JP3619865B2 - 液体の安定なチオール活性化剤 - Google Patents

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Description

背景
本発明は液体安定チオール活性化剤に関するものである。より詳細に述べるならば、本発明は酵素検定において試薬として有用な液体安定チオール活性化剤に関するものである。
診断的及び治療的決定は、種々の生理的流体中の種々の生物学的分子の迅速、正確かつ再現性のある検出及び定量を可能にする試薬及び方法によって促進される。関心とする生物学的分子は例えばアミノ酸、蛋白質、核酸またはステロイドまたはこれらの誘導体または代謝産物などの、天然または人工的に生産される物質である。生理的流体とは血液、血漿、血清、尿、羊水、胸膜液及び脳脊髄液を含む。
生理的流体のサンプル中の生物学的分子が、その生物学的分子の環境中にある物質、例えばその生物学的分子を含む溶液中の基質など、に及ぼすその生物学的分子の活性、影響または効果を検出することにより検出されることは稀ではない。生理的流体のテストサンプルを、生体内(in vivo)環境から非−生体生理学的な生体外(in vitro)環境に移す場合−−例えば患者の生理的流体のサンプルを試験管にとる場合−−テストサンプル中の多くの生物学的分子の活性は急速に低下する。そこで生物学的分子の生体内状態に等しい正常活性を正確に検定するためには、生物学的分子の活性を生体外で検定する前に、またはその検定時にその生物学的分子を再活性化することが必要である。関心とする種々の生物学的分子の再活性化には多くの異なるチオール化合物が用いられている。
酵素は適した基質との反応を触媒する蛋白質である。生理的流体サンプル中に存在する酵素またはその酵素の触媒活性の検出及び定量は、例えば疾病状態のようなからだの状態について重要な情報を提供する。
クレアチンキナーゼは全身の筋組織及び脳に存在する酵素である。クレアチンキナーゼは燐酸クレアチンからアデノシン二燐酸への燐酸転移を触媒し、それによってアデノシン三燐酸を形成する。こうしてクレアチンキナーゼは下記の可逆反応をどちらの方向にも触媒する:
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患者の生理的流体サンプル中のクレアチンキナーゼ及びそのイソ酵素の触媒活性の検定は筋肉病変、心臓疾患、心筋梗塞、進行性筋ジストロフィーのような筋疾患、並びに種々の神経系疾患及び精神障害の診断のための最も重要な臨床試験の1つである。
クレアチンキナーゼ触媒活性の試験に最も広く用いられる試験の1つはヘキソキナーゼ/グルコース−6−燐酸脱水素酵素検定であ
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る。これは簡単に“クレアチンキナーゼ検定”と呼ばれる。クレアチンキナーゼ検定は、一般には、次に記す反応中の還元型β−ニコチナミドアデニンジヌクレオチド(燐酸)の生成による波長約340nm4における吸光度の変化を分光光度計を用いて測定することによって行われる:
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生理的流体サンプルに存在するクレアチンキナーゼは生体内環境から取り出されると、可逆的であるとはいえ、速やかに不活性化される。テストサンプル中のクレアチンキナーゼ活性の生体内等価活性を正確に測定するために、クレアチンキナーゼを再活性化してその触媒活性を回復させる。再活性化は、クレアチンキナーゼ検定の実施前に適したチオール化合物をテストサンプルに加えることによって実現する。クレアチンキナーゼ活性検定の前にさらにキレート
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剤もテストサンプルに加えることが多い。これはクレアチンキナーゼの触媒活性を阻害するかも知れない不都合な金属イオン、例えばFe++が存在する場合にはそれを除去するためのものである。
生理的流体のテストサンプル中に存在するクレアチンキナーゼを再活性化するためには種々のチオール化合物、例えばメルカプトエタノール、モノチオグリセロール、グルタチオン及びN−アセチル−L−システインが用いられてきた。
クレアチンキナーゼに適したチオール活性化剤は次のようないくつかの要求を満たさなければならない;クレアチンキナーゼ触媒活性を速やかに、本質的に完全に再活性化する、テストサンプル中の蛋白質を沈殿しない、溶液に十分溶解する、不快臭がないなど。その上チオール活性化剤は凍結乾燥試薬キットに入れることができるように、凍結乾燥もでき、液化して使用することもできなければならない。さらに液化され、または再構成されたチオール活性化剤は、液体試薬として利用できるように、溶液中で少なくとも或る程度の最小の安定性はもっていなければならない。
