JP4111213B2 - 電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置及び塗布方法 Download PDF

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Description

本発明はエンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材の外周面上に、塗布液を均一に塗布する塗布装置及び塗布方法に関するものである。
エンドレスに形成された連続面を有する基材の外面上への薄膜で均一な塗布に関連してスプレー塗布法、浸漬塗布法、ブレード塗布法、ロール塗布法等の種々の方法が検討されている。特に電子写真感光体ドラムのような薄膜で均一な塗布については生産性の優れた塗布装置を開発すべく検討されている。しかしながら、従来のエンドレスに形成された連続面を有する基材への塗布方法においては、未だ尚均一な塗膜が得られなかったり生産性が悪い等の短所がある。
ブレード塗布法、ロール塗布法は例えば円筒状基材の長さ方向にブレードもしくはロールを配置し該円筒状基材を回転させて塗布を行い円筒状基材を1回転させた後ブレードもしくはロールを後退させるものである。しかしながらブレードもしくはロールを後退させる際、塗布液の粘性により、塗布膜厚の一部に他の部分より厚い部分が生じ、均一な塗膜が得られない欠点がある。
浸漬塗布法は、上記におけるような塗布液表面の平滑性、塗布膜の均一性の悪い点は改良される。
しかし塗布膜厚の制御が塗布液物性例えば粘度、表面張力、密度、温度等と塗布速度に支配され、塗布液物性の調整が非常に重要となる。また塗布速度も低いし、塗布液槽を満たすためにはある一定量以上の液量が必要である。さらに重層する場合、下層成分が溶け出し塗布液槽が汚染されやすい等の欠点がある。
これに対しスプレー塗布法では塗布方法が簡便であり、重層しやすくまた塗布液も少量かつ浸漬塗布の如くには汚染されない利点がある。しかしながら特許文献1、特許文献2、特許文献3を見ても判るようにドラムを回転させねばならず、スプレー開始と最後においての塗布ムラの発生は避けられないし、またスプレー塗布の性質上塗布面積が広がるので周囲への汚染あるいは塗布の効率が落ちる欠点を有する。
特開昭57−132152号公報 特開昭62−75456号公報 特開昭63−41859号公報
本発明は前記実情に鑑みて提案されたものであり、その目的とするところのものは、円筒状基材の外周面上に塗布された塗布液層に塗布ムラや膜厚変動がなく、周囲への汚染が無く、効率の良い優れた円筒状基材の塗布装置及び塗布方法を提供することにある。
本発明の前記目的は、以下の手段によって達成される。
すなわち、請求項1に記載の電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置は、電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面から所定近距離に離間して配置され、該電子写真感光体ドラム用円筒状基材の筒軸を合わせて積み重ね、下方から上方へ垂直に連続的に押し上げながら、電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面上に塗布液を塗布する電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置において、
前記塗布装置は、塗布液補給タンクから送液ポンプにより供給管を経て送液される塗布液をトラップする環状塗布液トラップ室と、該環状塗布液トラップ室と連通し該送液ポンプの加圧力によって該塗布液を前記電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面に向けて噴射する処理液吐出部と、から構成される環状噴射塗布ヘッドを有する塗布装置であって、
前記電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面と前記処理液吐出部の先端との距離が1〜10mmであることを特徴とするものである。
