JP2001211840A - ゲル状食品の製造方法 - Google Patents

ゲル状食品の製造方法

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JP2001211840A JP2000027020A JP2000027020A JP2001211840A JP 2001211840 A JP2001211840 A JP 2001211840A JP 2000027020 A JP2000027020 A JP 2000027020A JP 2000027020 A JP2000027020 A JP 2000027020A JP 2001211840 A JP2001211840 A JP 2001211840A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳原料を含み、加熱殺菌処理が施されてなる
ゲル状食品であって、上記乳原料中の乳蛋白質の凝集物
がなく、均一なゲル状食品の製造方法を提供することで
ある。 【構成】 耐熱性ゲル化剤及び乳原料を含むゼリー溶液
を調製し、次いで当該ゼリー溶液を容器に充填密封して
ゲル化させた後、加熱殺菌処理することを特徴とするゲ
ル状食品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲル状食品の製造方法
に関する。さらに詳細には、乳原料を含み、加熱殺菌処
理により保存性が付与されたゲル状食品であって、上記
乳原料中の乳蛋白質が加熱殺菌時の熱で凝集するのを防
止し、均一な外観を有するゲル状食品を製造することが
できる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、牛乳、生乳等の乳、あるいは
前記乳を加工した加工乳等のいわゆる乳原料を含み、加
熱殺菌処理が施されたゼリー、ババロア又はムース等の
ゲル状食品が市販されている。そして、上記ゲル状食品
を製造する方法としては、乳原料とゲル化剤を含むゼリ
ー溶液を調製し、このゼリー溶液を容器に充填密封し、
加熱殺菌処理した後、冷却ゲル化させるという方法が一
般的である。
【0003】ところが、上記製造方法では、加熱殺菌処
理後のゲル状食品の表面及び内部に半透明又は白色の斑
模様が発生し、均一なゲル状食品を製造することができ
ないという問題があった。この斑模様は、上記殺菌処理
時の熱によって乳原料中の乳蛋白質が変性して凝集物と
なるために発生するものである。
【0004】ところで、本出願人は、乳蛋白質含有物、
熱溶融性ゲル化剤及び有機酸を含むゼリー溶液を、特定
容積のヘッドスペースを残すように容器に充填密封し、
加熱殺菌処理し、この加熱殺菌処理からゼリー溶液が冷
却ゲル化するまでの間に、振動処理及び/又は回転処理
を施すことにより、乳蛋白質の凝集物やムラがなく、な
めらかな酸性ゲル状食品を製造する方法を特許出願した
(特開平8−298942号公報)。
【0005】しかし、上記発明では、振動及び/又は回
転処理工程を必須とするため、従来法に比べて製造工程
数が増加する。従って、上記振動/回転処理を行わず
に、乳蛋白質を含み保存性の高い均一なゲル状食品を効
率よく製造し得る、新たな方法の開発が必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳原
料を含み、加熱殺菌処理が施されてなるゲル状食品であ
って、上記乳原料中の乳蛋白質の凝集物がなく、均一な
ゲル状食品の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者が上記課
題を解決するために検討を重ねた結果、耐熱性ゲル化剤
及び乳原料を含むゼリー溶液をゲル化させた後、加熱殺
菌処理することにより、上記加熱殺菌処理時の熱による
乳蛋白質の凝集を防止し、乳原料を含む均一な加熱殺菌
済みのゲル状食品を製造し得るという知見を得た。本発
明は、上記知見に基づいて完成したものであって、その
要旨は、耐熱性ゲル化剤及び乳原料を含むゼリー溶液を