チオール N−アセチル−L−システインはこれらの要求に適合し、4℃で1週間貯蔵した血清サンプル中でクレアチンキナーゼ触媒活性の少なくとも約99%を回復できることが知られている。そこでN−アセチル−L−システインはクレアチンキナーゼの再活性化剤として有用である。NACはクレアチンキナーゼの酸化スルフ
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ヒドリル官能基を還元することによって作用し、それによってクレアチンキナーゼ触媒活性を復活させると考えられる。
残念ながらNACを含む多くのチオール活性化剤は溶液中では不安定になり、速やかに品質が低下する。そこで多くのチオールは粉末状で貯蔵される。溶液中のチオールの質の低下はチオールのスルフヒドリル基の自己酸化によると考えられる。チオールの自己酸化はチオール溶液中のある種の多価金属カチオン(例えばFe++)の存在によって加速される。
チオール活性化剤NACの水溶液は4℃で約24時間だけ安定である。そこで、生理的流体のテストサンプル中に存在するクレアチンキナーゼの再活性化剤として使用する約24時間以上前につくられたNAC溶液を使用しても、クレアチンキナーゼの触媒活性を正確に検定することはできないであろう。
水溶液中のチオール活性化剤、例えばNAC、の品質低下はそのチオール水溶液にキレート剤を添加することによって幾分遅らせることができる。キレート剤はチオール溶液からある種の金属イオンを除去するようにはたらく。キレート剤、例えばEDTA7、EGTA8、及びBHN9などを用いてFe++のような多価金属カチオ
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ンをチオール活性化剤溶液から除去することができる。これによって水溶液中のチオールの安定性は改善する。例えば4℃で保存しているNAC水溶液にEDTAの適量を加えると溶液中に存在するNACの安定寿命が、したがって有用期間が約24時間から約5日間に増加することは公知である。
溶液中では不安定であることがよく知られているため、NACのようなチオール活性化剤は一般には凍結乾燥粉末として貯蔵される。凍結乾燥した粉末は使用時に水で再構成され、生物学的分子を活性化する。
チオールの再構成は誤差を生じる傾向があり、時間を消費し、種々の汚染物質を溶液内に導き、酵素化学的臨床検査室及び病院環境などの多量検定には明らかに不適当である。その上チオール粉末の再構成は、液体の安定な試薬を多量に必要とする自動検定処理法及びその機器の速度及び効率の完全な利用を阻害する。さらに再構成されたチオール溶液は不安定で、再構成されたチオール溶液に1つ以上のキレート剤を含ませても急速に品質が低下する。
そこで液体安定チオール溶液並びにそのような液体安定チオール溶液の製法が必要とされている。
概要
本発明は、生物学的分子を活性化するチオール活性化剤(活性体)、液体中でチオール活性化剤を安定化できる安定化剤、及びチオール活性化剤と安定化剤と金属とを溶解できる液体を含んでなる組成物に関する。重要なことは、チオール活性化剤が液体中で長期間安定であることである。
その組成物は生物学的分子の活性を促進するための金属イオンと、その他の不都合なイオンをその液体から除去するためのキレート剤も含むことができる。
本発明のその他の実施態様はチオール活性化剤、例えば遊離ラジカルスカベンジャーのような安定化剤、金属イオン、キレート剤、及びチオール活性化剤と安定化剤と金属イオンとキレート剤を溶解するための水性緩衝液を含む液体の安定なチオール活性化剤溶液である。緩衝液は液体安定チオール活性化剤溶液を好適には生理的pHに維持できる。
液体安定チオール活性化剤を作るための本発明の範囲内の方法は、チオール活性化剤、安定化剤、金属イオン及びキレート剤を溶解できる液体を選択し、チオール活性化剤を緩衝液に加え、安定化剤を緩衝液に加え、金属イオンを緩衝液に加え、そしてキレート剤を緩衝液に加える各工程を有することができる。
クレアチンキナーゼの検定は、液体安定チオール活性化剤溶液を調製し、テストサンプルを液体安定チオール活性化剤溶液を加え、そしてテストサンプル中のクレアチンキナーゼ活性を検出することにより、本発明に従って実施される。
本発明は、EDTA及びマンニトールをあらかじめ決めた濃度に溶液に加えることによって安定なNAC水溶液を調製する方法も含む。最後に、本発明はクレアチンキナーゼを検定するための水性試薬も含む。この試薬は、液体を生理的pHに維持するための緩衝液、N−アセチル−L−システイン、エチレンジアミン四酢酸、マンニトール、マグネシウム;それにグルコースも含むことができる。この試薬ではエチレンジアミン四酢酸及びマンニトールの濃度を選択し、緩衝液中のN−アセチル−L−システインの安定性を改善することができる。
説明
