも1.0高い濃度で測定した場合に、後層ユニットが
前層ユニットより0.3logE〜1.0logE低い
写真感度を有する[8]ことを特徴とするフィルムに関
する。
【0028】本発明の目的は、Dickerson IIに記載さ
れた従来の軟組織画像形成を上回る改良のすべてを提供
し、そして下記のような付加的利点を付与することにあ
る。括弧内の上付数字は、Dickerson IIの請求項1と
の相違を指摘した箇所である。 [1]Dickerson IIは最大コントラストを軟組織画像
形成のための通例の上限である3.5に制限するが、一
方本発明はコントラストの上限を4.0に広げる。
【0029】[2]Dickerson IIは最大吸光率を60
%に限定するが、一方本発明は吸光率の上限を70%に
広げる。 [3]Dickerson IIは前層ユニット中の親水性コロイ
ドおよび銀の塗被量を30mg/dm2 に限定するが、
一方本発明は上限を40mg/dm2 に広げる。
【0030】[4]Dickerson IIは、さらなる定性化
を伴わずに前層ユニット中の「感放射線性ハロゲン化銀
粒子」の存在を詳述しているが、ここでは前層ユニット
中の感放射線性ハロゲン化銀粒子を0.3μmより大き
い平均厚を有するものに制限することが企図される。 [5]Dickerson IIは後層ユニット中の感放射線性粒
子が全体の銀の40〜60%を占めると詳述するが、一
方本発明は、銀塗被量を銀全体の20〜45%(好まし
くは25〜40%)に下げるよう意図する。
【0031】[6]Dickerson IIはさらなる定性化を
伴わずに前層ユニット中の「感放射線性ハロゲン化銀粒
子」の存在を詳述しているが、ここでは前層ユニット中
の感放射線性ハロゲン化銀粒子を0.3μm未満の平均
厚を有するものに制限することが企図される。 [7]本発明は、Dickerson IIの要件に、前層ユニッ
トを形成する親水性コロイドの硬膜程度が後層ユニット
を形成する親水性コロイドのそれよりも低いというさら
なる要件を付加する。
【0032】[8]本発明は、Dickerson IIの要件
に、後層ユニットが前層ユニットより0.3logE〜
1.0logE低い写真感度を示すというさらなる要件
を付加する。 本発明は、医学診断画像形成軟組織のために単一増感紙
とともに用いられる従来の放射線写真要素を上回る当業
界で有意の利点を構成する。これらの要素は、支持体の
片面だけの上の相対的に厚い(>0.3μm)非平板状
粒子を被覆する。乳剤の片面コーティングは、鮮鋭画像
を達成するために必要であると考えられた。非平板状粒
子は、許容可能レベルの画像コントラストを生じるそれ
らの能力および望ましくは冷画像色調を生じるそれらの
能力のために選択される。
【0033】これらの従来の医学診断要素の制限には、
(a)片面コーティングフォーマットおよび非平板状粒
子が原因の迅速アクセス処理能力の制限、並びに(b)
皮膚線を突き止める能力を保持しながら当該物の解剖学
的特徴を突き止め、それにより解剖学的特徴の探索を促
すのに望ましいコントラストを増大する能力を制限する
ことが含まれる。例えば、乳房内で腫瘍を正確に突き止
めるための皮膚線を探すことができない間は、除去を要
する乳癌の画像を見ることはできない。
【0034】本発明の軟組織の医学診断画像を記録する
ための放射線写真フィルムは、望ましくは冷画像色調お
よび単一増感紙を用いる能力を含めたこの種の慣用的要
素の利点を保持する一方で、(a)より迅速な処理を可
能にし得るフィルム構造を提供し、且つ(b)解剖学的
特徴のより高いコントラスト画像を得させて、それによ
りそれらの肉眼的検出を促す一方で、皮膚線を見る能
力、即ち患者の身体の表面に関連して解剖学的特徴を突
き止める能力を保持する。
【0035】この望ましい、そして従来は得難かった能
力の組合せは、Dickerson IIにより教示され、感放射
線性薄平板状粒子を非平板状粒子の一部の代わりに用い
てさらに修正されたような、単一増感紙を用いることに
より鮮鋭画像を得させる普通でない両面被覆フォーマッ
トを構築することにより達成された。平板状粒子が占め
る全銀のパーセンテージを限定し、支持体の裏側の平板
状粒子を突き止め、そして平板状粒子の感度を非平板状
粒子の感度に関連して低減することは、望ましい冷画像
色調を達成することに各々関与していた。保持された非
平板状粒子の感度に関連した平板状粒子の感度低減も、
皮膚線が容易に観察され得る画像を得させた。平板状粒
子の割合を制限することにより、これは平均コントラス
トを弱める必要をなくした。実際、本発明の要素は、従
来の軟組織画像形成要素より高いレベルの平均コントラ
ストさえ有して構築され得るし、好ましくは構築され
る。最後に、感放射線性平板状粒子の存在は、これらの
粒子に関連した親水性コロイド層を、たとえあるにして
もカバリングパワーの低減およびより迅速な放射線写真
要素処理のための能力の有意の増大をほとんど示さない
従来の非平板状粒子に関連したものより高度に硬膜させ
る。
【0036】最も簡単な意図された形態では、(a)画
像担持X線源を受けるように置かれた単一増感紙による
露光、および(b)90秒またはそれ以下の時間での現
像、定着および乾燥を含めた処理により軟組織の医学的
診断画像を記録するための本発明の放射線写真フィルム
は、以下の構造を示す: ──────────── 前層ユニット(FLU) ──────────── 透明フィルム支持体(S) ──────────── 後層ユニット(BLU) ──────────── (I) 透明フィルム支持体Sは、フィルムの像様露光のための
増感紙により放出された放射線に対して透明である。さ
らに、フィルム支持体はスペクトルの可視領域で、少な
くとも処理後に透明で、像様露光および処理後の前およ
び後層ユニットにおける画像の同時観察を可能にする。
【0037】透明フィルム支持体は柔軟性透明フィルム
からなることができるが、しかし通常の構成は以下の通
りである: ─────────────── 表面修飾層ユニット(SMLU) ─────────────── 透明フィルム(S) ─────────────── 表面修飾層ユニット(SMLU) ─────────────── (S−I) 透明フィルムTFは典型的には疎水性であるため、親水
性前および後層ユニットの接着を促すためには表面修飾
層ユニットSMLUを提供することは慣用手段である。
各表面修飾層ユニットは、典型的には、薄い硬化親水性
コロイド層で上塗りされた下塗り層から成る。任意の従
来の両面被覆医学診断フィルム支持体を用い得る。医学
診断フィルム支持体は、通常はこれらの特異的特徴を示
す:(1)フィルム支持体は、写真素子に最も一般的に
用いられるようなセルロースアセテート支持体よりむし
ろ、寸法保全性を最大にするためにポリエステルで構成
され、そして(2)フィルム支持体は、完全処理フィル
ムに求められる冷(青−黒)画像色調に寄与するよう青
色に染められるが、一方、写真フィルムは、たとえそう
だとしても、青色染色支持体を用いることはまれであ
る。医学診断フィルム支持体は、冷画像色調に寄与する
青色染料混入を含めて、Research Disclosure,Vol.184,
Item 18431, August 1979, Item 18431, Section XII.
Film Supportsに記載されている。 Research Disclosur
e, Vol.389,September 1996, Item 38957, Section XV.
