JPH05197053A - 放射線写真要素 - Google Patents

放射線写真要素

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JPH05197053A
JPH05197053A JP21624992A JP21624992A JPH05197053A JP H05197053 A JPH05197053 A JP H05197053A JP 21624992 A JP21624992 A JP 21624992A JP 21624992 A JP21624992 A JP 21624992A JP H05197053 A JPH05197053 A JP H05197053A
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JP
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silver halide
halide emulsion
crossover
layer unit
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JP21624992A
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Robert E Dickerson
エドワード ディッカーソン ロバート
Phillip C Bunch
カーター バンチ フィリップ
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層
単位を塗布した放射線写真要素を開示する。 【構成】 放射線写真要素は、露光の際の増感紙による
クロスオーバーを最低レベルに低減するように構築され
る。骨構造と柔らかい組織構造の両方を記録するのに使
用される最低クロスオーバー放射線写真要素を可能にす
るために、支持体の片側のハロゲン化銀乳剤層単位が示
すスピード及びコントラストが、支持体の反対側の別の
ハロゲン化銀乳剤層単位が示すそれらを上回るように選
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線写真画像形成に
関する。より詳細には、本発明は、増感紙と組み合わせ
て使用される種類の両面塗布ハロゲン化銀放射線写真要
素に関する。
【0002】用語の定義 放射線写真要素に適用される用語「両面塗布」とは、乳
剤層単位が支持体両面にそれぞれ塗布されていることを
意味する。両面塗布放射線写真要素に適用される用語
「低クロスオーバー」とは、波長範囲内の10%未満の
クロスオーバーを意味するが、以下の測定のときにより
詳細に記述する。用語「センシトメトリー的対称」と
は、両面塗布放射線写真要素の両面にある乳剤層単位
が、同等に露光された時に同等な特性曲線を示すことを
意味する。用語「センシトメトリー的非対称」とは、両
面塗布放射線写真要素の両面にある乳剤層単位が、同等
に露光された時に顕著に異なる特性曲線を示すことを意
味する。
【0003】
【従来の技術】医療用放射線写真では、患者の組織や骨
の構造の画像は、患者に放射線を照射し、そして透明な
(通常は青色味の)フィルム支持体上に塗布された少な
くとも一種の放射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を含有す
る放射線写真要素を用いて、透過するX線のパターンを
記録することによって形成される。歯科用画像や体端部
の画像形成のような局所的な照射のみが要求される場合
には、X線を乳剤層によって直接記録することが可能で
ある。しかしながら、X線の被ばく量を大幅に低減する
より効率的な方法は、放射線写真要素と組み合わせて増
感紙を使用する方法である。増感紙はX線を吸収して、
ハロゲン化銀乳剤がより吸収しやすいより長波長の電磁
放射線を放射する。患者に対する被ばく量を低減する別
の技法は、フィルム支持体の両面にハロゲン化銀乳剤層
を塗布して、「両面塗布」放射線写真要素を形成する方
法である。
【0004】診断上の要求は、一対の増感紙と組み合わ
せた両面塗布放射線写真要素を使用することによって患
者に対するX線被ばく量を最低とすることで満たされう
る。支持体の各面にあるハロゲン化銀乳剤層単位は、入
射X線の約1〜2%を直接吸収する。前面増感紙、すな
わちX線源に最も近い増感紙は、はるかに高い割合のX
線を吸収するが、なおも、後面増感紙、すなわちX線源
から最も離れた増感紙、を照射するのに十分なX線を透
過する。
【0005】像様露光された両面塗布放射線写真要素
は、フィルム支持体の両面にある二つのハロゲン化銀乳
剤層単位の各々に潜像を含有している。写真処理によっ
てその潜像を銀画像に転化すると同時に現像されていな
いハロゲン化銀を定着し、フィルムを光不感受性とす
る。フィルムをビューボックスに取り付けると、支持体
の両面にある二つの重ねられた銀画像が、白い、照明さ
れた背景に対する単一画像として見える。
【0006】上述の増感紙と組み合わせて両面塗布放射
線写真要素を使用する方法に伴う技術的に認識されてい
る困難は、各々の増感紙によって放射された光の一部が
透明フィルム支持体を通過して、支持体の反対側のハロ
ゲン化銀乳剤層単位を露光する、という問題である。増
感紙によって放射され、支持体の反対側の乳剤層単位を
露光する光は、画像鮮鋭性を低減する。この作用を当該
技術分野ではクロスオーバーと称している。
【0007】Research Disclosure 、Vol. 184、1979年
8月、Item 18431, Section V 、Cross-Over Exposure
Control に説明されているように、クロスオーバーを低
