JP3629823B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷装置においては、所望の場所で所望の情報を手軽に印刷できるハンディタイプのものが知られている。
この種の印刷装置は、例えば、インクリボンおよび被印刷テープを備えた印刷用のテープカセットを装置本体内に着脱可能に装着し、装置本体内の印刷ヘッドとプラテンローラとの間にインクリボンおよび被印刷テープを重ね合わせて配置し、この状態でプラテンローラが被印刷テープおよびインクリボンを印刷ヘッドに押し付けた後、プラテンローラを回転させてインクリボンと被印刷テープとを送りながら、印刷ヘッドを印刷情報に応じて駆動することにより、被印刷テープに所望の情報を印刷する構造になっている。
【0003】
このような印刷装置では、印刷ヘッドとプラテンローラとが接近離間可能な状態で装置本体内に起立した状態で配置され、装置本体内にテープカセットを装着する際に、印刷ヘッドとプラテンローラとが離間し、これらの間にインクリボンと被印刷テープが重なり合った状態で上方から挿入され、印刷する際にプラテンローラが印刷ヘッドに接近してインクリボンと被印刷テープとを印刷ヘッドに押し付けている。すなわち、印刷ヘッドは、装置本体内のシャーシに下端部が固定されて立設された保護部材に取り付けられている。また、プラテンローラは、その上下両端部が支持部材に回転可能に取り付けられ、この支持部材が支持軸に回動可能に取り付けられ、この支持軸の下端部がシャーシに固定されて立設され、支持軸を中心に支持部材が回動することにより、印刷ヘッドに接近離間する構造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような印刷装置では、印刷ヘッドの保護部材とプラテンローラの支持軸の各下端部のみがシャーシ上に固定されて立設され、これら各上端部が固定されていないため、印刷ヘッドに対するプラテンローラの圧接により、印刷ヘッドの上部側がプラテンローラから離れやすく、このため印刷ヘッドとプラテンローラとを均一に当接させることができず、印刷ヘッドの上部側と下部側とで印刷状態に差が生じ、均一な印刷ができず、印刷品質が低下するという問題がある。
なお、このような問題は、プラテンローラが固定され、印刷ヘッドがプラテンローラに接離する構造でも、同様の問題が生じ、また特に、被印刷テープとして幅の広いものを用いるために、印刷ヘッドおよびプラテンローラの各長さを長くした場合には、上記問題が顕著に生じる。
【0005】
この発明の課題は、印刷時に印刷ヘッドとプラテンローラとの各上部が相対的に離れるのを防いで、両者を均一に圧接させることにより、印刷品質の向上を図るようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、印刷ヘッドおよびプラテンローラの少なくとも一方が装置本体に対して起立した状態で配置されるとともに、リボン巻取り軸が起立した状態で配置され、リボン巻取り軸に、インクリボンが巻かれたリボン供給リールを挿入しインクリボンを印刷ヘッドとプラテンローラとの間に配置して、印刷ヘッドおよびプラテンローラのいずれか一方が移動して互いに接離可能に圧接する印刷装置において、印刷ヘッド、またはプラテンローラ、または装置本体のいずれかに設けられ、印刷ヘッドとプラテンローラの前記起立している方の上端部を係脱可能に係止して、印刷ヘッドとプラテンローラとを一定間隔に規制する間隔規制部材を備えたことを特徴とする。
したがって、この請求項1記載の発明によれば、印刷ヘッド、またはプラテンローラ、または装置本体のいずれかに設けられた間隔規制部材が印刷ヘッドとプラテンローラの少なくとも一方の上端部を係止することにより、印刷ヘッドとプラテンローラとを一定間隔に規制するので、印刷時に印刷ヘッドとプラテンローラとが相対的に離れるのを防ぎ、両者を均一に圧接させることができ、このため印刷ヘッドおよびプラテンローラの上部側と下部側とで印刷状態に差が生じることがなく、均一な印刷ができ、これにより印刷品質の向上を図ることができる。
【0007】
この場合、請求項2に記載のごとく、間隔規制部材は、装置本体内のシャーシ、または印刷ヘッドとプラテンローラの上方を開閉自在に覆う蓋体のいずれかに設けられていれば良く、特に装置本体内のシャーシに設けられいることが望ましい。
また、請求項3に記載のごとく、印刷ヘッドおよびプラテンローラは、その各下端部が装置本体内のシャーシに対して固定され、印刷ヘッドおよびプラテンローラのいずれか一方は、その上端部がシャーシの一部に対して固定され、かつ間隔規制部材は、前記上端部を固定した個所付近のシャーシの一部に取り付けられて、印刷ヘッドおよびプラテンローラのいずれか他方の上端部を係脱可能に係止する構造であれば、印刷ヘッドおよびプラテンローラのいずれか一方をシャーシに対して強固に固定でき、しかも印刷ヘッドおよびプラテンローラのいずれか一方を強固に固定するシャーシの一部に設けられた間隔規制部材によって印刷ヘッドおよびプラテンローラのいずれか他方の上端部を係止することにより、印刷ヘッドとプラテンローラとの各上部が相対的に離れるのを確実に防ぐことができる。
さらに、請求項4に記載のごとく、間隔規制部材がバネ部材によって蓋体を押し上げて起立するように付勢されていれば、印刷ヘッドとプラテンローラとの間に被印刷テープなどを装着する際に間隔規制部材が邪魔にならず、また蓋体を開く際にバネ部材のバネ力で起立する間隔規制部材が蓋体を押し上げるので、蓋体を容易に開くことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図1〜図20を参照して、この発明の印刷装置の第1実施形態について説明する。
