JPH06335370A - 成形ゼリー入り液状食品およびその製造方法 - Google Patents

成形ゼリー入り液状食品およびその製造方法

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JPH06335370A
JPH06335370A JP5127590A JP12759093A JPH06335370A JP H06335370 A JPH06335370 A JP H06335370A JP 5127590 A JP5127590 A JP 5127590A JP 12759093 A JP12759093 A JP 12759093A JP H06335370 A JPH06335370 A JP H06335370A
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milk protein
molded
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liquid food
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Yasuhiro Senda
保浩 先田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形ゼリー入り液状食品のうち、特に、乳蛋
白含有液状食品において、レトルト殺菌を行っても成形
ゼリーが溶けたり乳蛋白が凝集を起こしたりせず、良好
な品質を維持することのでき、常温流通を行うことがで
きる成形ゼリー入り液状食品を提供する。 【構成】 カードラン等の熱凝固性ゲル化剤を加熱凝固
させて得られたコーヒーゼリー等の成形ゼリーが、ミル
クドリンクなどの乳蛋白含有液に添加され、このコーヒ
ーゼリー入りミルクドリンク等の成形ゼリー入り乳蛋白
含有液が、100℃以上の高温加熱によるレトルト殺菌
処理を施されており、熱凝固性ゲル化剤を用いること
で、レトルト殺菌を行っても、成形ゼリーが溶け出さ
ず、乳蛋白が凝集を起こすこともなくなり、成形ゼリー
入り乳蛋白含有液状食品を、常温流通させることが可能
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、成形ゼリー入り液状
食品に関し、詳しくは、小さなサイコロ状等に成形され
たゼリーを、飲料やスープなどに添加しておいて、液体
中に含まれる固体のゼリー独特の飲用感あるいは食感を
楽しむ成形ゼリー入り液状食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、清涼飲料などに、小さな成形ゼリ
ーを添加しておいて、飲料とともにゼリーを飲用したと
きに、独特の飲用感、いわゆるノドごし感を楽しめるよ
うにした液状食品がある。たとえば、炭酸飲料に果汁ゼ
リーを添加したものや、コーヒーゼリー入りミルクドリ
ンクなどが、知られている。
【0003】このような液状食品に添加する成形ゼリー
は、果汁や着色料の入った原料液を、ゼラチンや寒天な
ど、通常の食品製造に用いられるゲル化剤を用いて、凝
固成形することにより、製造されていた。具体的な従来
技術としては、実開昭62−164782号公報や特開
昭62−205771号公報に開示されている技術があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来における成形ゼリー入り液状食品を、常温流通さ
せるために、高温で加熱殺菌すると、成形ゼリーが溶け
て、商品価値が損なわれてしまうという問題があった。
従来の成形ゼリー入り液状食品でも、比較的低い温度で
の加熱殺菌を行うだけで、冷蔵状態あるいは冷凍状態で
流通させるのであれば、成形ゼリーが溶けることはな
い。しかし、近年、流通コストの削減、あるいは、製品
の長期保存性の向上などを目的として、各種食品に常温
流通の適用が求められている。
【0005】常温流通に供する食品は、容器に充填密封