本発明は、液体安定チオール活性化剤溶液が、そのチオール活性化剤を含む液体に安定化剤を加えることによって作られるという発見に基づくものである。我々の発明の前にはチオール活性化剤、例えばN−アセチル−L−システインなどの液体安定チオール溶液は未知であった。
液体安定チオール活性化剤溶液として使用する適した組成物は、生物学的分子を活性化するチオール活性化剤、液体中のチオール活性化剤を安定化することができる安定化剤、及びチオール活性化剤及び安定化剤を溶解できる液体を含むことができる。このような組成物が、液体中で長期間安定である溶解チオール活性化剤の製造を可能にすることを我々は見いだした。
溶液中に存在するチオール活性化剤は次に示すようないかなる適したチオールであってもよい;グルタチオン、臭化 2−アミノエチルイソチオウロニウム、チオグリコール酸、システイン、メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、モノチオグリセロール、グルタチオン及びN−アセチル−L−システイン。液体安定チオール活性化剤溶液をクレアチンキナーゼ試薬として用いる場合、チオール活性化剤はN−アセチル−L−システインであることが好ましい、なぜならばそれはクレアチンキナーゼの再活性化に有効であることが知られているからである。
チオール活性化剤は、例えばクレアチンキナーゼ及び脂肪酸合成酵素などの種々の酵素及び2、3のリポ蛋白質を含む種々の生物学的分子を活性化するようにはたらく;この場合生物学的分子の三次元コンフォメーション構造(したがって生物学的活性)は少なくとも一部は、その分子中の−SH基の存在に依存する。
組成物中に存在する安定化剤は、溶液中の選択されたチオール活性化剤を安定化できるいかなる物質でもよい。種々の遊離ラジカルスカベンジャー、例えばイノシトール、トコフェロール、マンニトール、スーパーオキシドジムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、N−2−メルカプトプロピオニルグリシン、ジメチルチオ尿素、グルタチオン、21−アミノステロイド類、デフェロキサミン、アロプリノール、ジメチルスルフォキシド及びコエンチームQなどが安定化剤として使用できる。液体安定チオール溶液をクレアチンキナーゼ試薬として用いる場合には安定化剤は好適にはイノシトールかマンニトールである。水溶液中のNACを安定化するためにはマンニトールが特に適していることを我々は見いだした。
遊離ラジカル掃去性安定化剤はチオール活性化剤水溶液中約5mmol/L10から約550mmol/Lの濃度で用いられる。チオール水溶液中の約5mmol/L以下の遊離ラジカルスカベンジャーはかなりの量のチオールを安定化するには不十分である。チオール水溶液中の約550mmol/L以上の遊離ラジカルはその溶液
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に溶解するのはむずかしい。好適には安定化剤はチオール活性化剤水溶液中、約35mmol/Lから約100mmol/Lの濃度で用いられる。我々はこれを有効な安定化剤の濃度範囲と決めている。
安定化剤として使用される遊離ラジカルスカベンジャーは特にクレアチンキナーゼ試薬に存在するチオールを安定化するために用いられる。クレアチンキナーゼ試薬は生理的流体サンプル中に存在するクレアチンキナーゼを再活性化するために用いられる。一般的にはクレアチンキナーゼ検定は再活性化したクレアチンキナーゼ触媒活性を分光光学的吸光度測定法によって検出する。分光光学的検定法をこの目的で用いる場合、チオール活性化剤溶液(これはクレアチンキナーゼ試薬として用いられる)中に存在する安定化剤は測定波長ではほぼ透明であり、したがってクレアチンキナーゼ触媒活性を評価するために用いる吸光度測定を不当に妨害しないことが重要である。約600〜700nm以下の波長、例えば約340nmを用いて、クレアチンキナーゼ検定中のクレアチンキナーゼ触媒活性による吸光度増加を分光光学的に測定することがよくある。
クレアチンキナーゼ検定における試薬として液体安定チオール活性化剤溶液を用いる場合、組成物の液体成分は、クレアチンキナーゼ活性検定に一般に用いられる約300nm〜約700nmの典型的測定波長では低い吸光度をもつイミダゾール緩衝液からなるのが好適である。
液体安定チオール溶液はキレート剤も含むことができる。キレート剤はチオール活性化剤溶液中に存在する好ましくない金属イオン、例えば鉄イオンをキレート化することによってはたらくと考えられる。もしその溶液が鉄イオンを全く含まないならば、その溶液におけるキレート剤の必要は著しく減る。使用キレート剤の量に関する制約は、チオール活性化剤溶液中に存在する有用金属イオン、例えばMg、の過量のキレート化がおこり得るほど多量に存在することは望ましくないということである。