請求項2に記載の電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置は、請求項1に記載の電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置において、前記処理液吐出部がスリットであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布方法は、請求項1又は2に記載の電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置を用いて、塗布液補給タンクから送液ポンプにより供給管を経て送液される塗布液を該送液ポンプの加圧力によって電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面に噴射させて、塗布層を形成することを特徴とするものである。
また、以下の(ア)から(エ)に記載の発明、すなわち、
(ア) 電子写真感光体ドラム用円筒状基材の筒軸を合わせて積み重ね、下方から上方へ垂直に押し上げながら、前記円筒状基材の外周面上に塗布液を連続的に塗布する円筒状基材の塗布装置において、前記塗布装置が前記円筒状基材の外周面から所定距離離間し、環状をなすスプレー塗布ヘッドを有する環状スプレー塗布装置であり、前記円筒状基材の外周面とスプレー塗布ヘッドの処理液吐出部との距離が5〜200mmであることを特徴とする円筒状基材の塗布装置、
(イ) 前記(ア)において、前記処理液吐出部の近傍に、加圧されたガスを噴出するキャリアガス噴出口が配置されたことを特徴とする円筒状基材の塗布装置、
(ウ) 前記(ア)又は(イ)において、前記スプレー塗布ヘッドの処理液吐出部がスリットであることを特徴とする円筒状基材の塗布装置、
(エ) 前記(ア)乃至(ウ)のいずれかに記載の塗布装置を用いて、電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面上に塗布液を連続的または断続的に塗布する円筒状基材の塗布方法、によっても上記の目的を達成することができる。
本発明に係る電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置及び塗布方法によれば、(1)円周方向の塗布ムラが無い、(2)ドラム回転装置が不要である、(3)高速塗布に対応できる、(4)表面粗さの大きな感光体ドラム塗布にも対応できる、(5)円筒状基材と塗布ヘッド間の間隙の許容度が厳しくない、等の優れた効果に加え、(6)円筒状基材と円筒状基材間の塗布不要部分を塗布しなくても良いようにでき、塗布の立ち上がりや停止特性がよい等の優れた効果が得られる。
また、前記(ア)〜(エ)に記載の発明によれば、前記(1)〜(4)に記載の効果が得られる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。以下の説明では、電子写真感光体ドラム用円筒状基材は、特に断りのない限り、円筒状基材という。
図1は本発明及び前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る連続塗布装置の全体構成を示す斜視図である。図において、2は円筒状基材1を塗布手段の垂直下方の所定位置に供給して上方に押し上げる供給手段、3は供給された円筒状基材1の外周面を把持して筒軸を合わせて積み重ね下から上へ垂直に押し上げて搬送する搬送手段、4は前記円筒状基材1を塗布装置の環状塗布部の中心に位置合わせする位置決め手段、5は前記円筒状基材1の外周面上に塗布液を連続的に塗布する塗布手段、6は円筒状基材1上に塗布された塗布液を乾燥させる乾燥手段、7は乾燥されて垂直搬送されてきた積み重ね状の複数の円筒状基材から分離させて円筒状基材を1個ずつ取り出し排出させる分離排出手段である。
本発明及び前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る連続塗布装置は、上記の各手段を連続して垂直中心線Z−Z上に配置した構成であり、人手を要しない完全自動化生産が高精度で達成される。即ち、前記供給手段2は前記円筒状基材1を載置するための複数の取り付け手段2Aを備えた可動テーブル2B、該可動テーブル2Bを回転させて前記搬送手段3へつながる垂直ラインへ送り込む駆動手段2C、前記搬送手段3により既に上方に把持搬送されている円筒状基材1を積み重なるように上方に押し上げる昇降手段2D、該昇降手段2Dの上端に設けられた円筒状基材供給用のハンド手段2E及び前記駆動手段2Cによる回転や昇降手段2Dによる押し上げのタイミングを制御する図示しない制御手段等から構成されている。
前記供給手段2の上方に設けられた搬送手段3は、円筒状基材1の外周面に圧接離間可能で且つ垂直上下方向に移動可能な2組の把持手段3A,3Bを有し、円筒状基材1を位置決めして把持し上方に搬送する機能を有する。
