JP3680005B2 - 半導体装置の製造方法及び樹脂封止装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び樹脂封止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法および樹脂封止装置に関し、より詳細には、基板上に多数個の半導体チップ等が搭載された被成形品を片面樹脂封止して半導体装置とする半導体装置の製造方法及び樹脂封止装置に関する。
半導体ウエハを片面樹脂封止して半導体装置とする半導体装置の製造方法およびこれに用いる樹脂封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂封止型の半導体装置を製造する方法として、図24に示すように、多数個の半導体チップ10を縦横方向に所定間隔で配列した基板12を被成形品として樹脂封止し、樹脂14が硬化した後、個々の半導体チップ10の配置位置に合わせて樹脂14と基板12とをダイシングソーあるいはレーザ等によって切断し、これによって個片の半導体装置を得る方法がある。
この半導体装置の製造方法によれば半導体チップ10を高密度に配置することができ、きわめて小形の半導体装置を効率的に生産する上で有効であり、半導体装置の製造コストを効果的に引き下げることが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように半導体チップ10が搭載されている面全体を樹脂封止した基板12を個片に分離して半導体装置とする方法には次のような問題点がある。すなわち、ダイシングソーを用いて個片に切断する方法の場合は、樹脂14と基板12といった異なる材質のものをダイシングすることからダイシング刃が傷みやすく、切断部分に欠けやクラックがはいりやすくなる。また、レーザを用いて分離する場合は切断に時間がかかる。
また、半導体チップ10を樹脂封止する際にポッティング法による場合は樹脂14が硬化するまでに時間がかかり、効率的でない。また、トランスファ封止法によって樹脂封止する場合はワイヤ流れなどが生じて的確な樹脂封止ができない。また、半導体チップ10が搭載されている面全体を単に樹脂封止することから成形品が反るといった問題がある。
【0004】
本発明は、これらの問題点を解消すべくなされたものであり、その目的とするところは、多数個の半導体チップを縦横に配列した基板を被成形品として基板の片面を樹脂封止して半導体装置とする半導体装置の好適な製造方法とその製造方法を適用した樹脂封止装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、半導体チップ等が搭載された片面を前記半導体チップ等の搭載位置に対応して樹脂封止する半導体装置の製造方法において、前記上型または下型の前記被成型品を樹脂封止する一方の金型面に、前記基板上における各樹脂封止領域に合わせて、型開閉方向に可動となる仕切り板によりキャビティ凹部が個々に区分して形成される金型を使用し、型開きした状態で、前記一方の金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲にわたり、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給し、金型に被成型品を配置して、リリースフィルムを介して被成型品をクランプし、該金型の金型面と基板とによって挟まれたキャビティに樹脂を充填した後、前記仕切り板を型開閉方向に押動し前記リリースフィルムを介して前記基板上で各樹脂封止領域に合わせて区分して樹脂封止することを特徴とする。
また、前記仕切り板を型開閉方向に押動する際に、仕切り板の端面を前記リリースフィルムを介して前記基板の表面に押接して樹脂封止することを特徴とする。
【0006】
また、片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、半導体チップ等が搭載された片面を前記半導体チップ等の搭載位置に対応して個別に樹脂封止する半導体装置の製造方法において、前記下型として、前記基板上における各樹脂封止領域に合わせて、仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を使用し、型開きして下型がクランプ位置から降下した状態で、該金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲にわたり、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給し、該リリースフィルムにより被覆された前記下型に、所要量の樹脂を供給し、前記下型を上動させるとともに、前記上型と下型とでリリースフィルムを介して前記被成形品をクランプすることにより、前記リリースフィルムを介して前記仕切り部の端面が前記基板の表面に押接されて形成された各キャビティに樹脂を充填して樹脂封止することを特徴とする。
また、前記下型として、前記仕切り部によりキャビティ凹部が個々に区分して形成されるとともに、金型の外周に型開閉方向に可動でかつ、型開き時に下型の金型面よりも端面が突出するクランパが設けられた金型を使用し、前記下型を上動させ、前記クランパにより前記被成形品の周縁部をクランプした後、さらに前記下型を上動させるとともに、前記上型と下型とでリリースフィルムを介して前記被成形品をクランプすることにより、前記リリースフィルムを介して前記仕切り部の端面が前記基板の表面に押接されて形成された各キャビティに樹脂を充填して樹脂封止することを特徴とする。
【0008】
片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、ポットからキャビティに樹脂を圧送して、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、前記上型または下型の前記被成型品を樹脂封止する一方の金型面に、前記基板上における各樹脂封止領域に合わせて、樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を設け、型開きした状態で、前記一方の金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設け、前記一方の金型に、前記キャビティ凹部の内底面側からエア吸引して、該金型の金型面に供給されたリリースフィルムを前記キャビティ凹部の内面に吸着する吸引孔をエア吸引機構に連絡して設け、前記一方の金型に、前記仕切り部の端面側を切り欠いて隣接するキャビティ凹部を連通するランナー路を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、ポットからキャビティに樹脂を圧送して、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、前記上型または下型の前記被成型品を樹脂封止する一方の金型面に、前記各樹脂封止領域に合わせて、型開閉方向に可動に支持され樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り板によりキャビティ凹部が個々に区分して形成される金型を設け、型開きした状態で、前記一方の金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、下型がクランプ位置から降下した状態で下型に所要量の封止用の樹脂を供給した後、該被成形品を上型と下型とでクランプし、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、前記下型として、個片の半導体装置となる各樹脂封止領域に合わせて、樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を設け、型開きして下型がクランプ位置から降下した状態で、該金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設け、前記上型および下型の型開閉方向を、鉛直線に対して傾斜した配置としたことを特徴とする。
