JPH0772566A - ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成法

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JPH0772566A
JPH0772566A JP21714493A JP21714493A JPH0772566A JP H0772566 A JPH0772566 A JP H0772566A JP 21714493 A JP21714493 A JP 21714493A JP 21714493 A JP21714493 A JP 21714493A JP H0772566 A JPH0772566 A JP H0772566A
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light
ray
grain
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JP21714493A
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Hideki Daimatsu
秀樹 大松
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】純黒色の好ましい銀色調を与え、乾燥ムラが少
なく、画質と感度のバランスのすぐれた新規なX線撮影
用感材を提供する。 【構成】透明な支持体の両側にハロゲン化銀感光性乳剤
層を少なくとも一層有し、乳剤層に含まれるハロゲン化
銀粒子の投影面積の50%以上が、粒子直径/粒子厚み
の比が5未満であるハロゲン化銀双晶粒子からなり、感
光材料のメルティングタイムが12分以上であり、相対
感度が65以下であることを特徴とする緑色域感光性ハ
ロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は好ましい銀色調を有し、
乾燥ムラが少なく、画質の優れた画像を提供する新規な
ハロゲン化銀写真感光材料に関し、また、新規なX線画
像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用放射線写真において、患者の組織
の画像は、透明支持体に塗布形成された少なくとも一層
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を含む写真感光材料(ハロ
ゲン化銀写真感光材料)を使用し、そのハロゲン化銀写
真感光材料にX線の透過パターンを記録することにより
作られる。X線の透過パターンはハロゲン化銀写真感光
材料を単独に用いて記録することができる。しかしなが
ら、人体が大量のX線の露光にさらされることは望まし
くないため、通常は、ハロゲン化銀写真感光材料に放射
線増感スクリーンを組み合せてX線撮影を行なってい
る。放射線増感スクリーンは、支持体の表面に蛍光体層
を備えてなるもので、その蛍光体層がX線を吸収して、
感光材料にとって感光度の高い可視光に変換するため、
その使用はX線撮影系の感度を顕著に向上させることが
できる。
【0003】X線撮影系の感度を更に向上させる方法と
して、両面に写真乳剤層を有する感光材料、すなわち支
持体の前側および後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光
層を備えてなるハロゲン化銀写真感光材料を用い、その
両側を放射線増感スクリーン(単に増感スクリーンとも
よぶことがある)ではさんだ状態でX線撮影する方法が
開発されており、現在では、通常のX線撮影は、このよ
うな撮影方法が利用されている。この方法は、一枚の増
感スクリーンの使用では充分なX線吸収量が達成できな
いことから開発された方法である。すなわち、X線吸収
量を増すために一枚の増感スクリーンの蛍光体量を増量
しても、増量のため厚くなった蛍光体層内で変換された
可視光が、蛍光体層内部で散乱、反射するため、増感ス
クリーンから放出されて、増感スクリーンに接して配置
されている感光材料に入射する可視光が大きくぼけてし
まう。また、蛍光体層の深部で発生する可視光は蛍光体
層から出にくいため、むやみに蛍光体層を増加させて
も、増感スクリーンから放出される有効な可視光は増加
しない。従って、適度の厚さの蛍光体層を有する二枚の
増感スクリーンを使用したX線撮影方法は、全体として
のX線吸収量を増大させ、かつ増感スクリーンから有効
に変換された可視光を取り出すことができるとの利点を
有する。画質と感度のバランスにおいて優れたX線撮影
系を見い出すための研究は、これまでにも絶え間なく行
なわれてきている。たとえば、従来では、タングステン
