JP3837789B2 - 塗布方法及び塗布装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部から供給口を通して供給される液を環状の分配室に分配し、分配された液を内周面側に向けてスリットを通して供給し、相対的に移動する円筒状基材の外周面に塗布する塗布方法及び塗布装置、特に、エンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材の外面上に、塗布液を均一に塗布する塗布方法及び塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
円筒状基材の外周面上への薄膜で均一な塗布に関しては、従来からスプレー塗布法、浸漬塗布法、ブレード塗布法、ロール塗布法等の種々の方法が検討されている。特に、電子写真感光体ドラムのような薄膜で均一な塗布については生産性の優れた塗布装置を開発すべく検討されている。しかしながら、従来の円筒状基材への塗布方法においては、均一な塗膜が得られなかったり生産性が悪い等の短所があった。
【0003】
スプレー塗布法ではスプレーガンより噴出した塗布液滴が円筒状基材の外周面上に到達するまでに溶媒が蒸発するために塗布液滴の固形分濃度が上昇してしまい、それに伴い塗布液滴の粘度上昇が起って液滴が面に到達したとき、液滴が面上を充分に広がらないために、或いは乾燥固化してしまった粒子が表面に付着するために、塗布表面の平滑性の良いものがえられない。また、基材への液滴の到達率が100%でなく塗布液のロスがあったり部分的にも不均一である為、膜厚コントロールが非常に困難である。更に、高分子溶液等では糸引きを起こす事があるため使用する溶媒及び樹脂に制限がある。
【0004】
ブレード塗布法、ロール塗布法は例えば円筒状基材の長さ方向にブレード若しくはロールを配置し、円筒状基材を回転させて塗布を行い円筒状基材を1回転させた後ブレード若しくはロールを後退させるものである。しかしながらブレード若しくはロールを後退させる際、塗布液の粘性により、塗布膜厚の一部に他の部分より厚い部分が生じ、均一な塗膜が得られない欠点がある。
【0005】
浸漬塗布法は、上記におけるような塗布液表面の平滑性、塗布膜の均一性の悪い点は改良される。
【0006】
しかし塗布膜厚の制御が塗布液物性例えば粘度、表面張力、密度、温度等と塗布速度に支配され、塗布液物性の調整が非常に重要となる。また塗布速度も低いし、塗布液槽を満たすためにはある一定量以上の液量が必要である。更に重層する場合、下層成分が溶け出し塗布液槽が汚染されやすい等の欠点がある。
【0007】
そこで特開昭58−189061号公報や特開昭60−95440号公報に記載の如く円形型塗布装置、いわゆるリングコーターが開発された。このリングコーターは、外部から供給口を通して供給される液を環状の分配室に分配し、分配された液を内周面側に向けてスリットを通して供給し、相対的に移動するエンドレスに形成された連続面を有した円筒状基材の外周面に塗布液を均一に塗布する塗布装置である。特に、前者のリングコーターは、スライドホッパー型塗布装置と呼び、スリットから流出した塗布液を斜め下方に傾斜するスライド面上に流下させ、スライド面の下端のスライドエッジと円筒状基材との僅かな間隙部分にビードを形成し、円筒状基材の移動に伴ってその外周面に塗布するものである。
【0008】
これらリングコーターは、スリットから供給する液量を微量に調整でき、少ない液量で塗布でき、塗布液が汚染されず、生産性の高い、膜厚制御の容易な塗布が可能となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したリングコーターにおいても、膜厚変動が生じて塗布ムラが発生するという問題が生じた。特に、前者のスライドホッパー型塗布装置においては、スライド面上に流下する液の流れが変動し、ビードが切れるという問題が生じた。本出願人は、この問題を鋭意検討した結果、上記問題は、スリット中の液の挙動に起因していることをつきとめ、このスリット中の液の挙動を安定させることが必要であることを見出した。
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、スリット中の液の挙動を安定させ、塗布ムラをおさえることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、外部から供給口を通して供給される液を、環状の分配室に分配し、分配された液を、内周面側に向けてスリットを通して供給し、相対的に移動する円筒状基材の外周面に塗布する塗布方法において、前記分配室内の絶対圧Pが15<P<5000(mmH2O)を満足することを特徴とする塗布方法(請求項1)により達成される。
