JPH11285440A - ジャー炊飯器 - Google Patents

ジャー炊飯器

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JPH11285440A
JPH11285440A JP9198098A JP9198098A JPH11285440A JP H11285440 A JPH11285440 A JP H11285440A JP 9198098 A JP9198098 A JP 9198098A JP 9198098 A JP9198098 A JP 9198098A JP H11285440 A JPH11285440 A JP H11285440A
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inner lid
steam
pan
pot
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JP9198098A
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Kazuya Miyake
一也 三宅
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Toshiba Home Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内蓋の外観性の低下を防止する。また、内蓋
や蓋体下面の清掃性を向上し、保温時における鍋周囲の
結露を防止する。 【解決手段】 蓋体31と内蓋35との装着部50が、内蓋35
の表面を逃げた位置にある。よって、蓋体31を開いた場
合でも、内蓋35の外観性を良好に維持できる。また、内
蓋35を外して蓋体下面31Aや内蓋35単体を清掃する際
も、装着部50が邪魔にならない。保温時に蓋ヒータ57で
内蓋35を加熱すると、内鍋35と鍋5との接触部63から鍋
5の上部に熱が伝わる。このため、保温中における鍋5
の上部の温度低下を抑制でき、結露を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍋に対向する蓋体
下面を、この蓋体下面に着脱可能な内蓋で覆ったジャー
炊飯器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、この種のジャー
炊飯器は、鍋の上部開口部を覆う蓋体が設けられている
が、これは例えば特公昭63−12612号公報に開示
されるように、蓋体下面に鍋に対向する状態で着脱可能
な内蓋を備えるか、実公昭63−10111号公報に開
示されるように、鍋と内蓋とを密閉する蓋パッキンを内
蓋に装着し、内蓋を蓋体下面から外せば、内蓋と蓋パッ
キンの両方が清掃できるようして、利便性を高めたもの
が知られている。また、別な例としては、例えば実公平
5−34601号公報に開示されるように、内蓋をなく
して蓋体下面が直接鍋に対向する構成にしたものが知ら
れている。そして、こうした内蓋のない構造では、蓋パ
ッキンを着脱可能にし、蓋パッキンを単体で洗えるよう
にして清掃性を高めたものが知られている。しかし、こ
うした従来の構成では次のような問題点がある。
【0003】蓋体下面に着脱可能な内蓋を備えたもの
は、蓋体を開けたときに、蓋体下面への内蓋の装着部が
内蓋の表面に露出した状態で見え、外観性が悪いととも
に、蓋体下面から内蓋を外したときに、蓋体下面に内蓋
を保持するための突出部(スタッド)が有り、蓋体下面
の清掃性に劣るという問題がある。また、例えば実開昭
63−177415号公報では、鍋内からの被炊飯物の
蒸気を放出する蒸気孔を内蓋に備えたものが示されてい
るが、こうした構成では複雑な形状の蒸気孔が清掃しに
くく、また、内蓋清掃時には蒸気孔が邪魔になって、本
来の目的である内蓋の清掃が十分に行なわれなくなる。
一方、内蓋のない構成では、内蓋が蓋体下面に存在しな
い分だけ外観性が良く、内蓋を付け忘れたり、清掃のた
めに内蓋をわざわざ外す手間がなく便利であるが、炊飯
で汚れた蓋体下面の清掃を頻繁に行ないたい場合には、
蓋体下面が単独に取り外せないので、清掃が行ないにく
い欠点がある。
【0004】また、保温時において、鍋を収容する本体
の鍋収容部から上に露出した鍋の上部は、周囲の断熱性
が悪いことから、鍋内の被炊飯物よりも温度低下しやす
い。したがって、鍋内の被炊飯物から発生する湯気が鍋
の上部で結露し、これが時間の経過とともに鍋肌を伝わ
って流れ落ち、鍋周囲の被炊飯物がベチャ付く問題があ
る。特に、鍋自体が発熱する電磁誘導加熱式のジャー炊
飯器は、鍋の外周囲の方が鍋自体よりも温度が低くなり
やすく、鍋周囲空間の保温性が乏しいため、上記の被炊
飯物のベチャ付き現象が一層顕著になる。この現象を改
善するには内蓋の温度を低減する必要があるが、内蓋の
温度を下げると今度は内蓋に結露し、蓋体を開けたとき
に内蓋に付着した露が流れ落ちて、本体上部を汚す問題
がある。更に、保温中に内蓋から露が被炊飯物の上面に
滴下すれば、被炊飯物の上面に部分的なベチャ付きが生
じ、やはり保温性の低下を生じてしまう。
【0005】また、蓋体には、内蓋があるものは内蓋を
加熱し、内蓋の無いものは蓋体下面を加熱する蓋加熱手
段が備えてあり、炊飯時と保温時に内蓋ないし蓋体下面
を加熱して結露を抑制する構成になっている。しかし、
内蓋を備えたジャー炊飯器では、蓋加熱手段によって蓋
体下面を加熱し、この蓋体下面からの輻射熱で内蓋を加
熱する構成となっているので、蓋加熱手段による内蓋の
加熱は間接的なものとなり、内蓋なしのジャー炊飯器の
ように、鍋対向面である蓋体下面を加熱するものに比べ
て、蓋加熱の効率が悪い。また、内蓋には、炊飯時に鍋
内の被炊飯物から発生する蒸気を放出する孔が設けられ
ているが、この孔に蓋加熱手段の発熱部が対向した状態
に設けられていると、保温時に内蓋の孔から鍋内の被炊
飯物に熱が直接放射されることから、他の内蓋で熱が遮
蔽されている部分に比べて、孔を設けた部分だけが加熱
過多になり、長時間保温したときには、孔に対向した鍋
内の被炊飯物上面が早期に乾燥する問題がある。さら
に、炊飯時には上記とともに水分に含まれる澱粉(オネ
バ)が、孔を通って上方の蓋体下面に付着するが、保温
時に付着したオネバが蓋体下面で乾燥し、こびりつきと
なって、蓋体下面が汚れやすくなる欠点もある。
【0006】また、蓋体の内部に備えた加熱コイルで内
蓋を電磁誘導加熱し、内蓋を自己発熱させて加熱効率を
向上させたものもあるが、この場合も加熱コイルに対向
する部分に内蓋の孔が設けられていれば、内蓋の発熱効
率の低下になる。しかも、孔の部分は発熱しないので、
内蓋の発熱ムラの原因となる。さらに、蓋体下面は加熱
コイル絶縁用に合成樹脂で形成されるため、万一内蓋を
外したまま炊飯を行なうと、合成樹脂が熱変形する虞れ
もある。
【0007】内蓋を備えたジャー炊飯器においては、蓋
体下面への内蓋の装着部を目立たなくするために、この
装着部を内蓋周囲の内蓋表面に殆ど露出しない位置に設
け、また、蒸気通路を除いて蒸気が侵入しないように内
蓋と蓋体下面との間を形成して、蓋体下面が汚れないよ
うにし、内蓋を外さなくても、内蓋の表面を拭き取るだ
けで良いように構成したものもある。これにより、従来
の内蓋なしの構造と同様の外観性および利便性のよさを
達成し、しかも内蓋を外して洗うことができる清掃性の
よさと、蓋パッキンを着脱式にした内蓋の利点を合わせ
持つことができる。しかし、こうした構成では次のよう
な問題点がある。
【0008】炊飯時には沸騰を検出し、保温時には蓋体
下面の温度を検出するための蓋体の温度を検出する蓋温
度センサが、蓋体には設けられているが、内蓋と蓋体下
面との間に蒸気を侵入させない構成のため、従来のよう
に蓋体下面の裏側面に蓋温度センサを設けても、特に蒸
気の発生検出において、沸騰を検出する炊飯時には精度
の良い加熱制御ができず、沸騰後に加熱量を低減するタ
イミングが遅れて、蓋体の蒸気口から外部に吹きこぼれ
を生じたり、焦げ、あるいは加熱不足により、被炊飯物
に芯が残るなどの炊飯性能にバラツキが出る問題が発生
する。これらの解決策としては、蓋温度センサを感熱ケ
ースに内蔵し、感熱ケースを蓋体下面に上下動させる構
造にして、内蓋に当接させるようにしたものもある。し
かし、万一の場合を考えて、蒸気の侵入を防止する構造
を加味した感熱ケースを設けなければならず、これが前
記上下動する構造と相俟って、複雑な構成となる問題が
ある。
【0009】一方、内蓋はアルミニウム材料を使用して
おり、その表面にアルマイト処理を行なうか、あるい
は、弗素樹脂やシリコーン樹脂でコーティングを施すこ
とで、耐蝕性を確保している。また、内蓋をフェライト
系ステンレスなどの磁性金属で形成し、蓋体内部に備え
た加熱コイルで内蓋を電磁誘導加熱するジャー炊飯器に
おいても、磁性金属は腐食しやすいことから、同様の弗
素樹脂やシリコーン樹脂によるコーティングを施してい
る。
【0010】しかし、近年は環境汚染防止の観点から、
廃液処理を伴う有機物の塗装や、アルマイト処理による
表面処理は、極力避けたいという事情がある。また、加
工行程も多く不良率アップの要因となっている。さらに
は、内蓋にこびりついた汚れをスコッチブライトで無理
に除去したり、金属物が接触して万一コーティングが剥
離した場合に、単に母材の腐蝕だけではなく、剥離物が
体内に入ることも考えられる。内蓋は特に炊飯時に加圧
した蒸気が当たるために、コーティングの劣化が早期に
発生しやすく、母材に対するコーティングの密着性には
注意を要する。
【0011】これに対して、アルマイト処理に関しては
比較的表面硬度が高く、傷が付きにくいが、表面に微細
な孔が複数有り、汚れが染み込んでこびりつきやすい。
また、特に空炊き等で高温になった場合、アルマイト皮
膜にクラックが入りやすく、やはり使用中に内蓋の外観
性が悪化する問題がある。
【0012】ところで、前述の蓋体下面への内蓋の装着
部を目立たなくした構成では、保温時において、長時間
の保温時に、鍋内のご飯に腐敗臭を生じる別の問題があ
る。これは多くの場合、鍋内の蒸気を外部に放出する蒸
気口内部の冷えに起因する。すなわち、外気の侵入など
で蒸気口の内部が50℃未満の低い温度になると、蒸気
口内部に溜まった澱粉が栄養となり、湿気のある状態で
腐敗が発生し、内部で増殖した腐敗菌が蒸気口の蒸気通
路を通して鍋内のご飯に伝わるからである。よって、腐
敗菌が鍋内のご飯に伝わらいような対策が必要である。
【0013】他方、蓋体下面への内蓋の装着部を目立た
なくした構成では、内蓋の装着時に内蓋の方向性が生
じ、内蓋を初めて装着する場合には、どの向きにすれば
よいか分らず、戸惑う場合がある。また、最悪の場合
は、中途半端な状態で内蓋が装着され、蓋体が完全に閉
じなくなったり、炊飯時に蒸気が漏れるという問題を生
じる。この内蓋の方向性を示すには、刻印などの表示を
内蓋や蓋体下面に形成すれば良いが、その分だけ加工が
多く必要になる。内蓋の方向性が生じる主な理由は、蒸
気の出口による。すなわち、内蓋の蒸気孔から通過した
蒸気を、蓋体に設けた蒸気口に確実に導く必要があるか
らで、根本的に内蓋の方向性をなくすことが要求されて
いる。
【0014】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、内蓋
の外観性の低下を防止することを共通の目的とし、さら
に、内蓋や蓋体下面の清掃性を向上するとともに、保温
時における鍋周囲の結露を防止して、保温性を改善でき
るジャー炊飯器を提供することをその第1の目的とす
る。
【0015】また、本発明の第2の目的は、内蓋や蓋体
下面の清掃性を向上でき、内蓋の加熱効率または発熱効
率を向上できるとともに、長時間保温時に被炊飯物が部
分的に乾燥する不具合を防止できるジャー炊飯器を提供
することにある。
【0016】また、本発明の第3の目的は、内蓋や蓋体
下面の清掃性を向上でき、内蓋の加熱効率をさらに向上
でき、長時間保温時に被炊飯物が部分的に乾燥する不具
合を防止できるとともに、蓋体下面の変形を防止できる
ジャー炊飯器を提供することにある。
【0017】また、本発明の第4の目的は、内蓋や蓋体
下面の清掃性を向上でき、加熱バラツキの少ない炊飯を
行なうことができるとともに、構造を簡素化できるジャ
ー炊飯器を提供することにある。
【0018】また、本発明の第5の目的は、蒸気口キャ
ップや蓋パッキンを含めた内蓋と、蓋体下面との清掃性
を向上でき、蒸気口キャップや蓋パッキンの交換を容易
に行なうことができるジャー炊飯器を提供することにあ
る。
【0019】また、本発明の第6の目的は、使用時にお
ける内蓋の信頼性を高め、内蓋の加熱効率を高めるとと
もに、加工行程を簡素化しつつ、環境保全に寄与できる
ジャー炊飯器を提供することにある。
【0020】また、本発明の第7の目的は、内蓋や蓋体
下面の清掃性を向上でき、長時間保温時における被炊飯
物の腐敗臭を防止できるとともに、内蓋の取付け時にお
ける方向性のない設計が容易に可能なジャー炊飯器を提
供することにある。
【0021】また、本発明の第8の目的は、内蓋や蓋体
下面の清掃性を向上でき、内蓋の取付け時における方向
