JP2006325547A - フルクトシルペプチドオキシダ−ゼの安定化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
糖尿病の臨床診断用酵素として用いられるフルクトシルペプチドオキシダーゼの液状試薬中での安定化方法を提供すること。
【解決手段】
フルクトシルペプチドオキシダーゼ含有溶液にポリアミノカルボン酸系のキレート試薬および、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類より選ばれる1種以上の試薬を共存させることにより、フルクトシルペプチドオキシダーゼを液状試薬中で安定化する。
【選択図】なし

Description

本発明は、臨床診断に用いるフルクトシルペプチドオキシダ−ゼ(以下「FPOX」と言う)の液状状態での安定化方法に関する。
糖化蛋白質は、蛋白質が非酵素的に糖化された蛋白質であり、糖、すなわちアルドース(アルデヒド基を潜在的に有する単糖およびその誘導体)側のアルデヒド基と、蛋白質側のアミノ基が非酵素的に共有結合した結果、生成したものである。蛋白質のアミノ基としては、N末端アミノ酸のαアミノ基、内部リジン残基側鎖のεアミノ基があげられる。これらの糖化蛋白質は、反応中間体として生じたシッフ塩基がアマドリ転移を受けて形成されることから、いわゆるアマドリ化合物とも呼ばれる。
糖化蛋白質は、生体内の血液などの体液や、毛髪などの生体試料中に含有されている。血液中に存在する糖化蛋白質の濃度は、血清中に溶解しているグルコースなどの糖類の濃度に強く依存している。糖尿病状態では糖化蛋白質の生成が亢進しており、赤血球に含まれる糖化ヘモグロビンや血清中の糖化アルブミンの濃度は、過去の一定期間の平均血糖値を反映していることから、それらの糖化蛋白質を測定することは、糖尿病の症状の診断や症状管理に重要となっている。
従来糖化蛋白質を定量する方法として、例えば、高速液体クロマトグラフィーを用いる方法(例えば、非特許文献1参照。)、硼酸を結合させた固体を詰めたカラムを用いる方法(例えば、非特許文献2参照。)、電気泳動を用いる方法(例えば、非特許文献3参照。)、抗原抗体反応を利用する方法(例えば、非特許文献4参照。)、還元能をテトラゾリウム塩を用いて比色定量する方法(例えば、非特許文献5参照。)、チオバルビツール酸を用いて酸化後比色定量する方法(例えば、非特許文献6参照。)、糖化アミノ酸オキシダーゼ等の酵素を用いる方法(例えば、特許文献1〜16参照。)等が知られている。また最近、上記方法より精度良く糖化蛋白質を測定する方法として、新しい糖化蛋白質の測定法が開示された(例えば、特許文献17参照。)。この測定方法は、糖化蛋白質を含む試料をプロテアーゼで処理し、糖化蛋白質からフルクトシルペプチドを遊離させ、遊離したフルクトシルペプチドにFPOXを作用させ、生成物を測定することにより糖化蛋白質を測定する方法であり、短時間かつ簡単な操作で、精度の良い測定方法として注目されている。
FPOXを用いた測定法は上記のとおり大変優れた方法であるが、使用するFPOXが不安定であるという問題があった。FPOXの安定化に関しては、キレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類、金属塩類から選ばれる1種以上の試薬を、FPOXと共存させることを特徴とするフルクトシルペプチドオキシダーゼ凍結乾燥製剤の安定化方法(特願2004−060645)がある。
一般的な臨床検査用試薬は、凍結乾燥状態や溶液状態で製造、流通される場合が多いが、近年、操作の簡便性、溶解時の調整ミスなどを防ぐため、溶液状態の需要が高まってきている。しかしながら、FPOXの溶液状態での安定化方法はこれまで知られていなかった。
特公平05−33997号公報 特開平11−127895号公報 国際公開第97/13872号パンフレット 特公平06−65300号公報 特開平02−195900号公報 特開平03−155780号公報 特開平04−4874号公報 特開平05-192193号公報 特開平06−46846号公報 特開平11−155596号公報 特開平10−313893号公報 特開平11−504808号公報 特開2000−333696号公報 特開2001−54398号公報 特開2001−204495号公報 特開2001−204494号公報 特開2001−95598号公報 コール(Cole RA)、外3名,「高速液体クロマトグラフィーを用いた糖化ヘモグロビンの迅速測定法 (A rapid method for the determination of glycosylated hemoglobins using high pressure liquid chromatography)」,メタボリズム(Metabolism) ,1978年5月,第27巻,第3号,p.289−301 クレンク(Klenk DC)、外9名, 「アフィニティークロマトグラフィーによる糖化ヘモグロビンの定量法:比色分析法とイオン交換法の比較、共通の阻害物質の影響(Determination