JP2001178428A - ナタデココ飲料及びその製造方法 - Google Patents

ナタデココ飲料及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナタデココの特徴を生かして視覚的・食感的
に新たな面白さを楽しむことができ、しかも低酸性飲料
や中性飲料として好適なナタデココ飲料及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 飲料に含有させるナタデココを、動物や
乗り物などの特殊形状に造形したり、ナタデココの表面
にそのような特殊形状を描いたりして加工を施し、この
ように加工を施したナタデココを飲料に含有させると共
に、100℃以上の加熱加圧処理を施してナタデココ飲
料を製造することとした。低酸性缶飲料・中性缶飲料に
おいて義務づけられる100℃以上の加熱加圧処理を施
しても、付与した形状(細部に渡って)をそのまま維持
でき、視覚及び舌触り、味、歯ごたえ及び喉越しなど新
たな味わい乃至面白さを与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ナタデココを含有してなるナ
タデココ飲料であって、特に、低酸性飲料や中性飲料と
して好適に提供することができるナタデココ飲料及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとしている課題】ナ
タデココは、フィリピンをはじめとする東南アジアにお
いて日常的なデザート食品として広く親しまれている食
材であり、近年わが国でも、その特有の食感と食物繊維
が豊富な低カロリー食品である点などに注目が集まり、
若い女性を中心に親しまれるようになってきている。
【0003】ナタデココは、見た目は寒天やゼリーと似
ているが、ココナッツミルクなどを原料とする発酵食品
であり、イカの刺身にも似た弾力性と歯ごたえのある独
特の食感を有している。また、製造的にも、寒天やゼリ
ーとは異なり、ナタデココ原料(糖液、フルーツジュー
ス或いは植物抽出物など)に酢酸菌(Acetobacter xyli
num等)を接種して数日〜数週間かけて発酵させ、液体
表面に固まった厚膜を回収し、糖類、酸味料などに浸漬
した後、一辺約1cm〜3cm位の立方体状に細断し、
これを飲食品用ナタデココとして供給するのが一般的で
ある。
【0004】そしてこの飲食品用ナタデココを飲料に利
用する場合、従来は、上述のように一辺約1cm〜3c
m位の立方体状に細断されたナタデココ片を更に一辺5
mm位の立方体状に加工し、これを発酵乳やシロップな
どに混入してナタデココ飲料とするのが一般的であっ
た。ちなみに、雑誌「ニューフレーバ」(:Vol.26, N
o.8, p.12-19, 1992)や雑誌「味と科学技術」(:Vol.
34, No.8, p.256-273, 1986)などには四角に加工した
ナタデココを含有してなるナタデココ飲料が開示されて
おり、特許第2782656号公報にも一辺の長さが4
〜6mmの細片に加工されてなるナタデココを5〜50
重量%で混入してなるナタデココ飲料が開示されてい
る。
【0005】しかし従来、飲料に供されるナタデココは
上述のように立方体や直方体などの四角に細断されたも
のばかりであったため、折角ナタデココ自体半透明でか
つ特有の食感を有し、視覚的にも食感的にもいろいろと
味わい得るにもかかわらず、その面白さを充分に味わえ
ているとは言えなかった。
【0006】また従来、ナタデココを含有してなる低酸
性飲料や中性飲料を目にすることはなかった。この原因
の一つとして、過酷な加熱殺菌処理によってナタデココ
の形状や味が変化する可能性があると考えられていたこ
とを挙げることができる。低酸性飲料や中性飲料の場合
には100℃以上の過酷な加熱加圧殺菌(レトルト殺
菌)が求められ、ナタデココが食物繊維からできている
から加熱しても形が崩れないとしても、それは精々常圧
90℃程度までであって100℃以上の加熱と加圧に耐
えられるはずがないと考えるのが普通であった。