キレート剤、例えばEDTA、EGTAまたはBHNがチオール水溶液に存在するとき、そのキレート剤は約0.025mmol/L〜約4mmol/Lの濃度で使用するのが好適である。チオール水溶液中の約0.025mmol/L以下のキレート剤濃度は溶液中に存在するかも知れないかなりの量の好ましくない金属イオンを除去するには十分でない。約4mmol/L以上のキレート剤は有用金属イオン、例えばMg++の過量のキレート化をおこす。マグネシウムカチオンはクレアチン検定において重要な役割を演じ、したがって所望の金属イオンである。キレート剤が、我々によって有効キレート剤濃度範囲と決められた約0.5mmol/L〜約2mmol/Lの濃度範囲でチオール水溶液中に存在するのがより好適である。
クレアチンキナーゼ検定試薬として用いるためにNAC溶液を用意し、そのNAC水溶液にはEDTAも用いる場合、約35mmol/L〜約100mmol/Lのマンニトールまたはイノシトール、及び約0.5mmol/L〜約2mmol/LのEDTAをNAC水溶液に用いるのが好適である、というのは、マンニトール及びEDTAのこのような濃度がNACの有用な安定化水溶液を作ることを我々が見いだしたからである。
組成物に用いられる液体は、組成物中のそれぞれの所望濃度の成分すべての溶媒としてはたらくことができる適した液体、例えば水、である。上記組成物をクレアチンキナーゼ試薬として用いる場合、好適には上記液体は、上記液体を約6−8の生理的pHに維持することができる緩衝溶液である。最も好適にはクレアチンキナーゼ試薬のpHは約25℃で約6.7である;このとき最も正確な酵素測定ができる。
液体安定チオール溶液は生物学的分子の活性を促進することのできる金属イオンも含むことができる。活性化すべき生物学的分子がクレアチンキナーゼである場合にはその金属イオンは好適にはマグネシウムカチオンである。マグネシウムカチオンは、クレアチンキナーゼがADPからATPへの燐酸化を触媒している間、ADPと配位化合物を作ることによって機能すると考えられる。
液体安定チオール活性化剤溶液は、チオール活性化剤を溶解できる緩衝液と、安定化剤と、金属イオンとキレート剤とを先ず最初に選択することによって準備される。溶液を作る方法の次の段階はチオール活性化剤、安定化剤、金属イオン及びキレート剤を緩衝液に加えることである。
本発明の重要な側面は、組成物の液中に存在するチオール活性化剤は、その組成物を約4℃で遮光した気密ビンまたはその他の容器に貯蔵した場合、少なくとも約1年間はその活性化能力を実質上減らさずに維持することができるという点である。我々の発明の組成物中のチオール活性化剤はそのような保存状態で約2年または3年も液状で安定である。
その上、我々の発明の範囲内の組成物のチオール活性化剤は少なくとも約28日の開放ビン寿命(すなわち使用する溶液部分及び残りの保存部分をその溶液を再び使用するまで約4℃で開放容器中で保存する有効期間)をもち、その間この組成物はチオール活性化能力を実質上変化されずに保持することが見いだされた。我々の発明の安定チオール溶液は、調製して4℃で開放ビン中に保存した後、60日以上も溶液中チオールの開放ビン安定性を保持することができる。その間このような条件下で保存した溶液中のチオールの安定性には顕著な変化は見られない。
チオールの安定性を実質的に未変化に保持することは、我々の発明のチオール溶液が指示された保存条件下で指示された期間を通じて使用でき、生体外環境におかれた生物学的分子をその分子の生体内と等価の生物学的活性まで復活させることができることを意味する。
上記組成物は、糖分子、例えばグルコースを含み、それによってクレアチンキナーゼ検定の検出可能な最終産物の生成を助けることもできる。
本発明による好適な液体安定チオール活性化剤溶液はチオール活性化剤と、安定化剤と、金属イオンと、キレート剤と、これら4成分を溶解できる緩衝液とを含むことができる。また、緩衝液は、液体安定チオール活性化剤溶液を生理的pHに保持することができるように選択される。我々が発見したこのような溶液は、溶液中で安定である溶解チオール活性化剤並びにそのチオール活性化能力を実質的に減らさずに保有するチオール活性化剤を提供する。
本発明によりクレアチンキナーゼ検定用の液体安定試薬を作ることができる。このクレアチンキナーゼ試薬はクレアチンキナーゼまたはクレアチンキナーゼイソ酵素を全く含まない。クレアチンキナーゼ試薬は生理的pH、N−アセチル−L−システイン、エチレンジアミン四酢酸、マンニトール、マグネシウム及びグルコースを保持するための緩衝水溶液であり、ここでエチレンジアミン四酢酸及びマンニトールの濃度は緩衝液中のN−アセチル−L−システインの安定性を改良するように選択される。好適クレアチンキナーゼ試薬はEDTA及びマンニトールと共に液体安定NACを溶解した水溶液である。