酸カルシウム蛍光体の蛍光体層を有する青色発光の増感
スクリーンと、分光増感されていないハロゲン化銀写真
感光材料との組合せ(例、ハイスクリーン・スタンダー
ドとRX(いずれも富士写真フイルム株式会社商品名)
との組合せ)が一般的に利用されていたが、最近では、
テルビウム賦活希土類元素オキシスルフィド蛍光体の蛍
光体層を有する緑色発光の増感スクリーンと、オルソ分
光増感されたハロゲン化銀写真感光材料との組合せ
(例、グリネックス4とRXO(いずれも富士写真フイ
ルム株式会社商品名)との組合せ)が用いられるように
なり、感度と画質の双方において向上した結果が得られ
ている。
【0004】写真の調子(特性曲線の形)は、医療画像
診断を行う上で非常に重要であるとされている。近年、
診断部位別に、写真感光材料の使い分けがされつつあ
り、各写真メーカーも、その要求に応じ、特性曲線の異
なる感光材料を提供している。大別すると、血管造営撮
影用硬調感材、一般用標準調子感材、腹部胃部撮影用ワ
イドラチィチュード感材、胸部撮影用超ワイドラチィチ
ュード感材である。富士メディカルXレイフィルム“ス
ーパーHR”のカタログFMS−92・7−SK・10
−2に代表的な特性曲線が開示されている。また、特開
昭59−214027号、同60−41035号、同6
0−159741号、同61−116346号、同62
−42146号、同62−42147号に種々の特性曲
線を持つ感光材料が開示されている。
【0005】一方、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン
化銀写真感光材料と放射線増感スクリーンとの組合せを
特定の条件に設定して画質と感度とのバランスにおいて
優れたX線撮影系を見い出そうとの試みもなされてい
る。たとえば、特開平2−266344号公報、同2−
297544号公報、および米国特許4803150号
明細書には、X線照射側の増感スクリーン(前面増感ス
クリーン)と感光層(前面感光層)との組合せにより得
られる光特性(感度)を、反対側の増感スクリーン(後
面増感スクリーン)と感光層(後面感光層)との組合せ
により得られる光特性(感度)とを互いに相違するよう
に設定し、また前者の組合せと後者の組合せとが互いに
相違するコントラストを示すように設定したX線撮影系
が開示されている。一方、フォトグラフィック・サイエ
ンス・アンド・エンジニアリング、第26巻、第1号
(1982)の40頁には、スリーエム社製放射線増感
スクリーンとハロゲン化銀写真感光材料との組合せにお
いて、Trimax12(スリーエム社の市販増感スクリーン
の商品名)とXUD(スリーエム社の市販ハロゲン化銀
写真感光材料の商品名)との組合せが、Trimax4(スリ
ーエム社の市販増感スクリーンの商品名)とXD(スリ
ーエム社の市販ハロゲン化銀写真感光材料の商品名)と
の組合せに対して、ほぼ同等の感度、鮮鋭度(MTF)
を示すが、高いNEQ(アウトプットのシグナルノイズ
比)を与えるとの実験結果を示している。そして、この
結果は、XUDがXDに比べて高い鮮鋭度を示し、一方
ではTrimax12がTrimax4に比べて高いX線吸収量を示
すためと教示している。
【0006】勿論、X線画像の画質のみに注目すれば、
高い画質のX線画像を得ることは、感度の低いハロゲン
化銀写真感光材料に同じく感度の低い放射線増感スクリ
ーンを組合せて用いることにより可能であった。しか
し、このような低感度同士の組合せを利用する場合に
は、必然的に人体へのX線の露光量(被曝量)が増加す
るため、そのような組合せは実用上好ましくなく、特に
診断検診のように、被検者の大部分が健康な人である場
合には、被曝量の増加は極力回避する必要があるため、
実際に利用することができない。さらに近年迅速処理が
普及してきた。迅速処理を可能とするためには、自動現
像機の乾燥能力の向上が不可欠であるが、そのために乾
燥の不均一に起因する感材の乾燥ムラが問題になってき
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、純黒色の好
ましい銀色調を与え乾燥ムラが少なくかつ画質と感度の
バランスにおいて、優れた新規なX線撮影系を構成す
る、ハロゲン化銀写真材料を提供することを主な目的と
する。また本発明は、上記の新規なハロゲン化銀写真材
料と放射線スクリーンの組合せにおいて、更に有利な画
像を得るX線撮影方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果透明な支持体の両側にハロゲン化銀感光性乳剤層を
少なくとも一層有し、乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒
