JP3580261B2 - 溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工性、耐食性ならびに耐変色性に優れた溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車、家電、土木建築、建材などの産業分野において、安価で耐食性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板が広く用いられている。溶融亜鉛めっき鋼板の耐食性を向上させる方法が種々研究されており、例えば米国特許第3505043号公報には、質量%で(以下、化学組成を表す%表示は質量%を意味する)、Al :3〜17%、Mg :1〜5%、残部がZn からなる溶融めっき浴を用いた耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板が提案された。
【0003】
これらの鋼板は、加工後塗装されて使用される場合と、無塗装で使用される場合(以下、単に「無塗装使用」と記す)がある。このため、これらの鋼板には、耐食性と共に、大気中での無塗装使用に際して長期間優れた外観を有するという性能も重要とされている。
【0004】
例えば、特開平10−226865号公報には、Al を4.0〜10%、Mg を1.0〜4.0%含有し、Al/Zn/ZnMg の3元共晶組織からなる素地中に初晶Al 相が混在した金属組織を有するめっき皮膜を備え、耐食性および表面外観の良好な溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板が提案されている。
【0005】
また、特開2000−219950号公報には、Al を3.0〜6.0%、Mg を1.0〜7.0%含有し、Zn 初晶相とZn−Al−Mg 3元共晶組織により構成される溶融めっき皮膜を有する塗装後耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板が提案されている。また、このめっき皮膜の初晶Zn 相はAl やMg を含有しないものであり、Zn−Al−Mg 3元共晶組織はZn−Mg 金属間化合物を含有しないものであることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板は、プレス加工、かしめ加工、ロール成形などの加工を経て最終製品とされる。従ってそのめっき皮膜には、これらの加工を受けてもめっき皮膜に亀裂が生じないこと(以下、単に「耐割れ性」と記す)や、めっき鋼板が成形用ロールやプレス金型などの成形工具間を摺動する際に、工具表面にめっき皮膜が凝着しない特性(以下、単に「耐焼き付き性」と記す)が必要とされる。以下、耐割れ性と耐焼き付き性を総称して「加工性」とも記す。また、無塗装で使用される場合も多いので、大気中で長期間表面が変色しないという特性(以下、単に「耐変色性」と記す)を備えていることも重要とされる。
【0007】
本発明者らによる研究結果によれば、めっき皮膜に初晶Al 相を含有する溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板は、耐焼き付き性は良好であるが、耐割れ性は必ずしも十分ではなかった。さらに、従来の初晶Zn 相を有する溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板は、耐焼き付き性が劣る傾向にあるうえ、初晶Al 相を含有するめっき皮膜を備えた鋼板に比較して、Mg 添加による耐食性改善効果が小さく、さらに、大気中に放置した場合に外観色調が変化しやすく、耐変色性も十分ではなかった。
【0008】
このように、従来の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板は、それぞれ改善すべき課題があり、これらを解決した加工性、耐食性および耐変色性に優れた溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板が望まれていた。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、加工性、耐食性および耐変色性に優れた溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板の加工性、耐食性、耐変色性などの改善方法について種々研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