減するための様々な方法が提案されている。Research D
isclosure は、Kenneth Mason Publications Ltd.(Dudl
ey Annex, 21a North Street, Emsworth, HampshirePO1
0 7DQ, England)より発行されている。これらの方法の
中にはクロスオーバーを完全に除外できる方法もある
が、それらは、支持体の両面にある重ねられている銀画
像を単一画像として同時に見ることを妨げ(典型的には
完全に妨害し)、分離を必要とし、しかもクロスオーバ
ー低減手段を除外する際に退屈な銀画像の手による再位
置合わせを要求する方法であるか、あるいはハロゲン化
銀乳剤を著しく減感する方法である。結果として、これ
らのクロスオーバー低減法のうち放射線写真技術分野で
一般的に用いられるようになった方法は一つもない。こ
の種のクロスオーバー低減に関する最近の教示の一例と
して、Bollenらの欧州公開特許出願第276,497号
明細書が挙げられるが、その方法は、画像形成の際に乳
剤層単位間に反射性支持体を挿入するというものであ
る。
【0008】手による画像の位置合わせをすることなく
透明フィルム支持体を通して重なった銀画像を見ること
と一致する当該技術により今までに実現されたクロスオ
ーバーの低減についての最も成功した方法は、分光増感
した高アスペクト比平板状粒子乳剤または薄い中間アス
ペクト比平板状粒子乳剤(それぞれ、Abbottらの米国特
許第4,425,425号及び同第4,425,426
号明細書に記載されている)を含有する両面塗布放射線
写真要素を使用する方法である。Abbottらの方法以前に
は、放射線写真要素は典型的に少なくとも25%のクロ
スオーバーレベルを示していたが、Abbottらは、クロス
オーバーを15〜22%の範囲に低減した実施例を提供
している。
【0009】さらに最近のDickerson らの米国特許第
4,803,150号明細書(以降Dickerson らのIと
称する)は、透明フィルム支持体と少なくとも一つの乳
剤層単位との間に配置した処理溶液脱色性微結晶質色素
をAbbottらの教示と組み合わせることによって、「ゼ
ロ」クロスオーバーレベルが実現されうることを例示し
た。クロスオーバーを定量するのに使用された技法(両
面塗布放射線写真要素の単一増感紙露光)は、増感紙か
ら遠い側の支持体上の乳剤層単位のクロスオーバーが原
因の露光とX線の直接吸収が原因の露光との違いを区別
できないので、「ゼロ」クロスオーバー放射線写真要素
は、実際は、約5%未満の(直接X線吸収を含む)測定
されたクロスオーバーを示す放射線写真要素を包含す
る。
【0010】Dickerson らの米国特許第4,900,6
52号明細書(以降Dickerson らのIIと称する)は、さ
きに引用したDickerson らのIに加えて、色素含有層及
び乳剤中の親水性コロイドコーティング塗布量を特定し
て、脱色したクロスオーバー低減性微結晶質色素を用い
て90秒未満で従来の急速アクセスプロセッサーから指
触乾燥状態の「ゼロ」クロスオーバー放射線要素を現す
ことを可能にしている。
【0011】Dickerson 及びBunch の米国特許第4,9
97,750号明細書(以降Dickerson 及びBunch のI
と称する)は、支持体の両面にある乳剤層単位のスピー
ドが異なる低クロスオーバー両面塗布放射線写真要素に
ついて開示している。
【0012】Dickerson 及びBunch の米国特許第4,9
94,355号明細書(以降Dickerson 及びBunch のII
と称する)は、支持体の両面にある乳剤層単位のコント
ラストが異なる低クロスオーバー両面塗布放射線写真要
素について開示している。
【0013】Bunch 及びDickerson の米国特許第5,0
21,327号明細書は、一対の増感紙と組み合わせた
低クロスオーバー両面塗布放射線写真要素について開示
しており、そこでは、後面の乳剤層単位−増感紙の組合
せが、前面の乳剤層単位−増感紙の組合せの2倍のフォ
ティシティー(photicity) を示している。フォティシテ
ィーは、増感紙の放射と乳剤層単位の感度との積であ
る。
【0014】Dickerson 及びBunch I及びII並びにBunc
h 及びDickerson は、支持体の片側に高感度低コントラ
スト乳剤層単位を、その反対側に低感度高コントラスト
乳剤層単位を有する低クロスオーバー両面塗布放射線写
真要素について開示している。
【0015】Dickerson 及びBunch の米国特許第5,1
08,881号明細書は、支持体の片側に塗布されたよ
り高感度のハロゲン化銀乳剤層単位が、支持体の反対側
に塗布されたより低感度のハロゲン化銀乳剤層単位より
も低いコントラストを示す、そのような低クロスオーバ
ー放射線写真要素について開示している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】放射線写真画像形成に
おいては、毛髪様骨折や組織繊維の細部を拾い上げるた
めに骨組織の鮮鋭な画像が必要である。鮮鋭な骨画像を
得るには比較的高いコントラストが必要である。
【0017】放射線写真画像では、多くの場合、骨を取
り囲んでいる柔らかい組織(以降肉組織と称する)が見
えることが非常に望まれる。従来の放射線写真要素を用
いて、単一の放射線写真に骨と肉組織の両方の画像形成
を達成することは、不可能ではないにしろ困難なことで
ある。その理由は、フィルムの露光量を骨の画像形成に
対して最適化した場合、照射X線が肉組織のみを透過し
た領域で約0.6 logE(患者間の変動はいくらかある
が)も多い露光量をフィルムが受けるからである。骨の
特徴の解像性のために比較的鮮鋭な画像を要求すると、