また、片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、下型がクランプ位置から降下した状態で下型に所要量の封止用の樹脂を供給した後、該被成形品を上型と下型とでクランプし、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、前記下型として、個片の半導体装置となる各樹脂封止領域に合わせて、樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を設け、型開きして下型がクランプ位置から降下した状態で、該金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設け、前記下型の外周に型開閉方向に可動でかつ、型開き時に下型の金型面よりも端面が突出するクランパを設けたことを特徴とする。
また、前記クランパにリリースフィルムをエア吸引してクランパの端面にリリースフィルムを吸着するエア吸着孔が設けられるとともに、前記下型にリリースフィルムをエア吸引し、下型と前記クランパとによって囲まれた凹部の内面をリリースフィルムによって被覆するエアの吸引機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法およびこの方法を適用する樹脂封止装置について添付図面とともに詳細に説明する。
図1、2は本発明に係る半導体装置の樹脂封止装置で使用する金型の構成とこの樹脂封止装置を用いて樹脂封止する方法を示す。
16は基板12に半導体チップ10を搭載した被成形品である。被成形品16は基板12上で縦横方向に一定間隔で半導体チップ10が配置されたものである。実施形態は2つの半導体チップ10を単位として一つの半導体装置を構成するマルチチップモジュールを製造する例である。もちろん、個々の半導体装置で単一の半導体チップ10を搭載する場合、3つ以上の半導体チップ10を搭載する場合、半導体チップ10以外の抵抗等の回路部品を搭載する場合等にも適用可能である。
【0012】
被成形品16は金型の上型20と下型21とによってクランプされ、ポット24からキャビティ26に樹脂を充填して樹脂封止される。22は樹脂を圧送するプランジャである。
本実施形態では下型21にキャビティ凹部26aを設け、被成形品16の半導体チップ10を搭載した面を下向きにして下型21に被成形品16をセットする。なお、上型20にキャビティ凹部を設けて被成形品16の半導体チップ10の搭載面を上向きにして樹脂封止することも可能である。
【0013】
図3に下型21の斜視図を示す。下型21には基板12に搭載されている半導体チップ10の配置位置に合わせて矩形のキャビティ凹部26aを形成する。28は隣接するキャビティ凹部26aを仕切る仕切り部である。実施形態では仕切り部28を格子枠状に形成して矩形に区分されたキャビティ凹部26aを形成した。仕切り部28の上端面は均等高さに形成され、金型のパーティング面となる。
【0014】
30は隣接するキャビティ26の間を連絡するランナー路である。ランナー路30は仕切り部28を部分的に切り欠いて形成し、隣接するキャビティ26がランナー路30を介して連通するようにする。実施形態では長手方向に配列されるキャビティ凹部26aが3個ずつ連通するようにランナー路30を配置した。
図1では、ランナー路30が通過する部位で下型21を切断した断面を示す。
【0015】
本実施形態の樹脂封止装置は被成形品16を上型20と下型21とでクランプして樹脂封止するが、下型21の樹脂成形面をリリースフィルム40で被覆することにより、樹脂成形面にじかに封止樹脂が接触しないようにして樹脂封止することを特徴とする。リリースフィルム40は金型の加熱温度に耐えられる所定の耐熱性を有するもので金型から容易に剥離するものを使用する。たとえば、PTFE、ETFE、PET、FEPフィルム等が使用できる。また、キャビティ凹部26a等の樹脂封止部の内面形状にならって容易に変形する柔軟性、伸展性を有するものを使用する。また、樹脂封止後に硬化した樹脂から容易に剥離するものを使用する。
【0016】
実際形態の封止金型はポット24の両側に下型21を配置する。図1は一方側の下型21を示している。もちろん、下型21はポット24の両側に配置するのでなくポット24の一方側のみに配置するのでもよい。また、下型21の寸法や下型21に設けるキャビティ凹部26aの配置数等も被成形品16に合わせて適宜設計する。
図1は型開きして下型21とポット24にリリースフィルム40をセットした状態を示す。図のようにリリースフィルム40はポット24の内面と下型21の樹脂封止面の全体を被覆するように配置する。
【0017】
リリースフィルム40は樹脂封止操作に合わせて、封止金型の樹脂封止部を覆うように封止金型上に搬入される。リリースフィルム40をセットする際は封止金型の樹脂封止面に単にのせるだけでもよいが、図1に示すように、キャビティ凹部26aの内底面側からエア吸引し、キャビティ凹部26aの内面形状にならってリリースフィルム40を吸着するのがよい。32はリリースフィルム40をエア吸引するための吸引孔である。吸引孔32はたとえばキャビティ凹部26aの内底面でスリット状に開口させ、封止金型の外部のエア吸引機構に連絡して設ける。
【0018】
リリースフィルム40は柔軟性を有するから、吸引孔32からエア吸引することにより容易にキャビティ凹部26aの内面形状にならってエア吸着される。これによって被成形品16を収納するキャビティ26が形成される。
ポット24部分についてもポット24の内部側からエア吸引することにより、ポット24の内周面とプランジャ22の上端面で構成される凹部の内面に沿ってリリースフィルム40がエア吸着される。
【0019】
ポット24の内面にリリースフィルム40をエア吸着する方法としては、ポット24の内周面とプランジャ22の外周面との間の隙間部分をエア流路としてポット24の下方からエア吸引する方法、プランジャ22の外周面に上下に連通する溝を設け、溝部分をエア流路としてエア吸引する方法等がある。ポット24の内面をリリースフィルム40で覆っているから、ポット24の内面に溶融した樹脂が付着することがない。
【0020】
リリースフィルム40を下型21の樹脂封止面とポット24部分にエア吸着した後、ポット24に樹脂タブレット34を供給し、被成形品16を下型21の所定位置にセットする。ポット24に供給する封止用の樹脂としては樹脂をタブレット状に固めて成形したものの他、顆粒状の樹脂、粉体状の樹脂、液体状の樹脂、シート状の樹脂、ゼリー状の樹脂が使用できる。また、熱硬化性樹脂であっても熱可塑性樹脂であってもよい。
【0021】
次いで、被成形品16を上型20と下型21とでクランプし、ポット24内で溶融した樹脂34aをプランジャ22により圧送してキャビティ26内に樹脂34aを充填する。図2はキャビティ26に樹脂34aを充填した状態である。樹脂34aはポット24に近い側に配置されているキャビティ26からより遠い側のキャビティ26へ向けて順に充填されていく。ランナー路30は隣接するキャビティ26間を連通して樹脂34aを充填する流路となる。このようにしてポット24からすべてのキャビティ26に樹脂34aが充填した後、保圧して樹脂34aを硬化させる。
【0022】
