JP3580305B2 - 非水電解液およびリチウム二次電池 - Google Patents

非水電解液およびリチウム二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
[技術分野]
本発明は、電池の過充電防止などの安全性、およびサイクル特性、電気容量などの電池特性にも優れたリチウム二次電池、そしてそのリチウム二次電池の製造に有用な非水電解液に関する。
【0002】
[背景技術]
近年、リチウム二次電池は小型電子機器などの駆動用電源として広く使用されている。また、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノート型パソコンなどの携帯用電子・通信機器のみならず、自動車用の電源としての期待も大きい。このリチウム二次電池は、正極、非水電解液および負極から構成されており、特に、LiCoO2などのリチウム複合酸化物を正極とし、炭素材料又はリチウム金属を負極としたリチウム二次電池が好適に使用されている。そして、そのリチウム二次電池用電解液の非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などのカーボネート類が好適に使用されている。
【0003】
このようなリチウム二次電池は、通常の作用電圧を上回るような過充電時に、正極からは過剰なリチウムが放出されると同時に、負極では過剰なリチウムの析出が生じて、デンドライトが生成する。そのため、正・負極の両極が化学的に不安定化する。正・負極の両極が化学的に不安定になると、やがて、非水電解液中のカーボネート類と作用して分解し、急激な発熱反応が起こる。これによって、電池が異常に発熱し、電池の安全性が損なわれるという問題を生じる。このような状況は、リチウム二次電池から発生する電流のエネルギー密度が増加するほど大きな問題となる。
これまでに、電解液中に添加剤として少量の芳香族化合物を添加することによって、過充電に対して安全性を確保できるようにする技術が提案されている。
【0004】
特開平7−302614号公報には、電解液の添加剤として、分子量が500以下で、満充電時の正極電位よりも貴な電位に可逆性酸化還元電位を有するようなπ電子軌道を持つ有機化合物であって、アニソール誘導体に代表される化合物を用いることが記載されている。
特開2000−156243号公報にも、電解液の添加剤として、満充電時の正極電位よりも貴な電位に可逆性酸化還元電位を有するようなπ電子軌道を持つ有機化合物であって、アニソール誘導体、ビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニルなどによって代表される化合物を用いることが記載されている。
上記のアニソール誘導体やビフェニル誘導体などの有機化合物は、電池内でレドックスシャトルを発生させることにより、過充電に対して電池の安全性を確保している。
【0005】
特開平9−106835号公報(米国特許第5879834号に対応)には、負極に炭素材料を用い、電解液の添加剤として、ビフェニル、3−R−チオフェン、3−クロロチオフェン、フランなどの単量体を約1〜4%使用して、電池の最大作動電圧を超える電圧でビフェニルなどが重合する現象を利用して、電池の内部抵抗を大きくして、過充電に対して電池の安全性を確保する方法が提案されている。
特開平9−171840号公報(米国特許第5776627号、同6033797号に対応)には、同様にして、ビフェニル、3−R−チオフェン、3−クロロチオフェン、フランを使用して、電池の最大作動電圧を超える電圧でビフェニルなどが重合する現象を利用して、気体を発生させ、内部電気切断装置を作動させることにより、内部短絡を生じさせて、過充電に対して電池の安全性を確保する方法が提案されている。
特開平10−321258号公報には、同様に、ビフェニル、3−R−チオフェン、3−クロロチオフェン、フランを使用して、電池の最大作動電圧を超える電圧でビフェニルなどが重合する現象を利用して、導電性ポリマーを発生させることにより、内部短絡を生じさせて過充電に対して電池の安全性を確保する方法が提案されている。
【0006】
特開平10−275632号公報には、二次電池の鎖状エステルを主溶媒とする有機電解液に、アルキル基を有する非イオン性芳香族化合物を添加することが提案されており、そのアルキル基を有する非イオン性芳香族化合物の例として、トリメリット酸エステル、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンゼン(ノルマル、ターシャリー、またはイソ)、シクロヘキシルベンゼン、トルエンなどが挙げられている。
特開平11−162512号公報(米国特許第6074777号に対応)には、ビフェニルなどを添加した電池において、4.1Vを越える電圧上限までサイクルが繰り返されたり、40℃以上の高温で長期間暴露される充放電状態では、サイクル特性などの電池特性が悪化する傾向があり、添加量の増大に伴って、その傾向は顕著になるという問題点があることが指摘されている。このため、2,2−ジフェニルプロパンあるいはその類似化合物を添加した電解液が提案され、電池の最大作動電圧を超える電圧で2,2−ジフェニルプロパンあるいはその類似化合物が重合する現象を利用して、気体を発生させ、内部電気切断装置を作動させたり、導電性ポリマーを発生させることにより、内部短絡を生じさせて、過充電に対して電池の安全性を確保する方法が提案されている。
【0007】