コントラストレベルが高すぎて、単一の画像内で骨と肉
組織の両方の特徴を捕らえるのに十分なフィルムの露光
ラチチュードを付与することができなくなる。換言すれ
ば、従来の放射線写真画像では、骨の適正な露光画像が
得られると、その周りの領域は、肉組織があろうとなか
ろうと、すべて最大濃度にあるかまたはそれに近い濃度
にあり、従って非常に低いコントラストで記録される。
周辺の肉組織は、標準的なライトボックス照明の下では
見えないかあるいはわずかに認められる程度でしかな
い。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、その
目的として、低クロスオーバー放射線写真要素の鮮鋭な
画像形成利点を示して、最適な骨組織の鮮鋭画像を可能
にすると同時に機能的に便利な周囲の肉組織の画像を得
る、そのような放射線写真要素を提供することである。
【0019】一つの態様において、本発明は、透明フィ
ルム支持体と、そのフィルム支持体の両面に塗布された
第一及び第二のハロゲン化銀乳剤層単位と、並びに、ハ
ロゲン化銀乳剤層単位中に潜像を形成できる300nmよ
りも長い波長の電磁放射線のクロスオーバーを10%未
満に低減するための手段(該クロスオーバー低減手段
は、乳剤層単位の処理の際に30秒未満で脱色される)
とを含んで成る放射線写真要素に関する。
【0020】本放射線写真要素は、濃度1.0におい
て、第一のハロゲン化銀乳剤層単位が、第二のハロゲン
化銀乳剤層単位のスピードを0.3〜1.0 logE上回
るスピードを示し、第一のハロゲン化銀乳剤層単位が
2.0〜4.0の範囲のコントラストを示し、そして第
二のハロゲン化銀乳剤層単位が0.5〜1.7の範囲の
コントラストを示すこと、を特徴とする。
【0021】本発明は、例えばDickerson らのI及びII
に開示されているような低クロスオーバー両面塗布放射
線写真要素を上回る改善を構成する。本発明の利点は、
低クロスオーバーに帰すべき改善された画像鮮鋭性に加
えて、放射線写真要素が、骨の鮮鋭画像と、はるかに低
いX線減衰能を示す周囲の柔らかい組織(すなわち、肉
組織)の有用な画像との両方をも形成できる、というこ
とである。
【0022】低クロスオーバー両面塗布放射線写真要素
の画像形成特性は、図1を参照することによって認識で
きる。示した集成体では、低クロスオーバー両面塗布放
射線写真要素100が一対の発光性増感紙201及び2
02の間に配置されている。放射線写真要素の支持体
は、照射された光を透過できる典型的には青色味の透明
な放射線写真支持体要素101と、任意ではあるが、同
様に透明な下引き層単位103及び105とを含んで成
る。下引き層単位によって形成された支持体の第一及び
第二の反対向きの主面107及び109の上には、クロ
スオーバー低減性の親水性コロイド層111及び113
がそれぞれ存在する。クロスオーバー低減性層111及
び113の上には、光記録性潜像形成ハロゲン化銀乳剤
層単位115及び117がそれぞれ重ねられている。各
乳剤層単位は、少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層を
含む一つ以上の親水性コロイド層から形成されている。
乳剤層単位115及び117の上には、任意の親水性コ
ロイド保護オーバーコート層119及び121がそれぞ
れ重ねられている。親水性コロイド層はすべて処理溶液
に透過性である。
【0023】使用時には、その集成体にX線を画像に合
わせて照射する。X線は増感紙201及び202によっ
て主に吸収され、その増感紙はX線照射の直接作用とし
て即座に光を放射する。まず増感紙201によって放射
された光について考えると、光記録性潜像形成乳剤層単
位115がこの増感紙に隣接して配置されており、増感
紙の放射した光を受ける。乳剤層単位115に対して増
感紙201が近いため、この層単位内で潜像形成吸収が
起こる前には最低限の光散乱しか起きない。こうして、
増感紙201からの光放射は乳剤層単位115内で鮮鋭
な画像を形成する。
【0024】しかしながら、増感紙201によって放射
された光のすべてが乳剤層単位115内部で吸収される
わけではない。この残りの光は、他で吸収されない限
り、離れた乳剤層単位117に到達し、この離れた乳剤
層単位内に非常にぼやけた画像を形成することになる。
クロスオーバー低減層111及び113の両方が増感紙
201と離れた乳剤層単位との間に挿入されており、こ
の残りの光を遮ること及び減衰することができる。よっ
てこれらの層は共に、増感紙201による乳剤層単位1
17のクロスオーバー露光を低減することに寄与する。
まったく同様に、増感紙202が乳剤層単位117内に
鮮鋭画像を形成し、そして光吸収層111及び113が
同様に、増感紙202による乳剤層単位115のクロス
オーバー露光を低減する。
【0025】露光して記憶潜像を形成させた後、放射線
写真要素100を増感紙201及び202から切り離
し、急速アクセスプロセッサー内で処理する。急速アク
セスプロセッサーは、RP−X−Omat (商標)プロセ
ッサーのようなプロセッサーであり、指触乾燥状態の画
像保持放射線写真要素を90秒未満で作製することがで
きるものである。急速アクセスプロセッサーは、Barnes
らの米国特許第3,545,971号明細書及びAkioら
の欧州公開特許出願第248,390号明細書に例示さ
れている。
【0026】本明細書で使用する用語「低クロスオーバ
ー」とは、ハロゲン化銀乳剤層単位内に潜像を形成する
ことができる300nmより長い波長の電磁放射線のクロ
スオーバーを10パーセント未満に低減すること、を意
味する。先に示したように、低クロスオーバーは、一部
は乳剤層単位内の光の吸収によって、そしてまた一部は
クロスオーバー低減手段として働く層111及び113