性のない設計が容易に可能なジャー炊飯器を提供するこ
とにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のジャー
炊飯器は、前記第1の目的も達成するために、鍋に対向
する蓋体下面側を、前記蓋体下面に着脱可能な内蓋で覆
い、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、前記鍋の上部開
口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に設
け、前記内蓋の一部を前記鍋に接触させ、前記蓋体の内
部には前記内蓋を加熱する蓋加熱手段を設け、前記鍋内
の被炊飯物を所定温度に保温する際に前記蓋加熱手段に
て前記内蓋を加熱する構成としたものである。
【0023】この請求項1の構成によれば、蓋体を開い
た場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に維
持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を清
掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃げ
た位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下面
や内蓋の清掃性も向上できる。さらに、保温時において
蓋加熱手段により内蓋を加熱すると、内鍋と鍋との接触
部から鍋の上部に熱が伝わり、保温中における鍋の上部
の温度低下を抑制できる。したがって、保温時における
鍋周囲の結露を抑制して、保温性を改善できる。
【0024】請求項2の発明のジャー炊飯器は、請求項
1の発明のジャー炊飯器において、前記内蓋と前記鍋と
の接触部の近傍に、前記内蓋と前記鍋との間を密封する
弾性部材からなる蓋パッキンを備えたものである。
【0025】この請求項2の構成によれば、鍋と内蓋が
接触する際にクッション性が得られ、蓋体の閉塞時にお
ける感触が向上する。
【0026】請求項3の発明のジャー炊飯器は、前記第
2の目的も達成するために、鍋に対向する蓋体下面側
を、前記蓋体下面に着脱可能な内蓋で覆い、前記蓋体と
前記内蓋との装着部を、前記鍋の上部開口部に直接対向
する前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、内蓋には蒸気
を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体の内部には前記内蓋
を加熱する蓋加熱手段を設け、この蓋加熱手段を前記蒸
気孔と重ならない位置に配設し、前記鍋内の被炊飯物を
所定温度に保温する際に前記蓋加熱手段にて前記内蓋を
加熱する構成としたものである。
【0027】この請求項3の構成によれば、蓋体を開い
た場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に維
持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を清
掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃げ
た位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下面
や内蓋の清掃性も向上できる。
【0028】また、蓋体下面からの輻射熱を受熱する内
蓋の受熱面が、蒸気孔によって減少することはなく、蓋
体下面からの輻射熱を効率よく受熱できる。また、内蓋
を電磁誘導加熱する場合でも、蒸気孔により発熱効率が
低下しない。よって、内蓋の加熱効率または発熱効率が
向上する。さらに保温時には、蓋体下面からの輻射熱
が、内蓋の蒸気孔から直接鍋内の被炊飯物に放射される
ことが防止される。したがって、長時間保温時に被炊飯
物が部分的に乾燥する不具合を防止できる。また、炊飯
時に蒸気孔を通過したオネバは、蓋体下面に付着しても
保温時に乾燥しにくくなり、蓋体下面の清掃性が向上す
る。
【0029】請求項4の発明のジャー炊飯器は、前記第
3の目的も達成するために、鍋に対向する蓋体下面側
を、前記蓋体下面に着脱可能な金属製の内蓋で覆い、前
記蓋体と前記内蓋との装着部を、前記鍋の上部開口部に
直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記
内蓋には炊飯時に前記鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出
する蒸気孔を設け、前記蓋体の内部には金属製の前記蓋
体下面を加熱する蓋加熱手段を設け、この蓋加熱手段を
前記蒸気孔と重ならない位置に配設し、前記鍋内の被炊
飯物を所定温度に保温する際に、前記蓋体下面からの輻
射熱にて前記内蓋を加熱する構成としたものである。
【0030】この請求項4の構成によれば、蓋体を開い
た場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に維
持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を清
掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃げ
た位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下面
や内蓋の清掃性も向上できる。
【0031】また、蓋体下面からの輻射熱を受熱する内
蓋の受熱面が、蒸気孔によって減少することはなく、蓋
体下面からの輻射熱を効率よく受熱できる。また、蓋体
下面と内蓋はいずれも金属製であり、蓋体下面から放射
される熱が、内蓋により効果的に吸収され、内蓋の加熱
効率が向上する。さらに、蒸気の発生する部分には、蓋
体下面を加熱する蓋加熱手段が配置されていない。よっ
て、蒸気や保温時における湯気の影響を受けることな
く、この点でも内蓋の加熱効率を高めることができる。
【0032】さらに保温時には、蓋体下面からの輻射熱
が、内蓋の蒸気孔から直接鍋内の被炊飯物に放射される
ことが防止される。したがって、長時間保温時に被炊飯
物が部分的に乾燥する不具合を防止できる。また、炊飯
時に蒸気孔を通過したオネバは、蓋体下面に付着しても
保温時に乾燥しにくくなり、蓋体下面の清掃性が向上す
る。
【0033】請求項5の発明のジャー炊飯器は、前記第
4の目的も達成するために、蓋体下面を覆う内蓋を前記
蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部
を、鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃
げた位置に設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物
からの蒸気を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体下面と前
記内蓋を密封する弾性部材からなる蒸気口キャップを、
前記蒸気孔の周囲に設け、前記蒸気口キャップの内側で
炊飯時に蒸気が侵入する部位に、熱伝導性の良い金属製
の前記蓋体下面を露出させ、前記蓋体の内部の前記蓋体
下面裏側に、該蓋体下面の温度を検出する蓋温度検出手
段を設けたものである。
【0034】この請求項5の構成によれば、蓋体を開い
た場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に維
持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を清
掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃げ
た位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下面
や内蓋の清掃性も向上できる。
【0035】また、蒸気口キャップにより、蒸気孔を通
過する蒸気が、蓋体下面部と内蓋との間に侵入すること
を防止できる。したがって、蒸気口キャップの外周囲に
ある蓋体下面は蒸気で汚れなくなり、蓋体下面の清掃性
が向上する。また、蒸気孔から侵入した蒸気は蓋体下面
に直接当たって、約 100℃に達した蓋体下面の熱が、蓋
温度検出手段に速やかに伝達される。したがって、蒸気
が蒸気口キャップ内に侵入したことを確実に検出でき、
加熱バラツキの少ない炊飯を行なうことができる。さら
に、蓋体下面が熱伝導性の良い材料で形成されるので、
蓋温度検出手段の取付位置に制約が少なくなり、構造を
簡素化できる。
【0036】請求項6の発明のジャー炊飯器は、前記第
5の目的も達成するために、蓋体下面を覆う内蓋を前記
蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部
を、鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃
げた位置に設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物
からの蒸気を放出する蒸気孔を設け、前記鍋から前記蒸
気孔を通過した蒸気が、前記内蓋と前記蓋体下面の間に
侵入しないように設けた弾性部材からなる蒸気口キャッ
プと、前記内蓋の外周囲に位置して前記内蓋と前記鍋と
の隙間から蒸気が外漏れしないように設けた弾性部材か
らなる蓋パッキンの両方を、前記内蓋に備えたものであ
る。
【0037】この請求項6の構成によれば、蓋体を開い
た場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に維
持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を清
掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃げ
た位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下面
や内蓋の清掃性も向上できる。
【0038】また、蒸気口キャップにより、蒸気孔を通
過する蒸気が、蓋体下面部と内蓋との間に侵入すること
を防止できる。したがって、蒸気キャップの外周囲にあ
る蓋体下面は蒸気で汚れなくなり、蓋体下面の清掃性が
向上する。さらに、蓋体下面から内蓋を外すだけで、炊
飯により汚れる内蓋と蒸気口キャップおよび蓋パッキン
を同時に洗うことができ、清掃性が向上する。また、劣
化する蒸気口キャップや蓋パッキンの交換が必要になっ
た場合は、この蒸気口キャップや蓋パッキンが取り付け
られた内蓋だけを新しい部品に交換すればよく、蓋体を
分解するなどの手間が省ける。
【0039】請求項7発明のジャー炊飯器は、請求項6
発明のジャー炊飯器において、前記内蓋の蒸気孔を前記
蒸気口キャップに設けたものである。
【0040】この請求項7の構成によれば、蒸気孔を内
蓋に直接開ける必要がなく、内蓋は蒸気孔を通過する蒸
気の影響を受けない。
【0041】請求項8の発明のジャー炊飯器は、前記第
4の目的も達成するために、蓋体下面を覆う内蓋を前記
蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部
を、鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃
げた位置に設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物
からの蒸気を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体下面と前
記内蓋を密封する弾性部材からなる蒸気口キャップを、
前記蒸気孔の周囲に設け、前記蓋体下面の温度を検出す
る蓋温度検出手段を前記蒸気口キャップの内側に配置し
たものである。
【0042】この請求項8の構成によれば、蓋体を開い
た場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に維
持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を清
掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃げ
た位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下面
や内蓋の清掃性も向上できる。
【0043】また、蒸気口キャップにより、蒸気孔を通
過する蒸気が、蓋体下面部と内蓋との間に侵入すること
を防止できる。したがって、蒸気キャップの外周囲にあ
る蓋体下面は蒸気で汚れなくなり、蓋体下面の清掃性が
向上する。さらに、蒸気の侵入する蒸気口キャップ内部
の温度を、蓋温度検出手段で直接検出でき、確実に蒸気
の発生を検出して、バラツキの少ない炊飯を行なうこと
ができる。しかも、従来のように、蓋温度検出手段を内
蔵した感熱ケースを接触させるなどの複雑な構成にする
必要もない。
【0044】請求項9の発明のジャー炊飯器は、請求項
8発明のジャー炊飯器において、前記蒸気口キャップの