図1〜図3は印刷装置の外観を示した図である。この印刷装置は、カラー印刷ができるハンディタイプのものであり、装置本体1を備えている。この装置本体1の上面には、カセット蓋(蓋体)2が開閉可能に設けられているとともに、このカセット蓋2の近傍にオン、オフ用スイッチや印刷開始用スイッチなどの各種のスイッチが配置されたスイッチ操作部3が設けられている。また、装置本体1の内部には、図2に示す印刷用のテープカセット4が着脱可能に装着するカセット収納部5がカセット蓋2の下方に対応して設けられている。
【0009】
カセット蓋2は、その後端部に取付部6が設けられ、この取付部6の下端部が装置本体1の背面に回動可能に取り付けられた構造になっている。このカセット蓋2の上面中央には凹部7が設けられており、この凹部7内の中央から左側には、印刷情報やスイッチ操作部3の入力情報などを表示する表示部8が設けられている。また、カセット蓋2の下面の両側には、カセット蓋2の開閉動作時にテープカセット4の側面に形成された鍔部4aを上方から押圧し、このテープカセット4を装置本体1に固定するガイド突起9が下方に突出して設けられており、カセット蓋2の先端部の下面には、図4に示すように、カセット蓋2を閉じた際に、装置本体1内の係止部10に係脱可能に係止されるフック部11が設けられている。なお、係止部10は、装置本体1の上面に設けられたプッシュ釦12の押圧操作により、カセット蓋2のフック部11に対する係止を解除する構造になっている。
【0010】
カセット収納部5内に装着されるテープカセット4は、図2に示すようなカセットケース13を備えている。このカセットケース13内には、被印刷テープ14が巻かれたテープ供給リール15、インクリボン16が巻かれたリボン供給リール17、およびインクリボン16を巻き取るリボン巻取リール18が設けられている。この状態では、テープ供給リール15から繰り出された被印刷テープ14と、リボン供給リール17から繰り出されたインクリボン16とが、カセットケース13の一側部に設けられた切欠凹部19内で重なり合った状態で移動可能に配置されている。なお、インクリボン16は、カラーインクテープであり、所定長さごとに青色インク部、赤色インク部、黄色インク部、透明なラミネート部などのカラーインク部を順次連続させた構造になっている。
【0011】
装置本体1内のカセット収納部5内には、図2および図7に示すように、発熱タイプの印刷ヘッド20、プラテンローラ21、テープ供給軸22、およびリボン巻取軸23が起立した状態で配置され、カセットケース13のテープ供給リール15の筒部にテープ供給軸22が挿入し、リボン巻取リール18の筒部にリボン巻取軸23が挿入し、カセットケース13の切欠凹部19に印刷ヘッド20が挿入することにより、互いに重なり合った被印刷テープ14とインクリボン16とが印刷ヘッド20とプラテンローラ21との間に配置されて、テープカセット4が装着される。この状態では、印刷ヘッド20によってインクリボン16のインクが被印刷テープ14に転写可能な状態となる。なお、印刷された被印刷テープ14は装置本体1のテープ排出口24から外部に排出され、また印刷を行なったインクリボン16はカセットケース13内のリボン巻取リール18に巻き取られる。
【0012】
印刷ヘッド20は、多数の発熱素子が上下方向に配列形成され、これら各発熱素子が印刷情報に応じて適宜発熱するサーマルヘッドであり、図8および図9に示すように、装置本体1内のシャーシ25上に下端部が固定されて立設された保護部材26内に固定され、これによりシャーシ25上に起立した状態で配置されている。なお、シャーシ25および保護部材26は、ステンレスなどの硬質材料からなる機械的強度の高いものであり、必要な個所が適宜屈曲形成された構造になっている。
【0013】
プラテンローラ21は、ゴムなどの弾性材料からなり、図8〜図11に示すように、その中心に設けられた軸21aが上下に突出し、この突出した軸21aの上下端部がコ字状の支持部材27に回転自在に取り付けられている。この支持部材27は支持軸28に回動可能に取り付けられており、この支持軸28は、その下端部がシャーシ25上に固定されて立設されているとともに、その上端部が支持部材27の上方に位置するシャーシ25の上部取付部(シャーシ25の一部)25aに固定され、これにより上下端部がシャーシ25に対して固定されている。また、プラテンローラ21は、支持部材27の背面がシャーシ25に設けられたコイルバネ29によって印刷ヘッド20に向けて付勢され、この状態で後述するカム部材30の回転に応じて支持部材27が支持軸28を中心に回動することにより、印刷ヘッド20に接近離間する構造になっている。
【0014】
支持軸28の上端部が固定されたシャーシ25の上部取付部25a上には、図2〜図5に示すように、間隔規制部材31がカセット蓋2の凹部7の中央から右側に対応して設けられている。この間隔規制部材31は、ステンレスなどの硬質材料からなる平板部32の一端部が軸ピン33によってシャーシ25の上部取付部25aに切り起された取付片34に回動可能に取り付けられ、平板部32の他端部に係合孔32aが設けられ、この係合孔32aが印刷ヘッド20の保護部材26上に一体に形成された係止突起35に係脱可能に係合し、これにより印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上端部間を一定間隔に規制する構造になっている。
【0015】
また、この間隔規制部材31は、軸ピン33に取り付けられたトーションバネ36によって平板部32がほぼ垂直に起立するように付勢され、このトーションバネ36のバネ力によって平板部32が起立する際に、カセット蓋2を押し上げて開く構造になっている。なお、平板部32の上面には、係合孔32aの上部を覆うとともにカセット蓋2の内面に接触する合成樹脂製のカバー37が取り付けられている。また、印刷ヘッド20の保護部材26の上端面には、平板部32の衝撃を緩和する合成樹脂製の緩衝部材(図示せず)が配置されていることが望ましい。
【0016】