調製し、次いで当該ゼリー溶液を容器に充填密封してゲ
ル化させた後、加熱殺菌処理することを特徴とするゲル
状食品の製造方法である。
【0008】また、本発明の別の要旨は、上記ゲル状食
品の製造方法において、耐熱性ゲル化剤としてジェラン
ガムを用いることを特徴とするゲル状食品の製造方法で
ある。
【0009】また、本発明の別の要旨は、上記ゲル状食
品の製造方法において、ゼリー溶液を調製するにあた
り、ジェランガムとメタリン酸ナトリウムを混合した後
に、乳原料及びカルシウム溶液を添加し、均一に混合す
ることを特徴とするゲル状食品の製造方法である。
【0010】また、本発明の別の要旨は、上記ゲル状食
品の製造方法において、乳原料とカルシウム溶液を別々
に添加し、混合することによりゼリー溶液を調製するこ
とを特徴とするゲル状食品の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明にいうゲル状食品は、分散
質が凝集して全体にわたって網目構造を形成し、分散媒
を保持したまま流動性を失って形成される、いわゆる
「ゲル」を有する食品を対象とするものであり、このよ
うなゲル状食品としては、例えばゼリー、プリン、ムー
ス、ブランマンジェ、ババロア、あるいはストローで喫
飲可能なドリンクゼリー等が挙げられる。
【0012】本発明では、まず、耐熱性ゲル化剤と乳原
料を混合し、ゼリー溶液を調製する。上記耐熱性ゲル化
剤は、耐熱性を有するものであればよく、特に制限され
ない。本発明にいう耐熱性は、ゲル形成後、加熱殺菌処
理を施した際に、当該加熱殺菌処理時の熱で溶融しない
という性能である。従って、本発明では、加熱殺菌温度
よりも溶融温度の高いゲルを形成し得るゲル化剤であれ
ば、耐熱性ゲル化剤として使用し得る。上記耐熱性を有
するゲル化剤として、ジェランガム、耐熱性寒天等の使
用が好適であるが、特にジェランガムの使用が好まし
い。上記耐熱性ゲル化剤の量は、ゼリー溶液の全量に対
して、0.05重量%〜0.3重量%、さらには0.1
重量%〜0.15重量%であることが好ましい。これに
より、加熱殺菌処理時の乳蛋白質の凝集を、より効果的
に防止し、均一なゲル状食品を得ることができる。
【0013】また、本発明では、上記耐熱性ゲル化剤
と、これ以外のゲル化剤、例えばカラギーナン、ローカ
ストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウ
ム、タラガム、グアーガム、ペクチン等を1種以上併用
してもよい。特に本発明では、ジェランガムと、キサン
タンガム及びローカストビーンガムを併用することが好
ましい。これによって、特に離水が少なく、弾力性に富
み、口当たりのよいゲル状食品を得ることができる。な
お、耐熱性ゲル化剤以外のゲル化剤は、加熱殺菌時に溶
融するものであってもよい。上記耐熱性ゲル化剤によっ
て形成されたゲルが、加熱殺菌時に維持されることによ
り、乳蛋白質の凝集を防止することができるからであ
る。
【0014】耐熱性ゲル化剤以外のゲル化剤の量は、ゼ
リー溶液の全量に対して、0.05重量%〜2.0重量
%、さらには0.3重量%〜0.5重量%であることが
好ましい。なお、本発明において、ジェランガム、ロー
カストビーンガム及びキサンタンガムを併用する場合に
は、最終的に得られるゲル状食品の全量に対して、それ
ぞれ次の量を用いることが好ましい。すなわち、ジェラ
ンガム0.1重量%〜0.15重量%、ローカストビー
ンガム0.1重量%〜0.15重量%、キサンタンガム
0.1重量%〜0.15重量%である。
【0015】上記耐熱性ゲル化剤、及びこれ以外のゲル
化剤を使用するにあたっては、あらかじめこれらを粉体
混合した後、乳原料に添加混合するか、あるいは、上記
耐熱性ゲル化剤と、これ以外のゲル化剤とを、別々に乳
原料と添加混合してもよい。また別の方法としては、上
記ゲル化剤の水溶液を調製し、この水溶液を乳原料に添
加混合してもよい。ゲル化剤水溶液を乳原料に添加混合
する場合も、使用するゲル化剤全てを含む水溶液を乳原