特開平7−302614号公報や特開2000−156243号公報に提案されたアニソール誘導体やビフェニル誘導体は、レドックスシャトルにより過充電に対しては有効に作用するが、サイクル特性や保存特性に悪影響を及ぼすという問題がある。すなわち、提案されているアニソール誘導体やビフェニル誘導体は、40℃以上の高温や通常作動電圧で使用している場合に、局部的に少し高い電圧にさらされると充放電と共に徐々にアニソール誘導体やビフェニル誘導体が分解し、本来の電池特性が低下するという問題がある。したがって、通常の充放電と共に徐々にアニソール誘導体やビフェニル誘導体が分解して少なくなってしまうために、300サイクル後に過充電試験を行うと、安全を十分確保できないこともある。
【0008】
また、特開平9−106835号公報、特開平9−171840号公報、および特開平10−321258号公報に提案されているビフェニル、3−R−チオフェン、3−クロロチオフェン、フランも同様に、過充電に対しては有効に作用するのに対して、前記の特開平11−162512号公報で指摘されているように、サイクル特性や保存特性に悪影響を及ぼし、ビフェニル添加量と共に顕著になるという問題がある。すなわち、ビフェニルなどが4.5V以下の電位で酸化分解されるために、40℃以上の高温や通常作動電圧で使用している場合にも局部的に少し高い電圧にさらされると、徐々にビフェニルなどが分解して少なくなってしまうために、サイクル寿命が低下してしまう。更には、充放電と共に徐々にビフェニルなどが分解して少なくなってしまうために、300サイクル後に過充電試験を行うと、安全を十分確保できないこともある。
【0009】
また、特開平11−162512号公報に提案されている2,2−ジフェニルプロパンおよびその類似化合物を添加した電池は、ビフェニルを添加した電池ほど過充電に対する安全性は良くないものの、何も添加しない電池よりも過充電に対する安全性は良い。また、2,2−ジフェニルプロパンを添加した電池は、ビフェニルを添加した電池より優れたサイクル特性が得られるものの、何も添加しない電池よりもサイクル特性が悪いことも知られている。よって、ビフェニルを添加した電池よりも良好なサイクル特性を得るためには、安全性の一部を犠牲にする必要があることも知られている。
【0010】
本発明は、電池の過充電防止などの安全性、およびサイクル特性、電気容量などの電池特性にも優れたリチウム二次電池、および、そのような安全性が高く、サイクル特性が優れたリチウム二次電池の製造に有利な非水電解液を提供することも、その目的とする。
【0011】
[発明の開示]
本発明は、非水溶媒に電解質が溶解されているリチウム二次電池用非水電解液であって、該非水電解液中にさらに、0.1重量%〜10重量%のtert−アルキルベンゼン化合物および0.1重量%〜1.5重量%のビフェニル化合物が含まれていることを特徴とする電解液にある。
上記の本発明の非水電解液に添加するtert−アルキルベンゼン化合物は、(R1)(R2)(R3)C−φ1[ただし、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、φ1は、環上に1乃至5個の置換基を有していてもよいベンゼン環を表わす]で表わされる化合物であることが好ましく、特に、そのベンゼン環上に置換基を有していない化合物であることが好ましい。特に好ましいtert−アルキルベンゼン化合物は、tert−ブチルベンゼンおよびtert−ペンチルベンゼンである。また、tert−アルキルベンゼン化合物として、ベンゼン環上に置換基として1乃至5個の炭化水素基及び/又はハロゲン原子を有する化合物も好ましい。
【0012】
上記の本発明の非水電解液に添加するビフェニル化合物は、φ2−φ3[φ2とφ3は、それぞれ互いに独立に、環上に1乃至5個の置換基を有していてもよいベンゼン環を表わす]で表わされる化合物であることが好ましい。そのような好ましいビフェニル化合物としては、ビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、及び4−tert−ブチルビフェニルを挙げることができる。本発明で用いるビフェニル化合物は、4.5V以下の酸化電位を有することが望ましい。
【0013】
また、本発明は、非水溶媒に電解質が溶解されているリチウム二次電池用非水電解液であって、該非水電解液中にさらに、0.1重量%〜20重量%のtert−アルキルベンゼン化合物(但し、tert−アルキル基の炭素原子数は5乃至13個の範囲にある)が含まれていることを特徴とする電解液にもある。このtert−アルキルベンゼン化合物の代表例としてtert−ペンチルベンゼンを挙げることができる。すなわち、tert−ペンチルベンゼンなどのtert−アルキル基の炭素原子数は5乃至13個の範囲にあるtert−アルキルベンゼン化合物は、ビフェニル化合物と併用しなくても、本発明の目的の達成に有利に作用する。
また、本発明は、コバルト、ニッケルもしくはマンガンを含有するリチウムとの複合酸化物からなる正極、リチウム金属、リチウム合金、もしくはリチウムを吸蔵、放出可能な材料からなる負極、および上記の本発明の非水電解液からなるリチウム二次電池にもある。
【0014】
前述のように、従来知られている過充電防止の機構は、4.5V付近の電位でレドックスシャトルする方法、4.5V以下の電位での添加剤の重合反応を利用して、電池の内部抵抗を大きくする方法、気体を発生させて内部電気切断装置を作動させることにより内部短絡を生じさせる方法、導電性ポリマーを発生させることにより内部短絡を生じさせて、過充電に対する電池の安全性を確保する方法などである。
【0015】