一方、印刷ヘッド20およびプラテンローラ21の近傍におけるテープ排出口24側には、図8および図9に示すように、被印刷テープ14を切断するカッタ装置40が設けられている。このカッタ装置40は、シャーシ25に下端部が固定されて被印刷テープ14の通路縁にほぼ垂直に起立した固定刃41と、この固定刃41の下端部にカシメピン42aによって回転可能に取り付けられた可動刃42とからなり、可動刃42の下部から後方に延出されたカッタアーム部43がカム部材30の回転に応じて上下方向に回動することにより、可動刃42が固定刃41に対し接近離間する方向に回動して、印刷された被印刷テープ14を切断する構造になっている。
【0017】
カム部材30は、プラテンローラ21およびカッタ装置40の動作を制御するものであり、図13に示すように円柱状に形成され、図8〜図11に示すようにプラテンローラ21の後方に位置する個所のシャーシ25上に立設された固定軸44に回転可能に取り付けられている。このカム部材30の上端面には、図13(a)に示すように、プラテンローラ21を印刷ヘッド20に接離させるための渦巻状の第1カム溝45が形成されており、またカム部材30の外周面には、図13(a)に示すように、カッタ装置40の可動刃42を回動させるための螺旋状の第2カム溝50が形成されている。
【0018】
第1カム溝45は、外周縁から固定軸44に向けて湾曲状に形成されたローラ駆動溝部46と、これに連続して固定軸44を中心とする円に沿って形成されたほぼ半円弧状の非駆動溝部47とからなり、図19〜図23に示すように、支持部材27の背面から突出したローラアーム部48の先端部に設けられた連結ピン49が移動可能に挿入されている。この第1カム溝45は、連結ピン49がローラ駆動溝部46内の外周縁に位置した状態が、プラテンローラ21を印刷ヘッド20から離間させる初期状態であり、連結ピン49がローラ駆動溝部46内の外周縁から固定軸44に向けて相対的に移動する際に、プラテンローラ21を印刷ヘッド20に接近させ、また連結ピン49が非駆動溝部47内を相対的に移動する際には、非駆動溝部47が固定軸44を中心に回転移動するだけで、連結ピン49は静止状態を保ち、ローラアーム部48は移動せずに、プラテンローラ21が印刷ヘッド20に圧接した状態を維持する構造になっている。
【0019】
また、第2カム溝50は、カム部材30の下端縁に沿ってほぼ環状に形成された非駆動溝部51と、この非駆動溝部51に連続して螺旋状に上端側に延びる切断駆動溝部52とからなり、図19〜図23に示すように、可動刃42のカッタアーム部43の先端部に設けられた連結ピン53が移動可能に挿入されている。この第2カム溝50は、連結ピン53が非駆動溝部51内を相対的に移動する際には非駆動溝部51が固定軸44に対し直交する方向に移動するだけで、連結ピン53は静止状態を保ち、カッタアーム部43が上下方向に回動しないため、カッタ装置40は動作せず、また連結ピン53が切断駆動溝部52内を下部側から上部側に向けて移動する際に、カッタアーム部43を上方に向けて回動させ、可動刃42を固定刃41に接近させて被印刷テープ14を切断し、さらに連結ピン53が切断駆動溝部52内を上部側から下部側に向けて移動する際には、カッタアーム部43を下方に向けて回動させ、可動刃42を固定刃41から離間させる構造になっている。
【0020】
このカム部材30を駆動するカム駆動機構55は、図12に示すように、第1モータ56と、この第1モータ56の出力軸に設けられたねじ状の軸歯車57と、この軸歯車57に噛み合って回転する大径の第1中間歯車58と、この第1中間歯車58に一体に設けられた小径の第1中間歯車59と、この小径の第1中間歯車59に噛み合って回転する大径の第2中間車60と、この大径の第2中間歯車60に一体に設けられた小径の第2中間歯車61と、この小径の第2中間歯車61に噛み合って回転するカム従動歯車62とからなっている。この場合、カム従動歯車62は、カム部材30の下端面一体的に設けられている。また、各歯車56〜61がシャーシ25の下面に設けられた取付板63にそれぞれ軸64によって回転自在に取り付けられている。
【0021】
また、カム部材30の下方におけるシャーシ25には、図10および図11に示すように、カム部材30の回転位置を検出する回転位置検出器65が取り付けられている。この回転位置検出器65は、図13(b)に示すように、発光素子と受光素子とからなる反射型の第1、第2位置センサ65a、65bを基板65c上に配置したものであり、カム部材30のカム従動歯車62の下面に設けられた光反射部62a〜62dで反射された光を受光することにより、カム部材30の回転位置を検出し、この検出信号に基づいてカム駆動機構55および後述する印刷駆動機構66を制御する構造になっている。この場合、第1位置センサ65aは、カム従動歯車62の周縁部側の所定位置に設けられた光反射部62a、62bを検出することにより、カム部材30における印刷位置および切断終了位置を検出する。また、第2位置センサ65bは、カム従動歯車62の中心部側の所定位置に設けられた他の2つの光反射部62c、62dを検出することにより、プラテンローラ21の初期位置および印刷ヘッド20に対する圧接位置を検出する。なお、カム従動歯車62は、それ自体または下面が黒色であることが望ましい。
【0022】
印刷駆動機構66は、印刷時にプラテンローラ21、テープ供給軸22、リボン巻取軸23を駆動するためのものであり、図12に示すように、シャーシ25上に設けられた第2モータ67と、この第2モータ67の回転を減速する減速歯車列68と、この減速歯車列68で減速された第2モータ67の正回転をプラテンローラ21に伝達するローラ伝達歯車列69、プラテンローラ21に伝達された回転をリボン巻取軸23に伝達するリボン伝達歯車列70と、減速歯車列68で減速された第2モータ67の逆回転をテープ供給軸22に伝達するテープ巻戻伝達歯車列71とからなっている。減速歯車列68は、第2モータ67の出力軸に設けられた軸歯車72と、この軸歯車72に噛み合って回転する大歯車73と、この大歯車73に一体に設けられた小歯車74と、この小歯車74に噛み合って回転する大径の伝達歯車75と、この伝達歯車75に一体に設けられた小径の伝達歯車76とからなり、これらがシャーシ25上に設けられた各軸77に回転自在に取り付けられた構造になっている。