子の投影面積の50%以上が、粒子直径/粒子厚みの比
が5未満であるハロゲン化銀双晶粒子からなり、感光材
料のメルティングタイムが12分以上であり、相対感度
が65以下であることを特徴とする緑色域感光性ハロゲ
ン化銀写真感光材料によって課題が達成された。
【0009】本発明の感光材料のメルティングタイムの
測定法は1cm×2cmに切断したハロゲン化銀写真感光材
料を50℃で水酸化ナトリウム1.5重量%水溶液中に
浸漬したとき、該ハロゲン化銀感光材料を構成する少な
くとも一層のハロゲン化銀乳剤層が融解しはじめるまで
の時間を言う。メルティングタイムが12分未満では乾
燥ムラ(感材表面の光沢ムラ)が目立つ。特に乾燥能力
の高い45秒処理が可能な迅速処理自現機で処理したと
きに顕著である。メルティングタイムとしては12分以
上80分未満である事が好ましい。
【0010】ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体の前
側および後側にそれぞれハロゲン化銀写真感光層が備え
られた構成を有し、少なくともその内の一方の感光層は
緑色域発光性放射線増感スクリーンの主発光ピーク波長
と同一の波長を有し、かつ半値幅が20±5nmの単色光
で露光し、現像液〔I〕を用いて現像処理し、露光面と
逆側の感光層を剥離したのち測定して、該感光層にて得
られる濃度が、最低濃度に0.5を加えた値になるのに
必要な露光量が0.0075ルクス秒となるときに相対
感度100と定義する。求める試料の露光量がIルクス
秒であるときこの試料の相対感度は「(0.0075/
I)×100」である。
【0011】ここで、処理条件を更に詳しく説明すると 現像時間:25秒(液中21秒+液外4秒) 定着時間:20秒(液中16秒+液外4秒) 水洗 :12秒 スクイズ及び乾燥:26秒 使用する現像装置:市販のローラー搬送自動現像機 (例、富士写真フイルム株式会社製FPM−5000自動現
像機) 現像液〔I〕組成 水酸化カリウム 21 g 亜硫酸カリウム 63 g ホウ酸 10 g ハイドロキノン 25 g トリエチレングリコール 20 g 5−ニトロインダゾール 0.2 g 氷酢酸 10 g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.05g グルタルアルデヒド 5 g 臭化カリウム 4 g 水を加えて1リットルしたのち、pH10.02に調節
する 定着液(定着液F)組成 チオ硫酸アンモニウム(70%重量/容量) 200 ml 亜硫酸ナトリウム 20 g ホウ酸 8 g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(2水塩) 0.1 g 硫酸アルミニウム 15 g 硫酸 2 g 氷酢酸 22 g 水を加えて1リットルにした後、必要により水酸化ナト
リウムもしくは氷酢酸を用いて、pH4.5に調節す
る。本発明の感光材料の相対感度は65以下30以上、
特に40〜60である事が好ましい。
【0012】本発明の感光材料と組みあわせて、粒状性
と鮮鋭度の優れた画像を提供する新規な放射線増感スク
リーンおよび低感度感光材料については、特願平5−1
21675号に記載されている。X線エネルギーが80
KVpのX線に対して25%以上の吸収量を示し、コン
トラスト伝達関数(CTF)が空間周波数1本/mmで
0.79以上、そして空間周波数3本/mmで0.36以
上である放射線増感スクリーン好ましい。
【0013】本発明において使用するハロゲン化銀写真
感光材料の代表的な構成としては、青色に着色した透明
支持体の両側(前側および後側)にそれぞれ、下塗り
層、クロスオーバー低減のための染料層、少なくとも一
層の感光性ハロゲン化銀乳剤層そして保護層が順次形成
されてなる構成を挙げることができる。前側および後側
の各々の層は、実質的に互いに同一の層であることが望
ましい。またクロスオーバー低減のための染料は乳剤層
に添加してもよい。
【0014】支持体は、ポリエチレンテレフタレートな
どの透明な材料から形成されたものであって、青色染料
により着色されている。青色染料としては、X線写真用
フィルムの着色用として知られているアントラキノン系
染料など各種のものが使用できる。支持体の厚さは16
0〜200μmの範囲から適宜選ぶことができる。支持
体の上には、通常のX線写真用フィルムと同様に、ゼラ
チンなどの水溶性高分子物質からなる下塗り層が設けら
れる。
【0015】本発明の感光材料において使用されるハロ
ゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%
以上が、粒子直径/粒子厚みの比(以下アスペクト比と