一方、本発明の添加剤としてtert−アルキルベンゼン化合物を用いる非水電解液の過充電防止の機構は、非水電解液中に含有されるtert−アルキルベンゼン化合物が、リチウムに対して+4.6V〜+5.0Vの電位で酸化分解することにより、過充電時に正極中のコバルトまたはニッケルの溶出が促進され、そのコバルトまたはニッケルが負極上に析出することによって、負極上に析出したリチウム金属と非水電解液中のカーボネートとの反応を未然に抑制するものと考えられる。
また、本発明において、場合によっては、電池内部でコバルトまたはニッケルが負極に析出することにより内部短絡を起こし、過充電防止効果を発現するものと考えられる。その結果、電池の安全性が十分確保されるものと推定される。
さらに、本発明において、tert−アルキルベンゼン化合物に、ビフェニル化合物を0.1重量%〜1.5重量%と少量添加することによって、tert−アルキルベンゼン化合物の過充電防止作用を助長し、かつ、従来低下することが知られていた電池特性を向上させるという予期しない効果が発現される。
【0016】
さらに、非水電解液中に含有されるtert−アルキルベンゼン化合物は、リチウムに対する酸化電位が+4.6V〜+5.0Vと高いために、40℃以上の高温や通常作動電圧で充放電を繰り返しても、その電圧が局部的に4.2Vを越えて、tert−アルキルベンゼン化合物が分解することがない。
また、0.1重量%〜1.5重量%と少量のビフェニル化合物の添加のみでは、過充電防止効果は発現しないものの、ビフェニル化合物の分解がわずかであるために、tert−アルキルベンゼン化合物と併用することにより、逆に電池特性が向上することを見出した。更には、300サイクル後に過充電試験を行うと、前記tert−アルキルベンゼン化合物による過充電防止作用により、安全を十分確保できる。これにより、電池の過充電防止などの安全性に優れているだけではなく、サイクル特性、電気容量などの電池特性にも優れたリチウム二次電池を提供することができるものと理解される。
【0017】
[発明を実施するための最良の形態]
非水溶媒に電解質が溶解されている電解液に含有されるtert−アルキルベンゼン化合物としては、下記の化合物が挙げられる。
tert−ブチルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン、1−クロロ−4−tert−ブチルベンゼン、1−ブロモ−4−tert−ブチルベンゼン、1−ヨード−4−tert−ブチルベンゼン、5−tert−ブチル−m−キシレン、4−tert−ブチルトルエン、3,5−ジ−tert−ブチルトルエン、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,4−ジ−tert−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼン、tert−ペンチルベンゼン、(1−エチル−1−メチルプロピル)ベンゼン、(1,1−ジエチルプロピル)ベンゼン、(1,1−ジメチルブチル)ベンゼン、(1−エチル−1−メチルブチル)ベンゼン、(1−エチル−1−エチルブチル)ベンゼン、(1,1,2−トリメチルプロピル)ベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ペンチルベンゼン、1−クロロ−4−tert−ペンチルベンゼン、1−ブロモ−4−tert−ペンチルベンゼン、1−ヨード−4−tert−ペンチルベンゼン、5−tert−ペンチル−m−キシレン、1−メチル−4−tert−ペンチルベンゼン、3,5−ジ−tert−ペンチルトルエン、1,3−ジ−tert−ペンチルベンゼン、1,4−ジ−tert−ペンチルベンゼン、および1,3,5−トリ−tert−ペンチルベンゼン。
【0018】
tert−アルキルベンゼン化合物は単独あるいは二種以上の組合せとして使用することができる。
本発明の非水電解液に添加するtert−アルキルベンゼン化合物の内の好ましいものとしては、tert−ブチルベンゼン及びその環上にアルキル基、ハロゲン原子などの置換基を有するものを挙げることができる。そしてまた、(R1)(R2)(R3)C−φ1[ただし、R1は、炭素原子数2〜4のアルキル基であって、R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、φ1は、環上に1乃至5個の置換基を有していてもよいベンゼン環を表わす]で表わされる化合物を挙げることができる。後者の化合物の使用は、非水電解液のサイクル特性を特に向上させる。
【0019】
上記の(R1)(R2)(R3)C−φ1表わされる化合物において、R1はエチル基、プロピル基、ブチル基のようなアルキル基であることが好ましく、R2およびR3は、それぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基のようなアルキル基であることが好ましい。この時、アルキル基は、直鎖状のアルキル基でも分枝状のアルキル基でも良い。
また、φ1で表わされる環上に1乃至5個の置換基を有していてもよいベンゼン環において、その置換基は、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの直鎖状のアルキル基や、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基などの分枝状のアルキル基が好ましい。また、シクロプロピル基、シクロヘキシル基などの炭素原子数3〜6のシクロアルキル基であっても良い。更には、フェニル基、ベンジル基のほか、トリル基、tert−ブチルフェニル基、tert−ブチルベンジル基、tert−ペンチルフェニル基などのアルキル置換されたフェニル基、ベンジル基であっても良い。更にまた、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子のようなハロゲン原子が好ましい。このような炭素原子数1〜12の炭化水素基またはハロゲン原子を有することが好ましい。