前記塗布手段5は、塗布ヘッド5A、送液管5B、圧送ポンプ5C、貯留タンク5Dから構成されている。
図2は本発明及び前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る他の実施の形態である逐次連続塗布装置を示す斜視図である。この実施の形態では、前記搬送手段3の上方の垂直中心線Z−Z上には、位置決め手段41、塗布手段51、乾燥手段61とから成るユニット(i)、位置決め手段42、塗布手段52、乾燥手段62とから成るユニット(ii)、位置決め手段43、塗布手段53、乾燥手段63とから成るユニット(iii)、を複数組垂直縦列配置したものである。最上段には前記分離排出手段7が配置されている。各塗布手段51、52、53からそれぞれ吐出された塗布液は、円筒状基材1上に多層の塗布層を逐次形成し、各乾燥手段61,62,63により乾燥されたのち、分離排出手段7により把持されてた上段の円筒状基材1は、下方の円筒状基材1から分離されて、機外のパレット上に載置される。
図3〜図5は、前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る円筒状基材の塗布装置の第1の実施の形態を示し、図3は塗布装置の部分断面斜視図、図4は該塗布装置による処理液塗布状態を示す断面図、図5は前記塗布装置の部分拡大断面図である。
これらの図に示されるように、垂直中心線Z−Zに沿って垂直状に重ね合わせた複数の円筒状基材1を連続的に矢示方向に上昇移動させ、その周囲を取り囲み、円筒状基材1の外周面に対し環状スプレー塗布装置10により塗布液Lが塗布される。なお、円筒状基材1としては中空ドラム例えばアルミニウムドラム、プラスチックドラムのほかシームレスベルト型の基材でも良い。
前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る円筒状基材の塗布装置は、垂直型環状スプレー塗布装置であって、環状スプレー塗布装置(以下、塗布ヘッドと称す)10と、環状塗布液タンク20と、送液ポンプ(加圧手段)21と、塗布液補給タンク22と、供給管23と、キャリアガス加圧手段31と、角度調整用ガス加圧手段32とから構成されている。前記送液ポンプ(加圧手段)21、キャリアガス加圧手段31、角度調整用ガス加圧手段32は、制御手段33により円筒状基材1への処理液塗布時の各加圧力やタイミング等の条件が制御される。
前記塗布ヘッド10には、円筒状基材1側に開口する幅狭のスリット状をなす塗布液吐出用スリット部(以下、スリットと略称する)11が水平方向に環状に形成されている。このスリット11は、供給室部12、送液管24を介して、環状塗布液タンク20に連通している。この環状塗布液タンク20には、塗布液補給タンク22内の感光液Lが送液ポンプ21により供給管23を介して供給されるようになっている。
前記スリット11の周囲には、キャリアガス噴出口部13が、前記スリット11とほぼ平行して近接配置されている。該キャリアガス噴出口部13は、供給室部14を介して、前記キャリアガス加圧手段31に連通している。該キャリアガス加圧手段31により圧送される高圧ガスは、前記供給室部14を介して、キャリアガス噴出口部13から噴出する。前記キャリアガス噴出口部13からのキャリアガス噴出により、近接する前記スリット11内から吐出された処理液は霧状に噴射されて、円筒状基材1の外周面上に塗布され、均一な塗布層が形成される。
さらに、前記キャリアガス噴出口部13の近傍には、噴出ガス角度調整用吐出口部(以下、ガス吐出口部と称す)15が開口している。該ガス吐出口部15は、前記角度調整用ガス加圧手段32に接続し、高圧ガスを前記スリット部11に対向する円筒状基材1の外周面の方向にほぼ向けて噴射する。該ガス吐出口部15から噴射された高圧ガスは、前記キャリアガス噴出口部13から噴出された高圧のキャリアガスに衝突して、キャリアガスの拡散方向を偏向することにより、前記スリット11から吐出される処理液の流路を最適条件にする。
図3における前記塗布ヘッド10のスリット11の間隙t1は、0.3〜1.5mmが良く、0.3mmより小では塗布ムラができやすく、1.5mmより大だと液だれが生じやすい。好ましくは0.2〜1.2mmが良い。
円筒状基材1とスリット11の先端部間の距離d1は5〜200mmが良い。5mmより小さいと、噴射力が強すぎ処理液の跳ね返りが生じるおそれがあり、200mmを越えると塗布ムラができやすい。