我々の発明によるもう一つの方法は、EDTA、マンニトール、マグネシウムカチオン及びNACを緩衝溶液に適切な濃度で加えることによってNACの安定な水溶液を作るためのものである。
我々の発明の範囲内にはクレアチンキナーゼの検定も含まれる。この検定は液体安定チオール活性化剤を調製し、テストサンプルをその液体安定チオール活性化剤に加え、テストサンプル中のクレアチンキナーゼを検出することによって行われる。本発明はテストサンプル中のクレアチンキナーゼを再活性化するためのクレアチンキナーゼ試薬として使用できる安定NAC水溶液を提供する。本発明はクレアチンキナーゼコントロール試薬中に存在するクレアチンキナーゼの活性を維持するためのクレアチンキナーゼコントロール試薬を包含しない。
クレアチンキナーゼ試薬は好適にはマンニトールまたはイノシトールと、NACとを水溶液として含む。我々はマンニトールが水溶液中のNACに対して明らかな安定化効果を有することを見いだした。マンニトールとEDTAの両方がNAC水溶液に用いられるのが最も好適である。
EDTAとマンニトールとの組合わせにより、28日間41℃のストレスをかけた後のクレアチンキナーゼ試薬のNAC活性が96%回復することを我々は見いだした;開放ビンに入れた場合の機器内安定性(2−8℃)に関しては、クレアチンキナーゼ緩衝液中のNAC活性はシンクロンRCX4CER臨床化学自動分析器(ベックマン インスツルメント社)で28日後には100%回復した。しかしクレアチンキナーゼ緩衝液中にEDTA及びマンニトールがない場合は、NAC活性は13日間の41℃ストレス後に完全に失われた。
クレアチンキナーゼ緩衝液に35.0mmol/Lのマンニトールを加えると、水溶液中のNAC安定性を同一に維持しながらEDTA濃度を2.0から0.50mmol/Lに減らすことができた。クレアチンキナーゼ試薬中のEDTA濃度が低いことは、EDTAによるMg+2のキレート化を減らすから好ましい。

例1
(クレアチンキナーゼ緩衝試薬の調製)
クレアチンキナーゼ緩衝溶液は、118.9mmol/Lのイミダゾール(分子量68.1)(カルビオケム、サンディエゴ、カリフォルニア)、11.89mmol/Lの酢酸マグネシウム(H2O)(分子量214.5)(J.T.ベイカー社)、23.8mmol/LのD−グルコース(分子量180.2)(ファンスティールラボラトリース社)、及び23.77mmol/LのN−アセチル−L−システイン(分子量163.2)(ベーリンガーマンハイム ビオケミカルス、インディアナポリス、インディアナ)を含むように調製された。
すべての緩衝溶液に用いた溶媒は電離水であった。緩衝溶液のpHは、氷酢酸か、または水性イミダゾールの1mol/L溶液のどちらかを用いて25℃で6.7に調節された。
その他のクレアチン緩衝溶液もEDTA二ナトリウム(分子量372.20)及びマンニトール(分子量182.17)を前記の濃度範囲で含むように調製された。これは後に記載する表によって示される。
クレアチンキナーゼ検定はベックマン−インスツルメント社(フラトン、カリフォルニア)のシンクロン臨床化学自動分析器を用いて行われた。シンクロン装置は3試薬(A、B、C)コンパートメント カートリッジ システムを用いている。コンパートメントAは前記のように作られたクレアチンキナーゼ緩衝溶液を含む。コンパートメントBはクレアチンキナーゼを測定するヘキソキナーゼ/グルコース−6−燐酸脱水素酵素検定のためのpH6.5コエンチーム溶液を含む。シンクロンカートリッジ コンパートメントBのコエンチーム溶液は、少なくとも適切な量のヘキソキナーゼ、G6PDH、AMP、NADP、ADP及びP',P5−ジペンタ−Pを電離水に溶解することによって調製された。コンパートメントCは少なくともクレアチン燐酸を電離水に混ぜ合わせ、そのpHを8.5に調節することによって作られた酵素基質を含んでいた。
約12μLのテストサンプルアリコートをシンクロン機器によって分析し、クレアチンキナーゼ検定を行うときに、これにコンパートメントA緩衝液222μLとコンパートメントB溶液22μLとコンパートメントC溶液20μLとを加える。
例2
(NAC検定)
NAC安定性の研究を行い、コンパートメントAクレアチンキナーゼ緩衝試薬中のNACの安定性を測定した。
遊離SH基を測定するエルマン(Ellman)の試薬11を用いて、調製されたすべてのクレアチンキナーゼ緩衝溶液のNAC濃度を検定した。該当するNAC検定反応は次のようである:
R−SH+ジチオビスニトロベンゾエート−−→
R−S−S−ニトロベンゾエート
+チオニトロベンゾエート
Figure 0003619865
DUR7500分光光度計(ベックマン−インスツルメンツ社)を用いて、反応溶液の吸光度を405nmで測定した。
例3
(クレアチンキナーゼ緩衝液中のNACの安定剤としてのEDTA)
当業者には公知のように、クレアチンキナーゼ緩衝溶液中のNACは緩衝溶液中では不安定になるが、EDTAの存在によりNAC水溶液は或る程度安定になり得ることを確認するための実験が行われた。