【0007】本発明は、ナタデココの特徴を最大に生か
して視覚的及び食感的に新たな面白さを楽しむことがで
き、しかも低酸性飲料や中性飲料として好適に提供する
ことができるナタデココ飲料及びその製造方法を開発せ
んとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的のため、本発
明は、飲料に含有させるナタデココを、動物、乗り物、
キャラクター、英数字、文字などの特殊形状に造形する
(加工A)か、或いは、ナタデココの表面に特殊形状を
描く(加工B)か、或いは、ナタデココを特殊形状に造
形すると共にその表面に特殊形状を描く(加工A+B)
かいずれかの加工を施し、これらいずれかの加工を施し
てなるナタデココを含有させると共に、100℃以上の
加熱加圧処理を施してナタデココ飲料を製造することと
した。
【0009】このように飲料に含有させるナタデココを
特殊な形状に造形したり、その表面に特殊な形状を描い
たりすることにより、視覚及び食感(舌触り、味、歯ご
たえ及び喉越しを含む)において、新たな味わい乃至面
白さを楽しむことができる。特に、ナタデココ全体を特
殊形状に造形した場合は、視覚的ばかりか口の中の舌触
りによってもその形を認識することができるから面白さ
を倍増させることができる。また、半透明なナタデココ
の表面に特殊な形状を描けば、目立たない分だけ、逆に
何の形状かを知りたいという好奇心を刺激することもで
きる。しかも驚いたことに、ナタデココの場合、ゼリー
や寒天などと違って、上記加工を施し、その後に100
℃以上の加熱加圧処理、例えば120℃〜130℃のレ
トルト殺菌を施したとしても、味に影響がないばかり
か、加工により付与した形状をそのまま維持できること
が判明したのである。後述する実施例では、飛行機形状
のように大変細かい部分を有する形状にナタデココを造
形した場合であっても、加熱加圧殺菌後その形状をその
まま保つことができたのである。このようなナタデココ
飲料は従来存在しなかったものであり、低酸性容器詰め
飲料や中性容器詰め飲料として好適に提供することがで
きる。
【0010】なお、上記本発明において「特殊な形状」
とは、従来のナタデココの形状とは異なる形状、すなわ
ち立方体や直方体などのいわゆる四角い形状ではない形
状を意味するものであり、具体的には後述する。
【0011】本発明はまた、角張った部分を一切有しな
い形状に造形されてなるナタデココを含有してなるナタ
デココ飲料をも提供する。角張った部分を一切有しない
形状に造形されてなるナタデココであれば、容器に充填
する際にナタデココ、特にその角部が充填口周縁と接触
してこぼれ落ちるナタデココ細片量を減らすことができ
る。そればかりか、充填口と略同じ或いは若干大きなナ
タデココ片であっても充填することができるし、また、
容器充填後に角部が欠けたりして形が崩れることもな
い。更には、従来の角張ったナタデココでは得られなか
った新しい食感を楽しむこともできるなどの特有な効果
を享受することができる。なお、角張った部分を一切有
しない形状のナタデココに関する効果は加熱加圧殺菌と
関係なく享受できるから、この場合、加熱加圧殺菌は施
しても施さなくてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のナタデココ飲料及
びその製造方法に関する実施の形態について説明する。
【0013】ナタデココの原料は、主にココナッツミル
クを用いるが、これ以外にもパイン、リンゴ、オレン
ジ、グアバ、もも、みかん、トマトなど果物や野菜のジ
ュース、その他、植物抽出液に糖類を加えたものなども
用いることができる。ちなみに、パインジュースを原料
とした場合はナタデピニアとも言われる。
【0014】原料を発酵させる手法は、従来行われてい
た手法によればよく、例えば原料に酢酸菌(Acetobacte
r xylinum等)又は酢酸菌の種菌培養液を接種し,所望
の厚み等に応じて数日から数週間くらいかけて発酵さ
せ、液体表面に固まった厚膜を回収すればよい。また、