によって、達成される。乳剤層単位の像様露光の際によ
り長波長の放射線を吸収できる性能の他に、クロスオー
バー低減手段は、処理の際に90秒未満で脱色され、重
ねられた銀画像を見るときに目に見える妨害を呈するこ
とがまったくないという性能をも有することが必要であ
る。
【0027】クロスオーバー低減手段は、クロスオーバ
ーを10%未満に低下させ、好ましくはクロスオーバー
を5%未満に低減し、そして最適には3%未満に低減す
る。しかしながら、クロスオーバー測定の便宜のため、
ここで言うクロスオーバーは、「不正確なクロスオーバ
ー」、すなわち、実際には直接X線吸収の産物である見
かけのクロスオーバー、を含むことに注意しなければな
らない。換言すると、より長波長の放射線を完全に除外
した場合でさえ、測定したクロスオーバーは、増感紙か
ら最も離れている乳剤によって直接吸収されたX線に基
因する1〜2%の範囲になおもある。不正確なクロスオ
ーバーを考慮すると、約5%未満の測定クロスオーバー
を示す放射線写真要素はすべて、実際には「ゼロクロス
オーバー」放射線写真要素であることが明白である。ク
ロスオーバーのパーセントは、Abbottらの米国特許第
4,425,425号及び同第4,425,426号明
細書に記載されている手順によって定量される。
【0028】乳剤層単位間の露光クロスオーバーが10
%未満に低減されると(すなわち、低クロスオーバ
ー)、支持体の片側にある乳剤層単位の露光レスポンス
が支持体の反対側にある乳剤層の露光レベルによって影
響される程度は、ほんのわずかとなる(すなわち、各層
は本質的に独立である)。それゆえ、X線による像様露
光の際に、二種類の独立した画像記録を形成すること、
すなわち、一方の乳剤層単位が前面増感紙の放射のみを
記録し、そして残りの乳剤層単位が後面増感紙の放射の
みを記録することが可能である。
【0029】歴史的には、放射線写真要素は、支持体の
両面にある二つの乳剤層単位内に同等なセンシトメトリ
ー記録を生じるように構築されてきた。その理由は、先
に引用したDickerson らのI及びIIによって実用的な低
クロスオーバー放射線写真要素が利用できるようになる
までは、両面塗布放射線写真要素の乳剤層単位はどちら
も、前面及び後面増感紙の両方によって同時に露光され
るので、本質的に同等な露光を受けたからである。
【0030】特別な例を提供するために、クロスオーバ
ー低減層111及び113を除くことによって高クロス
オーバー放射線写真要素に転換した放射線写真要素10
0の性能を考える。この場合、乳剤層単位115及び1
17はそれぞれ、両方の増感紙201及び202によっ
て露光される。図2を参照すると、高クロスオーバー両
面塗布放射線写真要素に照射することによって、典型的
な全体の特性曲線A−B−C−Dが作成されている。全
体の特性曲線は、個別の乳剤層単位によって作成される
同一の二つの特性曲線A′−B′−C′−D′を足し合
わせたものである。同じ個別の特性曲線は、前面増感紙
と後面増感紙の発光強度に差がある場合でさえも作成さ
れる。というのは、各乳剤層単位は両方の増感紙によっ
て露光され、それゆえ本質的に同等な露光を受けるから
である。
【0031】画像の鮮鋭性は特性曲線に現れる特徴では
ないので、同等な発光特性を有する前面及び後面増感紙
201及び202を使用するならば、低クロスオーバー
のセンシトメトリー的対称な放射線写真要素、例えば同
じ乳剤層単位115及び117とクロスオーバー低減層
111及び113とを有する放射線写真要素100、を
代用することによって、同等な全体の及び個別の乳剤層
単位の特性曲線を作成することができる。
【0032】図2では、点AとCの間の中間スケールに
おける点をBONEと標識し、そして点A′とC′の間
の中間スケールにおける点をBONE′と標識すること
で、骨の画像形成に最適なフィルム露光量を示してあ
る。BONEは、支持体の両面にある乳剤層単位によっ
て形成された合成(composite) 骨画像を示し、一方、B
ONE′は、支持体の両面にある同等な二つの乳剤層単
位のうちの一方だけによって形成された骨画像を示す。
高クロスオーバーまたは低クロスオーバーのどちらの両
面塗布放射線写真要素を使用しても同じ特性曲線を得る
ことができるが、低クロスオーバー放射線写真要素の方
がより鮮鋭な骨画像が得られる。というのは、クロスオ
ーバーによる不明瞭さが、除外されないまでも最低限に
抑えられるからである。
【0033】しかしながら、放射線写真要素のクロスオ
ーバー特性とは無関係に、図2に示した特性曲線はいず
れも有用な肉組織画像を形成しない。その理由は、全体
の及び個別の特性曲線上のそれぞれFLESH及びFL
ESH′で示した肉組織を通して露光されたフィルムの
部分が、各場合で、点D及びD′で示した最大濃度を生
じるのに必要な露光量を超える露光を受けたからであ
る。換言すると、肉組織による減衰を反映するいくらか
の増分によってフィルムの露光量を低減することが、フ
ィルムの露光量を点DやD′で示したレベル未満に低減
するには不十分であり、その結果、この露光量の低減の
増分によってはフィルム濃度の低減がまったく生じない
からである。
【0034】先に引用したDickerson 及びBunch のI及
びII並びにBunch 及びDickerson には、低クロスオーバ
ー両面塗布放射線写真要素において高感度低コントラス
ト乳剤層単位と低感度高コントラスト乳剤層単位とを組
み合わせて使用し、心臓画像を得ると同時に鮮鋭な肺画
像を得ることについて教示している。この組合せは、鮮
鋭な骨画像を単独でまたは肉組織画像との組合せで形成
させるには有用ではない。
【0035】低クロスオーバー両面塗布放射線写真要素
が、比較的高いコントラストの乳剤層単位と比較的低い