pH6.7の8種類のクレアチンキナーゼ緩衝溶液(A〜H)を表1に示すように作り、フラクショナル−フラクトリアル(fractional−factorial)スクリーニング実験を計画した。これら8つの溶液は表1に示すように、イミダゾール、酢酸マグネシウム、D−グルコース及びEDTAを含み、または含まずに作られた。表中“1"はその成分がクレアチンキナーゼ緩衝溶液に存在することを意味し、“0"はその成分が存在しないことを意味する。
8つの溶液の各々は0.388gNAC/100mlで作られた。イミダゾールが存在する場合はその濃度は0.810g/100mlであった。酢酸マグネシウムが存在する場合、その濃度は0.255g/100mlであった。グルコースが存在するときには、その濃度は0.429g/100mlであった。(表1によって示されるように)作られた8つのクレアチンキナーゼ緩衝溶液の1つにEDTAが存在する場合は、クレアチンキナーゼ緩衝溶液100mlにつき0.089gの濃度のEDTAが存在した。
溶液調製日を“0日”として記録した。8クレアチンキナーゼ緩衝溶液の各々の半分(50ml)を5℃で保存し、残り半分(50ml)を41℃で保存した。こうして調製された8つのクレアチンキナーゼ緩衝溶液の各々の半分の5℃及び41℃におけるストレス試験(NAC水溶液安定性の試験)が行われた。
緩衝液調製日後の3、5、7及び13日目に、NACのエルマン試薬検定を行い、その結果をDUR7500分光光度計を用いて405nmで読み取り、添付の表に示すように吸光単位Aを測定した。
表2は41℃ストレス試験の結果を示す。EDTAがない場合(すなわちクレアチンキナーゼ緩衝溶液C、D、G、H)、クレアチンキナーゼ緩衝溶液中のNACは急速に不安定になる。クレアチンキナーゼ緩衝溶液中にEDTAが存在すると、予想通り、著しいNAC品質低下を緩衝液調製後約5日目まで遅らせることができた。こうして水溶液中のNAC安定性はクレアチンキナーゼ緩衝溶液中2.0mmol/LのEDTAの存在によって有意に改善した。
例4
(クレアチンキナーゼ緩衝液中のNAC安定性に関するマンニトールの影響)
EDTAを全く含まないクレアチンキナーゼ緩衝溶液にマンニトールを加えた。クレアチンキナーゼ緩衝液中に59mmol/L(0.9g/100ml)のマンニトールが存在すると、NACストレス安定性(41℃)は有意に改善することがわかった。こうしてNAC含有緩衝溶液に41℃のストレスを13日間かけた後、NAC活性は約30%しか減少しないことがわかった。緩衝液にマンニトールもEDTAも存在しない場合、表3に示すように、41℃ストレス試験下で約13日後にはNAC安定性は無視できるほど小さかった。こうしてクレアチンキナーゼ水性緩衝溶液中に存在するNACに対してマンニトールはそれ自体顕著な安定化効果をもたらすことが発見された。
例5
(クレアチンキナーゼ緩衝液中のNAC安定性に関するEDTA及びマンニトールの組み合わせの存在の効果)
EDTAとマンニトールとの組合わせがEDTAまたはマンニトール単独に比較してクレアチンキナーゼ緩衝液中のNAC安定性を有意に改善することが見いだされた。
EDTAとマンニトールとの併用がクレアチンキナーゼ緩衝液中のNAC安定性の及ぼす効果を測定するために、緩衝液中のEDTA及びマンニトールの濃度を最適化するための要因分析実験(factorial experiment)が計画された。こうして表4に示すように1番から4番までの4クレアチンキナーゼ緩衝液が作られた。その他の、異なる濃度のマンニトール及びEDTAの組合わせ(示されていない)も行われた(すなわちマンニトール濃度50、75及び100mmol/L、並びにEDTA濃度0.5、1及び1.5mmol/L)。その結果は、35mmol/Lのマンニトールを加えることによって、クレアチンキナーゼ中のEDTA濃度は2.0mmol/Lから0.50mmol/Lに減らすことができ、それでもクレアチンキナーゼ緩衝液中のNACの安定性を同一に維持することができることを示した(表5参照。ここで1−4の溶液は表4に示した1−4の溶液と同じものである)。クレアチンキナーゼ緩衝液中のEDTA濃度のこのような減少は、EDTAによるMg+2カチオンのキレート化を減らすから好ましい。
表6に示すように、1.18mmol/LのEDTAと59.0mmol/Lのマンニトールの組合わせ(すなわち表4及び5の溶液4)はpH6.7のクレアチンキナーゼ緩衝液のNACを安定化するために最適な条件であった。結果は28日間41℃のストレスをかけたクレアチンキナーゼ緩衝液のNAC活性が96%回収されたことを示した。機器内(on−instrument)(すなわち開放ビン使用)安定性(チオール活性化剤溶液の2〜8℃保存)では、開放ビン期間の28日間とシンクロンRCX4CARにおける使用後、クレアチンキナーゼ緩衝液中のNAC活性はまだ実質的に100%であった(表6参照)。