必要に応じて糖類や酸味料などに浸漬してもよい。
【0015】本発明では、発酵させて得られるナタデコ
コを、特殊形状に造形するか、表面に特殊形状を描く
か、或いは、特殊形状に造形したナタデココの表面に特
殊形状を描くか、するものである。
【0016】ナタデココを特殊形状に造形する方法とし
ては、特殊形状に形成された抜き部を有する型を用意
し、この型をナタデココが発酵し成長する上澄み内に設
置し、この型内すなわち抜き部内にてナタデココを発酵
させ成長させるようにしてもよいし、また、任意の形状
(例えば板状)にナタデココを成長させてナタデココの
塊を作成し、このナタデココ塊を特殊形状に形成された
抜き部を有する型を使って型抜きするようにしてもよ
い。なお、型内でナタデココを成長させる場合、上面が
空いた型又は型の上部に1つ以上の穴をあけた型を用い
るのが好ましい。これは、ナタデココが成長する際に空
気などが抜けて所望の形状を得やすくなるからである。
さらに、空気などを穴から逃がしやすくするために型の
上面を凸状に盛り上げることも好ましいことである。
【0017】他方、ナタデココの表面に特殊形状を描く
には、食品着色料などの食品添加物を使って描くほか、
表面に突部若しくは突条部を設けてこれら突部乃至突条
部で描いたり、表面に孔又は溝部を設けて描いたりして
特殊形状を付することもできる。
【0018】ここで、本発明における「特殊形状」と
は、キャラクター、鳥、魚、貝、昆虫、動物、草花、果
実・野菜、樹木、乗り物、楽器、玩具、十二宮星座、装
飾品、幾何学図形(立方体、直方体を除く)、英数字・
文字、その他四角い形状ではない形状を意味し、これら
の実際の形状を簡略化し図案化したものを包含するもの
である。例えば、教育的効果と成形性とを考慮すれば、
鳥、魚、貝、昆虫、動物、草花、果実・野菜、樹木など
の自然生物を抽象化し図案化したものや、乗り物、楽
器、幾何学図形(立方体、直方体を除く)、英数字・文
字、などを抽象化し図案化したものなどが好適である
し、嗜好的効果と成形性とを考慮すれば、果物などの形
状を簡略化して図案化したものなどが好適である。ま
た、成形的には涙形やダイヤ形、ハート形などの単純な
形状のものが好適である。この特殊形状は、既存の形状
ばかりではなく、例えば公募等により子供や消費者たち
から図案化モデルを集め、この中から採用することもで
きる。このように公募すれば、時代の推移による嗜好の
変化に対応した形状を選択することができる。以下、特
殊形状のモチーフになり得るものを例示する。キャラク
ターもので言えば、テレビ番組などで放映されて幼児か
ら子供に人気のキャラクターなどを図案化した形状が考
えられる。鳥で言えば、スズメ、ハト、フクロウ、オー
ム、アヒル、ツル、ツバメ、ペンギン、クジャク、ニワ
トリなどの鳥を図案化したものや、特定の鳥でなく鳥の
姿を図案化したものなど、魚で言えば、金魚、熱帯魚、
ふぐ、ナマズ、ヒラメなどの魚を図案化したものや、特
定の魚でない魚の姿を図案化したものなど、貝で言え
ば、タニシ、ホラガイ、アコアガイなどの貝を図案化し
たもの、または特定の貝でなく貝の姿を図案化したもの
など、昆虫で言えば、蝶、トンボ、ハチ、テントウ虫、
蛍、カブトムシなどの昆虫を図案化したもの、または特
定の昆虫でなく昆虫の姿を図案化したものなど、動物で
言えば、ネズミ、犬、ウサギ、リス、サル、クマ、パン
ダ、牛、馬、象などの動物を図案化したもの、または特
定の動物でなく動物の姿を図案化したものなどを挙げる
ことができる。草花で言えば、つくし、たんぽぽ、あさ
がお、ひまわり、きく、つばきなどの草花を図案化した
ものや、特定の草花でなく草花の姿を図案化したものな
ど、果実・野菜で言えば、りんご、れもん、いちご、な
し、ぶどう、かき、きのこ、たけのこ、なす、ひょうた
ん、かぼちゃなどの果実・野菜を図案化したもの、また
は特定の果実・野菜でなく果実・野菜の姿を図案化した
ものなど、樹木で言えば、杉、ヒノキ、やしなどの樹木
を図案化したもの、または特定の樹木でなく樹木の姿を
図案化したものなどを挙げることができる。乗り物で言
