JP3680348B2 - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、円筒状基材に感光液を塗布装置を用いて塗布する事によって電子写真感光体を製造する際、前記円筒状基材に感光液を均一の膜厚に塗布する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材の外面上に対して薄膜で均一な塗布に関連してスプレー塗布法、浸漬塗布法、ブレード塗布法、ロール塗布法等の種々の方法が検討されている。特に電子写真感光体ドラムのような薄膜で均一な塗布については、生産性の優れた塗布装置を開発すべく検討されている。しかしながら、従来のエンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材への塗布方法に於いては、均一な塗膜が得られなかったり、生産性が悪い等の欠点があった。
【0003】
前記スプレー塗布法ではスプレーガンにより噴出した塗布液滴が、前記エンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材の外面上に到達する迄に溶媒が蒸発するために、塗布液滴の固形分濃度が上昇してしまい、それに伴い塗布液滴の粘度上昇が起こって液滴が円筒状基材の外面上に到達した時、液滴が円筒状基材の外面上を充分に広がらないために、或いは乾燥固化してしまった粒子が前記外面上に付着する為に、塗布表面の平滑性の良いものが得られない。又前記連続面を有する円筒状基材への液滴の到達率が100%ではなく、塗布液のロスが有ったり、部分的にも不均一である為、膜厚のコントロールが非常に困難である。更に、高分子溶液等では糸引きを起こす事がある為、使用する溶媒及び樹脂に制限がある。
【0004】
前記ブレード塗布法、及びロール塗布法は、例えば円筒状基材の長さ方向にブレード若しくはロールを配置し、前記円筒状基材を回転させて塗布を行い、該円筒状基材を1回転させた後、前記ブレード若しくはロールを後退させるものである。しかしながら前記ブレード若しくはロールを後退させる際、塗布液の粘性により、塗布膜厚の一部に他の部分より厚い部分が発生し、均一な塗膜が得られない欠点がある。
【0005】
浸漬塗布法は、前記に於ける様な塗布液表面の平滑性、塗布膜の均一性の悪い点は改良された。しかし、塗布膜厚の制限が塗布液物性、例えば粘度、表面張力、密度、温度等と塗布速度に支配され、塗布液物性の調整が非常に重要となる。又、塗布速度も遅く、塗布液槽を満たすためにはある一定以上の液量が必要である。更に重層する場合、下層成分が溶け出して塗布液槽が汚染されやすい等の欠点がある。
【0006】
前記の様な欠点を改良した円筒状基材に感光液を塗布する装置として特開昭58-189061が知られている。該装置は、エンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材の外周面上に感光材を塗布する装置で、塗布液分配室及び塗布液分配室につながって塗布液分配スリットが連続して設けられており、又塗布液分配室に感光材よりなる塗布液を供給する塗布液供給手段が前記塗布液分配室に連続して設けされている。そして前記塗布液分配スリットの内側に位置し、該塗布液分配スリットの塗布液流出口の下側に連続して下方斜め方向に傾斜し、且つエンドレスに形成されたされた連続面を有し、前記円筒状基材の外径寸法よりやや大きな寸法で終端をなす様に構成された液スライド面を有し、前記円筒状基材が前記液スライド面内方を上方に移動する事で液スライド面を落下する感光材よりなる塗布液を前記円筒状基材に塗布する塗布装置である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記の様に塗布液供給手段より塗布液を前記塗布液分配室に供給し、塗布液分配スリットを介して液スライド面より塗布液を供給しながら前記円筒状基材に感光材よりなる塗布液を塗布しているが、前記円筒状基材に塗布液の塗布を開始するため、塗布液供給手段より塗布液を前記塗布液分配室に供給を開始するが、前記塗布液分配室及び塗布液分配スリット内の空気が抜けきらないのと、巻き込みによる泡のため前記円筒状基材に対して塗布欠陥や、塗布ムラ、膜厚変動が発生し易くなる。従って塗布ムラの発生と、膜厚の変動が起こり易い。又変動率が大きくなり膜厚が一定とならない。更に前記泡の発生に起因する空隙の為、塗布液の送液時に、脈動により膜厚変動が起こる。又、泡の発生で塗布液による塗装膜に欠陥が起こり易くなる。又、塗布液分配室の入口と、出口の位置関係に於いて、供給口の方が高いと、液膜のビート形成の安定性が悪く、ビート切れが起こり易く、塗布ムラや、膜厚変動が大きく、又送液時に於ける脈動の影響を受け、膜厚変動が起きやすい。又空気の巻き込みがある。
【0008】