【0020】
上記のtert−アルキルベンゼン化合物の具体例としては、tert−ペンチルベンゼン、(1−エチル−1−メチルプロピル)ベンゼン、(1,1−ジエチルプロピル)ベンゼン、(1,1−ジメチルブチル)ベンゼン、(1−エチル−1−メチルブチル)ベンゼン、(1−エチル−1−エチルブチル)ベンゼン、(1,1,2−トリメチルプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。また、tert−ペンチルベンゼン誘導体の例として、1−メチル−4−tert−ペンチルベンゼン、5−tert−ペンチル−m−キシレン、1,3−ジ−tert−ペンチルベンゼン、1,4−ジ−tert−ペンチルベンゼン、1,3,5−トリ−tert−ペンチルベンゼン、4−ブロモ−tert−ペンチルベンゼン、4−フルオロ−tert−ペンチルベンゼン、4−クロロ−tert−ペンチルベンゼン、4−ヨード−tert−ペンチルベンゼンなどが挙げられる。
【0021】
ビフェニル化合物としては、ビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、4−tert−ブチルビフェニルなどを使用することができ、特に酸化電位が4.8〜5.0Vと高い前記tert−ブチルベンゼン等の一部を酸化電位が4.5Vと低いビフェニル化合物(例、o−テルフェニル)に代えることにより、過充電防止効果を向上させることができる。
なお、tert−アルキルベンゼン化合物の一部をビフェニル化合物に代える場合、tert−アルキルベンゼン化合物の含有量はビフェニル化合物の重量に対して10倍量以下が好ましく、好ましくは0.3〜5倍量、特に0.5〜3倍量が好ましい。
前記したように酸化電位の異なるtert−アルキルベンゼン化合物とビフェニル化合物とを併用することによって、過充電防止効果を高めることができる上に、電池特性を向上させることもできるようになる。
【0022】
tert−アルキルベンゼン化合物の含有量は、過度に多いと、電解液の電導度などが変わり電池性能が低下することがあり、過度に少ないと、十分な過充電効果が得られないので、電解液の重量に対して0.1重量%〜10重量%、特に1〜5重量%の範囲とするのがよい。
【0023】
また、ビフェニル化合物の含有量は、過度に多いと、通常使用時に電池内でビフェニル化合物の分解が起こり、電池性能が低下することがあり、過度に少ないと、十分な過充電効果や電池性能が得られないので、電解液の重量に対して0.1重量%〜1.5重量%、特に0.3重量%〜0.9重量%とするのがよい。
【0024】
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)などの環状カーボネート類や、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)などの鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、プロピオン酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸オクチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミドなどのアミド類が挙げられる。
【0025】
これらの非水溶媒は、一種類で使用してもよく、また二種類以上を組み合わせて使用してもよい。非水溶媒の組み合わせは特に限定されないが、例えば、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせ、環状カーボネート類とラクトン類との組み合わせ、環状カーボネート類を三種類と鎖状カーボネート類との組み合わせなど種々の組み合わせが挙げられる。
【0026】
非水電解液の製造のために非水溶媒に溶解される電解質の例としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33、LiPF4(CF32、LiPF3(C253、LiPF3(CF33、LiPF3(iso−C373、LiPF5(iso−C37)などが挙げられる。これらの電解質は、一種類で使用してもよく、二種類以上組み合わせて使用してもよい。これら電解質は、前記の非水溶媒に通常0.1〜3M、好ましくは0.5〜1.5Mの濃度で溶解されて使用される。
【0027】
本発明の電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質を溶解し、前記tert−アルキルベンゼン化合物のうち少なくとも一種と、所望により、ビフェニル化合物のうち少なくとも一種とを溶解することにより得られる。
【0028】
本発明の電解液は、二次電池の構成部材、特にリチウム二次電池の構成部材として好適に使用される。二次電池を構成する電解液以外の構成部材については特に限定されず、従来使用されている種々の構成部材を使用できる。
【0029】
例えば、正極活物質としては、コバルトまたはニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用されるのが好ましい。このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiCo1-xNixO2(0.01<x<1)、LiMn24などが挙げられる。また、LiCoO2とLiMn24、LiCoO2とLiNiO2、LiMn24とLiNiO2のように適当に混ぜ合わせて使用しても良い。