内側に金属製の前記蓋体下面を露出させ、この蓋体下面
の裏側に前記蓋温度検出手段を備えたものである。
【0045】この請求項9の構成によれば、熱伝導性の
良好な金属製の蓋体下面を介して、直接蒸気の当たる部
分の温度検出を行なうことができ、より精度の高い蒸気
検出が可能となる。
【0046】請求項10の発明のジャー炊飯器は、請求
項8発明のジャー炊飯器において、炊飯時に前記蓋温度
検出手段が沸騰近傍温度を検出した後、前記鍋への加熱
量を調節して、前記鍋の内外を連通する前記蓋体の蒸気
口からの吹きこぼれを抑制するように構成したものであ
る。
【0047】この請求項10の構成によれば、炊飯時に
おける沸騰後の確実な加熱調節にて、蒸気口からの吹き
こぼれを抑制することが可能となる。
【0048】請求項11の発明のジャー炊飯器は、前記
第6の目的も達成するために、鍋に対向する蓋体下面
を、この蓋体下面に着脱可能な耐蝕性に優れたステンレ
スまたはチタン製の内蓋で覆い、前記蓋体内部に前記蓋
体下面を加熱する蓋加熱手段を設け、この蓋加熱手段の
発熱に伴なう前記蓋体下面からの輻射熱で、前記内蓋を
加熱する構成としたものである。
【0049】この請求項11の構成によれば、空炊きな
どで鍋に対向する内蓋が加熱されても、内蓋にクラック
が入るなどの心配がなく、内蓋の外観性を良好に維持で
きる。また、ステンレスまたはチタン製の内蓋であれ
ば、耐蝕性向上のための塗装やアルマイト処理が不要と
なり、加工行程が簡素化するとともに、廃液処理などの
心配がなく、環境保全に寄与できる。さらに、従来のよ
うに、内蓋のコーティングが剥離または劣化したり、ア
ルマイト表面の汚れが取れないなどの問題も一掃され、
使用時の信頼性が向上する。また、内蓋にステンレスや
チタンを使用すると、熱吸収性の向上により蓋体下面か
らの輻射熱を効率よく受熱することができ、内蓋の加熱
効率を高めることができる。
【0050】請求項12の発明のジャー炊飯器は、請求
項11の発明のジャー炊飯器において、前記蓋体下面を
ステンレスまたはチタンの金属材料で形成したものであ
る。
【0051】この請求項12の構成によれば、蓋体下面
の熱放射性の向上により、蓋体下面からの輻射熱を効率
よく放射することができ、前記内蓋の熱吸収性の向上と
相俟って、内蓋の加熱効率をさらに高めることができ
る。
【0052】請求項13の発明のジャー炊飯器は、請求
項11または請求項12の発明のジャー炊飯器におい
て、前記内蓋,前記蓋体下面の両方または片方の材料厚
さを0.15〜 0.6mmに形成したものである。
【0053】この請求項13の構成によれば、蓋加熱手
段の熱が速やかに蓋体下面に伝導され、内蓋の加熱効率
をより一層向上することが可能となる。また、この程度
の材料厚さでも、使用時における強度面の問題はなく、
軽量化が図れて取り扱いを楽にすることができる。
【0054】請求項14の発明のジャー炊飯器は、前記
第7の目的も達成するために、蓋体下面を覆う内蓋を前
記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着
部を、鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を
逃げた位置に設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯
物からの蒸気を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体には蒸
気を外部へ放出する蒸気口を設け、前記蒸気孔と前記蒸
気口の位置を前記鍋の上部開口部の略中央に対向させ、
前記蒸気口を前記蓋体の外側から着脱可能に設けたもの
である。
【0055】この請求項14の構成によれば、蓋体を開
いた場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に
維持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を
清掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃
げた位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下
面や内蓋の清掃性も向上できる。
【0056】また、内蓋をどの方向に装着しても、蒸気
孔の位置は鍋の上部開口部の略中央に一定する。よっ
て、蒸気孔の位置に起因した内蓋の装着時における方向
性をなくすことが可能になり、内蓋の取付け時における
方向性のない設計が容易に可能となる。また、蒸気口は
蓋体の外側から着脱できるようになっているので、蓋体
を閉じた状態で腐敗菌が増殖しやすい蒸気口単体を容易
に洗うことができる。したがって、蓋体を開けることに
よる被炊飯物への腐敗菌の侵入を阻止し、且つ、蒸気口
を清潔に維持して、長時間保温時における被炊飯物の腐
敗臭を防止できる。
【0057】請求項15の発明のジャー炊飯器は、前記
第8の目的も達成するために、蓋体下面を覆う内蓋を前
記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着
部を、鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を
逃げた位置に設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯
物からの蒸気を放出する蒸気孔を設け、この蒸気孔の位
置を前記鍋の上部開口部の略中央に対向させたものであ
る。
【0058】この請求項15の構成によれば、蓋体を開
いた場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に
維持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を
清掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃
げた位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下
面や内蓋の清掃性も向上できる。
【0059】また、内蓋をどの方向に装着しても、蒸気
孔の位置は鍋の上部開口部の略中央に一定する。よっ
て、蒸気孔の位置に起因した内蓋の装着時における方向
性をなくすことが可能になり、内蓋の取付け時における
方向性のない設計が容易に可能となる。
【0060】請求項16の発明のジャー炊飯器は、請求
項15の発明のジャー炊飯器において、前記蓋体への前
記内蓋の装着部を、該内蓋の略中央に配置したものであ
る。
【0061】この請求項16の構成によれば、内蓋を支
持し蓋体下面に係合する装着部が1個所で済み、さらに
内蓋の取付け時における方向性のない設計が容易に可能
となる。
【0062】請求項17の発明のジャー炊飯器は、請求
項16の発明のジャー炊飯器において、前記装着部の近
傍に前記蒸気孔を配置したものである。
【0063】この請求項17の構成によれば、装着部を
内蓋と蓋体下面との間の蒸気通路として兼用できる。
【0064】本発明の請求項18記載のジャー炊飯器
は、前記第7の目的を達成するために、蓋体下面を覆う
内蓋を前記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と前記内蓋
との装着部を、鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋
の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内
の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設け、前記蓋
体には蒸気を外部へ放出する蒸気口を設け、前記蒸気孔
と前記蒸気口の蒸気通路用の孔とが平面的に重ならない
ように配置したものである。
【0065】この請求項18の構成によれば、蓋体を開
いた場合でも装着部が目立たず、内蓋の外観性を良好に
維持できる。また、内蓋を外して蓋体下面や内蓋単体を
清掃する際も、内蓋との装着部は鍋に対向する表面を逃
げた位置にあるので、邪魔にならない。よって、蓋体下
面や内蓋の清掃性も向上できる。
【0066】また、万一蒸気口の内部で腐敗菌が増殖
し、蒸気口内の蒸気通路用の孔より内蓋に腐敗菌が滴下
しても、直接ご飯の上に腐敗菌が伝わることはなく、長
時間の保温時において、ご飯に腐敗臭が生じにくくな
る。
【0067】
【発明の実施形態】以下、本発明のジャー炊飯器の各実
施例について、添付図面を参照しながら説明する。全体
断面図を示す図1において、1は炊飯器本体、2はこの
炊飯器本体の外郭をなす外枠で、外枠2の底部には、そ
の開口を覆い炊飯器本体1の底面外郭を形成する底板3
が嵌合し固定されている。また、外枠2の内部には有底
筒状の内枠たる鍋収容部4が配設され、この鍋収容部4
に鍋5が着脱自在に収容される。鍋収容部4の側面を形
成する鍋収容壁6は、この鍋収容部4の上部を形成する
外枠2と一体に形成される。また、鍋収容部4の底面を
形成するコイルベース7が、鍋収容壁6の底面開口を塞
ぐようにして設けられる。
【0068】前記鍋5は、アルミニウムなどの熱伝導性
の良好な材料からなり、その外面には、底部と側面下部
に磁性金属材料からなる発熱体8が接合される。また、
鍋5の上部には、水平方向外側に延出したフランジ部9
が形成される。そして、フランジ部9の下面を鍋収容部
4の上端部に載置することにより、この鍋収容部4の内
部にて鍋5を吊設状態に収容する構成となっている。こ
のとき、鍋5の外面と鍋収容壁6およびコイルベース7
との間には、1〜7mm程度の隙間が形成される。
【0069】11は、コイルベース7の底面中央に設けら
れた鍋温度検出手段たる鍋温度センサである。この鍋温
度センサ11は、鍋5の底部の外面温度を検出するもので
ある。12は、前記コイルベース7の外面に設けられた鍋
加熱手段をなす電磁誘導加熱用の加熱コイルである。こ
の加熱コイル12は、前記鍋5の底部および側面下部の発
熱体8に対向しており、発熱体8を発熱させて鍋5内の
被炊飯物を加熱するものである。なお、鍋5の底面の
み、あるいは、鍋5の側面の複数箇所に対向して、この
部分を加熱する加熱コイル12を設けてもよい。前記鍋収
容壁6の外方には、所定の隙間を有して胴断熱壁13が設
けられる。この胴断熱壁13は、前記鍋収容壁6と同様に
外枠2と一体に形成される。したがって、鍋収容壁6や
胴断熱壁13は、外枠2と同一材料にて、射出成形時に同
時に形成される合理的な構造を有している。
【0070】さらに、胴断熱壁13の外方には、所定の隙
間を有して、筒状の本体遮熱板14が設けられる。本体遮
熱板14は、外枠2とは別部材でこの外枠2に固定されて
いる。また、コイルベース7の外方には、所定の隙間を
介在させて、コイルカバー15が設けられる。コイルカバ
ー15にてコイルベース7の底部を覆うと、コイルカバー
15の上端が本体遮熱板14の下端に突き合わさり、鍋収容
壁6および胴断熱壁13の下端にある空間が略遮蔽され、
鍋収容部4の外底面と外側面に各々空間が形成される構
成になっている。さらに、コイルカバー15の外側には、
加熱コイル12からの磁束の漏れを防止するフェライトコ
ア16が装着されている。
【0071】前記本体遮熱板14およびコイルカバー15の
外側と、外枠2および底板3の内側との間の空間には、
加熱コイル12の制御回路などを印刷回路基板上に搭載し
た加熱基板ユニット17,18が設けられる。各加熱基板ユ
ニット17,18は、加熱コイル12に所定の高周波電流を供
給するインバータ回路などを備え、加熱コイル12に所定
の高周波電流を供給することで、鍋5の発熱体8を電磁
誘導加熱にて発熱させ、鍋5内の被炊飯物を加熱するよ
うになっている。また、高周波電流を発生させるスイッ
チング素子19には、このスイッチング素子19を冷却する
ための放熱板20が取り付けられている。各放熱板20の下
方には、底板3の設置部である脚21の周囲に位置して通
気口22が形成されており、この通気口22から外気を導入
して、各スイッチング素子19を放熱冷却するようになっ
ている。これらの加熱基板ユニット17,18とは別に、電
源ユニット23と表示操作ユニット24が、炊飯器本体1内
部の前方に配設される。このなかで、表示操作ユニット
24は複数のスイッチからなる操作部およびLCDやLE
Dなどからなる表示部を備え、炊飯器本体1の正面に設
けた操作パネル25に対向して配置されている。
【0072】31は、炊飯器本体1の上側に開閉自在に設
けられ、鍋5の上部開口部を覆う蓋体である。蓋体31
は、この蓋体31の外郭を形成する外蓋32と、蓋体31の下
面(蓋体下面)31Aすなわち鍋5側の面を形成する蓋下
面板33と、蓋体31における蓋下面板33の外周側の部分を
形成する外蓋カバー34とを主な構成部品としている。外
蓋32と外蓋カバー34とは、その外周部において互いに連
結している。
【0073】鍋5に直接対向する蓋体下面31Aには、こ
の蓋体下面31Aを覆うようにして、内蓋35が着脱可能に
装着される。この内蓋35は、中央部に後述する蒸気口キ