コントラストの乳剤層単位との組合せを使用することに
よって構築され、鮮鋭な骨画像と有用な肉組織画像を形
成しうる、ということが本発明の発見である。これに
は、比較的高いコントラストの乳剤層単位が比較的低い
コントラストの乳剤層単位よりも高い写真スピードを示
し、しかも各乳剤層単位のコントラストと乳剤層単位間
のスピードの差とが、以下に記述する使用可能な限界内
に維持されている、ということが必要である。
【0036】本発明の低クロスオーバー両面塗布放射線
写真要素のBONE及びFLESH画像形成性能は、図
3を参照することによって認識することができる。図3
において、本発明の放射線写真要素の全体の特性曲線A
T −BT −CT −DT は、点DT が特性曲線の最大濃度
点になっていないことを除いて、全体の特性曲線A−B
−C−Dと類似している。特性曲線A−B−C−Dにあ
るように、最適なBONE露光量は点BT −CT の中間
スケールに留まり、図2の低クロスオーバー放射線写真
要素と同等な鮮鋭なBONE画像を得ることが可能であ
る。しかしながら、ここでは、FLESH露光点が、有
意なコントラスト(すなわち、ΔD/ΔE)を示す特性
曲線部分に位置している。FLESH画像はBONE画
像よりも低いコントラストの特性曲線部分にあるので、
FLESH画像の鮮鋭性はより低い。放射線医療技師の
観点からは、このことは利点である。というのは、鮮鋭
な画像はまた、画像から正確なBONEの診断をする試
みを乱しかねない多量の高周波ノイズをも含有するから
である。圧倒的大多数のBONE診断にまさに求められ
ている情報、すなわち、その細かい詳細のすべてではな
く一般的な位置と濃度を示す周囲のFLESHの画像及
び鮮鋭なBONE画像が、放射線医療技師に与えられ
る。
【0037】特性曲線AT −BT −CT −DT は、本発
明の低クロスオーバー放射線写真要素の支持体の片側に
ある比較的高いコントラストの乳剤層単位と、支持体の
反対側にある比較的低いコントラストの乳剤層単位とに
よって生み出される個別の特性曲線AH −BH −CH
H とAL −BL とを複合したものである。特性曲線A
H −BH −CH −DH は、先述の特性曲線A−B−C−
D及びA′−B′−C′−D′と定性的には類似してい
る。理想的なBONEH 露光レベルが点BH −CH の中
間スケールに留まり、その結果、FLESHH 露光レベ
ルが最大濃度露光レベルDH を越えたところにあること
に着目されたい。
【0038】特性曲線AL −BL は、個別の乳剤層単位
の特性曲線A′−B′−C′−D′やAH −BH −CH
−DH とは著しく異なる。特性曲線AL −BL 上のBO
NE L の位置はAL よりも低い露光レベルにあり、有用
なBONEL 画像を形成するには不十分な露光量しか受
けられないことを示唆している。一方、FLESHL
像は、有用な画像形成にとって十分なコントラストを示
す特性曲線部分の点B L の右側にある。図3では、AL
−BL 曲線は特性曲線の肩の部分を示すところまでは伸
びていない。というのは、AL −BL 曲線の肩の部分に
到達するような長期間の照射を患者に施すことはめった
にないからである。
【0039】図3に示したように、低コントラスト曲線
BONET の画像形成に寄与することはなく、一方、高
コントラスト曲線がFLESHT の画像形成に寄与する
ことはない。実用においては、低コントラスト曲線は、
画像形成の主要な役割を果たすことはないがBONET
の画像形成にいくらかは寄与することができ、一方、高
コントラスト曲線は、これもまた画像形成の主要な役割
を果たすことはなくしかもそのFLESHT 画像形成に
対する寄与は小さすぎてそれ自体利用できないであろう
が、FLESHT の画像形成にいくらかは寄与しうるこ
とが認められている。
【0040】ほとんどの人体画像形成の問題に対する実
用的画像形成の要件を満たすことができる所望の形の特
性曲線AT −BT −CT −DT を実現するためには、本
発明の低クロスオーバー両面塗布放射線写真要素の個別
の乳剤層単位に、スピードとコントラストとの特定の関
係が導入されていることが重要である。
【0041】従来の両面塗布放射線写真要素はセンシト
メトリー的に対称である。それゆえ、単一の乳剤層単位
ではなく両面塗布要素でセンシトメトリー測定を行うこ
とが慣例である。本発明のセンシトメトリー的パラメー
ターを慣例の測定値と比較できるようにしておくため、
個別の乳剤層単位のスピード及びコントラストは、測定
すべき乳剤層単位を従来の透明な(通常は青色味の)フ
ィルム支持体の両面に塗布して、フィルム支持体が寄与
する濃度増分(典型的には0.24未満)を含む基準全
体濃度1.0において、スピード及びコントラストを測
定することによって決定する。これを行うことで、当業
者は、上述の数字パラメーターと両面塗布放射線写真要
素の特性決定に慣例的に使用してきたパラメーターを容
易に比較することができる。特定例の乳剤層単位につい
ての濃度対 logEの各種プロットにおいて、各曲線は、
一対の同等な乳剤層単位ではなく単一の乳剤層単位を示
している。というのは、これによって、全体の特性曲線
に対する各乳剤層単位の寄与がより容易に視覚的に認識
されることが可能となるからである。
【0042】骨を透過したX線を受ける領域と、肉組織
のみを透過したX線を受ける領域とでは、放射線写真要
素が受ける露光量の差は平均して約0.6 logEであ
る。患者間の変動並びに解剖学的変動を考慮すると、よ
り高感度及びより低感度の乳剤層単位のスピードの差は
一般に0.3〜1.0 logEの範囲、好ましくは0.4
〜0.8 logEの範囲にあることが意図される。より高
感度且つ高コントラストの乳剤層単位は、2.0〜4.
