JPH0915875A - 円筒状基材の塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

円筒状基材の塗布装置及び塗布方法

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JPH0915875A
JPH0915875A JP16530195A JP16530195A JPH0915875A JP H0915875 A JPH0915875 A JP H0915875A JP 16530195 A JP16530195 A JP 16530195A JP 16530195 A JP16530195 A JP 16530195A JP H0915875 A JPH0915875 A JP H0915875A
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JP
Japan
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coating
coating liquid
hopper
base material
cylindrical base
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JP16530195A
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English (en)
Inventor
Akira Ohira
晃 大平
Junji Ujihara
淳二 氏原
Eiichi Kijima
栄一 木島
Masanari Asano
真生 浅野
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円筒状基材に対して塗布液を、ビード切れや
膜厚変動のなく、且つスライド面やホッパー塗布面上に
固形物の付着がなく、洗浄し易い円筒状基材の塗布方法
及び装置を提供する。 【構成】 エンドレスに形成された連続面を有する円筒
状基材1の外面上に塗布する装置であって、塗布液分配
スリット12が端部を有せず円筒状基材1の外周を取り
囲むようにして連続であり、塗布液分配スリット12の
塗布液流出口11の下側に連続して傾斜し、かつエンド
レスに形成された連続面を有する円筒状基材1の外径寸
法よりやや大なる寸法において終端をなすように構成さ
れた塗布液スライド面15及びホッパー塗布面16を有
する塗布装置において、塗布液スライド面15及び/又
はホッパー塗布面16の表面粗さRzが0.10μm以
下である塗布装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンドレスに形成された
連続面を有する円筒状基材の外面上に、塗布液を均一に
塗布する塗布装置及び塗布方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンドレスに形成された連続面を有する
円筒状基材の外面上への薄膜で均一な塗布に関連してス
プレー塗布法、浸漬塗布法、ブレード塗布法、ロール塗
布法等の種々の方法が検討されている。特に電子写真感
光体ドラムのような薄膜で均一な塗布については生産性
の優れた塗布装置を開発すべく検討されている。しかし
ながら、従来のエンドレスに形成された連続面を有する
円筒状基材への塗布装置及び塗布方法においては、均一
な塗膜が得られなかったり、生産性が悪い等の短所があ
った。
【0003】スプレー塗布法では、スプレーガンより噴
出した塗布液滴が該エンドレスに形成された連続面を有
する円筒状基材の外周面上に到達するまでに溶媒が蒸発
するために塗布液滴の固形分濃度が上昇してしまい、そ
れにともない塗布液滴の粘度上昇が起って液滴が面に到
達したとき、液滴が面上を充分に広がらないために、或
いは乾燥固化してしまった粒子が表面に付着するため
に、塗布表面の平滑性の良いものがえられない。また、
該連続面を有する円筒状基材への液滴の到達率が100
%でなく塗布液のロスがあったり、部分的にも不均一で
あるため、膜厚コントロールが非常に困難である。更
に、高分子溶液等では糸引きを起こす事があるため、使
用する溶媒及び樹脂に制限がある。
【0004】ブレード塗布法、ロール塗布法は例えば円
筒状基材の長さ方向にブレード若しくはロールを配置
し、該円筒状基材を回転させて塗布を行い円筒状基材を
1回転させたのち、ブレード若しくはロールを後退させ
るものである。しかしながらブレード若しくはロールを
後退させる際、塗布液の粘性により、塗布膜厚の一部に
他の部分より厚い部分が生じ、均一な塗膜が得られない
欠点がある。
【0005】浸漬塗布法は、上記におけるような塗布液
表面の平滑性、塗布膜の均一性の悪い点は改良される。
【0006】しかし、塗布膜厚の制御が塗布液物性例え
ば粘度、表面張力、密度、温度等と塗布速度に支配さ
れ、塗布液物性の調整が非常に重要となる。また塗布速
度も低いし、塗布液槽を満たすためにはある一定量以上
の液量が必要である。さらに重層する場合、下層成分が
溶け出し塗布液槽が汚染されやすい等の欠点がある。
【0007】そこで特開昭58−189061号公報に
記載の如く円形量規制型塗布装置(この中にはスライド