Supports は、段落(2)で、親水性コロイドの支持体
との接着を促すための適切な表面修飾層ユニット、特に
下塗り層成分を説明する。第XV節の段落(4)、
(7)および(9)に記載された透明フィルムの型は、
それらの上層寸法安定性により意図されるが、しかし選
択される透明フィルムは、第XV節の段落(8)に説明
されたポリエステルフィルムである。ポリ(エチレンテ
レフタレート)およびポリ(エチレン)は、特に好まし
いポリエステルフィルム支持体である。
【0038】本発明の最も簡単な意図された形態では、
処理溶液透過性前層ユニットFLUは、単一ハロゲン化
銀乳剤層から成る。迅速アクセス処理を促すために、親
水性コロイドの塗被量は40mg/dm2 未満に限定す
るよう意図される。ハロゲン化銀粒子の塗被量は、40
mg/dm2 未満に限定される。さらに、FLU乳剤層
は、それが、像様露光に用いられる放射線の70%以
下、好ましくは60%以下を吸収するよう選択される。
前層ユニットによる露光放射線の吸収限定は、後層ユニ
ットの有効利用を可能にするために不可欠である。
【0039】処理溶液透過性後層ユニット(BLU)
は、観察可能な画像を提供するための責任を、処理溶液
透過性前層ユニットFLUと共有する。20〜45(好
ましくは25〜40)%、そして理想的には全画像濃度
の1/3、そしてそれ故にフィルム中に存在する全感放
射線性ハロゲン化銀の対応するパーセンテージがBLU
により提供される。
【0040】FLUおよびBLUは、感度が有意に異な
るよう構築される。FLUは、好ましくは、慣用手段と
して、許容可能な画像ノイズに適合する最高獲得可能感
度を示すよう構築され、BLUはFLUより0.3〜
1.0(好ましくは0.4〜0.6)logE低い感度
を示すよう故意に構築される。FLUの速度は、カブリ
より1.0高いFLU濃度で測定される。同様に、BL
Uの速度は、カブリより1.0高いBLU濃度で測定さ
れる。他方と別々にFLUおよびBLUの各々の濃度を
測定するためには、一方はFLUから感放射線性ハロゲ
ン化銀を除外し、他方はBLUから感放射線性ハロゲン
化銀粒子を除外することを除いて各々本発明の要件を満
たす二つの試験要素を構築すればよい。もう一つのアプ
ローチは、本発明の要件を満たす放射線写真要素を像様
露光及び処理し、次いでFLUの濃度を測定するのに十
分なBLUの一部を除去し、その後BLUの濃度を測定
するのに十分なFLUの部分を除去する方法である。
【0041】意図されるFLUおよびBLU感度の広範
な分離およびBLUと比較した場合のFLUにおけるよ
り高い銀塗被量を用いた場合、カブリより0.25〜
2.0高い(全要素)濃度範囲全体で測定される平均コ
ントラストは、FLUによりほぼ完全に確定される。フ
ィルムは、カブリより0.25〜2.0高い濃度範囲全
体で測定される2.5〜4.0の範囲の平均コントラス
トを示す。3.5〜4.0の従来のコントラスト範囲よ
り高い値が、マンモグラフィー画像形成には特に好まし
い。
【0042】これは、皮膚線および腫瘍解剖学的特徴を
ともに見ることができる能力を保持しながら、当業界で
従来得られていたものより高い平均コントラストであ
る。皮膚線を見る能力の保持は、FLUと比較した場合
に、より低い感度を示すようBLUを構築することによ
り成し遂げられる。観察される場合の放射線写真画像は
ネガ画像であるため、X線に対する最小患者濃度の領域
(例えば、X線が乳房の縁を透過する領域)は、フィル
ムでは高濃度領域として観察される。これらの領域で
は、FLUはその最大濃度またはそれに近い濃度であ
る。したがって、観察される皮膚線に関しては、BLU
は皮膚線またはそのすぐ下の領域よりも、X線が患者を
完全にはずれた領域(例えば皮膚線の真下)における有
意に高い濃度に関与し得るようでなければならない。
【0043】定量的に言及すると、FLUと比較してよ
り低いBLUの感度は、中間スケール濃度(カブリより
2.0高い濃度)からさらに0.6logE高い露光量
までの露光範囲全体で測定される点γを1.0より高
く、好ましくは1.5より高く保持させ得る。これらの
点γは、放射線写真画像の検査時に肉眼的に突き止めら
れる皮膚線に関して、十分な濃度変化が患者の皮膚線の
領域と患者の皮膚線の真下の領域との間で観察されるこ
とを保証する。前記の最小点γを超えるための0.6l
ogE範囲は、X線露光を吸収するその能力がより小さ
い患者よりも非常に高いより大きい患者を収容する必要
性により指令される。
【0044】FLUより低感度を示すBLUを構築する
ことにより、画像濃度に対するその関与は、より高い濃
度レベルに向かって漸進的に増大する。BLUは、平均
濃度より低い濃度レベル(即ち、2.0より低い濃度レ
ベル)にほとんどまたは全く関与しないよう構築され得
る。逆に、FLUは主に、平均濃度レベルより低い画像
濃度を供給する。冷画像色調は、より高い濃度レベルと
対照したモノとして平均濃度レベルより低いレベルで最
も容易に識別されるため、これは、冷画像色調を提供す
るためにFLU中の感放射線性ハロゲン化銀粒子を選択
されるようにし、一方BLUはより暖かい画像色調を示
すという欠点を有することが知られているが、しかし他
の点では、より速い迅速アクセス処理能力に転換させる
十分な前硬化によりカバリングパワー損失に耐性である
ことで非常に望ましい感放射線性薄平板状ハロゲン化銀
粒子を用い得る。したがって、本発明の放射線写真素子
は、非常に望ましい高平均コントラストおよび冷画像色
調を示し、その一方で、同時に薄平板状粒子の含入によ
ってより迅速なアクセス処理能力を身につける。
【0045】FLU中の感放射線性ハロゲン化銀粒子
は、0.3μmより大きい平均厚を示す。粒子は、例え
ば片面塗布型マンモグラフィーフィルムに慣用的に用い
られるような非平板状粒子であり得る。あるいは、粒子
は、5未満(好ましくは3未満)の平均アスペクト比を
有する平板状粒子であり得る。平板状粒子が存在する場
合、それらはしばしば非平板状粒子と組合せて存在す
る。FLU中の粒子の平均ECDは、好ましくは5μm
未満、さらに好ましくは2μm未満である。感放射線性
ハロゲン化銀の投映面積の50%超が非平板状粒子で占
められる場合、粒子平均ECDを1.5μm未満に、最
適には1.0μm未満に限定するのが特に好ましい。
【0046】感放射線性中間物質または高平均アスペク
ト比平板状粒子乳剤は、BLUに用いられる。即ち、感
放射線性粒子の総投映面積の50%超が、0.3μm未
満の平均厚および5より大きい平均アスペクト比を有す
る平板状粒子によって占められる。好ましくは、平板状
粒子は、0.2μm未満の平均厚を有する。一般に、許
容可能な画像色調を生じる最も薄い獲得可能平板状粒子
厚が求められる。平板状粒子がBLU中の全粒子投映面
積の少なくとも70(最適には少なくとも90)%を占
めるのが好ましい。平板状粒子が実質的にすべての(>
97%)総粒子投映面積を占める平板状粒子が知られて
おり、本発明の実施に用いるために特に意図される。
【0047】高臭化物または高塩化物乳剤のいずれかま
たはその両方が、FLUおよびBLU中に存在し得る。
非平板状形態の高臭化物粒子は一般に、非平板状高塩化
物粒子を上回る感放射線性利点を示すことが認識されて
いる。高塩化物粒子は、高臭化物粒子より迅速に処理し
得ることが認識されている。迅速アクセス処理を促すた
めには、感放射線性粒子中のヨウ化物を、銀を基礎にし
て、3モル%未満(最適には1モル%未満)に限定する
のが好ましい。臭化銀、塩化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化
銀、臭塩化銀、クロロ臭化銀、ヨウ臭塩化銀およびヨウ
