JP6687175B1 - めっき鋼材 - Google Patents

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Abstract

安定した高い平面部耐食性を有するめっき鋼材およびその製造方法を提供すること。鋼材と、鋼材の表面に配されたZn−Al−Mg合金層を含むめっき層と、を有するめっき鋼材であって、めっき層が所定の化学組成を有し、Zn−Al−Mg合金層の表面を層厚の1/2まで研磨した後、走査型電子顕微鏡により倍率100倍で観察したときに得られる、Zn−Al−Mg合金層の反射電子像において、Al晶が存在し、前記Al晶の累計周囲長さの平均値が88〜195mm/mm2であるめっき鋼材及びその製造方法。

Description

本開示は、めっき鋼材に関する。
例えば、建材分野では、多種多様なめっき鋼材が利用されている。その多くは、Znめっき鋼材である。建材の長寿命化ニーズから、Znめっき鋼材の高耐食性化の研究は古くから行われており、様々なめっき鋼材が開発されてきている。最初の建材用の高耐食性めっき鋼材は、Zn系めっき層中に、Alを添加し、耐食性を向上した、Zn−5%Alめっき鋼材(ガルファンめっき鋼材)である。めっき層にAlを添加して耐食性を向上させることは周知の事実であり、5%Al添加でめっき層(具体的にはZn相)中にAl晶が形成し耐食性が向上する。Zn−55%Al−1.6%Siめっき鋼材(ガルバリウム鋼材)も基本的には、同じ理由により耐食性が向上しためっき鋼材である。
したがって、Al濃度が向上すると基本的に平面部耐食性は向上する。しかし、Al濃度の向上は、犠牲防食能の低下を引き起す。
ここで、Zn系めっき鋼材の魅力は、素地鋼材に対する犠牲防食効果である。すなわち、めっき鋼材の切断端面部、加工時のめっき層割れ部、および、めっき層の剥離等により現れる素地鋼材むき出し部において、素地鋼材の腐食前に周囲のめっき層が溶出しめっき溶出成分が保護皮膜を形成する。これにより、素地鋼材からの赤錆をある程度防ぐことが可能である。
この作用は、一般的にはAl濃度が低く、Zn濃度が高い方が好ましい。従って、Al濃度を5%〜25%程度の比較的低い濃度等に抑えた高耐食化めっき鋼材が近年実用化されている。特に、Al濃度を低く抑え、さらに、1〜3%程度のMgを含有しためっき鋼材がガルファンめっき鋼材よりも優れた平面部耐食性および犠牲防食性を有する。そのため、めっき鋼材として市場のトレンドとなり、現在市場で広く知られている。
この一定量のAlおよびMgを含有しためっき鋼材として、例えば、特許文献1に開示されためっき鋼材も開発されている。
具体的には、特許文献1は、鋼材の表面に、Al:5〜18質量%、Mg:1〜10質量%、Si:0.01〜2質量%、残部Zn及び不可避的不純物とからなるめっき層を有するめっき鋼材表面に、Al相が1mm当たり200個以上存在する溶融Zn−Al−Mg−Siめっき鋼材が開示されている。
特開2001−355053号
しかし、Al濃度を一定量含むめっき鋼材では、めっき層(具体的にはZn−Al−Mg合金層)の腐食が局所的に進行し、早期に素地鋼材まで到達する傾向が高い。その結果、平面部耐食性が劣化し、平面部耐食性のバラツキが大きくなることがある。そのため、安定した高い平面部耐食性を有するめっき鋼材が求められているのが現状である。
そこで、本開示の一態様の課題は、安定した高い平面部耐食性を有するめっき鋼材を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
素地鋼材と、前記素地鋼材の表面に配されたZn−Al−Mg合金層を含むめっき層と、を有するめっき鋼材であって、
前記めっき層が、質量%で、
Zn:65.0%超、
Al:5.0%超〜25.0%未満、
Mg:3.0%超〜12.5%未満、
Sn:0.1%〜20.0%、
Bi:0%〜5.0%未満、
In:0%〜2.0%未満、
Ca:0%〜3.00%、
Y :0%〜0.5%、
La:0%〜0.5%未満、
Ce:0%〜0.5%未満、
Si:0%〜2.5%未満、
Cr:0%〜0.25%未満、
Ti:0%〜0.25%未満、
Ni:0%〜0.25%未満、
Co:0%〜0.25%未満、
V :0%〜0.25%未満、
Nb:0%〜0.25%未満、
Cu:0%〜0.25%未満、
Mn:0%〜0.25%未満、
Fe:0%〜5.0%、
Sr:0%〜0.5%未満、
Sb:0%〜0.5%未満、
Pb:0%〜0.5%未満、
B :0%〜0.5%未満、及び
不純物からなる化学組成を有し、
Zn−Al−Mg合金層の表面を層厚の1/2まで研磨した後、走査型電子顕微鏡により倍率100倍で観察したときに得られる、Zn−Al−Mg合金層の反射電子像において、Al晶が存在し、前記Al晶の累計周囲長さの平均値が88〜195mm/mmであるめっき鋼材。
<2>
前記めっき層が、前記素地鋼材と前記Zn−Al−Mg合金層との間に、厚さ0.05〜5μmのAl−Fe合金層を有する<1>に記載のめっき鋼材。
本開示の一態様によれば、安定した高い平面部耐食性を有するめっき鋼材を提供できる。
本開示のめっき鋼材のZn−Al−Mg合金層の一例を示すSEMの反射電子像(倍率100倍)である。 本開示のめっき鋼材のZn−Al−Mg合金層の一例を示すSEMの反射電子像(倍率500倍)である。 本開示のめっき鋼材のZn−Al−Mg合金層の一例を示すSEMの反射電子像(倍率10000倍)である。 本開示のめっき鋼材のZn−Al−Mg合金層の反射電子像(SEMの反射電子像)をAl晶が識別できるように画像処理(2値化)した画像の一例を示す図である。
以下、本開示の一例について説明する。
なお、本開示において、化学組成の各元素の含有量の「%」表示は、「質量%」を意味する。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
「〜」の前後に記載される数値に「超」または「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値または上限値として含まない範囲を意味する。
化学組成の元素の含有量は、元素濃度(例えば、Zn濃度、Mg濃度等)と表記することがある。
「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
「平面部耐食性」とは、めっき層(具体的にはZn−Al−Mg合金層)自体の腐食し難い性質を示す。
