JP3583939B2 - マッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、背凭れ部にモミ動作と叩き動作を行うもみ玉駆動ユニットを有するマッサージ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマッサージ機は、図19に示す如く、背凭れ部内の一対のガイドレール(22)(22)間にもみ玉駆動ユニット(3)を配備し、該ユニット(3)のシャーシ(23)の両端に突設したローラ(20)をガイドレール(22)(22)に係合し、該レールと平行なネジ軸(26)に螺合したナット(26a)をシャーシ(23)に固定している。
ネジ軸(26)を、ベルト(29)を介してモータ(27)によって回転させると、ネジ推力でもみ玉駆動ユニット(3)が上昇或いは下降する。
【0003】
もみ玉駆動ユニット(3)は、もみ用回転軸(5)上に軸心に対して傾いて設けたベアリング(51)(51)に一対のレバー(31)(31)を回転自由に支持し、レバー(31)の自由端に、図16に示す如く、上部及び下部にもみ玉(33)を具えたアーム(32)の略中央を一定の範囲で回動可能に連結していている(但し図16は本発明に係るものであって、従来例ではない)。
又、叩き用回転軸(4)に対して互いに該軸(4)の軸心に対して180゜対称位置に偏心した偏心軸部(41)(41)に回転自由に偏心回転部材(43)(43)を支持し、該偏心回転部材(43)(43)と前記レバー(31)(31)とをロッド(6)(6)にて枢支連結している(図7参照)(但し図7は本発明に係るものであって、従来例ではない)。
【0004】
叩き用回転軸(4)及びもみ用回転軸(5)は、シャーシ(23)の略中央に設けたギアボックス(100)に内蔵したウォームギア装置(図示せず)を介して、共通のブラシレスモータ(101)に連繋され、該モータ(101)の正逆回転の切換えにより、叩き用回転軸(4)ともみ用回転軸(5)の何れか一方を選択的に回転駆動させる。
【0005】
図7において、叩き用回転軸(4)が回転すると、該軸の偏心軸部(41)の偏心回転により、該偏心軸部(41)にロッド(6)を介して連繋されたレバー(31)の先端が上下動し、レバー(31)を介してもみ玉(33)が上下運動、即ち叩き動作を行う。
もみ用回転軸(5)が回転すると、該軸(5)上にベアリング(51)を介して斜めに設けた一対のレバー(31)(31)が、その先端を互いに接近離間させ、この動きがもみ玉(33)(33)に伝わってもみ動作を行う。
【0006】
もみ用回転軸(5)は、モータ(101)の1分間当たり2000回転を30回転程度に減速するため、ウォームギアによる減速が一般的である。
叩き用回転軸(4)は、モータ(101)の1分間当たり2000回転を500回転程度に減速するだけであるため、ウォーム減速は必要ではない。しかし、ギアボックス(101)内に縦向きに配備した駆動軸(図示せず)に対して叩き用回転軸(4)ともみ用回転軸(5)を直交して回転伝達させねばならぬ関係上、叩き用回転軸(4)もウォーム減速している。
上記の様に、もみ動作と叩き動作の両方ができるマッサージ機では、一方の動作を停止して他方の動作を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
叩き動作を停止して、もみ動作やローリング動作(もみ玉の昇降動作)を行う場合、叩き用回転軸(4)上の偏心軸部(41)(41)の停止位置によっては、左右のもみ玉(33)(33)に段差が生じ、被験者にとって、もみ玉(33)(33)が背中に対称的に当たらず、違和感を感じる問題がある。
もみ玉(33)(33)に作用する被験者の倒れ加圧で、叩き用回転軸(4)を逆転させてもみ玉(33)(33)の段差を解消出来そうに思われるが、叩き用回転軸(4)を減速させるウォームギアは、減速方向、即ち、ウォーム側から相手ギア側を回転させるには小さい力で済むが、相手ギアからウォームを回転させるには大きな力が必要であり、上記もみ玉(33)(33)の段差は解消できない。