【0023】
ローラ伝達歯車列69は、減速歯車列68の小径の伝達歯車71に噛み合って回転するクラッチ歯車78と、このクラッチ歯車78に噛み合って回転する大径の第1中間歯車79と、この第1中間歯車79に一体に設けられた小径の第1中間歯車80に噛み合って回転する大径の第2中間歯車81と、この第2中間歯車81に一体に設けられた小径の第2中間歯車82に噛み合って回転する大径のローラ伝達歯車83と、このローラ伝達歯車83に一体に設けられた小径のローラ伝達歯車84に噛み合って回転するローラ従動歯車85とからなっている。この場合、ローラ従動歯車85は、プラテンローラ21の下端部に一体に設けられている。また、ローラ伝達歯車83、84は、プラテンローラ21の支持軸28に回転可能に取り付けられ、これによりプラテンローラ21が支持軸28を中心に回動移動しても、ローラ従動歯車85が常にローラ伝達歯車84に噛み合う構造になっている。なお、クラッチ歯車78および各中間歯車79〜82は、シャーシ25上に設けられた各軸77に回転自在に取り付けられている。
【0024】
ところで、クラッチ歯車78は、一方向の回転のみを伝達するワンウェイクラッチであり、図14に示すように、減速歯車列68の小径の伝達歯車71に噛み合う従動歯車86と、この従動歯車86が回転自在に取り付けられて大径の第1中間歯車79に噛み合う伝達歯車87と、従動歯車86に設けられた収納部88内にそれぞれ配置されて伝達歯車87の内歯(図示せず)に噛み合って回転する複数の小歯車89とからなり、従動歯車86が一方向に回転して小歯車89が収納部88内の係止部88aに係止されたときに、従動歯車86と伝達歯車87とが一体的に回転し、また従動歯車86が逆方向に回転して小歯車89が収納部88内の係止部88aから離脱したときに、従動歯車86のみが回転し、伝達歯車87は回転しない構造になっている。
【0025】
リボン伝達歯車列70は、支持軸28に回転自在に取り付けられたローラ伝達歯車列69の大径のローラ伝達歯車に噛み合って回転する中間歯車90と、この中間歯車90に噛み合って回転するリボン従動歯車91とからなり、このリボン従動歯車91がリボン巻取軸23に取り付けられ、これによりリボン巻取軸23がプラテンローラ21と同期して回転する構造になっている。なお、中間歯車90は、シャーシ25上に設けられた軸77に回転自在に取り付けられている。
【0026】
テープ巻戻伝達歯車列71は、減速歯車列68の小径の伝達歯車76に噛み合って回転する第1中間歯車92と、この第1中間歯車92に噛み合って回転する大径の第2中間歯車93と、この第2中間歯車93に一体に設けられた小径の第3中間歯車94と、この第3中間歯車94に噛み合って回転する遊星歯車95と、この遊星歯車95が接離可能に噛み合って回転するテープ従動歯車96とからなっている。この場合、テープ従動歯車96はテープ供給軸22に取り付けられ、第1〜第3中間歯車92〜94はシャーシ25上に設けられた各軸77に回転自在に取り付けられている。また、遊星歯車95は第2、第3中間歯車93、94の軸77に回転自在に取り付けられた歯車アーム部97上に回転自在に取り付けられている。歯車アーム部97は、第2モータ67の正回転が遊星歯車95に伝達されると、遊星歯車95をテープ従動歯車96から離間させ、逆に第2モータ67の逆回転が遊星歯車95に伝達されると、遊星歯車95をテープ従動歯車96に接近させて噛み合わせるように回動する構造になっている。
【0027】
なお、プラテンローラ21を回転自在に支持する支持部材27には、図15〜図17に示すように、被印刷テープ14がプラテンローラ21に巻き込まれたことを検出する紙詰まりセンサ98がプラテンローラ21に対応して常に一定の間隔となるよう支持部材27に固定されている。この紙詰まりセンサ98は、発光素子と受光素子とからなる反射型のものであり、発光素子で発光した光の反射光を受光素子で受光して電気信号として出力する構造になっている。すなわち、この紙詰まりセンサ98は、発光素子からの光がプラテンローラ21に照射された状態ではプラテンローラ21がゴムなどからなる黒色であるから光が吸収され、受光素子での反射光の受光量が少なく、また被印刷テープ14がプラテンローラ21に巻き込まれて、図16および図17に示すように被印刷テープ14がプラテンローラ21と支持部材27との間に挿入すると、発光素子からの光が被印刷テープ14で反射され、この反射光を受光素子で受光すると、受光素子による受光量が多くなり、図18に示すように受光素子からの起電流が急激に高くなり、これにより紙詰まりを検出する構造になっている。
【0028】
次に、この印刷装置でカラー印刷をする場合について説明する。
まず、装置本体1のカセット収納部5内にテープカセット4を装着する。このときには、プラテンローラ21が印刷ヘッド20から離間しており、これらの間にカセットケース13の切欠凹部19内で重なった被印刷テープ14とインクリボン16とを配置するとともに、カセットケース13のテープ供給リール15の筒部にテープ供給軸22を挿入し、リボン巻取リール18の筒部にリボン巻取軸23を挿入する。この状態で、カセット蓋2を閉じてカセット蓋2のフック部11を装置本体1内の係止部10に係止させる。このときには、カセット蓋2の内面によって間隔規制部材31がトーションバネ36のバネ力に抗して押し下げられるので、間隔規制部材31の平板部32が軸ピン33を中心に回動し、平板部32の係合孔32aが印刷ヘッド20の保護部材26の上端に設けられた係止突起35に係合し、これによりプラテンローラ21と印刷ヘッド20の各上端部間が一定間隔に規制される。
【0029】