「犠牲防食性」とは、素地鋼材むき出し部(例えばめっき鋼材の切断端面部、加工時のめっき層割れ部、およびめっき層の剥離により、素地鋼材が露出する箇所)での素地鋼材の腐食を抑制する性質を示す。
本開示のめっき鋼材は、素地鋼材と、素地鋼材の表面に配され、Zn−Al−Mg合金層を含むめっき層と、を有するめっき鋼材である。
そして、本開示のめっき鋼材は、めっき層が所定の化学組成を有し、Zn−Al−Mg合金層の表面を層厚の1/2まで研磨した後、走査型電子顕微鏡により倍率100倍で観察したときに得られる、Zn−Al−Mg合金層の反射電子像において、Al晶が存在し、前記Al晶の累計周囲長さの平均値が88〜195mm/mmである。
本開示のめっき鋼材は、上記構成により、安定した高い平面部耐食性を有するめっき鋼材となる。本開示のめっき鋼材は、次の知見により見出された。
発明者らは、Zn−Al−Mg合金層を含むめっき層の初期腐食挙動を解析した。その結果、めっき層(具体的にはZn−Al−Mg合金層)の腐食が蟻の巣状に局所的に進行し、Al晶の周囲が優先的に腐食していることを知見した。
これは、次の通り推定される。相対的に、電位が高いAl晶と電位が低い周囲の組織とで電位差腐食が起きている。そのため、Al晶とAl晶の周囲の相との接触面積が大きいほど、Al晶の周囲の腐食が起きやすくて平面部耐食性が劣化し、平面部耐食性のバラツキも大きくなる。
そこで、発明者らは、Al晶とAl晶の周囲の相との接触面積を極力減らすため、めっき層の製造時に、めっき浴の浸漬後の冷却条件をコントロールしてAl晶を粗大に析出させることを着想した。
その結果、次のことを知見した。Al晶の大きさの指標として、画像解析によるAl晶累計周囲長さと平面部耐食性がよく相関する。そして、Al晶の累計周囲長さの平均値を所定の範囲にすると、Al晶とAl晶の周囲の相との接触面積が低減する。その結果、優先的なAl晶の周囲の腐食が抑制され、安定した平面部耐食性が得られる。ただし、Al晶の累計周囲長さの平均値を過度に低くすると、加工性が低下する。
以上から、本開示のめっき鋼材は、安定した高い平面部耐食性を有するめっき鋼材となることが見出された。
以下、本開示のめっき鋼材の詳細について説明する。
めっきの対象となる素地鋼材について説明する。
素地鋼材の形状には、特に制限はない、素地鋼材は、鋼板の他、鋼管、土木建築材(柵渠、コルゲートパイプ、排水溝蓋、飛砂防止板、ボルト、金網、ガードレール、止水壁等)、家電部材(エアコンの室外機の筐体等)、自動車部品(足回り部材等)など、成形加工された素地鋼材が挙げられる。成形加工は、例えば、プレス加工、ロールフォーミング、曲げ加工などの種々の塑性加工手法が利用できる。
素地鋼材の材質には、特に制限はない。素地鋼材は、例えば、一般鋼、プレめっき鋼、Alキルド鋼、極低炭素鋼、高炭素鋼、各種高張力鋼、一部の高合金鋼(Ni、Cr等の強化元素含有鋼等)などの各種の素地鋼材が適用可能である。
素地鋼材は、素地鋼材の製造方法、素地鋼板の製造方法(熱間圧延方法、酸洗方法、冷延方法等)等の条件についても、特に制限されるものではない。
なお、素地鋼材としては、JIS G 3302(2010年)に記載されている熱延鋼板、熱延鋼帯、冷延鋼板、冷延鋼帯も適用できる。
素地鋼材は、プレめっきされたプレめっき鋼材でもよい。プレめっき鋼材は、例えば、電解処理方法または置換めっき方法により得られる。電解処理方法では、種々のプレめっき成分の金属イオンを含む硫酸浴又は塩化物浴に、素地鋼材を浸漬して電解処理することにより、プレめっき鋼材が得られる。置換めっき方法では、種々のプレめっき成分の金属イオンを含み、硫酸でpH調整した水溶液に、素地鋼材を浸漬して、金属を置換析出させて、プレめっき鋼材が得られる。
プレめっき鋼材としては、Niプレめっき鋼材が代表例として挙げられる。
次に、めっき層について説明する。
めっき層は、Zn−Al−Mg合金層を含む。めっき層は、Zn−Al−Mg合金層に加え、Al−Fe合金層を含んでもよい。Al−Fe合金層は、素地鋼材とZn−Al−Mg合金層との間に有する。
つまり、めっき層は、Zn−Al−Mg合金層の単層構造であってもよく、Zn−Al−Mg合金層とAl−Fe合金層とを含む積層構造であってもよい。積層構造の場合、Zn−Al−Mg合金層は、めっき層の表面を構成する層とすることがよい。
ただし、めっき層の表面にめっき層構成元素の酸化被膜が50nm程度形成しているが、めっき層全体の厚さに対して厚さが薄くめっき層の主体を構成していないと見なす。
ここで、Zn−Al−Mg合金層の厚さは、例えば、2μm以上95μm以下(好ましくは5μm以上75μm以下)とする。
一方、めっき層全体の厚みは、例えば、100μm以下程度である。めっき層全体の厚みはめっき条件に左右されるため、めっき層全体の厚みの上限及び下限については特に限定されるものではない。例えば、めっき層全体の厚みは、通常の溶融めっき法ではめっき浴の粘性および比重が関連する。さらに素地鋼材の引抜速度およびワイピングの強弱によって、めっき量は目付調整される。そのため、めっき層全体の厚みの下限は、2μm程度であると考えてよい。
一方、めっき金属の自重および均一性により、溶融めっき法で作製できる、めっき層の厚さの上限はおよそ95μmである。
めっき浴からの引抜速度とワイピング条件によって、めっき層の厚みは自在に変更できるため、厚さ2〜95μmのめっき層の形成は特に製造が難しいものではない。
次にAl−Fe合金層について説明する。
Al−Fe合金層は、素地鋼材表面(具体的には、素地鋼材とZn−Al−Mg合金層との間)に形成されており、組織としてAlFe相が主相の層である。Al−Fe合金層は、素地鋼材およびめっき浴の相互の原子拡散によって形成する。製法として溶融めっき法を用いた場合、Al元素を含有するめっき層では、Al−Fe合金層が形成され易い。めっき浴中に一定濃度以上のAlが含有されることから、AlFe相が最も多く形成する。しかし、原子拡散には時間がかかり、また、素地鋼材に近い部分では、Fe濃度が高くなる部分もある。そのため、Al−Fe合金層は、部分的には、AlFe相、AlFe相、AlFe相などが少量含まれる場合もある。また、めっき浴中にZnも一定濃度含まれることから、Al−Fe合金層には、Znも少量含有される。
耐食性においては、AlFe相、AlFe相、AlFe相、およびAlFe相のいずれの相であっても大差がない。ここでいう耐食性とは、溶接の影響を受けない部分での耐食性である。