ャップ36を装着する孔37が形成されているとともに、外
側周囲には上方に立ち上がる折返し部38が形成される。
折返し部38の内側面は、下方を開口した溝状に形成され
ており、ここに蓋パッキン39とパッキンベース40を組み
合せた蓋パッキン組立41が着脱可能に設けられる。
【0074】ここで、図2をも参照して、蓋パッキン組
立41の詳細について説明すると、蓋パッキン39はシリコ
ーンゴムや弗素ゴムなどの耐熱性を有する弾性部材から
なり、下方を開口した溝部42と、この溝部42より下方に
形成され、断面がくの字またはコの字をなす舌片43とか
ら構成される。また、蓋パッキン39の外周側に設けられ
るパッキンベース40は、上方に開口して前記溝部42に嵌
合する嵌合凹部44と、この嵌合凹部44より水平方向外周
側に形成した延出部45とにより構成される。そして、こ
の蓋パッキン39とパッキンベース40は、蓋パッキン組立
41として内蓋35の折返し部38より一体に着脱される。
【0075】一方、前記外蓋カバー34は、袋状の雌ネジ
孔46を除いて略平坦状に形成される水平部47と、この水
平部47の外側周囲より立ち下がる縦壁部48とからなり、
縦壁部48の内周面には、前記蓋パッキン組立41を装着し
た内蓋35を蓋体下面31Aに着脱する際に、延出部45が係
合,離脱する係合突起49が形成される。つまり、内蓋35
は、内蓋35の外側部の側面に形成した延出部45にて、蓋
体31の下部材である外蓋カバー34の係合突起49に着脱可
能に装着されるようになっており、本実施例では、延出
部45と係合突起49にて、蓋体下面31Aと内蓋35との装着
部50が構成される。なお、蓋体下面31Aと内蓋35との嵌
合は、本実施例のように外蓋32の下面外周を形成する外
蓋カバー34の内側面部ではなく、蓋下面板33の外側面部
に設けてもよい。また、それ以外の構成でもよい。要
は、装着部50が内蓋35の表面に直接露出しない部分か、
露出しても目立たない部分の内蓋35の表面を逃げた位置
に設けてあればよい。
【0076】前記蓋下面板33は、その端面が上方に向い
た孔52と、孔52の外周にあって、鍋5側に若干陥没した
凹部53と、この凹部53の外周にあって、略水平方向に延
びた平坦部54と、平坦部54よりも外周上方にあって、前
記雌ネジ孔46に螺合する蓋下面止めネジ55により外蓋カ
バー34に取り付け固定されるフランジ部56とを備えて構
成される。そして、蓋体31の内部にあって、蓋下面板33
の平坦部54の上面には、蓋体下面31Aを加熱し、蓋体下
面31Aからの輻射熱で内蓋35を加熱する蓋加熱手段とし
ての蓋ヒータ57を設けてある。この蓋加熱手段は、電熱
式のコードヒータなどの蓋体下面31Aを加熱できるもの
であれば特に制約はなく、内蓋35を磁性金属として、電
磁誘導加熱にて内蓋35を発熱させる誘導加熱コイルでも
よい。
【0077】蓋体31は、炊飯器本体1の後方に設けたヒ
ンジ部61により、炊飯器本体1と軸支されている。ま
た、ヒンジ部61の反対側にある炊飯器本体1の前方に
は、蓋体係止部たるクランプボタン62が設けてあり、こ
のクランプボタン62によって蓋体31の前方部を係止する
ことで、内蓋35が鍋5の上部開口部を直接覆った状態に
係止される構成になっている。
【0078】蓋体31の閉塞時において、内蓋35の外周面
の下面には、鍋5のフランジ部9との接触部63が形成さ
れる。これと同時に、前記蓋パッキン39を構成する舌片
43の下面にも、鍋5のフランジ部9との接触部64が形成
され、炊飯時において内蓋35と鍋5との間から蒸気が漏
れないような構成となっている。本実施例では、蓋パッ
キン39が接触部63の外側位置に設けられているが、この
蓋パッキン39の内蓋35への取付位置は、内蓋35と鍋5と
の接触部63の内側など、接触部63の近傍であれば何処で
もよい。また、蓋パッキン39の内蓋35への取り付けは、
内蓋35へ固定してもよいし、内蓋35と着脱可能としても
よい。
【0079】内蓋35の材料は、アルミニウムをアルマイ
ト若しくは塗装したものや、ステンレスやチタンなどの
耐蝕性に優れ、熱吸収性の良好な金属材料を選定してい
る。特に、ステンレスの場合は、SUS 304などの耐蝕
性に優れたオーステナイト系のステンレス材料を選定す
る。また、ステンレスおよびチタンの場合は、内蓋35の
材厚を0.15〜 0.6mm好ましくは 0.2〜 0.4mmに形成す
る。さらに、図示してはいないが、鍋5に対向する内蓋
35の表面に、ディンプル加工により凹凸を形成し、その
表面積を増大させてある。
【0080】内蓋35の孔37には、シリコーンゴムなどの
弾性材料からなる蒸気口キャップ36が装着される。蒸気
口キャップ36は、前記孔37を塞ぐようにして設けられて
いるが、炊飯時に鍋5内の被炊飯物からの蒸気を放出す
るための蒸気孔65が設けられている。また、蒸気口キャ
ップ36の外側周囲には、蓋体下面31Aに当接して、蒸気
口キャップ36の弾性により内蓋35を鍋5側に押し下げる
内蓋押さえ部66が設けられている。この内蓋押さえ部66
は、内蓋35の装着時において蓋下面板33の凹部53および
平坦部54の一部との接触部67を形成しており、蓋体下面
31Aと内蓋35とを密封して、内蓋押さえ部66の外側にあ
る内蓋35と蓋下面板33間の空間に、蒸気孔65からの蒸気
が侵入しない構成となっている。なお、前記蒸気孔65の
直径は3〜12mm程度に形成されるが、任意に設定してよ
い。また、本実施例では、蒸気孔65周囲における内蓋35
と蓋下面板33とのシールを、蒸気口キャップ36に設けた
内蓋押さえ部66で兼用したが、この内蓋押さえ部66を別
部材としてもよい。蓋下面板33には、内蓋35の蒸気孔65
から放出される蒸気通路に面して、前記孔52が設けられ
ており、外蓋32の外側すなわち上面側から装着される蒸
気口68に蒸気が導かれる構成になっている。
【0081】蓋体下面31Aを形成する蓋下面板33は、内
蓋35と同様に、アルミニウムをアルマイト若しくは塗装
したものや、ステンレスやチタンなどの耐蝕性に優れ、
熱吸収性の良好な金属材料を選定している。特に、ステ
ンレスの場合は、SUS 304などの耐蝕性に優れたオー
ステナイト系のステンレス材料を選定する。また、ステ
ンレスおよびチタンの場合は、蓋下面板33の材厚を0.15
〜 0.6mm好ましくは 0.2〜 0.4mmに形成する。さらに、
図示してはいないが、鍋5に対向する蓋下面板33の表面
に、ディンプル加工により凹凸を形成し、その表面積を
増大させてある。
【0082】前記外蓋32の外面には、鍋5側に陥没した
凹部70が部分的に設けられている。この凹部70に、炊飯
時に鍋5内で発生した蒸気を外部に放出するための蒸気
口68が着脱可能に設けられる。凹部70の中心孔71には、
シリコーンゴム製の弾性部材からなる環状の蒸気口パッ
キン72が装着される。蒸気口パッキン72は、前記蓋下面
板33の孔52の周囲に位置する凹部70の底部裏側と、蓋下
面板33の裏側との間をシールするためのものであり、蒸
気口パッキン72の下側には、部分的に水平方向に延出し
たセンサ押さえ部73が形成されるとともに、中央に形成
した開口部の側面には、後述する蒸気筒74のフランジ部
75に係合する突起76が形成される。
【0083】前記蒸気口68は、キャップ部77と蒸気口ケ
ース78とにより構成され、前記蒸気口パッキン72の突起
76に蒸気筒74のフランジ部75が係合,離脱して、凹部70
の開口した外側より着脱可能に装着される。蒸気口ケー
ス78の中央部には、前記蒸気孔65に連通する蒸気筒74が
上下方向に形成される。また、キャップ部77は、蒸気口
ケース78の上部開口部に着脱自在に設けられ。その上面
部には複数の蒸気出口79が形成される。蒸気筒74の根元
部には、蒸気口68内に溜まったオネバを鍋5側に回収す
るオネバ戻り孔80が設けられる。
【0084】蓋ヒータ57は、蓋体31の内部において、蒸
気口68の外周囲を囲むように配置されており、内蓋35の
蒸気孔65に対向しないように設けられている。また、蓋
体31の内部には、蓋体下面31Aを介して炊飯時には蒸気
を、また保温時には蓋体下面31Aの温度を検出する蓋温
度検出手段としての蓋温度センサ81が設けられている。
この蓋温度センサ81は、本実施例では、蒸気口キャップ
36の内蓋押さえ部66で囲まれた部分の内側に位置するよ
うに、蓋下面板33の凹部53上の裏側に設けられている。
【0085】次に、上記構成についてその作用を説明す
る。鍋5内に米および水を収容して炊飯を開始すると、
最初に鍋5内の米の吸水を促進するひたし炊きが行なわ
れる。このひたし炊きは、鍋5の誘導加熱の出力を低く
して、鍋5内の水温を30℃〜60℃に10分〜20分保持する
ものである。その後、加熱コイル12を最大加熱量の1100
Wにして、連続的に沸騰加熱を行なう。鍋温度センサ11
が検出する鍋5の温度が85℃以上になり、且つ蓋温度セ
ンサ81で検出する蓋体下面31Aの温度が80℃になった
ら、鍋5内の水の沸騰検出を開始し、蓋温度センサ81が
60秒間で2 ℃以下の温度勾配になったら、鍋5内が略沸
騰であると判定し、加熱コイル12の加熱量を約半分の 6
00Wに低減して、鍋5内の沸騰を継続する。そして、鍋
5の温度が所定温度に上昇したら炊き上がりとなり、む
らしに移行する。むらし中は、鍋5内のご飯の温度が98
℃〜 100℃で10分〜20分保持されるように、鍋5の誘導
加熱の出力を比較的低くして断続的に加熱を行なう。
【0086】そして、所定時間のむらしが終了すると、
保温を行なう。この保温では、加熱コイル12を通断電し
ながら、ご飯を68℃〜78℃に保持する。また、蓋ヒータ
57により、蓋下面板33を介して内蓋35を加熱する。この
とき蓋ヒータ57は、ご飯の温度より内蓋35の温度が僅か
に高くなるように、通断電制御される。内蓋35を加熱す
ると、内蓋35と鍋5との接触部63から鍋5の上部に熱が
伝わり、保温中における鍋5上部の温度低下が抑制され
る。したがって、保温時の鍋周囲上部への結露が低減さ
れる。
【0087】また、内蓋35を清掃する際には、蓋体31を
開けた後に、内蓋35の外側部の側面に形成した延出部45
と、外蓋カバー34の係合突起49との係合を解除し、蓋パ
ッキン組立41を装着した内蓋35を蓋体下面31Aから取り
外す。この状態では、蓋パッキン39が内蓋35に取り付け
られているので、内蓋35とともに蓋パッキン39の清掃も
容易に行なうことが可能となる。また、蓋パッキン39を
内蓋35へ着脱可能とすれば、蓋パッキン39の細部をきれ
いに清掃することが可能となり、より衛生性を向上でき
る他、弾性部材からなる蓋パッキン39が劣化したとき
に、新しい蓋パッキン39に容易に交換することができ
る。さらに、蓋パッキン39の取付け位置が、鍋5と内蓋
35の接触部63の近傍にあるので、蓋体31を閉じるときに
蓋パッキン39が内蓋35よりも先に鍋5に接触するように
すれば、鍋5と内蓋35が接触する際にクッション性が得
られ、蓋体31の閉塞時における感触が向上する。しか
も、同じ金属製の鍋5と内蓋35が接触することによる金
属音の低減が、蓋パッキン39のクッション性で達成さ
れ、ジャー炊飯器としての品位が向上する。さらに、鍋
5と内蓋35が接触していると、保温時に蓋ヒータ57で内
蓋35を加熱したときに、鍋5の上部に熱が伝わるが、本
実施例のように蓋パッキン39が接触部63の外側にあれ
ば、内蓋35の熱がその外周部から外部へ放熱されにくく
なり、鍋5上部への熱伝導をより促進して、結露を防止
することができる。
【0088】また、蓋ヒータ57が内蓋35の蒸気孔65に直
接対向しないように(平面的に重ならないように)配置
されているので、鍋5内の被炊飯物を所定温度に保温す
る際に、蓋ヒータ57により内蓋35を加熱する場合には、
蓋体下面31Aからの輻射熱を受熱する内蓋35の受熱面
が、蒸気孔65によって減少することがなく、蓋体下面31
Aからの輻射熱を効率よく受熱することができる。よっ
て、内蓋35の加熱効率が向上し、また内蓋35の温度分布
も良好になる。また、内蓋35を電磁誘導加熱する場合で
も、蒸気孔65により発熱効率が低下せず、内蓋35の発熱
効率が向上する。
【0089】さらに、保温時においては、蓋体下面31A
からの輻射熱が、内蓋35の蒸気孔65から直接鍋5内のご
飯に放射されることが防止され、局部的に加熱過多にな
る問題が解消し、長時間保温時にご飯が部分的に乾燥す
る不具合を防止できる。また、蒸気孔65の直ぐ上部に蓋
ヒータ57が設けられていないので、炊飯時にオネバが蒸
気孔65を通過して蓋体下面31に付着しても、保温時に付
着したオネバが蓋体下面31A側で乾燥しにくくなり、蓋
体下面31Aにこびりつきにくくなる。よって、蓋体下面
31Aの清掃性も向上できる。
【0090】また、蓋体下面31Aの材料は熱放射の良好
な金属材料であり、また、内蓋35も熱吸収の良好な金属
材料で形成されている。よって、蓋体下面31Aから放射
される熱が、内蓋35により効果的に吸収され、内蓋35の
加熱効率が向上する。なお、蒸気(水分の多い環境)が
ある雰囲気では、赤外線は水分により乱反射するので、
蓋体下面31Aからの輻射熱が効率よく供給されない状態