称する)が5未満であるハロゲン化銀双晶粒子、好まし
くはアスペクト比が2以上5未満であることが望まし
い。アスペクト比が5以上の粒子の存在比率が本請求の
範囲をこえると出来上がった画像の銀色調が黄色を帯び
てきて診断上好ましくない銀色調となる。またアスペク
ト比が2未満になると乳剤粒子によるクロスオーバー光
カット効果が小さくなり、クロスオーバー光カット染料
を多量に塗布することが必要になる。本発明に用いられ
るハロゲン化銀乳剤としては特開平3−264949号
公報第2頁から第8頁に記載の乳剤、特開平4−736
38号公報第2頁から第7頁に記載の乳剤を特に好まし
く用いることができる。
【0016】本発明の乳剤において、粒径とは、粒子の
投影像を同面積の円像に換算したときの直径である。粒
子の投影面積は、この粒子面積の和から求めることがで
きる。いづれも、粒子の重なりが生じない程度に試料台
上に分布されたハロゲン化銀結晶サンプルを、電子顕微
鏡観察することによって測定することができる。粒子の
厚さは、電子顕微鏡によって試料を斜めから観察するこ
とによって測定することはできる。
【0017】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製造
に利用される乳剤増感法や各種添加剤、構成材料、現像
処理方法等に関しては特に制限はなく、たとえば、特開
平2−68539号公報、特開平2−103037号公
報、および特開平2−115837号公報の下記の該当
箇所に記載の各種の技術を利用することができる。
【0018】 項 目 該 当 箇 所 1 化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行から 同左下欄16行目 2 カブリ防止剤、 同第10頁左下欄17行目から同第11頁左上欄7行目 安定剤 及び同第3頁左下欄2行目から同第4頁左下欄 3 分光増感色素 同第4頁右下欄4行目から同第8頁右下欄 4 界面活性剤、 同第11頁左上欄14行目から同第12頁左上欄9行目 帯電防止剤 5 マット剤、 同第12頁左上欄10行目から同右上欄10行目、同第 滑り剤、可塑剤 14頁左下欄10行目から同右下欄1行目 6 親水性コロイド 同第12頁右上欄11行目から同左下欄16行目 7 硬膜剤 同第12頁左下欄17行目から同第13頁右上欄6行目 8 支持体 同第13頁右上欄7行目から20行目 9 染料、媒染剤 同第13頁左下欄1行目から同第14頁左下欄9行目 10 現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行目か ら同第19頁左下欄15行目、及び特開平2−1158 37号公報第3頁右下欄5行目から、同第6頁右上欄1 0行目
【0019】
【実施例】
実施例1 ハロゲン化銀乳剤−Aの調製 (球型種乳剤の調製)特開昭61−6643号に記載の
方法によって単分散性の球型種乳剤を調製した。即ち、
次の4種類の液を用い、下記のようにして種乳剤を得
た。 ・A1 オセインゼラチン 150g 臭化カリウム 53.1g 沃化カリウム 24g 水を加えて7.2リットルにする ・B1 硝酸銀 1.5kg 水を加えて6リットルにする ・C1 臭化カリウム 1327g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール (メタノールで溶解) 0.3g 水を加えて3リットルにする ・D1 アンモニア水(28%) 705ml 40℃で激しく攪拌したA1 液に、B1 液とC1 液をダ
ブルジェット法により30秒で添加し、核の生成を行な
った。この時のPBrは1.09〜1.15であった。
1分30秒後にC1 液を20秒で添加し、5分間の熟成
を行なった。熟成時のKBr濃度は0.071モル/リ
ットル、アンモニア濃度は0.63モル/リットルであ
った。その後pHを6.0にあわせ、直ちに脱塩、水洗
を行なった。この種乳剤を電子顕微鏡観察したところ、
平均粒径0.36μm、分布の広さ18%の単分散性球
型乳剤であった。
【0020】種乳剤と以下に示す3種の溶液を用い本発
明のハロゲン化銀乳剤−Aを調製した。 ・A2 オセインゼラチン 37g プロピレンオキシ・ポリエチレンオキシ・ジサクシネー
ト・ジナトリウム塩(10%メタノール溶液)
10ml 上記種乳剤 0.050モル相当 水を加えて4000mlにする ・B2 オセインゼラチン 109g 臭化カリウム 804g 沃化カリウム 23.1g 水を加えて4628mlにする ・C2 硝酸銀 1168g 水を加えて6248mlにする 65℃で激しく攪拌したA2 液に、B2 液とC2 液を1
12分でダブルジェット法にて添加した。pHは5.