この状態で、装置本体1上のスイッチ操作部3を操作して印刷開始を指令する。すると、まず、カム駆動機構55の第1モータ56が正回転し、その回転が軸歯車57、第1中間歯車58、59、第2中間歯車60、61、およびカム従動歯車62を介してカム部材30に伝達され、これによりカム部材30が回転する。このときには、図19に示すようにカム部材30の上端面に設けられた第1カム溝45のローラ駆動溝部46内を連結ピン49が外周縁から固定軸44に向けて移動し、支持部材27のローラアーム部48が支持部材27を印刷ヘッド20に向けて移動させることになり、これにより支持部材27が支持軸28を中心に回動してプラテンローラ21を印刷ヘッド20に接近させる。そして、図20に示すように連結ピン49が固定軸44に接近すると、プラテンローラ21が印刷ヘッド20に押し付けられる。これにより、プラテンローラ21と印刷ヘッド20との間に被印刷テープ14とインクリボン16とが挾み付けられ、印刷が可能な状態になる。
【0030】
このときには、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上端部間が間隔規制部材31によって一定間隔に規制されているので、印刷ヘッド20にプラテンローラ21が圧接しても、これら各上端部が従来のように相対的に離れることがなく、両者を均一に圧接させることができ、このため印刷ヘッド20およびプラテンローラ21の上部側と下部側とで印刷状態に差が生じないようになり、均一な印刷が可能になる。
【0031】
このように印刷が可能な状態になると、カム駆動機構55の第1モータ56が停止し、回転位置検出器65からの検出信号に基づいて印刷駆動機構66が動作を開始する。すなわち、印刷駆動機構66の第2モータ67が正回転し、その回転が減速歯車列68およびローラ伝達歯車列69を介してプラテンローラ21に伝達されるとともに、ローラ伝達歯車列69およびリボン伝達歯車列70を介してリボン巻取軸23に伝達される。このときには、ローラ伝達歯車列69のクラッチ歯車78の従動歯車86が減速歯車列68の小径の伝達歯車71に噛み合って正回転するので、小歯車89が収納部88内の係止部88aに係止され、これにより伝達歯車87が従動歯車86と一体的に回転することになり、この回転が各中間歯車79〜82、および各ローラ伝達歯車83、84を介してローラ従動歯車85に伝達される。これにより、プラテンローラ21が回転して被印刷テープ14が送り出されるとともに、リボン巻取軸23が回転し、リボン巻取リール18がインクリボン16の巻き取りを開始する。
【0032】
これと同時に、印刷ヘッド20の各発熱素子が印刷情報に応じて発熱し、インクリボン16のカラーインク、例えば青色インクが被印刷テープ14に順次転写される。なお、このときには、第2モータ67の正回転がテープ巻戻伝達歯車列71の遊星歯車95に伝達されるので、歯車アーム部97が遊星歯車95をテープ従動歯車96から離間させることになり、これにより遊星歯車95の回転がテープ従動歯車96に伝達されず、カセットケース13内のテープ供給リール15が逆回転することはない。
【0033】
そして、1つの色(例えば青色インク)の印刷が終了すると、被印刷テープ14を巻き戻して、次の異なるカラーインクの印刷を行なう。この場合には、まず、カム駆動機構55の第1モータ56が逆回転し、その回転が軸歯車57、各中間歯車58〜61、およびカム従動歯車62を介してカム部材30に伝達され、これによりカム部材30が逆回転する。すると、図20に示すようにカム部材30の第1カム溝45のローラ駆動溝部46内を連結ピン49が固定軸44側から図19に示す外周縁に向けて移動して初期位置に戻る。これにより、ローラアーム部48が支持軸28を中心に支持部材27を回動させるので、プラテンローラ21が印刷ヘッド20から離間し、被印刷テープ14およびインクリボン16の挾み付けを解除する。
【0034】
このようにプラテンローラ21が印刷ヘッド20から離間すると、回転位置検出器65からの検出信号に基づいて、第1モータ56の回転が停止すると、印刷駆動機構66の第2モータ67が逆回転を開始する。すると、その回転が減速歯車列68介してテープ巻戻伝達歯車列71に伝達され、遊星歯車95が逆回転するので、歯車アーム部97が遊星歯車95をテープ従動歯車96に接近させて噛み合わせる。これにより、第2モータ67の逆回転がテープ供給軸22に伝達され、カセットケース13内のテープ供給リール15が逆回転し、印刷された被印刷テープ14が巻き戻される。なお、このときには、ローラ伝達歯車列69のクラッチ歯車78の従動歯車86が減速歯車列68の小径の伝達歯車71に噛み合って逆回転するので、小歯車89が収納部88内の係止部88aに係止されず、従動歯車86のみが回転し、伝達歯車87が回転しないため、第2モータ67の逆回転が各中間歯車79〜82に伝達されず、これによりプラテンローラ21およびリボン巻取軸23は回転しない。
【0035】
そして、被印刷テープ14が印刷された分だけ巻き戻されると、再びカム駆動機構55の第1モータ56が正回転し、カム部材30を回転させて、プラテンローラ21を印刷ヘッド20に接近させる。これにより、再びプラテンローラ21と印刷ヘッド20との間に被印刷テープ14とインクリボン16とが挾み付けられ、印刷可能な状態になる。すると、第1モータ56の回転が停止し、印刷駆動機構66の第2モータ67が再び正回転する。これにより、プラテンローラ21およびリボン巻取軸23が回転するとともに、印刷ヘッド20が発熱駆動されてインクリボン16の次の異なるカラーインク、例えば赤色インクを被印刷テープ14に転写する。このような印刷動作を各色ごとに順次繰り返し行ない、最後に透明なラミネートが印刷されると、カラー印刷が終了する。
【0036】
カラー印刷が終了すると、カム駆動機構55の第2モータ56を正回転させてカッタ装置40による被印刷テープ14の切断を開始する。このときには、カム部材30が正回転し、カッタアーム部43が上方に回動して、印刷された被印刷テープ14を切断する。すると、第1モータ56が逆回転を開始し、カム部材30を逆回転させ、カッタ装置40の可動刃42を上記とは逆に動作させ、固定刃41から離間させて初期位置に戻るとともに、プラテンローラ21が印刷ヘッド20から離間して初期位置に戻り、テープカセット4が着脱可能な状態になる。