樹脂34aが硬化した後、型開きし、樹脂封止した成形品を封止金型上から取り出す。成形品の取り出しは、封止樹脂にリリースフィルム40が付着した状態で金型外へ取り出してからリリースフィルム40を剥離除去するか、封止金型内で成形品をリリースフィルム40から剥離した後、成形品とリリースフィルム40を別々に金型外へ取り出しする。
【0023】
図4は樹脂封止後の成形品の斜視図を示す。基板12上に矩形の樹脂封止部36が一定間隔をあけて縦横配列で配置されている。隣接する樹脂封止部36の中間部分には樹脂が残留せず、基板12が露出する。30aはランナー路30内で硬化した樹脂で基板12に付着して残留しているものである。
【0024】
半導体装置は個々の樹脂封止部36ごとに基板12を分割して得られる。図でA−A線は基板12上での一方の分離線、B−B線はこれに直交する他方の分離線を示す。本実施形態の樹脂封止装置によって得られた成形品は、ランナー路30内で硬化した樹脂30aが部分的に残留するが、隣接する樹脂封止部36の中間領域は基板12のみであり、基板12のみを分割することによって容易に個片化された半導体装置を得ることができる。
【0025】
このように基板12のみを分割して半導体装置とする方法であれば、ダイシングソーを用いて分割する場合でも刃をいためることなく、きわめて容易に分割することができる。ダイシングソーによる分割操作を容易にするため基板12として、ランナー路30が通過する部位を除いてダイシングソーが通過する部位にあらかじめスリット孔を設けたものを使用すれば、さらに能率的に分割することができる。
また、基板12の分割線に合わせてあらかじめノッチを設けた基板12を使用し、樹脂封止後にノッチ部分で基板12を割ることによって個片の半導体装置を得ることもできる。
【0026】
本実施形態のようにリリースフィルム40を用いて樹脂封止する方法は、被成形品16を確実にクランプすることができ、的確な樹脂封止ができるという利点がある。被成形品16の基板12が樹脂基板であるような場合には、基板12の厚さに若干のばらつきがあることが避けられない。しかし、リリースフィルム40を介してクランプすれば、基板12の厚さのばらつきを吸収して基板12の表面に樹脂ばりを残したりせず確実に樹脂封止することができる。
【0027】
また、成形品を離型する場合はエジェクタピンを使用して型開き時に樹脂成形部分をエジェクタピンで突き出すようにするのが従来の方法である。リリースフィルム40を用いればエジェクタピンを用いずに離型することができ、封止金型の内部にエジェクタピンを配置するといった複雑な金型構造にする必要がないという利点がある。
【0028】
また、リリースフィルム40で封止金型の樹脂封止部の内面を被覆することにより、キャビティ26の内面での樹脂の流れ性が良好となり、キャビティ26内に樹脂34aが充填されやすくなって樹脂封止部36の内部にボイドが生じることを防止し、確実に樹脂封止することができる。また、キャビティ26内での樹脂34aの流れ性が良好になることから、樹脂封止部36の厚さが0.1mmといったきわめて薄厚のパッケージを形成することが容易に可能になる。
【0029】
また、キャビティ26内での樹脂の流れ性に関連して、従来の樹脂封止装置では成形品の離型性を考慮して、樹脂封止後の離型が容易な樹脂を使用しているが、本実施形態のようにリリースフィルム40を使用する場合は、樹脂と封止金型とが接しないから、キャビティ26への樹脂の充填性、半導体装置の電気的特性等のみを考慮して樹脂を選択することができる。
【0030】
なお、リリースフィルム40を用いて樹脂封止する方法としては、図5に示すように上型20と下型21の双方のパーティング面および樹脂成形面をリリースフィルム40で被覆して樹脂封止するようにしてもよい。また、被成形品16基板面上にポット24を配置して樹脂封止する構成とすることもできる。
また、図6に示すように上型20に被成形品16の基板と同厚の段差20aを設けて、段差20a内に被成形品16を収容して樹脂封止することもできる。
【0031】
上記実施形態の樹脂封止装置で使用する下型21は仕切り部28にランナー路28を設けて隣接するキャビティ26を連通していたが、ランナー路28内で硬化した樹脂が基板12上に残らないようにするには、たとえば、図7に示すような封止金型を使用すればよい。
図7に示す封止金型は上述した下型21と同様に仕切り部28によって矩形枠状にキャビティ凹部26aを仕切るものであるが、隣接するキャビティ26を連絡する仕切り部28を上下に可動となる仕切り板28aとして形成し、仕切り板28aを上下駆動される支持板38に支持したことを特徴とする。
【0032】
図7は被成形品16をリリースフィルム40を介して上型20と下型21とでクランプし、ポット24からキャビティ26に樹脂34aを充填している状態である。このように樹脂34aをキャビティ26に充填する際には仕切り板28aの上端面を基板12の表面から離間させ、隣接するキャビティ26を相互に連通させる連通路31とすることによってすべてのキャビティ26に樹脂34aを充填することができる。そして、すべてのキャビティ26に樹脂34aが充填されたところで支持板38を上動させ、仕切り板28aの上端面を基板12に当接させることによって、個々のキャビティ26を完全に仕切ることができる。
【0033】
このような方法によって樹脂封止すれば、基板12上でキャビティ26を相互に連通していた連通路31の部位にも樹脂封止後に樹脂が残留せず、図8に示すように基板12上で樹脂封止部36が完全に分離した成形品を得ることができる。このように樹脂封止部36が個々に完全に分離して形成されれば、基板12を個片に分離する操作がさらに容易になる。
また、仕切り板28aを利用する場合は、下型21で仕切り板28aを上下動させる上下動孔からエアを吸引してリリースフィルム40をキャビティ凹部26aにならってエア吸着することができ、エア吸着用の吸引孔を別に設けなくてもよい。
【0034】
上述した各実施形態ではいずれも下型21にキャビティ凹部26aを設けた金型を使用して樹脂封止したが、上型20にキャビティ凹部26aを設けた金型を使用する場合も同様に樹脂封止することができる。上型20にキャビティ凹部26aを設けた場合は上型20にキャビティ26に連絡する樹脂路を設けるようにすればよい。
【0035】
図9は仕切り部28で各キャビティ凹部26aを完全に仕切った封止金型を示す。上述した実施形態では仕切り部28にランナー路30を設け、あるいは仕切り板28aを可動にすることによって隣接するキャビティ26を連通したが、この例のように、ランナー路30を有しない、固定した仕切り部28でキャビティ凹部26aを形成した封止金型を使用して樹脂封止することも可能である。
【0036】
図10はランナー路30を有しない固定の仕切り部28を設けた封止金型で液状樹脂を使用して樹脂封止する樹脂封止装置の実施形態を示す。42は下型ベースであり、下型21を型開閉方向にガイドして支持する。44は下型21を型開閉方向に押動する駆動機構に連繋する支持ロッドである。下型21はたとえば、モータによりボールねじを回転駆動し支持ロッド44を進退動させることによって昇降させることができる。
【0037】
本実施形態の樹脂封止装置は、図10に示すように型開閉方向を鉛直線に対し数度傾斜させた配置とすることと、リリースフィルム40を下型21の樹脂成形面にエア吸着させない状態で液状樹脂50を供給してから被成形品16をクランプして樹脂封止することを特徴とする。図10でθは鉛直線に対して金型を傾斜させて配置した角度を示す。
【0038】
図10は型開きした状態で下型ベース42によりリリースフィルム40の周縁部を支持してリリースフィルム40の上に所定量の液状樹脂50を供給した後、被成形品16の周縁部を上型20と下型ベース42とでクランプした状態を示す。リリースフィルム40がたるんでリリースフィルム40の上に液状樹脂50が収容されている。金型が傾斜して設置されていることにより液状樹脂50は中心線CLから左側に偏位して収容される。