【0012】
本発明で用いられる塗布方法では、分配室内の絶対圧Pが、15<P<5000(mmH2O)を満足することにより、スリット中の液の挙動が安定し、円筒状基材上に塗布された液の膜圧の変動をおさえ、塗布ムラをおさえることができる。
【0013】
また、本発明で用いられる塗布方法は、同時重層塗布方法(請求項2)や逐次重層塗布方法(請求項3)に適用しても、同様の効果を得る。
【0014】
更に、スリットから供給される液を、斜め下方に傾斜するスライド面上に流下させ、該スライド面の下端のスライドエッジと円筒状基材との間隙部分にビードを形成し、塗布する(請求項4)ことにより、スライド面上に流下する液の流れの変動をおさえ、ビードが切れるという問題も生じない。
【0015】
更に、絶対圧Pが、15<P<5000(mmH2O)を満足することが好ましく、これにより、塗布ムラが更になくなる。
【0016】
なお、本発明でいう「絶対圧」とはゲージ圧のことである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて塗布装置の一実施の形態の例を示し、説明を行う。図1は本発明に係わる塗布装置の縦断面図で、図2はその斜視図である。
【0018】
図1に示されるように中心線YYに沿って垂直状に重ね合わせた円筒状基材1A,1Bを連続的に矢示の如く上方向に上昇移動(移動速度は、5mm/sec以上50mm/sec以下が好ましい)させ、その周囲を取り囲み、基材1の外周面に対しスライドホッパー型塗布装置の塗布に直接係わる部分(塗布ヘッドと略称する)3により塗布液Lが塗布される。なお、円筒状基材1としては中空ドラム例えばアルミニウムドラム、プラスチックドラムのほかシームレスベルト型の基材でも良い。
【0019】
一方、塗布液Lは貯留タンク5内に貯留されており、圧送ポンプ6により供給口2を通して供給するようになっている。供給口2から供給された塗布液Lは環状の分配室7で分配される。この分配室7は中心線YYと同心状に配置され、供給された塗布液Lを環状に全周にわたって分配する。分配室7で分配された塗布液Lは、スリット8を通して塗布ヘッド3の内周面側である円筒状基材1側に向けて供給される。このスリット8は、環状の分配室7に連通し、円筒状基材1側に全周にわたって開口する塗布液流出口9を有しており、所定の間隙(好ましくは、50μm以上500μm以下)が水平方向に形成されている。
【0020】
スリット8を通して供給される塗布液Lは斜め下方に傾斜するスライド面10を流下する。このスライド面10は、スリット8の塗布液流出口9の下側に、連続して下方に傾斜し円筒状基材1の外寸よりやや大なる寸法で終端をなすように形成されている。このスライド面10の下端には、スライド面10の終端より下方に延びるスライドエッジ4が形成されており、スライド面10に沿って流下してスライド面10の終端に至った塗布液Lは、そのスライド面10の下端のスライドエッジ4と上へ移動している円筒状基材1Aの外周面との間にビードを形成した後、円筒状基材1Aの外周面面に塗布される。
【0021】
スライド面10の終端(及びスライドエッジ4)と円筒状基材1とは、ある間隙(好ましくは、30μm以上500μm以下)を持って配置されているため円筒状基材1を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。
【0022】
一方、供給口2より最も遠い位置で分配室7の一部より空気抜き部材11を、分配室7より外部に貫通するように設けるとともに、この空気抜き部材11の一部に開閉弁12を設ける。この空気抜き部材11は、塗布液Lの供給を開始したときに、開閉弁12を開いて分配室7内の空気を排気するものであって、塗布液Lを円筒状基材1上に塗布しているときは、開閉弁12を閉じている。
【0023】
図3,図4は円筒状基材1上に2層の塗布層を形成する重層塗布する塗布装置の例を示している。図示したのは2層の重層塗布であるが、同様構造によって、或いはそれらの組み合わせによって3層以上の重層塗布する塗布装置を提供することができる。なお図3,図4において図1と同一の構成については同一数字を用いて示している。
【0024】
