JP7464849B2 - めっき鋼材、およびめっき鋼材の製造方法 - Google Patents

めっき鋼材、およびめっき鋼材の製造方法 Download PDF

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本開示は、めっき鋼材、およびめっき鋼材の製造方法に関する。
近年、めっき鋼材には、様々な素地鋼材(めっきを施す対象の鋼材)が使用されるニーズがある。例えば、素地鋼材として、合金元素を地鉄に多量に含有し、表面性状が様々な鋼材(高張力鋼材、熱延鋼板材等)が使用されるケースが想定される。
しかし、素地鋼材の性状に依存せず、常時、同等の外観のめっき鋼材を提供することは、長年のめっき鋼材における課題である。
めっき鋼材に均一外観を付与するために、スパングルを付与することもよく行われる。めっき鋼材に特殊外観を付与するために、Al-Zn系めっき鋼板でスパングル付与は実際よく使用される技術である。
市場に広く浸透する、例えば、Zn-55%Al-1.6%Siめっき鋼材(以下、「ガルバリウム鋼材」とも称する)は、Al-Zn系めっき鋼材であり、スパングル付与により均一外観となる。そのため、製造時、管理輸送時にめっき層の表面に発生する疵等を目立たなくする効果がある。
Al-Zn系めっき鋼材では、Al濃度が十分に高い状態で、めっき層中でAl相を粗大に成長させたときに、スパングルが初めて形成される。
また、ガルバリウム鋼材の他、Znめっき鋼材(どぶ漬けZnめっき鋼材、ダクト用のZnめっき鋼材等)でも、スパングル付与が行われる場合がある。
Zn系めっき鋼材は、Zn濃度が十分に高い状態で、めっき層中でZn相を粗大に成長させたときに初めて形成される。
そして、例えば、特許文献1等には、Al相又はZn相などの純金属の単一相を成長させることによって、めっき鋼材にスパングルを形成する技術が開示されている。
特開2001-207249号公報
ガルバリウム鋼材は、平面耐食性に優れ、めっき層の表面に美麗なスパングル外観を持つため意匠性を重視した建材用途等に適している。しかし、ガルバリウム鋼材は、めっき層のAl濃度が高く、犠牲防食性が劣位である。そのため、ガルバリウム鋼材の端面部は補修が必要となりコストがかかる。
一方で、一般的に、Zn、AlおよびMgを少なくとも含む多元素系のめっき層を有するめっき鋼材は、めっき層のAl濃度が低く犠牲防食性が高いものの、めっき層中でAl相が十分な体積量を占めることができず、めっき層の表面にスパングルの付与自体が困難である。
そこで、本開示の課題は、美麗なスパングル外観を有しつつ、犠牲防食性が優れためっき鋼材、および、めっき鋼材の製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
素地鋼材と、前記素地鋼材の表面に配されたZn-Al-Mg合金層を含むめっき層と、を有するめっき鋼材であって、
前記めっき層が、質量%で、
Zn:65.0%超、
Al:5.0%超~25.0%未満、
Mg:3.0%超~12.5%未満、
Sn:0%~3.00%、
Bi:0%~5.0%未満、
In:0%~2.0%未満、
Ca:0%~3.0%、
Y :0%~0.5%、
La:0%~0.5%未満、
Ce:0%~0.5%未満、
Si:0%~2.5%未満、
Cr:0%~0.25%、
Ti:0%~0.25%、
Ni:0%~0.25%、
Co:0%~0.25%、
V :0%~0.25%、
Nb:0%~0.25%、
Cu:0%~0.25%、
Mn:0%~0.25%、
Fe:0%~5.0%、
Sr:0%~0.5%未満、
Sb:0%~0.5%未満、
Pb:0%~0.5%未満、
B :0%~0.5%未満、及び
不純物からなる化学組成を有し、
前記Zn-Al-Mg合金層の表面に、デンドライト状MgZn相を有し、前記デンドライト状MgZn相のうち、表面粗度Saが50nm以下、1次アーム長さが300μm以上、2次アーム長さが100μm以上であるデンドライト状MgZn相を、観察視野25mmの範囲内に10個~140個有する、
めっき鋼材。
<2>