キャリアガス圧は0.1〜10kg/cm、塗布液の流出速度は0.01〜10ml/secが良い。
この塗布方法では、ドラム回転部が不要であり、回転部によるゴミ飛散汚染はない。また、送液量のほぼすべてが円筒状基材1上に塗布され、円筒状基材1表面が粗面であっても、また円筒状基材1とスリット11との距離d1が多少ズレていても良好に塗布できる利点がある。更に、この塗布装置は40mm/sec以上の高速塗布にも対応できる。
図6(a)は、前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る円筒状基材の塗布装置の第2の実施の形態を示す部分断面斜視図、図6(b)は、塗布液吐出用ノズル部周辺の拡大図である。
前記環状スプレー塗布装置(塗布ヘッド)10は、複数の塗布ヘッドユニット100に分割され、該塗布ヘッドユニット100が放射状に配置された集合体をなす。各塗布ヘッドユニット100には、塗布液吐出用ノズル110、該塗布液吐出用ノズル110を中心にして環状に配置されたキャリアガス噴出口部130、該キャリアガス噴出口部130のさらに外方に環状に配置された噴出ガス角度調整用吐出口部(ガス吐出口部)150が設けてある。前記各塗布液吐出用ノズル110は送液管24を介して環状塗布液タンク20に連通している。また、各キャリアガス噴出口部130は、前記キャリアガス加圧手段31に連通している。各噴出ガス角度調整用吐出口部150は、前記角度調整用ガス加圧手段32に接続している。
前記塗布液吐出用ノズル110の出口部直径は、0.3〜1.5mmが良い。0.3mmより小さいと塗布ムラが発生し易く、1.5mmより大であると液ダラが発生し易い。したがって、出口部直径は、0.3〜1.5mm、好ましくは、0.2〜1.2mmが良い。
図7は、本発明に係る円筒状基材の塗布装置の実施の形態を示す断面図である。なお、この図面に使用されている符号について、図4と同じ機能を有する部分には、同符号を付している。
この実施の形態は、環状塗布液トラップ室16を塗布ヘッド10内に設けたものである。即ち、前記スリット11に連通して環状をなす環状塗布液トラップ室16がスリット11の周囲を取り囲んでいる。該環状塗布液トラップ室16内には、前記処理液補給タンク22内の処理液が前記送液ポンプ21により供給管23を介して送り込まれる。
なお、前記円筒状基材1とスリット11の先端部間の距離d1が、前記の200mmより大きく、スリット11から噴出される処理液の圧力が充分大きい場合には、前記キャリアガス噴出口部13及び噴出ガス角度調整用吐出口部15の何れかまたは両方を省略することもできる。
この実施の形態は、塗布液補給タンク22から送液ポンプ21により供給管23を経て、塗布ヘッド10に送られてd2なる間隙を介して、塗布液吐出用スリット部11より塗布液を噴出させて、塗布層を形成するものである。なお、環状塗布液トラップ室16は、前記塗布ヘッド10内に設けてある。
従来の押し出しコーターは、円筒状基材1と塗布ヘッドとの間にビードを形成して、塗布液を塗布するものであるが、本発明に係る円筒状基材の塗布装置による塗布は、ビードを形成せず、噴射によって塗布するものである。
この実施の形態は、円筒状基材1と前記スリット11の先端部間の距離d2を、前実施の形態1における距離d1より小さく設定したものである。
前記塗布ヘッド10のスリット11の間隙t2は0.1mm〜1.5mmが良く、0.1mmより小では塗布ムラが大きくなり、1.5mmより大だと液だれが生じやすい。好ましくは0.2〜1.2mmが良い。
円筒状基材1とスリット11先端部間の距離d2は1〜10mmが良い。1mmより小であると、塗布開始時に、スリット11の中心軸が正確に設置されていないと、円筒状基材1の外周面に接触するおそれがあり、10mmを越えると塗布ムラができやすい。
本発明に係る円筒状基材の塗布装置による塗布方法では、円筒状基材1とスリット11先端部間距離d2が前記d1より近接している為、送液量すべてが円筒状基材1上に塗布され、円筒状基材1表面が粗面であっても、また、円筒状基材1とスリット先端部間距離d2が多少ズレていても良好に塗布できる利点がある。また、前記の環状スプレー塗布装置と異なり、キャリアガス加圧手段31により圧送される高圧のキャリアガスを使用しないため、塗布液噴射が弱く、重層塗布時に、下層を変形することないから、重層塗布時に好適である。