まず、上述した塗布装置において、供給口2、分配室7及びスリット8を複数有し、スリット8から供給される液を重ね合わせた後、相対的に移動する円筒状基材1の外周面に塗布することにより、円筒状基材1の外周面上に複数層を塗布する同時重層塗布装置について説明する。図3は、同一塗布装置から塗布液LA,LBによる塗布層を同時に円筒状基材1上に形成させるいわゆる同時2層塗布装置を示している。
【0025】
貯留タンク5A,5Bに貯留された塗布液LA,LBはそれぞれ圧送ポンプ6A,6Bにより、供給口2A,2Bを通して供給され、環状の分配室7A,7Bでそれぞれ分配される。分配された塗布液LA,LBはそれぞれ塗布ヘッド3の水平方向に形成された所定の間隙を有するスリット8A,8Bを通り、環状に開口する塗布液流出口9A,9Bから塗布ヘッド3の内周面側に向けて供給される。供給された塗布液LA,LBはそれぞれ塗布液流出口9A,9Bの下側に設けられた下方に傾斜したスライド面10A,10B上を流下する。ここで、上層となるスライド面10Bを流下している塗布液LBは、スライド面10A上を流下している塗布液LA上に重ね合わさり、重ね合わさった塗布液LA,LBは、スライド面10Aの下端に形成されたスライド面10Aの終端より下方に延びるスライドエッジ4と上へ移動している円筒状基材1Aの外周面との間にビードを形成し、円筒状基材1Aの外周面に2層同時に塗布される。
【0026】
なお、空気抜き部材11A,11Bは、塗布液LA,LBの供給を開始したときに、開閉弁12A,12Bを開いて分配室7A,7B内の空気をそれぞれ排気するものであって、塗布液LA,LBを円筒状基材1上に塗布しているときは、開閉弁12A,12Bを閉じている。
【0027】
次に、供給口2、分配室7及びスリット8を複数有し、スリット8から供給される液を、逐次、相対的に移動する円筒状基材1の外周面に塗布することにより、円筒状基材1の外周面上に複数層を塗布する逐次重層する塗布装置について説明する。図4は、複数の塗布装置から塗布液LA,LBによる塗布層を逐次基材上に形成させるいわゆる逐次2層塗布を行う装置を示している。
【0028】
貯留タンク5A,5Bに貯留された塗布液LA,LBはそれぞれ圧送ポンプ6A,6Bにより、供給口2A,2Bを通して供給され、環状の分配室7A,7Bでそれぞれ分配される。分配された塗布液LA,LBはそれぞれ塗布ヘッド3の水平方向に形成された所定の間隙を有するスリット8A,8Bを通り、環状に開口する塗布液流出口9A,9Bから塗布ヘッド3の内周面側に向けて供給される。供給された塗布液LA,LBはそれぞれ塗布液流出口9A,9Bの下側に設けられた下方に傾斜したスライド面10A,10B上を流下する。それぞれ流下した塗布液LA,LBは、スライド面10A,10Bの下端に形成されたスライド面10A,10Bの終端より下方に延びるスライドエッジ4A,4Bと上へ移動している円筒状基材1Aの外周面との間にビードを形成し、塗布液LAは円筒状基材1A上に塗布され、塗布液LBは塗布液LA上に塗布され、逐次、移動する円筒状基材1の外周面上に2層塗布される。
【0029】
なお、空気抜き部材11A,11Bは、塗布液LA,LBの供給を開始したときに、開閉弁12A,12Bを開いて分配室7A,7B内の空気をそれぞれ排気するものであって、塗布液LA,LBを円筒状基材1上に塗布しているときは、開閉弁12A,12Bを閉じている。
【0030】
上述した塗布装置において、分配室内の絶対圧Pを、.0<P<25000(mmH2O)の範囲にすることにより、スリット中の液の挙動が安定し、円筒状基材上に塗布された液の膜圧の変動をおさえ、塗布ムラをおさえることができた。絶対圧Pが.0(mmH2O)以下だとスリットから流出する塗布液に脈動成分が多く、均一な塗布層が形成されない。また、絶対圧が25000(mmH2O)以上だとスリット中を流れる塗布液が乱流となり、均一な塗布層を形成することができない。また、絶対圧Pは、好ましくは15<P<5000(mmH2O)を満足することがよく、これにより、塗布ムラが更になくなる。
【0031】
なお、「絶対圧」とはゲージ圧のことであり、その測定は、分配室7内に測定端子を入れ直接測ればよく、上述した実施の形態においては、空気抜き部材11用の孔に、測定端子を入れ、分配室7内の絶対圧を測定した。また、絶対圧を調整するには、絶対圧の主要因が塗布液の粘度、スリット8間隙、塗布液流量であるので、これらを種々変えることにより絶対圧を調整できる。
【0032】