前記めっき層における、Snの含有量が、質量%で、0.05%~3.00%である<1>に記載のめっき鋼材。
<3>
<1>又は<2>に記載のめっき鋼材の製造方法であって、
めっき浴から前記素地鋼材を、引き上げ後、めっき浴温から410℃までの温度域の平均冷却速度をA、
410℃から380℃までの温度域の平均冷却速度をB、
380℃から300℃までの温度域の平均冷却速度をC、
としたとき、
式(1):A≧1.5×B、
式(2):0.5℃/s≦B≦9℃/s、
式(3):C≧4×B
を満たす三段階冷却する条件で、前記素地鋼材に対して溶融めっき処理を行う、
めっき鋼材の製造方法。
本開示によれば、美麗なスパングル外観を有しつつ、犠牲防食性が優れためっき鋼材、および、めっき鋼材の製造方法を提供できる。
本開示のめっき鋼材のZn-Al-Mg合金層の表面の一例を示す光学顕微鏡写真(倍率5倍)である。
以下、本開示の一例について説明する。
なお、本開示において、化学組成の各元素の含有量の「%」表示は、「質量%」を意味する。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
「~」の前後に記載される数値に「超」または「未満」が付されている場合の数値範囲は、これら数値を下限値または上限値として含まない範囲を意味する。
化学組成の元素の含有量は、元素濃度(例えば、Zn濃度、Mg濃度等)と表記することがある。
「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
「平面部耐食性」とは、めっき層(具体的にはZn-Al-Mg合金層)自体の腐食し難い性質を示す。
「犠牲防食性」とは、素地鋼材むき出し部(例えばめっき鋼材の切断端面部、加工時のめっき層割れ部、およびめっき層の剥離により、素地鋼材が露出する箇所)での素地鋼材の腐食を抑制する性質を示す。
「スパングル」とは、ある程度の金属光沢を有し、目視で確認できる幾何学模様が反復的に繰り返される模様である。
「層の断面」とは、層を厚さ方向に沿って切断した断面を示す。
「層の表面」とは、層の厚さ方向に対向する面であって、めっき鋼材の外側に向いている面を示す。
本開示のめっき鋼材は、素地鋼材と、素地鋼材の表面に配され、Zn-Al-Mg合金層を含むめっき層と、を有するめっき鋼材である。
本開示のめっき鋼材は、めっき層が所定の化学組成を有する。
そして、本開示のめっき鋼材は、Zn-Al-Mg合金層の表面に、デンドライト状MgZn相を有し、デンドライト状MgZn相のうち、表面粗度Saが50nm以下、1次アーム長さが300μm以上、2次アーム長さが100μm以上であるデンドライト状MgZn相(以下、「粗大デンドライト状MgZn相」とも称する)を、25mmの範囲内に10個~140個有する。
本開示のめっき鋼材は、上記構成により、美麗なスパングル外観を有しつつ、犠牲防食性が優れためっき鋼材となる。本開示のめっき鋼材は、次の知見により見出された。
発明者らは、犠牲防食性が高いZn-Al-Mg合金層に対して、スパングル模様を形成することについて検討した。その結果、次の知見を得た。
MgZn相は、低粗度(表面粗度Saが50nm以下)であると、周囲の高粗度(表面粗度Saが100~300nm程度)の組織に比べ、正反射率が高く、拡散反射率が低い。そして、正反射率が高いMgZn相は、白く見えるのに対し、正反射率が低く拡散反射率が高い組織は黒く見える(図1参照)。
そのため、犠牲防食性が高いZn-Al-Mg合金層に、MgZn相を粗大なデンドライト状に発達させると、スパングル模様を形成する。
このように、通常、溶融亜鉛めっき層、後めっき層等におけるスパングル模様はZnの結晶粒により形成されるが、本開示では、Zn-Al-Mg合金層におけるスパングル模様は、MgZn相の光の反射率の違いによる色の差で形成される。
以上から、本開示のめっき鋼材は、上記構成により、美麗なスパングル外観を有しつつ、犠牲防食性が優れためっき鋼材となることが見出された。
そして、本開示のめっき鋼材は、犠牲防食性に優れるため、端面補修省略によるコスト低減も実現できる。