した状態で100℃以上の高温加熱による殺菌、いわゆ
るレトルト殺菌を行う必要がある。しかし、成形ゼリー
を製造する際に用いるゲル化剤のうち、従来一般的に用
いられていたゼラチンや寒天は、100℃にも加熱する
と、完全に溶けてしまい、製造された液状食品には、固
形物としてのゼリーが含まれないものとなる。
【0006】そのため、100℃以上に加熱しても良好
なゲル状態を維持できるゲル化剤が求められた。たとえ
ば、アルギン酸塩やジェランガム、LMペクチンなど
は、比較的耐熱性に優れ、100℃近くに加熱しても、
ゼリーをゲル状態に維持しておくことができる場合もあ
る。具体的には、特開昭61−260861号公報や特
開平1─257449号公報などに開示された技術があ
る。
【0007】しかし、上記したアルギン酸塩などを用い
た成形ゼリーは、果汁飲料などに添加して、レトルト殺
菌を行った場合には、それほど問題はないのであるが、
コーヒーミルクのような、乳蛋白質を含有する液状食品
に添加して、レトルト殺菌を行うと、液状食品中の乳蛋
白が凝集を起こしてしまい、見栄えが悪く、味や食感に
も劣る食品しか得られないという問題が起きる。また、
成形ゼリー自体の耐熱性も低下して、溶け出してしまう
という問題も生じる。
【0008】そこで、この発明の課題は、上記したよう
な成形ゼリー入り液状食品のうち、特に、乳蛋白含有液
状食品において、レトルト殺菌を行っても成形ゼリーが
溶けたり乳蛋白が凝集を起こしたりせず、良好な品質を
維持することができ、常温流通を行うことができる成形
ゼリー入り液状食品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる成形ゼリー入り液状食品は、熱凝固性ゲ
ル化剤を加熱凝固させて得られた成形ゼリーが、乳蛋白
含有液に添加され、この成形ゼリー入り乳蛋白含有液が
レトルト殺菌処理されている。この発明の成形ゼリー入
り液状食品としては、前記したコーヒーゼリー入りミル
クドリンク、ゼリー入り紅茶、ゼリー入りココア、ゼリ
ー入りミルクセーキなどの飲料、あるいは、肉汁ゼリー
入りクリームスープなどの調理食品、その他、成形ゼリ
ーを添加して、その飲用感や食感を楽しむ飲食品であ
る。すなわち、成形ゼリー入り液状食品は、必要に応じ
て味や香り、色を付けた液体材料に、ゲル化剤を添加し
て凝固すなわちゲル化させ、所定の形状に成形してなる
成形ゼリーと、牛乳や乳クリームなどの乳蛋白が含有さ
れている液状食品とを組み合わせて製造されるものであ
る。
【0010】成形ゼリーの製造方法は、基本的には、従
来の各種ゼリー食品の場合と同様でよい。但し、この発
明では、ゲル化剤として熱凝固性ゲル化剤を用いる。熱
凝固性ゲル化剤とは、熱凝固性ゲル化剤の種類によって
決まる一定の熱凝固温度以上に加熱することによって、
ゲル化能を発現し、この熱凝固によりゲルが形成されれ
ば、熱凝固温度よりも高い温度まで加熱を行ったり、一
旦冷却したゲルを再加熱したりしても、ゲルが溶けるこ
とはないものである。熱凝固性ゲル化剤としては、食品
に適用が可能であれば、任意の材料からなるものが使用
できる。たとえば、卵白なども使用できるが、この発明
の目的にとって好ましいものは、カードランである。
【0011】このような熱凝固性ゲル化剤の成形ゼリー
材料に対する添加量や添加方法は、通常の条件が適用で
きる。具体的には、熱凝固性ゲル化剤は、所定温度に温
めた成形ゼリー溶液に添加し、強制分散させた状態で、
熱凝固温度以上に加熱することにより、成形ゼリー溶液
全体を凝固させることができる。また、熱凝固性ゲル化
剤を含む成形ゼリー溶液を、熱水中に滴下したり、同じ
く熱水中に麺状に押し出したりしても、成形ゼリーが得
られる。
【0012】熱凝固性ゲル化剤は、上記熱凝固温度未満
の温度でも凝固するものがあるが、このような低い温度
での凝固は、いわゆる熱凝固ではなく、冷却後に再加熱
すると溶けだしてしまう。したがって、この発明では、
熱凝固性ゲル化剤を、熱凝固温度以上の温度に加熱する