【0011】
a.めっき鋼板を加工した際に生じるめっき皮膜の割れは、めっき皮膜が硬質になるにつれて生じやすい。めっき皮膜の焼き付き不良は逆に、めっき皮膜が軟質になるほど生じやすい。
【0012】
めっき皮膜にMg を含有させるとめっき皮膜が硬くなる。また、初晶Al 相は初晶Zn 相に比較して硬質であるので、初晶Al 相を含有するめっき皮膜も硬質になる。他方、初晶Zn 相は軟質であり、加工時にめっき皮膜内部で緩衝作用が生じてめっき皮膜の耐割れ性を向上させる作用がある。
【0013】
これらのことから、溶融Zn−Al−Mg めっき皮膜の耐割れ性を改善するには、Mg 含有量を耐食性改善に必要な範囲で低く制限すると共に、めっき皮膜凝固時の初晶相を、初晶Al 相ではなくて初晶Zn 相としためっき皮膜とするのがよい。さらに、めっき皮膜の耐焼き付き性は、めっき皮膜における初晶Zn 相の占める割合を低く制限することにより改善できる。
【0014】
b.Al 含有量が共晶成分以下である溶融Zn−Al−Mg めっき浴を用いて溶融めっきすると、めっき層が凝固する際に、まず初晶Zn 相が晶出し、次いでその周りに共晶組織が形成される。
【0015】
図1は、Al を3.5%、Mg を3%含有する溶融Zn−Al−Mg めっき皮膜の断面の例を示す模式図である。図1で、符号5はめっき皮膜、符号6は初晶Zn 相、符号7は共晶組織、符号8は母材である。図1では、初晶Zn 相6は円形や楕円形に晶出しているが、円形状のものが複数個連結して房状になる場合もある。
【0016】
状態図において、Zn に対する固溶限界が、Al では0.05%程度、Mg では0.05%程度であることからもわかるように、通常の初晶Zn 相は実質的にはZn 単体で構成されているといえる。
【0017】
従来の初晶Zn 相を有するめっき皮膜の無塗装での耐食性が、初晶Al 相を有するめっき皮膜よりも劣る理由は、Zn とAl の耐食性の差に加えて、従来の初晶Zn 相の組成が、その周囲の共晶組織と大きく異なるものであるため、上記初晶Zn 相において局部腐食が生じることにあり、その改善には、初晶Zn 相の組成を共晶組織と近い組成にするのが極めて有効である。
【0018】
めっき後の冷却速度を適正に制御する、例えば、溶融めっき直後から400℃までの冷却速度を5℃/秒以上にするなどの方法により、初晶Zn 相の凝固過程で、初晶Zn 相にAl またはMg を過飽和に含有させることができる。本発明においては、Al またはMg を過飽和に含有した初晶Zn 相を「過飽和初晶Zn 相」とし、従来のAl を0.05%程度、またはMg を0.05%程度含有する初晶Zn 相と区別して記す。
【0019】
めっき皮膜の初晶Zn 相が過飽和初晶Zn 相である場合には、優れた耐食性が得られる。これは、初晶Zn 相と共晶組織との組成差異が減少し、局部腐食反応が生じにくくなるためと推察される。
【0020】
この過飽和初晶Zn 相は、初晶Al 相と比較すると軟質であるため、耐割れ性が良好である。従って、めっき皮膜における過飽和初晶Zn 相の占める割合を特定の範囲に管理することにより、耐焼き付き性と耐割れ性を備えためっき皮膜を得ることができる。
【0021】
初晶Zn 相に含有されるAl やMg は、EPMA(X線マイクロアナライザ)で容易に検出可能である。
図2は、本発明の実施例に係るAl :3.1%、Mg :2.8%を含有する溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板の、めっき皮膜断面で観察される初晶Zn 相のAl とMg をEPMAにより点分析した結果を示すグラフである。図2の縦軸は1秒当たりのカウント数である。分析条件は、加速電圧:15kv、試料電流:5nA、ビーム径:2μm である。
【0022】
図2に示すように、1.5keV の部分にAl のピークが、1.2keV の部分にはMg のピークが認められる。これらのピークの値からそれぞれの元素の含有量を計算した結果、上記鋼板の初晶Zn 相のAl 含有量は1.3%、Mg 含有量は1.1%であり、上記初晶Zn 相は過飽和初晶Zn 相であることがわかる。
【0023】