ここで、めっき層中にSiを含有する場合、Siは、特にAl−Fe合金層中に取り込まれ易く、Al−Fe−Si金属間化合物相となることがある。同定される金属間化合物相としては、AlFeSi相があり、異性体として、α、β、q1,q2−AlFeSi相等が存在する。そのため、Al−Fe合金層は、これらAlFeSi相等が検出されることがある。これらAlFeSi相等を含むAl−Fe合金層をAl−Fe−Si合金層とも称する。
なお、Al−Fe−Si合金層もZn−Al−Mg合金層に対し、厚みは小さいため、めっき層全体における耐食性において与える影響は小さい。
また、素地鋼材(素地鋼板など)に各種プレめっき鋼材を使用した場合、プレめっきの付着量により、Al−Fe合金層の構造が変化することがある。具体的には、Al−Fe合金層周囲に、プレめっきに用いた純金属層が残存する場合、Zn−Al−Mg合金層の構成成分とプレめっき成分が結合した金属間化合物相(例えば、AlNi相等)が合金層を形成する場合、Al原子およびFe原子の一部が置換したAl−Fe合金層が形成する場合、または、Al原子、Fe原子およびSi原子の一部が置換したAl−Fe−Si合金層を形成する場合等がある。いずれにせよ、これらの合金層もZn−Al−Mg合金層に対し、厚みは小さいため、めっき層全体における耐食性において与える影響は小さい。
つまり、Al−Fe合金層とは、AlFe相を主体とする合金層以外に、上記種々の態様の合金層を包含する層である。
なお、各種プレめっき鋼材のうち、Niプレめっき鋼材にめっき層を形成した場合、Al−Fe合金層として、Al−Ni−Fe合金層が形成されることになる。Al−Ni−Fe合金層も、Zn−Al−Mg合金層に対し、厚みは小さいため、めっき層全体における耐食性において与える影響は小さい。
Al−Fe合金層の厚さは、例えば、0μm以上5μm以下である。
つまり、Al−Fe合金層は、形成されていなくてもよい。Al−Fe合金層の厚さは、めっき層(具体的にはZn−Al−Mg合金層)の密着性を高め、加工性を確保する観点から、0.05μm以上5μm以下が好ましい。
ただし、通常、溶融めっき法により本開示で規定する化学組成のめっき層を形成すると、素地鋼材とZn−Al−Mg合金層との間に、100nm以上のAl−Fe合金層が形成することが多い。Al−Fe合金層の厚さの下限値は特に制限するものでなく、Alを含有する溶融めっき層を形成する際には、必然的にAl−Fe合金層が形成することが判明している。そして、経験的に100nm前後が最もAl−Fe合金層の形成が抑制された場合の厚みであり、めっき層と素地鋼材との密着性を十分確保する厚みと判断されている。特別な手段を講じない限りはAl濃度が高いため、溶融めっき法では、100nmよりも薄いAl−Fe合金層を形成することは困難である。しかし、Al−Fe合金層の厚さが100nm未満であってとしても、また、Al−Fe合金層が形成されていなくても、めっき性能に大きな影響は与えないと推測される。
一方で、Al−Fe合金層の厚みが5μm超となると、Al−Fe合金層上に形成されるZn−Al−Mg合金層のAl成分が不足し、さらに、めっき層の密着性、加工性が極端に悪化する傾向にある。そのため、Al−Fe合金層の厚みは5μm以下に制限するのが好ましい。
なお、Al−Fe合金層は、Al濃度およびSn濃度に関しても密接な関連があり、一般的にAl濃度およびSn濃度が高い方が、成長速度が速い傾向にある。
Al−Fe合金層はAlFe相が主構成となる場合が多いので、Al−Fe合金層の化学組成は、Fe:25〜35%、Al:65〜75%、Zn:5%以下、および残部:不純物を含む組成が例示できる。
通常、Al−Fe合金層よりもZn−Al−Mg合金層の厚みの方が厚いことが常であることから、Al−Fe合金層のめっき鋼材としての平面部耐食性への寄与は、Zn−Al−Mg合金層と比較すると小さい。しかし、Al−Fe合金層には、成分分析結果から推測されるように耐食性元素であるAlおよびZnを一定濃度以上含有する。そのため、Al−Fe合金層は、素地鋼材に対してある程度の犠牲防食能と腐食バリア効果を有している。
ここで、厚みの薄いAl−Fe合金層の単独の耐食性寄与を定量的な測定で確認することは難しい。ただし、例えば、Al−Fe合金層に十分な厚みがある場合、Al−Fe合金層上のZn−Al−Mg合金層をエンドミル加工等でめっき層の表面からの切削で精密に取り除き、腐食試験をかけることによって、Al−Fe合金層の単独の耐食性を評価することはできる。Al−Fe合金層は、Al成分及び少量のZn成分を含んでいるため、Al−Fe合金層を有する場合、赤錆が点状に発生し、Al−Fe合金層を有さず、素地鋼材剥き出し時のように、全面赤錆とはならない。
また、腐食試験中、素地鋼材の赤錆発生直前までに至っためっき層の断面観察を実施すると、上層のZn−Al−Mg合金層が溶出および錆化してもAl−Fe合金層のみが残存し、素地鋼材を防食していることが確認できる。これは、電気化学的に、Al−Fe合金層がZn−Al−Mg層より貴になるが、素地鋼材より卑に位置するためである。これらのことから、Al−Fe合金層も一定の耐食性を有していると判断することができる。
腐食の観点からは、Al−Fe合金層は厚ければ厚いほど好ましく赤錆発生時間を遅らせる作用がある。しかしながら、厚いAl−Fe合金層は著しくめっき加工性を劣化させる原因となるから、厚みは一定厚み以下が好ましい。加工性の観点から、Al−Fe合金層の厚さは5μm以下が好ましい。Al−Fe合金層の厚さが5μm以下であると、V曲げ試験等により、めっきAl−Fe合金層を起点に発生するクラック及びパウダリング量が減少する。Al−Fe合金層の厚さは、さらに好ましくは2μm以下である。
次に、めっき層の化学組成について説明する。
めっき層に含まれるZn−Al−Mg合金層の成分組成は、めっき浴の成分組成比率がZn−Al−Mg合金層でもほぼ保たれる。溶融めっき法における、Al−Fe合金層の形成はめっき浴内で反応が完了しているため、Al−Fe合金層形成によるZn−Al−Mg合金層のAl成分、Zn成分の減少は通常、僅かである。
そして、安定した平面部耐食性を実現するために、めっき層の化学組成は、次の通りとする。
つまり、めっき層の化学組成は、質量%で、
Zn:65.0%超、
Al:5.0%超〜25.0%未満、
Mg:3.0%超〜12.5%未満、
Sn:0.1%〜20.0%、
Bi:0%〜5.0%未満、
In:0%〜2.0%未満、
Ca:0%〜3.00%、