更に、本発明に係る円筒状基材の塗布装置は40mm/sec以上の高速塗布にも対応できるし、また、先行する円筒状基材1と後続する円筒状基材1間のいわゆる非画像部を塗布しないよう塗布部のオン−オフ対応にも追従できる。即ち、円筒状基材間の端面に塗布された処理液を剥離する工程が不要となる。
図8は、本発明に係る円筒状基材の塗布装置の別の実施の形態を示す平面断面図である。
この実施の形態は、塗布ヘッド10の内部に環状塗布液トラップ室16を設け、該環状塗布液トラップ室16の一方の端部に複数の塗布液噴射用ノズル17を環状に配置したものである。前記塗布液補給タンク22から前記送液ポンプ21により供給管23を介して前記環状塗布液トラップ室16内に送り込まれた高圧の塗布液は、前記複数の塗布液噴射用ノズル17から噴射されて、円筒状基材1の外周面に塗布される。
次に、実施例について本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(参考例1)
(参考例及び比較例)
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
前記支持体上に下記の塗布液組成物UCL−1、ポリマー濃度(質量%)を調製し、図1に記載の如くの連続塗布装置を用いて、図6の塗布ヘッドを用い、距離d1を3〜300mmに変化させて塗布し、塗布ドラムNo.1−1〜5を得た。なお、円筒状基材の移動速度は50mm/secで行った。乾燥膜圧は0.3μmであった。
UCL−1塗布液組成物
共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製) 1g
メタノール/n−ブタノール=10/1(Vol比) 1000g
結果を表1に示す。
Figure 0004111213
距離d1=5〜200mmの範囲で塗布性は良好であり、塗布ムラや膜厚変動は見られなかった。
(参考例2)
前記参考例1で塗布したUCL−1塗布液組成物上に、下記の如く各塗布液組成物CGL−1、CGL−2及びCGL−3を調製し、それぞれ図1及び図3に記載の如くの連続塗布装置を用いて塗布し、それぞれ塗布ドラムNo.2−1〜2−3を得た。なお、円筒状基材の移動速度は25mm/secで行った。
CGL−1塗布液組成物
フルオレノン型ジスアゾ顔料(CGM−1) 25g
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 10g
メチルエチルケトン 1430ml
上記塗布液組成物(固形分については固形分質量比CGM−1:BX−L=3:1に固定)をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
CGL−2塗布液組成物
ペリレン系顔料(CGM−2) 500g
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 500g
メチルエチルケトン 24l
上記塗布液組成物(固形分については固形分質量比CGM−2:BX−L=2:1に固定)をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
CGL−3塗布液組成物
Y−型チタニルフタロシアニン(CGM−3) 100g
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 100g
t−酢酸ブチル 10000ml
上記塗布液組成物(固形分については固形分質量比CGM−3:KR−5240=2:1に固定)をサンドミルを用いて17時間分散したもの。
Figure 0004111213
塗布結果を表2に示す。
Figure 0004111213
距離d1=50mmで、重層塗布性は良好であり、塗布ムラや膜厚変動は見られなかった。
なお、比較例として特開昭62−75458号公報の実施例と同様にして上記塗布液を塗布したがスプレー開始と最後の塗布ムラを拾い色ムラが発生した。
(実施例1)
前記参考例2の塗布ドラムNo.2−2上に下記の如く塗布液組成物CTL−1を調製し、図1及び図7に記載の如くの塗布装置を用いて、距離d2を0.5〜15mmの範囲で変化させ、膜厚20μmの塗布ドラムNo.3−1〜3−5を得た。なお基材の移動速度は15mm/secで行った。
CTL−1塗布液組成物
CTM−1 5000g
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製) 5600g
