JP3672427B2 - ゼリー状食品の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表層部分はゲル化層、その下方部分は液体又はゾル状組成物で構成された層からなり、従来にない形態および食感を有する製品を提供し、しかも工業生産性にも優れるゼリー状食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、二層の異なるゲル化層がカップ状の容器内で一体となったデザートが知られている。そして、この二層ゼリーの製造法としては、以下の二つの方法が知られている。
先ず、第一の方法は、ゲル化剤を含むゲル化性組成物を一度加温溶融して容器内に投入し、冷却凝固させた後、二番目のゲル化性組成物を加温した状態で流し込んで冷却凝固させる方法である。
第二の方法は、比重の異なる二種のゲル化性組成物を順次又は同時に容器に投入し、ゾル状で積層させ、冷却して層状ゲルとする方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の方法は、工業生産性に優れたものではなかった。
前記第一の方法は、先に投入するゲル化性組成物と、後から投入するゲル化性組成物のそれぞれに、加温する工程、冷却する工程を行なう必要があり、製造に多大なエネルギーを要するものであった。また、先に投入したゲル化性組成物のゲル化を待って以後の工程を行なわなければならないため、製造に多大な時間がかかってしまうという問題を有する。
前記第二の方法は、二種のゲル化性組成物に比重差をつけているが、ゾル状態で充填するため、その充填時で二種のゲル化性組成物の味や色、香などが混じり合い、著しく商品価値を減じるものであった。また、二種のゲル化性組成物の流動性等を考慮しなければならないため、充填方法が複雑になるという問題も有する。
【0004】
また、そもそも従来のこの種のデザートは、一層目も二層目もゲル化層で構成されているため、多少の固さ(弾力)調整は可能ではあるものの食感的には一層目も二層目とで殆ど差がなく、変化に乏しいものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、従来にない形態および食感を有する製品を製造することができ、しかも工業生産性に優れるゼリー状食品の製造方法に関するもので、少なくとも1種以上のゲル化性組成物を予めゲル化させ、これを細分化し、得られた細分化物を容器内に投入した後、前記細分化物とは比重の異なる液状またはゾル状組成物を、そのまま或いは加温して粘度を低下させた状態で前記容器内に充填し、先に投入した細分化物が溶解する温度まで加温した後、冷却することにより、表層部分にはゲル化層、下方部分には液状またはゾル状組成物からなる層を形成するものである。勿論、先に液状またはゾル状組成物の所定量を容器へ充填した後、ゲル化性組成物の細分化物を前記容器へ投入しても良いし、これらの投入、充填を同時に行うようにしても良いものである。
尚、ゲル化剤を入れない液状またはゾル状組成物の比重がゲル化性組成物の比重よりも高い場合は、そのまま加温してゲル化性組成物の細分化物が溶解した後に冷却すればよい。一方、液状またはゾル状組成物の比重がゲル化性組成物の比重よりも低い場合は、容器をシールして上下反転した後に同様の工程を行う。
【0006】
【発明の実施の形態】
前記本発明に用いられるゲル化性組成物は、熱可逆的にゲル化、ゾル化するものであって、寒天、ゼラチン、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム等の所謂ゲル化剤の1種または2種以上を組み合わせたものの水溶液(水性液)が使用される。このゲル化性組成物を冷却してゲル化させたゲル化物は、空気中においては容易に内部の水分を放出せず、水中においては容易に内部に水分を吸収しない性質を有する。
また、このゲル化性組成物としては、砂糖、液糖、果汁、果肉、色素、香料等のゼリー状食品として適したものであれば、どのような食品添加物を添加してもよい。
【0007】
前記本発明に用いられる液状またはゾル状組成物は、ゲル化しないで液状またはゾル状を維持するものであれば特にその組成を限定するものではなく、どのようなものでも使用することができ、例えば水のみでも可能ではあるが、砂糖、液糖、果汁、果肉、色素、香料など、或いは食品添加物等を適宜に配合することができる。また、ペクチン、グアガム等のゲル化剤についても、添加量を調節することによりゲル化しない範囲であれば適宜に配合することができる。
【0008】
以下、本発明の製造方法の一例を工程順に詳細に説明する。尚、以下の説明では、表層部分のゲル化層が単層のゼリー状食品の製造を主としているが、ゲル化層が二層以上のものも同様に行なうことができる。また、液状またはゾル状組成物を容器に同時に、或いは先に充填する場合も同様に行うことができる。