ホッパー型塗布装置が含まれる)が開発された。このス
ライドホッパー型塗布装置はエンドレスに形成された連
続周面を有する円筒状基材を連続的にその長手方向に移
動させながら、その周囲を環状に取り囲み、円筒状基材
の外周面に対して塗布液を塗布するものであって、さら
にこの塗布装置は環状の塗布液溜まり室と、この塗布液
溜まり室内の一部に対して外部から塗布液を供給する供
給口と、前記塗布液溜まり室の内方に開口する塗布液分
配スリットとを有し、このスリットから流出した塗布液
を斜め下方に傾斜する塗布液スライド面上に流下させ、
塗布液スライド面の下端のホッパー塗布面と円筒状基材
との僅かな間隙部分にビードを形成し、円筒状基材の移
動に伴ってその外周面に塗布するものである。このスラ
イドホッパー型塗布装置を用いることにより、少ない液
量で塗布でき、塗布液が汚染されず、生産性の高い、膜
厚制御の容易な塗布が可能となった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ス
ライドホッパー型塗布装置を用いてもなお塗布液によっ
ては塗布液膜切れ(ビード切れによるものが多い)、膜
厚の変動等の問題があり未だ満足のいくものではない。
【0009】(1)本発明は前記実情に鑑みて提案され
たものであり、その第1の目的とするところのものは、 (イ)使用塗布液によるビード切れが起こり易い。
【0010】(ロ)塗布ムラや膜厚変動が起こり易い。
【0011】(ハ)塗布液スライド面上のゴミ発生やゴ
ミ付着による塗膜欠陥が起こり易い。
【0012】(ニ)塗布液スライド面上の固形物や付着
物が除去しにくい。
【0013】等の従来の諸問題点を解決して、優れた塗
布装置及び塗布方法を提供することにある。
【0014】さらに本発明の目的は、同一塗布装置から
複数の塗布層を同時に円筒状基材上に形成させるいわゆ
る同時重層塗布による低粘度の塗布液においても、膜厚
変動がなく、ビード切れのない、優れた塗布方法を提供
することにある。さらに又本発明の目的は、複数の塗布
装置から塗布層を逐次基材上に形成させるいわゆる逐次
重層塗布による低粘度の塗布液においても、膜厚変動が
なく、ビード切れのない、優れた塗布方法を提供するこ
とにある。
【0015】(2)本発明の第2の目的とするところの
ものは、 (イ)使用塗布液によるビード切れが起こり易い。
【0016】(ロ)塗布ムラや膜厚変動が起こり易い。
【0017】(ハ)ホッパー塗布面(ホッパーエッジ面
部)上のゴミ発生やゴミ付着による塗膜欠陥が起こり易
い。
【0018】(ニ)ホッパー塗布面上の固形物や付着物
が除去しにくい。
【0019】等の従来の諸問題点を解決して、優れた塗
布装置及び塗布方法を提供することにある。
【0020】さらに本発明の目的は、同一塗布装置から
複数の塗布層を同時に基材上に形成させるいわゆる同時
重層塗布による高粘度の塗布液においても、膜厚変動が
なく、ビード切れのない、優れた塗布方法を提供するこ
とにある。さらに又本発明の目的は、複数の塗布装置か
ら塗布層を逐次基材上に形成させるいわゆる逐次重層塗
布による高粘度の塗布液においても、膜厚変動がなく、
ビード切れのない、優れた塗布装置及び塗布方法を提供
することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の第1の目的は、エンドレスに形成された
連続面を有する円筒状基材の外面上に塗布する装置であ
って、塗布液分配スリットが端部を有せず円筒状基材外
周を取り囲むようにして連続であり、該塗布液分配スリ
ットの塗布液流出口の下側に連続して傾斜し、かつ該エ
ンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材の外径
寸法よりやや大なる寸法において終端をなすように構成
された塗布液スライド面を有する塗布装置において、前
記塗布液スライド面の表面粗さRzが、0.10μm以
下であることを特徴とする円筒状基材の塗布装置により
達成される。(請求項1の発明) 本発明(請求項1)で用いられる塗布装置では、塗布液
スライド面の表面粗さRzが特に0.02〜0.10μ
mが好ましい。
【0022】また、本発明の第1の目的は、エンドレス
に形成された連続周面を有する円筒状基材を移動させな
がら、塗布液を塗布液分配スリットを通して、前記円筒
状基材周面を取り囲むように円筒状基材全周にわたって
近接形成されたホッパー塗布面に設けられたエンドレス
の塗布液流出口から該ホッパー塗布面にある塗布液スラ
イド面上に流出させ、前記円筒状基材とホッパー塗布面
の先端部に連続的に供給させて塗布する塗布方法におい
て、前記塗布液スライド面の表面粗さRzが0.1μm
以下であることを特徴とする円筒状基材の塗布方法によ
り達成される。(請求項3の発明) 本発明(請求項3の発明)で用いられる塗布方法は、同
時重層塗布方法や逐次重層塗布方法にも同様に適用され
る。逐次重層塗布方法においては、下層が未乾の状態
で、即ち乾燥ゾーンを通さないで逐次に塗布しても良い
し、乾燥ゾーンを通して乾燥させた上に重層させても良
い。
【0023】本発明の塗布装置及び塗布方法により、以
下の効果が得られる。
【0024】・塗布液スライド面の表面粗さRzを0.