Y :0%〜0.5%、
La:0%〜0.5%未満、
Ce:0%〜0.5%未満、
Si:0%〜2.5%未満、
Cr:0%〜0.25%未満、
Ti:0%〜0.25%未満、
Ni:0%〜0.25%未満、
Co:0%〜0.25%未満、
V :0%〜0.25%未満、
Nb:0%〜0.25%未満、
Cu:0%〜0.25%未満、
Mn:0%〜0.25%未満、
Fe:0%〜5.0%、
Sr:0%〜0.5%未満、
Sb:0%〜0.5%未満、
Pb:0%〜0.5%未満、
B :0%〜0.5%未満、及び
不純物からなる化学組成とする。
めっき層の化学組成において、Bi、In、Ca、Y、La、Ce、Si、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、Cu、Mn、Fe、Sr、Sb、Pb、およびBは、任意成分である。つまり、これら元素は、めっき層中に含まなくてもよい。これら任意成分を含む場合、任意元素の各含有量は、後述する範囲が好ましい。
ここで、このめっき層の化学組成は、めっき層全体の平均化学組成(めっき層がZn−Al−Mg合金層の単層構造の場合、Zn−Al−Mg合金層の平均化学組成、めっき層がAl−Fe合金層及びZn−Al−Mg合金層の積層構造の場合、Al−Fe合金層及びZn−Al−Mg合金層の合計の平均化学組成)である。
通常、溶融めっき法において、Zn−Al−Mg合金層の化学組成は、めっき層の形成反応がめっき浴内で完了することがほとんどであるため、ほぼめっき浴の化学組成と同等になる。また、溶融めっき法において、Al−Fe合金層は、めっき浴浸漬直後、瞬時に形成し成長する。そして、Al−Fe合金層は、めっき浴内で形成反応が完了しており、その厚みも、Zn−Al−Mg合金層に対して十分に小さいことが多い。
したがって、めっき後、加熱合金化処理等、特別な熱処理をしない限りは、めっき層全体の平均化学組成は、Zn−Al−Mg合金層の化学組成と実質的に等しく、Al−Fe合金層の成分を無視することができる。
以下、めっき層の各元素について説明する。
<Zn:65.0%超>
Znは、平面部耐食性に加え、犠牲防食性を得るために必要な元素である。Zn濃度は、原子組成比で考慮した場合、Al、Mg等の低比重の元素と共に構成されるめっき層であることから、原子組成比率でもZn主体とする必要がある。
よって、Zn濃度は、65.0%超とする。Zn濃度は、70%以上が好ましい。なお、Zn濃度の上限は、Znを除く元素及び不純物以外の残部となる濃度である。
<Al:5.0%超〜25.0%未満>
Alは、Al晶を形成し、平面部耐食性および犠牲防食性を共に確保するために必須の元素である。そして、Alは、めっき層の密着性を高め、加工性を確保するためにも、必須の元素である。よって、Al濃度の下限値は、5.0%超え(好ましくは10.0%以上)とする。
一方、Al濃度が増加すると、犠牲防食性が劣化する傾向となる。よって、Al濃度の上限値は、25.0%未満(好ましくは23.0%以下)とする。
<Mg:3.0%超〜12.5%未満>
Mgは、平面部耐食性および犠牲防食性を共に確保するために必須の元素である。よって、Mg濃度の下限値は、3.0%超え(好ましくは5.0%超え)とする。
一方、Mg濃度が増加すると、加工性が劣化する傾向となる。よって、12.5%未満(好ましくは10.0%以下)とする。
<Sn:0.1%〜20.0%>
Snは、高い犠牲防食性を付与する必須の元素である。よって、Sn濃度の下限値は、0.1%以上(好ましくは0.2%以上)とする。
一方、Sn濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Sn濃度の上限値は20.0%以下(好ましくは5.0%以下)とする。
<Bi:0%〜5.0%未満>
Biは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Bi濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.1%以上、より好ましくは3.0%以上)が好ましい。
一方、Bi濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Bi濃度の上限値は5.0%未満(好ましくは4.8%以下)とする。
<In:0%〜2.0%未満>
Inは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、In濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.1%以上、より好ましくは1.0%以上)が好ましい。
一方、In濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、In濃度の上限値は2.0%未満(好ましくは1.8%以下)とする。
<Ca:0%〜3.00%>
Caは、平面部耐食性及び犠牲防食性を付与するのに最適なMg溶出量を調整することができる元素である。よって、Ca濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.05%以上)が好ましい。
一方、Ca濃度が増加すると、平面部耐食性および加工性が劣化する傾向となる。よって、Ca濃度の上限値は3.00%以下(好ましくは1.00%以下)とする。
<Y :0%〜0.5%>
Yは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Y濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、Y濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Y濃度の上限値は0.5%以下(好ましくは0.3%以下)とする。
<LaおよびCe:0%〜0.5%未満>
LaおよびCeは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、La濃度およびCe濃度の下限値は、各々、0%超え(好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、La濃度およびCe濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、La濃度およびCe濃度の上限値は、各々、0.5%未満(好ましくは0.4%以下)とする。
