JP3704255B2 - 農産物選別用の計測装置 - Google Patents

農産物選別用の計測装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農産物を選別するために移送路の移送途中においてその外観を計測することができる農産物選別用の計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、農産物の選別の際には、農産物をできるだけ傷めないでかつ農産物の外観をできるだけ広範囲に亘って正確に計測することが求められており、この種の計測には、カメラの撮像画面を使用した各種計測装置が提案されている。その代表的なものとしては、例えば、特許第2737741号公報、特開平2−198309号公報及び特開平10−250826号公報に開示されている。
【0003】
先ず、特許第2737741号公報に開示の塊状青果物の搬送装置(計測装置Aという)は、2基の供給コンベアの間の間隙部に青果物用下面計測器を配置し、供給コンベアの上方位置に設けた走行チェーン側の数本の挟持腕杆の抱え屈曲部で前後の供給コンベア上の青果物の下部両側を挟持把持し、前記間隙部の通過で青果物の底面を下面計測器で測定すると共に、下面以外の外観を前工程で撮像しこれと下面計測値とを総合するようにしたものである。
【0004】
また、特開平2−198309号公報に開示の物品の外観計測検査装置(計測装置Bという)は、小幅の搬送素子を、その長手方向を搬送方向と直交する方向に指向させると共に、搬送方向に物品よりもやや狭い隙間を有して多数配置し、1台のセンサカメラと多数のミラーとを組み合わせた撮像装置によって、各搬送素子に跨って載置搬送される物品の下面を各搬送素子間の隙間下方から撮像すると共に、上面及び側面を計測するようにしたものである。
【0005】
さらに、特開平10−250826号公報に開示の果菜物回転装置(計測装置Cという)は、仕分けコンベアの回転体間に載置された果菜物の表側周面及び左右周面を第1の撮像用カメラで撮像した後に、前後回転機で果菜物を180度表裏反転させると共に水平回転機で90度水平回転させて、果菜物の表裏周面及び前後周面を第2の撮像用カメラで撮像するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、計測装置Aにあっては、数本の挟持腕杆の抱え屈曲部で青果物の下部両側を挟持するので、供給コンベア間の間隙部に配置した撮像装置では、農産物の限られた下面(挟持腕杆で挟持された部分は撮像できない)しか計測することができないという問題点があった。また、農産物の上面や側面等の外観は前工程に配置した他の撮像装置によって計測する必要があるため、カメラの台数が増えて計測装置の構成が複雑化し易く、かつコスト高になるという問題点があった。
【0007】
さらに、1台のカメラで農産物の下面を除く他の5画面(上面と周囲4側面)の像を撮り込むことが考えられるが、この場合の計測装置の撮像装置には、前記農産物の下面を撮像したカメラと同じ構造のラインセンサカメラが一般的に使用されることから、一方のラインセンサカメラが下面の1画面の像を取り込み、他方のラインセンサカメラが上面と周囲4面の5画面の像を取り込むことになる。その結果、5画面の像を撮り込んだラインセンサの両端部付近にレンズの収差の影響により歪みが発生し易くその補正が必要になったり、2台のラインセンサカメラの使用状態における制御がバランス良く行われ難くなる等、計測装置の構成が複雑化することになり、また、同一条件の計測が難しいため計測精度の点でも劣ることになる。
【0008】
また、計測装置Bにあっては、小幅の搬送素子の隙間の下方から該搬送素子上に載せられた農産物の下面を撮像することができるため、搬送素子と農産物の接触面を小さくすれば計測視野が拡大するし、また、ゴミ等を強制的に下方に落とし込む構成でないことから、農産物下面の撮像時にゴミ等の落下付着を極力防止することができ、かつ農産物を転動させないため、比較的精度良い農産物の外観計測を行うことができる。
【0009】
しかし、小幅の搬送素子に載せられた部分(影となる部分)を撮像することができないという根本的な課題を有しており、この課題をできるだけ改善するために、搬送素子の幅を極力狭くすることも考えられるが、この場合は農産物を載置して搬送する際に、農産物が揺れる等して安定性に欠けることになって、かえって計測精度が劣ることになる。したがって、この計測装置Bにあっては、上記の根本的な課題を解決することが困難で、結果として高精度な外観計測が難しいという問題点があった。
【0010】
また、計測装置Cにあっては、回転体上のミカン等の青果物を前後回転機で略180度表裏反転させ、水平回転機で水平方向に略90度回転させる方式であるため、青果物の大きさや形状(外周の大きさ)等によってはその回転範囲が変わり、確実に回転できずに計測できない部分が生じる等、計測装置Bと同様に高精度な外観計測が難しいという問題点があった。また、転がりや回転によって青果物に傷みが発生したり、仕分けのためのシフトに狂いが生じる場合があると共に、外観計測のためのカメラの数が多くなって計測装置自体がコスト高になり易いという問題点もあった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1記載の発明の目的は、農産物の全周全域を良好に撮像できて高精度な外観計測が可能になると共に、計測装置の構成を簡略化し得る農産物選別用の計測装置を提供することにある。また、請求項2記載の発明の目的は、請求項1記載の発明の目的に加え、より高精度な計測が可能になると共に計測装置の構成をより簡略化し得る農産物選別用の計測装置を提供し、請求項3記載の発明の目的は、請求項2記載の発明の目的に加え、下面等撮像装置へのゴミ等の落下付着を防止できてより高精度な外観計測が可能になると共に、設置スペースの有効活用を図り得る農産物選別用の計測装置を提供することにある。