ことが必要である。具体的な熱凝固温度は、ゲル化剤の
種類によって異なるが、通常は、80℃程度である。
【0013】熱凝固性ゲル化剤の添加量は、熱凝固性ゲ
ル化剤の種類および成形ゼリー溶液の材料や成分によっ
ても異なるが、通常、0.7重量%以上の濃度で添加し
ておけば、十分なゲル化能を発揮させることができる。
熱凝固性ゲル化剤の添加量が多すぎると、成形ゼリーの
食感が悪くなる。具体的には、2.0重量%以上の濃度
は、好ましくない。熱凝固性ゲル化剤の濃度が低いと、
成形ゼリー溶液に均一に分散されず、成形ゼリー溶液の
ゲル化が困難である。熱凝固性ゲル化剤の分散性は、成
形ゼリー溶液の成分や分散手段の違いによっても異なる
が、熱凝固性ゲル化剤としてカードランを用い、高速攪
拌機で強制分散させる場合には、0.8重量%を超える
濃度に設定しておけばよい。通常の製造条件で、実用的
に好ましい濃度は、約1.0重量%程度である。
【0014】成形ゼリーには、熱凝固性ゲル化剤以外に
も、通常の食品に添加される各種の添加剤を加えておく
ことができる。添加剤には、蛋白質や多糖類などが用い
られる。添加剤の具体例としては、成形ゼリーの食感を
改善するために、増粘剤が使用される。増粘剤には、キ
サンタンガムやローカストビーンガム、グアーガム、カ
ラギーナン、寒天、ジェランガム、アルギン酸、ペクチ
ン、タマリンドガムなどの各種天然多糖類が使用でき
る。これらの天然多糖類は、単独でゲル化剤として使用
すると、レトルト殺菌工程で成形ゼリーが溶けたり、液
状食品の乳蛋白を凝集させたりする問題があるが、熱凝
固性ゲル化剤と併用すると、上記のような問題は生じな
い。これらの増粘剤の添加量は、熱凝固性ゲル化剤の機
能を阻害しない範囲であれば、自由に設定できる。
【0015】増粘剤として、冷水膨潤性の増粘剤を用い
ると、成形ゼリー溶液にカードランを添加する際に、カ
ードランの分散性を良好にできるとともに、成形ゼリー
の食感改善効果も高くなり、好ましい。冷水膨潤性の増
粘剤として好ましいものは、キサンタンガム、グアーガ
ム、ιおよびλカラギーナンなどが挙げられる。成形ゼ
リーは、成型ゼリー材料を型に入れてゲル化させること
によって成型したものや、成形ゼリー溶液を押し出し成
形したもの、一定の大きさに成型されたゼリーを細かく
裁断して最終的な形状に成形したものなど、任意の方法
で製造することができる。
【0016】乳蛋白含有液状食品は、牛などの各種畜類
から採取される乳蛋白を含んでいれば、その他の配合成
分や組成は任意に組み合わせることができる。乳蛋白に
加えて、各種の植物性蛋白や合成蛋白を含むものでも構
わない。乳蛋白含有液状食品に成形ゼリーを加える時期
や方法は、任意に設定でき、通常の成形ゼリー入り液状
食品の製造方法と同様でよい。成形ゼリーは、多数の小
さな固まりが液体中に浮遊もしくは分散されている状態
でもよいし、比較的大きな成形ゼリーに液体がソースの
ようにかけられている状態であってもよい。
【0017】乳蛋白含有液状食品に対する成形ゼリーの
添加割合は、食品の種類によっても異なるが、たとえ
ば、飲料などでは、成形ゼリーが10〜50重量%程度
添加されているのが好ましい。成形ゼリーが加えられた
乳蛋白含有液状食品は、所定の加工工程を経た後、レト
ルト殺菌が行われる。通常は、成形ゼリー入り乳蛋白含
有液状食品を、耐熱性包装容器に充填密封した後、蒸気
などで100℃以上に加熱することによって、レトルト
殺菌が行われる。レトルト殺菌の具体的処理条件は、食
品の種類や包装手段、流通の方法などによって異なる
が、一般的な食品に対する処理条件が適用できる。レト
ルト殺菌では、100℃以上に加熱することが必要であ
るが、具体的な加熱温度は、必要に応じて適切な温度が
選択できる。この発明で使用される成形ゼリーは、百数
十度までの加熱であれば、十分に耐えることができる。
但し、液状食品の含有成分などが変性したり、品質が損
なわれたりしない程度の加熱温度を選択する必要があ
る。
【0018】レトルト殺菌が行われた成形ゼリー入り乳
