JP2001198004A - 保温釜 - Google Patents

保温釜

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JP2001198004A
JP2001198004A JP2000014721A JP2000014721A JP2001198004A JP 2001198004 A JP2001198004 A JP 2001198004A JP 2000014721 A JP2000014721 A JP 2000014721A JP 2000014721 A JP2000014721 A JP 2000014721A JP 2001198004 A JP2001198004 A JP 2001198004A
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Hiroyuki Takeishi
浩之 竹石
Kazuya Miyake
一也 三宅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋体に金属製の内蓋を固定した保温釜におい
て、内蓋の表面積を拡大し温度分布を良くし、内蓋への
結露を防止してご飯が水分過多にならないようにする。 【解決手段】 内蓋20に深さが0.6mm以下の複数の
ディンプル22を湾曲状に形成し、この内蓋20の裏面側に
このディンプル22にかかる状態で内蓋20を加熱する蓋ヒ
ータ23を設ける。そして、蓋ヒータ23の全体を覆うよう
に厚さ30μm以上のアルミ箔24を前記内蓋20に設け
る。アルミ箔24は、耐熱温度が110℃以上の両面粘着
シートで内蓋20に接着する。炊飯または保温中には蓋ヒ
ータ23により、内蓋20を加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯および炊飯後
の保温を行う保温釜に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来から、炊飯をした
後、保温に自動的に移行する保温釜が知られている。こ
の種の保温釜では、保温時に蓋体の内蓋表面に水分が結
露し、この結露した水分が鍋の内面を伝わったり、その
まま滴下したりしてご飯に落ちると、水分過多なご飯に
なって食味が低下するという問題があるため、保温時に
内蓋表面への水分の結露を低減し、水分過多なご飯にな
らないようにすることが技術的な課題になっている。
【0003】この対策として内蓋をヒータなどにより加
熱することが考えられるが、この際には、内蓋の温度分
布を均一にすることがさらに課題になっている。このた
め、蓋体に着脱可能な内蓋を設けたものでは、この内蓋
表面に凹凸を設けて表面積を拡大し、内蓋の温度分布を
改良する技術が一般的に知られている。
【0004】これに対し蓋体に金属板の内蓋を固定した
保温釜においては、アルミダイキャストなどで鍋の対向
面だけに凹凸を設けたものはあるが、それ以外に内蓋に
凹凸を設けた技術は実現されていないのが現状である。
これは、蓋体に内蓋を固定したものでは、内蓋裏面にも
凹凸を形成した場合に、この凹凸にヒータがかからない
状態にする必要があるからである。すなわち、内蓋を加
熱するヒータが凹凸にかかると内蓋とヒータとの接触が
部分的に悪くなり、ヒータが局部的に高温になって、ヒ
ータ寿命を低下させる要因になるという問題があるため
である。そこで、凹凸にヒータがかからないようにすれ
ばこの問題は解決するが、本来ヒータは内蓋の全域に配
置して温度分布を良くする必要があり、このため内蓋の
温度分布を優先すれば凹凸の配置に制約ができ、外観的
に好ましくない問題が生じる一方、凹凸のデザインを優
先すれば内蓋の温度分布を最適にするためにヒータの配
置に制約ができ、温度分布が悪くなる要因となる。この
点、前述したアルミダイキャストのものは、ヒータ取り
付け面を平坦にすることで対応可能である。
【0005】また、近年は耐食性、強度及び外観性など
により内蓋にステンレスを使用することが多いが、周知
のようにステンレスはアルミニウムに比べて熱伝導性が
悪く、温度分布を優先したヒータの配置が必要となり、
凹凸の配置に大きな制約があるという問題が生じる。
【0006】本発明は、このような課題を解決しようと
するもので、蓋体に金属製の内蓋を固定した保温釜にお
いて、内蓋の表面積を拡大し温度分布を良くし、内蓋へ
の結露を防止してご飯が水分過多にならないようにでき
る保温釜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、金
属製の内蓋を固定した保温釜において、内蓋に形成する
複数の凹凸の深さを0.6mm以下とすることにより、
この内蓋の裏面側に該凹凸にかかる状態で内蓋を加熱す
る蓋ヒータを設けても、蓋ヒータと内蓋の凹凸とにより
形成される空間距離が小さくなるので、内蓋と非接触部