また、請求項4記載の発明の目的は、請求項2または3記載の発明の目的に加え、トレイの有効活用を図り得る農産物選別用の計測装置を提供し、請求項5記載の発明の目的は、請求項4記載の発明の目的に加え、使用目的に応じた最適なトレイを使用できて外観をより高精度に計測し得る農産物選別用の計測装置を提供することにある。また、請求項6記載の発明の目的は、請求項1ないし5記載の発明の目的に加え、移送装置を効率的に運用し得る農産物選別用の計測装置を提供することにある。また、請求項7記載の発明の目的は、請求項1ないし6記載の発明の目的に加え、撮像装置の構成を簡略化して計測装置の低コスト化を図り得る農産物選別用の計測装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、農産物の上面側を取上位置で保持して所定の高さで移載位置まで移送する移送装置と、該移送装置による農産物の移送途中に農産物の下面及び対向する一対の側面の三画面を計測する下面等撮像装置と、移送装置の上流側もしくは下流側に配置され農産物の上面及び前記側面間に位置する他の対向する側面の三画面を測定する上面等撮像装置と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、取上位置に位置する農産物は、移送装置によってその上面側が保持されて所定の高さで移載位置まで移送される。この移送装置による移送途中の農産物は、その下面と側面が露出状態となり、下面及び対向する側面の三面の外観が下面等撮像装置によって撮像される。また、農産物の上面と前記側面以外の他の対向する側面は、移送装置の上流側もしくは下流側に配置された上面等撮像装置によって撮像される。これにより、下面等撮像装置で農産物の下面全域が高精度に計測されると共に、両撮像装置でそれぞれ三画面が撮像されることから、各撮像装置に同一のカメラを使用した場合であっても、各カメラによって高精度な撮像が可能になると共に、各カメラの制御が簡単になる等、計測装置の構成の簡略化が図れる。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、取上位置が第1のコンベア装置上に形成され移載位置が第2のコンベア装置上に形成されると共に、該第1のコンベア装置と第2のコンベア装置の一方に上面等撮像装置と農産物を90度水平回転させる回転装置を設け、第1のコンベア装置と第2のコンベア装置間の略中間位置に下面等撮像装置を配置したことを特徴とする。
【0015】
このように構成することにより、第1のコンベア装置で搬送されてくる農産物は、例えば第1のコンベア装置に設けた上面等撮像装置で上面と対向する一方の側面が計測され、この計測された農産物が回転装置で90度回転された状態で取上位置に供給される。そして、この取上位置の農産物は、移送装置で保持されて持ち上げられ、第2のコンベア装置上の移載位置まで移送され、この移送途中おいて、第1のコンベア装置と第2のコンベア装置間の略中間位置に配置された下面等撮像装置でその下面側と対向する他方の側面が計測される。これにより、農産物の下面を計測するために移送装置上で農産物を回転させたり転動させる必要がなくなり、農産物を取り上げたままの状態で計測できその外観がより高精度に計測されると共に、第1のコンベア装置と第2のコンベア装置間に移送装置を配置するだけで良く、計測装置の構成のより簡略化が図れる。
【0016】
また、請求項3記載の発明は、第1のコンベア装置の取上位置と第2のコンベア装置の移載位置における搬送方向が略並行に設定されると共に、移送装置の移送方向が取上位置から移載位置に向けて円周方向に設定されていることを特徴とする。このように構成することにより、略並行に配置された第1のコンベア装置と第2のコンベア装置の各位置における搬送方向と、移送装置による農産物の移送方向が異なることから、例えば第1のコンベア装置上の農産物に付着したゴミ等が、そのまま移送装置による移送方向まで引きづられることが少なくなり、下面等撮像装置へのゴミ等の落下付着を防止できて、外観計測がより高精度に行えると共に、両コンベア装置間に移送装置が配置されることから、両装置間の設置スペースの有効活用が図れる。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、第1のコンベア装置と第2のコンベア装置が、その各トレイが循環する循環式コンベアで形成されていることを特徴とする。このように構成することにより、各コンベア装置のトレイがそれぞれ循環することから、各コンベア装置がより少ない数のトレイで効率的に運用される。
【0018】
また、請求項5記載の発明は、トレイの農産物載置面の形態が第1のコンベア装置と第2のコンベア装置で異なることを特徴とする。このように構成することにより、例えば第1のコンベア装置には農産物の内部を計測し得る形態のトレイを使用し、第2のコンベア装置には単なる搬送用のトレイを使用する等、使用目的に応じたトレイを容易に採用できる。
【0019】
また、請求項6記載の発明は、移送装置によって移送された農産物の移載位置のトレイ上への移載が不可能な際に、該農産物を所定位置で受け取る受取手段が設けられていることを特徴とする。このように構成することにより、例えば移載位置にトレイが供給されない等の事態が生じた場合であっても、移送装置で移載位置まで移送された農産物を受取手段で受け取ることができることから、移送装置を停止させる必要がなくなり、その効率的な運用が可能になる。
【0020】
また、請求項7記載の発明は、下面等撮像装置と上面等撮像装置が上下逆にして用いられていることを特徴とする。このように構成することにより、下面等撮像装置と上面等撮像装置を略同一の構成とすることができて、撮像装置の構成が簡略化(共通化)され、計測装置の低コストが図れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図6は、本発明に係わる農産物選別用の計測装置の一実施例を示し、図1が該計測装置を使用した選別装置の平面図、図2がその移送装置部分を拡大した平面図、図3がその正面図、図4が同その側面図、図5が上面計測装置の正面図、図6が計測方法の一例を示す説明図である。