本発明は前記の欠点を改善するため特に考えられたものである。即ち、円筒状基材に感光体よりなる塗布液を、塗布液供給手段より前記塗布液分配室に供給を開始する時、前記塗布液分配室及び塗布液分配スリット内に円滑に供給し、円筒状基材に対し塗布液の塗布ムラ、及び塗布欠陥やビート切れの発生を防止することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的のために、請求項1に於いて、長手方向に移動する円筒状基材の周囲を環状に取囲み、内部に環状の塗布液分配室と、該塗布液分配室に対して外部から塗布液を供給する供給口と、前記塗布液分配室の内方に開口するスリットとを有する塗布装置において、前記塗布液分配室の上方に空気抜き口を少なくとも1つ以上設けたこと、請求項2に於いて、前記塗布液の供給口位置より離れた位置に前記空気抜き口を有すること、請求項3に於いて、エンドレスに形成された連続周面を有する円筒状基材と、塗布液を外部から供給する供給口より環状の塗布液分配室を経て、該塗布液分配室の内方に開口する塗布液分配スリットを通じ、前記円筒状基材周面を取り囲むように該円筒状基材全周にわたって近接形成されたホッパー塗布面に設けられたエンドレスの塗布液流出口を形成すると共に、該塗布液流出口より前記ホッパー塗布面に塗布液を流出させ、前記円筒状基材と前記ホッパー塗布面の先端部に連続的に供給させて、移動する前記円筒状基材周面に塗布液を塗布する方法において、前記塗布液分配室の上方に空気抜き口を少なくとも1つ以上設けたこと、請求項4に於いて、各々複数の前記塗布液分配スリット及び複数の前記塗布液流出口を設け、異なる塗布液を前記複数の塗布液分配スリット及び複数の塗布液流出口から同一ホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を同時に円筒状基材上に形成させること、請求項5に於いて、各々複数の前記塗布液分配スリット、複数の前記塗布液流出口及びホッパー塗布面を設け、異なる塗布液を各々の前記複数の塗布液分配スリットに供給し、各々の前記複数の塗布液流出口から各々のホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を前記円筒状基材上に逐次形成させること、請求項6に於いて、長手方向に移動する円筒状基材の周囲を環状に取囲み、内部に環状の塗布液分配室と、該塗布液分配室に対して外部から塗布液を供給する供給口と、前記塗布液分配室の内方に開口するスリットを有する塗布装置において、前記供給口の入り口部位置は、前記塗布液分配室に対して前記スリットの内方の開口部と同じ高さ乃至は下方に位置することである。以上の関係が逆になると、塗布液分配スリットへ流れる液面に加わる圧力が不安定となり、ひいては液膜が不安定となる。請求項7に於いて、エンドレスに形成された連続周面を有する円筒状基材と、塗布液を外部から供給する供給口より環状の塗布液分配室を経て、該塗布液分配室の内方に開口する塗布液分配スリットを通じ、前記円筒状基材周面を取り囲むように前記円筒状基材全周にわたって近接形成されたホッパー塗布面に設けられたエンドレスの塗布液流出口を形成すると共に、該塗布液流出口より前記ホッパー塗布面に塗布液を流出させ、前記円筒状基材と前記ホッパー塗布面の先端部に連続的に供給させて移動する前記円筒状基材周面に塗布液を塗布する方法において、前記供給口の入り口部は、前記塗布液分配室に対して前記塗布液分配スリットの内方の開口部と同じ高さ乃至は下方に位置する塗布装置により塗布すること、請求項8に於いて、各々複数の前記塗布液分配スリット及び前記塗布液流出口を設け、異なる塗布液を塗布液分配スリット及び塗布液流出口から同一ホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を同時に基材上に形成させること、請求項9に於いて、各々複数の前記塗布液分配スリット、前記塗布液流出口及びホッパー塗布面を設け、異なる塗布液を各々の塗布液分配スリットに供給し、各々の前記複数の塗布液流出口から各々のホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を円筒状基材上に逐次形成させることにより達成される。
【0010】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、特に本実施例に限定されるものではない。
【0011】
図1に於いて、中心線Yに沿って垂直状に重ね合わしたエンドレスに形成された円筒状基材1A、1Bと、該円筒状基材1A、1Bに順次感光用の塗布液2を塗布する環状塗布装置3を示す。図の様に前記円筒状基材1Aを取り囲む様に、塗布液2のホッパー塗布面4が形成され、該ホッパー塗布面4に供給される塗布液2を前記円筒状基材1Aに順次塗布する様に構成している。塗布方法としては、前記環状塗布装置3を固定し、前記円筒状基材1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら上端部より塗布を行う。前記環状塗布装置3のホッパー塗布面4に塗布液2を供給するため、外部に設けた塗布液タンク5より送液ポンプ6の塗布液供給部6Aを前記環状塗布装置3に接続し、塗布液2を供給する。次に供給された塗布液2は、前記環状塗布装置3内に形成した環状の塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9より前記ホッパー塗布面4に塗布液2が連続的に供給され、塗布液2は前記円筒状基材1Aの全周面に塗布される。一方前記送液ポンプ6の塗布液供給部6Aより最も遠い位置で、前記環状の塗布液分配室7の一部より空気抜き部材10を該塗布液分配室7より外部に貫通するように設け、泡抜き用の空気抜き部材10の一部に開閉弁11を設け、塗布液2が塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9に供給が開始される時、開閉弁11を開いて空気抜き部材10より塗布液分配室7の空気が排気される。