となるが、内蓋35の蒸気孔65に対向して、蒸気の発生す
る部分には、蓋体下面31Aを加熱する蓋ヒータ57が配置
されていない。よって、蒸気や保温時における湯気の影
響を受けることなく、この点でも内蓋35の加熱効率を高
めることができる。さらに、蓋体下面31Aは金属である
から、内蓋35を蓋体下面31Aに装着し忘れた場合でも、
電磁誘導加熱式のように合成樹脂製の内蓋35が変形する
不具合を防止できる。
【0091】また、蒸気口キャップ36は、蓋体下面31A
と内蓋35を密封して、内蓋35の蒸気孔65の周囲に設けら
れており、蒸気口キャップ36の内側に、熱伝導性の良好
な金属からなる蓋体下面31Aの一部(孔52と凹部53の下
面)を露出させている。こうすると、蒸気孔65から侵入
した蒸気は蓋体下面31Aに直接当たって、約 100℃に達
した蓋体下面31Aの熱が、蓋温度センサ81に速やかに伝
達される。したがって、蒸気が蒸気口キャップ36内に侵
入したことを確実に検出でき、加熱バラツキの少ない炊
飯を行なうことができる。さらに、蓋体下面31Aが熱伝
導性の良い材料で形成されるので、蓋温度センサ81の取
付位置に制約が少なくなり、構造を簡素化できる。
【0092】内蓋35には蒸気口キャップ36と蓋パッキン
39の両方が備えてあるので、蓋体下面31Aから内蓋35を
外すだけで、炊飯により汚れる内蓋35と蒸気口キャップ
36および蓋パッキン39を同時に洗うことができ、清掃性
が向上する。また、一般に蒸気口キャップ36や蓋パッキ
ン39は、蒸気が直接当たる上に、シリコーンなどの弾性
部材からなるため劣化が早いが、これらの蒸気口キャッ
プ36や蓋パッキン39が内蓋35に着脱可能に設けられるの
で、使用に伴なう劣化で交換が必要になった場合には、
これらの蒸気口キャップ36や蓋パッキン39を容易に交換
できる。また、蒸気口キャップ36や蓋パッキン39が着脱
できなくても、蒸気口キャップ36や蓋パッキン39が取り
付けられた内蓋35だけを新しい部品に交換すればよく、
蓋体31を分解するなどの手間が省ける。
【0093】また、蒸気孔65を蒸気キャップ36に設けて
いるので、蒸気孔65を内蓋35に直接開ける必要がなく、
蒸気孔65を通過する蒸気の影響で、金属製の内蓋35が腐
蝕するなどの不具合を回避できる。特に、内蓋35の材料
をアルミニウムにし、表面に弗素やシリコーン塗装を施
したものには、この腐蝕防止の効果が顕著になる。ま
た、ステンレスなどの薄板で内蓋35を形成した場合は、
製造時において孔を空けると、バリが発生したり端部が
鋭くなるが、弾性部材からなる蒸気キャップ36に蒸気孔
65を設ければ、使用中に蒸気孔65の端部で手を切るよう
な不具合も無くなる。
【0094】また、蓋温度検出手段たる蓋温度センサ81
が、蓋体下面31Aと内蓋35とを密封し、且つ蒸気孔65と
蒸気口68とを連通する蒸気口キャップ36の内側に位置し
ているので、蒸気の侵入する蒸気口キャップ36内部の温
度を、蓋温度センサ81で直接検出でき、確実に蒸気の発
生を検出して、バラツキの少ない炊飯を行なうことがで
きる。また、従来のように、蓋温度検出手段を内蔵した
感熱ケースを接触させるなどの複雑な構成にする必要も
ない。こうした構成で、さらに金属製の蓋体下面31Aの
裏側に蓋温度センサ81を備えているので、熱伝導性の良
好な金属製の蓋体下面31Aを介して、直接蒸気の当たる
部分の温度検出を行なうことができ、より精度の高い蒸
気検出が可能となる。また、保温時にあっては、蓋ヒー
タ57により、蓋体下面31Aの温度を適正に制御できる。
【0095】また、炊飯時に蓋温度センサ81が沸騰近傍
温度を検出した後、鍋5への加熱量を調節して、鍋5の
内外を連通する蓋体31の蒸気口68から吹きこぼれを抑制
するようにすれば、炊飯時における沸騰後の確実な加熱
調節にて、蒸気口68からの吹きこぼれを抑制することが
可能となる。
【0096】ところで、アルミニウムは熱伝導性が良い
反面、熱放射率や熱吸収率が悪いという特性がある。こ
れを補い、耐蝕性を高めるために、従来はアルマイト処
理や、シリコーンまたは弗素などの塗装で、アルミニウ
ムの表面に保護層を形成するのが一般的であった。一
方、ステンレスやチタンは、耐蝕性に優れ、熱伝導性は
アルミニウムに比べ劣るものの、熱放射率や熱吸収率で
はアルミニウムよりも良好な特性を有する。
【0097】そこで、蓋体下面31Aにおける蓋ヒータ57
を、内蓋35の加熱が必要な部分の略全体に配置し、熱伝
導性の悪さを補う構成として使用する。こうすれば、ス
テンレスやチタンを内蓋35や蓋体下面31Aの部材(蓋下
面板33)として使用した場合に、耐蝕性向上のための塗
装やアルマイト処理が不要となり、廃液処理などの心配
がなく、環境保全に寄与できる。また、内蓋35や蓋下面
板31Aにこびりついた汚れを、スコッチブライトなどで
擦って除去したり、あるいは、フォークやスプーンなど
の鋭利な金属物が触れても、コーティングが剥離するな
ど心配がなく、剥離に伴なう母材の腐蝕や、剥離物の発
生も防止できる。さらに、炊飯時に加圧蒸気が当たって
もコーティングが劣化することがなく、またアルマイト
のように表面に微細な孔がないので、汚れが染み込んで
取れなくなることもない。また、空炊きなどで鍋5に直
接対向する内蓋35が加熱されても、クラックが入るなど
の心配がなく、使用温度は 150℃以下であり、テンパー
カラーで変色する虞れもない。よって、内蓋35の外観性
を良好に維持できる。
【0098】内蓋35にステンレスやチタンを使用した場
合は、上記の利点の他に、熱吸収性の向上により、蓋体
下面31Aからの輻射熱を効率よく受熱することができ、
内蓋35の加熱効率を高めることができる。また、蓋体下
面31Aをステンレスまたはチタンで形成した場合は、蓋
体下面31Aの熱放射性の向上により、蓋体下面31Aから
の輻射熱を効率よく放射することができ、この点からも
内蓋35の加熱効率を高めることができる。そして、内蓋
35と蓋下面板31の両方をチタンまたはアルミニウムで形
成すれば、両者の相乗効果により、さらに内蓋35の加熱
効率を向上できる。
【0099】また、チタンまたはアルミニウムからなる
内蓋35,蓋体下面31Aの両方または片方の材料厚さを0.
15〜 0.6mmにすれば、これらの部材がアルミニウムに比
べて熱伝導性が悪い点を改善して、蓋ヒータ57の熱が速
やかに蓋体下面31Aに伝導され、主たる目的である内蓋
35表面の加熱効率をさらに向上することが可能となる。
さらに、ステンレスやチタンはアルミニウムに比べ高強
度であるため、薄い材厚でも強度面の問題はなく、軽量
化が図れて取り扱いが楽になる利点を得ることができ
る。特に、内蓋35または蓋下面板31を純チタンまたはチ
タン合金で形成した場合は、さらに低比重化が図れ、即
熱性も向上できる利点が得られる。
【0100】また、内蓋35に設けた蒸気孔65と、蓋体31
に設けた蒸気口68の位置を、鍋5の上部開口部の略中央
に対向させ、内蓋35と蒸気口68の蒸気通路用の孔である
蒸気筒74とが平面的に重ならないように構成しているの
で、万一蒸気口68の内部で腐敗菌が増殖し、蒸気口68内
の蒸気筒74より内蓋35に腐敗菌が滴下しても、直接ご飯
の上に腐敗菌が伝わることはなく、長時間の保温時にお
いて、ご飯に腐敗臭が生じにくくなる。さらに、蓋体下
面31からの加熱により、内蓋35は例えば70℃以上など少
なくとも60℃以上に加熱された状態になっており、内蓋
35上に腐敗菌が落ちても、内蓋35上での腐敗菌の増殖を
防止でき、特に冬場で蒸気口68が冷えやすい状況下で
も、長時間保温によるご飯の腐敗を防止できる。また、
蒸気口68は蓋体31の外側から着脱できるようになってい
るので、蓋体31を閉じた状態で腐敗菌が増殖しやすい蒸
気口68単体を容易に洗うことができる。よって、蓋体31
を開けることによる被炊飯物への腐敗菌の侵入を阻止
し、且つ、蒸気口68を清潔に維持して、長時間保温時に
おけるご飯の腐敗臭を防止できる。
【0101】また、内蓋35の蒸気孔65の位置は、鍋5の
上部中央部の略中央に対向させているので、内蓋35をど
の方向に装着しても、蒸気孔65の位置は鍋5の上部開口
部の略中央に一定する。よって、蒸気孔65の位置に起因
した内蓋35の装着時における方向性をなくすことが可能
になり、内蓋35の取付け時における方向性のない設計が
容易に可能となる。この場合、図示してはいないが、内
蓋35と蓋体下面31Aとの装着部50を、内蓋35の略中央に
配置すれば、内蓋35を支持し蓋体下面31Aに契合する部
分が1個所で済み、さらに内蓋35の取付け時における方
向性のない設計が容易に可能となる。また、蒸気孔65を
装着部50の近傍に配置すれば、この装着部50によって、
内蓋35と蓋体下面31Aとの間の蒸気通路を形成でき、装
着部50が単に内蓋35を蓋体下面31Aに支持するだけでな
い、別の機能的意味のあるものとすることができる。
【0102】以上のように本実施例によれば、鍋5に対
向する蓋体下面31A側を、蓋体下面31Aに着脱可能な内
蓋35で覆い、蓋体31と内蓋35との装着部50を、鍋5の上
部開口部に直接対向する内蓋35の表面を逃げた位置に設
けている。このようにすれば、蓋体31を開いた場合で
も、内蓋35の表面を逃げた位置にある装着部50が目立た
ず、内蓋35の外観性を良好に維持できる。また、内蓋35
を外して蓋体下面31Aや内蓋35単体を清掃する際も、内
蓋35との装着部50は鍋5に対向する表面を逃げた位置に
あるので、邪魔にならない。よって、蓋体下面31Aや内
蓋35の清掃性も向上できる。
【0103】また、本実施例では、内蓋35の一部を鍋5
に接触させ、蓋体31の内部に内蓋35を加熱する蓋加熱手
段たる蓋ヒータ57を設け、鍋5内の被炊飯物を所定温度
に保温する際に、蓋ヒータ57にて内蓋35を加熱する構成
を有している。このようにすれば、保温時において蓋ヒ
ータ57により内蓋35を加熱すると、内鍋35と鍋5との接
触部63から鍋5の上部に熱が伝わり、保温中における鍋
5の上部の温度低下を抑制できる。したがって、保温時
における鍋5周囲の結露を抑制して、保温性を改善でき
る。
【0104】この場合、内蓋35と鍋5との接触部63の近
傍に、内蓋35と鍋5との間を密封する弾性部材からなる
蓋パッキン39を備えてあれば、鍋5と内蓋35が接触する
際にクッション性が得られ、蓋体31の閉塞時における感
触が向上する。
【0105】本実施例では、蓋加熱手段である蓋ヒータ
57を蒸気孔65と重ならない位置に配設し、鍋5内の被炊
飯物を所定温度に保温する際に、蓋ヒータ57にて内蓋35
を加熱する構成を有している。このようにすれば、蓋体
下面31Aからの輻射熱を受熱する内蓋35の受熱面が、蒸
気孔65によって減少することはなく、蓋体下面31からの
輻射熱を効率よく受熱できる。また、内蓋35を電磁誘導
加熱する場合でも、蒸気孔65により発熱効率が低下しな
い。よって、内蓋35の加熱効率または発熱効率が向上す
る。さらに保温時には、蓋体下面31Aからの輻射熱が、
内蓋35の蒸気孔65から直接鍋5内の被炊飯物に放射され
ることが防止される。したがって、長時間保温時に被炊
飯物が部分的に乾燥する不具合を防止できる。また、炊
飯時に蒸気孔65を通過したオネバは、蓋体下面31Aに付
着しても保温時に乾燥しにくくなり、蓋体下面31Aの清
掃性が向上する。
【0106】また、本実施例では、内蓋35と蓋体下面31
Aをいずれも金属製とし、蓋ヒータ57を蒸気孔65と重な
らない位置に配設するとともに、鍋5内の被炊飯物を所
定温度に保温する際に、蓋体下面31Aからの輻射熱にて
内蓋35を加熱する構成を有している。このようにする
と、蓋体下面31Aからの輻射熱を受熱する内蓋35の受熱
面が、蒸気孔65によって減少することはなく、蓋体下面
31Aからの輻射熱を効率よく受熱できる。また、蓋体下
面31Aと内蓋35はいずれも金属製であり、蓋体下面31A
から放射される熱が、内蓋35により効果的に吸収され、
内蓋35の加熱効率が向上する。さらに、蒸気の発生する
部分には、蓋体下面31Aを加熱する蓋ヒータ57が配置さ
れていない。よって、蒸気や保温時における湯気の影響
を受けることなく、この点でも内蓋35の加熱効率を高め
ることができる。
【0107】さらに保温時には、蓋体下面31Aからの輻
射熱が、内蓋35の蒸気孔65から直接鍋5内の被炊飯物に
放射されることが防止される。したがって、長時間保温
時に被炊飯物が部分的に乾燥する不具合を防止できる。
また、炊飯時に蒸気孔65を通過したオネバは、蓋体下面
31Aに付着しても保温時に乾燥しにくくなり、蓋体下面
31Aの清掃性が向上する。
【0108】本実施例では、内蓋35には炊飯時に鍋5内
の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔65を設け、蓋体
下面31Aと内蓋35を密封する弾性部材からなる蒸気口キ
ャップ36を蒸気孔65の周囲に設けている。このようにす
ると、蒸気口キャップ36により、蒸気孔65を通過する蒸
気が、蓋下面部31Aと内蓋35との間に侵入することを防
止できる。したがって、蒸気キャップ36の外周囲にある
蓋体下面31Aは蒸気で汚れなくなり、蓋体下面31Aの清
掃性が向上する。