1,2−ジクロロエタン 28000ml
Figure 0004111213
塗布結果を表3に示す。
Figure 0004111213
塗布ムラや膜厚変動もなく、重層塗布性は良好であった。
(実施例2)
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を用いた。
前記支持体上に参考例1のUCLを、この上に参考例2のCGL−2を、更にこの上に実施例1のCTL塗布組成物CTL−1を図2に記載の如くの塗布装置を3段、離して積み重ねたいわゆる逐次塗布装置(前記図7に示す塗布ヘッドを3段配置した装置)により塗布し、感光体ドラムを得た。
重層塗布性は良好であり、色ムラや塗布ムラ等は見られなかった。この感光体ドラムを用いて実写したところ膜厚ムラ等の画像故障は見られなかった。
本発明及び前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る連続塗布装置の全体構成を示す斜視図である。 本発明及び前記(ア)〜(エ)に記載の発明に係る他の実施の形態である逐次連続塗布装置を示す斜視図である。 (ア)〜(エ)に記載の発明に係る円筒状基材の塗布装置の部分断面斜視図である。 (ア)〜(エ)に記載の発明に係る円筒状基材の塗布装置による処理液塗布状態を示す断面図である。 (ア)〜(エ)に記載の発明に係る円筒状基材の塗布装置の部分拡大断面図である。 (ア)〜(エ)に記載の発明に係る円筒状基材の塗布装置の第2の実施の形態を示す部分断面斜視図、及び塗布液吐出用ノズル部周辺の拡大図である。 本発明に係る円筒状基材の塗布装置の実施の形態を示す断面図である。 本発明に係る円筒状基材の塗布装置の別の実施の形態を示す平面断面図である。
符号の説明
1 円筒状基材
5,51,52,53 塗布手段
10 環状スプレー塗布装置(塗布ヘッド)
11 塗布液吐出用スリット部(スリット)
13,130 キャリアガス噴出口部
15,150 噴出ガス角度調整用吐出口部(ガス吐出口部)
16 環状塗布液トラップ室
17 塗布液噴射用ノズル
20 環状塗布液タンク
21 送液ポンプ(加圧手段)
22 塗布液補給タンク
31 キャリアガス加圧手段
32 角度調整用ガス加圧手段
33 制御手段
100 塗布ヘッドユニット
110 塗布液吐出用ノズル
L 塗布液

Claims (3)

  1. 電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面から所定近距離に離間して配置され、該電子写真感光体ドラム用円筒状基材の筒軸を合わせて積み重ね、下方から上方へ垂直に連続的に押し上げながら、電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面上に塗布液を塗布する電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置において、
    前記塗布装置は、塗布液補給タンクから送液ポンプにより供給管を経て送液される塗布液をトラップする環状塗布液トラップ室と、該環状塗布液トラップ室と連通し該送液ポンプの加圧力によって該塗布液を前記電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面に向けて噴射する処理液吐出部と、から構成される環状噴射塗布ヘッドを有する塗布装置であって、
    前記電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面と前記処理液吐出部の先端との距離が1〜10mmであることを特徴とする電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置。
  2. 記処理液吐出部がスリットであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置。
  3. 請求項1又は2に記載の電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布装置を用いて、塗布液補給タンクから送液ポンプにより供給管を経て送液される塗布液を該送液ポンプの加圧力によって電子写真感光体ドラム用円筒状基材の外周面に噴射させて、塗布層を形成することを特徴とする電子写真感光体ドラム用円筒状基材の塗布方法。
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