本発明は、上記問題を解決できるマッサージ機を明らかにするものである。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明のマッサージ機は、座部の後部に連結された背凭れ部 ( 2 ) と、該背凭れ部内に昇降可能に配備されたもみ玉駆動ユニット ( 3 ) と、該もみ玉駆動ユニット内に水平方向に回転自由に支持されるもみ用回転軸 ( 5 ) 及び叩き用回転軸 ( 4 ) と、前記もみ用回転軸上に軸心と直交する面に対して対称的に傾いて回動可能に支持された一対のレバー (31)(31) と、該各レバーの背凭れ部側に取り付けられたもみ玉 (33) と、前記叩き用回転軸に形成され、該軸の軸心に対して互いに反対方向に偏心した一対の偏心軸部 (41)(41) と、該各偏心軸部に回転自由に支持された一対の偏心回転部材 (43)(43) と、該各偏心回転部材と前記各レバーとを夫々連結するロッド ( 6 )( 6 ) と、前記叩き用回転軸と平行なモータ軸 (47a) を有し、叩き用回転軸を駆動するモータ (47) と、前記モータ軸に取付けられたプーリ (48a) と、前記叩き用回転軸に取付けられたプーリ (48) と、前記両プーリ間に張設された無端状のベルト (49) とを具え、
前記モータの駆動時は、前記モータ軸から前記ベルトを介して叩き用回転軸へ回転伝達され、且つ、前記モータ軸から叩き用回転軸への回転減速を前記両プーリの減速比で行い、
前記モータの停止時は、被験者の背中からいずれか一方のもみ玉へ加わる倒れ圧力により、叩き用回転軸から前記ベルトを介して前記モータ軸が回転して前記一対のもみ玉の段差を解消するものである。
また、前記モータが停止され、叩き動作からもみ動作或いはローリング動作への切り替え時に、被験者の背中からいずれか一方のもみ玉へ加わる倒れ圧力により、叩き用回転軸から前記ベルトを介して前記モータ軸が回転するものである。
【0009】
モータ(47)は、整流子モータを用いることが望ましい。
【0010】
【作用及び効果】
叩き用回転軸(4)とモータ軸(47a)を平行に配備し、前記モータ軸に取付けられたプーリ (48a) と、前記叩き用回転軸に取付けられたプーリ (48) とを無端状のベルト(49)で連繋すれば、停止中の叩き用回転軸(4)にモータ(47)以外の回転力が作用した場合、ベルト(49)を介してモータ軸(47a)が回転し易い。
従って、叩き動作を停止し、もみ動作或いはローリング動作に切替えたとき、被験者のもみ玉(33)への倒れ加圧により、左右のもみ玉(33)(33)の高さが揃い易い。又、その時点でもみ玉(33)(33)の高さが揃わずとも、もみ動作、ローリング動作の進行中に、もみ玉(33)に被験者の倒れ圧が加わる力によって、叩き用のモータ(47)が叩き用回転軸(4)からの入力で回転し、左右のもみ玉(33)(33)の高さが自然に揃い、被験者に左右のもみ玉(33)(33)に段差が生じることによる違和感を感じさせない。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、背凭れ部(2)を具えた椅子型のマッサージ機に本発明を実施した状態を示しているが、本発明は、背凭れ部にもみ玉駆動ユニット(3)を具えたマッサージ機であれば、形式を問わない。
マッサージ機は、座部(1)とその後部に傾斜角度調整可能に背凭れ部(2)を有し、座部(1)の左右両側に肘掛け(11)を具えている。
背凭れ部(2)は、図2に示す如く、縦長矩形のフレーム(21)の上端に、図1に示す如く、頭部レスト(12)を設け、フレーム(21)の外周に適当にクッション材を装着し、全体をカバー(13)で覆って形成されている。
【0012】
図2示す如く、フレーム(21)の左右の枠杆は、断面コ字状を呈し互いに開口を内向きに対向させたガイドレール(22)(22)である。
フレーム(21)の下端中央にネジ軸(26)がガイドレール(22)と平行に回転自由に支持され、該ネジ軸(26)の下端はプーリ(28)及びベルト(29)を介してネジ軸駆動モータ(27)に連繋されている。
【0013】
上記フレーム(21)内にもみ玉駆動ユニット(3)が昇降可能に配備される。
もみ玉駆動ユニット(3)のシャーシ(23)は、フレーム(21)に沿う板面を有する取付板(24)と該取付板(24)の下端にネジ軸(26)と直交して突設されネジ軸(26)を貫通させた支え板(25)とからなる。
前記ネジ軸(26)に螺合したナット(26a)が、上記支え板(25)に固定されている。
シャーシ(23)の左右両端に2個づつローラ(20)が突設され、該ローラ(20)が前記ガイドレール(22)に転動可能に嵌まっている。
【0014】