【0039】
液状樹脂50は下型21に設けられているすべてのキャビティを充填するに十分な樹脂量を供給する。
図10で下型21は下位置にある状態である。この下位置にある状態から下型21を上型20に向けて押し上げる。下型21が上昇するとともに液状樹脂50はリリースフィルム40を介して押し上げられるが、金型が傾斜して配置されているから、下型21の低位側にあるキャビティ26から徐々に高位側のキャビティ26に向けて液状樹脂50が充填されていく。
【0040】
図11は下型21を上位置まで完全に押し上げ、上型20と下型21とで被成形品16をクランプした状態である。すべてのキャビティ26でリリースフィルム40を介して液状樹脂50が充填されている。このように被成形品16を上型20と下型21とでクランプした状態で、液状樹脂50を硬化させて樹脂封止する。46は上型20と下型21とを加熱するためのヒータである。
【0041】
下型21は縦横に仕切り部28を設けた金型であるが、金型を傾斜させて配置し、液状樹脂50を低位側のキャビティ26から順に充填していくことによって、仕切り部28にランナー路30を設けずに、すべてのキャビティ26に液状樹脂50を充填することが可能となる。そして、仕切り部28にランナー路30を設けないことによって、図8に示すような、完全に樹脂封止部36が独立した形態で樹脂封止することが可能となる。
【0042】
上記のように液状樹脂50を供給して樹脂封止する際には、樹脂量が不足しないように、すべてのキャビティ26を充填するに必要な樹脂量よりも若干多目に液状樹脂50を供給する。下型ベース42のパーティング面に設けたオーバーフロー用のキャビティ48は樹脂封止した際に余分となった樹脂を収容するためのものである。オーバーフロー用のキャビティ48は下型21で最高位のキャビティに隣接する下型ベース42のパーティング面に設ける。これは、低位側のキャビティから順に充填していった液状樹脂50が最後にキャビティから溢れた分を収容するためである。
【0043】
なお、液状樹脂50のかわりに樹脂タブレットを供給して樹脂封止することも可能である。リリースフィルム40を下型ベース42で支持した状態で樹脂タブレットを供給し、封止金型の熱によって樹脂タブレットを溶融した後、下型21を押し上げることによって、液状樹脂50と同様に徐々にキャビティ26に樹脂が充填されて樹脂封止される。
ボイド混入量の少ない樹脂タブレットを使用すれば、液状樹脂を使用する場合と同様にボイドのない好適な樹脂封止が可能である。
【0044】
上記図10〜12で示した樹脂封止装置では下型21のクランプ面は上型20のクランプ面と平行面に形成いているが、下型21のクランプ面を当初設計状態で低位側から高位側にかけて全体として0.05mm程度傾斜させ、下型21を押し上げて上型20との間で被成形品16をクランプする際に、低位側から高位側に徐々にクランプされるように型クランプを制御するように構成することができる。このように金型のクランプそのものを制御することにより、最高位側からエアを抜けしやすくし、リリースフィルム40を若干高位側へ引いて延ばすようにクランプできることから、リリースフィルム40をしわを生じさせずに樹脂封止できるという利点がある。
【0045】
図12は金型を傾斜させ下型21を昇降させて樹脂封止する樹脂封止装置の他の構成例を示す。本実施形態の樹脂封止装置は上型20あるいは下型21に樹脂の供給部として樹脂タブレット34を加熱して溶融する溶融部60を設け、溶融部60で溶融した樹脂34aをリリースフィルム40上に供給するように構成したことを特徴とする。図12では上型20にタブレット押圧板62と押圧バネ64を設けた溶融部60を設け、押圧板62により樹脂タブレット34を押圧しつつ加熱して溶融する構成を示す。66はヒータである。
【0046】
上型20および下型21は上述した実施形態と同様に傾斜させて配置するから、溶融部60は上型20のパーティング面のうちで最も高位側に配置し、溶融部60で溶融された樹脂34aが押圧板62によって押し出されてリリースフィルム40上に流入するようにする。68は溶融部60の基部から下型21側に樹脂34aが流入するようにするためのゲートである。
【0047】
本実施形態の樹脂封止装置による樹脂封止操作は、型開き時にリリースフィルム40と被成形品16をセットするとともに、溶融部60に樹脂タブレット34を供給して上型20と下型ベース42とを型閉じする。次いで、金型装置を図12に示すように鉛直位置から所定角度まで傾斜させ、溶融した樹脂34aをリリースフィルム40上に供給する。なお、リリースフィルム40上に所要量の樹脂34aを供給する方法は上型20に溶融部60を設ける方法に限らず、たとえば下型21にプランジャ等の押し出し機構と樹脂を供給するポットを設け、ポットに樹脂タブレット34を供給してゲート68から溶融した樹脂34aを供給するといったことも可能である。樹脂タブレット34のかわりに顆粒状樹脂や液状樹脂を使用することも可能である。液状樹脂は樹脂フィルムで密封シールしてタブレット形状としたもの、ペンシル形状にしたもの等が使用できる。
【0048】
また、本実施形態では下型21を可動とし、下型21を上昇させて被成形品16をクランプして樹脂封止するが、上型20と下型21の作用を逆にして上型20を可動とし、上型20にキャビティ凹部26aを設け、半導体チップ10を上向きにして被成形品16をセットして樹脂封止することも可能である。本実施形態の場合は溶融部60あるいは押し出し機構を設けて樹脂34aをキャビティ26に押し出すように構成されるからである。また、本実施形態の場合も下型21に限らず上型20のパーティング面にもリリースフィルムを供給してパーティング面をリリースフィルムで被覆することにより、金型に樹脂を付着させずに樹脂封止することができる。
【0049】
上記図10〜12に示す樹脂封止装置はポットからキャビティへ樹脂を圧送することなく、キャビティ凹部26aを形成したプレート状の下型21を昇降させるだけで樹脂封止することを特徴とする。
図13は下型21を昇降させる方式で樹脂封止する樹脂封止装置の他の実施形態を示す。
図13は固定プラテン70に上型20を支持し、可動プラテン72に下型21を支持して下型21を昇降可能としたものである。図10〜12に示す樹脂封止装置では下型21を鉛直線に対し傾けて昇降させたが、本実施形態では鉛直方向に昇降させる。下型21はベースブロック74を介して下型ベース42に固定し、下型ベース42を可動プラテン72に固設する。こうして下型21は可動プラテン72によって押動されることになる。
【0050】
76は被成形品16を樹脂封止する際に封止範囲の外周囲をクランプするクランパである。クランパ76は弾発スプリング78により上型20に向けて常時付勢され、可動プラテン72に対し鉛直方向に可動である。なお、クランパ76を付勢する手段として、エアシリンダ等の制御手段を用いることができる。エアシリンダ等の制御手段を用いる場合は、被成形品16をセットする際に、キャビティの底面位置にクランパ76のクランプ端面を下げておくことにより、フラットな状態で被成形品16を支持できるという利点がある。大型の半導体ウエハ等を被成形品16とする場合に破損等を防止できて有用である。
80aはリリースフィルム40の供給ロール、80bはリリースフィルム40の巻取ロールである。樹脂封止操作に合わせてリリースフィルム40は供給ロール80aから下型21上に定寸送りされ、巻取ロール80bに巻き取られる。82はリリースフィルム40を搬送するための送り出しローラ、84は巻取りローラである。
【0051】
