JP4090266B2 - 抱合型ビリルビン測定用組成物の安定化方法及び抱合型ビリルビン測定用組成物 - Google Patents

抱合型ビリルビン測定用組成物の安定化方法及び抱合型ビリルビン測定用組成物 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抱合型ビリルビン測定用組成物の安定化方法および安定化された抱合型ビリルビン測定用組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビリルビンはテトラピロール類に属する黄色色素であって、ヘムの生理的代謝産物であり、胆汁色素の主成分をなすものであることが知られている。血清等の生体液中においてビリルビンは三種類の形態で主に存在する。すなわち、抱合ビリルビン、非抱合ビリルビン及びデルタビリルビンの三種類に分類され、これらの合計が総ビリルビンと称される。
【0003】
抱合ビリルビンは、ビリルビンが肝臓中でグルクロン酸抱合を受けて生成したもので、グルクロン酸1分子が結合したモノグルクロナイドビリルビン又は2分子結合したジグルクロナイドビリルビンが存在する。
非抱合ビリルビンは上記の抱合作用を受けていないビリルビンである。抱合及び非抱合ビリルビンは血清中ではアルブミンと比較的緩く結合した状態で存在する。
また、デルタビリルビンは肝・胆道疾患等で、肝細胞から血中に逆流した抱合ビリルビンの一部が血中でアルブミンと共有結合して生成されたものである。
【0004】
デルタビリルビンの半減期はアルブミンに依存して、抱合ビリルビンと比較して極端に長く、肝・胆道機能が正常化して抱合ビリルビンが正常値まで低下した患者においてもデルタビリルビンは低下しない。このような患者においては、デルタビリルビンとグルクロン酸抱合ビリルビンが精密に分別定量されないと、誤って異常と診断が下されることになる。したがって、抱合ビリルビンとデルタビリルビンを精密に分別定量することは、臨床検査の現場において非常に重要である。
【0005】
従来ビリルビンの定量法としては、ジアゾ試薬を用いる方法、高速液体クロマトグラフィーを利用する方法、バナジン酸イオン又は三価のマンガンイオン等の酸化剤を利用する方法、及びビリルビンオキシダーゼ(BOD)等の酸化酵素を利用する方法等を挙げることができる。
【0006】
生体液中のビリルビンは、近年まで、ジアゾ法により反応促進剤の添加を必要としない直接ビリルビンと、それを必要とする間接ビリルビンに大別されていた。直接及び間接の呼称はジアゾ反応に対するビリルビンの反応性の違いによる命名であり、それぞれが血中に存在する抱合及び非抱合ビリルビンに対応するものではなく、ジアゾ法で直接ビリルビンとして測定されるビリルビンには、抱合ビリルビン及びデルタビリルビンの約8割程度とが含まれて〔クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第28巻、第629頁(1982年)〕おり、さらに非抱合ビリルビンの一部も直接ビリルビンとして測り込まれている〔クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)第31巻、第1560頁(1985年)〕。ジアゾ反応を利用する代表的な試薬としては、マロイ及びエヴェリン(Malloy & Evelyn)による試薬〔ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、第119巻、第481頁(1937年)〕等がある。
【0007】
高速液体クロマトグラフィーによって分画定量する方法には、逆相HPLCカラムを使用して各種ビリルビンをリン酸緩衝液及びイソプロパノールのグラジェントによって溶出、分析するラウフ(Lauff)らの方法〔ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(Journal of Chromatography)、第226巻、第391頁(1981年)〕等がある。
【0008】
酸化剤を利用する方法は、酸化剤を作用させることによってビリルビンを酸化し、ビリルビン自体のもつ450nm付近の黄色を消失させ、反応前後の吸光度変化量によりビリルビンを測定するものである。この場合、反応条件を種々変えることにより、直接ビリルビンを酸化させることができる。この方法において使用される試薬としては、例えばバナジン酸イオンを用いる試薬〔臨床化学、第22巻、第116頁(1993年)〕があり、間接ビリルビンの反応抑制剤、緩衝液等の選定によって、直接ビリルビンに酸化剤が働く条件を設定した直接ビリルビン測定用試薬が提案されている。このような直接ビリルビン測定用試薬としては、例えば酸化剤としてバナジン酸イオン又は三価のマンガンイオンを用い、間接ビリルビンの反応抑制剤としてヒドラジン類、ヒドロキシルアミン類、オキシム類、脂肪族多価アミン類、フェノール類、水溶性高分子及びHLB値が15以上の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の化合物を使用して、直接ビリルビンを定量する試薬(特開平5-18978号公報)がある。