図4に示す如く、上記シャーシ(23)の背面側の上部にもみ用回転軸(5)、下部に叩き用回転軸(4)が夫々横向き姿勢で回転自由に支持され、もみ用回転軸(5)は、一端がウォームギア装置(54)を介して整流子モータ(53)に連繋されている。
ウォームギア装置(54)のウォーム(55)に突設した大プーリ(57)と、モータ軸(53a)に突設した小プーリ(57a)とがベルト(58)にて連繋され、ウォーム(55)の相手ギア(56)がもみ用回転軸(5)に固定されている。
叩き用回転軸(4)の一端は、大プーリ(48)、ベルト(49)、小プーリ(48a)を介して整流子モータ(47)に連繋され、モータ軸(47a)と叩き用回転軸(4)は平行である。
【0015】
叩き用回転軸(4)の先端側に、シャーシ(23)の左右中心に位置して筒部材(40)が嵌着固定され、該筒部材(40)の両端に形成した偏心軸部(41)(41)にベアリング(42)を介して偏心回転部材(43)(43)が取り付けられている。
上記2つの偏心軸部(41)(41)は、叩き用回転軸(4)の軸心を中心に180゜対称的に偏心している。
該偏心回転部材(43)と、前記もみ用回転軸(5)上のレバー(31)が後記するロッド(6)にて枢支連結される。
【0016】
図5に示す如く、もみ用回転軸(5)には、シャーシ(23)の左右中心から振り分け位置に2つの筒部材(50)をもみ用回転軸(5)の軸心に対して傾けて嵌着固定し、各筒部材(50)にベアリング(51)及びベアリングホルダー(52)を介してレバー(31)を回動自由に支持している。
2つの筒部材(50)(50)は、筒部材(50)(50)間の中央にてもみ用回転軸(5)の軸心と直交する面を中心に対称的に傾いており、従って、左右のレバー(31)(31)も対称的に傾いている。
図7、図10、図11、図12に示す如く、ベアリングホルダー(52)は機械的強度が大で、摩擦係数の小さい合成樹脂にて形成され、レバー(31)の内側面にネジ止め固定されている。
【0017】
ベアリングホルダー(52)は前記ロッド(6)を枢支する合成樹脂製の支持部(8)を有しており、該支持部(8)は、ロッド(6)の球状頭部(61)を包囲する大挟み部材(80)と小挟み部材(84)とかなり、大挟み部材(80)はベアリングホルダー(52)と一体成形されている。
大挟み部材(80)の、レバー取付け側の面には、小挟み部材(84)を収容する収容部(81)及び該収容部(81)の奥に半球凹部(82)が開設されている。
小挟み部材(84)には、大挟み部材(80)の半球凹部(82)に対向して半球凹部(85)を有し、背面には突起(86)を突設している。
大挟み部材(80)と小挟み部材(84)との間には、ロッド(6)の軸部(63)が揺動可能に嵌まる切欠(83)(83)が開設されている(図12参照)。
【0018】
大挟み部材(80)の半球凹部(82)にロッド(6)の球状頭部(61)を嵌め、該部材の収容部(81)に小挟み部材(84)を嵌めて、大挟み部材(80)と小挟み部材(84)の夫々の半球凹部(82)(85)で球状頭部(61)を回転可能に支持し、切欠(83)からロッド(6)の軸部(63)を突出させる。
小挟み部材(84)の突起(86)をレバー(31)の開設した孔(39)に嵌め、レバー(31)を貫通した複数のビス(87)を小挟み部材(84)を包囲する様にして大挟み部材(80)に螺合し、両挟み部材(80)(84)をレバー(31)に固定する。
【0019】
上記の如く、小挟み部材(84)は、その突起(86)がレバー(31)の孔(39)に嵌まっており、該小挟み部材(84)を収容した大挟み部材(80)は、レバー(31)にビス止めされているため、大挟み部材(80)と小挟み部材(84)との間が開いたり、大挟み部材(80)から小挟み部材(84)が外れることはなく、従って、ロッド(6)が支持部(8)から抜け出すことはない。
【0020】
図7、図14に示す如く、ロッド(6)は基端に扁平部(62)が形成され、該扁平部(62)が前記偏心軸部(41)上の偏心回転部材(43)に形成されたブラケット部(44)に連結される。
ブラケット部(44)は、機械的強度が高く摩擦係数の小さい合成樹脂にて偏心回転部材(43)と一体成形され、偏心軸部(41)の軸心を含む面内で開口する溝(45)を有し、該溝(45)にロッド(6)の扁平部(62)を嵌め、ブラケット部(44)に挿通したピン(46)を該扁平部(62)に貫通させている。
【0021】