【0009】
まず、前記ゲル化性組成物をゲル化温度以上に加熱することにより、ゾル状として流動性を持たせ、細分化用の設備内に投入して冷却してゲル化させた後、適宜な大きさに細かく切断または破砕して細分化する。
尚、ゲル化性組成物を新しく調製する場合は、水を撹拌しながら前記ゲル化剤やその他の添加物を添加し、ゲル化温度以上に加温して溶解させ、これを細分化用の設備内に投入してゲル化させればよい。また、細分化物のサイズは特に規定しないが、製品容器の大きさや各製品容器に均等に供給することを考慮すると、細かく切断または破砕することが望ましい。さらに、細分化物にシロップ等の液状物を少量加えて軽く撹拌しておけば、多量に作製された細分化物は流動性が向上して取り出し易くなり、適宜に供給機構等に供することができる。細分化用の設備及び手法は、特に限定するものではなく、どのような設備及び手法を用いてもよい。
【0010】
次に、前記工程で作製されたゲル化性組成物の細分化物をカップ状、又はそれに準ずる形状の製品容器内に投入する。また、細分化物の製品容器内への投入方法は特に限定しないが、工業的には自動供給機構により一定量の細分化物が容器内へ投入されるように設定される。その際に用いる製品容器は、後述する加熱処理においても変形等を生じないものが選ばれる。
【0011】
その後、前記細分化物(ゲル化性組成物)とは比重が異なる液状またはゾル状組成物を、そのまま或いは加温して粘度を低下させた状態で前記製品容器内に充填する。例えば、先に投入される細分化物(ゲル化性組成物)と後から投入(充填)される液状またはゾル状組成物の比重差を0.016以上とすると、鮮明な境界面を形成することができる。
【0012】
この状態で製品容器をシールする。
液状またはゾル状組成物の比重が高い場合、ゲル化性組成物の細分化物は表層部分に上昇するのでそのまま細分化物が溶解する温度まで加熱する。
液状またはゾル状組成物の比重が低い場合には、容器を上下反転してゲル化性組成物の細分化物を下に沈降させた後、加熱する。
ゲル化組成物の細分化物はこの加熱により再溶解する。ここで一時的に二種の組成物は何れも溶解した状態となるが、比重の差により分離して鮮明な境界面が形成される。尚、この加熱を殺菌温度(例えば85℃×30分)で行なえば、エネルギーの節減にもなる。また、後から投入する液状またはゾル状組成物を加熱して加えた場合、連続的に処理を行なうことによりその熱量が利用でき、エネルギーの節減になる。
【0013】
その後、冷却すると、上層、下層にそれぞれ分離する。液状またはゾル状組成物の比重が大きい場合も小さい場合もゲル化層がシール側に位置し、液状またはゾル状組成物の層が容器底部側に位置するゼリー状食品ができあがる。
【0014】
尚、濃度の異なるゲル化性組成物の細分化物を何種類か作ることにより、ゲル化層が多層に形成されるゼリー状食品も同様に作製することができる。
【0015】
このように本発明では、比重の異なるゲル化性組成物の細分化物と液状またはゾル状組成物とを容器内に入れるので、二種の組成物間での混合が生ずることなく連続的に且つ迅速に鮮明な層状に分離する。したがって、熱を加えてゲル化性組成物の細分化物を溶融しても、接触している面積が少ないため、味や色、香等の移動が極めて少ない。
また、このゼリー状食品は、一層目も二層目もゲル化層で構成された従来の二層ゼリーとは全く異なる形態および食感を有する製品となる。
さらに、このゼリー状食品は、各層を基本的に単独で味わえるような味覚に調整しても良いし、食する際にスプーン等で表層部分のゲル化層に下方部分の液状またはゾル状組成物の層を容易に絡めて口に運ぶことができるので、両層を同時に味わうような商品にも好適である。このように本発明で得られるゼリー状食品の形態では、少なくとも従来の二層ゼリーよりも広範な商品群を形成することができる。
【0016】
【実施例】
まず、予め以下のA,Bを作製しておく。
水800gを撹拌しながら、ゲル化剤(ローカストビーンガム20.9%)12g、液糖181g、クエン酸、香料の各適量を加え、加温(80℃)、溶解した後、ゲル化温度(5℃)まで冷却し、サイコロ状(0.5mm×0.5mm×0.5mm)にカットした。これをA(細分化物)とする。
水800gを撹拌しながら、液糖100g、クエン酸、色素、香料の各適量を加え、混合物を溶解する。これをBとする。
次に、前記Aを直径80mm、高さ50mm、内容量180mlのカップに90g入れた後、前記Bを90g充填する。
続いてこれら混合物を充填したカップをシールし、湯浴の中で95℃になるまで加温し、Aを溶解する。この時、この温度で30分間保持することにより殺菌も行なう。
前記の殺菌終了後、冷却を行なう。冷却が終了すると、AとBは鮮明に分離したゼリー状食品となる。