えば、自転車、バイク、クラシックカー、自動車、スポ
ーツカー、トラック、汽車、船、飛行機、ロケット、飛
行船などの乗り物を図案化したもの、楽器で言えば、ピ
アノ、タンブリン、ギター、びわなどの楽器を図案化し
たものまたは特定の楽器でなく楽器の姿を図案化したも
の、玩具で言えば、だるま、いぬ、はりこの虎、こけ
し、まねき猫、やっこ凧などの玩具を図案化したもの、
十二宮星座で言えば、牛座、蟹座、蠍座などなどの十二
宮星座を図案化したもの、装飾品としては、リボンなど
を図案化したもの、幾何学図形としては、星形、台形な
ど、英数字・文字としては、日常使用されている数字、
ローマ字などを挙げることができる。
【0019】角張った部分を一切有しない形状、例え
ば、任意形状の角部に丸みを付けた形状や、球或いは球
を扁平させた形状なども本発明の特殊形状に包含され
る。このような形状のナタデココであれば、他の形状で
は得られない特殊な効果を享受することができる。すな
わち、飲料容器にナタデココ飲料を充填する際、ナタデ
ココの角部が充填口周縁に接触することによってこぼれ
落ちてしまうナタデココ細片量を減らすことができるば
かりか、充填口と略同じ或いは若干大きなナタデココ片
であっても充填することができる。また、容器充填後に
ナタデココ同士或いは容器内壁との接触によって角部が
欠けて形が崩れることもない。さらには、従来の角張っ
たナタデココでは得られない全く新しい食感を与えるこ
ともできる。
【0020】なお、本発明の特殊形状は、上記例示した
ものに限定されるものではないし、また、上記中の二種
類以上の形状を適宜選択して組み合わせることも可能で
ある。
【0021】上記の如くに形成したナタデココは、必要
に応じてそれぞれナタデココ飲料に適した大きさに加工
し、単独或いは組み合わせて混ぜて飲料に混入させてナ
タデココ飲料に活用することができる。飲料に入れる際
のナタデココの大きさは、缶、PET、ビンなどの密封
容器の出口から出る大きさの範囲内、中でも1mm〜2
0mmの立方体内に入る大きさとするのが好ましい。こ
の範囲内であれば、食感(舌触り含む)として違和感が
ないばかりか、図案化された形状または着色化された形
状の面白さを味わいつつ、ナタデココを食し飲用するこ
とができる。
【0022】上記の如く特殊形状などに加工してなるナ
タデココと共に、不定形な形状のナタデココを飲料に含
有させることができる。ナタデココを不定形な形状に加
工するには、例えばナタデココを縦に回転式カッターで
細断し、さらに斜めに角度を変えたカッターで細断する
などして不定形な形状のナタデココを作ることができ
る。不定形な形状のナタデココの大きさは、不定形に加
工するためにばらつきがあるので、食感(舌触り含む)
を考慮すれば一片が1mm〜20mmの大きさの正方形
または立方体内に入るように設定すればよい。
【0023】飲料に含有させるナタデココは、着色を施
すこともできる。ナタデココの着色には、例えば特開平
8−70795に開示されている着色技術を活用でき
る。或いは、特開昭63−188363に開示されてい
る着色技術を使って、ココナッツミルクなどのナタデコ
コ原料に食品着色料を添加して成長させるようにしてナ
タデココに着色を施すこともできる。
【0024】ナタデココ飲料におけるナタデココの含有
量(重量%)は、特に限定するものではない。極端に言
えば、特殊形状などに造形したナタデココ1個を含有さ
せるようにしてもよい。ただ、ナタデココの形状が目に
付かせることを考慮すると、例えば容器1個中に、10
個から1000個程度混入させるのが好ましい。
【0025】ナタデココを加える飲料原料としては、例
えば、リンゴ、レモン、桃類、柑橘類、イチゴ、グレー
プフルーツ、メロン、ブドウ、ナシ類、キューイフルー
ツ、スイカ、パイナップル、パパイヤ、バナナなどの果
汁を主材とするもの、トマト、キャベツ、芽キャベ
ツ、カリフラワー、コールラビー、ブロッコリー、大
根、ニンジン、パセリ、ホーレン草、セロリ、サラダ
菜、春菊、チンゲン菜、オニオン、しそ、コマツ菜など