<Si:0%〜2.5%未満>
Siは、Al−Fe合金層の成長を抑制して耐食性向上に寄与する元素である。よって、Si濃度は0%超え(好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、Si濃度が増加すると、平面部耐食性、犠牲防食性および加工性が劣化する傾向となる。よって、Si濃度の上限値は、2.5%未満とする。特に、平面部耐食性および犠牲防食性の観点からは、Si濃度は、好ましくは2.4%以下、より好ましくは1.8%以下、さらに好ましくは1.2%以下である。
<Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMn:0%〜0.25%未満>
Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度の下限値は、各々、0%超え(好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度の上限値は、各々、0.25%未満とする。Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度の上限値は、好ましくは0.22%以下である。
<Fe:0%〜5.0%>
溶融めっき法によって、めっき層を形成する場合、Zn−Al−Mg合金層およびAl−Fe合金層に一定のFe濃度が含有される。
Fe濃度が5.0%までは、めっき層(特にZn−Al−Mg合金層)に含まれても性能に悪影響がないことが確認されている。Feの多くは、Al−Fe合金層に含まれていることが多いため、この層の厚みが大きいと一般的にFe濃度は大きくなる。
<Sr、Sb、PbおよびB:0%〜0.5%未満>
Sr、Sb、PbおよびBは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Sr、Sb、PbおよびBの濃度の下限値は、各々、0%超え(好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、Sr、Sb、PbおよびBの濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Sr、Sb、PbおよびBの濃度の上限値は、各々、0.5%未満とする。
<不純物>
不純物は、原材料に含まれる成分、または、製造の工程で混入する成分であって、意図的に含有させたものではない成分を指す。例えば、めっき層には、素地鋼材とめっき浴との相互の原子拡散によって、不純物として、Fe以外の成分も微量混入することがある。
めっき層の化学成分は、次の方法により測定する。
まず、素地鋼材の腐食を抑制するインヒビターを含有した酸でめっき層を剥離溶解した酸液を得る。次に、得られた酸液をICP分析で測定することで、めっき層の化学組成(めっき層がZn−Al−Mg合金層の単層構造の場合、Zn−Al−Mg合金層の化学組成、めっき層がAl−Fe合金層及びZn−Al−Mg合金層の積層構造の場合、Al−Fe合金層及びZn−Al−Mg合金層の合計の化学組成)を得ることができる。酸種は、めっき層を溶解できる酸であれば、特に制限はない。なお、化学組成は、平均化学組成として測定される。
次に、Zn−Al−Mg合金層の金属組織について説明する。
Zn−Al−Mg合金層の金属組織は、Al晶が存在し、Al晶の累計周囲長さの平均値が88〜195mm/mmである。
Al晶の累計周囲長さの平均値が88mm/mm未満であると、Al晶が粗大化し過ぎて、加工性が劣化する。
一方、Al晶の累計周囲長さの平均値が195mm/mm超であると、Al晶が微細化され、Al晶とAl晶の周囲の相との接触面積が増加する。その結果、Al晶とAl晶の周囲の相との接触面積が大きいほど、Al晶の周囲の腐食が起きやすくて平面部耐食性が劣化し、平面部耐食性のバラツキも大きくなる。
よって、Al晶の累計周囲長さの平均値が88〜195mm/mmとする。Al晶の累計周囲長さの平均値の下限値は、好ましくは95mm/mm以上、より好ましくは105mm/mm以上である。Al晶の累計周囲長さの平均値の上限値は、好ましくは185mm/mm以下、より好ましくは170mm/mm以下である。
Zn−Al−Mg合金層の金属組織は、Al晶を有する。Zn−Al−Mg合金層の金属組織は、Al晶以外に、Zn−Al相を有していてもよい。
Al晶は「濃度0〜3%のZnを固溶するα相」が該当する。一方、Zn−Al相は「70%超え〜85%のZn相(η相)を含有し、α相とZn相(η相)とが微細に分離したβ相」が該当する。
ここで、図1〜図3に、Zn−Al−Mg合金層の表面を層厚の1/2まで研磨した研磨面におけるZn−Al−Mg合金層のSEMの反射電子像の一例を示す。図1は、倍率100倍、図2は倍率500倍、図3は倍率10000倍のSEMの反射電子像である。
なお、図1〜図3中、AlはAl晶、Zn−AlはZn−Al相、MgZnはMgZn相、Zn−EuはZn系共晶相を示す。
Zn−Al−Mg合金層の反射電子像において、それぞれの組織の面積分率は特に限定されないが、Al晶の面積分率は、安定した平面部耐食性向上の観点から、8〜45%が好ましく、15〜35%がより好ましい。つまり、Al晶は上記面積分率の範囲で存在していることが好ましい。
Al晶およびZn−Al相以外の残部組織としては、MgZn相、Zn系共晶相(具体的にはZn−Al−MgZn−MgSn等)などが挙げられる。
ここで、Al晶の累計周囲長さの平均値、およびAl晶の面積分率の測定方法について説明する。
Al晶の累計周囲長さの平均値、およびAl晶の面積分率は、Zn−Al−Mg合金層の表面を層厚の1/2まで研磨した後、走査型電子顕微鏡により倍率100倍で観察したときに得られる、Zn−Al−Mg合金層の反射電子像を利用して測定される。具体的には、次の通りである。
まず、測定対象となる、めっき鋼材から試料を採取する。ただし、試料は、めっき鋼材の打ち抜き端面部近傍(端面から2mm)以外で、めっき層の欠陥部がない場所から採取する。
次に、試料のめっき層(具体的にはZn−Al−Mg合金層)の表面を、めっき層の厚み方向(以下「Z軸方向」とも称する)に研磨する。
めっき層の表面のZ軸方向の研磨は、Zn−Al−Mg合金層の表面を層厚の1/2まで研磨する。この研磨は、Zn−Al−Mg合金層の表面を、#1200番手の研磨シートで乾式研磨した後、平均粒径3μmのアルミナを含む仕上げ液、平均粒径1μmのアルミナを含む仕上げ液、コロイダルシリカを含む仕上げ液をそれぞれ、この順に用いて仕上げ研磨する。