図2にはFe のピークもあり、その含有量は1.0%と計算された。このFe は、母材鋼板からめっき浴に溶出したFeが初晶Zn に含有されたものである。このように、過飽和初晶Zn 相には0.5〜4%前後のFe が含有されるが、このFeは本発明が目的とするめっき皮膜性能には殆ど影響しないことが確認されている。
【0024】
c.共晶点以下のAl を含有する溶融Zn−Al−Mg めっき皮膜における共晶組織は、薄いZn 富化相とAl 富化相が交互に層状に晶出している。この共晶組織には、さらにZn とMg との金属間化合物からなる相を構成要素とする3元共晶組織(例えば、Al/Zn/ZnMg 3元共晶組織やAl/Zn/Zn11Mg 3元共晶組織)と、Zn−Mg 金属間化合物を含まず、Al 冨化相とZn 冨化相の共晶組織(Al/Zn 2元共晶組織)となる場合がある。
【0025】
Zn−Mg 金属間化合物の内、ZnMg はZn−Mg 二元状態図でのMg に富む金属間化合物であり、Zn11Mg はZn−Mg 二元状態図でのZn に富む金属間化合物である。ZnMg とZn11Mg は、Zn/ZnMg の2元共晶組織、または、Zn/Zn11Mg の2元共晶組織として存在する場合もある。
【0026】
溶融Zn−Al−Mg めっき皮膜の共晶組織がZn−Mg 金属間化合物を有するものである場合は耐変色性が優れる。これに対し、めっき皮膜がZn−Mg 金属間化合物を有さないものである場合は、容易に変色が生じる。
【0027】
この理由は、Al/Zn 2元共晶組織の主としてAl 富化相に固溶していると考えられる易酸化性物質であるMg が大気下で容易に酸化され、これが溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板の変色として視認されるものと推測される。Mg が金属間化合物として存在する場合は、Mg が金属間化合物として安定化しており、大気に晒されても酸化されにくく、変色が生じにくいのであろう。
【0028】
上記耐変色性改善作用は、金属間化合物の組成によらず、Mg が化合物となっていれば同様に発揮されるものと推測される。
めっき皮膜の共晶組織がZn−Mg 金属間化合物を含有するか否かは、めっき皮膜表面または断面をX線回折試験により分析することによりにより容易に確認できる。
【0029】
図3は、図2で説明したEPMAに供したのと同一の鋼板のめっき皮膜断面で観察される共晶組織のZn−Mg 金属間化合物を、X線回折試験で調査した結果を示すグラフである。縦軸のI(cps) は1秒当たりのカウント数を意味する。X線回折条件は、サンプル形状:25mmφ、管球:Co−Kα、電圧:30kV、電流:100mAである。
【0030】
図3で、白抜きの三角印はZnMg 、黒丸印はZn11Mg の回折角を示す。図3からわかるように、このめっき皮膜にはいずれの共晶組織も存在していることがわかる。
【0031】
図4は、比較のために作製した、Al :2.5%、Mg 2.8%を含有する溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板のめっき皮膜を、図3の場合と同一の条件でX線回折試験で調査した結果を示すグラフである。図4に示すように、このめっき皮膜の共晶組織にはZnMg 、Zn11Mg のいずれも形成されておらず、また、Mg の回折ピークも観測されていない。このことから、この共晶組織はZn−Mg 金属間化合物を含まず、Mg はAl/Zn 2元共晶組織のAl 冨化相に固溶した状態で存在すると考えられる。
【0032】
これらのZn−Mg 金属間化合物は、過飽和初晶Zn 相が析出した後の、400℃未満、300℃までの温度範囲(この温度範囲では共晶組織となるべき部分が溶融状態または反応状態にある)において、金属間化合物形成反応時間を十分に与えることにより生成させることができる。
【0033】
本発明は、これらの知見を基にして完成されたものであり、その要旨は下記(1)〜(4)に記載の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板、および、(5)に記載のその製造方法にある。
【0034】
(1)質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、残部が実質的にZn からなる溶融めっき皮膜を備えた溶融めっき鋼板であって、上記めっき皮膜は、Al またはMg を過飽和に含有する初晶Zn 相と、Zn−Mg 金属間化合物を含有する共晶組織とよりなるものであることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