料に添加混合してもよいし、あるいは耐熱性ゲル化剤を
含む水溶液と、これ以外のゲル化剤を含む水溶液を調製
し、それぞれの水溶液を乳原料に添加混合してもよい。
【0016】上記乳原料は、乳蛋白質を含有する食品で
あればよく、所望の風味に応じて適宜選択すればよい。
上記乳原料としては、例えば生乳、牛乳等の乳、脱脂
乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練
乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、調製粉
乳、発酵乳、乳酸菌飲料、動物性又は植物性クリーム等
が挙げられる。
【0017】上記乳原料の量は、ゼリー溶液の全量に対
して、1重量%〜20重量%、さらには5重量%〜10
重量%であることが好ましい。これによって、十分な乳
風味を有し、かつ均一なゲル状食品が得られる。なお、
ゼリー溶液を加熱殺菌後にゲル化させる工程を有する従
来法において、ゼリー溶液が上記量の乳原料を含む場合
には、乳蛋白質の凝集物の発生が著しく、この凝集物の
発生を回避するために乳原料の使用量を減らした場合に
は、乳風味が弱くなる。
【0018】本発明では、上記耐熱性ゲル化剤及び乳原
料の他にも、ショ糖、トレハロース等の糖類、ソルビト
ール等の糖アルコール、着色料、果肉、果汁、あるいは
クエン酸、アスコルビン酸等の有機酸又はその塩、ある
いはトコフェロール等の酸化防止剤等を添加してもよ
い。
【0019】なお、本発明において、上記耐熱性ゲル化
剤としてジェランガムを用いる場合には、ゼリー溶液に
カルシウム溶液を添加することが好ましい。ジェランガ
ムは、二価の陽イオンの存在下で非常に耐熱性の高いゲ
ルを形成するので、より確実に乳蛋白質の凝集物の発生
を防止することができる。上記カルシウム溶液は、乳酸
カルシウム、炭酸カルシウム、牛骨カルシウム、卵殻カ
ルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸カルシウム等の
二価カルシウム塩を含む水溶液であればよい。本発明で
は、上記カルシウム溶液として、乳酸カルシウム溶液を
用いることが好ましい。乳酸カルシウム溶液は、ジェラ
ンガムとの反応により、均一なゲルを形成し得るからで
ある。
【0020】上記カルシウム溶液をゼリー溶液に添加す
る量は、1重量%濃度の乳酸カルシウム溶液を用いた場
合、ゼリー溶液全量に対して8重量%〜16重量%、さ
らには10重量%〜12重量%とすることが好ましい。
これを、ゼリー溶液中におけるカルシウム溶液由来のカ
ルシウム塩濃度に換算すると、0.08重量%〜0.1
6重量%である。従って、本発明において、上記1重量
%濃度の乳酸カルシウム溶液以外のカルシウム溶液を使
用する場合には、ゼリー溶液中におけるカルシウム塩濃
度が、0.08重量%〜0.16重量%となるように、
カルシウム溶液を調製し、使用するのが好適である。
【0021】また、上記ジェランガム及びカルシウム溶
液をゼリー溶液に添加するにあたっては、当該ゼリー溶
液にメタリン酸ナトリウムを添加することが好ましい。
これによって、ジェランガムとカルシウム溶液中のカル
シウムイオンとの急速な反応を抑制し、緩慢にゲルを形
成させることができるので、より均一なゲル状食品が得
られる。上記メタリン酸ナトリウムを用いる場合には、
ジェランガム及びメタリン酸ナトリウムを混合した後、
カルシウム溶液を添加することが好ましい。これによ
り、カルシウム溶液と同時又は後にジェランガムと混合
した場合よりも均一なゲル状食品が得られる。
【0022】上記メタリン酸ナトリウムのゼリー溶液へ
の添加量は、ジェランガムの量に応じて設定され、より
具体的には、当該ゼリー溶液中のジェランガムが0.1
重量%〜0.2重量%である場合に、メタリン酸ナトリ
ウムを0.01重量%〜0.1重量%、さらには0.0
4重量%〜0.06重量%添加することが好ましい。
【0023】以上の原料を均一に混合することによりゼ
リー溶液が得られる。本発明では、均一なゼリー溶液を