【0109】また、蒸気口キャップ65の内側で炊飯時に
蒸気が侵入する部位に、熱伝導性の良い金属製の蓋体下
面31Aを露出させ、蓋体31の内部の蓋体下面31A裏側
に、蓋体下面31Aの温度を検出する蓋温度検出手段たる
蓋温度センサ81を設けるようにすると、蒸気孔65から侵
入した蒸気は蓋体下面31Aに直接当たって、約 100℃に
達した蓋体下面31Aの熱が、蓋温度センサ81に速やかに
伝達される。したがって、蒸気が蒸気口キャップ36内に
侵入したことを確実に検出でき、加熱バラツキの少ない
炊飯を行なうことができる。さらに、蓋体下面31Aが熱
伝導性の良い材料で形成されるので、蓋温度センサ81の
取付位置に制約が少なくなり、構造を簡素化できる。
【0110】また、本実施例では、蒸気孔65を通過した
蒸気が、内蓋35と蓋体下面31Aの間に侵入しないように
設けた弾性部材からなる蒸気口キャップ36と、内蓋35の
外周囲に位置して、内蓋35と鍋5との隙間から蒸気が外
漏れしないように設けた弾性部材からなる蓋パッキン39
の両方を、内蓋35に備えている。これにより、蓋体下面
31Aから内蓋35を外すだけで、炊飯により汚れる内蓋35
と蒸気口キャップ36および蓋パッキン39を同時に洗うこ
とができ、清掃性が向上する。また、劣化する蒸気口キ
ャップ36や蓋パッキン39の交換が必要になった場合は、
この蒸気口キャップ36や蓋パッキン39が取り付けられた
内蓋35だけを新しい部品に交換すればよく、蓋体31を分
解するなどの手間が省ける。
【0111】また、この場合は、内蓋35の蒸気孔65を蒸
気キャップ36に設けるようにする。こうすれば、蒸気孔
65を内蓋35に直接開ける必要がなく、内蓋35は蒸気孔65
を通過する蒸気の影響を受けない。さらに、内蓋35が金
属製であれば、金属の端部処理に心配のない構成にでき
る。
【0112】本実施例では、蓋体下面31Aの温度を検出
する蓋温度検出手段たる蒸気温度センサ81を、蒸気口キ
ャップ36の内側に配置している。このようにすれば、蒸
気の侵入する蒸気口キャップ36内部の温度を、蓋温度セ
ンサ81で直接検出でき、確実に蒸気の発生を検出して、
バラツキの少ない炊飯を行なうことができる。また、従
来のように、蓋温度検出手段を内蔵した感熱ケースを接
触させるなどの複雑な構成にする必要もない。
【0113】また、この場合には、蒸気口キャップ36の
内側に金属製の蓋体下面31Aを露出させ、この蓋体下面
31Aの裏側に蓋温度センサ81を備えるようにすれば、熱
伝導性の良好な金属製の蓋体下面31Aを介して、直接蒸
気の当たる部分の温度検出を行なうことができ、より精
度の高い蒸気検出が可能となる。
【0114】さらに、炊飯時に蓋温度センサ81が沸騰近
傍温度を検出した後、鍋5への加熱量を調節して、鍋5
の内外を連通する蓋体31の蒸気口68から吹きこぼれを抑
制するように構成すれば、炊飯時における沸騰後の確実
な加熱調節にて、蒸気口68からの吹きこぼれを抑制する
ことが可能となる。
【0115】本実施例では、鍋5に対向する蓋体下面31
Aを、この蓋体下面31Aに着脱可能な耐蝕性に優れたス
テンレスまたはチタン製の内蓋35で覆い、蓋体31内部に
蓋体下面31Aを加熱する蓋加熱手段たる蓋ヒータ57を設
け、この蓋ヒータ57の発熱に伴なう蓋体下面31Aからの
輻射熱で、内蓋35を加熱する構成を有している。このよ
うにすると、空炊きなどで鍋5に対向する内蓋35が加熱
されても、内蓋35にクラックが入るなどの心配がなく、
内蓋35の外観性を良好に維持できる。また、ステンレス
またはチタン製の内蓋35であれば、耐蝕性向上のための
塗装やアルマイト処理が不要となり、加工行程が簡素化
するとともに、廃液処理などの心配がなく、環境保全に
寄与できる。さらに、従来のように、内蓋35のコーティ
ングが剥離または劣化したり、アルマイト表面の汚れが
取れないなどの問題も一掃され、使用時の信頼性が向上
する。また、内蓋35にステンレスやチタンを使用する
と、熱吸収性の向上により蓋体下面31Aからの輻射熱を
効率よく受熱することができ、内蓋35の加熱効率を高め
ることができる。なお、この場合は、蓋体下面31Aの材
質がアルミニウムで、表面にアルマイト処理を施したも
のでもよい。
【0116】また、このような構成において、蓋体下面
31Aもステンレスまたはチタンの金属材料で形成すれ
ば、蓋体下面31Aの熱放射性の向上により、蓋体下面31
Aからの輻射熱を効率よく放射することができ、前記内
蓋35の熱吸収性の向上と相俟って、内蓋35の加熱効率を
さらに高めることができる。
【0117】また、チタンまたはアルミニウムからなる
内蓋35,蓋体下面31Aの両方または片方の材料厚さを0.
15〜 0.6mmにすれば、これらの部材がアルミニウムに比
べて熱伝導性が悪い点を改善して、蓋ヒータ57の熱が速
やかに蓋体下面31Aに伝導され、内蓋35の加熱効率をよ
り一層向上することが可能となる。また、この程度の材
料厚さでも、使用時における強度面の問題はなく、軽量
化が図れて取り扱いを楽にすることができる。
【0118】また、本実施例では、内蓋35には炊飯時に
鍋5内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔65を設
け、蓋体31には蒸気を外部へ放出する蒸気口68を設け、
蒸気孔65と蒸気口68の位置を鍋5の上部開口部の略中央
に対向させ、蒸気口68を蓋体31の外側から着脱可能に設
けている。このようにすると、内蓋35をどの方向に装着
しても、蒸気孔65の位置は鍋5の上部開口部の略中央に
一定する。よって、蒸気孔65の位置に起因した内蓋35の
装着時における方向性をなくすことが可能になり、内蓋
35の取付け時における方向性のない設計が容易に可能と
なる。また、蒸気口68は蓋体31の外側から着脱できるよ
うになっているので、蓋体31を閉じた状態で腐敗菌が増
殖しやすい蒸気口68単体を容易に洗うことができる。し
たがって、蓋体31を開けることによる被炊飯物への腐敗
菌の侵入を阻止し、且つ、蒸気口68を清潔に維持して、
長時間保温時における被炊飯物の腐敗臭を防止できる。
【0119】内蓋35には炊飯時に鍋5内の被炊飯物から
の蒸気を放出する蒸気孔65を設け、この蒸気孔65の位置
を鍋5の上部開口部の略中央に対向させれば、内蓋35を
どの方向に装着しても、蒸気孔65の位置は鍋5の上部開
口部の略中央に一定する。よって、蒸気孔65の位置に起
因した内蓋35の装着時における方向性をなくすことが可
能になり、内蓋35の取付け時における方向性のない設計
が容易に可能となる。なお、内蓋35の蒸気孔65を、鍋5
の上部開口部の略中央にのみ集中させて設ければ(蒸気
孔65は一つでも複数でもよく、内蓋35の中央に備えた蒸
気口キャップ36内にあればよい)、内蓋35を清掃する際
に蒸気孔65が分散されておらず、蒸気孔65の清掃を合理
的に行なうことができる。
【0120】このような構成では、蓋体31への内蓋35の
装着部50を、内蓋35の略中央に配置するのが好ましい。
こうすれば、内蓋35を支持し蓋体下面31Aに係合する装
着部50が1個所で済み、さらに内蓋35の取付け時におけ
る方向性のない設計が容易に可能となる。また、蒸気孔
65を装着部50の近傍に配置すれば、この装着部50を内蓋
35と蓋体下面31Aとの間の蒸気通路として兼用できる。
【0121】また、本実施例では、蒸気孔65と蒸気口68
の蒸気通路用の孔である蒸気筒74とが、平面的に重なら
ないように配置されている。このように構成すると、万
一蒸気口68の内部で腐敗菌が増殖し、蒸気口68内の蒸気
筒74より内蓋35に腐敗菌が滴下しても、直接ご飯の上に
腐敗菌が伝わることはなく、長時間の保温時において、
ご飯に腐敗臭が生じにくくなる。
【0122】その他、本実施例における各種の変形例
を、図3〜図14に基づき説明する。なお、上記実施例
と同一部分には同一符号を付し、その共通する箇所の説
明は重複するため省略する。
【0123】まず、蓋パッキン39周辺の構成につき、そ
の変形例を説明する。図3に示す第1の変形例では、蓋
パッキン組立41がネジ82により内蓋35の外周に固着され
ており、内蓋35の折返し部38の外周端部38Aを下方に折
り曲げ、この外周端部38Aをパッキンベース40に係合さ
せることによって、蓋パッキン組立41を内蓋35の決めら
れた位置に確実に固着できるようになっている。また、
外蓋カバー34の雌ネジ孔46は貫通孔となっており、ここ
に蓋下面止めネジ55が螺合するようになっている。蓋下
面板33のフランジ部56も、その外周端部56Aが折り曲げ
形成されており、外蓋カバー47の所定位置に係合するよ
うになっている。
【0124】図3に示す第2の変形例では、パッキンベ
ース40がリベット83により内蓋35の折返し部38に固着さ
れている。また、蓋パッキン39は内蓋35より着脱できな
い構造になっていて、内蓋35を蓋体下面31Aから外した
後は、蓋パッキン39およびパッキンベース40と一体に、
内蓋35を清掃することが可能となる。その他の構成およ
び特徴は、第1の変形例と同様である。
【0125】図5に示す第3の変形例では、蓋パッキン
39の溝部42に代わり被係合爪84が形成されているととも
に、この被係合爪84に係脱可能な係合突起85が、前記嵌
合凹部44に代わりパッキンベース40の内周面側に形成さ
れている。また、パッキンベース40は、前記第2の変形
例と同様に、リベット83により内蓋35の折返し部38に固
着されている。したがって、内蓋35を蓋体下面31Aから
外した後、パッキンベース40を内蓋35に取り付けた状態
で、蓋パッキン39のみを取り外すことができる。よっ
て、蓋パッキン39の清掃性が向上する。その他の構成お
よび特徴は、第2の変形例と同様である。
【0126】図6に示す第4の変形例では、内蓋35の外
周に、複数の傾斜部38Bを有する折返し部38を形成し、
この折返し部38の上部に設けたパッキンベース40と、蓋
パッキン39を下方から挟持するパッキン押さえ86とを、
共通のリベット83で固着する構造を有している。また、
内蓋35と鍋5のフランジ部9との接触部63は、蓋パッキ
ン39と鍋5のフランジ部9との接触部64の近傍外周にあ
る。こうすると、フランジ部9の内周側に落ち込んだ部
分に、接触部64を位置させることができるので、蓋パッ
キン39ひいてはこの蓋パッキン39を取り付ける内蓋35の
折返し部38の高さ方向を、低く形成できる。よって、ジ
ャー炊飯器の特に高さ方向をコンパクトにできる利点を
有する。
【0127】図7に示す第5の変形例は、前記第3の変
形例と同様に、蓋パッキン39が内蓋35より着脱可能に設
けられている。したがって、内蓋35を蓋体下面31Aから
外した後、パッキンベース40を内蓋35に取り付けた状態
で、蓋パッキン39のみを取り外すことができ、蓋パッキ
ン39の清掃性が向上する。
【0128】図8に示す第6の変形例は、リベット83を
介して、パッキンベース40とパッキン押さえ86が内蓋35
の折返し部38の上部および下部に取付け固定され、蓋パ
ッキン39は、内蓋35と鍋5のフランジ部9との接触部63
の内周側にあって、パッキン押さえ39と内蓋35の折返し
部38との間に挟持される。内蓋35と鍋5のフランジ部9
との接触部63は、蓋パッキン39と鍋5のフランジ部9と
の接触部64の近傍外周にあり、第4の変形例と同様に、
ジャー炊飯器の特に高さ方向をコンパクトにできる。ま
た、パッキンベース40が折返し部38の上面全体を覆って
設けられるので、内蓋35を取り外したときの外観性がよ
い。
【0129】図9に示す第7の変形例は、パッキンベー
ス40と内蓋35の外周端部38Aよにより、蓋パッキン39の
基端を挟持している。この場合、内蓋35の外周に折返し
部を形成する必要がなく、蓋パッキン39を取り付ける内
蓋35外周の高さ方向を低く形成できる。よって、ジャー
炊飯器の特に高さ方向をコンパクトにできる利点を有す
る。
【0130】図10に示す第8の変形例では、パッキン
ベース40と内蓋35の外周部との間に形成された下向きに
開口する溝部87の両側面に、蓋パッキン39がその弾性を
以って保持されている。また、蓋パッキン39の全体断面
形状はくの字型に形成される。
【0131】この場合、蓋パッキン39はそれ自体の弾性
で内蓋35の着脱可能に保持されるので、蓋パッキン39と
内蓋35との間に特別な係合機構を設ける必要がない。よ
って、構造が簡素化する利点を有する。また、蓋体31を
閉じたときに、蓋パッキン39が上方に押されても、蓋パ
ッキン39の上面が溝部87に当接するので、蓋パッキン39
と鍋5のフランジ部9との密着性を良好に維持できる。
【0132】続いて、蒸気口キャップ72周辺の構成につ
き、その変形例を説明する。図11に示す第9の変形例
において、91は蓋加熱手段であるコードヒータであり、
このコードヒータ91は蒸気口68を囲むようにして、蓋下
面板33の上面に設けられている。また、92はコードヒー
タ91を蓋下面板33上の所定位置に取り付け固定する両面
テープ付きのアルミ箔であり、この変形例では、蓋温度
センサ81の上面も覆っている。そして、蓋温度センサ81
は、蒸気口パッキン72のセンサ押さえ部73ではなく、別