蛋白含有液状食品は、レトルト殺菌に用いられた包装容
器のままで、あるいは、さらに別に輸送保管用の包装が
行われた状態で、常温で流通させることができる。特別
な冷蔵あるいは冷凍状態における流通は不要である。成
形ゼリー入り乳蛋白含有液状食品を、飲んだり食したり
する際には、冷飲料の場合などは、包装から取り出すだ
けでよい。スープのように加熱して食する食品の場合に
は、必要な温度まで加熱調理することもできる。この加
熱調理によっても、成形ゼリーが溶けて無くなったり、
変質したりすることはないので、任意の温度で加熱する
ことができる。
【0019】
【作用】従来、100℃程度でもゲルを維持できる耐熱
性のあるゲル化剤として、アルギン酸塩やジェランガ
ム、LMペクチンなどが知られていた。ところが、この
ようなゲル化剤を、乳蛋白含有液状食品に添加する成形
ゼリーの製造に用いると、液状食品の乳蛋白が凝集を起
こして、食品の品質を損なってしまう。その理由は、次
のように考えられる。
【0020】上記のようなゲル化剤は、ゲル化剤を構成
する成分がCaの存在により反応を起こしてゲルを形成
することが判っている。したがって、このようなゲル化
剤を使用する場合には、成形ゼリーの成分として、Ca
を含む材料を加えておいたり、液状食品にCa成分を添
加しておくことが行われていた。ところが、液状食品に
乳蛋白が含有されていると、レトルト殺菌のような高温
の加熱を行ったときに、成形ゼリーからCaが抜け出し
て、乳蛋白と反応を起こしてしまうのである。乳蛋白と
Caが反応すると、乳蛋白が凝集を起こして、液状食品
の外観性が悪くなり、味や食感も劣るものとなる。成形
ゼリーからCaが抜け出すと、ゲル組織が壊れるので、
ゲルが溶け出してしまう。
【0021】液状食品に、多量のCaが含まれていれ
ば、成形ゼリーから抜け出すCaは少なくなり、成形ゼ
リーのゲル状態を維持することは可能であるが、液状食
品に含まれるCaは、当然、乳蛋白と反応を起こして、
乳蛋白を凝集させてしまうため、液状食品に多量のCa
を添加しておくことはできず、問題の解決にはならな
い。
【0022】これに対し、この発明では、カードランな
どの熱凝固性ゲル化剤を用いて成形ゼリーを製造する。
熱凝固性ゲル化剤は、前記したCa凝固性のゲル化剤と
は違って、比較的高い温度の加熱により、ゲル化剤を構
成する成分が熱凝固反応を起こしてゲルを形成する。そ
のため、成形ゼリーや液状食品の材料にCaを添加して
おかなくても、良好なゲルを形成することができる。乳
蛋白含有液状食品に成形ゼリーを添加して、高温加熱に
よるレトルト殺菌を行ったとしても、成形ゼリーの耐熱
性は全く低下せず、良好なゲル状態を維持することがで
きる。従来のゲル化剤のように、成形ゼリー中のCaと
乳蛋白が反応して、乳蛋白を凝集させたり、成形ゼリー
の耐熱性を低下させたりするような問題は生じない。
【0023】
【実施例】この発明にかかる成形ゼリー入り乳蛋白含有
液状食品を製造して、その性能を評価した。 −実施例1− 〔成形ゼリー〕この発明の実施例および比較例となる各
種のゲル化剤を用いて、それぞれ成形ゼリーを製造し
た。
【0024】カードラン :30〜40℃の温水990
gに、カードラン1gを強制的に攪拌しながら添加し
て、温水中にカードランを均一に分散させた後、水を加
え全量1kgとした。この分散液を80℃以上の温度に
加熱して、カードランの熱凝固作用で成形ゼリー液を凝
固させ、成形ゼリーを得た。 ジェランガム:ジェランガム5gを水895gに加え、
加熱溶解させた。そこに、2%乳酸カルシウム溶液10
0gを加え、さらに水を加えて全量を1kgとした後、冷
却固化させた。
【0025】LMペクチン:LMペクチン10gを水9
80gに加えて加熱溶解させた。そこに、燐酸三カルシ
ウム0.3gを加えてよく攪拌した。さらに、クエン酸
3gと水を加えて全量を1kgにした後、冷却固化させ
た。 アルギン酸塩:アルギン酸Na8gを水980gに加え
て攪拌溶解させた。燐酸カルシウム0.7g、G.D.