クロロ臭化銀粒子組成物はすべて、特別に意図される。
【0048】粒子沈殿の途中で、粒子特性を修飾するた
めに、1つ又はそれ以上の微量添加物(銀およびハロゲ
ン化物以外の粒子吸蔵物)が導入され得る。例えば、Re
search Disclosure,Item 38957, Section I. Emulsion
grains and their preparation, sub-section D. Grain
modifying conditions and adjustments, paragraphs
(3 ), (4 )and (5 )に開示された種々の慣用的微
量添加物のいずれかは、本発明の乳剤中に存在し得る。
さらに、Olm 等(米国特許第5,360,712 号)に教示され
ているように、1つ又はそれ以上の有機配位子を含有す
る遷移金属ヘキサ配位錯体を粒子にドープするよう特に
意図される。浅電子捕獲部位を提供することにより画像
形成速度を増大するための微量添加物(即ちSET微量
添加物)は、 Research Disclosure, Vol.367, Nov.199
4, Item 36736 の特別な対象物質である。
【0049】微量添加物としてのイリジウムの混入によ
り、高照度相反不軌(HIRF)を低減することが特に
意図される。相反改良が有効であるためには、Irは粒
子構造内に組み入れられねばならない。全体的混入を確
実にするためには、Ir微量添加物導入は全銀の99%
が沈殿してしまう時間までに完了するのが好ましい。相
反改良のためには、Ir微量添加物は、粒子構造内のあ
らゆる位置に存在し得る。相反改良を生じるためのIr
微量添加物のための粒子構造内の好ましい位置は、粒子
を構成する全銀の最初の60%が沈殿した後、そして最
後の1%(最も好ましくは最後の3%)が沈殿する前に
生成される粒子の領域である。微量添加物は一度に導入
されるか、または粒子沈殿が継続中の時間中ずっと、反
応容器中に投入される。一般に、相反改良性非SET
Ir微量添加物は、それらの最低有効濃度で混入される
よう意図される。この理由は、これらの微量添加物が深
電子捕獲を形成し、相対的に高濃度で用いた場合に、粒
子感光度を低減し得るためである。これらの非SET
Ir微量添加物は、好ましくは、銀1モル当たり少なく
とも1x10-9モルから1x10-6モルまでの濃度で混
入される。しかしながら、Ir微量添加物がSET微量
添加物として付加的に作用し得るヘキサ配位錯体の形態
である場合、5x10-4モル/銀までの濃度が意図され
る。相反不軌低減のために意図される有用なIr微量添
加物の特別な説明は、B.H.Carroll,"Iridium Sensitiza
tion:A Literature Review", Photographic Science an
d Engineering, Vol.24, No.6 Nov./Dec. 1980, pp.265
-267; Iwaosa et al. 米国特許第3,901,711 号; Grzesk
owiak et al.米国特許第4,828,962 号;Kim 米国特許第
4,997,751 号;Maekawa et al.米国特許第5,134,060
号;Kawai et al.米国特許第5,164,292 号;およびAsam
i 米国特許第5,166,044 号および第5,204,234 号により
提示される。
【0050】乳剤のコントラストは、ニトロシル(N
O)またはチオニトロシル(NS)配位子を含有するヘ
キサ配位錯体を粒子にドープすることにより増大し得
る。この種の好ましい配位錯体は、McDugle 等(米国特
許第4,933,272 号)により開示されている。コントラス
ト増大微量添加物(以後、NOまたはNS微量添加物と
呼ぶ)は、任意の便利な位置で粒子構造中に混入し得
る。しかしながら、NOまたはNS微量添加物が粒子の
表面に存在する場合、それは粒子の感度を低減し得る。
したがって、NOまたはNS微量添加物は、それらがヨ
ウ塩化銀粒子の形成時に沈殿した全銀の少なくとも1%
(最も好ましくは少なくとも3%)だけ粒子表面から分
離されるように、粒子中に位置するのが好ましい。NO
またはNS微量添加物の好ましいコントラスト増強濃度
は、1x10-11 〜4x10-8モル/銀1モルの範囲で
あり、特に好ましい濃度は10-10 〜10-8モル/銀1
モルの範囲である。
【0051】Ir微量添加物とNOまたはNS微量添加
物の組合せが特に意図される。Ir微量添加物がそれ自
体、SET微量添加物でない場合、非SET Ir微量
添加物をSET微量添加物と組合せて用いるよう特に意
図される。SET、非SETIrおよびNOまたはNS
微量添加物の組合せが用いられる場合は、先ず沈殿中に
NOまたはNS微量添加物を、その後SET微量添加物
を、その後に非SET Ir微量添加物を導入するのが
好ましい。
【0052】もちろん、画像コントラストも粒子分散度
の影響を受けると認識される。コントラストは、粒子ド
ーピングと組合せて、または代替物として粒子COVを
制御することにより調節し得る。高コントラストレベル
(例えば3.5〜4.0)のためには、FLU中のハロ
ゲン化銀粒子に対してCOVを20%未満(最適には1
5%未満)に保持するのが好ましい。低COVレベルほ
ど非平板状粒子乳剤を用いてより容易に達成されるが、
低COV平板状(薄平板状を含む)ハロゲン化銀粒子の
調製は、十分に当業界の能力の範囲内である。したがっ
て、FLUおよびBLUのいずれかまたは両方における
低COVハロゲン化銀の使用は当業界の能力の範囲内で
ある。しかしながら、BLU中の平板状粒子の高COV
範囲は容易に実現され、そして前記の最小点γレベルが
得られる露光範囲を増大するため、BLU中に20%よ
り多く、典型的には25〜50%の平板状粒子COVを
用いるのが最も便利であり且つ好ましい。
【0053】特に好ましい形態では、ハロゲン化銀粒子
は高臭化物{111}平板状粒子、即ち{111}主面
を有する平板状粒子であり得る。下記は、従来の高臭化
物{111}平板状粒子を例証するものである: Daubendiek等 米国特許第4,414,310 号; Abbott等 米国特許第4,425,426 号; Wilgus等 米国特許第4,434,226 号; Maskasky等 米国特許第4,435,501 号; Kofron等 米国特許第4,439,520 号; Solberg 等 米国特許第4,433,048 号; Evans 等 米国特許第4,504,570 号; Yamada等 米国特許第4,647,528 号; Daubendiek等 米国特許第4,672,027 号; Daubendiek等 米国特許第4,693,964 号; Sugimoto等 米国特許第4,665,012 号; Daubendiek等 米国特許第4,672,027 号; Yamada等 米国特許第4,679,745 号; Daubendiek等 米国特許第4,693,964 号; Maskasky 米国特許第4,713,320 号; Nottorf 米国特許第4,722,886 号; Sugimoto 米国特許第4,755,456 号; Goda 米国特許第4,775,617 号; Saitou等 米国特許第4,797,354 号; Ellis 米国特許第4,801,522 号; Ikeda 等 米国特許第4,806,461 号; Ohashi等 米国特許第4,835,095 号; Makino等 米国特許第4,835,322 号; Daubendiek等 米国特許第4,914,014 号; Aida等 米国特許第4,962,015 号; Ikeda 等 米国特許第4,985,350 号; Piggin等 米国特許第5,061,609 号; Piggin等 米国特許第5,061,616 号; Tsaur 等 米国特許第5,147,771 号; Tsaur 等 米国特許第5,147,772 号; Tsaur 等 米国特許第5,147,773 号; Tsaur 等 米国特許第5,171,659 号; Tsaur 等 米国特許第5,210,013 号; Antoniades等 米国特許第5,250,403 号; Kim 等 米国特許第5,272,048 号; Delton 米国特許第5,310,644 号; Chang 等 米国特許第5,314,793 号; Sutton等 米国特許第5,334,469 号;Black 等