本発明をいくつかの好適な実施態様に関してかなり詳細に述べたが、本発明の教示の範囲内でその他の実施態様も可能である。例えば広範囲の種類のチオール、安定化剤及びキレート剤が権利を請求する組成物及び方法の範囲内にある。
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Claims (18)

  1. 開放ビン条件下の液体中で安定化された可溶化チオール活性化剤を調製するための液体組成物であって、
    (a)生物学的分子を活性化するチオール活性化剤と、
    (b)前記チオール活性化剤を安定化する安定化剤と、
    (c)前記チオール活性化剤および安定化剤を溶解できる液体とを含み、
    前記安定化剤は、イノシトール、トコフェロール、マンニトール、スーパーオキシド・ジムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、N−2−メルカプトプロピオニル・グリシン、ジメチルチオウレア、グルタチオン、21−アミノステロイド類、デフェロキサミン、アロプリノール、ジメチル・スルフォキシドおよびコエンチームQからなる群から選択される、遊離ラジカルスカベンジャーであり、
    前記可溶化チオール活性化剤は、前記安定化剤により前記液体中で安定化され、
    前記チオール活性化剤は、開放ビン条件下で少なくとも28日間チオール活性化能力を保持する、液体組成物。
  2. 前記チオール活性化剤は、グルタチオン、臭化2−アミノエチルイソチオウロニウム、チオグリコール酸、システイン、メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、モノチオグリセロール、グルタチオン、ジチオエリスリトールおよびN−アセチル−L−システインからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記チオール活性化剤はN−アセチル−L−システインである、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記液体は、該液体を生理的なpHに維持することができる水性緩衝液を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. (a)生物学的分子を活性化するチオール活性化剤と、
    (b)前記チオール活性化剤を安定化する安定化剤と、
    (c)前記チオール活性化剤および安定化剤を溶解できる液体と、
    (d)前記液体から所望でない鉄イオンを除去するためのキレート剤とを含む、組成物であって、
    前記安定化剤は、イノシトール、トコフェロール、マンニトール、スーパーオキシド・ジムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、N−2−メルカプトプロピオニル・グリシン、ジメチルチオウレア、グルタチオン、21−アミノステロイド類、デフェロキサミン、アロプリノール、ジメチル・スルフォキシドおよびコエンチームQからなる群から選択される、遊離ラジカルスカベンジャーであり、
    前記可溶化チオール活性化剤は、前記安定化剤により前記液体中で安定化される、組成物。
  6. 前記キレート剤は、0.025mmol/Lから4mmol/Lまでの濃度で前記液体中に存在する、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記キレート剤は、EGTA、BHNおよびEDTAからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
  8. 前記チオール活性化剤は、保存条件下で、少なくとも1年間はチオール活性化能力を保有する、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記チオール活性化剤は、保存条件下で、少なくとも2年間はチオール活性化能力を保有する、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記チオール活性化剤は、開放ビン条件で、少なくとも60日間はチオール活性化能力を保有する、請求項1に記載の組成物。
  11. 生物学的分子の活性化を促進することができる金属イオンを含む、請求項1に記載の組成物。
  12. (a)生物学的分子を活性化するチオール活性化剤と、
    (b)前記チオール活性化剤を安定化する安定化剤と、
    (c)前記チオール活性化剤および安定化剤を溶解できる液体と、
    (d)前記生物学的分子の活性化を促進できる金属イオンとを含む、組成物であって、