なお、研磨前後で、Zn−Al−Mg合金層の表面のZn強度をXRF(蛍光X線分析)で測定し、研磨後のZn強度が研磨前のZn強度の1/2となったときを、Zn−Al−Mg合金層の層厚の1/2とする。
次に、試料のZn−Al−Mg合金層の研磨面を走査型電子顕微鏡(SEM)により倍率100倍で観察し、Zn−Al−Mg合金層の反射電子像(以下「SEMの反射電子像」とも称する)を得る。SEM観察条件は、加速電圧:15kV、照射電流:10nA、視野の大きさ:1222.2μm×927.8μmとする。
Zn-Al-Mg合金層に有する各相を同定するためには、EDS(エネルギー分散型X線分析装置)を搭載したFE−SEMまたはTEM(透過型電子顕微鏡)を使用する。TEMを使用する場合、同じ測定対象となる試料のZn−Al−Mg合金層の研磨面にFIB(集束イオンビーム)加工を施す。FIB加工後、Zn−Al−Mg合金層の研磨面のTEMの電子回折像を得る。そして、Zn−Al−Mg合金層に含まれる金属を同定する。
次に、SEMの反射電子像とFE−SEMまたはTEMの電子回折像の同定結果とを比較し、SEMの反射電子像において、Zn−Al−Mg合金層に有する各相を同定する。なお、Zn−Al−Mg合金層に有する各相の同定において、EDS点分析し、EDS点分析の結果とTEMの電子回折像の同定結果とを照合するとよい。なお、各相の同定に、EPMA装置を使用してもよい。
次に、SEMの反射電子像において、Zn−Al−Mg合金層に有する各相が示すグレースケールの明度、色相及びコントラスト値の3値を判定する。各相が示す明度、色相及びコントラスト値の3値は、各相が含有する元素の原子番号を反映することから、通常、原子番号が小さいAl量、Mg量の含有量が多い相程、黒色を呈し、Zn量が多い相程、白色を呈する傾向がある。
上記EDSの照合結果から、SEMの反射電子像と整合するように、Zn−Al−Mg合金層中に含まれるAl晶が示す上記3値の範囲のみ、色変わりするような画像処理(2値化)を実施する(たとえば、特定の相のみ、白色画像で表示するようにして、視野における各相の面積(ピクセル数)等を算出する。図4参照)。この画像処理を実施することにより、SEMの反射電子像中に占めるZn−Al−Mg合金層中のAl晶の面積分率を求める。
なお、図4は、Zn−Al−Mg合金層の反射電子像(SEMの反射電子像)をAl晶が識別できるように画像処理(2値化)した画像の一例である。図4中AlはAl晶を示す。
そして、Zn−Al−Mg合金層のAl晶の面積分率は、3視野において、上記操作により求めたAl晶の面積分率の平均値とする。
なお、Al晶の判別が難しい場合は、TEMによる電子線回折又はEDS点分析を実施する。
一例として、三谷商事製WinROOF2015(画像解析ソフト)の2つのしきい値による2値処理機能を用いて、SEMの反射電子像(8bitで保存されたグレースケール画像、256色表示)におけるAl晶を識別する方法について記載する。なお、8bitで保存されたグレースケール画像では、光度が0のときは黒、最大値255のときは白を表す。既述したSEMの反射電子像の場合、光度のしきい値として10と95とを設定すると、Al晶が精度よく識別されることが、FE−SEMやTEMによる同定結果から判明している。そこで、これらの光度10〜95の範囲が色変わりするよう画像を処理し、Al晶を識別する。なお、2値化処理はWinROOF2015以外の画像解析ソフトを使用してもよい。
次に、三谷商事製WinROOF2015(画像解析ソフト)の自動形状特徴測定機能を用いて、上記画像処理により識別されたAl晶の周囲長さを累計し、Al晶累計周囲長さを求める。そして、Al晶累計周囲長さを視野の面積で除して、単位面積(mm)当たりのAl晶累計周囲長さを算出する。
この操作を3視野で実施し、単位面積(mm)当たりのAl晶累計周囲長の算術平均を「Al晶の累計周囲長さの平均値」とする。
また、Al晶の面積分率についても、三谷商事製WinROOF2015(画像解析ソフト)の自動形状特徴測定機能を用いて求めることができる。具体的には、上記Zn−Al−Mg合金層の反射電子像において、2値化して識別されたAl晶の面積分率(視野面積に対する面積分率)を、本機能を用いて算出する。そして、この操作を3視野で実施し、その算出平均をAl晶の面積分率とする。
Al−Fe合金層の厚さは、次の通り測定する。
試料を樹脂埋め込み後、研磨してめっき層断面(めっき層の厚さ方向に沿った切断面)のSEMの反射電子像(ただし、倍率5000倍、視野の大きさ:縦50μm×横200μmで、Al−Fe合金層が視認される視野とする。)において、同定されたAl−Fe合金層の任意の5箇所について、厚さを測定する。そして、5箇所の算術平均を界面合金層の厚さとする。
次に、本開示のめっき鋼材の製造方法の一例について説明する。
本開示のめっき鋼材は、素地鋼材(素地鋼板など)の表面(つまり、片面又は両面)に溶融めっき法により、上記所定の化学組成および金属組織を有するめっき層を形成することで得られる。
具体的には、一例として、次の条件で溶融めっき処理を行う。
まず、めっき浴温をめっき浴の融点+20℃以上とし、めっき浴から素地鋼材を引き上げ後、めっき浴温からめっき凝固開始温度まで温度域を、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域の平均冷却速度よりも大きい平均冷却速度で冷却する。
次に、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域を、平均冷却速度12℃/s以下で冷却する。
次に、めっき凝固開始温度−30℃から300℃までの温度域を、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域の平均冷却速度よりも大きい平均冷却速度で冷却する。
つまり、本開示のめっき鋼材の製造方法の一例は、めっき浴温をめっき浴の融点+20℃以上とし、めっき浴から素地鋼材を引き上げ後、めっき浴温からめっき凝固開始温度まで温度域の平均冷却速度をA、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域の平均冷却速度をB、めっき凝固開始温度−30℃から300℃までの平均冷却速度をCとしたとき、A>B、B≦12℃/s、C>Bとなる三段階冷却する条件で、素地鋼材に対して溶融めっき処理を行う方法とする。