10μm以下に押さえる事により、ビードの形成が容易
となり、塗布ムラや膜厚変動が解消された。
【0025】・塗布液スライド面上に一部乾燥又は付着
した固形物はすぐ流れてしまう為、塗布欠陥が発生して
も広い範囲に影響をおよぼさない。
【0026】・塗布液スライド面の洗浄が容易である。
【0027】なお、塗布液スライド面の表面粗さRz
は、好ましくは0.02〜0.10μmが良い。0.1
0μmより大きくなると上記欠点が出る。
【0028】また、本発明中の表面粗さRzは、JIS
B0601に記載の如く十点平均粗さをいう。好ましく
はRmax表示で0.10μm以下が良い。
【0029】塗布液スライド面の表面粗さRzを0.0
2μm以下にすることは、切削加工後研磨することによ
り得られる。これより大きい表面粗さにする場合には、
通常の切削加工による。
【0030】(2)本発明の第2の目的は、エンドレス
に形成された連続面を有する円筒状基材の面上に塗布す
る装置であって、塗布液分配スリットが端部を持たず円
筒状基材の外周を取り囲むようにして連続であり、該塗
布液分配スリットの塗布液流出口の下側に連続して傾斜
し、かつ該エンドレスに形成された連続面を有する円筒
状基材の外径寸法よりやや大なる寸法で終端をなすよう
に構成されたホッパー塗布面を有する塗布装置におい
て、前記ホッパー塗布面の表面粗さRzが0.10μm
以下であることを特徴とする円筒状基材の塗布装置によ
り達成される。(請求項6の発明) 本発明で用いられる塗布装置では、前記ホッパー塗布面
の表面粗さRzが0.02〜0.10μmが好ましい。
【0031】また、本発明の第2の目的は、エンドレス
に形成された連続周面を有する円筒状基材を移動させな
がら、塗布液を外部から供給する供給口より環状の塗布
液溜まり室を経て、該塗布液溜まり室の内方に開口する
塗布液分配スリットを通じ、前記円筒状基材周面を取り
囲むように円筒状基材全周にわたって近接形成されたホ
ッパー塗布面に設けられたエンドレスの塗布液流出口か
ら、該ホッパー塗布面に流出させ、前記円筒状基材とホ
ッパー塗布液面に連続的に供給させて塗布する方法にお
いて、前記ホッパー塗布面の表面粗さRzが0.10μ
m以下であることを特徴とする円筒状基材の塗布方法に
より達成される。(請求項8の発明) 本発明で用いられる塗布方法は同時重層塗布方法や逐次
重層塗布方法にも同様に適用される。逐次重層塗布方法
においては、下層が未乾の状態で、即ち乾燥ゾーンを通
さないで逐次に塗布しても良いし、乾燥ゾーンを通して
乾燥させた上に重層させても良い。
【0032】本発明の塗布装置及び塗布方法により、以
下の効果が得られる。
【0033】・ホッパー塗布面の表面粗さRzを0.1
0μm以下に押さえる事により、ビードの形成が容易と
なり、塗布ムラや膜厚変動が解消された。
【0034】・ホッパー塗布面上に一部乾燥又は付着し
た固形物はすぐ流れてしまう為、塗布欠陥が発生しても
広い範囲に影響をおよぼさない。
【0035】・ホッパー塗布面の洗浄が容易である。
【0036】なお、ホッパー塗布面の表面粗さRzは、
好ましくは0.02〜0.10μmが良い。0.10μ
mより大きくなると上記欠点が出る。
【0037】また、本発明中の表面粗さRzは、JIS
B0601に記載の如く十点平均粗さをいう。好ましく
はRmax表示で0.10μm以下が良い。
【0038】ホッパー塗布面の表面粗さRzを0.02
μm以下にすることは、切削加工後研磨することにより
得られる。これより大きい表面粗さにする場合には、通
常の切削加工による。
【0039】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の説明を行う。図
1は本発明に係わる塗布装置の一実施例の縦断面図で、
図2はその斜視図である。
【0040】図1に示されるように中心線Z−Zに沿っ
て垂直状に重ね合わせた複数の円筒状基材1A,1B
(以下、円筒状基材1と称す)を連続的に矢示方向に上
昇移動させ、その周囲を取り囲み、円筒状基材1の外周
面に対しスライドホッパー型塗布装置10の塗布に直接
係わる部分(ホッパー塗布面)16により塗布液(感光
液)Lが塗布される。なお、円筒状基材1としては中空
ドラム例えばアルミニウムドラム、プラスチックドラム