ピン(46)の頭部に平行なカット面(46a)(46a)を形成し、一方のカット面(46a)をブラケット部(44)の回止め面(44a)に対向させ、ピン(46)の回止めを図る。更に、ブラケット部(44)にビス(88)を螺合し、ビスの座面(88a)でピン(46)の頭部を抑えて、ピン(46)の抜け止めを計る。
これにより、ロッド(6)がピン(46)を中心に回動しても、ピン(46)が回転したり、抜け出ることはない。又、ピン(46)は、溝(45)の幅を狭める作用はないため、溝(45)は、ロッド(6)の扁平部(62)をガタなく円滑に支持できる溝幅を維持できる。
【0022】
図1、図5、図7に示す如く、レバー(31)の先端にアーム(32)の略中間部が一定の範囲で回動可能に支持される。
レバー(31)とアーム(32)の連結構造は、図8に示す如く、金属板にて形成されたアーム(32)に大径の孔(34)を開設し、該孔(34)に機械的強度が大で摩擦係数の小さい合成樹脂製の軸受けリング(35)をインサート成形により一体的に固定し、該リング(35)に回転自由に軸受部材(7)を嵌合して該軸受け部材(7)とレバー(31)をネジ止め固定したものである。
【0023】
軸受部材(7)は金属板のプレス加工によって形成され、軸受けリング(35)に嵌合する底付きの短筒部(71)の開口縁にフランジ(72)を突設しており、該フランジ(72)を軸受けリング(35)の端面に摺接し、底面(73)をレバー(31)に当てている。
レバー(31)の先端に、レバー(31)の内面側からボルト(74)を貫通させ、ボルト頭部(75)を溶接、かしめ等によりレバー(31)に固定しておく。
ボルト(74)の首下には多角形軸部(76)が形成され、該多角形軸部(76)が軸受部材底面(73)中央の多角形孔(73a)を貫通し、ナット(78)にて締め付けられている。
レバー(31)の両端にもみ玉(33)(33)が取り付けられている。
【0024】
上記、軸受けリング(35)には、図9、図16に示す如く、レバー(31)に対するアーム(32)の俯仰角度を規制するための凸部(36)が一体に形成され、該凸部(36)にゴム筒(37)が被せら、ビス(38)にて抜止めが計られる。
レバー(31)に突設した2つの突片(30)(30)間に上記凸部(36)が位置し、突片(30)(30)の範囲でアーム(32)が回動可能であり、バネ(32a)によってアーム(32)は図16において時計方向に付勢されている。
凸部(36)にゴム筒(37)が装着されているため、凸部(36)が突片(30)に当たる際の衝撃が緩和され、衝撃音の発生を抑えることができる。
【0025】
モータ(47)によって叩き用回転軸(4)が回転すると、該軸上の偏心回転部材(43)が偏心回転、即ち、上下に移動する。この上下動がロッド(6)を介してレバー(31)に伝達され、レバー(31)先端のアーム(32)を上下させる。これがもみ玉(33)の叩き動作となる。
モータ(53)によってもみ用回転軸(5)が回転すると、もみ用回転軸(5)上に傾斜ベアリング(51)を介して、互いに対称的に斜め配備されたレバー(31)(31)が、その先端間を開閉する様に運動し、即ち、左右のモミ玉(32)(32)がもみ動作を行う。
もみ動作のモータ(53)と、叩き動作用のモータ(47)は別個であるから、叩き動作、もみ動作及び叩きともみの併用動作の3種のマッサージ動作を選択できる。
又、ネジ軸(26)を回転させると、もみ玉駆動ユニット(3)が上昇或いは下降するので、この動作を組み合わせることも自由に行うことができる。
【0026】
アーム(32)は、その軸受部材(7)をレバー(31)上の合成樹脂製の軸受けリング(35)に回転自由に嵌めているから、従来の軸受けボルト(92)とアームの孔縁との金属どうしの摩擦による異音の発生はなく、又、軸受部材(7)と軸受けリング(35)の摩耗も殆ど生じない。
レバー(31)に、軸受部材(7)締付け固定用のボルト(74)を外向きに固定し、アーム(32)に嵌めた軸受部材(7)に該ボルト(74)を貫通させてナット止めするため、レバー(31)(31)間の狭いスペースに手を挿入しての作業はなくなり、アーム(32)の組立作業が容易となる。
【0027】
図17は、レバー(31)とアーム(32)の枢支連結部の他の実施例を示しており、アーム(32)上の軸受けリング(35)に嵌まる軸受部材(7)の底面(73)中央に多角形突部(70)を突設し、レバー(31)には該突部(70)が嵌まる多角形孔(31a)が開設されている。