めっき浴温をめっき浴の融点+20℃以上とし、めっき浴から素地鋼材を引き上げることで、Al晶が生成する。
そして、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域を平均冷却速度12℃/s以下で冷却することで、Zn−Al−Mg合金層において、Al晶が存在し、Al晶の累計周囲長さの平均値が上記範囲となる金属組織が形成される。この平均冷却速度の冷却は、例えば、大気を弱風で吹き付ける空冷により実施する。
ただし、トップロール等へのめっき巻つき防止の観点から、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域の平均冷却速度の下限値は、0.5℃/s以上とする。
なお、めっき凝固開始温度は、次の方法により測定できる。めっき浴から試料を採取してDSCで試料をめっき浴の融点+20℃以上に加熱した後、10℃/minで冷却したときに最初に示唆熱のピークが現れる温度がめっき凝固開始温度である。
本開示のめっき鋼材の製造方法において、めっき浴から素地鋼材を引き上げる際の温度(つまりめっき浴温)からめっき凝固開始温度までの温度域の平均冷却速度は、特に制限はないが、トップロール等へのめっき巻つき防止や風紋等の外観不良抑制等の観点から、0.5℃/s〜20℃/sとすることがよい。
ただし、めっき浴温からめっき凝固開始温度まで温度域の平均冷却速度は、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域の平均冷却速度よりも大きい平均冷却速度とする。それにより、Al晶の核形成サイトを増やすことができ、過度なAl晶の粗大化を抑制することができる。
また、めっき凝固開始温度−30℃から300℃までの温度域の平均冷却速度も、特に制限はないが、トップロール等へのめっき巻つき防止等の観点から、0.5℃/s〜20℃/sとすることがよい。
ただし、めっき凝固開始温度−30℃から300℃までの温度域の平均冷却速度は、めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域の平均冷却速度よりも大きい平均冷却速度とする。それにより、Al晶の過度な粗大化を抑制し、加工性を担保することができる。
なお、素地鋼材との間に形成するAl−Fe合金層は、めっき浸漬直後、1秒にも満たない時間で急速に形成および成長する。その成長速度はめっき浴温が高い方が大きく、めっき浴への浸漬時間が長い方がさらに大きくなる。ただし、めっき浴温が500℃未満の温度となると、ほとんど成長しなくなるため、浸漬時間を少なくするか、凝固から直ぐ冷却過程に移った方がよい。
また、めっき鋼材については、一度凝固させた後、再加熱してめっき層を再溶融すれば、構成相は全て消失して液相状態となる。従って、例えば、一度、急冷等を実施しためっき鋼材でも、オフラインにて再加熱して適切な熱処理する工程で、本開示で規定する組織制御を実施することも可能である。この場合、めっき層の再加熱温度は、めっき浴の融点直上付近にしておき、Al−Fe合金層が過剰に成長しない温度域とすることが好ましい。
以下、本開示のめっき鋼材に適用できる後処理について説明する。
本開示のめっき鋼材には、めっき層上に皮膜を形成してもよい。皮膜は、1層または2層以上を形成することができる。めっき層直上の皮膜の種類としては、例えば、クロメート皮膜、りん酸塩皮膜、クロメートフリー皮膜が挙げられる。これら皮膜を形成する、クロメート処理、りん酸塩処理、クロメートフリー処理は既知の方法で行うことができる。
クロメート処理には、電解によってクロメート皮膜を形成する電解クロメート処理、素材との反応を利用して皮膜を形成させ、その後余分な処理液を洗い流す反応型クロメート処理、処理液を被塗物に塗布し水洗することなく乾燥して皮膜を形成させる塗布型クロメート処理がある。いずれの処理を採用してもよい。
電解クロメート処理としては、クロム酸、シリカゾル、樹脂(アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、酢酸ビニルアクリルエマルション、カルボキシル化スチレンブタジエンラテックス、ジイソプロパノールアミン変性エポキシ樹脂等)、および硬質シリカを使用する電解クロメート処理を例示することができる。
りん酸塩処理としては、例えば、りん酸亜鉛処理、りん酸亜鉛カルシウム処理、りん酸マンガン処理を例示することができる。
クロメートフリー処理は、特に、環境に負荷がなく好適である。クロメートフリー処理には、電解によってクロメートフリー皮膜を形成する電解型クロメートフリー処理、素材との反応を利用して皮膜を形成させ、その後、余分な処理液を洗い流す反応型クロメートフリー処理、処理液を被塗物に塗布し水洗することなく乾燥して皮膜を形成させる塗布型クロメートフリー処理がある。いずれの処理を採用してもよい。
さらに、めっき層直上の皮膜の上に、有機樹脂皮膜を1層もしくは2層以上有してもよい。有機樹脂としては、特定の種類に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、又はこれらの樹脂の変性体等を挙げられる。ここで変性体とは、これらの樹脂の構造中に含まれる反応性官能基に、その官能基と反応し得る官能基を構造中に含む他の化合物(モノマーや架橋剤など)を反応させた樹脂のことを指す。
このような有機樹脂としては、1種又は2種以上の有機樹脂(変性していないもの)を混合して用いてもよいし、少なくとも1種の有機樹脂の存在下で、少なくとも1種のその他の有機樹脂を変性することによって得られる有機樹脂を1種又は2種以上混合して用いてもよい。また有機樹脂皮膜中には任意の着色顔料や防錆顔料を含んでもよい。水に溶解又は分散することで水系化したものも使用することができる。
本開示の実施例について説明するが、実施例での条件は、本開示の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本開示は、この一条件例に限定されるものではない。本開示は、本開示の要旨を逸脱せず、本開示の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
表1〜表2に示す化学組成のめっき層が得られるように、所定量の純金属インゴットを使用して、真空溶解炉で、インゴットを溶解した後、大気中でめっき浴を建浴した。めっき鋼板の作製には、バッチ式溶融めっき装置を使用した。