0の範囲、好ましくは2.5〜3.5の範囲のコントラ
ストを有することが意図され、一方、より低感度且つ低
コントラストの乳剤層単位は、0.5〜1.7の範囲、
好ましくは0.7〜1.5の範囲のコントラストを有す
ることが意図される。本明細書で用いられている用語
「コントラスト」は、特性曲線の基準濃度1.0におけ
る傾きであって、一連の濃度範囲にわたる平均のコント
ラストではない。
【0043】上述の特徴とは別に、本発明の放射線写真
要素は便利な従来のいずれの態様でもとりうる。詳細に
記述しなかった特徴の詳細は、先に引用したDickerson
らのI及びII、Dickerson 及びBunch のI、II、及びII
I 、並びにBunch 及びDickerson によって開示されてい
るものに相当する。
【0044】
【実施例】本発明は、以下の特別な実施例を参照するこ
とによってよりよく認識できる。
【0045】増感紙 以下の増感紙を採用した:
【0046】増感紙Y この増感紙の組成及び構造は、産業用の一般目的用増感
紙のものに相当する。それは、メジアン粒子寸法5.9
μm のテルビウム活性ガドリニウムオキシスルフィド燐
光体と、Permutane (商標)ポリウレタンバインダーと
の混合物(燐光体とバインダーとの比率=15:1)
を、白着色ポリエステル支持体上に塗布して燐光体の総
塗布量を7.0g/dm2 としたものから成っている。
【0047】増感紙Z この増感紙の組成及び構造は、産業用の高解像度増感紙
のものに相当する。それは、メジアン粒子寸法5μm の
テルビウム活性化ガドリニウムオキシスルフィド燐光体
と、Permutane (商標)ポリウレタンバインダーとの混
合物(燐光体とバインダーとの比率=21:1、炭素を
0.0015%含有)を、青色味の透明ポリエステル支
持体上に塗布して燐光体の総塗布量を3.4g/dm2
したものから成っている。
【0048】増感紙発光 増感紙の370nmより長波長の電磁放射線の相対発光
(relative emission)は以下のように決定された: 増感紙Y=230 増感紙Z=100 増感紙は300と370nmとの間では有意な発光を示さ
なかった。
【0049】各増感紙のX線応答は、XRD6(商標)
ジェネレーター内でタングステンターゲットX線源を使
用して得られた。X線管は70kVp 及び30mAで運転
し、そして管からのX線は0.5mmCu及び1mmAlフ
ィルターを通してから増感紙に当てた。
【0050】放射された光は、Instruments SA model H
R-320 (商標)格子分光写真器に結合されたPrinceton
Applied Research model 1422 /01(商標)増強ダイオ
ードアレイ検出器によって検出した。この装置は2nmよ
りも良好な解像度(半値全幅)を有する%0.5nm以内
に校正された。強度の校正は、ワット/nm/cm2 に比例
する任意の強度目盛を生じる二つの認められるNational
Bureau of Standards源を用いて行われた。250〜7
00nmの全積分発光強度は、この領域内の全データ点を
加えてその領域の帯幅を乗じることによって、Princeto
n Applied Research model 1460 OMA III (商標)光学
マルチチャンネル分析器で算出した。
【0051】実際の発光レベルは、各増感紙の発光を増
感紙Zの発光で割って100を掛けることによって相対
発光レベルに転換した。
【0052】放射線写真の照射 一対の増感紙の間にサンドイッチされた両面塗布放射線
写真要素から成る集成体は、各場合において、以下のよ
うに照射された:
【0053】集成体は、A.G. Haus, K. Rossman, C. Vy
borny, P.B. Hoffer及びK. Doi, “Sensitometry in Di
agnostic Radiology, Radiation Therapy, and Nuclear
Medicine ”, J. Appl. Photog. Eng., vol. 3, pp. 1
44-124(1977)に記載されているタイプの強度スケールX
線センシトメーターを用いて照射された。照射条件は、
以下のとおりとした:80KVp X線(一定電位)、3mm
ベリリウム+0.5mm銅+2.2mmアルミニウムから成
る全フィルター;7.5mmアルミニウム半値層;1.5
mA、0.11秒照射。
【0054】処理 フィルムは、市販のKodak RP X-Omat (Model 6AW) (商
標)急速アクセスプロセッサーで以下のように90秒で
処理された: 現像;35℃で20秒、 定着;35℃で12秒、 洗浄;35℃で8秒、及び 乾燥;65℃で20秒 (残りの時間は処理工程間の移送にかかる時間であ
る)。 現像工程は以下の現像液を使用した: ヒドロキノン 30 g 1-フェニル-3- ピラゾリドン 1.5 g KOH 21 g NaHCO3 7.5 g K2SO3 44.2 g Na2S2O5 12.6 g NaBr 35 g 5-メチルベンゾトリアゾール 0.06 g グルタルアルデヒド 4.9 g 水で最終体積1リットル(pH 10.0)とした。 定着工程は以下の定着配合物を使用した: チオ硫酸アンモニウム(60%) 260.0 g 重亜硫酸ナトリウム 180.0 g ホウ酸 25.0 g 酢酸 10.0 g 硫酸アルミニウム 8.0 g 水で最終体積1リットル(pH 3.9〜4.5)とした。
【0055】センシトメトリー 光学濃度は、X−rite Model 310(商標)濃度計によっ
て測定した拡散濃度で表示する。この濃度計は、ANS
I標準PH2.19に校正され、National Bureau of S
tandards校正ステップタブレットに認められたものであ
る。特性曲線(濃度対 logE)を、処理した各放射線写
真要素についてプロットした。各場合の平均コントラス
トは、特性曲線の最低濃度の上の濃度0.25及び2.