また、上述した実施の形態は、スリット8から供給される液を、斜め下方に傾斜するスライド面10上に流下させ、該スライド面10の下端のスライドエッジ4と円筒状基材1との間隙部分にビードを形成し、塗布するものであり、この形態では、スライド面上に流下する液の流れの変動をおさえ、ビードが切れるという問題も生じず、効果が大きいが、これに限られず、スリット8から供給される液を直接円筒状基材1上に塗布するものであっても、上述した絶対圧Pを満足することにより、スリット中の液の挙動が安定し、円筒状基材上に塗布された液の膜圧の変動をおさえ、塗布ムラをおさえることができる。
【0033】
また、本実施の形態の塗布方法及び塗布装置では、スライド面終端と基材は、ある間隙を持って配置されているため基材を傷つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗布できる。更に性質が異なり同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いので、下層成分が上層側へ殆ど溶出しないし、塗布層にも溶出することなく塗布できる。
【0034】
なお、本発明の塗布方法及び塗布装置は、薄膜で均一な塗布膜を要求する電子写真感光体ドラムが好ましいが、これに限られることはなく、静電記録体の製造、ローラ表面上への被覆、エンドレス帯状物等の外周面への塗膜形成等に用いることができる。即ちエンドレスに形成された連続面を有する基材の外周面の塗布方法として用いられる。また、塗布装置を固定し、基材自体を移動(特に、上方向が好ましい)させた方がよいが、これに限られることはなく、基材と塗布装置が相対的に移動していればよい。
【0035】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。
【0036】
実施例1
(実施例及び比較例)
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を円筒状基材として、図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置を用いて、絶対圧P(mmH2O)が表1に記載の如くなるように、下記の各塗布液組成物UCL−1、UCL−2の液粘度(溶媒量の添加によるポリマー濃度を調整)、スリット8間隙、流量(圧送ポンプ6の流量調整)を調整し、円筒状基材上に塗布して、塗布ドラムNo.1−1〜1−7を得た。
【0037】
UCL−1塗布液組成物
共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製)
メタノール/n−ブタノール=10/1(Vol比)
UCL−2塗布液組成物
塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体(エスレックMF−10 積水化学社製)
アセトン/シクロヘキサノン=10/1(Vol比)
そして、塗布中のスライド面10上の塗布液の流れの状況及び塗布後の円筒状基材1上の塗布層を目視観察を行った結果を示したのが表1である。なお、表中の「◎」は特によかったことを示している。
【0038】
【表1】
Figure 0003837789
【0039】
実施例2
(実施例及び比較例)
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を円筒状基材として、図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置を用いて、絶対圧P(mmH2O)が表2に記載の如くなるように、下記の各塗布液組成物CGL−1、CGL−2、CGL−3の液粘度(溶媒量の添加による固形分濃度を調整)、スリット8間隙、流量(圧送ポンプ6の流量調整)を調整し、円筒状基材上に塗布して、塗布ドラムNo.2−1〜2−9を得た。
【0040】
CGL−1塗布液組成物
フルオレノン型ジスアゾ顔料(CGM−1)
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製)
メチルエチルケトン
上記塗布液組成物(固形分については固形分重量比CGM−1:BX−L=3:1に固定)をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0041】
CGL−2塗布液組成物
ペリレン系顔料(CGM−2)
ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製)
メチルエチルケトン
上記塗布液組成物(固形分については固形分重量比CGM−2:BX−L=2:1に固定)をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0042】