【0012】
12は、前記ホッパー塗布面4より落下した塗布液2を液溜めする液溜部である。
【0013】
図2は、図1に示す前記環状塗布装置3の一部を切欠して示す斜視図である。
【0014】
図3は前記図1の環状塗布装置3の塗布液分配室7と空気抜き部材10間に空気溜室7Aを設け、若干の泡であれば前記空気溜室7Aに滞留した泡を溜め、塗布液分配室7と、塗布液分配スリット8より泡が流出するのを防止する。
【0015】
以上の環状塗布装置3を用いて円筒状基材1A、1Bに塗布液を塗布した時の実施例及び比較例を以下に示す。
【0016】
実施例1
(実施例及び比較例)
円筒状基材として、導電性支持体で且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0017】
前記円筒状基材に下記の如く塗布液組成物UCL−1〜3を調合し、図1、2に記載の如く環状塗布装置(空気抜き部材10が塗布液供給部6Aから最も離れた所にある)を用いて、下記表1に記載の如く塗布し、塗布ドラムNo1−1〜1−7を得た。
【0018】
UCL−1塗布液組成物
共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製) 2g
メタノール/n−ブタノール=10/1(Vol比) 1000ml
UCL−2塗布液組成物
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体(エスレックMF−10 積水化学社製)5g
アセトン/シクロヘキサノン=10/1(Vol比) 700ml
UCL−3塗布液組成物
エチレン−酢酸ビニル系共重合体(エルバックス4260 三井デュポンケミカル社製) 50g
トルエン/n−ブタノール=5/1(Vol比) 2000ml
【0019】
【表1】
Figure 0003680348
【0020】
以上表1に示す様に環状塗布装置に泡抜き用の空気抜き部材10を設けた場合は塗布性が良好であるが、泡抜き用の空気抜き部材10を設けない場合は塗布性が悪い結果を得た。
【0021】
実施例2
(実施例及び比較例)
円筒状基材として、導電性支持体で且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0022】
前記支持体上に下記の如く塗布液組成物CGL−1、−3、−4を調合し、図1、2に記載の如く環状塗布装置(空気抜き部材10が塗布液供給部6Aから最も離れた所にある)を用いて、下記表2に記載の如く塗布し、塗布ドラムNo2−1〜2−7を得た。
【0023】
CGL−1塗布液組成物
フルオレノン型ジスアゾ顔料(CGM−1) 25g
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 10g
メチルエチルケトン 1430ml
【0024】
【化1】
Figure 0003680348
【0025】
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0026】
CGL−3塗布液組成物
Y−型チタニルフタロシアニン(CGM−3) 10g
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 10g
t−酢酸ブチル 1000ml
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて17時間分散したもの。
【0027】
【化2】
Figure 0003680348
【0028】
CGL−4塗布液組成物
ペリレン系顔料(CGM−4) 50g
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 50g
メチルエチルケトン 2400ml
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0029】
【化3】
Figure 0003680348
【0030】
【表2】
Figure 0003680348
【0031】
以上表2に示す様に環状塗布装置に泡抜き用の空気抜き部材10を設けた場合は塗布性が良好であるが、泡抜き用の空気抜き部材10を設けない場合は、泡欠陥による色ムラ故障が有り、塗布性が悪い結果を得た。
【0032】
実施例3
(実施例及び比較例)
円筒状基材として、導電性支持体で、且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0033】
前記アルミニウムドラム支持体上に下記の如く塗布液組成物CTL−1を調合し、図3に図示した如く、図1の構成に、環状塗布装置の前記環状の塗布液分配室7と、空気抜き部材10間るトラップ室7Aを形成したものを用いて、下記表3に従い塗布し、1本目と1000本目の塗布ドラムNo3−1〜3−4を得た。なお塗布開始前には液量を充分に出し泡抜きを行った。
【0034】
CTL−1塗布液組成物
CTM−1 500g
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製) 560g
1,2−ジクロロエタン 2800ml