部材のスポンジからなるセンサ押さえ部材93で、蓋下面
板33側に押圧挟持されている。また、内蓋35の孔37はバ
リなどの発生に起因する不具合を防止するため、その周
縁が折返し形成されている。
【0133】図12に示す第10の変形例では、内蓋35
と蒸気口68の蒸気筒74外周との間を封止する蒸気口パッ
キン72、および蓋下面板33と外蓋32の凹部70底部との間
を封止するパッキン94からなる密封構造を有している。
この変形例では、蒸気口68の底部外面と、蓋下面板33の
孔52の周囲上面が当接しており、蓋体31の高さ方向を低
くして、コンパクト化を図るようにしている。また、蓋
温度センサ81は、パッキン94に形成したセンサ押さえ95
により、蓋下面板33の上面側に押し付けられている。
【0134】図13に示す第11の変形例では、鍋5の
上部開口部の略中心に対向して、蓋体下面31Aに有底筒
状の蒸気口パイプ96を設けている。この蒸気口パイプ96
は、鍋5の上部開口部の略中心に対向して、蓋体下面31
Aに設けられており、その上部に形成した折返し部97
が、蒸気口パッキン72に密着した状態で、蓋下面板33の
孔52に係合している。蒸気口パイプ96の外側面には、蒸
気口キャップ36を被せた内蓋35の孔37に係脱可能な突起
部98が形成される。つまり、この突起部98と内蓋35の中
心部に形成した孔37が、蓋体下面31Aに対する内蓋35の
装着部50となっている。装着部50は、鍋5の上部開口部
に対向する内蓋35の表面を避けた位置にあり、内蓋35の
外観性を良好に維持できる。なお、実際には装着部50を
構成する突起部98は、内蓋35の表面から若干露出してい
るが、蒸気口パイプ96が内蓋35から蒸気口68への蒸気通
路を兼ねている場合は、装着部50が多少露出していても
目立たなければ構わない。蒸気口パイプ96の側面、およ
び蒸気口パイプ96と蒸気口キャップ36との間には、蒸気
孔99が形成される。また、 100は蒸気口パイプ96の底面
に形成されたオネバ戻し孔である。その他の構成および
特徴は、前記第9の変形例と概ね一致している。
【0135】図14に示す第12の変形例では、前記第
10の変形例に比べて、蓋温度センサ81が蒸気口キャッ
プ36の外方に設けられている。この場合、蓋体下面31A
を形成する部材(蓋下面板33)を熱伝導性の良好な材料
で形成し、蓋体下面31Aに直接蒸気を当てる構成にし
て、蓋体下面31Aからの熱伝導により蓋温度センサ81が
沸騰を確実に検知できるようにすればよい。その他の構
成および特徴は、前記第10の変形例と概ね一致してい
る。
【0136】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実施が可
能である。例えば、上記実施例では、蒸気口キャップ36
が内蓋35に設けられているが、蓋体下面31A側に設けて
あってもよく、蓋体下面31Aと内蓋35との間を水密シー
ルする構成であればよい。
【0137】
【発明の効果】請求項1の発明のジャー炊飯器は、鍋に
対向する蓋体下面側を、前記蓋体下面に着脱可能な内蓋
で覆い、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、前記鍋の上
部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に
設け、前記内蓋の一部を前記鍋に接触させ、前記蓋体の
内部には前記内蓋を加熱する蓋加熱手段を設け、前記鍋
内の被炊飯物を所定温度に保温する際に前記蓋加熱手段
にて前記内蓋を加熱する構成としたものであり、内蓋の
外観性の低下を防止できる。また、内蓋や蓋体下面の清
掃性を向上できるとともに、保温時における鍋周囲の結
露を防止して、保温性を改善できる。
【0138】請求項2の発明のジャー炊飯器は、請求項
1の発明のジャー炊飯器において、前記内蓋と前記鍋と
の接触部の近傍に、前記内蓋と前記鍋との間を密封する
弾性部材からなる蓋パッキンを備えたものであり、請求
項1の発明の効果に加えて、蓋体の閉塞時における感触
が向上する。
【0139】請求項3の発明のジャー炊飯器は、鍋に対
向する蓋体下面側を、前記蓋体下面に着脱可能な内蓋で
覆い、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、前記鍋の上部
開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に設
け、内蓋には蒸気を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体の
内部には前記内蓋を加熱する蓋加熱手段を設け、この蓋
加熱手段を前記蒸気孔と重ならない位置に配設し、前記
鍋内の被炊飯物を所定温度に保温する際に前記蓋加熱手
段にて前記内蓋を加熱する構成としたものであり、内蓋
の外観性の低下を防止できる。また、内蓋や蓋体下面の
清掃性を向上でき、内蓋の加熱効率または発熱効率を向
上できるとともに、長時間保温時に被炊飯物が部分的に
乾燥する不具合を防止できる。
【0140】請求項4の発明のジャー炊飯器は、鍋に対
向する蓋体下面側を、前記蓋体下面に着脱可能な金属製
の内蓋で覆い、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、前記
鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた
位置に設け、前記内蓋には炊飯時に前記鍋内の被炊飯物
からの蒸気を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体の内部に
は金属製の前記蓋体下面を加熱する蓋加熱手段を設け、
この蓋加熱手段を前記蒸気孔と重ならない位置に配設
し、前記鍋内の被炊飯物を所定温度に保温する際に、前
記蓋体下面からの輻射熱にて前記内蓋を加熱する構成と
したものであり、内蓋の外観性の低下を防止できる。ま
た、内蓋や蓋体下面の清掃性を向上でき、内蓋の加熱効
率をさらに向上でき、長時間保温時に被炊飯物が部分的
に乾燥する不具合を防止できるとともに、蓋体下面の変
形を防止できる。
【0141】請求項5の発明のジャー炊飯器は、蓋体下
面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と
前記内蓋との装着部を、鍋の上部開口部に直接対向する
前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊飯
時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設
け、前記蓋体下面と前記内蓋を密封する弾性部材からな
る蒸気口キャップを、前記蒸気孔の周囲に設け、前記蒸
気口キャップの内側で炊飯時に蒸気が侵入する部位に、
熱伝導性の良い金属製の前記蓋体下面を露出させ、前記
蓋体の内部の前記蓋体下面裏側に、該蓋体下面の温度を
検出する蓋温度検出手段を設けたものであり、内蓋の外
観性の低下を防止できる。また、内蓋や蓋体下面の清掃
性を向上でき、加熱バラツキの少ない炊飯を行なうこと
ができるとともに、蓋温度検出手段の取付位置の制約を
少なくして、構造を簡素化することができる。
【0142】請求項6の発明のジャー炊飯器は、蓋体下
面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と
前記内蓋との装着部を、鍋の上部開口部に直接対向する
前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊飯
時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設
け、前記鍋から前記蒸気孔を通過した蒸気が、前記内蓋
と前記蓋体下面の間に侵入しないように設けた弾性部材
からなる蒸気口キャップと、前記内蓋の外周囲に位置し
て前記内蓋と前記鍋との隙間から蒸気が外漏れしないよ
うに設けた弾性部材からなる蓋パッキンの両方を、前記
内蓋に備えたものであり、内蓋の外観性の低下を防止で
きる。また、蒸気口キャップや蓋パッキンを含めた内蓋
と、蓋体下面との清掃性を向上でき、蒸気口キャップや
蓋パッキンの交換を容易に行なうことができる。
【0143】請求項7の発明のジャー炊飯器は、請求項
6の発明のジャー炊飯器において、前記内蓋の蒸気孔を
前記蒸気口キャップに設けたものであり、請求項6の発
明の効果に加えて、蒸気孔を通過する蒸気で内蓋が影響
を受けないようにすることができる。
【0144】請求項8の発明のジャー炊飯器は、蓋体下
面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体と
前記内蓋との装着部を、鍋の上部開口部に直接対向する
前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊飯
時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設
け、前記蓋体下面と前記内蓋を密封する弾性部材からな
る蒸気口キャップを、前記蒸気孔の周囲に設け、前記蓋
体下面の温度を検出する蓋温度検出手段を前記蒸気口キ
ャップの内側に配置したものであり、内蓋の外観性の低
下を防止できる。また、内蓋や蓋体下面の清掃性を向上
でき、加熱バラツキの少ない炊飯を行なうことができる
とともに、蓋温度検出手段を内蔵した感熱ケースを接触
させるなどの必要がなく、構造を簡素化することができ
る。
【0145】請求項9の発明のジャー炊飯器は、請求項
8発明のジャー炊飯器において、前記蒸気口キャップの
内側に金属製の前記蓋体下面を露出させ、この蓋体下面
の裏側に前記蓋温度検出手段を備えたものであり、請求
項8の発明の効果に加えて、より精度の高い蒸気検出が
可能となる。
【0146】請求項10の発明のジャー炊飯器は、請求
項8発明のジャー炊飯器において、炊飯時に前記蓋温度
検出手段が沸騰近傍温度を検出した後、前記鍋への加熱
量を調節して、前記鍋の内外を連通する前記蓋体の蒸気
口からの吹きこぼれを抑制するように構成したものであ
り、請求項8の発明の効果に加えて、蒸気口からの吹き
こぼれを抑制することが可能となる。
【0147】請求項11の発明のジャー炊飯器は、鍋に
対向する蓋体下面を、この蓋体下面に着脱可能な耐蝕性
に優れたステンレスまたはチタン製の内蓋で覆い、前記
蓋体内部に前記蓋体下面を加熱する蓋加熱手段を設け、
この蓋加熱手段の発熱に伴なう前記蓋体下面からの輻射
熱で、前記内蓋を加熱する構成としたものであり、内蓋
の外観性の低下を防止できる。また、使用時における内
蓋の信頼性を高め、内蓋の加熱効率を高めるとともに、
加工行程を簡素化しつつ、環境保全に寄与できるジャー
炊飯器を提供できる。
【0148】請求項12の発明のジャー炊飯器は、請求
項11の発明のジャー炊飯器において、前記蓋体下面を
ステンレスまたはチタンの金属材料で形成したものであ
り、請求項11の発明の効果に加えて、蓋体下面の熱放
射性の向上と、内蓋の熱吸収性の向上とによる相乗効果
で、内蓋の加熱効率をさらに高めることができる。
【0149】請求項13の発明のジャー炊飯器は、請求
項11または請求項12の発明のジャー炊飯器におい
て、前記内蓋,前記蓋体下面の両方または片方の材料厚
さを0.15〜 0.6mmに形成したものであり、請求項11ま
たは請求項12の発明の効果に加えて、内蓋の加熱効率
をより一層向上することが可能となり、しかも、軽量化
が図れて取り扱いを楽にすることができる。
【0150】請求項14の発明のジャー炊飯器は、蓋体
下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体
と前記内蓋との装着部を、鍋の上部開口部に直接対向す
る前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊
飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設
け、前記蓋体には蒸気を外部へ放出する蒸気口を設け、
前記蒸気孔と前記蒸気口の位置を前記鍋の上部開口部の
略中央に対向させ、前記蒸気口を前記蓋体の外側から着
脱可能に設けたものであり、内蓋の外観性の低下を防止
できる。また、内蓋や蓋体下面の清掃性を向上でき、長
時間保温時における被炊飯物の腐敗臭を防止できるとと
もに、内蓋の取付け時における方向性のない設計が容易
に可能となる。
【0151】請求項15の発明のジャー炊飯器は、蓋体
下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体
と前記内蓋との装着部を、鍋の上部開口部に直接対向す
る前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊
飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設
け、この蒸気孔の位置を前記鍋の上部開口部の略中央に
対向させたものであり、内蓋の外観性の低下を防止でき
る。また、内蓋や蓋体下面の清掃性を向上でき、内蓋の
取付け時における方向性のない設計が容易に可能にな