軸受部材(7)は、軸受けリング(35)に対する軸受部材(7)の嵌込み側から、複数のビス(79)によってレバー(31)に固定される。レバー(31)(31)間の狭いスペースに手を挿入せずに、アーム(32)の取り付けができる等の効果は、前記図8に示す実施例と同じである。
【0028】
然して、叩き用回転軸(4)とモータ軸(47a)を平行に配備し、ベルト(49)で連繋すれば、停止中の叩き用回転軸(4)にモータ(47)以外の回転力が作用した場合、ベルト(49)を介してモータ軸(47a)が回転し易い。
従って、叩き動作を停止し、もみ動作或いはローリング動作に切替えたとき、被験者のもみ玉(33)への倒れ加圧により、左右のもみ玉(33)(33)の高さが揃い易い。又、その時点でもみ玉(33)(33)の高さが揃わずとも、もみ動作、ローリング動作の進行中に、もみ玉(33)に加わる力によって叩き用のモータ(47)が叩き用回転軸(4)からの入力で回転し、左右のもみ玉(33)(33)の高さが自然に揃い、被験者に左右のもみ玉(33)(33)に段差が生じることによる違和感を感じさせない。
【0029】
尚、実施例では、左右のレバー(31)(31)の夫々の先端に枢支したアーム(32)(32)の上下にもみ玉(33)を設けた、4つ玉式のマッサージ機であるが、レバー(31)(31)の先端に1個づつもみ玉(33)を設けた2つ玉式のマッサージ機に実施出来るのは勿論である。
【0030】
実施例では、もみ用回転軸(5)はウォームギア装置(54)及び大小2つのプーリ(57)(57a)を介してモータ(53)に連繋され、モータ(53)からもみ用回転軸(5)へ1/50〜1/80程度に減速されるが、ウォームギア装置(54)が負担する減速比程度であれば、ウォーム(55)のリード角は大きく、ウォーム(55)の相手ギア(56)側からウォーム(55)へ回転伝達が可能となる。
【0031】
従来は、もみ用回転軸(5)は、通電遮断状態にてモータ軸を小さい外力で回転させることのできるブラシレスモータで駆動していたため、上記理由により、叩き動作やローリング動作中に、もみ玉(33)に作用する被験者の倒れ圧力によって、左右のもみ玉(33)(33)の間隔が変化してしまうことがあり、マッサージ機としては不都合であった。特に叩き動作の際は、振動が伴うのでこの傾向が強い。
そこで、従来は、回転駆動系にブレーキやワンウェイクラッチを介装して、もみ用回転軸(5)からモータ軸(53a)への回転伝達を遮断していた。
【0032】
又、本実施例では、もみ用回転軸(5)を整流子モータ(53)で駆動しており、この整流子モータ(53)は、整流子とブラシとの間に適当な摩擦(回転抵抗)があるため、ウォームギア装置(54)及びベルト(58)介してモータ軸(53a)に伝わる回転力程度では、モータ軸(53a)は回転しない。
従って、ブラシレスモータに較べて安価な整流子モータを使用する点、回転駆動系にブレーキやワンウェイクラッチを介装する必要のない点等により、コストを低減できる。
【0033】
又、実施例では、もみ玉駆動ユニット(3)昇降用のネジ軸(26)を中心として、もみ玉駆動ユニット(3)の左右の重量をほぼバランスさせた。このため、ネジ軸(26)に偏荷重を作用させることを可及的に抑えることができ、小さい力でネジ軸(26)を回転させてもみ玉駆動ユニット(3)を円滑に昇降させることができる。
尚、実施例では、もみ玉駆動ユニット(3)の左右長さの略中央部にネジ軸(26)を位置させ、ネジ軸(26)の左右両側にモータ(47)(53)を配備することにより、もみ玉駆動ユニット(3)の左右のバランスがとれたが、もみ玉駆動ユニット(3)自体がその左右の中心で重量バランスがとれていない場合、ネジ軸(26)の位置は、もみ玉駆動ユニット(3)の左右中心ではなく、重量バランスのとれる位置に配備すればよいのは勿論である。
【0034】
尚、図19の従来例の様に、ネジ軸(26)をもみ玉駆動ユニット(3)の片側寄りに配備したときは、ネジ軸(26)を回転させるときに異音が発生したが、実施例の様に、ネジ軸(26)をもみ玉駆動ユニット(3)の中間に位置させ、ネジ軸駆動用モータ(27)をフレーム(21)の一端寄りに配置した場合、ネジ軸を回転させるときの異音は殆ど聞こえない程度に小さくなった。