得ることができればよく、特に上記原料の混合順序は特
に制限されないが、本発明において、耐熱性ゲル化剤と
してジェランガムを用い、さらにカルシウム溶液及びメ
タリン酸ナトリウムを添加する場合には、次の順序で混
合することが好ましい。すなわち、ジェランガムとメタ
リン酸ナトリウムを混合した後、乳原料及びカルシウム
溶液を添加するという順序である。これにより、上記以
外の順序で混合した場合に比べて、均一なゲル状食品が
得られる。特に、ジェランガムとメタリン酸ナトリウム
を混合した後、乳原料又はカルシウム溶液のいずれか一
方を添加し、次いでもう一方を添加することにより、さ
らに均一なゲル状食品が得られる。
【0024】次いで、上記ゼリー溶液を容器に充填密封
する。ゼリー溶液を容器に充填密封する方法は、常法に
より行えばよく、特に制限されない。また、上記容器及
びその蓋体は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂、アルミ
等の金属、紙、ガラス、あるいはこれらの複合素材を任
意の形状に成型した、加熱殺菌時の熱に対する耐熱性を
有する容器及び蓋体を用いればよい。
【0025】次に、前記ゼリー溶液をゲル化させる。ゼ
リー溶液をゲル化させるにあたっては、ゼリー溶液の品
温が、当該ゼリー溶液中の耐熱性ゲル化剤のゲル化温度
以下となるまで冷却すればよい。例えば、耐熱性ゲル化
剤としてジェランガムを含むゼリー溶液の場合には、品
温40℃以下、さらにはゼリー溶液の氷結点より高い温
度〜10℃となるまで冷却すればよい。
【0026】上記ゼリー溶液をゲル化させた後、加熱殺
菌処理する。本発明の特徴は、ゼリー溶液をゲル化させ
た後、加熱殺菌処理を施すことにより、殺菌時の熱によ
り発生する乳原料中の乳蛋白質の凝集を防止し、乳原料
を含み保存性の優れた均一なゲル状食品を製造し得ると
いう点にある。なお、ゼリー溶液をゲル化させずに加熱
殺菌処理した場合には、乳原料中の乳蛋白質の凝集物が
著しく発生し、不均一なゲル状食品しか得られない。
【0027】上記加熱殺菌処理は、熱水浸漬又はレトル
ト殺菌等の公知の方法により行えばよい。また、上記加
熱殺菌処理条件は、ゲル状食品の保存条件により必要と
される殺菌価を達成し得る条件を設定して行えばよい。
例えば、6ヶ月以上常温流通可能なゲル状食品を製造す
るのであれば、100℃〜122℃、5分間〜30分間
とすることが好ましい。また、10℃以下の、いわゆる
チルド流通を行うゲル状食品であれば、75℃〜100
℃、10分間〜60分間とすることが好ましい。なお、
ゲル状食品のpHが低pH、より具体的にはpH5以
下、さらにはpH3.0〜pH4.8の場合には、上記
加熱殺菌条件を緩和することができ、これによって殺菌
時の熱による乳原料の風味の低減を抑制し、風味の優れ
たゲル状食品を製造し得る。例えば、上記低pHの常温
流通ゲル状食品であれば、85℃〜100℃、10分間
〜60分間に相当する条件にまで緩和することができ、
乳の風味の優れたものが得られる。
【0028】なお、乳原料中の乳蛋白質は、低pHであ
る程、加熱殺菌時に凝集し易くなる。しかし、本発明に
よりpHが低いゲル状食品を製造した場合には、低pH
であっても乳蛋白質の凝集物が全く又は殆ど発生しな
い。従って、本発明は、特に低pH、より具体的にはp
H5以下、さらにはpH3.0〜pH4.8のゲル状食
品を製造する方法として好適である。
【0029】以上の工程を有する本発明の製造方法によ
れば、加熱殺菌処理が施されたにも関わらず、乳原料中
の乳蛋白質の凝集物がなく、均一なゲルを有するゲル状
食品を製造し得る。また本発明は、乳原料を含む様々な
ゲル状食品に適用することができ、例えば、ミルク、ミ
ルクコーヒー、ヨーグルト等を含むゼリー、ババロア、
ブランマンジェ、ムース等の製造に好適である。以下、
実施例により本発明を具体的に説明する。
【0030】
【実施例1】ジェランガム0.4重量部、メタリン酸ナ
トリウム0.1重量部、グラニュー糖36重量部、コー
ヒー抽出液1.5重量部及び水132重量部を混合し、