の野菜搾汁液を主材とするもの、ヨーグルトような醗酵
乳を主材とするものなど、従来の飲料原料を使用するこ
とができる。また、香料やビタミン類、ミネラル成分な
ど、現在公知の各種添加材を加えることも可能である。
例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味
料を加えてpH4以下の酸性飲料とすることもできる。
ただし、本発明のナタデココ飲料においては、pH6〜
7の弱酸性飲料乃至中性飲料に調整した場合により一層
発明の効果を享受することができる。
【0026】ナタデココ飲料を封入する容器は、特に限
定するものではなく、一般的な飲料容器としての缶、ビ
ン、プラスチックボトルなどを使用可能である。例えば
ペットボトル、ビンなどの透明乃至半透明なボトルに入
れれば、容器の外側からナタデココの形状を見て楽しむ
ことができるし、宣伝効果も期待できる。
【0027】本発明のナタデココ飲料は、容器充填後或
いは充填前に100℃以上の加熱加圧処理を施すことが
できる。pH4以下の酸性飲料であれば90℃程度の加
熱殺菌で充分であるから、必ずしもこのような100℃
以上の加熱加圧処理をする必要はないが、pH6〜7の
弱酸性飲料乃至中性飲料の場合には、100℃以上の加
熱加圧殺菌をすることが求められる。本発明のナタデコ
コ飲料は、このような過酷な加熱加圧殺菌を施しても細
部形状までそのまま維持することができ、しかも味を変
化させることもない。100℃以上の加熱加圧処理とし
ては、例えば120℃〜130℃のレトルト殺菌を挙げ
ることができる。
【0028】なお、ナタデココは、加熱しても型くずれ
しないという特徴を有しているため、例えばお汁粉やス
ープなど加熱して飲食する加熱飲食物として提供するこ
ともできる。
【0029】次に、実施例1〜3と比較例1,2とを対
比しつつ本発明の効果を考察する。
【0030】(実施例1)ナタデココ(原産国:フィリ
ピン、形状:板状、厚さ:7.5mm)をカッター等の
鋭利な刃物で四角(7.5mm辺)に切断し、空缶中
(190g容量)に約6g入れた。その缶内に、予めビ
タミンCを150ppm入れた軟水を重曹にてpH6.0
になるよう調整した溶液を充填し巻締した。その後、下
記表1及び表2の条件(F値約10:121℃10分
間、F値約50:123℃32分間)でレトルト殺菌
(東洋製罐株式会社製レトルト殺菌機使用)をそれぞれ
実施し、内容物の形状と味の変化を評価した。
【0031】(実施例2)ナタデココ(原産国:フィリ
ピン、形状:板状、厚さ:7.5mm)をクッキー用の
型抜き(縦45mm、横50m)にて押し出し、飛行機
型のナタデココを作成した。型抜きしたナタデココ(1
個:約6g)を、空缶中(190g容量)に入れた。そ
の缶内に、予めビタミンCを150ppm入れた軟水を
重曹にてpH6.0になるよう調整した溶液を充填し巻
締した。その後、下記表1及び表2の条件(F値約1
0:121℃10分間、F値約50:123℃32分
間)でレトルト殺菌(東洋製罐株式会社製レトルト殺菌
機使用)をそれぞれ実施し、内容物の形状と味の変化を
評価した。
【0032】(実施例3)ナタデココ(原産国:フィリ
ピン、形状:板状、厚さ:7.5mm)をカッター等の
鋭利な刃物で四角(7.5mm辺)に切断し、空缶中
(190g容量)に約6g入れた。その缶内に、下記処
方(酸性飲料(処方))にて、pH3.7になるようク
エン酸にて調整した酸性溶液を充填し巻締した。その
後、下記表1及び表2の条件(F値約10:121℃1
0分間、F値約50:123℃32分間)でレトルト殺
菌(東洋製罐株式会社製レトルト殺菌機使用)を施し、
内容物の形状と味の変化を評価した。
【0033】
【0034】(比較例1)食品用として比較的耐熱性が
あるとされるゼリーを作成する為、下記処方(ゲル化製
剤(処方))にて粉体を混合した。その粉体(ゲル化製
剤)を85℃の温水にて15%溶液となるよう溶解し、
5分間静置した後、板状のゼリー型に押し流し厚さ約
7.5mmのゼリー板を作成した。そのゼリー板をカッ