る。
【0152】請求項16の発明のジャー炊飯器は、請求
項15の発明のジャー炊飯器において、前記蓋体への前
記内蓋の装着部を、該内蓋の略中央に配置したものであ
り、請求項15の発明の効果に加えて、内蓋の取付け時
における方向性のない設計がさらに容易に可能となる。
【0153】請求項17の発明のジャー炊飯器は、請求
項16の発明のジャー炊飯器において、前記装着部の近
傍に前記蒸気孔を配置したものであり、請求項15およ
び請求項16の発明の効果に加えて、装着部を内蓋と蓋
体下面との間の蒸気通路に兼用できる。
【0154】請求項18の発明のジャー炊飯器は、蓋体
下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可能に設け、前記蓋体
と前記内蓋との装着部を、鍋の上部開口部に直接対向す
る前記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊
飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設
け、前記蓋体には蒸気を外部へ放出する蒸気口を設け、
前記蒸気孔と前記蒸気口の蒸気通路用の孔とが平面的に
重ならないように配置したものであり、内蓋の外観性の
低下を防止できる。また、内蓋や蓋体下面の清掃性を向
上でき、長時間保温時における被炊飯物の腐敗臭を防止
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の全体断面図で
ある。
【図2】同上要部の断面図である。
【図3】同上第1の変形例を示す蓋パッキン周辺の構成
をあらわした要部の断面図である。
【図4】同上第2の変形例を示す蓋パッキン周辺の構成
をあらわした要部の断面図である。
【図5】同上第3の変形例を示す蓋パッキン周辺の構成
をあらわした要部の断面図である。
【図6】同上第4の変形例を示す蓋パッキン周辺の構成
をあらわした要部の断面図である。
【図7】同上第5の変形例を示す蓋パッキン周辺の構成
をあらわした要部の断面図である。
【図8】同上第6の変形例を示す蓋パッキン周辺の構成
をあらわした要部の断面図である。
【図9】同上第7の変形例を示す蓋パッキン周辺の構成
をあらわした要部の断面図である。
【図10】同上第8の変形例を示す蓋パッキン周辺の構
成をあらわした要部の断面図である。
【図11】同上第9の変形例を示す蒸気口キャップ周辺
の構成をあらわした要部の断面図である。
【図12】同上第10の変形例を示す蒸気口キャップ周
辺の構成をあらわした要部の断面図である。
【図13】同上第11の変形例を示す蒸気口キャップ周
辺の構成をあらわした要部の断面図である。
【図14】同上第12の変形例を示す蒸気口キャップ周
辺の構成をあらわした要部の断面図である。
【符号の説明】
5 鍋 31 蓋体 31A 蓋体下面 35 内蓋 36 蒸気口キャップ 39 蓋パッキン 50 装着部 57 蓋ヒータ(蓋加熱手段) 63 接触部 65 蒸気孔 68 蒸気口 74 蒸気筒(蒸気通路用の孔) 81 蓋温度センサ(蓋温度検出手段) 91 コードヒータ(蓋加熱手段)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋に対向する蓋体下面側を、前記蓋体下
    面に着脱可能な内蓋で覆い、前記蓋体と前記内蓋との装
    着部を、前記鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の
    表面を逃げた位置に設け、前記内蓋の一部を前記鍋に接
    触させ、前記蓋体の内部には前記内蓋を加熱する蓋加熱
    手段を設け、前記鍋内の被炊飯物を所定温度に保温する
    際に前記蓋加熱手段にて前記内蓋を加熱する構成とした
    ことを特徴とするジャー炊飯器。
  2. 【請求項2】 前記内蓋と前記鍋との接触部の近傍に、
    前記内蓋と前記鍋との間を密封する弾性部材からなる蓋
    パッキンを備えたことを特徴とする請求項1記載のジャ
    ー炊飯器。
  3. 【請求項3】 鍋に対向する蓋体下面側を、前記蓋体下
    面に着脱可能な内蓋で覆い、前記蓋体と前記内蓋との装
    着部を、前記鍋の上部開口部に直接対向する前記内蓋の
    表面を逃げた位置に設け、内蓋には蒸気を放出する蒸気
    孔を設け、前記蓋体の内部には前記内蓋を加熱する蓋加
    熱手段を設け、この蓋加熱手段を前記蒸気孔と重ならな
    い位置に配設し、前記鍋内の被炊飯物を所定温度に保温
    する際に前記蓋加熱手段にて前記内蓋を加熱する構成と
    したことを特徴とするジャー炊飯器。
  4. 【請求項4】 鍋に対向する蓋体下面側を、前記蓋体下
    面に着脱可能な金属製の内蓋で覆い、前記蓋体と前記内
    蓋との装着部を、前記鍋の上部開口部に直接対向する前
    記内蓋の表面を逃げた位置に設け、前記内蓋には炊飯時
    に前記鍋内の被炊飯物からの蒸気を放出する蒸気孔を設
    け、前記蓋体の内部には金属製の前記蓋体下面を加熱す
    る蓋加熱手段を設け、この蓋加熱手段を前記蒸気孔と重
    ならない位置に配設し、前記鍋内の被炊飯物を所定温度
    に保温する際に、前記蓋体下面からの輻射熱にて前記内
    蓋を加熱する構成としたことを特徴とするジャー炊飯
    器。
  5. 【請求項5】 蓋体下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可
    能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、鍋の上部
    開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に設
    け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を
    放出する蒸気孔を設け、前記蓋体下面と前記内蓋を密封
    する弾性部材からなる蒸気口キャップを、前記蒸気孔の
    周囲に設け、前記蒸気口キャップの内側で炊飯時に蒸気
    が侵入する部位に、熱伝導性の良い金属製の前記蓋体下
    面を露出させ、前記蓋体の内部の前記蓋体下面裏側に、
    該蓋体下面の温度を検出する蓋温度検出手段を設けたこ
    とを特徴とするジャー炊飯器。
  6. 【請求項6】 蓋体下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可
    能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、鍋の上部
    開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に設
    け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を
    放出する蒸気孔を設け、前記鍋から前記蒸気孔を通過し
    た蒸気が、前記内蓋と前記蓋体下面の間に侵入しないよ
    うに設けた弾性部材からなる蒸気口キャップと、前記内
    蓋の外周囲に位置して前記内蓋と前記鍋との隙間から蒸
    気が外漏れしないように設けた弾性部材からなる蓋パッ
    キンの両方を、前記内蓋に備えたことを特徴とするジャ
    ー炊飯器。
  7. 【請求項7】 前記内蓋の蒸気孔を前記蒸気口キャップ
    に設けたことを特徴とする請求項6記載のジャー炊飯
    器。
  8. 【請求項8】 蓋体下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱可
    能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、鍋の上部
    開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に設
    け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気を
    放出する蒸気孔を設け、前記蓋体下面と前記内蓋を密封
    する弾性部材からなる蒸気口キャップを、前記蒸気孔の
    周囲に設け、前記蓋体下面の温度を検出する蓋温度検出
    手段を前記蒸気口キャップの内側に配置したことを特徴
    とするジャー炊飯器。
  9. 【請求項9】 前記蒸気口キャップの内側に金属製の前
    記蓋体下面を露出させ、この蓋体下面の裏側に前記蓋温
    度検出手段を備えたことを特徴とする請求項8記載のジ
    ャー炊飯器。
  10. 【請求項10】 炊飯時に前記蓋温度検出手段が沸騰近
    傍温度を検出した後、前記鍋への加熱量を調節して、前
    記鍋の内外を連通する前記蓋体の蒸気口からの吹きこぼ
    れを抑制するように構成したことを特徴とする請求項8
    記載のジャー炊飯器。
  11. 【請求項11】 鍋に対向する蓋体下面を、この蓋体下
    面に着脱可能な耐蝕性に優れたステンレスまたはチタン
    製の内蓋で覆い、前記蓋体内部に前記蓋体下面を加熱す
    る蓋加熱手段を設け、この蓋加熱手段の発熱に伴なう前
    記蓋体下面からの輻射熱で、前記内蓋を加熱する構成と
    したことを特徴とするジャー炊飯器。
  12. 【請求項12】 前記蓋体下面をステンレスまたはチタ
    ンの金属材料で形成したことを特徴とする請求項11記
    載のジャー炊飯器。
  13. 【請求項13】 前記内蓋,前記蓋体下面の両方または
    片方の材料厚さを0.15〜 0.6mmに形成したことを特徴と
    する請求項11または12のいずれか一つに記載のジャ
    ー炊飯器。
  14. 【請求項14】 蓋体下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱
    可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、鍋の上
    部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に
    設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気
    を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体には蒸気を外部へ放
    出する蒸気口を設け、前記蒸気孔と前記蒸気口の位置を
    前記鍋の上部開口部の略中央に対向させ、前記蒸気口を
    前記蓋体の外側から着脱可能に設けたことを特徴とする
    ジャー炊飯器。
  15. 【請求項15】 蓋体下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱
    可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、鍋の上
    部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に
    設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気
    を放出する蒸気孔を設け、この蒸気孔の位置を前記鍋の
    上部開口部の略中央に対向させたことを特徴とするジャ
    ー炊飯器。
  16. 【請求項16】 前記蓋体への前記内蓋の装着部を、該
    内蓋の略中央に配置したことを特徴とする請求項15記
    載のジャー炊飯器。
  17. 【請求項17】 前記装着部の近傍に前記蒸気孔を配置
    したことを特徴とする請求項16記載のジャー炊飯器。
  18. 【請求項18】 蓋体下面を覆う内蓋を前記蓋体に着脱
    可能に設け、前記蓋体と前記内蓋との装着部を、鍋の上
    部開口部に直接対向する前記内蓋の表面を逃げた位置に
    設け、前記内蓋には炊飯時に鍋内の被炊飯物からの蒸気
    を放出する蒸気孔を設け、前記蓋体には蒸気を外部へ放
    出する蒸気口を設け、前記蒸気孔と前記蒸気口の蒸気通
    路用の孔とが平面的に重ならないように配置したことを
    特徴とするジャー炊飯器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101462092B1 (ko) * 2013-06-14 2014-11-17 주식회사 리홈쿠첸 전기밥솥의 내솥커버체
CN104367170A (zh) * 2014-04-30 2015-02-25 九阳股份有限公司 一种电热锅
JP2019033808A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 アイリスオーヤマ株式会社 炊飯器
JP2021019713A (ja) * 2019-07-25 2021-02-18 有限会社大志 電気圧力調理器

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