80℃になるまで加熱を行い、170重量部のゲル化剤
配合とした。このゲル化剤配合に、牛乳12重量部を添
加して均一に混合した後、60℃の乳酸カルシウム2重
量%溶液18重量部(カルシウム含有量0.36重量
部)を混合し、ホモジナイザー(特殊機化(株)製、装
置名:T.K.AVIO.HOMOMIXER)を使用
し、回転数7000rpmで180秒間混合し、ゼリー
溶液200重量部を得た。次に前記ゼリー溶液200重
量部を、合成樹脂製カップ型容器に充填し、当該容器の
開口部をシール材で密封した後、これを20℃の市水に
20分間浸漬し、ゲル化させた。次いで前記容器入りゲ
ル状物をレトルト殺菌器内に投入し、122℃、20分
間のレトルト殺菌処理を施し、25℃の室内で自然放冷
し、容器入りミルクコーヒーゼリー200重量部を得
た。
【0031】その後、上記容器入りミルクコーヒーゼリ
ーを開封し、中のゼリーを皿に移し、その表面の外観を
見たところ、乳蛋白質の凝集物は全く見られず、均一な
明るい褐色を呈したゼリーであった。次に、上記ゼリー
をカッターで切断し、当該ゼリーの内部を確認したとこ
ろ、内部も表面と同様、均一なゲルであった(図1参
照)。このゼリーを、25℃の雰囲気で10分間放置し
たところ、若干の離水が認められた。その後、上記ゼリ
ーを食したところ、このゼリーは寒天様のサクサクした
食感を有するものであった。
【0032】
【実施例2】ジェランガム0.3重量部、キサンタンガ
ム0.3重量部、ローカストビーンガム0.3重量部、
メタリン酸ナトリウム0.1重量部、グラニュー糖36
重量部、コーヒー抽出液1重量部及び水132重量部を
混合し、80℃になるまで加熱を行い、170重量部の
ゲル化剤配合とした。これ以外の点は、実施例1と同様
にして、容器入りミルクコーヒーゼリー200重量部を
得た。その後、上記容器入りミルクコーヒーゼリーを開
封し、中のゼリーを皿に移し、その表面の外観を見たと
ころ、乳蛋白質の凝集物は全く見られず、均一な明るい
褐色を呈したゼリーであった。次に、上記ゼリーをカッ
ターで切断し、当該ゼリーの内部を確認したところ、内
部も表面と同様、均一なゲルであった。また、このゼリ
ーを、25℃の雰囲気で10分間放置したところ、実施
例1品よりも離水が少なかった。次いで、上記ゼリーを
食したところ、実施例1品に比べて弾力性のある食感で
あった。
【0033】
【実施例3】ジェランガム0.3重量部、キサンタンガ
ム0.3重量部、ローカストビーンガム0.3重量部、
メタリン酸ナトリウム0.1重量部、グラニュー糖3
6.2重量部、クエン酸0.3重量部及び水132.5
重量部を混合し、80℃になるまで加熱を行い、170
重量部のゲル化剤配合とした。次に、上記ゲル化剤配合
170重量部と、プレーンヨーグルト32重量部を混合
し、その後乳酸カルシウム2重量%溶液18重量部(カ
ルシウム含量0.36重量部)を、実施例1で使用した
ホモジナイザーで均一化し、220重量部のゼリー溶液
を調製した。このゼリー溶液のpHは、4.3であっ
た。次に、上記ゼリー溶液200重量部を合成樹脂製カ
ップ型容器に充填し、当該容器の開口部をシール材で密
封した後、これを20℃の市水に20分間浸漬し、ゲル
化させた。次いで前記容器入りゲル状物を、95℃の熱
水中に25分間浸漬して加熱殺菌処理を施し、次いで2
5℃の室内で自然放冷し、容器入りヨーグルトゼリー2
00重量部を得た。その後、上記容器入りヨーグルトゼ
リーを開封し、中のゼリーを皿に移し、その表面の外観
を見たところ、乳蛋白質の凝集物は全く見られず、白色
の均一なゼリーであった。次に、上記ゼリーをカッター
で切断し、当該ゼリーの内部を確認したところ、内部も
表面と同様、均一なゲルであった。次いで、上記ゼリー
を食したところ、このゼリーは適度な弾力性と、適度な
酸味(pH=4.3)を有するものであった。
【0034】
【比較例1】ジェランガム0.4重量部、メタリン酸ナ
トリウム0.1重量部、グラニュー糖36重量部、コー
ヒー抽出液1.5重量部及び水132重量部を混合し、
