JP3669272B2 - 炊飯器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭、あるいは業務用に使用する炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の炊飯器は、例えば、図14、図15に示されるような構成であった。樹脂製でできた炊飯器本体51は鍋52を収納する鍋収納部51aを有しており、鍋収納部上縁部51bが鍋収納部51aの上端部から連なっている。鍋収納部上縁部51bの外周は本体壁面部を形成する外周壁面部51cにより支持されている。鍋52は、鍋収納部51aに着脱自在に収納され、上縁外周に鍋フランジなるつば部52aを有している。そして加熱コイル55が鍋52を誘導加熱方式で加熱し、炊飯、保温を行う。
【0003】
また、56は炊飯器の動作を制御している制御部である。61は底センサーで炊飯、保温時に鍋2の温度を検知し、制御部56へと信号を送っている。62は防磁板で、炊飯や保温中に加熱コイル55から発生する電磁波が本体1の外部へ漏れ出し、他の電子機器が誤動作を起こすのを防止している。53は本体上部を覆う蓋で、ヒンジ軸54を軸に回動し、本体51を開閉自在に覆う。そして蓋53は、炊飯中の蒸気が通過する蒸気穴57aを有する内蓋57を有している。
【0004】
また、蓋53には炊飯中の蒸気が外部へ流出する筒状の蒸気口59があり、蒸気口59と内蓋57は蒸気口パッキン60で蒸気が蓋内部に流入しないように封止している。内蓋57は外周に鍋52のつば部と当接する内蓋パッキン58を有しており、炊飯中の蒸気が蒸気口59以外から外部へもれだすのを防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような炊飯器において、炊飯中や保温中に内蓋に発生した露が、蓋をあけたときに鍋収納部上縁部に滴下したり、鍋収納部上縁部にご飯粒が落下して付着し、こびりついたりすると、鍋収納部上縁部周辺は、鍋のつば部より熱をうけ、雑菌の繁殖し易い温度(約40〜70℃)程度になっているので、日々の清掃を怠ると、露が原因となり、かびが繁殖したり、こびりついたご飯が腐敗して、異臭を放ったりし、不衛生であった。
【0006】
また、炊飯器は台所周辺で使用される場合が多く、油を使った調理による油煙にさらされ、鍋収納部上縁部に油煙も付着する。さらに、鍋収納部上縁部は帯電し易い樹脂製であることが多く、ホコリも吸着し易い。油煙、ほこりのいずれも、拭きとるなどのお手入れを怠ると、雑菌が繁殖しやすく不衛生であると共に、特に油煙は洗剤などで拭き取らないとならないが、鍋収納部上縁部は食品に触れ易いところなので、洗剤が残らないように拭き取らなければならず、拭き取りに手間がかかった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するもので、鍋収納部上縁部を衛生的かつお手入れし易くするものであり、さらには、商品に清潔感や高級感を持たせ、商品性を高めるとともに、商品の廃棄時のリサイクル性も考慮したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、有底筒状の鍋収納部と、鍋収納部の上端部から連なる樹脂製の鍋収納部上縁部と、この鍋収納部上縁部を外周で支持する外周壁面部とを有する本体と、前記本体の上方より鍋収納部に着脱自在に収納され、外周つば部が鍋収納部上縁部の上方に位置する鍋と、本体上面に載置され本体上面を覆い、鍋を内包する形で開閉自在な蓋を有すると共に、前記本体の鍋収納部上縁部の上面にはホコリが吸着し難くすべく帯電し難い金属製の本体カバーなる部品を配設してなり、前記鍋は誘導加熱方式で加熱され、前記鍋のつば部と前記本体カバーの間に、前記鍋の外周つば部に当接する耐熱性の樹脂で形成された鍋載置台を配設する炊飯器で、上記発明によれば、鍋収納部上縁部を衛生的かつお手入れし易くし、さらには、商品に清潔感や高級感を持たせ、商品性を高める。