本実施形態の樹脂封止装置による樹脂封止操作は以下のとおりである。
まず、下型21が下位置にある状態で新たにリリースフィルム40が下型21の上に供給される。クランパ76は弾発スプリング78の付勢力により、下型21が下位置にある状態で下型21の樹脂成形面よりも上方にクランプ面が突出する。リリースフィルム40はクランパ76の端面を覆っており、クランパ76に設けたエア吸着孔76aからエア吸引することによってクランプ面に吸着支持される。
次に、下位置にある下型21の内底面側からエア吸引し、図13に示すように、下型21とクランパ76によって囲まれた凹部の内面がリリースフィルム40によって被覆された樹脂収容凹部を形成する。この状態で樹脂収容凹部に所定量の液状樹脂50を供給する。
【0052】
被成形品16は基板12の片面に複数個の半導体チップ10を搭載したものである。被成形品16は上型20に位置決めしてセットしてもよいし、リリースフィルム40を配置した状態でクランパ76の上に位置決めしてセットしてもよい。
被成形品16をセットした後、可動プラテン72を上動させ上型20とクランパ76および下型21とで被成形品16をクランプする。可動プラテン72が上動する際には、まずクランパ76と上型20とで被成形品16の周縁部がクランプされ、さらに可動プラテン72が上動して下型21と上型20とで被成形品16がクランプされる。クランパ76が停止した後、下型21が上昇する際には弾発スプリング78が縮む。
【0053】
86、87は下型21が上動した際の上位置を規制するストッパである。下型21はストッパ86、87の端面が当接する高さまで上昇して停止する。ストッパ86、87はクランプ時に可動プラテン72が過度に被成形品16をクランプして被成形品を傷めないようにするためのものである。
クランパ76によって被成形品16の周縁部をクランプした状態で下型21を押し上げることにより、液状樹脂50はワイヤ、半導体チップ、基板の順で浸漬していく。デバイスが液状樹脂50に浸漬されるにしたがって樹脂はリリースフィルム40を押し広げるようにして個々のキャビティ26内に押し出され、各キャビティごと半導体チップ10が樹脂封止される。
【0054】
下型21を完全に上位置に押し上げた状態で液状樹脂50を加熱して硬化させる。上型20および下型21はヒータ46によって加熱されている。
樹脂硬化後、可動プラテン72を下降させて型開きする。型開き時には、まずクランパ76で被成形品16をクランプした状態で下型21が下動し、次いで成形品を支持した状態でクランパ76が下動する。型開きしたところで成形品を金型外に取り出し、クランパ76によるリリースフィルム40の吸着支持を解除して、リリースフィルム40を新たに引き出しする。こうして、次回の樹脂封止状態となる。
【0055】
本実施形態のように複数のキャビティ凹部26aを設けたプレート状の下型21を可動プラテン72で押動して樹脂封止する方法は、被成形品16に対して樹脂成形圧力が効果的に作用するから、従来のトランスファモールドによる場合にくらべて小出力のプレス装置で樹脂封止することが可能である。従来の樹脂封止装置では120トン程度のプレス装置で、3トンのプランジャの推力を有するものといったものを使用しているが、本実施形態の装置であれば15トン程度のプレス装置で十分である。
【0056】
また、A3サイズ、A4サイズといった大型のプレート状の被成形品を樹脂封止することが可能となる。上型20と下型21にヒータ46を内蔵し、被成形品16を両面から加熱して樹脂硬化時間を速め、これによって樹脂封止作業を効率化できる。なお、加熱によって成形品が反らないように中心から硬化するよう上型20と下型21のヒータを中心の発熱量が大きくなるように調節するのがよい。また、被成形品16を金型にセットするインローダにヒータを設けておき、被成形品16を金型にセットする前にあらかじめ被成形品16を加熱しておくと、被成形品16を金型にセットした際の反りをかなり減少させることができる。
【0057】
また、本実施形態のように下型21を昇降操作して上型20との間で被成形品16をクランプして樹脂封止する方法によると、ワイヤ流れのない好適な樹脂封止が可能である。また、樹脂に内部ストレスが生じないから、反りのない成形品が得られる。
また、リリースフィルム40を介して樹脂封止することで、基板12の厚さがばらついたりした場合でもキャビティの境界部分で基板12が確実にクランプでき、基板12の表面に樹脂ばりを生じさせずに樹脂封止することができる。また、下型21をリリースフィルム40で被覆したことにより樹脂が下型21やクランパ76の表面に付着せず、これらの可動部分に樹脂が入り込むことを防止して円滑な可動動作を可能とする。
【0058】
図14、15は下型21を昇降させる方式で樹脂封止する樹脂封止装置の応用例として半導体ウエハ90の片面を樹脂成形する装置を示す。
半導体ウエハ90の片面上には外部接続端子を接合するピラー92が多数本立設されており、このピラー92を立設した面をピラー92の端面が露出するように樹脂成形する。樹脂成形後、この半導体ウエハ90は個片に分割されて製品となる。
図14に示すように、下型21を可動プラテン72に支持し、弾発スプリング78によりクランパ76を可動に支持すること、下型21にリリースフィルム40を供給する構成は上記実施形態と同様であり、被成形面を上向きにして半導体ウエハ90を下型21にセットすること、上型20の樹脂成形面にリリースフィルム41を供給するようにした点が異なる。リリースフィルム41は上型20に樹脂が付着することを防止する。81aがリリースフィルム41の供給ロール、81bが巻取ロールである。
【0059】
本実施形態の樹脂封止装置では、まず、型開きの状態で上型20のクランプ面にリリースフィルム41を供給してセットするとともに、下型21にリリースフィルム40を供給し、クランパ76にリリースフィルム40を吸着支持する。
次に、下型21の内底面からリリースフィルム40をエア吸引し、クランパ76と下型21によって囲まれた凹部内面にリリースフィルム40を吸着し、凹部内に半導体ウエハ90をセットする。
次に、樹脂94を半導体ウエハ90の略中央部にセットする。図14は樹脂94をセットした状態である。
【0060】
次いで、可動プラテン72を上動し、クランプを開始する。まず、樹脂94がクランプされ、次にクランパ76が上型20に当接する。
クランパ76が上型20に当接し、さらに可動プラテン72が上動することによって下型21が半導体ウエハ90を押し上げるようになる。下型21が半導体ウエハ90を押し上げる動作は、上型20と下型21のストッパ86、87が当接したところで停止する。この停止位置は樹脂94が溶融され、各ピラー92間を樹脂94aが充填する状態であり、この位置で製品の厚さが規定される。
下型20が押し上げられる際には樹脂94は徐々に溶融し、浸漬半径が徐々に大きくなるように中央部分から周囲に浸漬していき、最終的にピラー92の間に充填される。
【0061】
図15はストッパ86、87が当接して下型21が上位置に押し上げられた状態である。半導体ウエハ90に立設されたピラー92の間に樹脂94aが充填され、ピラー92の端面がリリースフィルム41内に若干入り込んでピラー92の端面に樹脂94aが付着しないよう樹脂成形される。ピラー92の高さ寸法に若干ばらつきがあってもリリースフィルム41を介して樹脂成形することによって、ばらつきを吸収してピラー92の端面を確実に露出させて樹脂成形することができる。96はリリースフィルム41を上型21で吸着支持するためのエア吸着孔、98はオーバーフロー用のキャビティである。
【0062】