【0017】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一層目がゲル化層で、二層目が液状またはゾル状組成物の層で構成されたゼリー状食品が得られ、一層目も二層目もゲル化層で構成された従来の二層ゼリーとは全く異なる新しい形態および食感を有するものとなる。また、作製されたゼリー状食品は、各層が味、色、香りなどが混じり合うことなく分離したものとなる。
【0019】
また、本発明により得られるゼリー状食品は、各層を基本的に単独で味わえるような味覚に調整しても良いし、食する際にスプーン等で表層部分のゲル化層に下方部分の液状またはゾル状組成物の層を容易に絡めて口に運ぶことができるので、両層を同時に味わうような商品にも好適である。
このように本発明で得られるゼリー状食品の形態では、少なくとも従来の二層ゼリーよりも非常に広範な商品群を形成することができるものである。
【0020】
さらに、本発明の製造方法は、予め作製した細分化したゲル化物を投入するものであるため、従来の二層ゼリーの製造に比べて製造エネルギーが軽減でき、しかも連続的に且つ迅速にゼリー状食品の製造を行なうことができるので、工業生産性が極めて優れているという効果も有するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、表層部分はゲル化層、その下方部分は液体又はゾル状組成物で構成された層からなり、従来にない形態および食感を有する製品を提供し、しかも工業生産性にも優れるゼリー状食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、二層の異なるゲル化層がカップ状の容器内で一体となったデザートが知られている。そして、この二層ゼリーの製造法としては、以下の二つの方法が知られている。
先ず、第一の方法は、ゲル化剤を含むゲル化性組成物を一度加温溶融して容器内に投入し、冷却凝固させた後、二番目のゲル化性組成物を加温した状態で流し込んで冷却凝固させる方法である。
第二の方法は、比重の異なる二種のゲル化性組成物を順次又は同時に容器に投入し、ゾル状で積層させ、冷却して層状ゲルとする方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の方法は、工業生産性に優れたものではなかった。
前記第一の方法は、先に投入するゲル化性組成物と、後から投入するゲル化性組成物のそれぞれに、加温する工程、冷却する工程を行なう必要があり、製造に多大なエネルギーを要するものであった。また、先に投入したゲル化性組成物のゲル化を待って以後の工程を行なわなければならないため、製造に多大な時間がかかってしまうという問題を有する。
前記第二の方法は、二種のゲル化性組成物に比重差をつけているが、ゾル状態で充填するため、その充填時で二種のゲル化性組成物の味や色、香などが混じり合い、著しく商品価値を減じるものであった。また、二種のゲル化性組成物の流動性等を考慮しなければならないため、充填方法が複雑になるという問題も有する。
【0004】
また、そもそも従来のこの種のデザートは、一層目も二層目もゲル化層で構成されているため、多少の固さ(弾力)調整は可能ではあるものの食感的には一層目も二層目とで殆ど差がなく、変化に乏しいものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、従来にない形態および食感を有する製品を製造することができ、しかも工業生産性に優れるゼリー状食品の製造方法に関するもので、少なくとも1種以上のゲル化性組成物を予めゲル化させ、これを細分化し、得られた細分化物を容器内に投入した後、前記細分化物とは比重の異なる液状またはゾル状組成物を、そのまま或いは加温して粘度を低下させた状態で前記容器内に充填し、先に投入した細分化物が溶解する温度まで加温した後、冷却することにより、表層部分にはゲル化層、下方部分には液状またはゾル状組成物からなる層を形成するものである。勿論、先に液状またはゾル状組成物の所定量を容器へ充填した後、ゲル化性組成物の細分化物を前記容器へ投入しても良いし、これらの投入、充填を同時に行うようにしても良いものである。
尚、ゲル化剤を入れない液状またはゾル状組成物の比重がゲル化性組成物の比重よりも高い場合は、そのまま加温してゲル化性組成物の細分化物が溶解した後に冷却すればよい。一方、液状またはゾル状組成物の比重がゲル化性組成物の比重よりも低い場合は、容器をシールして上下反転した後に同様の工程を行う。
【0006】
【発明の実施の形態】
前記本発明に用いられるゲル化性組成物は、熱可逆的にゲル化、ゾル化するものであって、寒天、ゼラチン、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム等の所謂ゲル化剤の1種または2種以上を組み合わせたものの水溶液(水性液)が使用される。このゲル化性組成物を冷却してゲル化させたゲル化物は、空気中においては容易に内部の水分を放出せず、水中においては容易に内部に水分を吸収しない性質を有する。