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項第1項の発明は、有底筒状の鍋収納部と、鍋収納部の上端部から連なる樹脂製の鍋収納部上縁部と、この鍋収納部上縁部を外周で支持する外周壁面部とを有する本体と、前記本体の上方より鍋収納部に着脱自在に収納され、外周つば部が鍋収納部上縁部の上方に位置する鍋と、本体上面に載置され本体上面を覆い、鍋を内包する形で開閉自在な蓋を有すると共に、前記本体の鍋収納部上縁部の上面にはホコリが吸着し難くすべく帯電し難い金属製の本体カバーなる部品を配設してなり、 前記鍋は誘導加熱方式で加熱され、前記鍋のつば部と前記本体カバーの間に、前記鍋の外周つば部に当接する耐熱性の樹脂で形成された鍋載置台を配設する炊飯器で、鍋収納部上縁部を衛生的かつお手入れしやすくし、さらには、商品に清潔感や高級感を持たせ、商品性を高める。
【0010】
請求項第項の発明は、前記本体カバーは鍋収納部上縁部と若干の隙間を有して配設されるもので、炊飯、保温時の消費電力を減じる。
【0011】
請求項第項の発明は、前記本体カバーは、環状で、鍋収納部上縁部と鍋収納部上端部と本体の外周壁面部上端部を覆い、鍋収納部及び外周壁面部に設けた突起状の係合部に対応する装着部を有し、前記本体カバーを着脱自在としたもので、本体カバーがお手入れしやすくなる。
【0012】
請求項第項の発明は、前記本体カバーは、環状で、鍋収納部上縁部と鍋収納部上端部と本体壁面部上端部を覆うとともに、着脱時、本体壁面部を覆ってなる部分もしくは鍋収納部を覆ってなる部分のいずれかが先行して本体に沿いながら本体に係合してなるもので、本体カバーの着脱が容易になる。
【0013】
請求項第項の発明は、前記鍋載置台は、鍋収納部上縁部に配設され、前記本体カバーは鍋収納部上縁部と鍋載置台で挟持してなるもので、本体カバーを確実に固定できる。
【0014】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例1について、図1〜図7用いて説明する。炊飯器本体1は有底筒状の鍋収納部1a有しており、鍋収納部上縁部1bが鍋収納部1aの上端部から連なっている。鍋収納部上縁部1bは外周を外周壁面部1cにより支持されている。そして、鍋収納部上縁部1bの上面には本体カバー13なるものが配設されている。
【0015】
鍋2は本体に上方より着脱自在に鍋収納部1aに収納され、鍋2の外周つば部2aは鍋2を本体1の鍋収納部1aに収納したときに鍋収納部上縁部1bの上方に位置している(図2)。
【0016】
鍋2は底ヒータ5の発熱によりに加熱され、炊飯、保温を行う。6は炊飯器の加熱動作を制御している制御部である。15は底センサーで炊飯、保温時に鍋2の温度を検知し、制御部6へと信号を送っている。3は本体上部を覆う蓋で、ヒンジ軸4を軸に回動し、本体1を開閉自在に覆う。そして蓋3は、着脱自在かつ炊飯中の蒸気が通過する蒸気穴7aを有する内蓋7を有している。また蓋3には炊飯中の蒸気が外部へ流出する筒状の蒸気口9があり、蒸気口9と内蓋7は蒸気口パッキン10で蒸気が蓋3内部に流入しないように封止している。内蓋7は外周に鍋2のつば部2aと当接する内蓋パッキン8を有しており、炊飯中の蒸気が蒸気口9以外から外部へもれだすのを防止している。
【0017】
炊飯や保温中にご飯から発生する蒸気は内蓋7にあたる。内蓋7に当たった蒸気は冷やされて露となって内蓋7に付着する。露の付着を減らすために、蓋ヒータ14が内蓋7を加熱するが、過度の加熱は鍋内のご飯の表面を乾燥させたり、黄変させたりするので、蓋ヒータ14での加熱には限界があり、若干の露が内蓋7に残る。また内蓋パッキン8は内蓋7よりもさらに加熱されにくく、露が付やすい。
【0018】
蓋2を開けると、内蓋7や内蓋パッキン8に付着した露は、下方に滴れ、ついには本体1の鍋収納部上縁部1b上や鍋2のつば部2a上に滴下する。鍋2のつば部2aに滴下した露は、つば部2aが鍋収納部上縁部1bの上面に位置しているので、やがては鍋収納部上縁部1b上に滴下する(図3)。
【0019】
また、鍋収納部上縁部1b上には、ご飯粒が落下して付着したり、炊飯器は台所周辺に設置されることが多く、油をつかった調理により発生する油煙にもさらされるので、油煙が付着したりする。
【0020】
鍋収納部上縁部1bの周囲は鍋2のつば部2aから熱をうけ、炊飯中で約60〜70℃、保温中で約40〜60℃と、雑菌が繁殖し易い温度まで温度が上昇する。鍋収納部上縁部1bの周辺に付着した露やご飯粒、あるいは油煙は暖められて、雑菌が繁殖し易く、かびやかび臭、腐敗臭さらには雑菌による異臭が発生する。