CGL−3塗布液組成物
Y型チタニルフタロシアニン(CGM−3)
シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製)
t−酢酸ブチル
上記塗布液組成物(固形分については固形分重量比CGM−3:KR−5240=2:1に固定)をサンドミルを用いて17時間分散したもの。
【0043】
【化1】
Figure 0003837789
【0044】
そして、塗布中のスライド面10上の塗布液の流れの状況及び塗布後の円筒状基材1上の塗布層を目視観察を行った結果を示したのが表2である。なお、表中の「◎」は特によかったことを示している。
【0045】
【表2】
Figure 0003837789
【0046】
実施例3
(実施例及び比較例)
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を円筒状基材として、図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置を用いて、絶対圧P(mmH2O)が表3に記載の如くなるように、下記の各塗布液組成物CTL−1、CTL−2、CTL−3の液粘度(溶媒量の添加によるポリマー濃度を調整)、スリット8間隙、流量(圧送ポンプ6の流量調整)を調整し、円筒状基材上に塗布して、塗布ドラムNo.3−1〜3−9を得た。
【0047】
CTL−1塗布液組成物
CTM−1
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製)
1,2−ジクロロエタン
固形分については固形分重量比CTM−1:Z−200=0.89:1に固定CTL−2塗布液組成物
CTM−2
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製)
1,2−ジクロロエタン
固形分については固形分重量比CTM−1:Z−200=0.89:1に固定CTL−3塗布液組成物
CTM−3
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製)
1,2−ジクロロエタン
固形分については固形分重量比CTM−1:Z−200=0.89:1に固定
【0048】
【化2】
Figure 0003837789
【0049】
そして、塗布中のスライド面10上の塗布液の流れの状況及び塗布後の円筒状基材1上の塗布層を目視観察を行った結果を示したのが表3である。なお、表中の「◎」は特によかったことを示している。
【0050】
【表3】
Figure 0003837789
【0051】
実施例4
(実施例及び比較例)
導電性支持体としては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム支持体を円筒状基材として、図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置を用いて、絶対圧P(mmH2O)が表4に記載の如くなるように、下記の各塗布液組成物PCL−1、OCL−1の液粘度(溶媒量の添加による固形分濃度を調整)、スリット8間隙、流量(圧送ポンプ6の流量調整)を調整し、円筒状基材上に塗布して、塗布ドラムNo.4−1〜4−4を得た。
【0052】
PCL−1塗布液組成物
CGM−2
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製)
CTM−4
1,2−ジクロロエタン
上記塗布液組成物(固形分については固形分重量比CGM−4:Z−200:CTM−4=10:20:15に固定)をサンドミルを用いて20時間分散したもの。
【0053】
【化3】
Figure 0003837789
【0054】
OCL−1塗布液組成物
ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製)
シリコーン系微粒子(トスパール103 東芝シリコーン社製)
1,2−ジクロロエタン
上記塗布液組成物(固形分については固形分重量比Z−200:トスパール=100:1に固定)をサンドミルを用いて3時間分散したもの。
【0055】
そして、塗布中のスライド面10上の塗布液の流れの状況及び塗布後の円筒状基材1上の塗布層を目視観察を行った結果を示したのが表4である。
【0056】
【表4】
Figure 0003837789
【0057】
実施例5