【0022】
図1において、選別装置1は、搬入された農産物Wをトイレ5a上に載置して搬送する循環式の複数条(図では2条)の第1のコンベア装置2と、この第1のコンベア装置2のトレイ5a上の農産物Wを、トレイ5aの形状とは異なるトレイ5b上に移載して仕分け部に搬送する循環式の第2のコンベア装置3と、第1のコンベア装置2と第2のコンベア装置3との間にそれぞれ配置された移送装置4等で構成されている。
【0023】
前記第1のコンベア装置2は、供給コンベア7から搬送供給され作業者Mによってトレイ5a上に載置された農産物Wを搬送する2列の搬送コンベア8a、8bと、この2列の搬送コンベア8a、8bの下流側が合流部で合流されてその上流側に接続された搬送コンベア9と、この搬送コンベア9の最下流側及び前記合流部の下流側の空トレイ排出装置10部分にそれぞれ接続され、空のトレイ5aを搬送する空トレイ搬送コンベア11a、11bを有している。
【0024】
そして、空トレイ搬送コンベア11a、11bの下流側が、例えば分岐部を介して前記搬送コンベア8a、8bの上流側にそれぞれ接続されることによって、第1のコンベア装置2が循環式に形成されている。また、搬送コンベア9の空トレイ排出装置10の下流側には、トレイ5a上に載置されている農産物W内に光を透過して、その内部品質を計測する内部品質検査装置12がそれぞれ配置され、この内部品質検査装置12の下流側には、後述する如く、トレイ5a上の農産物Wの上面と一方の対向する側面(左右側面)を計測する上面計測装置13がそれぞれ配置されている。
【0025】
一方、前記第2のコンベア装置3は、第1のコンベア装置2の各搬送コンベア9の直線部9aに対応してそれぞれ配置された搬送コンベア14と、この搬送コンベア14の下流側が合流部で合流されてその上流側に接続された選別コンベア6と、この選別コンベア6の仕分け区分に対応してそれぞれ接続され農産物Wをプールするプールコンベア15と、このプールコンベア15に接続されると共にその下流側が前記搬送コンベア14にそれぞれ接続された空トレイ搬送コンベア16を有している。そして、空トレイ搬送コンベア16の下流側が、前記搬送コンベア14の上流側にそれぞれ接続されることによって、第2のコンベア装置3が循環式に形成されている。
【0026】
なお、プールコンベア15は、選別コンベア6と略直交する方向に農産物Wの仕分け区分に対応して複数列接続され、このプールコンベア15と選別コンベア6との接続部には、仕分け判定済みの農産物Wが載置されたトレイ5bを、所定の仕分け区分に対応したプールコンベア15上に排出する排出装置20がそれぞれ配置されている。また、各仕分け区分に対応した各プールコンベア15の最下流側には、例えばトレイパック積載部や箱詰ロボット等を有する箱詰装置17がそれぞれ配置されている。
【0027】
なお、第1のコンベア装置2の搬送コンベア8a、8bと搬送コンベア9は、搬送コンベア8a、8bの搬送速度が1.75個/秒に、搬送コンベア9の搬送速度が3.5個/秒に設定され、第2のコンベア装置3の搬送コンベア14と選別コンベア6は、搬送コンベア14の搬送速度が3.5個/秒に、選別コンベア6の搬送速度が7個/秒に設定されている。この速度設定によって、作業者Mによる供給コンベア7から搬送コンベア8a、8bへの農産物Wの載置作業が容易に行えると共に、第1のコンベア装置2及び第2のコンベア装置3において農産部Wの効率良い搬送が行える。
【0028】
また、前記内部品質検査装置12は、図示しない投光部と受光部等からなり、投光部からトレイ5a上に載置された農産物Wの内部に光(透過光)を照射透過させこれを受光部で受光することにより、農産物Wの糖度、酸度、熟度、空洞状態等の内部品質が計測され、この計測結果に基づいて農産物Wの内部品質が判定される。そのため、第1のコンベア装置2のトレイ5aには、この内部計測に対応するように、農産物Wの載置面となる底面に所定内径の孔18(図2参照)が形成されている。なお、第2のコンベア装置3のトレイ5bは、単なる農産物Wの載置機能のみを有するため、その底面には透過光計測用の孔が設けられておらず、トレイ5aとは異なる形態(形状)に形成されている。
【0029】
そして、第1のコンベア装置2と第2のコンベア装置3間には、前記移送装置4が配置されると共に、この移送装置4に近設して下面計測装置19が配置されている。すなわち、第1のコンベア装置2の搬送コンベア9下流側の直線部9aには、第2のコンベア装置3の搬送コンベア14下流側の直線部14aが並行に配置され、この両コンベア9、14の直線部9a、14a間に移送装置4が配置されると共に、この移送装置4に付帯して下面計測装置19が配置されている。以下、この移送装置4と下面計測装置19及び前記上面計測装置13が設置される部分の構成を図2〜図5に基づいて詳細に説明する。
【0030】
先ず、図2に示すように、第1のコンベア装置2の搬送コンベア9下流側の直線部9aには、上面計測装置13が配置されている。この上面計測装置13は、図5に示すように、フレーム21上に配置されたカバー22を有し、このカバー22内の上部には、ラインセンサカメラ等からなるカメラ23と、上面反射ミラー24及び一対の側面反射ミラー25a、25bが配置されている。
【0031】
また、カバー22の下面には凹部22aが形成され、この凹部22a内側のカバー22内部には、例えば4個の照明26が配置されると共に、側面計測用の一対のミラー27a、27bが対向した状態で配置されている。なお、カバー22の凹部22aの幅は、農産物Wがその内部を通過し得る幅に設定され、カバー22の凹部22aの底面(上面)及び側面には、図示しない所定幅の計測用のスリットが形成されている。この上面計測装置13によって農産物Wの上面Waと左右の側面Wb、Wcの三面が撮影されて、その外観(色、傷、大きさ等)が計測される。