のほかシームレスベルト型の基材でも良い。前記ホッパ
ー塗布面16には、円筒状基材1側に開口する塗布液流
出口11を有する幅狭の塗布液分配スリット(スリット
と略称する)12が水平方向に形成されている。このス
リット12は環状の塗布液分配室(塗布液溜り室)13
に連通し、この環状の塗布液分配室13には貯留タンク
4内の感光液Lを圧送ポンプ5により供給管14を介し
て供給するようになっている。他方、スリット12の塗
布液流出口11の下側には、連続して下方に傾斜し、円
筒状基材1の外径寸法よりやや大なる寸法で終端をなす
ように形成された塗布液スライド面(以下、スライド面
と称す)15が形成されている。さらに、このスライド
面15終端より下方に延びる唇状部17が形成されてい
る。かかるスライドホッパー型塗布装置10による塗布
においては、円筒状基材1を引き上げる過程で、塗布液
Lをスリット12から押し出し、スライド面15に沿っ
て流下させると、スライド面15の終端に至った塗布液
は、そのスライド面15の終端と円筒状基材1の外周面
との間にビードを形成した後、円筒状基材1の表面に塗
布される。
【0041】スライド面15の終端と円筒状基材1は、
ある間隙を持って配置されているため円筒状基材1を傷
つける事なく、また性質の異なる層を多層形成させる場
合においても、既に塗布された層を損傷することなく塗
布できる。
【0042】図3,図4は円筒状基材1上に2層の塗布
層を形成する重層塗布装置の一例を示している。図示し
たのは2層の重層塗布装置であるが、同様構造によっ
て、或いはそれらの組み合わせによって3層以上の重層
塗布装置を提供することができる。なお図3,図4にお
いて図1と同一の構成については同一符号を用いて示し
ている。
【0043】図3は、同一塗布装置から塗布液LA,L
Bによる塗布層を同時に円筒状基材1上に形成させるい
わゆる同時重層塗布装置20を示している。塗布液L
A,LBを貯留した貯留タンク4A,4Bからはそれぞ
れ圧送ポンプ5A,5Bを介して同時重層塗布装置20
の水平方向に形成された幅狭の塗布液分配スリット12
A,12Bを通り、円筒状基材1側に環状に開口する塗
布液流出口11A,11Bが設けられていて、塗布液流
出口11A,11Bの下側には共通の連続して下方に傾
斜し、円筒状基材1の外寸よりやや大なる寸法で終端を
なすように形成されたスライド面15A,15Bと、さ
らにこのスライド面15A,15Bの終端より下方に延
びるホッパー塗布面16が形成されている。17はホッ
パー塗布面16の下方に伸びる唇状部である。かかる同
時重層塗布装置20においては、円筒状基材1を引き上
げる過程で、塗布液LA,LBをスリット12A,12
Bから押出し、スライド面15に沿って流下させると、
塗布液LA,LBは2層をなして流下し、スライド面1
5の終端に至った2層の塗布液LA,LBは、ホッパー
塗布面16と円筒状基材1の外周面との間にビードを形
成したのち円筒状基材表面に2層の塗布液LA,LBが
同時に塗布される。
【0044】図4は、複数の塗布装置から塗布液LA,
LBによる塗布層を逐次基材上に形成させるいわゆる逐
次重層塗布装置30を示している。複数の塗布装置30
A,30Bでは各々複数の処理液分配スリット12、塗
布液流出口11、及びホッパー塗布面のあるスライド面
15を設け、塗布液LA,LBを貯留した貯留タンク4
A,4Bからそれぞれ圧送ポンプ5A,5Bを介して塗
布装置30A,30Bの各塗布液分配スリット12に処
理液LA,LBを供給し、各々塗布液流出口11から各
々のスライド面15上に流出させ、ホッパー塗布面16
において処理液LA,LBの塗布層を円筒状基材1上に
逐次形成させる。
【0045】本発明の塗布方法では、スライド面15の
終端と円筒状基材1とは、ある間隙を持って配置されて
いるため円筒状基材1を傷つける事なく、また性質の異
なる層を多層形成させる場合においても、既に塗布され
た層を損傷することなく塗布できる。更に性質が異なり
同一溶媒に溶解する層を多層形成させる際にも、浸漬塗
布方法と比べて溶媒中に存在する時間がはるかに短いの
で、下層成分が上層側へ殆ど溶出しないし、塗布槽にも
溶出することなく塗布できる。
【0046】本発明の塗布方法は、薄膜で均一な塗布膜