図16は図15に示す樹脂封止金型の上型20の平面図、図17は下型21の平面図である。図16で20cは上型20のパーティング面に設けた被成形品の半導体ウエハ90を押接する円形の押接面を示す。押接面20cの周囲に上型20にリリースフィルム41をエア吸着するエア吸着孔96を所定間隔で配置する。図示例ではエア吸着孔96を四角形状に配置しているが、押接面20cの形状にあわせて同心の円形状に配置することもできる。
【0063】
上型20および下型21側のパーティング面(キャビティの底面を含む)で、エア吸着孔96、76aで各々囲まれた領域を放電加工、サンドブラスト等によって梨地等の粗面に形成すると、表面のわずかな凹凸によって摩擦抵抗が小さくなりリリースフィルムが移動しやすくなってリリースフィルムの位置決めが確実にできるようになる。また、表面の凹凸によって金型からの熱が伝わりにくくなり、リリースフィルムがいっきに伸びないことからリリースフィルムをエア吸引した際にフィルム全体を吸引しやすくなる。また、エア抜きがしやすくなることから、リリースフィルムを吸引した際にしわが生じてもエア吸引を続けると徐々にしわが解消される。
なお、表面の粗面形状としては梨地の他、溝を設けるといった方法もある。クランプエリアについては平滑面に仕上げる場合もある。
【0064】
図17に示すように半導体ウエハ90を支持する下型21は半導体ウエハ90の径寸法に合わせて平面形状を円形に形成される。クランパ76は下型21の外側に下型21に対して摺動可能に設けられる。76bは下型21の外周に沿ってクランパ76の表面に設けたクランプ突起である。クランプ突起76bは樹脂封止領域の境界部分で確実にクランプ力が作用するようパーティング面から僅かに突出するように設けたものである。76cはクランプ突起76bを溝状に切り欠いたオーバーフローゲートである。
【0065】
オーバーフロー用のキャビティ98はクランプ突起76bの外側に一周するように配置する。オーバーフロー用のキャビティ98の底面にエアベント孔98aを開口し、エア吸引機構に連絡してオーバーフロー用のキャビティ98内にリリースフィルム40を吸引可能とする。上型20にも下型21と同様にオーバーフロー用のキャビティ98を設ける。
下型21で77はオーバーフロー用のキャビティ98のさらに外側に配置した吸引溝である。実施形態では吸引溝77を均等配置で4か所に設けている。77aは吸引溝77の底面に開口させた吸引孔である。この吸引孔77aもエア吸引機構に連絡し、リリースフィルム40を吸引溝77に引き込み可能とする。吸引溝77にリリースフィルム40のたるみを引き込み、しわを取ることが可能となる。吸引溝77は分断した形状でなく周方向に連通させた形状としてもよい。なお、オーバーフロー用のキャビティ98の深さを部分的に深くすることによって吸収溝77と同様なリリースフィルム40のたるみを引き込む作用をもたせることができる。
【0066】
図18はピラー92を立設した面を下型21に向けて半導体ウエハ90を樹脂成形する樹脂封止装置の実施形態を示す。上型20と下型21にリリースフィルム40、41を供給すること、クランパ76を用いること、可動プラテン72で下型21を支持すること等の基本的な構成は上記実施形態と同様である。101は下型21の底面側からエア吸引するために設けたシールリングである。
本実施形態での樹脂封止装置では、上型20と下型21にリリースフィルム40、41をセットした後、クランパ76の上面で周縁部を支持するようにして半導体ウエハ90を下型21にセットし、クランパ76と下型21とで形成された凹部内に液状樹脂50を注入する。図18は液状樹脂50を注入した状態である。
【0067】
次いで、可動プラテン72を上動させ半導体ウエハ90の周縁部をクランパ76で上型20との間でクランプし、さらに下型21を上動させる。下型21はストッパ86、87が当接したところで上動が停止する。下型21の上動とともに液状樹脂50が半導体ウエハ90のピラー92の形成面の全面で浸漬する。下型21の押し上げ位置ではピラー92の端面が若干リリースフィルム40に入り込むように液状樹脂50の充填厚が設定されているから、ピラー92の端面から樹脂が排除され、ピラー92を露出した形状で樹脂成形される。
【0068】
本実施形態および上記実施形態で説明したように、半導体ウエハ90でピラー92を形成した面を樹脂封止する際に、上型20および下型21をリリースフィルム40、41で被覆して樹脂成形する方法は、ピラー92の端面を露出させた状態で樹脂成形する方法として好適に用いられる。そして、上型20と下型21の樹脂成形面をリリースフィルム40、41で被覆することによって、樹脂成形面に樹脂が付着せず、したがって金型面をクリーニングする必要がなくなるとともに、きわめてクリーンな状態での樹脂成形が可能となって、信頼性の高い製品の製造に好適に利用することが可能となる。
【0069】
上述した図13、14、18で示す樹脂封止装置はいずれも下型21を可動プラテン72で支持して下型21を可動としたが、下型21を昇降させるかわりに上型20を昇降させて被成形品16をクランプして樹脂封止することも可能である。すなわち、上型20と下型21によって被成形品16をクランプする操作は相対的な型締め、押圧操作であればよい。
【0070】
図19は樹脂封止装置の他の実施形態として、クランパ78にオーバーフロー用のキャビティ102を設けた構成と、ストッパ86、87の突出長さを調節可能とした構成を示す。
オーバーフロー用のキャビティ102は通気孔104を介してエア機構に連絡する。106はオーバーフローゲート、108はエアベントである。図19(b) にオーバーフロー用のキャビティ102、オーバーフローゲート106、エアベント108の平面図を示す。オーバーフロー用のキャビティ102は周方向に連通し、その内周側にオーバーフローゲート106を配置する。エアベント108はオーバーフロー用のキャビティ102の外周に所定間隔をおいて複数個配置する。110はリリースフィルム40、41をクランプするクランプ面である。
【0071】
樹脂成形部からオーバーフローした樹脂はリリースフィルム40で内面が被覆されたオーバーフロー用のキャビティ102に進入する。この状態で通気孔104からオーバーフロー用のキャビティ102にエア圧を加えることでキャビティ内に供給されている樹脂に樹脂圧を加えることができ、樹脂成形部での樹脂圧の低下を防止することができる。また、通気孔104からのエア圧を制御することによって、オーバーフロー用のキャビティ102へ樹脂が排出される際の抵抗を制御することができる。オーバーフロー用のキャビティ102への樹脂のオーバーフロー量を制御することによりパッケージの厚さを正確に制御することも可能である。
【0072】
116は上型20側のストッパ86の突出長さを制御するモータである。ストッパ86をガイドロッドに対して突出入自在に支持し、モータ116の出力軸にストッパ86と嵌合するたとえば楕円カムを取り付け、楕円カムの回動位置によってストッパ86の突出量を調節する。被成形品は製品あるいはロットによって厚さが若干変動する。たとえば、半導体ウエハ90の場合にはウエハの厚さ、保護用の膜の厚さ、ピラー92の寸法等にばらつきがある。したがって、このようなばらつきに対応して適切にクランプできるようストッパの高さを調節できるようにしておくのがよい。実際にストッパ86の調節高さとしては±0.1mm程度あればよい。
【0073】
前述したように、下型21を昇降させて樹脂封止する方法によれば、樹脂圧が効果的に作用することから下型21としてかなり大型の金型を使用することが可能となる。しかしながら、金型が大型になると、キャビティ内で樹脂が硬化する度合いが場所によって異なることが問題となる。下型21全体を大きなキャビティとして見た場合、樹脂の硬化は下型の中央から徐々に周辺に及んでいくようにすることが好ましい。これは、ボイドをキャビティの外側に追い出し、キャビティ内にできるだけボイドが残らないようにするためである。このように下型21全体で中央部の樹脂から先に硬化するようにするためには、金型の中央部での熱容量を大きくし周辺部の熱容量を小さくする方法、ヒータの容量を中央部で大きくし周辺部で小さくする方法等がある。なお、金型全体の平面形状を円形にすると温度分布を均等にできるといった利点がある。