米国特許第5,334,495 号; Chaffee 等 米国特許第5,358,840 号; Delton 米国特許第5,372,927 号; Mignot等 米国特許第5,484,697 号; Levy等 米国特許第5,612,177 号; Antoniades等 米国特許第5,750,326 号;および Brust 等 米国特許第5,763,151 号。
【0054】これらの特許は、ほとんどの部分に関し
て、中間物質の薄平板状粒子および高平均アスペクト比
を開示する。より厚い平板状粒子は、 Wilgus 等 米国
特許第4,434,226 号およびKofron等 米国特許第4,439,
520 号に教示されているように、沈殿中に臭化物イオン
化学量論的過剰量を調整することにより生成され得る。
高塩化物粒子を平板状形態で用いる場合は、高塩化物
{100}平板状粒子を用いるのが好ましい。下記は、
従来の高臭化物{111}平板状粒子を例証するもので
ある: Maskasky 米国特許第5,292,632 号; House 等 米国特許第5,320,938 号; Saitou等 米国特許第5,652,089 号; Maskasky 米国特許第5,264,337 号; Brenneck 米国特許第5,498,518 号 Brust 等 米国特許第5,314,798 号 Olm 等 米国特許第5,457,021 号; Oyamada 米国特許第5,593,821 号; Oikawa 米国特許第5,654,133 号; Saitou等 米国特許第5,587,281 号; Yamashita 米国特許第5,565,315 号; Yamashita 等 米国特許第5,652,088 号; Chang 等 米国特許第5,633,041 号; Chang 等 米国特許第5,744,297 号; Shirai 米国特許第5,756,276 号; Mydlarz 等 米国特許第5,783,373 号; Mydlarz 等 米国特許第5,783,378 号;および Suzuki 米国特許第5,800,975 号。
【0055】異なる乳剤を別個の層中に配合するかまた
は被覆して、特定の目的特徴を満たすために乳剤を微調
整し得る。例えば、多重コーティングまたは配合は、特
定の感度またはコントラストに達するために実行すると
便利である。別個の累置された層における乳剤の配合お
よび乳剤のコーティングはともに、Research Disclosur
e,Item 38957, I. Emulsion grains and their prepara
tion, E.Blends, layers and performance categories,
paragraphs (1 ), (2 ), (6 )and (7)に説明
されているように周知である。
【0056】沈殿後および化学的増感前に、乳剤を便利
な従来の技法により洗浄し得る。従来の洗浄技法は、前
記のResearch Disclosure,Item 38957の第III節 乳
剤洗浄に開示されている。乳剤は、便利な従来の技法に
より、化学的に増感され得る。このような技法は、 Res
earch Disclosure,Item 38957, IV.Chemical sensitiza
tionにより説明される。硫黄および金増感は特に意図さ
れる。
【0057】乳剤は分光的に増感されて、それらの露光
に用いられる増感紙のピーク発光とオーバーラップする
吸収ハーフピーク帯幅を提供する。従来の分光増感染料
の特定の説明は、Research Disclosure,Item 18431,Sec
tion X. Spectral SensitizationおよびItem 38957, Se
ction V. Spectral sensitization and desensitizatio
n, A. Sensitizing dyesにより提示される。
【0058】ネガ型乳剤コーティングの最小濃度(即ち
カブリ)を増大する不安定性は、コーティング前に乳剤
および連続層中に安定剤、カブリ防止剤、キンク防止
剤、潜像安定剤、および同様の付加物を混入することに
より防護され得る。このような付加物は、 Research Di
sclosure,Item 38957,Section VII. Antifoggants ands
tabilizers, およびItem 18431, Section II. Emulsio
n Stabilizers, Antifoggants and Antikinking Agents
に例証されている。
【0059】FLUは単一相に限定される必要がない。
前記のように、配合というよりむしろ、連続層中の別個
のハロゲン化銀粒子集団のコーティングは、当業界で周
知である。さらに、表面オーバーコート(SOC)層、
そして多くの場合、SOC層と中間層(IL)の組合せ
を提供することが一般通例である。これらの層は、親水
性コロイドの40mg/dm2 の前層ユニットの全塗被
量が超過されない限り、前層ユニット中に収容され得
る。層の意図される配列を以下に示す: ────────────── 表面オーバーコート(SOC) ────────────── 中間層(IL) ────────────── 乳剤層(EL) ────────────── (FLU−1) この場合、乳剤層ELが支持体の最も近くに被覆され
る。
【0060】表面オーバーコートSOCは、典型的に
は、乳剤層の物理的保護のために提供される。表面オー
バーコートは、従来の親水性コロイドをビヒクルとして
含有し、オーバーコートの物理的特性を修飾するために
種々の付加物を含有し得る。このような付加物は、 Res
earch Disclosure,Item 38957, IX. Coating physicalp
roperty modifying addenda, A. Coating aids, B. Pla
sticizers and lubricants, C. Antistats, and D. Mat
ting agentsに説明されている。中間層ILは、存在す
る場合には、乳剤と表面オーバーコート付加物との間の
分離を提供する薄い親水性コロイド層である。それは、
中間層中に表面オーバーコート付加物、特に無光沢粒子
を配置するための非常に一般的な代替物である。Childe
rs等 米国特許第5,041,364 号により教示されるよう
な、そして下記の実施例に例示されているような光沢を
低減するための無光沢粒子としてのハロゲン化銀粒子の
使用は、特に意図される。
【0061】ハロゲン化銀乳剤および処理溶液透過性前
層ユニットを形成するその他の層は、従来の親水性コロ
イドビヒクル(解膠剤および結合剤)、典型的にはゼラ
チンまたはゼラチン誘導体を含有する。従来のビヒクル
および関連層特徴は、 Research Disclosure,Item 3895
7,II. Vehicles, vehicle extenders, vehicle-likeadd