【0009】
酸化酵素を利用する方法は、酸化酵素を作用させることによってビリルビンを酸化し、ビリルビン自体のもつ450nm付近の黄色を消失させ、反応前後の吸光度変化量よりビリルビンを測定するものである。この場合も、反応条件を種々変えることにより直接ビリルビンを酸化させることができると報告されている。この方法において使用される試薬としては、例えばBODを用いる試薬〔クリニカル・ケミストリー(Clinical Chemistry)、第20巻、第783頁(1974年)〕、ラッカーゼ、チロシナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ等の酸化酵素を用いる試薬(特公昭62-33880号公報)があり、pH、緩衝液、界面活性剤の選定、酵素の特異性を向上させる化合物の添加によって、直接ビリルビンにBODが働く条件を設定した直接ビリルビン測定試薬が提案されている。
【0010】
このような直接ビリルビン測定試薬としては、例えばpH3.5〜4.5の緩衝液中でBODを作用させて直接ビリルビンを定量する試薬(特公昭61-44000号公報)、pH2.0〜3.3のフェロシアン化カリウム及び/又はフェリシアン化カリウムを含有する緩衝液中でBODを作用させて直接ビリルビンを定量する試薬(特開平1-5499号公報)等がある。また特開平9-37795号公報では、フェロシアン化カリウムおよび/またはフェリシアン化カリウムとチオール化合物、スルフィド化合物、スルホキシド化合物、チオ尿素およびチオ尿素の誘導体から選ばれる1種または2種以上との熟成物の存在下にキレート剤の1種または2種以上、好ましくは更に金属イオン類の1種または2種以上を添加して直接ビリルビンを測定する方法が提案されている。また、pH、緩衝液の選定によって、抱合ビリルビンのみにBODが働く条件を設定した直接ビリルビン測定用試薬も提案されている。このような直接ビリルビン測定用試薬としては、例えば陰イオン性界面活性剤を含有するpH9〜11の範囲の緩衝液中でBODを作用させて抱合ビリルビンを定量する試薬(特公平5-68240号公報)、陰イオン性界面活性剤を含有するpH5〜6の酸性緩衝液中でBODを作用させて抱合ビリルビンを定量する試薬(特公平5-9066号公報)がある。
【0011】
しかし特公平5-9066号公報記載のBODを利用した抱合型ビリルビン測定試薬は公知のジアゾ法と非常に高い相関を示しており、抱合ビリルビンだけでなく、一部のデルタビリルビン及び非抱合ビリルビンを含む直接ビリルビンを測定していることは明確である。また、特公平5-68240号公報の方法はBODの至適pH範囲を大きく外れたpHで測定する必要があるため、抱合ビリルビンに対する反応性が低いという問題がある。
一方、アルカリ金属のフッ化物塩および/またはチオール基を有する化合物を共存させることを特徴とする直接型ビリルビン測定試薬(特許第2846179号)はデルタビリルビン及び非抱合ビリルビンへの反応が抑制されており、さらにBODを至適pH付近で使用するため抱合型への反応性は高く、非常に分別性に優れた試薬である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、特許第2846179号のアルカリ金属のフッ化物塩および/またはチオール基を有する化合物を共存させることを特徴とする直接型ビリルビン測定試薬は非常に分別性に優れた試薬であるが、この測定試薬も作製後時間が経過するにつれ、徐々にデルタビリルビン及び非抱合ビリルビンの分別能が低下していくという問題をはらんでいた。
特に昨今は、測定の際の利便性から調整の必要のない液状試薬が求められており、液状で保存が必要となる場合は、更に保存に伴う分別能の低下の問題が顕著となる。
本発明は、抱合型ビリルビンのみを長期に渡り正確に分別測定ができる抱合型ビリルビン測定用組成物を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の事情を鑑み、従来の直接型ビリルビン測定試薬におけるこれらの問題点を解決するための検討を進めた結果、アルカリ金属のフッ化物塩およびチオール基を有する化合物を共存させることを特徴とする抱合型ビリルビン測定試薬にジエチレントリアミン五酢酸(以後、DTPAと略する)を添加することにより、長期に渡りビリルビン含有試料中のデルタビリルビン及び非抱合ビリルビンにほとんど反応することなく、しかもその分別能を長期にわたり持続させられることを見い出し、この発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明の第一は、アルカリ金属のフッ化物塩およびチオール基を有する化合物を共存させることを特徴とするビリルビンオキシダーゼの反応を利用した抱合型ビリルビン測定用組成物に、ジエチレントリアミン五酢酸を含有させることによりデルタビリルビン及び非抱合型ビリルビンとの分別能の経時的低下を抑制することを特徴とする抱合型ビリルビン測定用組成物の安定化方法を要旨とするものである。