【0032】
また、図2に示すように、上面計測装置13の下流側には、トレイ5aを90度水平面内で回転させる回転装置28が配置されている。この回転装置28は、搬送コンベア9の搬送方向イの両側に設けられたコンベア28a、28bを有し、このコンベア28a、28bが矢印ロ及び矢印ハの如く互いに内向き方向でかつ搬送速度を異ならせることによって、トレイ5aが矢印ニの如く水平面内で90度回転させられる。なお、回転装置28は、1対のコンベア28a、28bの構成に限定されるものでもなく、一方に固定壁を配置すると共に他方にコンベアを配置してトレイに回転力を与えてもよく、さらに、例えば回転板を使用する等の適宜の構成を採用することができる。
【0033】
そして、この回転装置28の下流側の搬送コンベア9は、例えば複数(図では3つ)のコンベア部29a〜29cが連設されることによって形成され、コンベア部29b、29cにはセンサ30a、30bがそれぞれ設けられている。このセンサ30a、30bの検知信号によって、コンベア部29cの下流側に接続されたピッチ付け部31に農産物Wが所定量ずつ所定のタイミングで供給される。ピッチ付け部31は、搬送方向イの例えば右側に設けられたピッチ付けスクリュウ31aと、搬送方向イの左側に設けられたコンベア31bを有し、搬送されてくる農産物Wを所定のピッチにして、搬送コンベア9の直線部9aの最下流側となる並行走行部32に供給する。
【0034】
並行走行部32は、搬送面上に所定間隔毎に突出して設けられた棧33を有し、この棧33間に農産物Wが載置されたトレイ5aがそれぞれ位置することによって、農産物Wが一定のピッチで搬送されることになる。なお、並行走行部32の所定位置には取上位置S1が設けられ、この取上位置S1の例えば直上流側には、各トレイ5aに付与されたバーコード(トレイ識別情報)を読み取るバーコードリーダ35が配置されている。このバーコードリーダ35は図示しない制御装置に接続され、バーコードリーダ35で読み取ったトレイ識別情報が、制御装置(記憶部)の所定のアドレス位置に記憶される。
【0035】
一方、第2のコンベア装置3の搬送コンベア14の直線部14aには、ピッチ付けスクリュウ36が設けられると共に、このピッチ付けスクリュウ36の下流側には、前記搬送コンベア9の並行走行部32と同様の一定間隔の棧37を有する並行走行部38が接続されている。この並行走行部38の最上流側には、トレイ5bの有無を検知するセンサ39が配置されると共に、並行走行部38の所定位置に設けられた移載位置S2の例えば直下流側には、トレイ5bのバーコード(トレイ識別情報)を読み取るバーコードリータ40と、トレイ5b上の農産物Wの有無を検知するセンサ41が配置されている。これらのセンサ39、41やバーコードリーダ40も、前記制御装置にそれぞれ接続されている。
【0036】
この第1のコンベア装置2の並行走行部32と第2のコンベア装置3の並行走行部38間に配置される前記移送装置4は、図3及び図4に示すように、機枠43に垂直軸44を介して回転可能に支持された回転盤45を有し、この回転盤45の外周位置には、直径方向に移動可能な支持フレーム46を介して、複数(図では12個)の取上部材47が取り付けられている。この取上部材47は、上下案内カム48によって支持フレーム46に上下動可能に設けられたスライドシャフト49と、このスライドシャフト49の下端に固定された蛇腹状の吸着盤50とで形成されている。
【0037】
吸着盤50には、他端が図示しないブロワー装置(図示せず)に接続された吸引パイプ51(図3参照)の一端がそれぞれ接続されており、この吸着盤50が農産物Wの上面Waに接触した状態において、ブロワー装置の作動で吸着盤50内が負圧になることにより、吸着盤50の下縁が農産物Wに吸着される。なお、回転盤45の回転は図2の矢印ホ方向に回転し、この回転は両搬送コンベア9、14の搬送とバケットクロック式に同期すると共に、例えば一つの取上部材47の吸着盤50が搬送コンベア9の取上位置S1のトレイ5a上に位置する場合に、回転盤45の例えば略直径方向に対向する取上部材47の吸着盤50が、搬送コンベア14の移載位置S2のトレイ5b上に位置する如く構成されている。
【0038】
また、移送装置4の近傍には、回転盤50の取上部材47で取り上げた農産物Wの外観を計測する前記下面計測装置19が配置されている。この下面計測装置19は、前記上面計測装置13を略上下逆にした構成に形成され、図3及び図4に示すように、フレーム52上に載置され上面側に凹部53aが形成されたカバー53を有している。このカバー53内の下部には、前記カメラ23と同様のカメラ54と、下面反射ミラー55及び一対の側面反射ミラー56a、56bが配置されている。
【0039】
また、カバー53上面の凹部53a内側には、例えば4個の照明57が配置されると共に、側面計測用の一対のミラー58a、58bが対向した状態で配置されている。さらに、カバー53の凹部53aの底面及び側面には、所定幅の計測用のスリット59が形成されており、底面側のスリット59は、図4に示すように、その直下に前記ミラー55、56a、56bが位置しないようにして設けられている。これにより、農産物Wに付着したゴミ等が図4の二点鎖線aで示す範囲で下方に落下しても、ゴミ等が直接ミラー55、56a、56b等に付着することがなくなる。この下面計測装置19によって農産物Wの下面Wdと前後の側面We、Wf(図6参照)の三面が撮影されて、その外観(色、傷、大きさ等)が計測される。
【0040】