分となる部分の蓋ヒータが局部的に高温になる現象を抑
制することができる。また、この蓋ヒータの全体を覆う
ように厚さ30μm以上のアルミ箔などの熱伝導性の良
好なシート部材を設けることにより、内蓋とは反対側に
放熱される蓋ヒータの熱をシート部材の熱伝導により内
蓋へ伝熱させて、内蓋と非接触部分となる部分の蓋ヒー
タが局部的に高温になる現象を抑制することができる。
さらに、蓋ヒータをシート部材で覆うことにより、蓋ヒ
ータ上方への輻射熱を低減し、さらにシート部材をアル
ミニウムとすれば、アルミニウムは熱伝導性が良好で熱
放射が少ない金属であるので、その効果を有効に得るこ
とができ、しかも蓋ヒータの上方に配置された外蓋など
の温度上昇を低減し、また、内蓋の加熱効率を高めるこ
とができ、蓋ヒータの低消費電力化を達成することがで
き、この点でも蓋ヒータが局部的に高温となるのを防止
することに寄与することができる。
【0008】請求項2の発明では、耐熱温度が110℃
以上の粘着シートで前記シート部材を内蓋に接着してい
るので、炊飯時などに内蓋への結露を防止するために内
蓋を100℃以上の高温に加熱しても、粘着シートによ
る粘着性が低下することがないので、シート部材が剥離
し、シート部材と内蓋との接合性が低下するのが防止さ
れる。
【0009】さらに、請求項3の発明では、内蓋の材質
をステンレスとし、その材質の厚さを0.6mm以下と
比較的薄くすることにより、蓋ヒータの熱が速やに鍋側
へ放熱されるため、蓋ヒータ自身の表面温度が高温にな
らない。しかも、このステンレスによる内蓋には凹凸が
形成されるので、このように薄い金属板とした場合でも
加工硬化等により強度が向上し、実用的に問題のない強
度を得ることができる。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明の保温釜の一実施例に
ついて図1乃至図3を参照しながら説明する。図1乃至
図3は、本発明の一実施例を示すもので、同図におい
て、1は保温釜本体であり、この保温釜本体1は、PP
などのプラスチック製のほぼ筒状の外枠2と、この外枠
2の下面開口を覆って設けられた底板3とにより保温釜
本体1の外郭が形成されている。また、この外枠2及び
底板3とにより形成される空間内には鍋収容部4が設け
られていて、この鍋収容部4は、熱伝導性が良好で熱放
射率の低いアルミニウム部材により形成されており、底
部中央に凸部5が形成されていて、この凸部5の頂面と
概ね同じ高さに鍋収容部4の底部を塞ぐようにして後述
する鍋9の底面部との接触部となる放熱板6が設けられ
ている。そして、この放熱板6と鍋収容部4との間に
は、加熱手段としての環状のシーズヒータ7が設けられ
ている。さらに、放熱板6の中央には、後述する鍋9の
底面の温度を検出する鍋温度検出手段たる温度センサ8
が設けられている。
【0011】そして、このような鍋収容部4内に、米お
よび水を収容する容器である鍋9が着脱自在に収容され
るようになっている。この鍋9は、熱伝導性が良好で熱
放射率の低いアルミニウム部材により形成される。ま
た、鍋9の上縁部には、その外周側に突出するフランジ
部9Aが形成されていて、このフランジ部9Aは、前記
外枠2と鍋収容部4との境界部に載置されるものであ
り、これにより、鍋収容部4内で鍋9が支持されるよう
になっている。
【0012】また、保温釜本体1内で鍋収容部4の外側
の空間部10において、この鍋収容部4の後方側には、シ
ーズヒータ7による加熱調節などの制御を行う制御ユニ
ット(図示せず)が配設されている。この制御ユニット
は、各種基板などを装備したもので、鍋収容部4の外面
に近接して位置している。
【0013】なお、図1中において、11は鍋9の有無を
検知するリミットスイッチであり、12は炊飯状態・保温
状態などを表示するとともに各種操作スイッチを備えた
操作パネルであり、13は操作表示装置である。
【0014】そして、前記保温釜本体1の上側には、鍋
9を上側から覆う蓋体15が開閉自在に設けられている。
すなわち、この蓋体15は、その後部においてヒンジ16に
より回動自在に支持されており、蓋体15の前上部に設け
られたクランプ17によりその下方側の保温釜本体1の外
枠2に係脱自在となっていて、係止時には閉じた状態に
保持されるものである。そして、蓋体15は、その上面を
なす外蓋18と、この外蓋18の下側に固定された内側カバ
ー19とを有し、さらにその下側には、この内側カバー19
との間に所定の隙間を形成して、前記鍋9の上部開口部
を直接覆う内蓋20が蓋体15に対して着脱できないように
固定されている。この内蓋20は、ステンレス、好ましく
は耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス、SUS
304などの金属製であり、その厚さは、0.6mm以
下、好ましくは0.3〜0.6mm、特に0.3〜0.