0において決定した。
【0056】要素EX(実施例) (Em.FHC)L
XOA(Em.SLC) 放射線写真要素EXはゼロに近いクロスオーバーを示す
両面塗布放射線写真要素である。
【0057】放射線写真要素EXは、220mg/m2のク
ロスオーバー制御色素を含有するゼラチン(1.6g/
m2)から成るクロスオーバー低減層を各面に塗布した青
色味の透明ポリエステルフィルム支持体から成る低クロ
スオーバー支持体複合材料(LXO)から構築した。
【0058】支持体両面のクロスオーバー低減層の上
に、低感度低コントラスト(SLC)乳剤層と高感度高
コントラスト(FHC)乳剤層とを塗布した。どちらの
乳剤も緑色増感高アスペクト比平板状粒子臭化銀乳剤と
した。ここで用語「高アスペクト比」は、Abbottらの米
国特許第4,425,425号明細書に定義されている
ように使用されるものであって、総粒子投影面積の少な
くとも50%が、厚みが0.3μm 未満で且つ平均アス
ペクト比が8:1を超える平板状粒子によって占められ
ていることを要件とする。低感度低コントラスト乳剤
は、平均粒子直径2.0μm 及び平均粒子厚0.13μ
m を示す第一乳剤と平均粒子直径1.2μm及び平均粒
子厚0.13μm を示す第二乳剤との1:1(銀比)配
合物とした。高感度高コントラスト乳剤は、平均粒子直
径2.4μm 及び平均粒子厚0.12μm を示した。高
感度高コントラスト乳剤は単分散であり、厚み及び直径
共に10%未満の変動係数を示した。高感度高コントラ
スト乳剤及び低感度低コントラスト乳剤は共に、400
mg/Agモルのアンヒドロ−5,5−ジクロロ−9−エチ
ル−3,3′−ビス(3−スルホプロピル)オキサカル
ボシアニンヒドロキシドを、次いで300mg/Agモルの
ヨウ化カリウムを用いて分光増感した。低感度低コント
ラスト乳剤は、1.6g/m2の銀塗布量及び3.3g/
m2のゼラチン塗布量で塗布した。高感度高コントラスト
乳剤は、2.2g/m2の銀塗布量及び3.3g/m2のゼ
ラチン塗布量で塗布した。乳剤層の上に保護ゼラチン層
(0.7g/m2)を塗布した。高コントラスト面の保護
オーバーコートに赤色吸収色素(44mg/m2)を加え
て、安全光条件下で各面を視覚的に識別できるようにし
た。各ゼラチン含有層は、総ゼラチン量の1%のビス
(ビニルスルホニルメチル)エーテルを用いて硬化し
た。
【0059】Abbottらの米国特許第4,425,425
号明細書に記載されているように要素EXをクロスオー
バーについて試験したところ、要素EXは2%のクロス
オーバーを示した。
【0060】前面増感紙として使用した増感紙Zによっ
て要素EXの乳剤FHCを露光し、且つ後面増感紙とし
て使用した増感紙Yによって乳剤SLCを露光した場
合、図4に示した個別の及び混成の特性曲線が得られ
た。図4中、HCFは前面増感紙−乳剤層単位の組合せ
を示し、SLCは後面増感紙−乳剤層単位の組合せを示
し、そしてEXは全体の特性曲線を示す。BONE露光
が1.0〜1.4比log 露光量範囲のどこで起こった場
合でも、有用なFLESH露光量範囲が2.4比log 露
光量以上にまで伸びていることに着目されていた。こう
して、要素EXは、鮮鋭な骨組織の画像と有用な周辺の
柔らかい組織の画像とを得ることができる。FHC乳剤
層単位の露光に対して微細な増感紙を選ぶ目的は、骨組
織を記録するための領域において実用上最高の画像詳細
及び鮮鋭性を得ることであり、一方、SLC乳剤層単位
との使用には中位の増感紙を選択した。というのは、放
射線医療技師は周囲の柔らかい組織の細かい詳細な画像
までは要求しないからである。
【0061】一対の増感紙Yを使用して、乳剤FHCを
省略し、支持体の両面に乳剤SLCを対称に塗布するこ
とを除いて、上述のように塗布した場合、乳剤SLCは
全体濃度1.0においてコントラスト1.7を示す。同
様に、乳剤SLCを省略して乳剤FHCを対称に塗布し
た場合、乳剤FHCは全体濃度1.0においてコントラ
スト2.9を示す。二種の被膜の全体濃度1.0におけ
るスピード差は0.7log Eである。
【0062】実際の乳剤の測定によって得られた特性曲
線としてではなく、従来技術及び本発明の顕著な特徴を
見やすくするために提示した図2及び図3の特性曲線で
は、関係のない支持体の濃度に値ゼロを割り付け、そし
て各乳剤層単位の最低濃度を見やすくするために誇張し
た。図4の実際の測定に基づく実施例の特性曲線では、
最低濃度は従来の青色味の透明フィルム支持体の濃度に
主によるものとして示されており、一方、各場合におけ