L8gを加え、さらに水を加えて全量を1kgにした後、
冷却固化させた。
【0026】ゼラチン :ゼラチン15gを水980
gに膨潤させ加熱溶解させた後、さらに水を加えて全量
を1kgにし、冷却固化させた。 寒天 :寒天4gを水990gに加えて加熱溶解
させた後、さらに水を加えて全量を1kgにし、冷却固化
させた。 〔乳蛋白含有液状食品〕以下の配合で、ミルクコーヒー
を製造した。
【0027】 砂糖 8.0 全脂粉乳 0.8 脱脂粉乳 0.8 乳化剤 0.1 コーヒーエキス 1.7 重曹 0.1 乳酸カルシウム 適量 水 残量 合 計 100.0(単位 重量%) 上記各材料を、混合加熱溶解した後、ホモジナイズ処理
を行って、ミルクコーヒーを得た。なお、乳酸カルシウ
ムは、ジェランガム、LMペクチン、アルギン酸塩を用
いた成形ゼリーと組み合わせる場合のみ、添加しておい
た。 〔成形ゼリー入り乳蛋白含有液状食品〕前項で得られた
成形ゼリーを、約5mm角のダイス状に細かく裁断して、
上記ミルクコーヒーに20重量%加え、容器に密封した
後、120℃で20分間加熱するレトルト殺菌を行っ
た。
【0028】このようにして得られた成形ゼリー入り乳
蛋白含有液状食品の性能を、表1に示している。総合評
価の評価基準は、○が良好、×が不良である。
【0029】
【表1】 ───────────────────────────────── <品 質 評 価> ゲル化剤 成形ゼリー 乳蛋白 総合評価 ───────────────────────────────── 実施例1.1 カードラン 変化なし 変化なし ○ 比較例1.1 ジェランガム 溶 解 分離・凝集 × 比較例1.2 LMペクチン 溶 解 分離・凝集 × 比較例1.3 アルギン酸塩 溶 解 分離・凝集 × 比較例1.4 カラギーナン 溶 解 − × 比較例1.5 ゼラチン 溶 解 − × 比較例1.6 寒天 溶 解 − × ───────────────────────────────── なお、比較例1.1 〜1.3 の成形ゼリーは、乳蛋白を含ま
ずCaが添加された液体に加えた状態で、レトルト殺菌
を行えば、成形ゼリーの溶解は生じなかった。また、比
較例1.4 〜1.6 の成形ゼリーは、乳蛋白のあるなしに関
係なく、レトルト殺菌により、溶けてしまった。
【0030】−実施例2− 熱凝固性ゲル化剤としてカードランを使用し、その配合
量や同時に添加する添加剤の種類を変えて、実施例1と
同様の試験を行った。また、熱凝固性ゲル化剤として、
卵白を用いた場合についても、同様の試験を行った。 〔成形ゼリー〕砂糖10.0重量%と、下記表2に示す
ゲル化剤および増粘剤を含む成形ゼリー溶液を調製し
た。
【0031】
【表2】 ─────────────────────────── ゲル化剤 増粘剤 ─────────────────────────── 比較例2.1 カードラン 0.8 − 実施例2.1 カードラン 1.0 − 実施例2.2 カードラン 0.8 キサンタンガム 0.1 実施例2.3 カードラン 0.8 ローカストビーンガム 0.1 実施例2.4 カードラン 0.8 グアーガム 0.1 実施例2.5 卵白 7.0 − ─────────────────────────── 単位:重量% 各成形ゼリー溶液を用いて成形ゼリーを製造した。成形
ゼリーの製造は、上記各材料を水に添加し、高速攪拌機
であるホモミキサーを用いて、強制分散させた。この分
散液を、密封容器に充填し、120℃で20分の加熱を
行い、ゼリーを得た。得られたゼリーを、ダイス状に細
断して、成形ゼリーとした。 〔成形ゼリー入り乳蛋白含有液状食品〕前記実施例1と
同じミルクコーヒーに、前項で得られた成形ゼリーを加
え、この成形ゼリー入りミルクコーヒーを、容器に充填
密封した。これを、120℃で20分間加熱して、レト
ルト殺菌を行った。
【0032】得られた成形ゼリー入りミルクコーヒーの