素地鋼材としては、2.3mmの一般材熱延炭素鋼板(C濃度<0.1%未満)を使用し、めっき工程直前に、脱脂、酸洗を実施した。
また、いくつかの例では、素地鋼材としては、2.3mmの一般材熱延炭素鋼板にNiプレめっきを施したNiプレめっき鋼板を使用した。Ni付着量は2g/mとした。なお、素地鋼材として、Niプレめっき鋼板を使用した例は、表中の「素地鋼材」の欄に「Niプレめっき」と表記した。
いずれのサンプル作製においても、素地鋼材について、めっき浴浸漬時までの工程は同等の還元処理方法を実施した。すなわち、素地鋼材をN−H(5%)(露点−40℃以下、酸素濃度25ppm未満)環境下、室温から800℃までを通電加熱で昇温し、60秒保持した後、Nガス吹き付けにて、めっき浴温+10℃まで冷却し、直ちにめっき浴に浸漬した。
なお、いずれのめっき鋼板も、めっき浴への浸漬時間は表中の時間とした。N2ガスワイピング圧力を調整し、めっき厚みが30μm(±1μm)となるようにめっき鋼板を作製した。
めっき浴温は融点+20℃を基本とし、一部の水準でさらに温度を上げてめっきした。めっき浴浸漬時間は2秒とした。素地鋼材をめっき浴から引き上げ後、表1〜表2に示す下記1〜3段目の平均冷却速度を表1〜表2に示す条件とする冷却プロセスでめっき層を得た。
・1段目平均冷却速度:めっき浴温からめっき凝固開始温度まで温度域の平均冷却速度
・2段目平均冷却速度:めっき凝固開始温度からめっき凝固開始温度−30℃までの温度域の平均冷却速度
・3段目平均冷却速度:めっき凝固開始温度−30℃から300℃までの温度域平均冷却速度
−各種の測定−
得られためっき鋼板から試料を切り出した。そして、既述の方法にしたがって、下記事項を測定した。
・Al晶の累計周囲長さの平均値(表中「Al晶の周囲長」と表記)
・Al晶の面積分率
・Al−Fe合金層の厚さ(ただし、素地鋼材としてNiプレめっき鋼板を使用した例では、Al−Ni−Fe合金層の厚さを示す。)
−平面部耐食性−
安定した平面部耐食性を比較するため、製造サンプルを腐食促進試験(JASO M609−91)に120サイクル供して、常温の30%クロム酸水溶液に浸漬して白錆を除去し、腐食減量から平面部耐食性を評価した。試験は5回実施し、平均腐食減量が80g/m以下で、かつn=5中の腐食減量の最大値と最小値が平均値の±100%以内である場合を「A+」評価、平均腐食減量が100g/m以下で、かつn=5中の腐食減量の最大値と最小値が平均値の±100%以内である場合を「A」評価、それ以外を「NG」評価とした。
−犠牲防食性(切断部端面耐食性)−
犠牲防食性(切断部端面耐食性)を比較するため、試料を50mm×100mmにシャー切断し、上下端面をシールして腐食促進試験(JASO M609−91)に120サイクル供して、側面部の端面露出部の赤錆発生面積率の平均値を評価した。赤錆発生面積率が50%以下を「A+」評価、70%以下を「A」評価、70%超を「NG」評価とした。
−加工性−
めっき層の加工性を評価するために、めっき鋼板を90°V曲げし、V曲げ谷部に幅24mmのセロハンテープを押し当てて引き離し、目視でパウダリングを評価した。テープにパウダリング剥離粉が付着しなかったものを「A」評価、わずかに付着したものを「A−」評価、付着したものを「NG」評価とした。
−総合評価−
平面部耐食性、犠牲防食性および加工性評価の評価結果が全て「A」、「A+」又は「A−」である例を「A]、一つでも「NG」があるもの「NG」と評価した。
実施例について表1〜表2に一覧にして示す。
上記結果から、本開示のめっき鋼材に該当する実施例は、比較例に比べ、安定した平面部耐食性を有することがわかる。
特に、本開示のめっき層の化学組成を満たしても、平均冷却速度を15℃/sで変更しない比較例(試験No70)は、Al晶の累計周囲長さの平均値が過度に大きくなり、安定した平面部耐食性が得られていないことがわかる。
一方、2段目の平均冷却速度が過度に低い比較例(比較例No.71)、平均冷却速度を2段階しか変更しなかった比較例(試験No72)、平均冷却速度を6℃/sで変更しない比較例(試験No73)は、Al晶の累計周囲長さの平均値が過度に小さくなり、加工性が劣化しているがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
符号の説明は、次の通りである。
Al Al晶
Zn−Al Zn−Al相
MgZn MgZn
Zn−Eu Zn系共晶相
なお、日本国特許出願第2018−094481号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (2)

  1. 素地鋼材と、前記素地鋼材の表面に配されたZn−Al−Mg合金層を含むめっき層と、を有するめっき鋼材であって、
    前記めっき層が、質量%で、
    Zn:65.0%超、
    Al:5.0%超〜25.0%未満、
    Mg:3.0%超〜12.5%未満、
    Sn:0.1%〜20.0%、
    Bi:0%〜5.0%未満、
    In:0%〜2.0%未満、
    Ca:0%〜3.00%、
    Y :0%〜0.5%、
    La:0%〜0.5%未満、
    Ce:0%〜0.5%未満、
    Si:0%〜2.5%未満、
    Cr:0%〜0.25%未満、
    Ti:0%〜0.25%未満、
    Ni:0%〜0.25%未満、
    Co:0%〜0.25%未満、
    V :0%〜0.25%未満、
    Nb:0%〜0.25%未満、
    Cu:0%〜0.25%未満、
    Mn:0%〜0.25%未満、
    Fe:0%〜5.0%、
    Sr:0%〜0.5%未満、
    Sb:0%〜0.5%未満、
    Pb:0%〜0.5%未満、
    B :0%〜0.5%未満、及び
    不純物からなる化学組成を有し、
    Zn−Al−Mg合金層の表面を層厚の1/2まで研磨した後、走査型電子顕微鏡により倍率100倍で観察したときに得られる、Zn−Al−Mg合金層の反射電子像において、Al晶が存在し、前記Al晶の累計周囲長さの平均値が88〜195mm/mmであるめっき鋼材。
  2. 前記めっき層が、前記素地鋼材と前記Zn−Al−Mg合金層との間に、厚さ0.05〜5μmのAl−Fe合金層を有する請求項1に記載のめっき鋼材。
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