【0030】
正極は、前記の正極活物質をアセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電剤およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して正極合剤とした後、この正極材料を集電体としてのアルミニウムやステンレス製の箔やラス板に圧延して、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製される。
【0031】
負極(負極活物質)としては、リチウム金属やリチウム合金、またはリチウムを吸蔵・放出可能な炭素材料〔熱分解炭素類、コークス類、グラファイト類(人造黒鉛、天然黒鉛など)、有機高分子化合物燃焼体、炭素繊維〕、または複合スズ酸化物などの物質が使用される。特に、格子面(002)の面間隔(d002)が0.335〜0.340nm(ナノメーター)である黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが好ましい。なお、炭素材料のような粉末材料はエチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの結着剤と混練して負極合剤として使用される。
【0032】
本発明のリチウム二次電池の構造は特に限定されるものではなく、単層又は複層の正極、負極、セパレータを有するコイン型電池やポリマー電池、さらに、ロール状の正極、負極およびロール状のセパレータを有する円筒型電池や角型電池などが一例として挙げられる。なお、セパレータとしては公知のポリオレフィンの微多孔膜、織布、不織布などが使用される。
【0033】
本発明におけるリチウム二次電池は、最大作動電圧が4.2Vより大きい場合であっても長期間にわたり、優れたサイクル特性を有しており、特に最大作動電圧が4.3Vのような場合にも優れたサイクル特性を有している。カットオフ電圧は、2.0V以上とすることができ、さらには2.5V以上とすることができる。電流値については特に限定されるものではないが、通常0.1〜3Cの定電流放電で使用される。また、本発明におけるリチウム二次電池は、−40〜100℃と広い範囲で充放電することができるが、好ましくは0〜80℃である。
【0034】
[実施例1]
〔電解液の調製〕
EC/PC/DEC(容量比)=30/5/65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して電解液を調製した後、さらにtert−ブチルベンゼンおよびビフェニルを電解液に対して、それぞれ2.5重量%、0.9重量%となるように加えた。
【0035】
〔リチウム二次電池の作製および電池特性の測定〕
LiCoO2(正極活物質)を90重量%、アセチレンブラック(導電剤)を5重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状にしてアルミ箔上に塗布した。その後、この塗布物を乾燥し、加圧成形して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を95重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドンを加えてスラリー状にして銅箔上に塗布した。その後、これを乾燥し、加圧成形して負極を調製した。
そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の電解液を円筒容器に注入して18650サイズの円筒型電池(直径18mm、高さ65mm)を作製した。電池には、圧力開放口および内部電流遮断装置を設けた。
【0036】
この18650電池を用いて、サイクル試験するために、高温(45℃)下、1.45A(1C)の定電流で4.2Vまで充電した後、終止電圧4.2Vとして定電圧下に合計3時間充電した。次に1.45A(1C)の定電流下、終止電圧2.5Vまで放電し充放電を繰り返した。初期放電容量は、1M LiPF6+EC/PC/DEC(容量比)=30/5/65を電解液として用いた場合(比較例1)と比較して同等であった。300サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は84.4%であった。また、高温保存特性も良好であった。さらに、サイクル試験を300回繰り返した18650電池を用いて、常温(20℃)下、満充電状態から2.9A(2C)の定電流で続けて充電することにより、過充電試験を行った。この時、電流遮断時間は22分、電流遮断後の電池の最高表面温度は67℃であった。18650サイズの円筒型電池の材料条件および電池特性を表1に示す。
【0037】
[実施例2]
ビフェニルの使用量を電解液に対して0.5重量%としたほかは実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0038】
[実施例3]
ビフェニルの使用量を電解液に対して1.3重量%としたほかは実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0039】
[実施例4]
ビフェニルに代えてo−テルフェニルを電解液に対して0.9重量%使用したほかは実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0040】