を要求する電子写真感光体ドラム、静電記録体の製造、
ローラ表面上への被覆、エンドレス帯状物等の外周面へ
の塗膜形成等に用いられそれらに制限される事はない。
即ちエンドレスに形成された連続面を有する円筒状基材
の外周面の塗布方法として用いられる。塗布は円筒状基
材自体が移動しても塗布装置が移動しても良く、更に円
筒状基材を回転しても良い。
【0047】なお本発明は添付した図の形状だけに制約
されるものではない。
【0048】(実施例)次に実施例により本発明(第1
発明及び第2発明)について説明するが、これに限定さ
れるものではない。
【0049】(1)第1発明(塗布液スライド面の表面
粗さ) 実施例1 (実施例及び比較例)導電性支持体(円筒状基材)1と
しては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mm
のアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0050】前記導電性支持体1上に下記の如く塗布液
組成物UCL−1、UCL−2、UCL−3を調製し、
図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置(スラ
イド面の表面粗さRzは表1参照)を用いて、表1に記
載の如く塗布し、塗布ドラムNo.1−1〜No.1−
5を得た。
【0051】 UCL−1塗布液組成物 共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製) 2g メタノール/n−ブタノール=10/1(Vol比) 1000ml UCL−2塗布液組成物 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 (エスレックMF−10 積水化学社製) 5g アセトン/シクロヘキサノン=10/1(Vol比) 700ml UCL−3塗布液組成物 エチレン−酢酸ビニル系共重合体 (エルバックス4260 三井デュポンケミカル社製) 50g トルエン/n−ブタノール=5/1(Vol比) 2000ml 塗布結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】実施例2 (実施例及び比較例)導電性支持体(円筒状基材)1と
しては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mm
のアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0054】前記導電性支持体1上に下記の如く各塗布
液組成物CGL−1、CGL−2、CGL−3を調製
し、図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置
(スライド面の表面粗さRzは表2参照)を用いて、表
2に記載の如く塗布し、塗布ドラムNo.2−1〜N
o.2−5を得た。
【0055】 CGL−1塗布液組成物 フルオレノン型ジスアゾ顔料(CGM−1) 25g ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 10g メチルエチルケトン 1430ml 上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散し
たもの。
【0056】 CGL−3塗布液組成物 Y−型チタニルフタロシアニン(CGM−3) 10g シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 10g t−酢酸ブチル 1000ml 上記塗布液組成物をサンドミルを用いて17時間分散し
たもの。
【0057】 CGL−4塗布液組成物 ペリレン系顔料(CGM−4) 50g ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 50g メチルエチルケトン 2400ml 上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散し
たもの。
【0058】
【化1】
【0059】
【化2】
【0060】
【化3】