【0035】
(2)質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、残部が実質的にZn からなる溶融めっき皮膜を備えた溶融めっき鋼板であって、上記めっき皮膜は、Al またはMg を過飽和に含有する初晶Zn 相と、Zn−Mg 金属間化合物を含有する共晶組織とよりなり、前記初晶Zn 相の占める割合がが体積%で、4%以上、50%以下であることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
【0036】
(3)質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、残部が実質的にZn からなる溶融めっき皮膜を備えた溶融めっき鋼板であって、上記めっき皮膜は、Al を0.2%以上、5.0%以下、または、Mg を0.2%以上、3.0%以下含有する初晶Zn 相と、Zn−Mg 金属間化合物を含有する共晶組織とよりなり、前記初晶Zn 相の占める割合が体積%で、4%以上、50%以下であることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
【0037】
(4)上記Zn−Mg 金属間化合物がZnMg またはZn11Mg であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
(5)母材を、質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、温度が420℃以上、520℃以下である溶融めっき浴に浸漬し、引き上げて付着量を調整し、溶融めっき直後から400℃までを5〜40℃/秒の速度で冷却し、次いで400℃未満、300℃までを0.5〜20℃/秒の速度で冷却することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板の製造方法。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
めっき皮膜の化学組成;
Al :本来、溶融Zn に対するMg の溶解量は0.1%が限度であるが、溶融Zn に適量のAl を含有させると、Al が溶融Zn 面に酸化膜を形成し、Mg の酸化を防止して、溶融Zn におけるMg 濃度を高めることができる。めっき皮膜の耐食性を高めるには、後述するようにめっき皮膜でのMg 含有量を1.5%以上とする必要があるが、めっき浴のMg 濃度を1.5%以上とするには、めっき浴のAl 濃度を1.5%以上とする必要がある。めっき皮膜のAl およびMg 含有量は、めっき浴におけるこれらの元素の濃度とほぼ同一になる。このため、めっき皮膜のAl 含有量は1.5%以上とする。望ましくは1.8%以上である。
【0039】
Al はめっき皮膜の耐食性を向上させる作用があるのでこのためにも含有させるが、めっき浴のAl 濃度が5.5%を超えると、めっき皮膜凝固時に初晶Al 相が形成され、めっき皮膜の耐割れ性が損なわれる。これを避けるためにめっき浴のAl 濃度は5.5%以下とする。従ってめっき皮膜のAl 含有量は5.5%以下とする。望ましくは5.0%以下である。
【0040】
Mg :Mg はめっき皮膜の耐食性を向上させる作用があり、その効果を得るために、1.5%以上含有させる。望ましくは1.8%以上である。めっき浴のMg 濃度を過度に高めると、めっき浴面にドロス(酸化物)が多量に発生し、溶融めっきの操業性を損なう。めっき浴のAl 濃度を5.5%とする場合に溶解できるMg 濃度は4.0%であるので、めっき浴のMg 濃度は4.0%以下とする。従ってめっき皮膜のMg 含有量は4.0%以下とする。望ましくは3.5%以下である。
【0041】
残部は実質的にZn である。めっきの濡れ性などを改善することを目的として、めっき浴に、Ti 、Zr 、Ca 、Mn 、Cu 、Sr 、Ba 、Li 、Ga ミッシュメタルなどからなる群の内の1種以上を、1.0%以下の範囲で含有させて溶融めっきを施す場合がある。得られるめっき皮膜には、めっき浴における濃度とほぼ同じ比率でこれらの元素も含有される。これらの元素は上記範囲内であればめっき皮膜に含有されても、加工性、耐食性および耐変色性をバランスよく備えためっき皮膜を得る、という本発明の目的達成に何ら影響がない。「残部は実質的にZn 」との意味は、これらの元素を上記範囲でめっき浴およびめっき皮膜に含有させても構わないことを意味する。