また、本発明の第二は、ビリルビンオキシダーゼ、アルカリ金属のフッ化物塩およびチオール基を有する化合物を含有する抱合型ビリルビン測定用組成物において、ジエチレントリアミン五酢酸を含有することを特徴とする抱合型ビリルビン測定用組成物を要旨とするものである。
【0015】
【発明の実施の態様】
この発明の抱合型ビリルビン測定試薬は、DTPAを含む第1試薬と、使用時にこの第1試薬と混合するBOD等を含む第2試薬とからなり、使用時にこれらの第1試薬と第2試薬とを混合して使用する形態のものでもよく、或いはまた、それぞれの試薬成分を凍結乾燥試薬と液状試薬に分配しておき、使用時にこれらを混合して使用する形態のものでも良い。
DTPAは第1試薬、第2試薬のいずれに添加してもよく、その必要量は0.001mM〜20mM、好ましくは0.05mM〜5mMである。
【0016】
この試薬に用いるBODとしては、例えばミロセシウム属またはトラキデルマ属に属する菌株から得られる酵素が挙げられ、その必要量は0.001〜200単位/mL、望ましくは0.005〜20単位/mLである。
【0017】
用いる緩衝液はpH8.0以下、望ましくは使用する酵素の安定性、活性の面で有利となるpH4.5〜6.5までの間に緩衝能をもつものであればよく、例えば、フタル酸−水酸化ナトリウム緩衝液、リンゴ酸−水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液、MES−水酸化ナトリウム緩衝液等が挙げられる。緩衝液の濃度は2〜500mM、好ましくは30〜300mMである。
【0018】
その他の成分として、p-トルエンスルホン酸、安息香酸等の芳香族カルボン酸、界面活性剤、アラニン、セリン等のアミノ酸、マンニトール等の糖類、ポリエチレングリコール等のポリオール類、NaCl等の塩類、アルブミン等のタンパク質等を適宜に添加することができる。さらに、抱合ビリルビンと非抱合ビリルビンとの分別性をより完全にするためにテトラピロール化合物を添加することも有用である。また、その他の試薬類、例えば防腐剤等は、公知の化学的酸化法やBOD法等において使用される例えばパラベン等の防腐剤から必要に応じて適宜選択して用いることができ、それらの使用濃度や測定試薬のpH等も公知の方法において採用されている測定試薬のそれに準じて適宜設定することができる。
【0019】
また、この発明においては、前記成分を適宜選択して常法により混合することにより、抱合ビリルビンと非抱合ビリルビンとの分別能の優れた直接型ビリルビン測定用組成物を得ることができる。好ましい具体例としては、例えば第1試薬はpH4.5〜6.5に調整されたフタル酸緩衝液10〜200mM、p-トルエンスルホン酸1〜100mM、ヒト血清アルブミン0.001〜1%、フッ化ナトリウム0.05〜200mM、N-アセチルシステイン0.02〜10mM、DTPA 0.05〜5mMを含み、第2試薬はトラキデルマ属の菌株由来のBOD 0.001〜100単位/mL、及びpH5〜6に調整されたフタル酸緩衝液10〜200mMを含むことができる。
【0020】
本発明の抱合型ビリルビン測定用組成物を用いて抱合ビリルビンを測定するための具体例は以下の通りである。
まず、前述のDTPA、非イオン性界面活性剤等を含む第1試薬に各種ビリルビンを含む検体(血清、血漿、尿等の生体液等)を適量加え溶液とし、分光光度計のセル室内にて予備加温後、この溶液の特定波長(460 nm付近)における吸光度を測定する(吸光度1)。これにBODを含む第2試薬を添加し、1〜10分間反応させて抱合ビリルビンのみを酸化させた後、460nm付近における吸光度を再度測定する(吸光度2)。得られた吸光度1及び吸光度2の値に液量補正値等を乗ずる等した後、上記の特定波長における吸光度変化量(A)を求める。
【0021】
次に、既知濃度のジタウロビリルビンを含む標準物質を同様に測定し、吸光度変化量(B)を求める。この吸光度変化量(B)から作成した検量線に上記の吸光度変化量(A)を当てはめることによって試料中の抱合ビリルビン量を測定することができる。また、吸光度変化量(A)及び(B)から、次式により検体中の抱合ビリルビン含量を求めることができる。
【0022】
検体中の抱合ビリルビン濃度(mg/dL)=
A/B×標準物質中のジタウロビリルビン濃度(mg/dL)
【0023】
なお、測定波長は460nmに限定されるものではなく、400〜480nmの任意の波長を選ぶことができる。また第1、第2試薬、検体の液量は適宜変化させることができる。