ター等の鋭利な刃物で四角(7.5mm辺)に切断し、
空缶中(190g容量)に約6g入れた。その缶内に、
予めビタミンCを150ppm入れた軟水を重曹にてpH
6.0になるよう調整した溶液を充填し巻締した。その
後、下記表1及び表2の条件(F値約10:121℃1
0分間、F値約50:123℃32分間)でレトルト殺
菌(東洋製罐株式会社製レトルト殺菌機使用)をそれぞ
れ実施し、内容物の形状と味の変化を評価した。
【0035】
【0036】(比較例2)食品用として比較的耐熱性が
あるとされるゼリーを作成する為、上記比較例1と同じ
処方にて粉体を混合した。その粉体(ゲル化製剤)を8
5℃の温水にて15%溶液となるよう溶解し、5分間静
置した後、板状のゼリー型に押し流し厚さ約7.5mm
のゼリー板を作成した。そのゼリー板をクッキー用の型
抜き(縦45mm、横50m)にて押し出し、飛行機型
のナタデココを作成した。型抜きしたナタデココ(1
個:約6g)を、空缶中(190g容量)に入れた。そ
の缶内に、予めビタミンCを150ppm入れた軟水を
重曹にてpH6.0になるよう調整した溶液を充填し巻
締した。その後、下記表1及び表2の条件(F値約1
0:121℃10分間、F値約50:123℃32分
間)でレトルト殺菌(東洋製罐株式会社製レトルト殺菌
機使用)をそれぞれ実施し、内容物の形状と味の変化を
評価した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】なお、上記実施例1、2、3においては、
F値約10、約50のいずれのレトルト殺菌を施した場
合も、飛行機の細部までも形が崩れることはなかった。
【0040】以下の実施例4〜7では、ナタデココの造
形方法を例示する。
【0041】(実施例4)本実施例では、図2に示すよ
うに図案化対象形状の抜き部12を有する型11を用意
し、この型11をナタデココを発酵し成長する上澄みに
設置し、抜き部12内でナタデココを成長させることに
より、図1に示すように、輪郭(シルエット)2を動物
のアヒルの形状に造形してなるナタデココ1を作成し
た。なお、立方体状など任意の形状に成長させたナタデ
ココを、上記型11を使って打ち抜きすることによって
も同様のナタデココを作成することができる。
【0042】(実施例5)本実施例では、図4に示すよ
うに、図案化対象であるあひる形状の断面を有するよう
に形成された空洞部14内部の天面部15に、あひる形
状の図柄を溝部16をもって彫刻し、さらに天面部15
の適宜個所に型内外に通じる孔17を穿孔してなる型1
3を用意し、この型13をナタデココが発酵し成長する
上澄み内に設置し、空洞部14内でナタデココを成長さ
せることにより、図3に示すように、あひる形状の輪郭
3を有する板体4の表面5にあひるの形状を凸条部6で
もって描いたナタデココ7を作成した。
【0043】(実施例6)本実施例では、図6に示すよ
うに、四角い断面を有するように形成された空洞部14
aの天面部15aに、あひる形状の図柄を溝部16aを
もって彫刻すると共に、天面部15aの適宜個所に型内
外に通じる孔17を穿孔してなる型18を用意し、この
型18をナタデココが発酵し成長する上澄み内に設置
し、空洞部14a内でナタデココを成長させることによ
り、図5に示すように、四角い輪郭3aを有する板体4
aの表面5aにあひるの形状を凸条部6aでもって描い
たナタデココ7aを作成した。
【0044】(実施例7)本実施例では、図8に示すよ
うに、図案化対象であるイヌの立体形状に形成された空
洞部19の内壁面にイヌの目や鼻などを溝部20でもっ
て彫刻すると共に、空洞部19の内壁面の適宜個所に型
内外に通じる孔17を穿孔してなる型21を用意し、こ
の型21をナタデココが発酵し成長する上澄み内に設置
し、空洞部19内でナタデココを成長させることによ
り、図7に示すように、イヌを3次元的に図案化した立
体形状のナタデココ8を作成した。
【0045】なお、上記実施例5及び6により得られる
ナタデココは、上面しか図案化した形状が表面にないの