【0042】
めっき皮膜の構造;めっき皮膜は、所望の性能を得るために、Al またはMg を過飽和に含有する初晶Zn 相(過飽和初晶Zn 相)と、Zn−Mg 金属間化合物を含む共晶組織とよりなる金属組織を有するものとする。
【0043】
過飽和初晶Zn 相:初晶Zn 相にAl またはMg を過飽和に含有させることにより、共晶組織と混在する初晶Zn 相からの局部腐食の発生を抑制し、耐食性を改善すると共に、めっき皮膜の耐焼き付き性も向上させることができる。
【0044】
ここで「Al またはMg を過飽和に含有させる」とは、Al の場合は0.2%以上、Mg の場合は0.2%以上含有されていることを意味する。
上記効果はこれらの元素の含有量が増すにつれて改善されるが、Al の場合であれば0.5%以上、Mg の場合であれば0.4%以上含有させると特に顕著な改善効果を得ることができる。従って、初晶Zn 相には、0.5%以上のAl または0.4%以上のMg を含有させるのが望ましい。
【0045】
これらの元素の含有量の上限は特に限定するものではないが、過剰に含有させると初晶Zn 相が過度に硬化し、加工時のめっき皮膜に対する緩衝作用が低下し、耐割れ性改善効果が損なわれる。これを避けるために、初晶Zn 相での含有量は、Al :5.0%以下、Mg :3.0%以下とする。
【0046】
過飽和初晶Zn 相は共晶組織よりも軟質であるので、めっき皮膜に占める過飽和初晶Zn 相の割合が増すとめっき皮膜加工時の耐割れ性が改善される。この効果を得るために、上記割合を、体積%で(以下、めっき皮膜の金属組織を表す%表示は体積%を意味する)4%以上とするのが望ましい。さらに望ましくは5%以上である。
【0047】
初晶Zn 相の占める割合を過度に高くすると、めっき皮膜の表層が軟質になりすぎて耐焼き付き性が劣化する場合がある。これは、初晶Zn 相が過飽和初晶Zn 相であっても同様である。これを避けるために、過飽和初晶Zn 相の占める割合は50%以下とするのが望ましい。より望ましくは45%以下である。
【0048】
本発明における過飽和初晶Zn 相の体積%は、板面内で任意の方向で、板面に対して垂直に切断しためっき皮膜の断面について、走査型電子顕微鏡(SEM)で倍率1000倍で写真撮影し、画像処理法などの手法により、過飽和初晶Zn 相の面積率を求める。この測定を鋼板の10箇所についておこない、10個の測定値の平均値から、本発明の規定する体積%を求めるものとする。
【0049】
Zn−Mg 金属間化合物を有する共晶組織:過飽和初晶Zn 相を含有するめっき皮膜の耐変色性を改善するために、めっき皮膜の共晶組織はZnMg やZn11Mg で代表されるZn−Mg 金属間化合物を有する共晶組織とする。
【0050】
上記化学組成および金属組織以外は、特に限定するものはなく、公知のものでよい。例えば、めっき付着量は、耐食性を確保するために10g/m以上とするのが望ましく、加工性とコスト抑制の観点から300g/m以下とするのが望ましい。
【0051】
また、めっきの後処理として、公知のクロメート液又は樹脂クロメート液を用いたクロメート処理(塗布型、反応型、電解型、等)、クロムを含有せずリン酸化合物等を主成分とする無機系のコーティング処理、あるいは、潤滑性向上のためのエポキシポリエステル、ポリエステル、メラミンポリエステル、ウレタンポリエステル等のポリエステル塗料やアクリル塗料などによるコーティング処理、或いは塗装被膜として、ポリエステル、アミノ、エポキシ、アクリル、ウレタン、フッ素等の樹脂主成分とするコーティング処理などを単体若しくは複合的に施しても構わない。
【0052】
母材の種類も特に限定する必要はなく、熱間圧延板、冷間圧延板のいずれを用いてもよい。鋼種は、極低炭素鋼、低炭素鋼、高炭素鋼、Si 、Mn その他の合金を含有する合金鋼、種々の特性を有する高張力鋼板など任意のものを用いることができる。
【0053】
製造方法;
本発明に係る加工性(耐割れ性および耐焼き付き性)、耐食性および耐変色性に優れた溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板の好適な製造方法を以下に述べる。なお、以下に述べるのは例であり、本発明に係るめっき鋼板の製造方法がこれに限定されるものではない。