【0074】
図20は金型の熱容量の分布をコントロールするため金型内に断熱空間108を設けた例である。
また、樹脂は硬化する際に収縮する性質があるから、キャビティの中央部で樹脂を過充填とし、樹脂が収縮した際に所定の厚さが得られるようにする構成とすることも可能である。すなわち、樹脂圧を受けた際にキャビティの中央部で金型が外に若干押し広げられるようにし、樹脂が収縮する際に元位置に復帰するようにする。図20で110は金型の中央部で0.02mm程度の隙間に形成した部位である。これにより金型が樹脂圧によって若干押し広げられる。
【0075】
以上、各実施形態で説明したように、本発明に係る樹脂封止装置はリリースフィルム40を介して樹脂封止することを特徴としている。このようにリリースフィルム40を介して樹脂封止した場合は、個々のキャビティで見ると、キャビティ内に残留している空気の圧力とリリースフィルム40の弾性力とによってキャビティ内に充填された樹脂に適度の保圧力を作用して樹脂封止されるという利点がある。
【0076】
図21は上型20と下型21とでリリースフィルム40を介して被成形品16をクランプした状態である。キャビティ凹部26aは下型21に設けた仕切り部28によって個々に区分されているから、リリースフィルム40を介して被成形品16をクランプすると、キャビティ凹部26aに空気が閉じ込められて圧縮される。このキャビティ凹部26aに閉じ込められた空気はリリースフィルム40を介して樹脂34a、50を押圧するように作用し、同時にリリースフィルムの弾性力も樹脂を押圧するように作用する。これは、硬化時に樹脂の体積が減少する場合に、キャビティに充填された樹脂に適度の保圧力を加えて樹脂封止する作用としてはたらく。
【0077】
図21に示す例では、下型21にキャビティ凹部26aの内底面に通じるエア送入孔33を設け、エア送入孔33から圧縮空気を送入して保圧力を加えるようにしている。エア送入孔33を設けるかわりに、リリースフィルム40をキャビティ凹部26aの内面にエア吸着する吸引孔32を利用して保圧力を加えるようにしてもよい。
【0078】
図22、23はキャビティ凹部26aを仕切る仕切り部28の端面にランナー路を設けて樹脂封止する金型の構成例を示す。実施形態では隣接するキャビティ26の中間にある仕切り部28にキャビティ26同士を連絡するランナー路29a、仕切り部28が交差する位置で対角位置にあるキャビティ26同士を連絡するランナー路29を設けた。仕切り部28にランナー路を設けることにより、キャビティ26に残留したエアをキャビティ26間で連通させることができ、キャビティ26間で保圧力をバランスさせることができる。また、ランナー路は前述したランナー路30等と同様にキャビティ26間で樹脂量を平均化させる作用がある。
【0079】
なお、被成形品としては樹脂基板に半導体チップ10を搭載したものはもちろん、樹脂基板に各種回路部品を搭載したモジュール製品、半導体ウエハを基板とするもの、半導体ウエハの表面に電極を形成したもの、半導体ウエハに回路を形成したもの等、さまざまな製品が対象となる。また、基板も多層基板、テープ基板が使用できる。
また、前記実施形態ではリール状に卷回した長尺のリリースフィルムを使用したが、短冊状のリリースフィルムを使用してもよい。
また、樹脂成形に使用する金型の寸法を、A3、A4、A5といった特定の規格寸法に設定しておくことにより、樹脂封止装置を共通に使用することが可能となり装置を効率的に使用することができるようになる。
【0080】
また、樹脂成形部を含む上型20、21のパーティング面の処理として、ニッケル−ホウ素−タングステンの三元合金による無電解めっきを施したものは樹脂の離型性が良好であることから、樹脂成形時の樹脂漏れ対策用として好適に使用できる。また、金型の表面をシリコン系の超撥水性有機めっきにより処理したもの、また、金型の表面をフッ素化テフロン、オリゴマーを分散粒子とした分散めっきにより処理したものは、金型可動による樹脂封止装置では樹脂の流動が少ないことから好適に使用でき、樹脂漏れ対策用としても有効な処理である。
【0081】
【発明の効果】
本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、上述したように、基板に複数個の半導体チップまたは回路部品を搭載した被成形品の片面を樹脂封止することを容易にかつ確実に行うことが可能となる。また、リリースフィルムを用いて樹脂封止することにより、金型の構造を簡素化することができるとともに、樹脂ばりを生じさせずに樹脂封止することができ、信頼性の高い半導体装置の製造が可能となる。また、本発明に係る樹脂封止装置によれば、半導体チップ等を搭載した被成形品を樹脂封止領域ごとに樹脂封止することを容易にまた確実に行うことが可能である等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂封止装置に被成形品をセットする状態の断面図である。
【図2】被成形品をクランプして樹脂封止した状態の樹脂封止装置の断面図である。
【図3】樹脂封止装置で用いる下型の斜視図である。
【図4】被成形品を樹脂封止した成形品の斜視図である。
【図5】樹脂封止装置の他の構成を示す断面図である。
【図6】樹脂封止装置のさらに他の構成を示す断面図である。
【図7】樹脂封止装置の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】被成形品を樹脂封止した樹脂成形品の斜視図である。
【図9】被成形品を樹脂封止する下型の斜視図である。
【図10】下型を昇降させて樹脂封止する樹脂封止装置を示す断面図である。
【図11】被成形品を樹脂封止した状態の断面図である。
【図12】下型を昇降させて樹脂封止する樹脂封止装置を示す断面図である。
【図13】下型を昇降させて樹脂封止する樹脂封止装置の説明図である。
【図14】半導体ウエハの樹脂封止装置の構成を示す説明図である。
【図15】半導体ウエハを樹脂封止した状態を拡大して示す断面図である。
【図16】樹脂封止装置の上型の構成を示す平面図である。
【図17】樹脂封止装置の下型の構成を示す平面図である。
【図18】半導体ウエハの樹脂封止装置の構成を示す説明図である。
【図19】樹脂封止装置のクランパの構成を示す断面図および平面図である。
【図20】金型の内部構造を示す説明図である。
【図21】樹脂封止した状態のキャビティ内の構成を示す断面図である。
【図22】ランナー路を形成した状態を示す断面図である。
【図23】ランナー路を形成した状態を示す平面図である。
【図24】基板上に多数個の半導体チップを搭載した被成形品を樹脂封止した状態の断面図である。
【符号の説明】
10 半導体チップ
12 基板
14 樹脂
16 被成形品
20 上型
21 下型
22 プランジャ
24 ポット
26 キャビティ
26a キャビティ凹部
28 仕切り部
28a 仕切り板
30 ランナー路
32 吸引孔
33 エア送入孔
34 樹脂タブレット
34a 樹脂
36 樹脂封止部
40、41 リリースフィルム
42 下型ベース
46 ヒータ
50 液状樹脂
60 溶融部
70 固定プラテン
72 可動プラテン
76 クランパ
80a、81a 供給ロール
80b、81b 巻取ロール
86、87 ストッパ
90 半導体ウエハ
92 ピラー
94 樹脂
102 オーバーフロー用のキャビティ