この原因を追求したところ、図19の従来例の場合、モータ(27)とネジ軸(26)との距離、即ち、ベルト(29)の長さ、ベルトの太さ及びベルト(29)の速度が、モータ(27)の回転によってベルト(29)を共振させる関係にあり、このベルト(29)の共振によって異音が発生することが解った。
実施例の様に、ネジ軸(26)をもみ玉駆動ユニット(3)の中央に位置させると、結果的に従来よりもベルト(29)が短くなって、ベルト(29)の共振がなくなり、異音は発生せず、静寂な運転が可能となった。
【0035】
本発明は上記実施例の構成に限定されることはなく、特許請求の範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マッサージ機の断面図である。
【図2】フレームにもみ玉駆動ユニットを組み込んだ状態の正面図である(但し、シャーシの向こう側に見える線も実線で表している)。
【図3】もみ玉駆動ユニットの正面図である。
【図4】もみ玉駆動ユニットの背面図である。
【図5】レバー部分を断面で表したもみ玉駆動ユニットの平面図である。
【図6】レバーからアームを外した状態の平面図である。
【図7】偏心回転部材近傍を断面で表したレバーともみ用回転軸の連繋状態の側面図である。
【図8】レバーとアームの連結部の分解断面図である。
【図9】レバーとアームの連結部の断面図である。
【図10】ベアリングホルダーと支持部の斜面図である。
【図11】ヘアリングホルダーの断面図である。
【図12】支持部の断面図である。
【図13】支持部のビス止め状態の側面図である。
【図14】偏心回転部材とロッドの分解正面図である。
【図15】偏心回転部材の側面図である。
【図16】レバーに対するアームの回動範囲を示す説明図である。
【図17】レバーとアームの連結部の他の実施例の分解図である。
【図18】従来例のアーム及びロッドの取り付け状態の説明図である。
【図19】従来例のもみ玉駆動ユニットの説明図である。
【符号の説明】
(2) 背凭れ部
(21) フレーム
(22) ガイドレール
(3) シャーシ
(4) 叩き用回転軸
(47) 整流子モータ
(49) ベルト
(5) もみ用回転軸
(53) 整流子モータ
(54) ウォームギア装置
(55) ウォーム
(56) 相手ギア
(58) ベルト
Claims (4)
- 座部の後部に連結された背凭れ部と、
該背凭れ部内に昇降可能に配備されたもみ玉駆動ユニットと、
該もみ玉駆動ユニット内に水平方向に回転自由に支持されるもみ用回転軸及び叩き用回転軸と、
前記もみ用回転軸上に軸心と直交する面に対して対称的に傾いて回動可能に支持された一対のレバーと、
該各レバーの背凭れ部側に取り付けられたもみ玉と、
前記叩き用回転軸に形成され、該軸の軸心に対して互いに反対方向に偏心した一対の偏心軸部と、
該各偏心軸部に回転自由に支持された一対の偏心回転部材と、
該各偏心回転部材と前記各レバーとを夫々連結するロッドと、
前記叩き用回転軸と平行なモータ軸を有し、叩き用回転軸を駆動するモータと、
前記モータ軸に取付けられたプーリと、
前記叩き用回転軸に取付けられたプーリと、
前記両プーリ間に張設された無端状のベルトとを具え、
前記モータの駆動時は、前記モータ軸から前記ベルトを介して叩き用回転軸へ回転伝達され、且つ、前記モータ軸から叩き用回転軸への回転減速を前記両プーリの減速比で行い、
前記モータの停止時は、被験者の背中からいずれか一方のもみ玉へ加わる倒れ圧力により、叩き用回転軸から前記ベルトを介して前記モータ軸が回転して前記一対のもみ玉の段差を解消することを特徴とするマッサージ機。 - 前記もみ用回転軸を駆動するモータは、ウォームギア装置を介してもみ用回転軸に連繋され、該モータによって回転するウォームに相手ギアを噛合し、該相手ギアをもみ用回転軸に固定したことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
- 座部の後部に連結された背凭れ部と、
該背凭れ部内に昇降可能に配備されたもみ玉駆動ユニットと、
該もみ玉駆動ユニット内に水平方向に回転自由に支持されるもみ用回転軸及び叩き用回転軸と、
前記もみ用回転軸上に軸心と直交する面に対して対称的に傾いて回動可能に支持された一対のレバーと、
該各レバーの背凭れ部側に取り付けられたもみ玉と、
前記叩き用回転軸に形成され、該軸の軸心に対して互いに反対方向に偏心した一対の偏心軸部と、