【0035】
【化4】
Figure 0003680348
【0036】
【表3】
Figure 0003680348
【0037】
以上表3に示す様に環状塗布装置に泡抜き用の空気抜き部材10を設けた場合は1本より1000本目迄、塗布性が良好であるが、泡抜き用の空気抜き部材10を設けない場合は、1本目は良好であるが、1000本目では泡の流出による泡故障が発生したり、膜厚ムラが有り、塗布性が悪い結果を得た。
【0038】
また塗布ドラムNo3−1とNo3−4の長手方向の膜厚プロフィールを図4(a),(b)に示す。図4(a)は、No3−1の塗布ドラムに於ける膜厚状態を示す。図4(b)はNo3−4の塗布ドラムに於ける膜厚状態を示す。以上の様に塗布ドラムNo3−1に対し、No3−4は膜厚変動が大きく、塗布性が悪い事が判る。
【0039】
実施例4
円筒状基材1A、1Bとして、導電性支持体で、且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0040】
実施例2の塗布ドラムNo2−1〜2−5上に、実施例3の塗布液組成物CTL−1を下記表4の如く、図3に図示の環状塗布装置3を用いて逐次重層した。
【0041】
塗布結果を下記表4に示す。塗布欠陥もなく塗布性は良好であり、長手方向の塗布膜厚ムラも発生しなかった。
【0042】
【表4】
Figure 0003680348
【0043】
以上の様に、本発明の塗布方法によれば、表1〜4から明らかな如く、塗布ムラや色ムラ等の膜厚変動や、泡故障による欠陥がなく、膜厚変動特に円周方向や長手方向のムラ、段ムラもなく、また重層性も優れることがわかる。
【0044】
また本発明の方法で多層からなる有機感光体を組み上げ実写テストを行ったところ、塗布ムラに起因する画像ムラはなく良好な画像が得られた。
【0045】
図5は環状塗布装置3の他の実施例を示す。本実施例に於いて図1と同一の構成は同一符号を用いて説明する。
【0046】
中心線Yに沿って垂直状に重ね合わしたエンドレスに形成した円筒状基材1A、1Bと、該円筒状基材1A、1Bに順次感光用の塗布液2を塗布する環状塗布装置3を示す。図の様に前記円筒状基材1A取り囲む様に、塗布液2のホッパー塗布面4が形成され、該ホッパー塗布面4に供給される塗布液2を前記円筒状基材1Aに順次塗布する様に構成している。塗布方法としては、前記環状塗布装置3を固定し、前記円筒状基材1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら上端部より塗布を行う。前記環状塗布装置3のホッパー塗布面4に塗布液2を供給するため、外部に設けた塗布液タンク5より送液ポンプ6の塗布液供給部6Aを前記環状塗布装置3に接続し、塗布液2を供給する。次に供給された塗布液2は、前記環状塗布装置3内に形成した環状の塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9より前記ホッパー塗布面4に塗布液2が連続的に供給され、先ず前記円筒状基材1A全周面に前記塗布液2が塗布されるが、前記送液ポンプ6よりの塗布液供給部6Aを、塗布液分配室7位置を同じ高さに設けるか、又は図示の様に下位置に設け、前記塗布液供給部6Aと、塗布液分配室7間に斜め上方に向かって導通孔3Aを形成する。今、円筒状基材1A、1Bに順次感光用の塗布液2を塗布するため、塗布液2が塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9に供給が開始される時、前記塗布液供給部6Aよりの塗布液2の流速を1〜12m/secとするのが最もよい。前記の様に構成する事で塗布開始時に前記環状の塗布液分配室7と、塗布液分配スリット8及びエンドレスの塗布液流出口9に泡が発生せず、ビート切れや、塗布ムラの発生を防止出来た。
【0047】
図6(a),(b),(c),(d),(e)は、塗布液分配室7と前記塗布液供給部6A間に設けた導通孔3Aと、該導通孔3Aと、前記塗布液分配スリット8との位置関係を示すもので、図(a),(c),(d),(e)は実施例、図(b)は比較例を示す。
【0048】
図6(a)は、塗布液分配スリット8の最上部高さに対して、導通孔3Aの最上部高さを+ΔHで示す位置迄低く形成した。図6(b)は図6(a)の実施例と逆の構成で、比較例であり、塗布液分配スリット8の最上部高さに対して、導通孔3Aの最上部高さを−ΔHで示す位置迄高く形成した。この場合は円筒状基材1A、1Bに対する塗布面の安定性が悪く、ビート切れや、膜厚変動や空気の巻き込みが起こり塗布ムラが発生し易く、前記円筒状基材1A、1Bの長手方向や、円周方向に膜厚ムラが発生する。図6(c)は、塗布液分配スリット8の高さに対して、導通孔3Aを若干低く低く形成した。図6(d)は、塗布液分配スリット8の高さに対して、導通孔3Aを下方より傾斜して塗布液分配室7迄上方に向かって形成した。図6(e)は、図6(d)同様に塗布液分配スリット8の高さに対して、導通孔3Aを下方より傾斜して塗布液分配室7迄上方に向かって形成し、導通孔3Aを塗布液分配室7と、塗布液分配スリット8に向かって開口した。尚、ΔHは塗布液分配スリット8の入口に於ける最も高い位置と、導通孔3Aの管の最も高い位置との差を示している。
【0049】
次に実施例5,6,7,8により作用を説明する。