【0054】
母材には、その表面を溶融めっきに適する状態にするための、アルカリ水溶液等での洗浄や、ナイロンブラシ等での表面研削等、公知の方法で前処理を施す。次いで、還元性雰囲気中で600℃以上、または再結晶温度以上に加熱して所要の時間保持した後、めっき浴温近傍まで冷却する。還元性雰囲気としては、水素:5〜30体積%、残部が窒素からなり、露点:−60〜−0℃の雰囲気が好適である。
【0055】
その後、めっき浴温近傍まで冷却し、所定のめっき皮膜組成が得られるように化学組成を調整した溶融めっき浴に浸漬し、次いで引き上げてめっき付着量を調整する。めっき浴温度は、めっき付着量の調整を容易にするために420℃以上とし、Zn の蒸発を避けてめっき浴の維持を容易にするために520℃以下とするのが好適である。めっき付着量の調整方法は、気体絞り法等、通常用いられている方法で構わない。
【0056】
初晶Zn 相にAl またはMg を過飽和に含有させるために、めっき浴から引き上げた後、400℃に達するまでの間の冷却速度(以下「CR 」と記す)を、5℃/秒以上、40℃/秒以下とする。
【0057】
上記温度領域での冷却速度が5℃/秒に満たない場合には、過飽和初晶Zn 相の生成が十分ではく、めっき皮膜の加工性が満足なでない場合がある。望ましくは8℃/秒以上である。また、CR 上が40℃/秒を超える場合には、過飽和初晶Zn 相の発生量が過大となり、所望の性能を得るのが困難となる場合がある。より望ましくは35℃/秒以下である。
【0058】
共晶組織を、Zn−Mg 金属間化合物を有するものとするために、冷却過程における400℃以下、300℃までの間の冷却速度(以下「CR 」と記す)を20℃/秒以下とし、共晶組織が溶融状態又は反応状態にある温度範囲において適度に反応時間を与えて、金属間化合物を生成させる。望ましくは15℃/秒以下である。
【0059】
CR を過度に小さくすると、初晶Zn 相に過飽和に固溶させたAl またはMg が共晶組織に拡散し、Al またはMg を過飽和に含有しない初晶Zn 相となる。これを避けるために、CR の下限は0.5℃/秒とする。望ましくは1℃/秒以上である。
【0060】
上記徐冷に替えて、400℃以下、300℃までの温度範囲で5秒以上保持する定温保持を施しても構わない。300℃以下の温度領域は任意の冷却速度で冷却すればよい。
【0061】
以上述べた以外の条件、例えばクロメート処理その他の後処理や、調質圧延を施すなどの処理は任意におこなっても構わない。
本発明の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板は、めっき皮膜の性能が、加工性(耐割れ性および耐焼き付き性)、耐食性および耐変色性をバランスよく備えているので、自動車、家電、土木建築、建材などに用いられる構造物の素材として好適である。特に建築分野における無塗装使用において優れた性能および経済性を発揮することができる。
【0062】
【実施例】
C:0.04%、Mn :0.25%を含有し、厚さが0.80mmである低炭素冷間圧延鋼板から、幅:80mm、長さ:200mmの切り板を多数採取し、めっき母材とした。これらは75℃のNaOH 水溶液で脱脂洗浄し、連続式溶融めっきシミュレータを用いて、還元性雰囲気中で800℃に加熱し、60秒間保持して再結晶焼鈍を施し、めっき浴温度近傍まで冷却し、種々の化学組成の溶融Zn−Al−Mg めっき浴に浸漬した。めっき浴温度は460℃とした。
【0063】
次いでめっき浴から引き上げて気体絞り方式により片面当たりの付着量を100g/mに調整し、めっき浴引き上げ後から400℃までの間の冷却速度(CR )を2℃/秒〜55℃/秒、400℃以下、300℃までの冷却速度(CR )を0.2〜30℃/秒の範囲で種々変更して冷却した後、室温まで5℃/秒で冷却して種々のめっき鋼板を得た。
【0064】
得られためっき鋼板の10箇所のめっき皮膜断面で、初晶Zn 相(過飽和初晶Zn 相を含む)の面積率を測定し、その平均値から体積%を求めた。同時にX線回折により共晶組織のZn−Mg 金属間化合物の有無を調査した。さらにEPMAを用いて、初晶Zn 相(過飽和初晶Zn 相を含む)のAl 含有量とMg 含有量を調査した。また、耐食性、耐変色性、加工性(割れ性・焼き付き性)を以下の方法で調査した。
【0065】