そして、この下面計測装置19も上面計測装置13と同様に前記制御装置に接続されており、この制御装置によって、前記各バーコードリーダ35、40からのトレイ識別情報に、各トレイ5aと該トレイ5a上に載置された農産物Wの計測情報とが一対一に対応して記憶される。また、第1のコンベア装置2のトレイ5a上の農産物Wの計測情報が、当該農産物Wの第2のコンベア装置3のトレイ5bへの移載に関連して、トレイ5bのトレイ識別情報にシフトされ、最終的に移載されたトレイ5bのトレイ識別情報と該トレイ5b上の農産物Wの計測情報がリンクされて制御装置に記憶される如く構成されている。
【0041】
なお、図2に示すように、移送装置4の下面計測装置19の設置位置と反対側の位置には、受取手段としての受箱60が配置されている。この受箱60は、搬送コンベア14で空のトレイ5bが搬送されてこないことをセンサ39が検知した場合に、取上部材47による移載位置S2における移載動作を停止させ、農産物Wを吸着保持したままの状態で移載位置S2の下流側に搬送し、受箱60上で吸着保持を解除する。これにより、移送装置4で移送された農産物Wが、トレイ5bのない搬送コンベア14(並行走行部38)上に移載されることなく受箱60内に収容されることになる。
【0042】
そして、この受箱60内に収容された農産物Wは、バーコードリーダ35等によって既に計数済みあるため、作業者Mの手作業によって所定のプールコンベア15に供給されることになる。なお、受取手段として受箱60に代えて、例えばベルトコンベア(図示せず)を使用し、移載動作されなかった農産物Wを搬送コンベア14の上流側に戻すようにすれば、農産物Wを自動的に再移載動作させることができる。この場合は、センサ39でトレイ5bが搬送されないことが検知されたら、このトレイ5bに対応した情報を全てキャンセルすることになる。
【0043】
次に、上記選別装置1の動作の一例について説明する。先ず、供給コンベア7で供給される農産物Wは、作業者Mによって搬送コンベア8a、8bの空のトレイ5a上に一個づつ載せられる。この時、搬送コンベア8a、8bが作業者Mの作業可能な範囲で並設して二列設けられていることから、一列の場合に比較して各搬送コンベア8a、8bの搬送速度を、例えば搬送コンベア9の略2分の1(本例の場合1.75個/秒)と遅くすることができて、農産物Wのトレイ5a上への載置作業が容易(特に下流側の作業者M程容易)となる。
【0044】
そして、この搬送コンベア8a、8bでは、空トレイ5a上に農産物Wを載せる際に、当該農産物Wの外観上の等級を目視判別して、トレイ5aを搬送コンベア8a、8bの幅方向(搬送コンベア8a、8bの中央、右側、左側)に所定距離移動させ、この幅方向の位置を図示しないセンサで検知することで目視判別の等級(目視品質)を判定するようにしている。この目視品質の結果は、トレイ識別情報と合わせて制御装置に記憶される。
【0045】
このようにして農産物Wが載せられたトレイ5aは、各搬送コンベア9で搬送されて合流部で合流され、そのトレイ識別情報(バーコード)が、合流部の上流側に配置された図示しないバーコードリーダで読み取られて、制御装置の所定のアドレス位置に記憶される。そして、この農産物Wは、一列状態で搬送コンベア9で下流側に搬送されて内部品質検査装置12内に順に供給される。
【0046】
この時、搬送コンベア9上で農産物Wが載せられなかった空のトレイ5aも搬送コンベア9で搬送されるが、この空のトレイ5aは、空トレイ排出装置10の上流側に配置された空トレイ検出センサ(図示せず)で、農産物Wが載せられていないことが検出されて空トレイ搬送コンベア11b上に排出され、農産物Wが載せられたトレイ5aのみが内部品質検査装置12に供給されることになる。
【0047】
内部品質検査装置12に供給された農産物Wは、内部品質検査装置12内を通過する間に、図示しないバーコードリーダでトレイ5aの識別情報が読み取られると共に、トレイ5aの孔18を利用して農産物Wの内部品質が計測(判定)され、この計測情報(内部品質情報)が制御装置に出力されて、制御装置の所定のアドレス位置にトレイ5aの識別情報とリンクされて記憶される。そして、この内部品質が計測された農産物Wは、搬送コンベア9で下流側に搬送されて上面計測装置13に供給される。
【0048】
この上面計測装置13に供給された農産物Wは、該装置13のカバー22の凹部22a内を通過する間に、図示しないバーコードリーダでトレイ5aの識別情報が読み取られると共に、農産物Wの上面Waと、図6(a)に示す矢印方向からカメラ23により左右の側面Wb、Wcが計測され、この計測情報は、計測した農産物Wが載置されているトレイ5aのトレイ識別情報に対応した制御装置のアドレス位置に、トレイ5aの識別情報とリンクされて記憶される。これにより、農産物Wの内部品質情報と上面Wa及び左右の側面Wb、Wcの三面の上面等計測情報が計測されて制御装置に記憶されることになる。
【0049】
そして、上面計測装置13で計測された農産物Wは、回転装置28で矢印ニ方向に90度水平回転させられ、図6(b)に示す向きで搬送コンベア9の下流側に搬送され、ピッチ付け部31でピッチ付けされて最下流側の並行走行部32に供給される。この並行走行部32に供給される農産物Wは、棧33間に1個ずつ載置された状態で下流側に搬送され、この農産物Wが載置されたトレイ5aがバーコードリーダ35で読み取られると、当該トレイ5aの搬送と同期して回転する移送装置4の取上部材47が徐々に下降しつつ矢印ホ方向に回転し、取上部材47が取上位置S1に達した際に最下降位置となる。この取上位置S1で取上部材47の吸着盤50が、バーコードリーダ35で読み取られて搬送されたトレイ5b上の農産物Wの上面Waに当接すると共に、吸着盤50内が負圧にされて吸着盤50が農産物Wの上面Waに吸着する。
【0050】
これにより、農産物Wが取上部材47の吸着盤50で吸着保持され、円周方向に回転しつつ徐々に上昇することにより、農産物Wが搬送コンベア9の取上位置S1のトレイ5a上から取り上げられる。この取上部材47で取り上げられた農産物Wは、円周方向にさらに移動し略90度回転した位置で下面計測装置19に供給され、この下面計測装置19で農産物Wの下面Wdと前後の側面We、Wfの三面の外観が次のようにして計測される。