品質性状を評価して、下記表3に示している。評価項目
中、<殺菌処理後 ゲル>は、ゲルが溶解しているかど
うかを評価した。<成形ゼリーの食感>は、食したとき
の口の中での崩れ具合を評価した。 評価基準:◎非常に良い、○良い、△やや劣る、×悪い
【0033】
【表3】 ───────────────────────────────── ゼリー調製時 殺菌処理後 成形ゼリー ゲル化剤分散 ゲル 乳蛋白 味 食感 ───────────────────────────────── 比較例2.1 × − − − − 実施例2.1 ○ ○ ◎ ○ やや弾力が強く、 口溶けが遅い 実施例2.2 ◎ ◎ ◎ ◎ 良好 実施例2.3 ○ ○ ◎ ◎ 良好 実施例2.4 ◎ ◎ ◎ ◎ 良好 実施例2.5 ◎ ◎ ◎ △ 弾力が強い ───────────────────────────────── 比較例2.1 では、カードランの濃度が低いため、ホモミ
キサーで強制分散しても均一に分散されなかった。その
結果、ゼリーが得られず、以後の評価は行えなかった。
この結果、カードランの使用濃度は、0.9重量%以上
が必要であることが判る。
【0034】増粘剤を用いた実施例2.2 〜2.4 では、増
粘剤を用いていない実施例2.1 にくらべて、弾力が少な
く口中で崩れ易い成形ゼリーとなり、良好な食感が得ら
れた。したがって、熱凝固性ゲル化剤に増粘剤を併用す
ることの利点が実証された。この場合、増粘剤は、比較
的耐熱性に劣るものであっても、成形ゼリーのゲル状態
には大きな影響がないことも判る。
【0035】熱凝固性ゲル化剤として卵白を比較的高い
濃度で用いた実施例2.5 では、弾力が強く口中で崩れ難
いとともに、成形ゼリーの味に卵白特有の硫黄臭が認め
られた。カードランを用いた場合には、使用量に関わら
ず、味への影響はあまりなかった。
【0036】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる成形ゼ
リー入り液状食品によれば、液状食品に乳蛋白が含有さ
れているにも関わらず、レトルト殺菌を行っても、成形
ゼリーが溶けだしたり、乳蛋白が凝集を起こしたりする
ことがない。その結果、レトルト殺菌を行った成形ゼリ
ー入り乳蛋白含有液状食品を、特別な冷蔵設備や冷凍設
備を用いることなく、常温で流通させることが可能にな
る。従来は利用することが困難であった各種の乳蛋白含
有液から、成形ゼリー入り液状食品を製造して、常温流
通で、コスト安価に販売供給できることになる。また、
成形ゼリー入り乳蛋白含有液状食品の、種類や味のバラ
エティを増やして、需要用途の拡大にも貢献できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱凝固性ゲル化剤を加熱凝固させて得ら
    れた成形ゼリーが、乳蛋白含有液に添加され、この成形
    ゼリー入り乳蛋白含有液がレトルト殺菌処理されている
    成形ゼリー入り液状食品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、熱凝固性ゲル化剤
    が、カードランである成形ゼリー入り液状食品。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、成形ゼリー
    にゲル化能を有しない多糖類が添加されている成形ゼリ
    ー入り液状食品。
  4. 【請求項4】 熱凝固性ゲル化剤が添加された成形ゼリ
    ー溶液を、熱凝固性ゲル化剤の熱凝固温度以上に加熱し
    て成形ゼリーを得、この成形ゼリーを乳蛋白含有液に加
    え、この成形ゼリー入り乳蛋白含有液を容器に充填密封
    した後、100℃以上で加熱殺菌する成形ゼリー入り液
    状食品の製造方法。
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