【0061】塗布結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】実施例3 (実施例及び比較例)導電性支持体(円筒状基材)1と
しては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mm
のアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0064】前記導電性支持体1上に下記の如く塗布液
組成物CTL−1を調製し、図1に記載の如くのスライ
ドホッパー型塗布装置(スライド面の表面粗さRzは表
3参照)を用いて、表3に従い塗布し、塗布ドラムN
o.3−1〜No.3−4を得た。
【0065】 CTL−1塗布液組成物 CTM−1 500g ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製) 560g 1,2−ジクロロエタン 2800ml
【0066】
【化4】
【0067】塗布結果を表3に示す。また塗布ドラムN
o.3−1とNo.3−4の長手方向の膜厚プロフィー
ルを図5(a),(b)に示す。
【0068】
【表3】
【0069】実施例4 導電性支持体(円筒状基材)1としては鏡面加工を施し
た直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム
支持体を用いた。
【0070】実施例2の塗布ドラムNo.2−1〜N
o.2−4上に、実施例3の塗布液組成物CTL−1を
表4の如く、図4に記載のスライドホッパー型塗布装置
(スライド面の表面粗さRzは表4参照)を用いて逐次
重層塗布した。
【0071】塗布結果を表4に示す。何れも塗布欠陥も
なく塗布性は良好であり、円筒状基材の長手方向の塗布
膜厚ムラもなかった。
【0072】
【表4】
【0073】上述のように、本発明(第1発明)の塗布
方法によれば、表1〜4から明らかな如く塗布ムラ、色
ムラ、塗布欠陥や膜厚変動特に長手方向のムラ、段ムラ
がなく、また重層性も優れることがわかる。
【0074】また本発明(第1発明)の塗布方法で、多
層からなる有機感光体を組み上げ、実写テストを行った
ところ、塗布ムラに起因する画像ムラはなく良好な画像
が得られた。
【0075】(2)第2発明(ホッパー塗布面の表面粗
さ) 実施例5 (実施例及び比較例)導電性支持体(円筒状基材)1と
しては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mm
のアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0076】前記導電性支持体1上に下記の如く塗布液
組成物UCL−1〜3を調製し、図1に記載の如くのス
ライドホッパー型塗布装置(ホッパー塗布面の表面粗さ
Rzは表5参照)を用いて、表5に記載の如く塗布し、
塗布ドラムNo.1−1〜No.1−5を得た。
【0077】 UCL−1塗布液組成物 共重合ナイロン樹脂(CM−8000 東レ社製) 2g メタノール/n−ブタノール=10/1(Vol比) 1000ml UCL−2塗布液組成物 塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体 (エスレックMF−10 積水化学社製) 5g アセトン/シクロヘキサノン=10/1(Vol比) 700ml UCL−3塗布液組成物 エチレン−酢酸ビニル系共重合体 (エルバックス4260 三井デュポンケミカル社製) 50g トルエン/n−ブタノール=5/1(Vol比) 2000ml 塗布結果を表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】実施例6 (実施例及び比較例)導電性支持体(円筒状基材)1と
しては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mm
のアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0080】前記導電性支持体1上に下記の如く塗布液
組成物CGL−1、CGL−3、CGL−4を調製し、
図1に記載の如くのスライドホッパー型塗布装置(ホッ
パー塗布面の表面粗さRzは表6参照)を用いて、表6
に記載の如く塗布し、塗布ドラムNo.2−1−No.