【0051】
すなわち、取上位置S1においては、農産物Wの側面の向きは、図6(b)に示すように、上面計測装置13で計測された側面Wb、Wcが回転装置28による回転で搬送方向イの前後に位置しており、この状態の農産物Wが取上部材47で取り上げられて回転盤45の矢印ホ方向への回転で水平面内で90度回転する。この回転によって農産物Wの側面Wb、Wcが図6(c)の向きで下面計測装置19内に供給されて下面Wdが計測されると共に、矢印方向からのカメラ54によって、上面計測装置13では計測されなかった側面Wb、Wc間の一対の側面We、Wfが計測されることになる。これにより、農産物Wの下面Wd等の三面が計測され、この下面等計測情報が制御装置の前記上面等計測情報とリンクされて記憶される。
【0052】
そして、下面計測装置19によって下面等が計測された農産物Wは、回転盤45がさらに回転することにより、搬送コンベア14の移載位置S2の手前側で取上部材45が徐々に下降しつつ回転し、移載位置S2で吸着盤50の吸引状態が解除される。これにより、移送装置4の回転と同期している搬送コンベア14の並行走行部38の移載位置S2のトレイ5b上に農産物Wが載置されると共に、この農産物Wが載置されたトレイ5bのトレイ識別情報がその直下流側のバーコードリーダ40で読み取られる。
【0053】
この読み取られたトレイ5bのトレイ識別情報は、制御装置に出力され、該制御装置により前記トレイ5aのトレイ識別情報からシフトされつつ各種計測情報もリンクされた状態で制御装置に記憶される。これにより、トレイ5a上の農産物Wの内部品質情報、上面等計測情報及び下面等計測情報がトレイ5bのトレイ識別情報のアドレス位置に記憶されることになり、この記憶情報に基づいて制御装置により当該農産物Wの等階級が判定される。
【0054】
ところで、以上の説明においては、搬送コンベア9の取上位置S1のトレイ5a上から取り上げられた一つの農産物Wが、回転盤45によって連続的に回動させられ、これが搬送コンベア14の移載位置S2でトレイ5b上に載置される一連の動作について説明したが、回転盤45を所定の割り出し角度でステップ送りさせて、農産物Wを移載することもできる。
【0055】
以上のようにして移送装置4で搬送コンベア14のトレイ5b上に載置され、かつトレイ5bのトレイ識別情報に各種計測情報がシフトされて等階級が判定された農産物Wは、トレイ5bと共に搬送コンベア14で搬送されて、選別コンベア6に供給される。そして、選別コンベア6上の農産物Wは下流側に搬送され、そのトレイ5bのトレイ識別情報が図示しないバーコードリーダで読み取られると、このトレイ識別情報に対応した判定区分けの排出装置20が作動して、所定のプールコンベア15上に排出される。その後、この農産物Wはプールコンベア15上で貯留され、所定個数貯留された時点で、箱詰待機位置から箱詰装置17の箱詰ロボット等によって段ボール箱等に箱詰めされる。
【0056】
また、プールコンベア15の箱詰待機位置で農産物Wが箱詰めされて空になったトレイ5bは、空トレイ搬送コンベア16で搬送コンベア14の上流側に搬送され、この空のトレイ5bに移送装置4によって農産物Wが再び移載されることになる。すなわち、上記の選別装置1にあっては、第1のコンベア装置2と第2のコンベア装置3とが完全に分断された状態となって、農産物Wが載せられたトレイ5a、5bや空となったトレイ5a、5bが、各コンベア装置2、3を形成する搬送コンベア8a、8b、9、14や空トレイ搬送コンベア11a、11b、16によって循環搬送されることになる。
【0057】
このように、上記実施例の選別装置1にあっては、第1のコンベア装置2の搬送コンベア9の並行走行部32と第2のコンベア装置3の搬送コンベア14の並行走行部38との間に回転盤45を有する移送装置4を配置し、この移送装置4に近設して下面計測装置19を配置すると共に、第1のコンベア装置2に上面計測装置13を配置しているため、両計測装置19、13のカメラ54、23で農産物Wの上面Wa、下面Wd及び4つの側面Wb、Wc、We、Wfを撮像することができ、農産物Wの外周全域を良好に撮像できて、その外観を高精度に計測することができる。
【0058】
特に、下面計測装置19による計測時に、農産物Wの少なくとも下面Wdが完全に露出した状態となるため、カメラ54による下面Wdの撮像を良好な状態で行うことができると共に、上面計測装置13及び下面計測装置19で農産物Wの六面を三面ずつ2分割した状態で撮像することができるため、各計測装置13、19による計測条件を略同一とすることができて、例えば計測データの補正等が不要になる等、高精度な外観計測を行うことができる。これにより、農産物Wの選別精度を高めることができると共に、選別作業の効率化を図ることが可能になる。
【0059】
また、第の1コンベア装置2と第2のコンベア装置3の直線部9a、14a間に回転盤45で農産物Wを円周方向に移動して移載し得る移送装置4と、この移送装置4に近設し略90度回転した位置の農産物Wの下面Wd及び側面We、Wfを計測し得る下面計測装置19を配置しているため、農産物Wの搬送方向イと移送装置4の移送方向ホが異なることになり、少なくとも取上位置S1から略90度以内の所定角度の範囲において、農産物Wの下方にカメラ54やミラー55、56a、56bが位置することがなくなる。これにより、農産物Wに付着したゴミが移送途中に落下してもこれらがミラー55等に付着することがなくなると共に、搬送コンベア9とは異なる形態の搬送方法であることから、取り上げ動作やその回転移動開始時に農産物Wに付着しているゴミ等を落下させることもできる。
【0060】
また、下面計測装置19の凹部53a底面のスリット58が、その直下にミラー55等が位置しないように設けられているため、農産物Wに付着したゴミ等がスリット58から下方に落下した場合であっても、これがミラー55等に落下付着するのを極力防止することができる。これらのことから、下面計測装置19のミラー55等の状態を清浄に保つことができて、より高精度な計測が可能になると共に、その清掃等のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