該各偏心軸部に回転自由に支持された一対の偏心回転部材と、
該各偏心回転部材と前記各レバーとを夫々連結するロッドと、
前記叩き用回転軸と平行なモータ軸を有し、叩き用回転軸を駆動するモータと、
前記モータ軸に取付けられたプーリと、
前記叩き用回転軸に取付けられたプーリと、
前記両プーリ間に張設された無端状のベルトとを具え、
前記モータの駆動時は、前記モータ軸から前記ベルトを介して叩き用回転軸へ回転伝達され、且つ、前記モータ軸から叩き用回転軸への回転減速を前記両プーリの減速比で行い、
前記モータの停止時は、被験者の背中からいずれか一方のもみ玉へ加わる倒れ圧力により、叩き用回転軸から前記ベルトを介して前記モータ軸が回転することを特徴とするマッサージ機。 - 座部の後部に連結された背凭れ部と、
該背凭れ部内に昇降可能に配備されたもみ玉駆動ユニットと、
該もみ玉駆動ユニット内に水平方向に回転自由に支持されるもみ用回転軸及び叩き用回転軸と、
前記もみ用回転軸上に軸心と直交する面に対して対称的に傾いて回動可能に支持された一対のレバーと、
該各レバーの背凭れ部側に取り付けられたもみ玉と、
前記叩き用回転軸に形成され、該軸の軸心に対して互いに反対方向に偏心した一対の偏心軸部と、
該各偏心軸部に回転自由に支持された一対の偏心回転部材と、
該各偏心回転部材と前記各レバーとを夫々連結するロッドと、
前記叩き用回転軸と平行なモータ軸を有し、叩き用回転軸を駆動するモータと、
前記モータ軸に取付けられたプーリと、
前記叩き用回転軸に取付けられたプーリと、
前記両プーリ間に張設された無端状のベルトとを具え、
前記モータの駆動時は、前記モータ軸から前記ベルトを介して叩き用回転軸へ回転伝達され、且つ、前記モータ軸から叩き用回転軸への回転減速を前記両プーリの減速比で行い、
前記モータが停止され、叩き動作からもみ動作或いはローリング動作への切り替え時に、被験者の背中からいずれか一方のもみ玉へ加わる倒れ圧力により、叩き用回転軸から前記ベルトを介して前記モータ軸が回転することを特徴とするマッサージ機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04742999A JP3583939B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | マッサージ機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04742999A JP3583939B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | マッサージ機 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000237258A JP2000237258A (ja) | 2000-09-05 |
JP3583939B2 true JP3583939B2 (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=12774918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04742999A Expired - Lifetime JP3583939B2 (ja) | 1999-02-25 | 1999-02-25 | マッサージ機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3583939B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP6436726B2 (ja) * | 2014-11-06 | 2018-12-12 | ファミリーイナダ株式会社 | 駆動機構 |
CN113081657B (zh) * | 2021-04-14 | 2023-09-19 | 浙江豪中豪健康产品有限公司 | 一种自动张紧扪布按摩椅结构 |
-
1999
- 1999-02-25 JP JP04742999A patent/JP3583939B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2000237258A (ja) | 2000-09-05 |
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