【0050】
実施例5
(実施例及び比較例)
円筒状基材として、導電性支持体で、且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0051】
前記支持体上に下記の如く塗布液組成物UCL−1〜3を調合し、図6(a)に記載の如くの塗布液分配室を有する前記環状塗布装置(ΔHを変えた)を用いて、前記実施例1と同様に下記表5に記載の如く塗布し、塗布ドラムNo4−1〜4−5を得た。
【0052】
UCL−1塗布液組成物
共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製) 2g
メタノール/n−ブタノール=10/1(Vol比) 1000g
UCL−2塗布液組成物
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体(エスレックMF−10 積水化学社製)5g
アセトン/シクロヘキサノン=10/1(Vol比) 700g
UCL−3塗布液組成物
エチレン−酢酸ビニル系共重合体(エルバックス4260 三井デュポンケミ
カル社製) 50g
トルエン/n−ブタノール=5/1(Vol比) 2000ml
【0053】
【表5】
Figure 0003680348
【0054】
以上表5に示す様に、塗布液供給部3Aを、塗布液分配室7の内方に形成した塗布液分配スリット8の開口部位置と同じ高さに設けるか、又は図示の様にΔH分下位置に設けた時、塗布膜の円周、長手方向の塗布ムラが発生せず、良好な塗布効果を得る事が出来た。
【0055】
実施例6
(実施例及び比較例)
円筒状基材として、導電性支持体で、且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0056】
前記アルミニウムドラム支持体上に下記の如く塗布液組成物CGL−1、−3、−4を調合し、図6(a)に記載の如くの塗布液分配室7を有する前記環状塗布装置(ΔHを変えた)を用いて、前記実施例5と同様に下記表6に記載の如く塗布し、塗布ドラムNo5−1〜5−5得た。
【0057】
CGL−1塗布液組成物
フルオレノン型ジスアゾ顔料(CGM−1) 25g
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 10g
メチルエチルケトン 1430ml
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0058】
【化5】
Figure 0003680348
【0059】
CGL−3塗布液組成物
Y−型チタニルフタロシアニン(CGM−3) 10g
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 10g
t−酢酸ブチル 1000ml
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて17時間分散したもの。
【0060】
【化6】
Figure 0003680348
【0061】
CGL−4塗布液組成物
ペリレン系顔料(CGM−4) 50g
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 50g
メチルエチルケトン 2400ml
上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0062】
【化7】
Figure 0003680348
【0063】
【表6】
Figure 0003680348
【0064】
以上表6に示す様に、塗布液供給部3Aを、塗布液分配室7の内方に形成した塗布液分配スリット8の開口部位置と同じ高さに設けるか、又は図示の様にΔH分下位置に設けた時、塗布膜の円周、長手方向の塗布ムラが発生せず、良好な塗布効果を得る事が出来た。
【0065】
実施例7
(実施例)
円筒状基材として、導電性支持体で、且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0066】
前記アルミニウムドラム支持体上に下記の如く塗布液組成物CTL−1を調合し、図6(d)記載の如く、スライドホッパー型の塗布液分配室7を有す前記環状塗布装置を用いて、下記表7に記載の如く塗布し、塗布ドラムNo6−1〜6−3を得た。
【0067】
CTL−1塗布液組成物
CTM−1 500g
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製) 560g
1,2−ジクロロエタン 2800ml
【0068】
【化8】
Figure 0003680348
【0069】
【表7】
Figure 0003680348
【0070】
以上の様に結果を表7に示す。又塗布ドラムNO6−1の円周方向及び長手方向の膜厚プロフィールを図9(a),(b)に示す。図9(a),(b)より円周方向及び長手方向とも良好なプロフィールを示している。
【0071】
実施例8
(実施例)
円筒状基材として、導電性支持体で、且つ鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0072】
実施例6の塗布ドラムNO5−1〜5−3上に実施例7の塗布液組成物CTL−1を下記表8の如く、図6(e)に記載の塗布液分配室7を有するスライドホッパー型の前記環状塗布装置を用いて、逐次重層した。