【0061】
さらに、第1のコンベア装置2に上面計測装置13を配置すると共に、この上面計測装置13の下流側に回転装置28を配置し、この回転装置28で上面計測した農産物Wを水平面内で90度回転させ、かつ移送装置4が円周方向に移送する方式であるため、回転装置28で90度回転された農産物Wを移送装置4でそのまま取り上げて回転移動させ下面計測装置19内を通過させるだけで、農産物Wの六面が計測されることになり、例えば移送装置4に回転機構を設ける必要がなくなる等、計測装置の構成をより簡略化することができる。また、回転装置28による農産物Wの回転が、搬送方向イ両側のコンベア28a、28bによるトレイ5bの回転で行われるため、回転時の農産物Wへの傷付きを確実に防止することもできる。
【0062】
また、上面計測装置13と下面計測装置19の構成が上下逆の構成で形成されているため、両計測装置13、19の部品の共通化が図れると共に、両計測装置13、19で農産物Wの三面をそれぞれ計測することができるため、従来のようにカメラ23、54の両端部付近におけるレンズの収差に影響されることがなくなり、計測データの制御装置による補正が不要になる等、上面計測装置13及び下面計測装置19自体の構成を簡略化することができて、安価な計測装置を得ることが可能になる。
【0063】
また、第1のコンベア装置2と第2のコンベア装置3がそれぞれ循環式に形成されているため、予め設定した搬送路に対応して所定数のトレイ5a、5bをセットするだけで対応することができ、より少ない個数のトレイ5a、5bを有効活用することができて、選別装置1の一層のコスト低減を図ることができる。また、第1のコンベア装置2に使用されるトレイ5aには内部品質計測用の孔18を設けると共に、第2のコンベア装置3には単なる載置機能を有するトレイ5bを使用しているため、各コンベア装置2、3の目的に対応したトレイ5a、5bを使用することができて、トレイ5aによって最適な計測を行うことができると共に、トレイ5a、5b自体のコストアップを抑えることも可能になる。
【0064】
また、移送装置4の移送方向の下方に受箱60を配置しているため、トレイ5bが搬送されてこない場合に、吸着保持された農産物Wを受箱60内に排出収容することができ、トレイ5bの非供給時の移送装置4の停止を確実に防止できる等、移送装置4の運用を効率的に行うことができ、結果として選別装置1の一層の効率化を図ることが可能になる。また、移送装置4と下面計測装置19が第1のコンベア装置2及び第2のコンベア装置3の所定長さの並行走行部32、38間に配置されているため、例えば移送装置4を直線状に配置する場合に比較して、設置スペースの有効活用を図ることができて、選別装置1のレイアウトの自由度を高めることもできる。
【0065】
なお、上記実施例においては、上面計測装置13と回転装置28を第1のコンベア装置2に配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでもなく、第2のコンベア装置3に配置することもできる。この場合は、回転装置28を移載位置S2の下流側で選別コンベア6の上流側に設け、この回転装置28の下流側に上面計測装置13を配置することになる。
【0066】
また、上記実施例における、第1のコンベア装置2及び第2のコンベア装置3を構成する各種コンベアの形態や配置及び連設数等の構成は一例であって、各種形態のコンベアを適宜に採択かつ組み合わせることもできるし、トレイ5a、5b自体の形状も上記実施例に限定されるものでもなく、農産物Wの種類や形状その使用目的等に応じて適宜形状のトレイを使用することができる。さらに、上記実施例においては、上面計測装置13と下面計測装置19を上下逆の同一構成としたが、それぞれ異なる形態の計測装置を使用することも勿論可能である。
【0067】
さらに、本発明における農産物Wとしては、リンゴ、みかん、メロン、西瓜等の球状農産物、馬鈴薯等の農産物、胡瓜、茄子等の長物農産物等であっても容易に適用することができるし、移送装置4の取上部材47の数や作動方法等も上記実施例に限定されず、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、移送装置によって第1のコンベア装置の取上位置の農産物を保持して所定の高さで第2のコンベア装置の移載位置まで移送すると共に、この移送途中に下面等撮像装置によって、農産物の下面と対向する一対の側面が撮像され、また、農産物の上面と前記側面以外の他の対向する側面が、移送装置の上流側もしくは下流側に配置された上面等撮像装置によって撮像されるため、両撮像装置で農産物の外周全域を良好に撮像することができて、高精度な計測が可能になると共に、両撮像装置で同数面の画像が撮像されるため、両撮像装置の制御が簡単になる等、計測装置の構成を簡略化することができる。
【0069】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、例えば第1のコンベア装置の上面等撮像装置で三面が計測され、この計測された農産物が回転装置で90度回転された状態で取上位置に供給され、これがそのまま持ち上げられて下面等撮像装置で他の三面が計測されるため、移送装置で農産物を回転させたり転動させる必要がなくなり、農産物の外観がより高精度に計測されると共に、計測装置自体の構成をより簡略化することができる。
【0070】