enda and vehicle related addenda に開示されてい
る。乳剤はそれ自体、前記のII、段落Aに記載された
種類の解膠剤、および親水性コロイド解膠剤を含有し得
る。ゼラチンおよびゼラチン誘導体は、一般に、平板状
粒子乳剤を示すために前記に引用した患者で例証される
ように、解膠剤として用いられる。ゼラチンおよびゼラ
チン誘導体は一般に、結合剤としても用いられ、それゆ
え解膠機能のみを実行するために必要であるより高濃度
で一般に存在する。ビヒクルは、それ自体解膠剤として
有用でない物質にも及ぶ。このような物質は、前記のI
I.のC.その他のビヒクル構成成分C. Other vehicle
components に記載されている。
【0062】陽イオン性デンプン、特に酸化形態の陽イ
オン性デンプンは、平板状粒子乳剤のための優れた解膠
剤であることが近年観察されており、特に本発明の実施
に用いるために意図される。酸化陽イオン性デンプンを
含めた陽イオン性デンプンを解膠剤として使用する乳剤
は、Maskasky(米国特許第5,607,828 号, 第5,620,840
号、第5,693,459 号および第5,733,718 号)により例証
されている。 Maskasky (米国特許第5,726,008 号)は
さらに、陽イオン性デンプンを結合剤の一部に置換する
ことをさらに教示する。
【0063】本発明の要素は、BLUのみが完全に前硬
化されるという点で、従来の放射線写真素子と異なる。
カバリングパワーを増大し、それゆえFLU中に必要な
銀および親水性コロイドのレベルをともに低減させるた
めに、FLUを部分硬化させ、その硬化を、迅速アクセ
スプロセッサー中に含入された現像液中に混入される前
硬膜剤、例えばグルタルアルデヒドで補うことが意図さ
れる(前記のII. B.硬膜剤における従来の前硬膜剤)。
【0064】Dickerson Iは、薄平板状粒子乳剤が、相
対的に不変で、増大硬化レベルを有するカバリングパワ
ーを示すことを認識した。 DickersonIに教示されるよ
うに、BLU中の薄平板状粒子を前硬化させることが特
に意図される。即ち、 DickersonIの膨潤試験の適用
は、BLUの厚みを200%未満、好ましくは100%
未満だけ増大する。本発明は、非平板状乳剤層が慣用的
に用いられるのと同様の方法でFLU中のより厚いハロ
ゲン化銀粒子の硬化の制限を意図する。即ち、処理中の
硬化の補足が意図される。これは、FLU中のハロゲン
化銀粒子により相対的に高レベルのカバリングパワーを
実現させる。例えば、 DickersonI膨潤試験がBLUの
厚みの100%増大を生じる場合、FLUは、好ましく
は、少なくとも200%の厚みの膨潤試験増大を示す。
膨潤試験はコーティングの試験に適用するのが容易であ
るが、しかし完全構築放射線写真要素では、質量増分を
比較して硬化レベルを比較することが容易である。質量
増分の差はFLUとBLUとの間に存在し、膨潤の差異
と同じ大きさである。質量増分に関しては、FLUの処
理中の質量増分パーセンテージ(即ち水分取込み)がB
LUより少なくとも50%多いように、FLUとBLU
の硬化レベルを調整するのが好ましい。
【0065】BLUは、特に記載する場合を除いて、F
LUと同一であり得る。BLUは、それが受容する露光
放射線のあらゆる部分を透過するという要件が存在しな
いという点で、その必要な機能に置いてFLUと異な
る。BLUがFLUより多くのパーセンテージの露光放
射線を吸収するということは、実際、必要であり、そう
でなければ許容不可能的に崩壊した鮮鋭度を有する画像
を生じる。BLUは、少なくとも0.50の露光放射線
に対する光学濃度を示す(70%吸収に対応する)。好
ましくは、BLUの光学濃度は、少なくとも1.0であ
る。BLUに受容されるがそれには吸収されない露光放
射線は有用な目的の役に立たず、鮮鋭度はBLUにより
吸収される露光放射線のパーセンテージが増大すると増
大するため、理論的最大光学濃度は認められない。実際
問題として、3.0より大きい光学濃度の増大により実
現される鮮鋭度の有意のさらなる改良は認められず、大
多数の適用に関しては、BLUの光学濃度は理想的には
1.0〜2.0の範囲である。
【0066】本発明のフィルムの露光が普通は露光され
得る波長範囲で、露光放射線の吸収は、完全でない場合
でも、ほとんど、潜像形成ハロゲン化銀粒子の表面に吸
収される分光増感色素によるとみなされる。ハロゲン化
銀乳剤の減感をもたらすために、光学濃度を増大するた
めの分光増感のためのその最適レベルより上の銀に関連
したこの色素の割合の増大は、阻止される。
【0067】次に、その光学濃度を前記のレベルに増大
するためにBLU中に必要なものは、ハロゲン化銀乳剤
の減感をほとんどまたは全く示さない像様露光に用いら
れる波長の放射線を吸収し得る色素である。さらに、色
素は、フィルム処理の終了時に、可視スペクトルで0.
1未満の光学濃度を示さねばならない。幸いなことに、
これらの判定基準を満たす種々の色素が当業界で知られ
ている。像様露光が可視スペクトル内で起こる場合は、
従来の緑色または赤色発光増感紙を用いる場合に起こる
のと同様、色素の光学濃度は、処理完了前に低減されね
ばならない。これらの特徴を有する色素は、前記のRese
arch Disclosure, Item38957, VIII. Absorbing and sc
attering materials, Section B. Absorbing materials
に開示されている。典型的には、可視スペクトルで吸
収する色素は、処理溶液脱色性である。通常は、1つ又
はそれ以上の処理溶液は色素の発色団を変えて、処理フ
ィルムにおいて望ましくない光学濃度を排除する。乳剤
減感を排除するか、または少なくとも最小限にするため
に、色素は、好ましくは、B節の段落(4)に特に開示
されているように、粒状分散体として被覆される。好ま
しい構築では、BLUは以下の形態を取り得る: ────────────── 乳剤層(EL) ────────────── 中間層(IL) ────────────── 表面オーバーコート(SOC) ────────────── (BLU−1) 乳剤層ELは支持体に最も近くに位置する。中間層IL
は、好ましくは吸収のために用いられる色素を含有し、
一方表面オーバーコートSOCはFLU−1の表面オー
バーコートと同一である。あるいは、鮮鋭度増強のため
に用いられる染料はSOC中に位置し、そしてILは省
かれ得る。
【0068】鮮鋭度を増大するために用いられる色素が
乳剤層EL中に置かれる場合、それは露光放射線のため
のハロゲン化銀粒子と競合し、放射線写真要素の画像形
成効率を許容できないほど低下させる。特に意図される
折衷案は、BLU中に含入される乳剤を2つの相に分配
することであり、光学濃度増大色素は支持体からもっと
も遠い色素に限局される。許容不可能な性能をもたら
し、本発明の実施から特に排除される鮮鋭度増大色素の
一位置選定は、透明フィルム支持体と支持体に最も近い
BLUの乳剤層との間に挿入された層中に色素を配置す
ることであり、したがって露光放射線を最初に受容する
よう位置される。乳剤層の分配は、所望により、ILお
よびSOCのいずれかまたは両方を排除させる。これ
は、BLU中に最小量の親水性コロイド(粒子分散およ
び湿潤感圧性の回避に必要)を存在させる。
【0069】FLUと違って、全形態のBLUが少なく
とも2つの親水性コロイド層を必要とする。したがっ
て、BLUがFLUより低いパーセンテージの総銀量を
含有する場合でも、FLUの場合と等しいBLUにおけ
る最大親水性コロイド塗被量が意図される。前記の本発
明の要素の特異的特徴の他に、本発明の要素は、本発明