5mmとなっている。また、内蓋20の外周部下側には、
前記鍋9のフランジ部9A上に密着して、この鍋9と内
蓋20との間の隙間を閉塞するシリコーンゴムやフッ素ゴ
ムなどの弾性部材からなる蓋パッキン21が設けられてい
る。
【0015】このような内蓋20は、図2及び図3に示す
ように裏面側に向けてディンプル加工により湾曲状に略
円弧状のディンプル22が複数形成されており、このディ
ンプル22と内蓋20の平坦面20Aとにより凹凸が形成され
ていて、このディンプル22の高さ(凹凸の深さ)は、
0.6mm以下である。該ディンプル22の高さが、0.
6mmを超えると、後述する蓋ヒータ23と内蓋20との間
の空間距離が大きくなり、蓋ヒータ23がこの箇所で局部
的に高温になりやすくなる。好ましいディンプル22の高
さは、0.3mm〜0.6mmであり、特に0.3mm
〜0.5mmである。この内蓋20の裏面側には、内蓋20
を加熱する加熱手段である蓋ヒータ23が設けられてい
る。蓋ヒータ23は、外皮がシリコーンゴムなどの耐熱性
を有する絶縁物で被覆されたコード状の電熱式ヒータ
で、内蓋20の略全面を加熱可能に配置してある。
【0016】そして、この蓋ヒータ23の上側は、熱伝導
性の良いシート部材であるアルミ箔24により全体が覆わ
れ、このアルミ箔24は内蓋20に粘着シートとしての両面
粘着シート25で接着されることにより、蓋ヒータ23及び
アルミ箔24が内蓋20に固定されている。上記熱伝導性の
良いシート部材であるアルミ箔24は、厚さ30μm以
上、好ましくは40μm以上である。アルミ箔24の厚さ
が30μm未満では、蓋ヒータ23の熱を内蓋20に十分に
伝熱するのが困難となる場合がある。また、両面粘着シ
ート25としては、耐熱温度が110℃以上、好ましくは
120℃以上の耐熱温度を有するものを使用する。これ
は、内蓋20表面への結露を防止するために、炊飯の蒸ら
し時などに蓋ヒータ23により内蓋20を100℃以上に加
熱するため、110℃未満の耐熱性では、両面粘着シー
ト25の粘着性が低下し、アルミ箔24が剥離しやすくなる
ためである。なお、図2において、26は蓋ヒータ23への
給電用の電線である。
【0017】さらに、前記蓋体15には、鍋9内で発生し
た蒸気を外部へ放出するための蒸気口27が設けられてい
る。なお、前記蓋ヒータ23は、この蒸気口27を囲んでい
る。
【0018】次に、前記の構成についてその作用を説明
する。まず、炊飯および保温時には、加熱手段であるシ
ーズヒータ7に通電して発熱させると、シーズヒータ7
の表面より放出された熱がアルミニウム製の放熱板6に
伝導し、また、鍋収容部4にも伝導して鍋9の外側部分
を素早く加熱する。特に鍋9の底面は放熱板6により均
一に加熱されるため、結果的に鍋9全体が効率よく加熱
されることになる。また、保温時には、鍋9の底面に接
触した温度センサ8の検出温度に応じてシーズヒータ7
による加熱が調節され、鍋9が一定温度に保持される。
また、これらの炊飯及び保温の間、結露防止のために、
蓋ヒータ23は断続的に通電される。
【0019】具体的には、炊飯時には、所定量の米と水
などを収容した鍋9を保温釜本体1の鍋収容部4に収容
して蓋体15を閉じる。蓋体15を閉じた状態では、内蓋20
の周囲の部分が鍋9の内面周囲上部に接触または近接す
るとともに、内蓋20の周囲に固定的に設けられた蓋パッ
キン21が鍋9のフランジ部9A上にその全周に渡って密
着する。
【0020】この状態で、操作パネル12の炊飯開始キー
(図示せず)等を押圧操作することによって炊飯動作が
開始する。炊飯の始めには、まず所定時間のひたし炊き
工程が行われる。すなわち、このひたし炊き工程は、米
の吸水を促進するために、シーズヒータ7による加熱を
所定時間行った後、所定時間断電するものである。ひた
し炊き行程の間、蓋ヒータ23は断電している。ひたし炊
き行程の後は、本炊飯行程に移行する。この本炊飯行程
では、当初シーズヒータ7が常時通電状態になり、最大
加熱量で加熱が行われる。そして、鍋9内の水が沸騰し
たら、シーズヒータ7を断続通電に切り換えて加熱量を