また、このゲル化性組成物としては、砂糖、液糖、果汁、果肉、色素、香料等のゼリー状食品として適したものであれば、どのような食品添加物を添加してもよい。
【0007】
前記本発明に用いられる液状またはゾル状組成物は、ゲル化しないで液状またはゾル状を維持するものであれば特にその組成を限定するものではなく、どのようなものでも使用することができ、例えば水のみでも可能ではあるが、砂糖、液糖、果汁、果肉、色素、香料など、或いは食品添加物等を適宜に配合することができる。また、ペクチン、グアガム等のゲル化剤についても、添加量を調節することによりゲル化しない範囲であれば適宜に配合することができる。
【0008】
以下、本発明の製造方法の一例を工程順に詳細に説明する。尚、以下の説明では、表層部分のゲル化層が単層のゼリー状食品の製造を主としているが、ゲル化層が二層以上のものも同様に行なうことができる。また、液状またはゾル状組成物を容器に同時に、或いは先に充填する場合も同様に行うことができる。
【0009】
まず、前記ゲル化性組成物をゲル化温度以上に加熱することにより、ゾル状として流動性を持たせ、細分化用の設備内に投入して冷却してゲル化させた後、適宜な大きさに細かく切断または破砕して細分化する。
尚、ゲル化性組成物を新しく調製する場合は、水を撹拌しながら前記ゲル化剤やその他の添加物を添加し、ゲル化温度以上に加温して溶解させ、これを細分化用の設備内に投入してゲル化させればよい。また、細分化物のサイズは特に規定しないが、製品容器の大きさや各製品容器に均等に供給することを考慮すると、細かく切断または破砕することが望ましい。さらに、細分化物にシロップ等の液状物を少量加えて軽く撹拌しておけば、多量に作製された細分化物は流動性が向上して取り出し易くなり、適宜に供給機構等に供することができる。細分化用の設備及び手法は、特に限定するものではなく、どのような設備及び手法を用いてもよい。
【0010】
次に、前記工程で作製されたゲル化性組成物の細分化物をカップ状、又はそれに準ずる形状の製品容器内に投入する。また、細分化物の製品容器内への投入方法は特に限定しないが、工業的には自動供給機構により一定量の細分化物が容器内へ投入されるように設定される。その際に用いる製品容器は、後述する加熱処理においても変形等を生じないものが選ばれる。
【0011】
その後、前記細分化物(ゲル化性組成物)とは比重が異なる液状またはゾル状組成物を、そのまま或いは加温して粘度を低下させた状態で前記製品容器内に充填する。例えば、先に投入される細分化物(ゲル化性組成物)と後から投入(充填)される液状またはゾル状組成物の比重差を0.016以上とすると、鮮明な境界面を形成することができる。
【0012】
この状態で製品容器をシールする。
液状またはゾル状組成物の比重が高い場合、ゲル化性組成物の細分化物は表層部分に上昇するのでそのまま細分化物が溶解する温度まで加熱する。
液状またはゾル状組成物の比重が低い場合には、容器を上下反転してゲル化性組成物の細分化物を下に沈降させた後、加熱する。
ゲル化組成物の細分化物はこの加熱により再溶解する。ここで一時的に二種の組成物は何れも溶解した状態となるが、比重の差により分離して鮮明な境界面が形成される。尚、この加熱を殺菌温度(例えば85℃×30分)で行なえば、エネルギーの節減にもなる。また、後から投入する液状またはゾル状組成物を加熱して加えた場合、連続的に処理を行なうことによりその熱量が利用でき、エネルギーの節減になる。
【0013】
その後、冷却すると、上層、下層にそれぞれ分離する。液状またはゾル状組成物の比重が大きい場合も小さい場合もゲル化層がシール側に位置し、液状またはゾル状組成物の層が容器底部側に位置するゼリー状食品ができあがる。
【0014】
尚、濃度の異なるゲル化性組成物の細分化物を何種類か作ることにより、ゲル化層が多層に形成されるゼリー状食品も同様に作製することができる。
【0015】
このように本発明では、比重の異なるゲル化性組成物の細分化物と液状またはゾル状組成物とを容器内に入れるので、二種の組成物間での混合が生ずることなく連続的に且つ迅速に鮮明な層状に分離する。したがって、熱を加えてゲル化性組成物の細分化物を溶融しても、接触している面積が少ないため、味や色、香等の移動が極めて少ない。
また、このゼリー状食品は、一層目も二層目もゲル化層で構成された従来の二層ゼリーとは全く異なる形態および食感を有する製品となる。
さらに、このゼリー状食品は、各層を基本的に単独で味わえるような味覚に調整しても良いし、食する際にスプーン等で表層部分のゲル化層に下方部分の液状またはゾル状組成物の層を容易に絡めて口に運ぶことができるので、両層を同時に味わうような商品にも好適である。このように本発明で得られるゼリー状食品の形態では、少なくとも従来の二層ゼリーよりも広範な商品群を形成することができる。