8、pAgは8.3に終始保った。B2 液とC2 液の添
加速度は、初期と最終で6.4倍となるように直線的に
増加させた。添加終了後、pHを6.0に合わせ、過剰
な塩類を除去するため、デモール(花王アトラス社製)
水溶液および硫酸マグネシウム水溶液を用いて沈澱、脱
塩を行いpAg8.5、40℃においてpH5.85の
乳剤を得た。得られた乳剤を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒径0.9μm、アスペクト比は3.1であっ
た。この乳剤を最適に金−硫黄増感した。化学増感の終
了直前に色素−1:色素−2=20:1の比率で100
0mg/モルAg加え、4−ヒドロキシ−6−メチル−
1,3,3a,7−テトラザインデン2.5g/モルA
gを加えた。
【0021】
【化1】
【0022】“感材−X”の作製(本発明) (乳剤塗布液−の調製)乳剤−Aにハロゲン化銀1モ
ルあたり、下記の薬品を添加して乳剤塗布液とした。 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ −1,3,5−トリアジン 72mg ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量4万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量60万) 1.8g ・ハイドロキノンモノスルホン酸ナトリウム 4.8g ・スノーテックスC(日産化学(株)) 29.1g ・ゼラチン 片側に塗布される乳剤層のゼラチン量が塗布銀量1.6
g/m2のときに16g/m2となるよう調製した。 ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミ
ド)エタン) メルティングタイムが30分となる量を添加した。
【0023】(表面保護層塗布液の調製)各成分が下記
の塗布量となるように塗布液を調製した。 ・ゼラチン 750mg/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 18mg/m2
【0024】
【化2】
【0025】 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 69mg/m2 ・プロキセル 0.5mg/m2 (NaOHでpH7.4に調製)
【0026】(下塗り層) (1) 下塗り層用染料分散物Kの調整 下記の染料を特開昭63−197943号に記載の方法
でボールミル処理した。
【0027】
【化3】
【0028】水434ccおよび Triton X 200R界面
活性剤(TX−200R:Rohm & Haas 社製) の6.7
%水溶液791ccとを2リットルのボールミルに入れ
た。染料20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)のビーズ400ml(2mm径)を添加し、内
容物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン1
60gを添加した。脱泡したあと、ろ過によりZrO2
ビーズを除去した。得られた染料分散物を観察したとこ
ろ、粉砕された染料の粒径は0.37μmであった。さ
らに遠心分離操作を行なうことで0.9μm以上の大き
さの染料粒子を除去した。こうして染料分散物Kを得
た。
【0029】(2) 支持体の調整と下塗り層の塗布 二軸延伸された厚さ183μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より
成る第一下塗り液を塗布量が5.1cc/m2となるように
ワイヤーバーコーターにより塗布し、175℃にて1分
間乾燥した。次に反対面も同様にして第一下塗り層を設
けた。使用したポリエチレンテレフタレートには下記構
造の染料が0.04wt%含有されているものを用い
た。
【0030】
【化4】
【0031】 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%、ブタジエン−スチレン重量比=31/35) 79cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩4%水溶液 20.5 ・蒸留水 900.5 ※ラテックス溶液には下記乳化分散剤をラテックス固形
分に対して0.4wt%用いた。
【0032】
【化5】
【0033】上記の両面の第1下塗層上に下記の組成か
らなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるよ
うに片面ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式によ