of glycosylated hemoglobin by affinity chromatography: comparison with colorimetric and ion-exchange methods, and effects of common interferences)」,クリニカル・ケミストリー(Clin Chem),1982年10月,第28巻,第10号,p.2088−2094 メナード(Menard L)、外5名,「寒天ゲル電気泳動によるヘモグロビンA1の量的測定法(Quantitiative determination of glycosylated hemoglobin A1 by agar gel electrophoresis)」,クリニカル・ケミストリー(Clin Chem),1980年10月,第28巻,第11号,p.1598−1602 日本臨床検査自動化学会会誌,1993年,第18巻,p.620 ジョンソン(Johnson RN)、外2名,「フルクトサミン:血清糖化タンパク質定量のための新たな手がかり、糖尿病コントロール指標(Fructosamine: a new approach to the estimation of serum glycosylprotein. An index of diabetic control)」,クリニカ・ケミカ・アクタ(Clin Chim Acta),1983年1月7日,第127巻,第1号,p.87−95 ドルホファー(Dolhofer R) 、外1名,「血清糖化タンパク質定量のためのチオバルビツール酸測定法の改良(Improvement of the thiobarbituric acid assay for serum glycosylprotein determination)」,クリニカ・ケミカ・アクタ(Clin Chim Acta),1981年5月5日,第112巻,第2号,p.197−204
本発明は、臨床診断に用いられるFPOXの液状試薬中での安定化方法に関する。
本発明者等は、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、単独では安定化の効果が確認できないアンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類、をポリアミノカルボン酸系のキレート試薬と共存させることにより、相乗的効果を発揮し、FPOXの液状状態での安定性が極めて向上することなどを見出し、これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1)フルクトシルペプチドオキシダーゼ含有溶液にポリアミノカルボン酸系のキレート試薬および、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類より選ばれる1種以上の試薬を共存させることを特徴とするフルクトシルペプチドオキシダーゼの安定化方法。
2)ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬がエチレンジアミン4酢酸である上記1)記載のフルクトシルペプチドオキシダーゼの安定化方法。
3)フルクトシルペプチドオキシダーゼの含有濃度が100U/ml以下である上記1)または2)記載のフルクトシルペプチドオキシダーゼの安定化方法。
に関する。
本発明によれば、安定化したFPOXの液状試薬を、簡単な方法でかつ安価に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられるFPOXは、酸素存在下でフルクトシルペプチドに作用し、α−ケトアルデヒド、ペプチド及び過酸化水素を生成するオキシダーゼであり、この作用を有する酵素であれば、如何なるオキシダーゼも含まれる。本発明に用いられるFPOXの起源は如何なるものであってもよく、例えば、糸状菌、酵母、放線菌、バクテリア、古細菌など特に制限されないが、好ましくは、例えば、コニオカエタ(Coniochaeta)、ユーペニシリウム(Eupenicillium)、アカエトミエラ(Achaetomiella)などを起源とするFPOXなどを挙げることができる。また、これらのFPOXは、遺伝子組み換え体によって製造されたものを用いることもできる。