2−5を得た。
【0081】 CGL−1塗布液組成物 フルオレノン型ジスアゾ顔料(CGM−1) 25g ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 10g メチルエチルケトン 1430ml 上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散し
たもの。
【0082】 CGL−3塗布液組成物 Y−型チタニルフタロシアニン(CGM−3) 10g シリコーン樹脂(KR−5240 信越化学社製) 10g t−酢酸ブチル 1000ml 上記塗布液組成物をサンドミルを用いて17時間分散し
たもの。
【0083】 CGL−4塗布液組成物 ペリレン系顔料(CGM−4) 50g ブチラール樹脂(エスレックBX−L 積水化学社製) 50g メチルエチルケトン 2400ml 上記塗布液組成物をサンドミルを用いて20時間分散し
たもの。
【0084】塗布結果を表6に示す。
【0085】
【表6】
【0086】実施例7 (実施例及び比較例)導電性支持体(円筒状基材)1と
しては鏡面加工を施した直径80mm、高さ355mm
のアルミニウムドラム支持体を用いた。
【0087】前記導電性支持体1上に下記の如く塗布液
組成物CTL−1を調製し、図1に記載の如くのスライ
ドホッパー型塗布装置(ホッパー塗布面の表面粗さRz
は表7参照)を用いて、表7に従い塗布し、塗布ドラム
No.3−1〜No.3−4を得た。
【0088】 CTL−1塗布液組成物 CTM−1 500g ポリカーボネート(Z−200 三菱瓦斯化学社製) 560g 1,2−ジクロロエタン 2800ml 塗布結果を表7に示す。また塗布ドラムNo.3−1と
No.3−4の長手方向の膜厚プロフィールを図5
(a),(b)に示す。
【0089】
【表7】
【0090】実施例8 導電性支持体(円筒状基材)1としては鏡面加工を施し
た直径80mm、高さ355mmのアルミニウムドラム
支持体を用いた。
【0091】実施例6の塗布ドラムNo.2−1〜N
o.2−4上に、実施例7の塗布液組成物CTL−1を
表8の如く、図4に記載のスライドホッパー型塗布装置
(ホッパー塗布面の表面粗さRzは表8参照)を用いて
逐次重層塗布した。
【0092】塗布結果を表8に示す。塗布欠陥もなく塗
布性は良好であり、長手方向の塗布膜厚ムラもなかっ
た。
【0093】
【表8】
【0094】上述のように、本発明(第2発明)の塗布
方法によれば、表5〜8から明らかな如く塗布ムラ、色
ムラ、塗布欠陥や膜厚変動特に長手方向のムラ、段ムラ
がなく、また重層性も優れることがわかる。
【0095】また本発明(第2発明)の塗布方法で多層
からなる有機感光体を組み上げ実写テストを行ったとこ
ろ、塗布ムラに起因する画像ムラはなく良好な画像が得
られた。
【0096】
【発明の効果】本発明(第1発明、第2発明)の塗布方
法及び塗布装置によるときは、塗布液スライド面の表面
粗さRzの範囲(第1発明)及びホッパー塗布面の表面
粗さRz(第2発明)の範囲を規定することにより、円
筒状基材に対して膜厚変動がなく、塗布液のビード切
れ、塗布ムラ、色ムラがない優れた塗布方法を提供する
こととなった。また同一塗布装置から複数の塗布層を同
時に基材上に形成させる同時重層塗布方法によっても、
複数の塗布装置から塗布層を逐次基材上に形成させる逐
次重層塗布方法によっても、膜厚変動がなく、ビート切
れのない、優れた塗布方法を提供することとなった。
【0097】また本発明の塗布方法によって、円筒上基
材上に多層からなる有機感光体を組み上げて実写テスト
を行ったところ、塗布ムラに起因する画像ムラは認めら
れず、良好な画像を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる塗布装置の一実施例を示す縦断
面図。
【図2】上記塗布装置の斜視図。
【図3】本発明に係わる同時重層塗布装置の一実施例を
示す縦断面図。
【図4】本発明に係わる逐次重層塗布装置の一実施例を
示す縦断面図。
【図5】本発明に係わる長さ方向膜厚プロフィール。
【符号の説明】
1,1A,1B 円筒状基材(塗布ドラム) 4,4A,4B 貯留タンク 5,5A,5B 圧送ポンプ 10 スライドホッパー型塗布装置(塗布装置) 11,11A,11B 塗布液流出口 12,12A,12B 処理液分配スリット(スリッ
ト) 13,13A,13B 塗布液分配室(塗布液溜り室) 14,14A,14B 供給管 15,15A,15B 塗布液スライド面(スライド
面) 16 ホッパー塗布面(ホッパーエッジ面部) 17 唇状部 20 同時重層塗布装置 30 逐次重層塗布装置 L,LA,LB 塗布液 Rz 表面粗さ(十点平均粗さ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 真生 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレスに形成された連続面を有する