また、請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加え、第1のコンベア装置の取上位置と第2のコンベア装置の移載位置における搬送方向と、移送装置による農産物の移送方向とが異なるため、各コンベア装置上の農産物に付着したゴミ等を、そのまま移送装置による移送方向まで引きづることが少なくなり、下面等撮像装置へのゴミ等の落下付着を防止できて、外観計測をより高精度に行うことができると共に、両コンベア装置間に移送装置が配置されることから、選別装置の設置スペースの有効活用を図ることができる。
【0071】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項2または3記載の発明の効果に加え、第1のコンベア装置と第2のコンベア装置が循環式に構成されているため、各コンベア装置に使用されるトレイの数をより少ない数に設定することができてコスト低減が図れると共に、このトレイで各コンベア装置を効率的に運用することができる。
【0072】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明の効果に加え、トレイの少なくとも農産物載置面の形態が第1のコンベア装置と第2のコンベア装置で異なるため、例えば第1のコンベア装置には農産物の内部を計測し得る形態のトレイを使用し、第2のコンベア装置には単なる搬送用のトレイを使用する等、目的に応じたトレイを容易かつ効率的に採用することができる。
【0073】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項1ないし5記載の発明の効果に加え、移送装置で移載位置のトレイに移載されなかった農産物を所定位置で受け取る受取手段が設けられているため、例えばトレイが供給されず移載位置で農産物を移載できないような事態が生じた場合でも、この農産物を受取手段で受け取ることができ、移送装置を停止させる必要がなくなって、その効率的な運用を図ることができる。
【0074】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6記載の発明の効果に加え、下面等撮像装置と上面等撮像装置が上下逆にしても用いられているため、下面等撮像装置と上面等撮像装置を略同一の構成とすることができ、両撮像装置の部品が共通化される等、計測装置自体の構成の簡略化と低コストを図ることができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる農産物選別用の計測装置を使用した選別装置一例を示す平面図
【図2】同その移送装置部分を拡大した平面図
【図3】同図2の正面図
【図4】同その側面図
【図5】同上面計測装置の正面図
【図6】同計測方法の一例を示す説明図
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・・選別装置
2・・・・・・・・・・・・・第1のコンベア装置
3・・・・・・・・・・・・・第2のコンベア装置
4・・・・・・・・・・・・・移送装置
5a、5b・・・・・・・・・トレイ
6・・・・・・・・・・・・・選別コンベア
8a、8b、9、14・・・・搬送コンベア
11a、11b、16・・・・空トレイ搬送コンベア
12・・・・・・・・・・・・内部品質検査装置
13・・・・・・・・・・・・上面計測装置
18・・・・・・・・・・・・孔
19・・・・・・・・・・・・下面計測装置
23、54・・・・・・・・・カメラ
28・・・・・・・・・・・・回転装置
32、38・・・・・・・・・並行走行部
45・・・・・・・・・・・・回転盤
47・・・・・・・・・・・・取上部材
50・・・・・・・・・・・・吸着盤
S1・・・・・・・・・・・・取上位置
S2・・・・・・・・・・・・移載位置
W・・・・・・・・・・・・・農産物
Wa・・・・・・・・・・・・上面
Wd・・・・・・・・・・・・下面
Wc、Wd、We、Wf・・・側面

Claims (7)

  1. 農産物の上面側を取上位置で保持して所定の高さで移載位置まで移送する移送装置と、該移送装置による農産物の移送途中に農産物の下面及び対向する一対の側面の三画面を計測する下面等撮像装置と、前記移送装置の上流側もしくは下流側に配置され農産物の上面及び前記側面間に位置する他の対向する側面の三画面を測定する上面等撮像装置と、を備えたことを特徴とする農産物選別用の計測装置。
  2. 前記取上位置が第1のコンベア装置上に形成され移載位置が第2のコンベア装置上に形成されると共に、該第1のコンベア装置と第2のコンベア装置の一方に前記上面等撮像装置と農産物を90度水平回転させる回転装置を設け、第1のコンベア装置と第2のコンベア装置間の略中間位置に前記下面等撮像装置を配置したことを特徴とする請求項1記載の農産物選別用の計測装置。
  3. 前記第1のコンベア装置の取上位置と第2のコンベア装置の移載位置における搬送方向が略並行に設定されると共に、前記移送装置の移送方向が前記取上位置から移載位置に向けて円周方向に設定されていることを特徴とする請求項2記載の農産物選別用の計測装置。
  4. 前記第1のコンベア装置と第2のコンベア装置は、その各トレイが循環する循環式コンベアで形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の農産物選別用の計測装置。
  5. 前記トレイは、その農産物載置面の形態が第1のコンベア装置と第2のコンベア装置で異なることを特徴とする請求項4記載の農産物選別用の計測装置。
  6. 前記移送装置によって移送された農産物の移載位置のトレイ上への移載が不可能な際に、該農産物を所定位置で受け取る受取手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の農産物選別用の計測装置。
  7. 前記下面等撮像装置と上面等撮像装置が、上下逆にして用いられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の農産物選別用の計測装置。
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