る個別の乳剤層単位の最低濃度はプロット精度の限界を
下回っていた。
【0063】見やすくするために、図2及び図3の特性
曲線は理想的な形状に一致するように描かれている。他
の曲線を区別するために用いられている上付記号を無視
すると、点A、B、C及びDは曲線上の対応する基準点
を示している。Aは、その後のさらなる露光が濃度の増
加をもたらす点である、すなわち、Aは、最低濃度(D
min)を得ることに一致する最大露光レベルである。曲線
部分A−Bは、各場合において特性曲線の足である。特
性曲線の足では、露光量の対数の各増分に対する濃度増
分の増加量が次第に大きくなる。曲線部分B−Cは直線
部で示される。すなわち、露光量の対数の各増分が対応
する濃度増分を生じる部分である。この領域では、コン
トラストまたはγ(ΔD/Δlog Eの比)が一定のまま
である。実際には、特性曲線の中間スケール部分が真に
直線であることは稀であるので、平均コントラストを算
出するのに使用されるΔD/Δlog Eの間隔は、任意に
選定された低濃度値及び高濃度値における特性曲線の点
を基準とすることが普通である。曲線部分C−Dは特性
曲線の肩である。この領域では、露光量の対数の各増分
は先行する濃度増分よりも小さい濃度増分を生じる。点
Dを超えた露光は濃度のさらなる増分をまったく生じな
い。それゆえ、点Dは最大濃度(Dmax)にある。BON
E及びFLESHは、先に詳細に記述した露光の仮定に
基づいてこれらの組織を貫通する露光量が位置するであ
ろう一般的な位置を示している。
【0064】
【発明の効果】本発明は、鮮鋭な骨組織の画像を得ると
同時に有用な周囲の柔らかい組織の画像を得ることを可
能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】二枚の増感紙の間にサンドイッチされた低クロ
スオーバー放射線写真要素から成る集成体の概略図であ
る。
【図2】従来のセンシトメトリー的に対称な両面塗布放
射線写真要素の全体センシトメトリーの特性曲線と、そ
の放射線写真要素を形成している同等な二つの各乳剤層
単位の特性曲線を示すグラフである。
【図3】本発明によるセンシトメトリー的に非対称な低
クロスオーバー両面塗布放射線写真要素の全体センシト
メトリーの特性曲線と、個別の乳剤層単位の特性曲線を
示すグラフである。
【図4】本発明による実施例の放射線写真要素の全体及
び個別の乳剤層単位の特性曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
100…放射線写真要素 103,105…下引き層 107,109…主面 111,113…クロスオーバー低減層 115,117…乳剤層単位 119,121…オーバーコート層 201,202…増感紙

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明フィルム支持体と、 フィルム支持体の両面に塗布された第一及び第二のハロ
    ゲン化銀乳剤層単位と、並びに、 ハロゲン化銀乳剤層単位中に潜像を形成できる300nm
    よりも長い波長の電磁放射線のクロスオーバーを10%
    未満に低減するための手段(前記クロスオーバー低減手
    段は、前記乳剤層単位の処理の際に30秒未満で脱色さ
    れる)とを含んで成る放射線写真要素において、 濃度1.0において、 前記第一のハロゲン化銀乳剤層単位が、前記第二のハロ
    ゲン化銀乳剤層単位のスピードを0.3〜1.0 log E
    上回るスピードを示し、 前記第一のハロゲン化銀乳剤層単位が2.0〜4.0の
    範囲のコントラストを示し、そして 前記第二のハロゲン化銀乳剤層単位が0.5〜1.7の
    範囲のコントラストを示す(第一のハロゲン化銀乳剤層
    単位のスピード及びコントラストは、第二のハロゲン化
    銀乳剤層単位の代わりに第一のハロゲン化銀乳剤層単位
    を用いて第一のハロゲン化銀乳剤層単位が透明支持体の
    両面に存在する配置を提供することによって決定され、
    そして、 第二のハロゲン化銀乳剤層単位のスピード及びコントラ
    ストは、第一のハロゲン化銀乳剤層単位の代わりに第二
    のハロゲン化銀乳剤層単位を用いて第二のハロゲン化銀
    乳剤層単位が透明支持体の両面に存在する配置を提供す
    ることによって決定される)ことを特徴とする放射線写
    真要素。
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