【0016】
【実施例】
まず、予め以下のA,Bを作製しておく。
水800gを撹拌しながら、ゲル化剤(ローカストビーンガム20.9%)12g、液糖181g、クエン酸、香料の各適量を加え、加温(80℃)、溶解した後、ゲル化温度(5℃)まで冷却し、サイコロ状(0.5mm×0.5mm×0.5mm)にカットした。これをA(細分化物)とする。
水800gを撹拌しながら、液糖100g、クエン酸、色素、香料の各適量を加え、混合物を溶解する。これをBとする。
次に、前記Aを直径80mm、高さ50mm、内容量180mlのカップに90g入れた後、前記Bを90g充填する。
続いてこれら混合物を充填したカップをシールし、湯浴の中で95℃になるまで加温し、Aを溶解する。この時、この温度で30分間保持することにより殺菌も行なう。
前記の殺菌終了後、冷却を行なう。冷却が終了すると、AとBは鮮明に分離したゼリー状食品となる。
【0017】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一層目がゲル化層で、二層目が液状またはゾル状組成物の層で構成されたゼリー状食品が得られ、一層目も二層目もゲル化層で構成された従来の二層ゼリーとは全く異なる新しい形態および食感を有するものとなる。また、作製されたゼリー状食品は、各層が味、色、香りなどが混じり合うことなく分離したものとなる。
【0019】
また、本発明により得られるゼリー状食品は、各層を基本的に単独で味わえるような味覚に調整しても良いし、食する際にスプーン等で表層部分のゲル化層に下方部分の液状またはゾル状組成物の層を容易に絡めて口に運ぶことができるので、両層を同時に味わうような商品にも好適である。
このように本発明で得られるゼリー状食品の形態では、少なくとも従来の二層ゼリーよりも非常に広範な商品群を形成することができるものである。
【0020】
さらに、本発明の製造方法は、予め作製した細分化したゲル化物を投入するものであるため、従来の二層ゼリーの製造に比べて製造エネルギーが軽減でき、しかも連続的に且つ迅速にゼリー状食品の製造を行なうことができるので、工業生産性が極めて優れているという効果も有するものである。
Claims (1)
- 少なくとも1種以上のゲル化性組成物を予めゲル化させ、これを細分化し、得られた細分化物と、前記細分化物とは比重の異なる液状またはゾル状組成物とを、容器内に投入、充填し、ゲル化性組成物の細分化物が溶解する温度まで加温した後、冷却することにより、表層部分にはゲル化層、下方部分には液状またはゾル状組成物からなる層を形成することを特徴とするゼリー状食品の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP00460298A JP3672427B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | ゼリー状食品の製造方法 |
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JP00460298A JP3672427B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | ゼリー状食品の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11196787A JPH11196787A (ja) | 1999-07-27 |
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ID=11588597
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JP00460298A Expired - Fee Related JP3672427B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | ゼリー状食品の製造方法 |
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1998
- 1998-01-13 JP JP00460298A patent/JP3672427B2/ja not_active Expired - Fee Related
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A977 | Report on retrieval |
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