80℃になるまで加熱を行い、170重量部のゲル化剤
配合とした。次いで、これに、牛乳12重量部を添加し
て均一に混合し、その後実施例1で使用した乳酸カルシ
ウム溶液18重量部を添加し均一に混合し、実施例1と
同条件でホモジナイズし、ゼリー溶液200重量部を得
た。次に前記ゼリー溶液200重量部を、合成樹脂製カ
ップ型容器に充填し、当該容器の開口部をシール材で密
封した後、ゼリー溶液の品温を50℃に維持しゲル化を
起こさせないようにしてレトルト殺菌器内に投入し、す
ぐに120℃、20分間のレトルト殺菌処理を施し、2
5℃の室内で自然放冷し、容器入重量部を得た。
【0035】次いで、上記容器入りミルクコーヒーゼリ
ーを開封し、中のゼリーの外観を観察したところ、実施
例1品よりもムラが多かった。また、上記ゼリーを切断
し、その断面を観察したところ、白い大きな渦巻き状の
凝集物が確認され、また、前記渦巻き状の凝集物よりも
小さな凝集物も多数存在した。また、このゼリーは表面
層と内層に別れてしまっており、不均一な状態であっ
た。具体的には、ゼリーの表面に近い層が、白っぽい褐
色の層となり、内層は前記表面層よりも濃い褐色となっ
ていた(図2参照)。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、加熱殺菌処理を施すこ
とにより高い保存性を有し、乳原料を含むゲル状食品で
あって、前記乳原料に含まれている乳蛋白質の凝集物が
見られず、均一なゲル状食品を製造することができる。
【0037】また、本発明において、耐熱性ゲル化剤と
してジェランガムを使用した場合には、ゼリー溶液を調
製するにあたり、ジェランガム及びメタリン酸ナトリウ
ムを混合し、このゲル化剤配合に乳原料及びカルシウム
溶液を添加することにより、さらに均一なゲルを有する
ゲル状食品を製造し得る。
【0038】特に、ジェランガム及びメタリン酸ナトリ
ウムを混合し、乳原料とカルシウム溶液を別々に添加し
てゼリー溶液を調整した場合には、両者を同時に添加し
た場合に比べて、均一なゲル状食品を製造し得る。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1品のミルクコーヒーゼリーの断面を表
す写真である。
【図2】比較例1品のミルクコーヒーゼリーの断面を表
す写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性ゲル化剤及び乳原料を含むゼリー
    溶液を調製し、次いで前記ゼリー溶液を容器に充填密封
    してゲル化させた後、加熱殺菌処理することを特徴とす
    るゲル状食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 耐熱性ゲル化剤が、ジェランガムである
    ことを特徴とする請求項1記載のゲル状食品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ゼリー溶液を調製するにあたり、ジェラ
    ンガムとメタリン酸ナトリウムを混合した後に、乳原料
    及びカルシウム溶液を添加し、均一に混合することを特
    徴とする請求項2記載のゲル状食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 乳原料とカルシウム溶液を、別々に添加
    混合することによりゼリー溶液を調製することを特徴と
    する請求項3記載のゲル状食品の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004073049A (ja) * 2002-08-13 2004-03-11 Sanei Gen Ffi Inc 常温流通可能なゲル状食品
JP2004248544A (ja) * 2003-02-19 2004-09-09 Morinaga & Co Ltd 酸性ゲル状食品及びその製造方法
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