    前記安定化剤は、イノシトール、トコフェロール、マンニトール、スーパーオキシド・ジムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、N−2−メルカプトプロピオニル・グリシン、ジメチルチオウレア、グルタチオン、21−アミノステロイド類、デフェロキサミン、アロプリノール、ジメチル・スルフォキシドおよびコエンチームQからなる群から選択される、遊離ラジカルスカベンジャーであり、
    前記可溶化チオール活性化剤は、前記安定化剤により前記液体中で安定化され、
    前記金属イオンはマグネシウム・イオンである、組成物。
  13. 前記安定化剤は、5mmol/Lから550mmol/Lまでの濃度で前記液体中に存在する、請求項1に記載の組成物。
  14. (a)生物学的分子を活性化するチオール活性化剤と、
    (b)前記チオール活性化剤を安定化する遊離ラジカル・スカベンジャーと、
    (c)前記生物学的分子の活性を促進する金属イオンと、
    (d)キレート剤と、
    (e)前記チオール活性化剤、前記安定化剤、前記金属イオンおよび前記キレート剤を溶解できる水性緩衝液とを含む、液体の安定なチオール活性化剤溶液であって、
    前記遊離ラジカル・スカベンジャーは、イノシトール、トコフェロール、マンニトール、スーパーオキシド・ジムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、N−2−メルカプトプロピオニル・グリシン、ジメチルチオウレア、グルタチオン、21−アミノステロイド類、デフェロキサミン、アロプリノール、ジメチル・スルフォキシドおよびコエンチームQからなる群から選択され、
    溶液中に存在するチオールの顕著な品質低下を保存条件下で少なくとも1年間、開放ビン条件下で少なくとも28日間阻止して安定に保つ液体安定チオール活性化剤溶液を形成することができる、液体の安定なチオール活性化剤溶液。
  15. (a)水性緩衝液と、
    (b)N−アセチル−L−システインと、
    (c)エチレンジアミン四酢酸と、
    (d)マンニトールと、
    (e)マグネシウムとを含む、クレアチン・キナーゼ検定のための試薬であって、
    エチレンジアミン四酢酸とマンニトールの濃度は、水性緩衝液中のN−アセチル−L−システインを安定化するように選択される、クレアチン・キナーゼ検定のための試薬。
  16. 開放ビン条件下の液体中で安定化される可溶化チオール活性化剤を調製するための、液体で安定なチオール活性化剤溶液の調製方法であって、
    (a)チオール活性化剤および安定化剤を溶解するための液体を選択する工程と、
    (b)前記液体にチオール活性化剤を添加する工程と、
    (c)前記液体に安定化剤を添加する工程とを含み、
    前記安定化剤は、イノシトール、トコフェロール、マンニトール、スーパーオキシド・ジムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、N−2−メルカプトプロピオニル・グリシン、ジメチルチオウレア、グルタチオン、21−アミノステロイド類、デフェロキサミン、アロプリノール、ジメチル・スルフォキシドおよびコエンチームQからなる群から選択される、遊離ラジカルスカベンジャーであり、
    前記チオール活性化剤を安定化できる前記安定化剤は、前記液体中で安定で、
    そのチオール活性化能力は保存条件下で少なくとも1年間、開放ビン条件下で少なくとも28日間は保有される、液体の安定なチオール活性化剤溶液の調製方法。
  17. (a)水性緩衝液を選択する工程と、
    (b)前記緩衝液にEDTAを添加する工程と、
    (c)前記緩衝液にマンニトールを添加する工程とを含む、安定なNACの水溶液の調製方法であって、
    前記緩衝液は、前記EDTAおよびマンニトールを溶解でき、
    NACの安定な水溶液を得ることができる、NACの水溶液の調製方法。
  18. (a)液体の安定なチオール活性化剤を調製する工程と、
    (b)前記液体の安定なチオール活性化剤に生理的な液体の試験サンプルを添加する工程と、
    (c)前記試験サンプル中のクレアチン・キナーゼ活性を検出する工程とを含み、
    前記チオール活性化剤の溶液は、イノシトール、トコフェロール、マンニトール、スーパーオキシド・ジムターゼ、カタラーゼ、グルタチオン・ペルオキシダーゼ、N−2−メルカプトプロピオニル・グリシン、ジメチルチオウレア、グルタチオン、21−アミノステロイド類、デフェロキサミン、アロプリノール、ジメチル・スルフォキシドおよびコエンチームQからなる群から選択される遊離ラジカル・スカベンジャーを含む、クレアチン・キナーゼ活性の検定方法。
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