【0073】
【表8】
Figure 0003680348
【0074】
以上の様に塗布結果を表8に示す。塗布性は良好であり、塗布ドラムの円周方向及び長手方向の塗布膜厚ムラはなかった。
【0075】
本発明の塗布方法によれば、表5〜8から明らかな如く、ビードの安定性が良く、塗布ムラや色ムラ等の膜厚変動特に、円周方向や長手方向のムラ、段ムラもなく、また重層性も優れることがわかる。
【0076】
また本発明の方法で多層からなる有機感光体を組み上げ実写テストを行ったところ、塗布ムラに起因する画像ムラはなく良好な画像が得られた。
【0077】
図7は、前記図1の実施例に用いられた環状塗布装置3を用いてエンドレスに形成した円筒状基材1A、1Bに感光体となる塗布液を同時に重層塗布する他の実施例を示す。
【0078】
図7に於いて、中心線Yに沿って垂直状に重ね合わした円筒状基材1A、1Bと、該円筒状基材1A、1Bに順次感光用の塗布液2を塗布する環状塗布装置3を示す。図の様に前記円筒状基材1A取り囲む様に、塗布液2,2Aのホッパー塗布面4が形成され、該ホッパー塗布面4に供給される塗布液2,2Aを前記円筒状基材1Aに順次塗布する様に構成している。塗布方法としては、前記環状塗布装置3を固定し、前記円筒状基材1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら上端部より塗布を行う。前記環状塗布装置3のホッパー塗布面4に塗布液2,2Aを供給するため、外部に設けた塗布液タンク5,51より送液ポンプ6の塗布液供給部6Aを下位置に、送液ポンプ61の塗布液供給部6Bを上位置に各々取り付けて前記環状塗布装置3に接続し、塗布液2,2Aを供給する。
【0079】
次に供給された塗布液2,2Aは、前記環状塗布装置3内に形成した環状の塗布液分配室7には前記塗布液2を供給し、該環状塗布装置3内に形成した環状の塗布液分配室71には前記塗布液2Aを供給する。先ず供給された塗布液2は塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9より前記ホッパー塗布面4に塗布液2が連続的に供給され、前記円筒状基材1Aの全周面に先ず塗布液2に塗布される。その際、前記送液ポンプ6の塗布液供給部6Aより最も遠い位置で、前記環状の塗布液分配室7の一部より空気抜き部材10を該塗布液分配室7より外部に貫通するように設け、泡抜き用の空気抜き部材10の一部に開閉弁11を設け、塗布液2が塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9に供給が開始される時、開閉弁11を開いて空気抜き部材10より塗布液分配室7の空気が排気される。
【0080】
更に前記塗布液分配室71には前記塗布液2Aが供給される。供給された塗布液2Aは塗布液分配スリット81よりエンドレスの塗布液流出口91より前記塗布された塗布液2面上に連続的に供給され、前記円筒状基材1Aの全周面に先ず塗布液2の表面に塗布液2Aが重層塗布される。その際、前記送液ポンプ61の塗布液供給部6Bより最も遠い位置で、前記環状の塗布液分配室71の一部より空気抜き部材101を該塗布液分配室71より外部に貫通するように設け、泡抜き用の空気抜き部材101の一部に開閉弁111を設け、塗布液2Aが塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット81よりエンドレスの塗布液流出口91に供給が開始される時、開閉弁111を開いて空気抜き部材101より塗布液分配室7の空気が排気される。
【0081】
12は、前記ホッパー塗布面4より落下した塗布液2を液溜めする液溜部である。
【0082】
図8は前記図1の実施例に使用されている環状塗布装置3を上下に配置し、前記図7に示すようにエンドレスに形成した円筒状基材1A、1Bに塗布液の重層塗布を行う実施例である。先ず前記図1と同様にホッパー塗布面4に供給される塗布液2を前記円筒状基材1Aに順次塗布する。塗布方法としては、前記環状塗布装置3を固定し、前記円筒状基材1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら上端部より塗布を行う。前記環状塗布装置3のホッパー塗布面4に塗布液2を供給するため、外部に設けた塗布液タンク5より送液ポンプ6の塗布液供給部6Aを前記環状塗布装置3に接続し、塗布液2を供給する。次に供給された塗布液2は、前記環状塗布装置3内に形成した環状の塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9より前記ホッパー塗布面4に塗布液2が連続的に供給され、塗布液2は前記円筒状基材1Aの全周面に一層目が塗布れれる。一方前記送液ポンプ6の塗布液供給部6Aより最も遠い位置で、前記環状の塗布液分配室7の一部より空気抜き部材10を該塗布液分配室7より外部に貫通するように設け、泡抜き用の空気抜き部材10の一部に開閉弁11を設け、塗布液2が塗布液分配室7に供給されて塗布液分配スリット8よりエンドレスの塗布液流出口9に供給が開始される時、開閉弁11を開いて空気抜き部材10より塗布液分配室7の空気が排気される。更に前記環状塗布装置3の上部に環状塗布装置32が設けられている。
【0083】