り150℃で塗布・乾燥した。 ・ゼラチン 160mg/m2 ・染料分散物K(染料固形分として) 10 ・塗布助剤−1 8 ・プロキセル 0.27 ・マット剤 2.5 (平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレート)
【0034】
【化6】
【0035】(感材Xの作製)前述のごとく準備した支
持体に先の乳剤塗布液−と表面保護層塗布液を同時押
し出し法により両面に塗布した。片面あたりの塗布銀量
は1.6g/m2、両面で3.2g/m2である。
【0036】感材−Yの作製(比較) メルティングタイムが10分となるように乳剤塗布液中
の硬膜剤量が調節した他は感材−Xの作製と全く同様に
して感材−Yを作製した。
【0037】胸部ファントーム実技による乾燥ムラの評
価 京都化学(株)製 胸部ファントーム、三相12パルス
100KVp、フォーカルスポットサイズ0.6mm×
0.6mmのX線源を用い、来た140cmの位置にファン
トームを置き、そしてその後にグリッドレシオ8:1の
散乱線カットグリッド、そしてその後に感材−X(本発
明)または感材−Y(比較)と緑色発光放射線増感スク
リーンHR−8(富士写真フイルム(株)製)との組体
をおき、撮影を行なった。 現像および定着液 CE−D−F1(富士写真フイルム
(株)製):現像35℃、定着32℃ 現像機 CEPROS M(富士写真フイルム(株)
製) 処理時間 Dry to Dry 45秒 の条件で処理した。処理済フィルムの乾燥ムラ(表面反
射光沢ムラ)を調べたところ感材−Xでは殆ど乾燥ムラ
が認められなかったが、感材−Yではピッチ状の乾燥ム
ラが明らかに認められた。
【0038】相対感度の測定 透過ピーク波長545nm半値巾20nmの透過性を示すフ
ィルターを用い、色温度が2856K°のタングステン
光源(フィルターにより545nmの光を中心とする光を
選んで用いた)を照射光として用いて写真感光材料を露
光し、その感度を測定した。即ち、上記の照射光をニー
トラルなステップウェッジに通し1/20秒間感光材料
に照射して露光を行なった。露光後に感光材料を、自動
現像機(富士写真フイルム株式会社製、商品名FPM−
5000)にて、現像液(I)を用い、35℃にて25
秒(全処理時間90秒)現像した。露光面と逆側の感光
相を剥離したのち、濃度を測定し、特性曲線を得て、そ
の特性曲線から最低濃度(Dmin) に0.5加えた濃度と
なるに必要な露光量を算出し、相対感度を求めた。な
お、露光量を算出するに当り、タングステン光源より発
光し、フィルターを透過させた光の照度をPI−3F型
照度計(更生済みのもの)を測定した。感材−Xの相対
感度は55、感材−Yの相対感度は59であった。また
富士メディカルXレイフィルム“スーパーHR”のカタ
ログFMS−92・7−SK・10−2に記載されてい
るスーパーHR−Sの相対感度は99であった。
【0039】画質と銀色調の評価 緑色域感光性感光材料スーパーHR−S(富士写真フイ
ルム(株)製)と緑色発光放射線増感スクリーンHR−
4(富士写真フイルム(株)製)の組合わせ(組体
A)、および本発明の感材−Xと特願平5−12167
5号実施例3に記載の緑色発光放射線増感スクリーンA
の組合わせ(組体B)の各々について胸部ファントーム
実技撮影を行なった。肺野の定めた点における濃度が
1.8となるように撮影時のX線量を調節した。組体B
のX線量は組体AのX線量の97%であり、両組体の感
度はほぼ同等であった。処理条件は胸部ファントーム実
技の場合と同じでCEPROS−M 45秒処理であ
る。組体Bの粒状性は組体Aよりも優れていた。また組
体Bの銀色調は純黒調で好ましく、長時間観察しても疲
れなかった。組体Aの銀色調は黄味を帯びていて観察者
に不快な印象を与えた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【実施例】 実施例1 ハロゲン化銀乳剤−Aの調製 (種乳剤の調製)特開昭61−6643号に記載の方法
によって単分散性の種乳剤を調製した。即ち、次の4種
類の液を用い、下記のようにして種乳剤を得た。 ・A1 オセインゼラチン 150g 臭化カリウム 53.1g 沃化カリウム 24g 水を加えて7.2リットルにする ・B1 硝酸銀 1.5kg 水を加えて6リットルにする ・C1 臭化カリウム 1327g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール (メタノールで溶解) 0.3g 水を加えて3リットルにする ・D1 アンモニア水(28%) 705ml 40℃で激しく攪拌したA1 液に、B1 液とC1 液をダ
ブルジェット法により30秒で添加し、核の生成を行な
った。この時のPBrは1.09〜1.15であった。
1分30秒後にD1 液を20秒で添加し、5分間の熟成
を行なった。熟成時のKBr濃度は0.071モル/リ
ットル、アンモニア濃度は0.63モル/リットルであ