反応は通常の条件下で行い、例えば、反応温度は20〜45℃、好ましくは30〜40℃、反応時間は1〜30分、好ましくは3〜15分である。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
実施例1
pH5.5のフタル酸緩衝液120mM、p-トルエンスルホン酸50mM、ヒト血清アルブミン0.005%、フッ化ナトリウム2.5mM及びN-アセチルシステイン2.5mM、DTPA 0.1mMからなる試薬1、BOD 12単位/mL及びpH5.5のフタル酸緩衝液120mMからなる試薬2を調製した。
【0025】
実施例2
pH5.5のフタル酸緩衝液120mM、p-トルエンスルホン酸50mM、ヒト血清アルブミン0.005%、フッ化ナトリウム2.5mM及びN-アセチルシステイン2.5mM、DTPA 0.5mMからなる試薬3を調製した。
【0026】
比較例1
pH5.5のフタル酸緩衝液120mM、p-トルエンスルホン酸50mM、ヒト血清アルブミン0.005%、フッ化ナトリウム2.5mM及びN-アセチルシステイン2.5mM、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)2Na 0.1mMからなる試薬4を調製した。
【0027】
実施例3〔安定化の評価〕
検体はヒト血清1、ヒト血清2、ヒト血清3、ヒト血清4、ヒト血清5、合成デルタビリルビン(5mg/dL)、非抱合ビリルビン(1mg/dL)を使用した。ヒト血清は、表1の通り総ビリルビンのうち16%〜55%のデルタビリルビン、5%〜60%の非抱合ビリルビンが含まれていることをHPLC分析により確認している。HPLC分析は、ラウフ(Lauff)らの方法〔ジャーナル・オブ・クロマトグラフィー(Journal of Chromatography)、第226巻、第391頁(1981年)〕に準拠して行った。合成デルタビリルビンは「医学検査」43巻7号1253(93)〜1255(95)「デルタビリルビンの抽出とその化学的合成法」に従って作製した。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1または実施例2、または比較例1において0.28mLの試薬1または試薬3、または試薬4と14μLの各検体を混合し37℃で5分間加温後、0.07mLの試薬2を添加して37℃で5分間反応させた。この際の450nmにおける吸光度変化を記録した。検体の代わりに既知濃度のジタウロビリルビンを含む標準物質を同様に操作し、得られた吸光度変化量から検体中の抱合型ビリルビン濃度を求めた。
なお、以上の操作は日立7070型自動分析装置で行った。
【0030】
また実施例1および実施例2、および比較例1において、試薬1〜4を25℃でそれぞれ2週間、4週間保存し、同様に操作して各検体中の抱合型ビリルビン濃度を測定した。その結果、表2に示す通り、いずれの検体においても実施例1および実施例2では測定値の経時的上昇が見られなかったのに対し、比較例1では測定値の経時的上昇が見られた。合成デルタビリルビンで特にその違いが顕著であることから、ヒト検体においても含有されるデルタビリルビンとの交差反応性の違いが、測定値の経時的上昇の有無に大きく関与していると考えられる。
【0031】
【表2】
【0032】
次に実施例1および実施例2、および比較例1において、試薬1〜4を10℃でそれぞれ2ヶ月、9ヶ月保存し、同様に操作して各検体中の抱合型ビリルビン濃度を測定した。その結果、表3に示す通り、いずれの検体においても実施例1および実施例2では測定値の経時的上昇が見られなかったのに対し、比較例1では測定値の経時的上昇が見られた。表1の結果と同じく、含有されるデルタビリルビンとの交差反応性の違いが、測定値の経時的上昇の有無に大きく関与していると考えられる。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、閉塞性黄疸等の患者の生体液中において顕著に増大することが知られている抱合型ビリルビンのみを長期に渡り正確に分別測定することができ、臨床検査その他において有用性の高い抱合型ビリルビン測定試薬が提供される。

Claims (2)

  1. アルカリ金属のフッ化物塩およびチオール基を有する化合物を共存させることを特徴とするビリルビンオキシダーゼの反応を利用した抱合型ビリルビン測定用組成物に、ジエチレントリアミン五酢酸を含有させることによりデルタビリルビン及び非抱合型ビリルビンとの分別能の経時的低下を抑制することを特徴とする抱合型ビリルビン測定用組成物の安定化方法。
  2. ビリルビンオキシダーゼ、アルカリ金属のフッ化物塩およびチオール基を有する化合物を含有する抱合型ビリルビン測定用組成物において、ジエチレントリアミン五酢酸を含有することを特徴とする抱合型ビリルビン測定用組成物。
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