本発明において、FPOXの安定性を向上させるために共存させるポリアミノカルボン酸系のキレート試薬は、金属イオンに配位しキレート化合物を与えるような化合物である。本発明に使用できるポリアミノカルボン酸系のキレート試薬としては、FPOXの安定性を向上させるものであればいかなるものでも良く、例えばエチレンジアミン4酢酸(以下「EDTA」と言う)、trans−1,2−diaminocyclohexane−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(以下「CyDTA」と言う)、diethylenetriamine−N,N,N’,N”,N”−pentaacetic acid(DTPA)、グリコールエーテルジアミン4酢酸(EGDTA)、1,6−hexametylenediamine−N,N,N’,N’−tetraacetic acid(HDTA)、トリエチレンテトラミン6酢酸(TTHA)等が挙げられる。本発明においては、上記ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬に何ら限定されるものではないが、例えば、EDTAが好ましく用いられる。用いられるEDTAは如何なる塩でも良く、EDTAの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明において、FPOXの安定性を向上させるために共存させるアンモニウム塩類は、如何なるアンモニウム塩類でも用いることができる。例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム等が挙げられる。本発明においては、上記アンモニウム塩類に何ら限定されるものではないが、例えば、硫酸アンモニウムが好ましく用いられる。また上記アンモニウム塩類は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。
本発明において、FPOXの安定性を向上させるために共存させるオキシカルボン酸系のキレート試薬は、如何なるオキシカルボン酸系のキレート試薬でも用いることができる。例えば、クエン酸、リンゴ酸、イソクエン酸、またこれらの塩類等が挙げられる。本発明においては、上記オキシカルボン酸系のキレート試薬に何ら限定されるものではないが、例えばクエン酸三ナトリウムが好ましく用いられる。また上記オキシカルボン酸系のキレート試薬は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。
本発明において、FPOXの安定性を向上させるために共存させる糖アルコール類は、如何なる糖アルコール類でも用いることができる。例えば、トレハロース、キシリトール、ソルビトール、イノシトール、マンニトール、アラビトール、ズルシトール、エリスリトール等が挙げられる。本発明においては、上記糖アルコール類に何ら限定されるものではないが、例えば、キシリトールが好ましく用いられる。また上記糖アルコール類は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。
本発明において、FPOXの安定性を向上させるために共存させるアミノ酸類は、如何なるアミノ酸類でも用いることができる。例えば、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、リジン塩酸塩、アスパラギン、アラニン、メチオニン、トレオニン等が挙げられる。本発明においては、上記アミノ酸類に何ら限定されるものではないが、例えば、グリシンが好ましく用いられる。また上記アミノ酸類は、それぞれ単独でも複数組み合わせても用いることができる。
本発明の安定化方法は、上記FPOXと前記のポリアミノカルボン酸系のキレート試薬および、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸塩類より選ばれる1種以上の試薬類を共存させる。このとき、必要により、その他の試薬が共存していてもよい。通常、FPOX、試薬などの固体粉末もしくはそれらの溶解液をそれぞれ適宜混合することにより共存させることができる。
本発明の安定化方法に用いられるFPOXの濃度は特に制限されないが、好ましくは0.05〜1000U/ml、より好ましくは0.10〜100U/mlである。なお、ここでの酵素力価は、フルクトシルバリルヒスチジンを基質として測定したとき、1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義している。
ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類の濃度は、FPOXの安定化効果が発揮され、かつ酵素を含む試薬を取り扱う上で不都合のない範囲内であれば、如何なる濃度でも調製することができる。例えば、上記ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬およびオキシカルボン酸系のキレート試薬の好ましい濃度としては0.1mM以上、より好ましくは1〜100mMが挙げられる。アンモニウム塩の好ましい濃度としては0.1mM以上、より好ましくは1〜500mMが挙げられる。糖アルコール類の好ましい濃度としては1%以上、より好ましくは2〜20%が挙げられる。アミノ酸類の好ましい濃度としては1%以上、より好ましくは2〜20%が挙げられる。