【0037】
ところで、上記のように印刷を行なっているときに、印刷された被印刷テープ14の先端がテープ排出口24あるいはカッタ装置40の固定刃41などにひっかかった状態で印刷が継続されると、印刷された被印刷テープ14が順次送り出されるため、被印刷テープ14が図16および図17に示すようにプラテンローラ21に巻き込まれて紙詰まりを起すことがある。このような場合には、巻き込まれた被印刷テープ14がプラテンローラ21と支持部材27の間に挿入するため、この被印刷テープ14が支持部材27に設けられた紙詰まりセンサ98によって検出され、この紙詰まりセンサ98からの検出信号に基づいて第2モータ67の回転が停止され、紙つまりを警告する。
【0038】
すなわち、紙詰まりセンサ98は、発光素子からの光が通常はプラテンローラ21に照射され、その反射光の光量が少ないが、プラテンローラ21と支持部材27の間に被印刷テープ14が挿入すると、この被印刷テープ14で発光素子からの光が反射されるため、反射光の光量が多くなり、この反射光を受光素子で受光するので、受光素子による受光量が多くなり、図18に示すように受光素子からの起電流が急激に高くなるため、紙詰まりが検出される。このようにして、紙詰まりセンサ98が被印刷テープ14を検知すると、この紙詰まりセンサ98の検出信号に基づいて印刷駆動機構66の第2モータ67が緊急停止するとともに、表示部4にエラーメッセージを表示する。このため、被印刷テープ14およびインクリボン16の浪費、被印刷テープ14の過度の巻き付き、無理に被印刷テープ14を取り出すときに生じる装置本体1の破損などを回避することができる。
【0039】
このように、この印刷装置では、プラテンローラ21の支持部材27が取り付けられる支持軸28の下端部がシャーシ25に固定され、この支持軸28の上端部がシャーシ25の上部取付部25aに固定され、このシャーシ25の上部取付部25aに間隔規制部材31が軸ピン33によって回動可能に取り付けられ、この間隔規制部材31の係合孔32aをシャーシ25に起立して設けられた保護部材26の上端部の係止突起35に係止させることにより、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上端部間を一定間隔に規制しているので、印刷時に印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上部が相対的に離れるのを防ぐことができ、両者を均一に圧接させることができ、このため印刷ヘッド20およびプラテンローラ21の上部側と下部側とで印刷状態に差が生じることがなく、均一な印刷ができ、これにより印刷品質を向上させることができる。
【0040】
この場合には、特に、プラテンローラ21の支持軸28の下端部がシャーシ25に固定され、その上端部がシャーシ25の上部取付部25aに固定されているので、支持軸28がシャーシ25に強固に固定され、これによりプラテンローラ21をシャーシ25に対して強固に固定することができ、しかも支持軸28の上端部を固定したシャーシ25の上部取付部25aに間隔規制部材31を設け、この間隔規制部材31で印刷ヘッド20の上端部を係止するので、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上部が相対的に離れるのを確実に防ぐことができる。
【0041】
また、間隔規制部材31は、トーションバネ36によってシャーシ25の上部取付部25a上に起立するように付勢されているので、カセット収納部5にテープカセット4を装着する際、間隔規制部材31が邪魔にならず、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との間に被印刷テープ14およびインクリボン16を容易に挿入させることができ、またカセット蓋2を開く際には、装置本体1の上面に設けられたプッシュ釦12を押圧操作して、係止部10によるカセット蓋2のフック部11の係止を解除すれば、トーションバネ36のバネ力によって起立する間隔規制部材31がカセット蓋2を押し上げるので、カセット蓋2を自動的に開くことができる。
【0042】
[第2実施形態]
次に、図21を参照して、この発明の印刷装置の第2実施形態について説明する。なお、図1〜図20に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図21に示された印刷装置は、印刷ヘッド21が固定される保護部材26の下端部がシャーシ25に固定され、これにより保護部材26がシャーシ25上に起立した状態で取り付けられ、この保護部材27の上端部に間隔規制部材31の平板部32が軸ピン33によって回動可能に取り付けられ、この平板部32に係合孔32aが設けられ、この係合孔32aがシャーシ25の上部取付部25a上に設けられた係合突起100に係脱可能に係合することにより、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との上端部間を一定間隔に規制する構造になっている。
【0043】
また、この印刷装置は、間隔規制部材31の軸ピン33にトーションバネ36が取り付けられ、このトーションバネ36によって平板部32が起立するように付勢された構造になっており、これら以外は第1実施形態と同様の構造になっている。すなわち、この場合においても、プラテンローラ21の支持部材27を回転自在に支持する支持軸28は、その下端部がシャーシ25に固定され、その上端部がシャーシ25の上部取付部25aに固定され、これにより上下端部がシャーシ25に対して起立した状態で固定されている。
【0044】