104 通気孔

Claims (9)

  1. 片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、半導体チップ等が搭載された片面を前記半導体チップ等の搭載位置に対応して樹脂封止する半導体装置の製造方法において、
    前記上型または下型の前記被成型品を樹脂封止する一方の金型面に、前記基板上における各樹脂封止領域に合わせて、型開閉方向に可動となる仕切り板によりキャビティ凹部が個々に区分して形成される金型を使用し、
    型開きした状態で、前記一方の金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲にわたり、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給し、
    金型に被成型品を配置して、リリースフィルムを介して被成型品をクランプし、
    該金型の金型面と基板とによって挟まれたキャビティに樹脂を充填した後、
    前記仕切り板を型開閉方向に押動し前記リリースフィルムを介して前記基板上で各樹脂封止領域に合わせて区分して樹脂封止することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記仕切り板を型開閉方向に押動する際に、仕切り板の端面を前記リリースフィルムを介して前記基板の表面に押接して樹脂封止することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、半導体チップ等が搭載された片面を前記半導体チップ等の搭載位置に対応して個別に樹脂封止する半導体装置の製造方法において、
    前記下型として、前記基板上における各樹脂封止領域に合わせて、仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を使用し、
    型開きして下型がクランプ位置から降下した状態で、該金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲にわたり、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給し、
    該リリースフィルムにより被覆された前記下型に、所要量の樹脂を供給し、
    前記下型を上動させるとともに、前記上型と下型とでリリースフィルムを介して前記被成形品をクランプすることにより、前記リリースフィルムを介して前記仕切り部の端面が前記基板の表面に押接されて形成された各キャビティに樹脂を充填して樹脂封止することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 前記下型として、前記仕切り部によりキャビティ凹部が個々に区分して形成されるとともに、金型の外周に型開閉方向に可動でかつ、型開き時に下型の金型面よりも端面が突出するクランパが設けられた金型を使用し、
    前記下型を上動させ、前記クランパにより前記被成形品の周縁部をクランプした後、さらに前記下型を上動させるとともに、前記上型と下型とでリリースフィルムを介して前記被成形品をクランプすることにより、前記リリースフィルムを介して前記仕切り部の端面が前記基板の表面に押接されて形成された各キャビティに樹脂を充填して樹脂封止することを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、ポットからキャビティに樹脂を圧送して、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、
    前記上型または下型の前記被成型品を樹脂封止する一方の金型面に、前記基板上における各樹脂封止領域に合わせて、樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を設け、
    型開きした状態で、前記一方の金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設け、
    前記一方の金型に、前記キャビティ凹部の内底面側からエア吸引して、該金型の金型面に供給されたリリースフィルムを前記キャビティ凹部の内面に吸着する吸引孔をエア吸引機構に連絡して設け、
    前記一方の金型に、前記仕切り部の端面側を切り欠いて隣接するキャビティ凹部を連通するランナー路を設けたことを特徴とする樹脂封止装置。
  6. 片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、該被成形品を上型と下型とでクランプし、ポットからキャビティに樹脂を圧送して、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、
    前記上型または下型の前記被成型品を樹脂封止する一方の金型面に、前記各樹脂封止領域に合わせて、型開閉方向に可動に支持され樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り板によりキャビティ凹部が個々に区分して形成される金型を設け、
    型開きした状態で、前記一方の金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設けたことを特徴とする樹脂封止装置。
  7. 片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、下型がクランプ位置から降下した状態で下型に所要量の封止用の樹脂を供給した後、該被成形品を上型と下型とでクランプし、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、
    前記下型として、個片の半導体装置となる各樹脂封止領域に合わせて、樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を設け、
    型開きして下型がクランプ位置から降下した状態で、該金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設け、
    前記上型および下型の型開閉方向を、鉛直線に対して傾斜した配置としたことを特徴とする樹脂封止装置。
  8. 片面に複数個の半導体チップおよび/または回路部品が搭載された基板を被成形品とし、下型がクランプ位置から降下した状態で下型に所要量の封止用の樹脂を供給した後、該被成形品を上型と下型とでクランプし、前記半導体チップ等の搭載位置に対応する各樹脂封止領域ごとに基板の片面を樹脂封止する樹脂封止装置において、
    前記下型として、個片の半導体装置となる各樹脂封止領域に合わせて、樹脂封止時に端面が前記基板の樹脂封止する面を押接する仕切り部によりキャビティ凹部を個々に区分して形成した金型を設け、
    型開きして下型がクランプ位置から降下した状態で、該金型の金型面に、前記被成形品の平面領域を覆う範囲に、該金型および封止用の樹脂と容易に剥離するリリースフィルムを供給するリリースフィルムの供給機構を設け、
    前記下型の外周に型開閉方向に可動でかつ、型開き時に下型の金型面よりも端面が突出するクランパを設けたことを特徴とする樹脂封止装置。
  9. 前記クランパにリリースフィルムをエア吸引してクランパの端面にリリースフィルムを吸着するエア吸着孔が設けられるとともに、前記下型にリリースフィルムをエア吸引し、下型と前記クランパとによって囲まれた凹部の内面をリリースフィルムによって被覆するエアの吸引機構が設けられていることを特徴とする請求項記載の樹脂封止装置。
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