実施例1と同じドラム上に、図4に示すような逐次重層塗布するスライドホッパー型塗布装置を用いて、実施例1の塗布ドラムNo.1−2と同じ条件で塗布液UCL−1を塗布し、更にこの上に実施例2の塗布ドラムNo.2−2と同じ条件で塗布液CGL−1を塗布し、更にこの上に実施例3の塗布ドラムNo.3−3と同じ条件で塗布液CTL−1を塗布し、逐次重層塗布を行った。
【0058】
得られた感光体を用いて実写テストをおこなったところ、塗布ムラに起因する画像ムラはなく良好な画像が得られた。
【0059】
本発明の塗布方法及び塗布装置によれば、実施例1〜3の結果である表1〜3及び実施例4の結果から明らかなように、スライド面上の塗布液が安定(すなわちスリット中の液の挙動が安定)しており、塗布ムラ(膜圧変動)をおさえることがわかった。更に、本実施例では塗布液のビード切れも生じなかった。また、多層からなる有機感光体を組み上げ実写テストを行ったところ、塗布ムラに起因する画像ムラはなく良好な画像が得られた。
【0060】
【発明の効果】
本発明による塗布方法及び塗布装置(請求項1、5)によると、スリット中の液の挙動が安定し、円筒状基材上に塗布された液の膜圧の変動をおさえ、塗布ムラをおさえることができる。
【0061】
また、本発明の塗布方法は、同時重層塗布方法(請求項2)や逐次重層塗布方法(請求項3)に適用しても、同様の効果を得る。
【0062】
更に、スリットから供給される液を、斜め下方に傾斜するスライド面上に流下させ、該スライド面の下端のスライドエッジと円筒状基材との間隙部分にビードを形成し、塗布する(請求項4、6)ことにより、スライド面上に流下する液の流れの変動をおさえ、ビードが切れるという問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる塗布装置例の縦断面図である。
【図2】本発明に係わる塗布装置例の斜視図である。
【図3】本発明に係わる同時重層塗布装置例の縦断面図である。
【図4】本発明に係わる逐次重層塗布装置例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 円筒状基材
2 供給口
3 塗布ヘッド
4 スライドエッジ
5 貯留タンク
6 圧送ポンプ
7 塗布液分配室
8 スリット
9 塗布液流出口
10 スライド面
11 空気抜き部材
12 開閉弁
L 塗布液

Claims (6)

  1. 外部から供給口を通して供給される液を、環状の分配室に分配し、
    分配された液を、内周面側に向けてスリットを通して供給し、相対的に移動する円筒状基材の外周面に塗布する塗布方法において、
    前記分配室内の絶対圧Pが次式を満足することを特徴とする塗布方法。
    15<P<5000(mmH2O)
  2. 前記供給口、前記分配室及び前記スリットを複数有し、各スリットから供給される液を重ね合わせた後、相対的に移動する円筒状基材の外周面に塗布することにより、円筒状基材の外周面上に複数層を塗布することを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記供給口、前記分配室及び前記スリットを複数有し、各スリットから供給される液を、逐次、相対的に移動する円筒状基材の外周面に塗布することにより、円筒状基材の外周面上に複数層を塗布することを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  4. 前記スリットから供給される液は、斜め下方に傾斜するスライド面上に流下させ、該スライド面の下端のスライドエッジと円筒状基材との間隙部分にビードを形成し、塗布することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載の塗布方法。
  5. 外部から液が供給される供給口と、
    前記供給口より供給された液を環状に分配する分配室と、
    前記分配室から内周面側に向けて液を供給する環状のスリットと、
    を有し、前記スリットから供給された液を、相対的に移動する円筒状基材の外周面に塗布する塗布装置において、
    前記分配室内の絶対圧Pが次式を満足することを特徴とする塗布装置。
    15<P<5000(mmH2O)
  6. 斜め下方に傾斜し、その下端で円筒状基材と間隙を形成するスライド面を有し、前記スリットから供給される液をスライド面上を流下させ、該スライド面の下端のスライドエッジと円筒状基材との僅かな間隙部分にビードを形成し塗布することを特徴とする請求項5に記載の塗布装置。
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