    円筒状基材の外面上に塗布する装置であって、塗布液分
    配スリットが端部を有せず円筒状基材外周を取り囲むよ
    うにして連続であり、該塗布液分配スリットの塗布液流
    出口の下側に連続して傾斜し、かつ該エンドレスに形成
    された連続面を有する円筒状基材の外径寸法よりやや大
    なる寸法において終端をなすように構成された塗布液ス
    ライド面を有する塗布装置において、 前記塗布液スライド面の表面粗さRzが0.10μm以
    下であることを特徴とする円筒状基材の塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記塗布液スライド面の表面粗さRzが
    0.02〜0.10μmであることを特徴とする請求項
    1記載の円筒状基材の塗布装置。
  3. 【請求項3】 エンドレスに形成された連続周面を有す
    る円筒状基材を移動させながら、塗布液を塗布液分配ス
    リットを通して、前記円筒状基材周面を取り囲むように
    円筒状基材全周にわたって近接形成されたホッパー塗布
    面に設けられたエンドレスの塗布液流出口から該ホッパ
    ー塗布面にある塗布液スライド面上に流出させ、前記円
    筒状基材とホッパー塗布面の先端部に連続的に供給させ
    て塗布する塗布方法において、 前記塗布液スライド面の表面粗さRzが0.1μm以下
    であることを特徴とする円筒状基材の塗布方法。
  4. 【請求項4】 各々複数の塗布液分配スリット及び塗布
    液流出口を設け、異なる塗布液を塗布液分配スリット及
    び塗布液流出口から同一ホッパー塗布面にある塗布液ス
    ライド面上に流出させ、複数の塗布層を同時に円筒状基
    材上に形成させることを特徴とする請求項3記載の円筒
    状基材の塗布方法。
  5. 【請求項5】 各々複数の塗布液分配スリット、塗布液
    流出口及びホッパー塗布面を設け、異なる塗布液を各々
    の塗布液分配スリットに供給し、各々の塗布液流出口か
    ら各々のホッパー塗布面にある塗布液スライド面上に流
    出させ、複数の塗布層を円筒状基材上に逐次形成させる
    ことを特徴とする請求項3記載の円筒状基材の塗布方
    法。
  6. 【請求項6】 エンドレスに形成された連続面を有する
    円筒状基材の面上に塗布する装置であって、塗布液分配
    スリットが端部を持たず円筒状基材の外周を取り囲むよ
    うにして連続であり、該塗布液分配スリットの塗布液流
    出口の下側に連続して傾斜し、かつ該エンドレスに形成
    された連続面を有する円筒状基材の外径寸法よりやや大
    なる寸法で終端をなすように構成された塗布液スライド
    面及びホッパー塗布面を有する塗布装置において、 前記ホッパー塗布面の表面粗さRzが0.10μm以下
    であることを特徴とする円筒状基材の塗布装置。
  7. 【請求項7】 前記ホッパー塗布面の表面粗さRzが
    0.02〜0.10μmであることを特徴とする請求項
    6記載の円筒状基材の塗布装置。
  8. 【請求項8】 エンドレスに形成された連続周面を有す
    る円筒状基材を移動させながら、塗布液を外部から供給
    する供給口より環状の塗布液溜まり室を経て、該塗布液
    溜まり室の内方に開口する塗布液分配スリットを通じ、
    前記円筒状基材周面を取り囲むように円筒状基材全周に
    わたって近接形成されたホッパー塗布面に設けられたエ
    ンドレスの塗布液流出口から、該ホッパー塗布面に流出
    させ、前記円筒状基材とホッパー塗布面に連続的に供給
    させて塗布する方法において、 前記ホッパー塗布面の表面粗さRzが0.10μm以下
    であることを特徴とする円筒状基材の塗布方法。
  9. 【請求項9】 各々複数の塗布液分配スリット及び塗布
    液流出口を設け、異なる塗布液を塗布液分配スリット及
    び塗布液流出口から同一ホッパー塗布面にあるスライド
    面上に流出させ、複数の塗布層を同時に円筒状基材上に
    形成させることを特徴とする請求項8記載の円筒状基材
    の塗布方法。
  10. 【請求項10】 各々複数の塗布液分配スリット、塗布
    液流出口及びホッパー塗布面を設け、異なる塗布液を各
    々の塗布液分配スリットに供給し、各々の塗布液流出口
    から各々のホッパー塗布面にある塗布液スライド面上に
    流出させ、複数の塗布層を円筒状基材上に逐次形成させ
    ることを特徴とする請求項8記載の円筒状基材の塗布方
    法。
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