った。その後pHを6.0にあわせ、直ちに脱塩、水洗
を行なった。この種乳剤を電子顕微鏡観察したところ、
平均粒径0.36μm、分布の広さ18%の単分散性乳
剤であった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】胸部ファントーム実技による乾燥ムラの評
価 京都化学(株)製 胸部ファントーム、三相12パルス
100KVp、フォーカルスポットサイズ0.6mm×
0.6mmのX線源を用い、距離140cmの位置にファン
トームを置き、そしてその後にグリッドレシオ8:1の
散乱線カットグリッド、そしてその後に感材−X(本発
明)または感材−Y(比較)と緑色発光放射線増感スク
リーンHR−8(富士写真フイルム(株)製)との組体
をおき、撮影を行なった。 現像および定着液 CE−D−F1(富士写真フイルム
(株)製):現像35℃、定着32℃ 現像機 CEPROS M(富士写真フイルム(株)
製) 処理時間 Dry to Dry 45秒 の条件で処理した。処理済フィルムの乾燥ムラ(表面反
射光沢ムラ)を調べたところ感材−Xでは殆ど乾燥ムラ
が認められなかったが、感材−Yではピッチ状の乾燥ム
ラが明らかに認められた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】相対感度の測定 透過ピーク波長545nm半値巾20nmの透過性を示すフ
ィルターを用い、色温度が2856K°のタングステン
光源(フィルターにより545nmの光を中心とする光を
選んで用いた)を照射光として用いて写真感光材料を露
光し、その感度を測定した。即ち、上記の照射光をニー
トラルなステップウェッジに通し1/20秒間感光材料
に照射して露光を行なった。露光後に感光材料を、自動
現像機(富士写真フイルム株式会社製、商品名FPM−
5000)にて、現像液(I)を用い、35℃にて25
秒(全処理時間90秒)現像した。露光面と逆側の感光
相を剥離したのち、濃度を測定し、特性曲線を得て、そ
の特性曲線から最低濃度(Dmin) に0.5加えた濃度と
なるに必要な露光量を算出し、相対感度を求めた。な
お、露光量を算出するに当り、タングステン光源より発
光し、フィルターを透過させた光の照度をPI−3F型
照度計(更生済みのもの)で測定した。感材−Xの相対
感度は55、感材−Yの相対感度は59であった。また
富士メディカルXレイフィルム“スーパーHR”のカタ
ログFMS−92・7−SK・10−2に記載されてい
るスーパーHR−Sの相対感度は99であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】画質と銀色調の評価 緑色域感光性感光材料スーパーHR−S(富士写真フイ
ルム(株)製)と緑色発光放射線増感スクリーンHR−
4(富士写真フイルム(株)製)の組合わせ(組体
A)、および本発明の感材−Xと特願平5−12167
5号実施例3に記載の緑色発光放射線増感スクリーンA
の組合わせ(組体B)の各々について胸部ファントーム
実技撮影を行なった。肺野の定めた点における濃度が
1.8となるように撮影時のX線量を調節した。組体B
のX線量は組体AのX線量の97%であり、両組体の感
度はほぼ同等であった。処理条件は胸部ファントーム実
技の場合と同じでCEPROS−M 45秒処理であ
る。組体Bの粒状性は組体Aよりも優れていた。また組
体Bの銀色調は純黒調で好ましく、長時間観察しても疲
れなかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な支持体の両側にハロゲン化銀感光
    性乳剤層を少なくとも一層有し、乳剤層に含まれるハロ
    ゲン化銀粒子の投影面積の50%以上が、粒子直径/粒
    子厚みの比が5未満であるハロゲン化銀双晶粒子からな
    り、感光材料のメルティングタイムが12分以上であ
    り、相対感度が65以下であることを特徴とする緑色域
    感光性ハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 2枚の放射線増感スクリーンのうちの少
    なくとも1枚は、X線エネルギーが80KVp のX線に対
    して25%以上の吸収量を示し、コントラスト伝達関数
    (CTF)が空間周波数1本/mmで0.79以上、そし
    て空間周波数3本/mmで0.36以上である緑色域発光
    性放射線増感スクリーンで請求項1に記載のハロゲン化
    銀感光材料をサンドウィッチして放射線画像を形成する
    方法。
JP21714493A 1993-09-01 1993-09-01 ハロゲン化銀写真感光材料とそれを用いた放射線画像形成法 Pending JPH0772566A (ja)

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