[実施例5]
tert−ブチルベンゼンに代えてtert−ペンチルベンゼンを電解液に対して2.5重量%使用し、またビフェニルに代えて4−エチルビフェニルを電解液に対して0.9重量%使用したほかは実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0041】
[実施例6]
tert−アルキルベンゼン化合物として、tert−ブチルベンゼンおよびtert−ペンチルベンゼンを電解液に対してそれぞれ2重量%ずつ使用し、またビフェニル化合物として4−メチルビフェニルを電解液に対して0.5重量%使用したほかは実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0042】
[比較例1]
tert−アルキルベンゼン化合物およびビフェニル化合物を全く添加しなかった以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0043】
[比較例2]
ビフェニルを電解液に対して1.3重量%使用し、tert−アルキルベンゼン化合物を全く使用しなかった以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0044】
[比較例3]
ビフェニルを電解液に対して4重量%使用し、tert−アルキルベンゼン化合物を全く使用しなかった以外は比較例2と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0045】
[実施例7]
正極活物質として、LiCoO2に代えてLiNi0.8Co0.22を使用した以外は実施例5と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0046】
[比較例4]
tert−アルキルベンゼン化合物およびビフェニル化合物を全く添加しなかった以外は実施例7と同様にして円筒型電池を作製し、電池性能を測定した。電池の材料条件および電池特性を表1に示す。
【0047】
[実施例8]
tert−ブチルベンゼンに代えて4−フルオロ−tert−ペンチルベンゼンを電解液に対して3.0重量%使用した以外は実施例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0048】
[比較例5]
トルエンを電解液に対して3.0重量%使用し、ビフェニルを電解液に対して0.5重量%使用した以外は比較例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0049】
[比較例6]
n−ブチルベンゼンを電解液に対して3.0重量%使用し、ビフェニルを電解液に対して0.5重量%使用した以外は比較例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0050】
[比較例7]
ジ−n−ブチルフタレートを電解液に対して3.0重量%使用し、ビフェニルを電解液に対して0.5重量%使用した以外は比較例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0051】
[比較例8]
4−フルオロトルエンを電解液に対して3.0重量%使用し、ビフェニルを電解液に対して0.5重量%使用した以外は比較例1と同様にして円筒型電池を作製した。電池の材料条件および300サイクル後の放電容量維持率、電流遮断時間、電流遮断後の電池の最高表面温度を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003580305
【0053】
【表2】
Figure 0003580305
【0054】
以上の実施例1乃至8では、過充電時にいずれも負極上に十分なコバルトまたはニッケルが析出していた。本発明に従ってtert−アルキルベンゼン化合物とビフェニル化合物とを添加した非水電解液を用いたリチウム二次電池は、比較例の二次電池よりも、過充電に対する安全性およびサイクル特性が良いことがわかる。
【0055】
[実施例11]
〔非水電解液の調製〕
EC:PC:DEC(容量比)=30:5:65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調製した後、さらにtert−ペンチルベンゼンを非水電解液に対して2.0重量%となるように加えた。
【0056】
〔リチウム二次電池の作製および電池特性の測定〕
LiCoO2(正極活物質)を80重量%、アセチレンブラック(導電剤)を10重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して正極を調製した。人造黒鉛(負極活物質)を90重量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を10重量%の割合で混合し、これに1−メチル−2−ピロリドン溶剤を加え、混合したものを銅箔上に塗布し、乾燥、加圧成型、加熱処理して負極を調製した。そして、ポリプロピレン微多孔性フィルムのセパレータを用い、上記の非水電解液を注入させてコイン電池(直径20mm、厚さ3.2mm)を作製した。
このコイン電池を用いて、室温(20℃)下、0.8mAの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に0.8mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、この充放電を繰り返した。初期充放電容量は、tert−アルキルベンゼン誘導体を添加しない1M LiPF6−EC/PC/DEC(容量比30/5/65)を非水電解液として用いた場合(比較例1)とほぼ同等であり、50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は92.8%であった。また、低温特性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0057】