の実施に不可欠ではない適合可能な従来の特徴のいずれ
かまたはその組合せを含有するよう修飾され得る、とい
うことがもちろん認識される。このような特徴は、前記
のResearch Disclosure,Item 18431および38957 に開示
されたものから選択され得る。
【0070】片面塗被型要素のマンモグラフィー画像形
成のために一般に用いられる種類の単一増感紙を用いて
本発明の両面被覆放射線写真フィルムを像様露光するこ
とが意図される。前記のLuckey等(米国特許第4,710,63
7 号)により開示された後増感紙の特性を有する増感紙
が特に意図される。適切な増感紙は相対的高MTFを有
するが、しかしMTFは、2つの増感紙の使用による鮮
鋭度の全体的損失を補償するためにその前増感紙に対し
て非常に高いMTFを設定するLuckey等に必要とされた
前増感紙とほとんど同じ高さである必要はない。全く意
外なことに、両面被覆放射線写真要素は、単一乳剤層ユ
ニットを有する放射線写真要素の軟組織画像形成に一般
に用いられる種類の単一増感紙を用いて露光された場合
に、満足のいく鮮鋭度およびモトルの画像を生じ得る、
ということが発見された。BLUの構築は、単一増感紙
を用いて両面被覆放射線写真要素を最初に露光するが、
一方鮮鋭且つ低モトル画像は依然として得られるという
ことを可能にする。
【0071】露光のために用いられるX線は、好ましく
は、主として40keV未満のエネルギーレベルを有す
る。増感紙が設置されてフィルムを通過したX線を受容
し得るがしかし、増感紙は、好ましくは両面被覆フィル
ムとX線源との間に配置される。この配置に低エネルギ
ーのX線が加わると、増感紙は高いパーセンテージのX
線を吸収し得る。所望により、コリメーティンググリッ
ドを、増感紙および両面被覆フィルムとともに用い得
る。コリメーティンググリッドの例は、Freeman(米国
特許第2,133,385 号)、Stevens (米国特許第3,919,55
9 号),Albert (米国特許第4,288,697 号)、Moore 等
(米国特許第4,951,305 号)およびSteklenski等(米国
特許第5,259,016 号)により例証されている。
【0072】軟組織画像形成のための両面被覆放射線写
真要素の重要な利点は、それらが単一乳剤層ユニットを
含有する放射線写真要素より非常に良好に迅速アクセス
処理に適していることである。本発明の両面被覆フィル
ムは、支持体と各乳剤層ユニットとの間に挿入されるク
ロスオーバー低減層を組み入れないために、大半の従来
の低クロスオーバー両面被覆フィルムより、実際、迅速
アクセス処理に良好に適している。これは、従来の両面
被覆「ゼロクロスオーバー」フィルムを用いて考え得る
より、支持体の各面に被覆される親水性コロイドの量を
はるかに低減させる。
【0073】像様露光後の迅速アクセス処理は、従来の
両面被覆医学診断画像形成要素の場合と同様の方法でな
され得る。このような要素の迅速アクセス処理は、例え
ば、Dickerson 等(米国特許第4,803,150 号、第4,900,
652 号、第4,994,355 号、第4,997,750 号、第5,108,88
1 号、第5,252,442 号および第5,399,470 号)に開示さ
れている。迅速アクセス処理のより一般的教示は、Barn
es等(米国特許第3,545,971 号)により提示される。特
に、迅速アクセス処理サイクル、ならびにコダックX−
OMAT480RA(tm)に関連した前記の典型的現像液
および定着液は、本発明の実施に用いるために特に意図
される。
【0074】
【実施例】以下の特定の実施態様を参照することによ
り、本発明をよりよく理解し得る。括弧内のコーティン
グ適用範囲は、別記しない限り、mg/dm2 の単位で
ある。ハロゲン化銀塗被量は、銀の質量に換算して報告
されている。以下の放射線写真要素の性能比較を実施し
て、本発明の利点を立証した。図示したように、前層ユ
ニットは支持体の上に置かれ、後層ユニットは支持体の
下に置かれる。
【0075】フィルムA (従来の片面塗被型マンモグラフィー用フィルム) SOC[FA] ─────────── 中間層[FA] ─────────── 乳剤層[FA] ─────────── 支持体 ─────────── 濃度提供層(DPLA) ─────────── SOC(BA) ─────────── 下記は、フィルムAの構成成分の詳細な説明である: SOC[FA] ゼラチン (4.4) メチルメタクリレート無光沢ビーズ (0.35) カルボキシメチルカゼイン (0.73) コロイドシリカ(Ludox AM(商標)) (1.1) ポリアクリルアミド (0.85) クロムミョウバン (0.032) レゾルシノール (0.073) 非イオン性シリコーンポリエチレンオキシドブロックコポリマー (Dow Corning Silicone(商標)) (0.153) ナトリウムp−オクチルフェノキシジエトキシエチルスルホネート (TritonX−200(商標)) (0.26) フルオロアルキル界面活性剤(LodyneS−100(商標)) (0.0097) Rf (CH2 2 SCH(CO2 H)CH2 CONH(CH2 3 N(CH3 2 とRf (CH2 2 SCH(CH2 CO2 H)CONH(CH2 3 N(C H3 2 の混合物(式中、Rf はC6 13、C8 17およびC1021の混合物で ある)。
【0076】 中間層[FA] ゼラチン (4.4) 乳剤層[FA] 立方AgBr粒子(平均ECD=0.7μm) (51.1) 硫黄および金増感し、スペクトルの緑色領域に対して分光増感したもの ゼラチン (34.9) 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3A7−テトラアザインデン (TAI)(1.0g/Ag1モル) マレイン酸ヒドラジド (0.0075) カテコールジスルフィド (0.42) グリセリン (0.22) 臭化カリウム (0.14) レゾルシノール (2.12) アセトアミドフェニルメルカプトテトラゾール(APMT) (0.026) 硬膜剤 ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル(BVSM
E)を、前層中の全ゼラチン量を基礎にして、0.47
重量%の濃度で前層内に均一に分布させた。
【0077】支持体 支持体は、その反対主面に被覆された従来の下塗り層ユ
ニットを有する7ミル(170μm)青色染色ポリエス
テル放射線写真フィルム支持体であった。各下塗り層ユ
ニットは、ゼラチン(1,1)の層でオーバーコートさ
れたポリ(アクリロニトリル−コ−ビニリデンクロリ
ド)の層を含有した。
【0078】 濃度提供層[DPLA] ゼラチン (43) 下記の処方溶液脱色性色素の混合物: ビス[3−メチル−1−p−スルホフェニル]−2−ピラゾリン−5−オン −(4)]メチネオキソノール (0.31) ビス[1−ブチル−3−カルボキシメチル−5−バルビツル酸]トリメチネ オキソノール (0.11) 4−[4−(3−エチル−2(3H)−ベンズオキサゾリリデン−2−ブテ ニリデン]−3−メチル−1−p−スルホフェニル−2−ピラゾリン−5− オン一スルホン酸塩 (0.13) ビス[3−メチル−1−(p−スルホフェニル)−2−ピラゾリン−5−オ ン−(4)]ペンタメチネオキソノール (0.12) SOC[BA] この層は、SOC[FA]と同一であった。
【0079】硬膜剤 BVSMEを、後層中の全ゼラチン量を基礎にして、
0.47質量%の濃度で後層内に均一に分布させた。 フィルムB (従来の片面塗被型マンモグラフィー用フィルム) フィルムBは、以下の点でフィルムAと異なった: (1)感放射線性ハロゲン化銀粒子は、銀を基礎にして