耐食性:JASO−M609に規定される下記の白錆発生サイクル試験により無塗装耐食性を評価した。サイクル試験条件;35℃、5%NaClの塩水噴霧:2時間、60℃、20〜30%RHでの乾燥:4時間、50℃、95%RHでの湿潤雰囲気保管:2時間、合計8時間/サイクル。耐食性判定基準は、白錆が観察されるまでのサイクル数が21サイクル以上であった場合を良好として評価した。
◎:31サイクルでも白錆発生せず(極めて良好)。
○:21〜30サイクルで白錆発生(良好)。
×:20サイクル以下で白錆発生(不良)。
【0066】
耐変色性:100mm×200mmの大きさの試験片を採取し、大気中に1ヶ月間放置し、市販の色彩色差計を用いて、JIS−Z8729に規定される、L*、a*、b*着色系のL*値の放置前後での変化量(以下、「ΔL*値」と記す)を測定し、ΔL*値が10未満であった場合を良好として評価した。
◎:ΔL*=0〜3未満(極めて良好)。
○:ΔL*=3以上、10未満(良好)。
×:ΔL*=10以上(不良)。
【0067】
耐割れ性:幅:15mm、長さ:100mmの曲げ試験片を採取し、曲げ軸を幅方向に平行とし、内側曲げ半径を0.40mmとする曲げ加工(1T曲げ加工)をおこなった。次いで曲げ部の端面を曲げ軸の垂直方向に研磨し、該端面を曲げ軸の垂直方向からSEMにて観察し、曲げ部外周方向でのめっき皮膜の亀裂発生長さを求め、この亀裂長さの曲げ外周部の長さ(3.8mm)に対する比を「亀裂発生率」として測定した。亀裂発生率が25%未満であった場合を良好として以下の基準で耐割れ性を評価した。
◎:亀裂発生率=10%以下(極めて良好)。
○:亀裂発生率=10%超、25%未満(良好)。
×:クラック発生率=25%以上(不良)。
【0068】
耐焼き付き性:長さ(圧延方向)が60mm、幅が30mmの試験片を採取し、長さ方向に2%の引張り歪みを付与し、その後、以下に述べるピンオンディスク試験を施し、10回転保持した間のめっき皮膜表面と鋼球間の最大摩擦係数を測定した。
【0069】
図5はピンオンディスク試験の概念を説明する斜視図である。図5で符号1は回転台、符号2は試験片、符号3は鋼球、符号4は回転トルクを測定するロードセル、符号rは試料の回転中心と鋼球との間隔である鋼球の軌道半径、符号Tはめっき皮膜の摩擦抵抗に起因して鋼球に作用するトルク、符号Pは鋼球をめっき皮膜に押しつける荷重である。
【0070】
試験片2は回転台3に固定され、試験片の回転中心からrの距離においた鋼球3に、上方からめっき面に垂直な一定荷重Pを付加して鋼球をめっき面に押しつけ、ロードセル4に生じる回転トルクTを測定して、このトルク値と荷重Pからμ=T/Pの式によりめっき皮膜表面の摩擦係数μを測定する。本実施例においては、鋼球直径:5mm、r:10mm、荷重:29.4N、回転速度:1rpm 、板温:30℃とし、潤滑を施さないで10回転保持する間に生じる最大摩擦係数を測定した。
【0071】
この方法により得られた摩擦係数はロール成形時の摺動性とよい対応があり、ロール成形時のかじり発生状況と良好な相関があるので、めっき鋼板の耐焼き付き性評価手段として有効である。耐焼き付き性は、最大摩擦係数が0.20以下であった場合を極めて良好(◎)、0.20より大きく0.25未満であった場合を良好(○)、0.25を超えた場合を不良(×)として評価した。
【0072】
溶融めっき時の冷却速度、得られためっき皮膜の化学組成と構造調査結果およびめっき皮膜の性能調査結果をまとめて表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0003580261
【0074】
表1に示すように、本発明の規定する条件を満足する試験番号1〜16は、いずれの性能共に良好であった。特に、過飽和初晶ZnのAl またはMg 含有量が多かった試験番号5、9などは全性能が優れていた。CR が小さすぎた試験番号18、22および24は、初晶Zn 相の占める割合が小さく、耐割れ性がよくなかった。また、初晶Zn中にAlまたはMgを含有していないため、耐食性も劣化した。
【0075】
CR が大きすぎた試験番号21は、過飽和初晶Zn 相の占める割合が大きくなりすぎたために耐焼き付き性がよくなかった。
CR が小さすぎた試験番号17、18、21および23は、初晶Zn 相が過飽和初晶Zn 相にならなかった。このため、耐食性が良くなかった。
【0076】
CR が大きすぎた試験番号19、20、22および25は、共晶組織に金属間化合物が生ぜず耐変色性が良くなかった。