一般に酵素は、保存時のpHによりその安定性が大きく影響を受けるため、その他の試薬として、安定なpH域の種々の緩衝液を同時に用いることが好ましい。本発明において用いられる緩衝液の種類及びその濃度、pHは特に限定されるものではないが、例えば、pH6〜10の間で緩衝能を有し、かつ必要十分な緩衝能を保つ濃度に設定されていることが望ましい。この様な緩衝液として、例えば、汎用的なトリス緩衝液やリン酸緩衝液を挙げることもできるし、BES、HEPES、TES、ビシン、トリシン等のグッドバッファー、グリシン−NaOHなどのアミノ酸系緩衝液、ホウ酸緩衝液、Bis−Tris propane緩衝液、イミダゾール緩衝液などを使用することもできる。緩衝液の濃度については、例えば、好ましくは1〜1000mM、さらに好ましくは10〜100mMである。本発明では、トリス緩衝液若しくはリン酸緩衝液が好ましく用いられる。本発明のキレート試薬、アンモニウム塩、糖アルコール類、アミノ酸類を緩衝液に添加する場合は、直接添加するか、又は、例えば、pH5〜9、好ましくは6〜8に調整したそれらの水溶液を添加すればよい。前記の試薬類を添加することにより、pHが目的とする範囲からはずれるときは、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等の添加でpHが目的の範囲内におさまるように調整するのが好適である。
さらに、その他の試薬として、必要により、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アジ化ナトリウム等の各種無機塩、デキストラン等の多糖類、ボバインセーラムアルブミン(bovine serum albumin:BSA)、グリセロール、界面活性剤、抗生物質、サルファ剤等の化学療法剤等を共存させてもよい。これらの試薬は、あらかじめ緩衝液に添加しておいてもよい。
安定性の評価は、実際に用いる酵素の保存条件、輸送条件及び測定条件などに即した種々の条件下に、FPOX液状試薬を保存、放置して、経時的にその活性の変化を測定することにより行なわれるが、一般に、短時間で評価を行なうために、通常、虐待試験が用いられる。例えば、一定の高温下にFPOX液状試薬を保温して、経時的に残存活性を測定する方法などが挙げられる。
この様にして、ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬および、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類より選ばれる1種以上の試薬を共存させることにより、FPOXを液状状態で安定化することができる。この安定化方法を用いて、FPOXとポリアミノカルボン酸系のキレート試薬および、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類より選ばれる1種以上の試薬を含有する安定化されたFPOX液状試薬を製造することができる。例えば、EDTAを1mM以上の濃度で含有する、pH6〜10の緩衝液を調製し、この緩衝液にFPOX(キッコーマン社製)を濃度が0.1〜100Uとなるように添加する。さらに、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類より選ばれた1種以上の試薬を添加する。この混合液を撹拌し、完全に溶解させることにより、FPOX液状試薬を製造することができる。このようにして得られた本発明のFPOX液状試薬は、従来の方法により製造された液状試薬に比べて著しく安定化されており、本発明の方法により、簡単な方法でかつ安価に、安定化されたFPOX液状試薬を製造することができる。
以下、実験例及び実施例により、本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、これらの例により、何ら限定されるものではない。
<実験例1>
(FPOXの活性測定法及び安定性試験)
過酸化水素量を測定する方法について示す。以下、本発明オキシダーゼ等の活性測定には、ことわりのない限り、フルクトシルバリルヒスチジンを基質として用いる。なお、酵素力価は、フルクトシルバリルヒスチジンを基質として測定したとき、1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義した。
A.試薬の調製
(1)試薬1:POD−4-アミノアンチピリン溶液
1.0kUのパーオキシダーゼ(キッコーマン社製)、100mgの4-アミノアンチピリン(東京化成社製)を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、1Lに定容する。
(2)試薬2:2,4−ジクロロフェノールサルフェート溶液
市販2%溶液(ナカライ社製)25mlをイオン交換水に溶解し、100mlに定容する。
(3)試薬3:基質溶液(150mM;終濃度 5mM)
フルクトシルバリルヒスチジン624mgをイオン交換水に溶解して10mlに定容する。フルクトシルバリンヒスチジンは特開2001−95598号公報記載の方法により調製した。
B.測定法