1.7モル%のヨウ化物を含有する非平板状ヨウ臭化銀
粒子であって、粒子は0.6μmの平均ECDを示し
た。フィルムAの感放射線性粒子と同様に、粒子は硫黄
および金増感し、スペクトルの緑色領域に対して分光増
感したものとした。
【0080】(2)BVSMEレベルを、ゼラチン量を
基礎にして、0.47重量%から0.75重量%に増大
した。 フィルムC (実施例両面被覆フィルム) ─────────── SOC[FC] ─────────── 中間層[FC] ─────────── 乳剤層[FC] ─────────── 支持体 ─────────── 乳剤層[BC] ─────────── 濃度提供層(DPLC) ─────────── SOC[BC] ─────────── 下記は、フィルムCの構成成分の詳細な説明である: SOC[FC] ゼラチン (4.4) メチルメタクリレート無光沢ビーズ (0.35) カルボキシメチルカゼイン (0.73) Ludox AM(商標) (1.1) ポリアクリルアミド (0.85) クロムミョウバン (0.032) レゾルシノール (0.073) Dow Corning Silicone(商標) (0.153) TritonX−200(商標) (0.26) LodyneS−100(商標) (0.0097) 中間層[FC] ゼラチン (4.4) 乳剤層[FC] 立方AgBr粒子(平均ECD=0.7μm) (34.9) 硫黄および金増感し、スペクトルの緑色領域に対して分光増感したもの ゼラチン (24.2) TAI(1.0g/Ag1モル) マレイン酸ヒドラジド (0.0076) カテコールジスルフィド (0.2) グリセリン (0.22) 臭化カリウム (0.13) レゾルシノール (2.12) APMT (0.026) 硬膜剤 ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル(BVSM
E)を、前層中の全ゼラチン量を基礎にして、2.4質
量%の濃度で前層内に均一に分布させた。
【0081】支持体 支持体は、その反対主面に被覆された従来の下塗り層ユ
ニットを有する7ミル(170μm)青色染色ポリエス
テルX線写真フィルム支持体であった。各下塗り層ユニ
ットは、ゼラチン(1,1)の層でオーバーコートされ
たポリ(アクリロニトリル−コ−ビニリデンクロリド)
の層を含有した。
【0082】 乳剤層[BC] 平板状AgBr粒子 (16.1) (ECDav=2.0μm、tav=0.10μm) 硫黄および金増感し、スペクトルの緑色領域に対して分光増感したもの ゼラチン (10.8) TAI(2.1g/Ag1モル) マレイン酸ヒドラジド (0.0032) カテコールジスルフィド (0.2) グリセリン (0.11) 臭化カリウム (0.06) レゾルシノール (1.0) APMT (0.013) 濃度提供層[DPLC] ゼラチン (10.8) 色素の処理溶液脱色性粒子: 1−(4‘−カルボキシフェニル)−4−(4’−ジメチルアミノベンジリ デン)−3−エトキシカルボニル−2−ピラゾリン−5−オン (2.2) SOC[BC] ゼラチン (8.8) メチルメタクリレート無光沢ビーズ (0.14) カルボキシメチルカゼイン (1.25) Ludox AM(商標) (2.19) ポリアクリルアミド (1.71) クロムミョウバン (0.066) レゾルシノール (0.15) Dow Corning Silicone(商標) (0.16) TritonX−200(商標) (0.26) LodyneS−100(商標) (0.01) 硬膜剤 BVSMEを、後層中の全ゼラチン量を基礎にして、
2.4質量%の濃度で後層内に均一に分布させた。
【0083】露光および処理 フィルムA、BおよびCの標本を、前面から同様に露光
させて、診断用医学X線画像形成中に前スクリーンに隣
接して増感紙を載せて受容されたものに匹敵する露光を
提供した。緑色発光性X線刺激型増感紙を刺激するため
にCorning C4010(商標)を用いて濾過した265
0°Kに較正された500ワットのGeneral ElectricD
MX(商標)プロジェクターランプを用いて、0.5秒
間、MacBeth(商標)感光計に漸増濃度ステップ
タブレットを通して露光させた。
【0084】露光フィルム標本を、下記の処理サイクル
に設定したコダックX−OMAT(商標)迅速アクセス
プロセッサーを用いて同様に処理した: 現像 35℃で24秒 定着 35℃で20秒 水洗 35℃で20秒 乾燥 65℃で20秒 下記の現像液を用いた: ハイドロキノン 33g Phenidone(商標) 6g Na2 2 3 160g NaBr 2.25g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.125g グルタルアルデヒド 4.9g 水で全量を1リットルにする(pH10.0) 下記の定着液組成物を用いた: チオ硫酸ナトリウム60% 260.0g 重亜硫酸ナトリウム 180.0g ホウ酸 25.0g 酢酸 10.0g 水で全量を1リットルにする(pH3.9〜4.5) センシトメトリー フィルムA、BおよびCは、本質的に同様のセンシトメ
トリー特性を示した。結果を表1に要約する。
【0085】
【表1】
【0086】最小濃度(カブリ)より1.0高い濃度に
おいて感度を測定した。感度は相対log単位で記録す
るが、この場合、感度差1は0.01logEに等し
く、Eはルクスセカンドでの露光量である。平均コント
ラストは、最小濃度(Dmin )+0.25濃度単位の第
一の特性曲線点と、Dmin +2.0濃度単位の第二の特
性曲線点との間に引いた線の勾配として測定した。
【0087】表1から、フィルムA、BおよびCはすべ
て、軟組織画像形成に適していると考えられた。しかし
ながら、フィルムCの画像形成の優位性は、画像識別測
定でより詳細な外観を得ることにより理解し得る。
【0088】
【表2】
【0089】AC=平均コントラスト(前記) LSC=下部スケールコントラスト。濃度0.85での
特性曲線点Aから−0.3logE位置である特性曲線
上の点Bまでを描いた線の勾配として測定(即ち点Bは
点Aの半分の露光量を受容した)。 MSγ=ほぼ中間スケールで測定した点γ。2.0の濃
度での特性曲線上の点MS。
【0090】+0.3γ=2.0の濃度で受容するより
0.3logE大きい露光量を受容する特性曲線点で測
定した点γ。 +0.4γ=2.0の濃度で受容するより0.4log
E大きい露光量を受容する特性曲線点で測定した点γ。 +0.6γ=2.0の濃度で受容するより0.6log
E大きい露光量を受容する特性曲線点で測定した点γ。
【0091】本発明は、中間スケールから+0.6lo
gEまでの露光量範囲全体にわたる点γがすべて1.5
より大きい有意の利点を実証する。したがって、フィル
ムCを用いた医学診断放射線写真画像の観察者が皮膚線
に関連した当該物の解剖学的特徴の位置選定を判定し得
るに十分な画像識別が、この露光範囲全体に認められ
た。フィルムAを用いた場合、この能力は当該物の+
0.6logE露光範囲全体には認められず、フィルム
Bに関しては、この能力は明らかに劣っていた。
【0092】付加的実施態様を下記に列挙する。 〔1〕(a)画像担持X線源を受けるように置かれた単
一増感紙による露光、および(b)90秒またはそれ以
下の時間での現像、定着および乾燥を含めた処理により
軟組織の医学的診断画像を記録するための放射線写真フ
ィルムであって、増感紙により放出された放射線を透過
させる、前主面と後主面とを向かい合わせて有するフィ