で、ナタデココ飲料で表面に図案化したナタデココとそ
うでないナタデココを混合してナタデココ飲料に使用す
ることもできる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、ナタデココを図案
化し適宜形状に加工したナタデココをナタデココ飲料に
使用することにより、視覚的及び味覚的に楽しいナタデ
ココ飲料を提供することができ、幼児から子供、中学
生、高校生、青年から壮年まで幅広く視覚的に楽しく、
おいしく、ナタデココを食するまたはナタデココ飲料を
飲むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるナタデココの一例を示した斜
視図である。
【図2】 図1に示したナタデココを作成するために用
いる型の一例を示した斜視図である。
【図3】 図1のナタデココとは異なる本発明にかかる
ナタデココの一例を示した斜視図である。
【図4】 図3に示したナタデココを作成するために用
いる型の一例を示した斜視図である。
【図5】 図3のナタデココとも異なる本発明にかかる
ナタデココの一例を示した斜視図である。
【図6】 図5に示したナタデココを作成するために用
いる型の一例を示した斜視図である。
【図7】 図5のナタデココとも異なる本発明にかかる
ナタデココの一例を示した斜視図である。
【図8】 図7に示したナタデココを作成するために用
いる型の一例を示した斜視図である。
【符号の説明】 1 ナタデココ 2 輪郭 3、3a 輪郭 4,4a 板体 5.5a 表面 6,6a 凸条部 7,7a,8 ナタデココ 11 型 12 抜き部 14、14a 空洞部 15、15a 天面部 16、16a 溝部 17 孔 13、18 型 19 空洞部 20 溝部 21 型
フロントページの続き (72)発明者 安倍 義人 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 (72)発明者 山本 隆士 静岡県榛原郡相良町女神21番地 株式会社 伊藤園内 Fターム(参考) 4B017 LE03 LE06 LK21 LP05 LP13

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特殊形状に造形されてなるナタデココを
    含有し、100℃以上の加熱加圧処理が施されたナタデ
    ココ飲料。
  2. 【請求項2】 表面に特殊形状が描かれてなるナタデコ
    コを含有し、100℃以上の加熱加圧処理が施されたナ
    タデココ飲料。
  3. 【請求項3】 特殊形状に造形されてなるナタデココの
    表面に特殊形状が描かれてなるナタデココを含有し、1
    00℃以上の加熱加圧処理が施されたナタデココ飲料。
  4. 【請求項4】 100℃以上の加熱加圧処理として、レ
    トルト殺菌が施された請求項1〜3のいずれかに記載の
    ナタデココ飲料。
  5. 【請求項5】 角張った部分を一切有しない形状に造形
    されてなるナタデココを含有してなるナタデココ飲料。
  6. 【請求項6】 透明乃至半透明容器に封入されてなる請
    求項1〜5のいずれかに記載のナタデココ飲料。
  7. 【請求項7】 ナタデココの塊を型抜きして特殊形状に
    造形してなるナタデココ片を作成し、このナタデココ片
    を飲料原料に加え、100℃以上の加熱加圧処理を施す
    ことを特徴とするナタデココ飲料の製造方法。
  8. 【請求項8】 加熱加圧処理を施す前に、飲料のpHを
    弱酸性乃至中性領域に調整することを特徴とする請求項
    7に記載のナタデココ飲料の製造方法。
  9. 【請求項9】 ナタデココ原料に酢酸菌を加え、これ
    を、特殊形状に形成された抜き部を有する型内に入れて
    発酵させ、得られたナタデココを飲料原料に加えること
    を特徴とするナタデココ飲料の製造方法。
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