2.7mlの試薬1、100μlの試薬2、および100μlのFPOX酵素液(キッコーマン社製)を混和し、30℃で5分間予備加温する。その後100μlの試薬3を加えて良く混ぜた後、分光光度計(U−2000A、日立社製)により、510nmにおける吸光度を測定する。測定値は、510nmにおける1分後から3分後の1分間あたりの吸光度変化とする。なお対照液は、100μlの試薬3の代わりに100μlのイオン交換水を加える以外は前記と同様にした。これをあらかじめ作製しておいた過酸化水素の標準溶液を試薬3の代わりに、また酵素液の代わりにイオン交換水を用い、その生成色素量との関係を調べたグラフを用意した。このグラフを用いて、30℃、1分間当たりに生成される過酸化水素のマイクロモルを計算し、この数値を酵素液中の活性単位とした。なお活性測定用のFPOX酵素液の希釈には、0.15%(w/v)BSAを含有する10mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.0)を用いた。FPOX液状試薬の安定性試験は、虐待試験後の残存活性を比較して行なった。虐待試験を行った後の該酵素溶液の残存活性は、該酵素溶液調製時における吸光度変化量を100%としたときの相対量(%)として表わした。
(試薬を単独で添加したときの効果確認)
まず、安定化剤無添加(コントロール)の試験として、20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)1mlにFPOX−CE(キッコーマン社製)を20U/mlとなるよう添加した。この溶液を、30℃、7日間保存した後、酵素活性を測定した。結果は表1、entry1に示す通り、保存前の酵素活性と比較して、活性は1%まで低下することがわかった。
次に、各種試薬を表1に示した最終濃度で添加し、上記と同様の試験を行った。結果は表1に示す通り、ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬のEDTAを添加することで、著しく安定性が向上することが確認された。一方、EDTA以外の試薬は、単独では顕著な効果は確認できなかった。
表1
Figure 2006325547
(EDTAとの共存効果の確認)
表1において顕著な効果が確認できなかった試薬を、EDTAと共存させ、安定化効果を確認した。
5mMのEDTAを含有する20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に各種試薬を表2に示した最終濃度で添加し、実施例1と同様の試験を行った。
表2のentry1にEDTA単独の結果を、entry2から7に追加添加の結果を示した。驚くべきことに、単独では、無添加と比較して1〜4%の加算的安定化効果しか認められなかったクエン酸三ナトリウム、キシリトール、グリシン、硫酸アンモニウムが、EDTAと共存させることにより、EDTA単独と比較して20%近い安定化効果を示すことが確認された。
表2
Figure 2006325547
次に、FPOX−CEの濃度を40U/mlとして、さらに保存期間を延長して実施例2の試験を行なった。
5mMのEDTAを含有する20mMのトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に各種試薬を表3に示した最終濃度で添加し、さらにFPOX−CEを40U/mlとなるように添加した。この溶液を、30℃、18日間保存した後、酵素活性を測定した。
表3のentry1にEDTA単独の結果を、entry2から7に追加添加の結果を示した。表2と同様に、クエン酸三ナトリウム、キシリトール、グリシン、硫酸アンモニウムが、EDTAと共存させることにより、EDTA単独と比較して顕著に安定化効果を示すことが確認された。
表3
Figure 2006325547
本発明により、FPOXを溶液状態で安定に保つことが可能となり、糖尿病の診断用酵素として測定用キットに容易に利用される。さらに保存・輸送などの際、酵素を長期間安定に保つ事が可能となり、安定性に優れた本発明と共に、保存安定性に優れた臨床診断用キットの開発が可能になる。

Claims (3)

  1. フルクトシルペプチドオキシダーゼ含有溶液にポリアミノカルボン酸系のキレート試薬および、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類より選ばれる1種以上の試薬を共存させることを特徴とするフルクトシルペプチドオキシダーゼの安定化方法。
  2. ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬がエチレンジアミン4酢酸である請求項1記載のフルクトシルペプチドオキシダーゼの安定化方法。
  3. フルクトシルペプチドオキシダーゼの含有濃度が100U/ml以下である請求項1または2記載のフルクトシルペプチドオキシダーゼの安定化方法。
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