一層目の塗布液2が塗布された塗布液2は熱源Hで乾燥され、円筒状基材1Aは矢示方向に上昇し、環状塗布装置32のホッパー塗布面42部に進入する。ホッパー塗布面42に供給される塗布液42を前記円筒状基材1Aに塗布された塗布液2面上に順次重層塗布する。塗布方法としては、前記同様に前記環状塗布装置32を固定し、前記円筒状基材1Aを中心線Yに沿って矢印方向に上昇移動させながら上端部より重層塗布を行う。前記環状塗布装置32のホッパー塗布面42に塗布液2Aを供給するため、外部に設けた塗布液タンク52より送液ポンプ62の塗布液供給部6Cを前記環状塗布装置32に接続し、塗布液2Aを供給する。次に供給された塗布液2Aは、前記環状塗布装置32内に形成した環状の塗布液分配室72に供給されて塗布液分配スリット82よりエンドレスの塗布液流出口92より前記ホッパー塗布面42に塗布液2Aが連続的に供給され、塗布液2Aは前記円筒状基材1Aに塗布された塗布液2の全周面に塗布れれる。一方前記送液ポンプ62の塗布液供給部6Cより最も遠い位置で、前記環状の塗布液分配室72の一部より空気抜き部材102を該塗布液分配室72より外部に貫通するように設け、泡抜き用の空気抜き部材102の一部に開閉弁112を設け、塗布液2Aが塗布液分配室72に供給されて塗布液分配スリット82よりエンドレスの塗布液流出口92に供給が開始される時、開閉弁112を開いて空気抜き部材102より塗布液分配室72の空気が排気される。12は、前記ホッパー塗布面4より落下した塗布液2を液溜めする液溜部である。
【0084】
【発明の効果】
本発明は請求項1に於いて、塗布装置に内に形成した塗布液分配室より、外部に貫通する泡抜き用の空気抜き部材を少なくとも1つ以上設ける事により、塗布液分配室に塗布液の給送が開始された時、塗布液分配室内の空気が塗布液の給送に従って前記空気抜き部材より排気され、塗布液が円滑に塗布液分配室内に給送されるため、空気の空隙が出来ず、塗布液に泡が発生しない。従って塗布液分配室より供給される塗布液分配スリットとホッパー塗布面の塗布液にも塗布液変動や泡が発生せず、円筒状基材に対して塗布液の給送が円滑であり塗布ムラや膜厚変動が発生しない。
【0085】
請求項2に於いて、前記塗布液分配室の泡抜き用の空気抜き部材を、塗布液分配室に塗布液を供給される位置に対して最も離れた位置に設ける事で、膜厚変動や前記塗布液分配室の泡の発生を最大限に防止出来る。
【0086】
請求項3に於いて、エンドレスに形成された円筒状基材に対し、塗布装置内に形成した環状の塗布液分配室より、外部に貫通する泡抜き用の空気抜き部材を少なくとも1つ以上設ける事により、環状に形成した塗布液分配室に塗布液の給送が開始された時、該塗布液分配室内の空気が塗布液の給送に従って前記空気抜き部材より円滑に排気され、従って塗布液が円滑に塗布液分配室内に給送されるため、塗布液に泡が発生しない。従って塗布液分配室より供給される塗布液分配スリットと、環状の塗布液流出口及びホッパー塗布面の塗布液にも泡が一切発生せず、エンドレスに形成した円筒状基材に対して塗布液の給送が円滑であり塗布ムラが発生しない。
【0087】
請求項4に於いて、エンドレスに形成された円筒状基材に対し、重層して塗布液を塗布する塗布装置で、該塗布装置内に形成した環状の塗布液分配室を複数設け、該複数の環状塗布液分配室より各々外部に貫通する泡抜き用の空気抜き部材を少なくとも1つ以上設ける事により、環状に形成した塗布液分配室に塗布液の給送が開始された時、該複数の塗布液分配室内の空気が塗布液の給送に従って前記空気抜き部材より円滑に排気されるため、2ヵ所より供給される塗布液が円滑に複数の塗布液分配室内に各々給送され、塗布液に泡が発生しない。従って複数の塗布液分配室より供給される塗布液分配スリットと、環状の塗布液流出口及びホッパー塗布面の塗布液にも泡が一切発生せず、エンドレスに形成した円筒状基材に対して塗布液の給送が円滑であり塗布ムラが発生しない。
【0088】
請求項5に於いて、エンドレスに形成された円筒状基材に対し、重層して塗布液を塗布する塗布装置で、複数の塗布装置内を前記円筒状基材の上下に配置し、前記塗布装置内に環状の塗布液分配室を各々設け、環状塗布液分配室より各々外部に貫通する泡抜き用の空気抜き部材を少なくとも1つ以上設ける事により、環状に形成した塗布液分配室に各々塗布液の給送が開始された時、塗布液分配室内の空気が塗布液の給送に従って前記空気抜き部材より円滑に排気されるため、上下2ヵ所より順次供給される塗布液が上下の塗布液分配室内に各々円滑に給送され、塗布液に泡が発生しない。従って各々の塗布液分配室より供給される塗布液分配スリットと、環状の塗布液流出口及びホッパー塗布面の塗布液にも泡が一切発生せず、エンドレスに形成した円筒状基材に対して重層塗布液の給送が円滑であり塗布ムラが発生しない。
【0089】
請求項6に於いて、塗布装置に形成した環状の塗布液分配室に対し、塗布液の供給位置を同じ高さか、下方位置より供給することで円筒状基材の塗布面の安定性が良好であり、ビート切れ、塗布ムラ、膜厚変動或いは空気の巻き込みが無い。
【0090】
請求項7に於いて、エンドレスに形成された円筒状基材に対し、塗布装置内に形成した環状の塗布液分配室より、塗布液の供給位置を同じ高さか、下方位置より供給する。即ち供給口と出口の高低差をつけ、供給口の高さの方を同じか低くする事により、円筒状基材の塗布面の安定性が良好であり、ビート切れ、塗布ムラ、膜厚変動或いは空気の巻き込みが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の塗布装置の塗布状態を示す縦断面図。