[実施例12]
添加剤として、tert−ペンチルベンゼンを非水電解液に対して5.0重量%使用した以外は実施例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.5%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0058】
[実施例13]
添加剤として、tert−ペンチルベンゼンを非水電解液に対して0.5重量%使用した以外は実施例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は90.3%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0059】
[比較例11]
EC:PC:DEC(容量比)=30:5:65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解した。このときtert−アルキルベンゼン誘導体は全く添加しなかった。この非水電解液を使用して実施例11と同様にコイン電池を作製し、電池特性を測定した。初期放電容量に対し、50サイクル後の放電容量維持率は82.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0060】
[実施例14]
EC:PC:DEC(容量比)=30:5:65の非水溶媒を調製し、これにLiPF6を1Mの濃度になるように溶解して非水電解液を調整した後、さらに4−tert−ペンチルトルエンを非水電解液に対して2.0重量%となるように加えた。この非水電解液を使用して実施例11と同様にしてコイン電池を作製し、電池特性を測定したところ、初期放電容量はtert−アルキルベンゼン誘導体無添加の1M LiPF6−EC/PC/DEC(容量比30/5/65)を非水電解液として用いた場合(比較例11)とほぼ同等であり、50サイクル後の電池特性を測定したところ、初期放電容量を100%としたときの放電容量維持率は92.1%であった。また、低温特性も良好であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0061】
[実施例15]
添加剤として、(1,1−ジエチルプロピル)ベンゼンを非水電解液に対して2.0重量%使用した以外は実施例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.9%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0062】
[実施例16]
非水溶媒として、EC/PC/DEC/DMC(容量比30/5/30/35)を使用し、負極活物質として、人造黒鉛に代えて天然黒鉛を使用したほかは実施例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は92.8%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0063】
[実施例17]
非水電解液として、1M LiPF6−EC/PC/MEC/DMC(容量比30/5/50/15)を使用し、正極活物質として、LiCoO2に代えてLiNi0.8CO0.22を使用した以外は実施例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は91.1%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0064】
[実施例18]
非水電解液として、1M LiBF4−EC/PC/DEC/DMC(容量比30/5/30/35)を使用し、正極活物質として、LiCoO2に代えてLiMn24を使用した以外は実施例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は92.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0065】
[実施例19]
添加剤として、4−フルオロ−tert−ペンチルベンゼンを非水電解液に対して3.0重量%使用した以外は実施例11と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は92.7%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0066】
[比較例12]
添加剤として、トルエンを非水電解液に対して3.0重量%使用した以外は比較例11と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は81.3%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0067】
[比較例13]
添加剤として、n−ブチルベンゼンを非水電解液に対して3.0重量%使用した以外は比較例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は79.7%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0068】