このような印刷装置では、装置本体1のカセット収納部5にテープカセット4を装着し、この状態でカセット蓋2を閉じてカセット蓋2のフック部11をカセット収納部5内の係止部10に係止させる際に、カセット蓋2の内面によって間隔規制部材31の平板部32がトーションバネ36のバネ力に抗して押し下げられ、これにより平板部32が軸ピン33を中心に回動し、平板部32の係合孔32aがシャーシ25の上部取付部25aに設けられた係止突起100に係合し、これにより印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上端部間が一定間隔に規制される。このため、第1実施形態と同様、印刷時に印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上部が相対的に離れるのを防ぐことができ、両者を均一に圧接させることができ、これにより印刷ヘッド20およびプラテンローラ21の上部側と下部側とで印刷状態に差が生じることがなく、均一な印刷が可能になり、印刷品質を向上させることができる。
【0045】
この場合にも、プラテンローラ21の支持軸28の下端部がシャーシ25に固定され、その上端部がシャーシ25の上部取付部25aに固定され、これにより支持軸28がシャーシ25に強固に固定され、これによりプラテンローラ21をシャーシ25に対して強固に固定されているので、印刷ヘッド20を固定する保護部材27の下端部のみがシャーシ25に固定されているだけでも、保護部材26の上端部に設けられた間隔規制部材31によって、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上部が相対的に離れるのを確実に防ぐことができる。
【0046】
また、間隔規制部材31は、トーションバネ36によって保護部材26の上端部上に起立するように付勢されているので、第1実施形態と同様、カセット収納部5にテープカセット4を装着する際、間隔規制部材31が邪魔にならず、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との間に被印刷テープ14およびインクリボン16を容易に挿入させることができ、またカセット蓋2を開く際には、装置本体1の上面に設けられたプッシュ釦12を押圧操作して、係止部10によるカセット蓋2のフック部11の係止を解除すれば、トーションバネ36のバネ力によって起立する間隔規制部材31がカセット蓋2を押し上げるので、カセット蓋2を自動的に開くことができる。
【0047】
[第3実施形態]
次に、図22および図23を参照して、この発明の印刷装置の第3実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図20に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図22および図23に示された印刷装置は、装置本体1に開閉可能に取り付けられたカセット蓋2の内面に間隔規制部材110を設け、この間隔規制部材110の下面に係合凹部111を設け、この係合凹部11を印刷ヘッド20の保護部材26の上端部に設けられた係止突起35に係脱可能に係合させ、これにより保護部材26の上端部を固定し、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上端部間を一定間隔に規制する構造になっており、これ以外は第1実施形態と同様の構造になっている。この場合にも、印刷ヘッド21が固定される保護部材26は、その下端部がシャーシ25に固定され、これによりシャーシ25上に起立した状態で取り付けられている。また、プラテンローラ21の支持部材27を回転自在に支持する支持軸28は、その下端部がシャーシ25に固定され、その上端部がシャーシ25の上部取付部25aに固定され、これにより上下端部がシャーシ25に対して起立した状態で固定されている。
【0048】
このような印刷装置では、装置本体1のカセット収納部5にテープカセット4を装着し、この状態でカセット蓋2を閉じてカセット蓋2のフック部11をカセット収納部5内の係止部10に係止させると、カセット蓋2の内面に設けられた間隔規制部材110の係合凹部111が保護部材26の上端部に設けられた係止突起35に係合し、保護部材26の上端部を固定するので、印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上端部間を一定間隔に規制することができる。このため、第1実施形態と同様、印刷時に印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上部が相対的に離れるのを防ぐことができ、両者を均一に圧接させることができ、これにより印刷ヘッド20およびプラテンローラ21の上部側と下部側とで印刷状態に差が生じることがなく、均一な印刷が可能になり、印刷品質の向上を図ることができる。
【0049】
なお、上記第3実施形態では、間隔規制部材110に係合凹部111のみを設け、この係合凹部111を保護部材26の係止突起35に係脱可能に係合させたが、これに限らず、例えばプラテンローラ21の支持軸28の上端部を固定するシャーシ25の上部取付部25aにも係合突起を設け、この係合突起に係脱可能に係合する係止凹部と、保護部材26の係止突起35に係脱可能に係合する係合凹部とを間隔規制部材に設け、この間隔規制部材によって印刷ヘッド20とプラテンローラ21との各上端部間を一定間隔に規制するようにしても良い。
【0050】
また、上記第1〜第3実施形態のいずれにおいても、プラテンローラ21の支持部材27を回転自在に支持する支持軸28は、その下端部がシャーシ25に固定され、その上端部がシャーシ25の上部取付部25aに固定され、これにより上下端部がシャーシ25に対して起立した状態で固定されているが、これに限らず、支持軸28の下端部のみをシャーシ25に固定して起立させ、この支持軸28に取り付けられた支持部材27、または下端部のみが固定された印刷ヘッド20の保護部材26のいずれか一方の上端部に間隔規制部材を設け、この間隔規制部材でいずれか他方の上端部を係脱可能に係止するようにしても良く、またシャーシ25に間隔規制部材を設け、この間隔規制部材で支持部材27および保護部材の両者の上端部を係脱可能に係止するようにしても良い。