ルム支持体と、増感紙により像様露光され、処理された
場合に、カブリより0.25〜2.0高い濃度全体で測
定した平均コントラストが2.5〜4.0の範囲になる
画像形成部分とを含み、さらに画像形成部分が露光放射
線の最大70%までを吸収し、(a)40mg/dm2
未満に制限された親水性コロイド、および(b)平均厚
が0.3μmより大きく、平均アスペクト比が5未満で
ある感放射線性ハロゲン化銀粒子であって、ハロゲン化
銀粒子の塗被量が、銀の質量を基礎にして、40mg/
dm2 未満に制限されたハロゲン化銀粒子を含有する、
支持体の前主面上に被覆された処理溶液透過性前層ユニ
ット、ならびに(a)40mg/dm2 未満に制限され
た親水性コロイド、(b)フィルム中に存在する総感放
射線性ハロゲン化銀の20〜45%を占める感放射線性
ハロゲン化銀粒子の形態の銀であって、後層ユニット中
の感放射線性ハロゲン化銀粒子の総投映面積の少なくと
も70%を、厚みが0.3μm未満、平均アスペクト比
が5より大きい平板状粒子が占めるもの、および(c)
記録されるよう意図された露光放射線の波長領域では少
なくとも0.40の光学濃度を、そして可視スペクトル
では0.1未満の光学濃度をフィルム処理終了時に提供
し得る色素であって、後層ユニット内の感放射線性粒子
の少なくとも20%を含有する後層ユニットの第一層か
ら排除され、支持体からみて第一層より遠くに被覆され
た残りの層の少なくとも1つに存在する色素、を含有す
る、支持体の後主面上に被覆された処理溶液透過性後層
ユニットを含み、前層ユニットの親水性コロイドの硬膜
程度が後層ユニットの親水性コロイドのそれより低く、
そして前層ユニットの感度を前層ユニットのカブリより
も1.0高い濃度で測定し、後層ユニットの感度を後層
ユニットのカブリよりも1.0高い濃度で測定した場合
に、後層ユニットが前層ユニットより0.3logE〜
1.0logE低い写真感度を有することを特徴とする
フィルム。
【0093】〔2〕後層ユニット中の色素が感放射線性
ハロゲン化銀粒子の後に露光放射線を受容するよう位置
する〔1〕の軟組織の医学診断画像を記録するための放
射線写真フィルム。 〔3〕後層ユニットの各々が30mg/dm2 未満の親
水性コロイドを含有する〔1〕または〔2〕の軟組織の
医学診断画像を記録するための放射線写真フィルム。
【0094】〔4〕後層ユニットがフィルム中に存在す
る総銀量の25〜40%を含有する〔1〕〜〔3〕のい
ずれか一項の軟組織の医学診断画像を記録するための放
射線写真フィルム。 〔5〕後層ユニットが露光放射線の波長領域で3.00
までの光学濃度を示す〔1〕〜〔4〕のいずれか一項の
軟組織の医学診断画像を記録するための放射線写真フィ
ルム。
【0095】〔6〕後層ユニットが露光放射線の波長領
域で少なくとも1.00の光学濃度を示す〔5〕の軟組
織の医学診断画像を記録するための放射線写真フィル
ム。 〔7〕色素が増感紙によるピーク発光の分光領域全体に
半ピーク吸収バンド幅を示す〔1〕〜〔6〕のいずれか
一項の軟組織の医学診断画像を記録するための放射線写
真フィルム。
【0096】〔8〕感放射線性ハロゲン化銀粒子が全銀
量を基礎にして50モル%より多い臭化物および4モル
%未満のヨウ化物を含有する〔1〕〜〔7〕のいずれか
一項の軟組織の医学診断画像を記録するための放射線写
真フィルム。
〔9〕感放射線性ハロゲン化銀粒子がヨウ臭化銀であ
り、全銀量を基礎にして1モル%未満のヨウ化物を含有
する〔8〕の軟組織の医学診断画像を記録するための放
射線写真フィルム。
【0097】〔10〕前層ユニット中の感放射線性粒子
が非平板状粒子である〔1〕〜
〔9〕のいずれか一項の
軟組織の医学診断画像を記録するための放射線写真フィ
ルム。 〔11〕平板状粒子が0.2〜0.07μmの範囲の平
均厚を有する〔1〕〜〔10〕のいずれか一項の軟組織
の医学診断画像を記録するための放射線写真フィルム。
【0098】〔12〕平板状粒子が後層ユニット中の感
放射線性ハロゲン化銀粒子の総投映面積の70%より多
くを占める〔1〕〜〔11〕のいずれか一項の軟組織の
医学診断画像を記録するための放射線写真フィルム。 〔13〕後層ユニットが前層ユニットより0.4log
E〜0.6logE低い感度を有する〔1〕〜〔12〕
のいずれか一項の軟組織の医学診断画像を記録するため
の放射線写真フィルム。
【0099】〔14〕カブリより2.0高い濃度点から
0.6logE高い露光量の濃度点までの点γが1.0
より大きい〔1〕〜〔13〕のいずれか一項の軟組織の
医学診断画像を記録するための放射線写真フィルム。 〔15〕カブリより2.0高い濃度点から0.6log
E高い露光量の濃度点までの点γが1.5より大きい
〔1〕〜〔14〕のいずれか一項の軟組織の医学診断画
像を記録するための放射線写真フィルム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)画像担持X線源を受けるように置
    かれた単一増感紙による露光、および(b)90秒また
    はそれ以下の時間での現像、定着および乾燥を含めた処
    理により軟組織の医学的診断画像を記録するための放射
    線写真フィルムであって、 前記増感紙により放出された放射線を透過させる、前主
    面と後主面とを向かい合わせて有するフィルム支持体
    と、 前記増感紙により像様露光され、処理された場合に、カ
    ブリより0.25〜2.0高い濃度全体で測定した平均
    コントラストが2.5〜4.0の範囲になる画像形成部
    分とを含み、 さらに前記画像形成部分が、 露光放射線の最大70%までを吸収し、(a)40mg
    /dm2 未満に制限された親水性コロイド、および
    (b)平均厚が0.3μmより大きく、平均アスペクト
    比が5未満である感放射線性ハロゲン化銀粒子であっ
    て、ハロゲン化銀粒子の塗被量が、銀の質量を基礎にし
    て、40mg/dm2 未満に制限されたハロゲン化銀粒
    子を含有する、支持体の前主面上に被覆された処理溶液
    透過性前層ユニット、ならびに(a)40mg/dm2
    未満に制限された親水性コロイド、(b)フィルム中に
    存在する総感放射線性ハロゲン化銀の20〜45%を占
    める感放射線性ハロゲン化銀粒子の形態の銀であって、
    後層ユニット中の感放射線性ハロゲン化銀粒子の総投映
    面積の少なくとも70%を、厚みが0.3μm未満、平
    均アスペクト比が5より大きい平板状粒子が占めるも
    の、および(c)記録されるよう意図された露光放射線
    の波長領域では少なくとも0.40の光学濃度を、そし
    て可視スペクトルでは0.1未満の光学濃度をフィルム
    処理終了時に提供し得る色素であって、後層ユニット内
    の感放射線性粒子の少なくとも20%を含有する後層ユ
    ニットの第一層から排除され、支持体からみて前記第一
    層より遠くに被覆された残りの層の少なくとも1つに存
    在する色素、を含有する、支持体の後主面上に被覆され
    た処理溶液透過性後層ユニットを含み、 前層ユニットの親水性コロイドの硬膜程度が後層ユニッ
    トの親水性コロイドのそれよりも低く、そして前層ユニ
    ットの感度を前層ユニットのカブリよりも1.0高い濃
    度で測定し、後層ユニットの感度を後層ユニットのカブ
    リよりも1.0高い濃度で測定した場合に、後層ユニッ
    トが前層ユニットより0.3logE〜1.0logE
    低い写真感度を有することを特徴とするフィルム。
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