若干下げる。これにより、沸騰状態を継続させる。さら
に、急激な温度上昇によってドライアップすなわち鍋9
内の水がなくなったことが検出されたら、本炊飯行程は
終了となり、むらし行程に移行する。このむらし行程は
所定時間行われるが、むらし行程中、シーズヒータ7は
一時的に通電され、蓋ヒータ23は、100℃以上の温度
で断続的に通電され、むらし後、蓋体15を開けたときに
内蓋20からつゆが流れ落ちないように結露を抑制する。
むらし行程が終了すると炊飯は終了となり、その後、保
温行程に自動的に移行する。この保温行程では、前述の
ように温度センサ8の検出温度に応じてシーズヒータ7
による加熱が調節され、鍋9が一定温度に保持される。
また、結露防止のために、蓋ヒータ23はご飯の温度より
やや高い温度(約75℃)となるように断続的に通電さ
れる。これにより内蓋20の表面の結露が防止され、ご飯
が水分過多になるのが防止される。
【0021】上述したような炊飯・保温工程において、
前記実施例の構成によれば、内蓋20に深さが0.6mm
以下の複数のディンプル22を湾曲状に形成し、この内蓋
20の裏面側にこのディンプル22にかかる状態で内蓋20を
加熱する蓋ヒータ23を設けているので、蓋ヒータ23によ
り内蓋20を良好な温度分布で加熱することができる。こ
れにより、蓋ヒータ23に通電して内蓋20を所定の温度、
例えば75℃以上に加熱することにより、保温時におけ
る内蓋20への結露が低減し、この結露で生じた水分が鍋
9の内面を伝わって、あるいは直接ご飯に流れ落ちて水
分過多になり、ご飯の食味が低下する現象を抑制するこ
とができる。また、蓋パッキン21も同様に加熱するの
で、蓋パッキン21の冷えも合わせて抑制でき、蓋パッキ
ン21への結露を防止できる。この際、蓋ヒータ23と内蓋
20のディンプル22とにより形成される空間距離が0.6
mm以下と小さくなっているため、蓋ヒータ23が局部的
に加熱しにくくなっており、蓋ヒータ23の寿命の低下が
抑制される。
【0022】また、この蓋ヒータ23の全体を覆うように
厚さ30μm以上のアルミ箔24を前記内蓋20に設けてい
るので、アルミ箔24の熱伝導により内蓋20とは反対側に
放熱される蓋ヒータ23の熱を内蓋20へ伝熱させて、内蓋
20と非接触部分となる部分の蓋ヒータ23が局部的に高温
になる現象を抑制することができる。特に、本実施例に
おいてはシート部材をアルミ箔24としているので、アル
ミニウムは熱伝導性が良好で熱放射が少ない金属である
ため、上述した効果を有効に得ることができ、しかも蓋
ヒータ23の上方に配置された外蓋18の温度上昇を低減
し、また、内蓋20の加熱効率を高めることができ、蓋ヒ
ータ23の低消費電力化が可能となっている。さらに、本
実施例においては、シート部材たるアルミ箔24の全域を
接着することにより、端部から捲れる現象を防止してい
る。これらにより、ディンプル22に蓋ヒータ23がかかっ
ても、蓋ヒータ23と内蓋20との非接触部における異常発
熱を防止し、内蓋20の温度分布を良好に維持しながら自
在なデザインで、かつ内蓋20の表面積を拡大することが
可能となっている。
【0023】また、アルミ箔24は、耐熱温度が110℃
以上の両面粘着シート25で内蓋20に接着しているので、
炊飯時などに内蓋20への結露を防止するために内蓋を1
00℃以上の高温に加熱しても、両面粘着シート25によ
る粘着性が低下することがないので、アルミ箔24が剥離
したりすることがなく、アルミ箔24と内蓋20、さらには
蓋ヒータ23と内蓋20との接合性が保持されるので、内蓋
20の温度状態が良好なまま維持される。
【0024】さらに、本実施例においては、内蓋20の材
質をステンレスとし、その材質の厚さを0.6mm以下
と比較的薄くしているので、蓋ヒータ23の熱が内蓋20を
通過して速やに鍋9側へ放熱されるため、蓋ヒータ23自
身の表面温度が高温にならないようになっている。しか
も、このステンレスによる内蓋20にはディンプル22によ
る凹凸が形成されているの、加工硬化等により強度が向
上しているため、実用上問題のない強度となっている。
【0025】以上本発明について添付図面を参照して説