【0051】
さらに、上記第1〜第3実施形態では、印刷ヘッド20をシャーシ25に対して固定し、プラテンローラ21をシャーシ25に移動可能に取り付けて、プラテンローラ21を印刷ヘッド20に接近離間させるようにした構造について述べたが、これに限らず、プラテンローラ21をシャーシ25に対して固定し、印刷ヘッド20をシャーシ25に移動可能に取り付けて、印刷ヘッド20をプラテンローラ21に接近離間させるようにした構造のものにも適用することができる。
さらに、上記第1〜第3実施形態では、間隔規制部材を装置本体1内のシャーシ25の上部取付部25a、または印刷ヘッド20を固定する保護部材26の上端部、もしくはカセット蓋2の内面のいずれかに設けた場合について述べたが、これに限らず、装置本体1に設けても良い。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、印刷ヘッドおよびプラテンローラの上方を開閉自在に覆う蓋体または装置本体のいずれかに対して間隔規制部材を設け、この間隔規制部材によって印刷ヘッドとプラテンローラの少なくとも一方の上端部を係脱可能に係止することにより、印刷ヘッドとプラテンローラとの各上端部間を一定間隔に規制するので、印刷時に印刷ヘッドとプラテンローラとの各上部が相対的に離れるのを防ぎ、両者を均一に圧接させることができ、このため印刷ヘッドおよびプラテンローラの上部側と下部側とで印刷状態に差が生じることがなく、均一な印刷が可能になり、印刷品質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の印刷装置の第1実施形態を示した外観斜視図。
【図2】図1のカセット蓋を開いてテープカセットを装着する状態を示した斜視図。
【図3】図1の要部を破断した拡大平面図。
【図4】図1の要部を破断した拡大側面図。
【図5】図4のカセット蓋を開く途中の状態を示した拡大側面図。
【図6】図5のカセット蓋が完全に開いた状態の拡大側面図。
【図7】図1のカセット蓋が開いた状態での装置本体の平面図。
【図8】図1の装置本体の内部構造の要部を示した斜視図。
【図9】図8の状態においてカッタ装置による切断状態を示した斜視図。
【図10】間隔規制部材により印刷ヘッドとプラテンローラとの間隔を規制した状態で図8のA−A断面図。
【図11】間隔規制部材により印刷ヘッドとプラテンローラとの間隔を規制した状態で図9のB−B断面図。
【図12】装置本体内のカム駆動機構および印刷駆動機構を示した平面図。
【図13】カム部材を示し、(a)はその斜視図、(b)はその底面図。
【図14】クラッチ歯車の分解斜視図。
【図15】プラテンローラに対する紙詰まりセンサの位置関係を示した概略構成図。
【図16】図15において被印刷テープがプラテンローラに巻き込まれた状態を示した概略構成図。
【図17】図16の平面図。
【図18】紙詰まりセンサによって紙詰まりを検出したときの電流変化状態を示した図。
【図19】カム部材の初期位置におけるプラテンローラの動作位置を示した図。
【図20】カム部材が回転して連結ピンが第1カム溝のローラ駆動溝部と非駆動溝部との境界部分に到達したときにおけるプラテンローラの動作状態を示した図。
【図21】この発明の印刷装置の第2実施形態の要部を示した断面図。
【図22】この発明の印刷装置の第3実施形態においてカセット蓋を閉じた状態での要部を破断した側面図。
【図23】図22のカセット蓋を開いた状態の側面図。
【符号の説明】
1 装置本体
2 カセット蓋
20 印刷ヘッド
21 プラテンローラ
25 シャーシ
25a 上部取付部
26 保護部材
27 支持部材
28 支持軸
31、110 間隔規制部材
32a 係合孔
35、100 係止突起
36 トーションバネ
111 係合凹部
Claims (4)
- 印刷ヘッドおよびプラテンローラの少なくとも一方が装置本体に対して起立した状態で配置されるとともに、リボン巻取り軸が起立した状態で配置され、前記リボン巻取り軸に、インクリボンが巻かれたリボン供給リールを挿入し前記インクリボンを前記印刷ヘッドと前記プラテンローラとの間に配置して、前記印刷ヘッドおよび前記プラテンローラのいずれか一方が移動して互いに接離可能に圧接する印刷装置において、
前記印刷ヘッド、または前記プラテンローラ、または前記装置本体のいずれかに設けられ、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの前記起立している方の上端部を係脱可能に係止して、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラとを一定間隔に規制する間隔規制部材を備えたことを特徴とする印刷装置。 - 前記間隔規制部材は、前記装置本体内のシャーシ、または前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの上方を開閉自在に覆う蓋体のいずれかに設けられることを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 前記印刷ヘッドおよび前記プラテンローラは、その各下端部が前記装置本体内に設けられたシャーシに対して固定され、前記印刷ヘッドおよび前記プラテンローラのいずれか一方は、その上端部が前記シャーシの一部に対して固定され、かつ前記間隔規制部材は、前記上端部を固定した個所付近の前記シャーシの一部に取り付けられて、前記印刷ヘッドおよび前記プラテンローラのいずれか他方の上端部を係脱可能に係止することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 前記間隔規制部材は、バネ部材によって前記蓋体を押し上げて起立するように付勢されていることを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
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