【図2】 本発明の塗布装置の斜視図。
【図3】 本発明の他の実施例を示す塗布装置による塗布状態を示す縦断面図。
【図4】 本発明と従来のドラム長手方向に対する塗布液のプロフィール状態を示す特性図。
【図5】 本発明の他の実施例を示す塗布装置による塗布状態を示す縦断面図。
【図6】 図5に示す実施例の塗布装置に於ける塗布液の供給口を示す断面図。
【図7】 本発明の他の実施例を示す塗布装置による塗布状態を示す縦断面図。
【図8】 本発明の他の実施例を示す塗布装置による塗布状態を示す縦断面図。
【図9】 本発明のドラムの長手方向と円周方向に対する塗布液のプロフィール状態を示す特性図。
【符号の説明】
1A,1B 円筒状基材
2,2A 塗布液
3,32 塗布装置
3A 導通孔
4,42 ホッパー塗布面
5,52 塗布液タンク
6,62 送液ポンプ
6A,6B,6C 塗布液供給部
7,72 塗布液分配室
8,82 塗布液分配スリット
9,92 塗布液流出口
10,101,102 空気抜き部材
11,111,112 開閉弁

Claims (9)

  1. 長手方向に移動する円筒状基材の周囲を環状に取囲み、内部に環状の塗布液分配室と、該塗布液分配室に対して外部から塗布液を供給する供給口と、前記塗布液分配室の内方に開口するスリットとを有する塗布装置において、前記塗布液分配室の上方に空気抜き口を少なくとも1つ以上設けたことを特徴とする塗布装置。
  2. 前記塗布液の供給口位置より離れた位置に前記空気抜き口を有することを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
  3. エンドレスに形成された連続周面を有する円筒状基材と、塗布液を外部から供給する供給口より環状の塗布液分配室を経て、該塗布液分配室の内方に開口する塗布液分配スリットを通じ、前記円筒状基材周面を取り囲むように該円筒状基材全周にわたって近接形成されたホッパー塗布面に設けられたエンドレスの塗布液流出口を形成すると共に、該塗布液流出口より前記ホッパー塗布面に塗布液を流出させ、前記円筒状基材と前記ホッパー塗布面の先端部に連続的に供給させて、移動する前記円筒状基材周面に塗布液を塗布する方法において、前記塗布液分配室の上方に空気抜き口を少なくとも1つ以上設けたことを特徴とする塗布方法。
  4. 各々複数の前記塗布液分配スリット及び複数の前記塗布液流出口を設け、異なる塗布液を前記複数の塗布液分配スリット及び複数の塗布液流出口から同一ホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を同時に円筒状基材上に形成させることを特徴とする請求項3記載の塗布方法。
  5. 各々複数の前記塗布液分配スリット、複数の前記塗布液流出口及びホッパー塗布面を設け、異なる塗布液を各々の前記複数の塗布液分配スリットに供給し、各々の前記複数の塗布液流出口から各々のホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を前記円筒状基材上に逐次形成させることを特徴とする請求項3記載の塗布方法。
  6. 長手方向に移動する円筒状基材の周囲を環状に取囲み、内部に環状の塗布液分配室と、該塗布液分配室に対して外部から塗布液を供給する供給口と、前記塗布液分配室の内方に開口するスリットとを有する塗布装置において、前記供給口の入り口部位置は、前記塗布液分配室に対して前記スリットの内方の開口部と同じ高さ乃至は下方に位置することを特徴とする塗布装置。
  7. エンドレスに形成された連続周面を有する円筒状基材と、塗布液を外部から供給する供給口より環状の塗布液分配室を経て、該塗布液分配室の内方に開口する塗布液分配スリットを通じ、前記円筒状基材周面を取り囲むように前記円筒状基材全周にわたって近接形成されたホッパー塗布面に設けられたエンドレスの塗布液流出口を形成すると共に、該塗布液流出口より前記ホッパー塗布面に塗布液を流出させ、前記円筒状基材と前記ホッパー塗布面の先端部に連続的に供給させて移動する前記円筒状基材周面に塗布液を塗布する方法において、前記供給口の入り口部は、前記塗布液分配室に対して前記塗布液分配スリットの内方の開口部と同じ高さ乃至は下方に位置する塗布装置により塗布することを特徴とする塗布方法。
  8. 各々複数の前記塗布液分配スリット及び前記塗布液流出口を設け、異なる塗布液を塗布液分配スリット及び塗布液流出口から同一ホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を同時に基材上に形成させることを特徴とする請求項6記載の塗布方法。
  9. 各々複数の前記塗布液分配スリット、前記塗布液流出口及びホッパー塗布面を設け、異なる塗布液を各々の塗布液分配スリットに供給し、各々の前記複数の塗布液流出口から各々のホッパー塗布面にあるスライド面上に流出させ、複数の塗布層を円筒状基材上に逐次形成させることを特徴とする請求項7記載の塗布方法。
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