明してきたが、本発明は前記実施例限定されるものでは
なく、種々の変形実施が可能である。例えば、前記実施
例では、蓋加熱手段を電熱式ヒータとしたが、蓋加熱手
段は電磁誘導加熱式のものにしてもよい。また、保温釜
としてシーズヒータ7により加熱するタイプのものを用
いたが電磁誘導加熱式のものにも適用可能である。この
場合、鍋9の外面の側部下側から底部にかけてフェライ
ト系ステンレスなどの磁性金属板を接合するとともに、
保温釜本体1の内部構造は、誘導加熱コイルの配置位置
や制御ユニットなどへの影響を考慮して、鍋収容部4を
胴板で囲む構成としたり、制御ユニット側に非磁性金属
や合成樹脂製の部材を配置するなどすればよい。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明の保温釜によれば、蓋ヒ
ータが部分的に高温になるのが抑制され、蓋ヒータによ
り内蓋を温度分布良く加熱することができるので、保温
時などに内蓋表面への水分の結露を低減でき、これによ
り、ご飯が水分過多にならないようにでき、ご飯の食味
の低下を抑制できる。
【0027】請求項2の発明の保温釜によれば、炊飯時
などに内蓋への結露を防止するために内蓋を100℃以
上の高温に加熱しても、粘着シートによる粘着性が低下
することがないので、シート部材が剥離し、シート部材
と内蓋との接合性が低下するのが防止でき、これにより
内蓋を温度分布良く蓋ヒータにより加熱する効果を長期
間維持することができる。
【0028】さらに、請求項3の発明の保温釜によれ
ば、蓋ヒータの熱が速やに鍋側へ放熱されるため、蓋ヒ
ータ自身の表面温度が高温にならず、蓋ヒータが部分的
に高温となるのを一層抑制することができる。しかも、
このステンレスによる内蓋には凹凸が形成されるので、
このように薄い金属板とした場合でも加工硬化等により
強度が向上し、実用的に問題のない強度を得ることがで
きるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保温釜の一実施例を示す一部の縦断面
図である。
【図2】同上内蓋の平面図である。
【図3】同上内蓋の構成を示す図2のA−A線における
部分断面図である。
【符号の説明】
9 鍋 15 蓋体 20 内蓋 22 ディンプル(凹凸) 23 蓋ヒータ 24 アルミ箔(シート部材) 25 両面粘着シート(粘着シート)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋の開口部に直接対向する蓋体に金属製
    の内蓋を固定した保温釜において、前記内蓋に深さが
    0.6mm以下の複数の凹凸を形成するとともに、この
    内蓋の裏面側に該凹凸にかかる状態で該内蓋を加熱する
    蓋ヒータを設け、この蓋ヒータの全体を覆うように厚さ
    30μm以上のアルミ箔などの熱伝導性の良好なシート
    部材を設けたことを特徴とする保温釜。
  2. 【請求項2】 前記シート部材を耐熱温度が110℃以
    上の粘着シートで前記内蓋に接着したことを特徴とする
    請求項1記載の保温釜。
  3. 【請求項3】 前記内蓋の材質が、厚さ0.6mm以下
    のステンレスであることを特徴とする請求項1又は2記
    載の保温釜。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010004917A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Sanyo Electric Co Ltd 電気炊飯器
JP2020048931A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 三菱電機株式会社 圧力調理器
JP2020162530A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 鈴茂器工株式会社 食材処理装置

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