【0021】
しかしながら、本例の炊飯器では、鍋収納部上縁部1bは金属製の本体カバー13で覆われている。そのため、内蓋7や内蓋パッキン8から滴下した露やご飯粒あるいは油煙は、本体カバー13上に溜まる。本体カバー13は金属製なのでこびりつきにくく、ふきんなどで簡単に拭き取ることができ、鍋収納部上縁部1bを清潔に保つことができる。
【0022】
また、金属製の本体カバーは、金属の持つ光沢感は、炊飯器に清潔感や高級感を感じさせ、炊飯器の商品性が高まる。
【0023】
ここで、ステンレスの薄板やアルミの薄板は加工しやすく、錆などが発生しにくいので本体カバー13の材料に向いている。
【0024】
本体カバー13の取り付けは、図4のように、ネジ23で取り付けるとしっかりと鍋収納部上縁部に本体カバー13を取り付けできる。そして、商品の廃棄時はネジを外すと、金属部の本体カバー13と樹脂部の本体2が上下方向で分離できるので、材料の再利用がしやすく、リサイクル性もよい。
【0025】
また、図5に示すように、鍋収納部上縁部1bが、本体外周部を兼ねている炊飯器でも、同様の効果が得られる。
【0026】
さらには、本体カバー13は鍋収納部および外周壁面部に設けた突起状の係合部19に係合する穴状の装着部20を有している。係合部との係合をはずすことで上下方向に着脱自在に配設されている(図6)。そのため、本体カバー13は炊飯器から取り外して洗浄する事ができ、お手入れもしすい。また、鍋収納部上縁部1b全体を本体カバーで覆うようにすると、本体カバー13だけをお手入れすることで、鍋収納部上縁部1bに滴下した露やご飯粒あるいは油煙を取り除く事ができる。
【0027】
そして、本体カバー13は、環状で、鍋収納部上縁部1bと鍋収納部上端部1dと本体壁面部上端部1eを覆うとともに、いずれかが先行して本体1に沿いながら本体1に係合すると、先行して本体1に沿う部分が、本体カバー13の着脱時にガイドの役目をし、スムーズに本体カバー13が着脱できるようになる(図6)。このとき、先行して本体カバー13に沿う部分は、本体壁面部1cを覆う部分と鍋収納部1aを覆う部分のどちらでもよい。
【0028】
図7では、本体カバー13と鍋収納部上縁部1bの間に、若干の隙間17を設けてある。本体カバー13は金属製なので、熱伝導性がよく、炊飯、保温時に均一にあたたまる。一方、鍋収納部上縁部1bは樹脂性の部品で形成される事が多く、熱を伝えにくい。本体カバー13と鍋収納部上縁部1bとの間の若干の隙間17が断熱層になり、熱を本体外部に逃がしにくくなる。よって、炊飯、保温時に外部へ逃げる熱量が減少し、消費電力が減少する。また、万が一、本体カバーと鍋収納部上縁部の間に水が侵入しても、鍋収納部上縁部には水抜き用の穴部18が設けられていて、水は外部に排出されるので、本体内にたまり、異臭を放ったり、カビを発生したりする事はない。
【0029】
(実施例2)
本発明の実施例2について、図8〜図13を用いて説明する。図8において16は底コイルで、実施例1の底ヒーター5に代わって鍋2を誘導加熱方式で加熱する。誘導加熱方式の炊飯器は、樹脂製の鍋収納部1aが鍋底2cまで鍋を覆っている。誘導加熱方式では鍋底2cが発熱し、鍋収納部の耐熱温度以上に鍋底2cの温度が上昇するので、鍋収納部1aと鍋底2cの間に若干の隙間を設けてある。鍋のつば部2aは、鍋底2cにくらべると、耐熱性の有る樹脂であれば十分保持できる温度までしか上昇しないので、鍋2はつば部2aで鍋収納部上縁部1bに載置されている。
【0030】
本体カバー13は金属性で形成され、熱を伝えやすい。鍋2に直接に当接すると、本体カバー13が鍋2の熱を奪い、鍋2の温度が下がってしまう。そこで、図9ように鍋2のつば部2aと本体カバー13の間に耐熱性の有する樹脂で形成された鍋載置台21を配設すれば、誘導加熱方式の炊飯器で鍋収納部上縁部1bを衛生的かつお手入れしやすくできる。
【0031】
また、図10のように鍋収納部上縁部1bを耐熱性の有る樹脂で形成すると、鍋載置台21が不要となり簡易な構成で鍋2を載置できる。そして、図11に示すように本体カバー13の着脱のガイドになり、本体カバー13の着脱もしやすくなる。