[比較例14]
添加剤として、ジ−n−ブチルフタレートを非水電解液に対して3.0重量%使用した以外は比較例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は78.1%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0069】
[比較例15]
添加剤として、4−フルオロトルエンを非水電解液に対して3.0重量%使用した以外は比較例11と同様にして非水電解液を調製してコイン電池を作製し、50サイクル後の電池特性を測定したところ、放電容量維持率は80.6%であった。コイン電池の作製条件および電池特性を表2に示す。
【0070】
【表3】
Figure 0003580305
【0071】
[産業上の利用可能性]
本発明によれば、電池の過充電防止などの安全性およびサイクル特性、電気容量などの電池特性にも優れたリチウム二次電池を提供することができる。

Claims (22)

  1. 非水溶媒に電解質が溶解されているリチウム二次電池用非水電解液であって、該非水電解液中にさらに、0.1重量%〜10重量%のtert−アルキルベンゼン化合物および0.1重量%〜1.5重量%のビフェニル化合物が含まれていることを特徴とする電解液。
  2. tert−アルキルベンゼン化合物が、(R1)(R2)(R3)C−φ1[ただし、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、φ1は、環上に1乃至5個の置換基を有していてもよいベンゼン環を表わす]で表わされる化合物である請求項1に記載の電解液。
  3. tert−アルキルベンゼン化合物が、そのベンゼン環上に置換基を有していない化合物である請求項2に記載の電解液。
  4. tert−アルキルベンゼン化合物がtert−ブチルベンゼンである請求項2に記載の電解液。
  5. tert−アルキルベンゼン化合物がtert−ペンチルベンゼンである請求項2に記載の電解液。
  6. tert−アルキルベンゼン化合物が、ベンゼン環上に置換基として1乃至5個の炭化水素基及び/又はハロゲン原子を有する化合物である請求項2に記載の電解液。
  7. ビフェニル化合物が、φ2−φ3[φ2とφ3は、それぞれ互いに独立に、環上に1乃至5個の置換基を有していてもよいベンゼン環を表わす]で表わされる化合物である請求項1に記載の電解液。
  8. ビフェニル化合物が、ビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、及び4−tert−ブチルビフェニルからなる群より選ばれる化合物である請求項7に記載の電解液。
  9. ビフェニル化合物が、4.5V以下の酸化電位を有する化合物である請求項1に記載の電解液。
  10. 非水溶媒が、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含有する請求項1乃至9のうちのいずれかの項に記載の電解液。
  11. 非水溶媒中に環状カーボネートが二種類もしくは三種類含まれている請求項10に記載の電解液
  12. 環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、もしくはビニレンカーボネートである請求項10もしくは11に記載の電解液
  13. 鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、もしくはジエチルカーボネートである請求項10もしくは11に記載の電解液
  14. 正極、負極および請求項1乃至13のうちのいずれかの項に記載の電解液からなるリチウム二次電池
  15. 非水溶媒に電解質が溶解されているリチウム二次電池用非水電解液であって、該非水電解液中にさらに、0.1重量%〜10重量%のtert−アルキルベンゼン化合物(但し、tert−アルキル基の炭素原子数は5乃至13個の範囲にある)が含まれていることを特徴とする電解液
  16. tert−アルキルベンゼン化合物が、(R 1 )(R 2 )(R 3 )C−φ 1 [ただし、R 1 、R 2 、及びR 3 は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、φ 1 は、環上に1乃至5個の置換基を有していてもよいベンゼン環を表わす]で表わされる化合物である請求項15に記載の電解液
  17. tert−アルキルベンゼン化合物が、そのベンゼン環上に置換基を有していない化合物である請求項15に記載の電解液
  18. 非水溶媒が、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含有する請求項15乃至17のうちのいずれかの項に記載の電解液
  19. 非水溶媒中に環状カーボネートが二種類もしくは三種類含まれている請求 項18に記載の電解液
  20. 環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、もしくはビニレンカーボネートである請求項18もしくは19に記載の電解液
  21. 鎖状カーボネートが、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、もしくはジエチルカーボネートである請求項18もしくは19に記載の電解液
  22. 正極、負極および請求項15乃至21のうちのいずれかの項に記載の電解液からなるリチウム二次電池
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