めっき皮膜のAl およびMg の含有量が少なかった試験番号26は、耐食性が良くなかった。また、めっき皮膜中のAl、Mg含有量が不十分であるために初晶Zn相の占める割合が大きくなり、耐焼き付き性が良くなかった。めっき皮膜のAl 含有量が多すぎた試験番号27は、初晶Al 相が生成し、耐割れ性が良くなかった。
【0077】
【発明の効果】
本発明の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板は、耐割れ性、耐焼き付き性、耐食性および耐変色性をバランスよく備えているので、自動車、家電、土木建築、建材などの用途、特に塗装を行わないで使用される場合に有用である。また、本発明に係るめっき鋼板は容易に製造することができるので、産業上極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al :3.5%、Mg :3%を含有する溶融Zn−Al−Mg めっき皮膜の組織例を示す断面模式図である。
【図2】本発明の実施例に係るAl :3.1%、Mg :2.8%を含有するめっき皮膜の初晶Zn 相のAl 、Mg 含有量を調査した結果を示す。
【図3】本発明の実施例に係るAl :3.1%、Mg :2.8%を含有するめっき皮膜の共晶組織のZn−Mg 金属間化合物を調査した結果を示すグラフである。
【図4】比較のために作製した鋼板の、Al :2.5%、Mg 2.8%を含有するめっき皮膜の共晶組織のZn−Mg 金属間化合物を調査した結果を示すグラフである。
【図5】めっき皮膜の摺動性を調査するピンオンディスク試験の概念を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1:回転台、2:試験片、3:鋼球、4:ロードセル、5:めっき皮膜、6:初晶Zn 相、7:共晶組織、8:母材。

Claims (5)

  1. 質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、残部が実質的にZn からなる溶融めっき皮膜を備えた溶融めっき鋼板であって、上記めっき皮膜は、Al またはMg を過飽和に含有する初晶Zn 相と、Zn−Mg 金属間化合物を含有する共晶組織とよりなるものであることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
  2. 質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、残部が実質的にZn からなる溶融めっき皮膜を備えた溶融めっき鋼板であって、上記めっき皮膜は、Al またはMg を過飽和に含有する初晶Zn 相と、Zn−Mg 金属間化合物を含有する共晶組織とよりなり、前記初晶Zn 相の占める割合が体積%で、4%以上、50%以下であることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
  3. 質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、残部が実質的にZn からなる溶融めっき皮膜を備えた溶融めっき鋼板であって、上記めっき皮膜は、Al を0.2%以上、5.0%以下、または、Mg を0.2%以上、3.0%以下含有する初晶Zn 相と、Zn−Mg 金属間化合物を含有する共晶組織とよりなり、前記初晶Zn 相の占める割合が体積%で、4%以上、50%以下であることを特徴とする溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
  4. 上記Zn−Mg 金属間化合物がZnMg またはZn11Mg であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板。
  5. 母材を、質量%で、Al を1.5%以上、5.5%以下、Mg を1.5%以上、4.0%以下含有し、温度が420℃以上、520℃以下である溶融めっき浴に浸漬し、引き上げて付着量を調整し、溶融めっき直後から400℃までを5〜40℃/秒の速度で冷却し、次いで400℃未満、300℃までを0.5〜20℃/秒の速度で冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶融Zn−Al−Mg めっき鋼板の製造方法。
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