【0032】
ここで、本体カバー13は鍋収納部上縁部1bに着脱自在に配設されているが、鍋載置台21と鍋収納部上縁部1bで挟持すると、鍋2載置したとき、本体カバー13は確実に所定の位置に装着でき、過って浮いた状態で装着することがなくなる(図12)。
【0033】
図13のように、鍋2に取っ手22を配設して、取っ手を耐熱性の樹脂で形成すると、鍋載置台21が不要となるだけでなく、鍋2が本体からとりだしやすくなる。また、炊飯直後でも、鍋2の取っ手22は樹脂なので、およそ60〜70度程度しか温度が上昇しないため、鍋つかみ等を使うことなくそのまま素手で鍋2を本体からとりだすことができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、鍋収納部上縁部を衛生的かつお手入れしやすくし、さらには、商品に清潔感や高級感を持たせ、商品性を高めるとともに、商品の廃棄時はリサイクルしやすくする効果を有する。
【0035】
また、特に、請求項記載の発明によれば、炊飯、保温時の消費電力を減じ、お手入れ性もよくなる効果を有する。
【0036】
また、特に、請求項記載の発明によれば、本体カバーがお手入れしやすくなる。
【0037】
また、特に、請求項記載の発明によれば、本体カバーの着脱が容易になる効果を有する。
【0038】
また、請求項記載の発明によれば、本体カバーを確実に固定できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の炊飯器の要部断面図
【図2】 同、炊飯器の鍋収納部上縁部近傍の断面図
【図3】 同、炊飯器を開蓋時のヒンジ近傍の断面図
【図4】 同、炊飯器の鍋収納部上縁部近傍の断面図
【図5】 同、炊飯器の鍋収納部上縁部近傍の断面図
【図6】 同、炊飯器の鍋収納部上縁部近傍の断面図
【図7】 同、炊飯器の鍋収納部上縁部近傍の断面図
【図8】 本発明の実施例2の炊飯器の要部断面図
【図9】 同、炊飯器の鍋上縁部近傍の断面図
【図10】 同、炊飯器の鍋上縁部近傍の断面図
【図11】 同、炊飯器の鍋上縁部近傍の断面図
【図12】 同、炊飯器の鍋上縁部近傍の断面図
【図13】 同、炊飯器の鍋上縁部近傍の断面図
【図14】 従来の炊飯器の要部断面図
【図15】 従来の炊飯器を開蓋時のヒンジ近傍の断面図
【符号の説明】
1 本体
1a 鍋収納部
1b 鍋収納部上縁部
1c 外周壁面部
1d 鍋収納部上端部
1e 外周壁面部上端部
2 鍋
2a つば部
3 蓋
13 本体カバー
18 穴部
19 係合部
20 装着部
21 鍋載置台
22 取っ手

Claims (5)

  1. 有底筒状の鍋収納部と、鍋収納部の上端部から連なる樹脂製の鍋収納部上縁部と、この鍋収納部上縁部を外周で支持する外周壁面部とを有する本体と、前記本体の上方より鍋収納部に着脱自在に収納され、外周つば部が鍋収納部上縁部の上方に位置する鍋と、本体上面に載置され本体上面を覆い、鍋を内包する形で開閉自在な蓋を有すると共に、前記本体の鍋収納部上縁部の上面にはホコリが吸着し難くすべく帯電し難い金属製の本体カバーなる部品を配設してなり、前記鍋は誘導加熱方式で加熱され、前記鍋のつば部と前記本体カバーの間に、前記鍋の外周つば部に当接する耐熱性の樹脂で形成された鍋載置台を配設する炊飯器。
  2. 本体カバーは鍋収納部上縁部と若干の隙間を有して配設される請求項1記載の炊飯器。
  3. 本体カバーは、環状で、鍋収納部上縁部と鍋収納部上端部と本体の外周壁面部上端部を覆い、鍋収納部及び外周壁面部に設けた突起状の係合部に対応する装着部を有し、前記本体カバーは着脱自在とした請求項1〜のいずれか1項に記載の炊飯器。
  4. 本体カバーは、環状で、鍋収納部上縁部と鍋収納部上端部と本体壁面部上端部を覆うとともに、着脱時、本体壁面部を覆ってなる部分もしくは鍋収納部を覆ってなる部分のいずれかが先行して本体に沿いながら本体に係合してなる1〜のいずれか1項に記載の炊飯器。
  5. 鍋載置台は、鍋収納部上縁部に配設され、本体カバーは鍋収納部上縁部と鍋載置台で挟持してなる請求項1記載の炊飯器。
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