以下、本開示のめっき鋼材の詳細について説明する。
(素地鋼材)
めっきの対象となる素地鋼材について説明する。
素地鋼材の形状には、特に制限はない。素地鋼材は、鋼板の他、鋼管、土木建築材(柵渠、コルゲートパイプ、排水溝蓋、飛砂防止板、ボルト、金網、ガードレール、止水壁等)、家電部材(エアコンの室外機の筐体等)、自動車部品(足回り部材等)など、成形加工された素地鋼材が挙げられる。成形加工は、例えば、プレス加工、ロールフォーミング、曲げ加工などの種々の塑性加工手法が利用できる。
素地鋼材の材質には、特に制限はない。素地鋼材は、例えば、一般鋼、プレめっき鋼、Alキルド鋼、極低炭素鋼、高炭素鋼、各種高張力鋼、一部の高合金鋼(Ni、Cr等の強化元素含有鋼等)などの各種の素地鋼材が適用可能である。
素地鋼材は、素地鋼材の製造方法、素地鋼板の製造方法(熱間圧延方法、酸洗方法、冷延方法等)等の条件についても、特に制限されるものではない。
なお、素地鋼材としては、JIS G 3302(2010年)に記載されている熱延鋼板、熱延鋼帯、冷延鋼板、冷延鋼帯も適用できる。
素地鋼材は、プレめっきされたプレめっき鋼材でもよい。プレめっき鋼材は、例えば、電解処理方法または置換めっき方法により得られる。電解処理方法では、種々のプレめっき成分の金属イオンを含む硫酸浴又は塩化物浴に、素地鋼材を浸漬して電解処理することにより、プレめっき鋼材が得られる。置換めっき方法では、種々のプレめっき成分の金属イオンを含み、硫酸でpH調整した水溶液に、素地鋼材を浸漬して、金属を置換析出させて、プレめっき鋼材が得られる。
プレめっき鋼材としては、プレNiめっき鋼材が代表例として挙げられる。
(めっき層)
次に、めっき層について説明する。
めっき層は、Zn-Al-Mg合金層を含む。めっき層は、Zn-Al-Mg合金層に加え、Al-Fe合金層を含んでもよい。Al-Fe合金層は、素地鋼材とZn-Al-Mg合金層との間に有する。
つまり、めっき層は、Zn-Al-Mg合金層の単層構造であってもよく、Zn-Al-Mg合金層とAl-Fe合金層とを含む積層構造であってもよい。積層構造の場合、Zn-Al-Mg合金層は、めっき層の表面を構成する層とすることがよい。
ただし、めっき層の表面にめっき層構成元素の酸化被膜が50nm程度形成しているが、めっき層全体の厚さに対して厚さが薄くめっき層の主体を構成していないと見なす。
めっき層の付着量は、片面あたり20~300g/mが好ましい。
めっき層の付着量を20g/m以上にすると、平面部耐食性および犠牲防食性が確保できる。一方、めっき層の付着量を300g/m以下にすると、めっき層の垂れ模様等の外観不良が抑制できる。
ここで、Zn-Al-Mg合金層の厚さは、例えば、2μm以上95μm以下(好ましくは5μm以上75μm以下)とする。
一方、めっき層全体の厚みは、例えば、100μm以下程度である。めっき層全体の厚みはめっき条件に左右されるため、めっき層全体の厚みの上限及び下限については特に限定されるものではない。例えば、めっき層全体の厚みは、通常の溶融めっき法ではめっき浴の粘性および比重が関連する。さらに素地鋼材の引抜速度およびワイピングの強弱によって、めっき量は目付調整される。そのため、めっき層全体の厚みの下限は、2μm程度であると考えてよい。
一方、めっき金属の自重および均一性により、溶融めっき法で作製できる、めっき層の厚さの上限はおよそ95μmである。
めっき浴からの引抜速度とワイピング条件によって、めっき層の厚みは自在に変更できるため、厚さ2~95μmのめっき層の形成は特に製造が難しいものではない。
Al-Fe合金層の厚さは、例えば、0μm以上5μm以下である。
つまり、Al-Fe合金層は、形成されていなくてもよい。Al-Fe合金層の厚さは、めっき層(具体的にはZn-Al-Mg合金層)の密着性を高め、加工性を確保する観点から、0.05μm以上5μm以下が好ましい。
ただし、通常、溶融めっき法により本開示で規定する化学組成のめっき層を形成すると、素地鋼材とZn-Al-Mg合金層との間に、100nm以上のAl-Fe合金層が形成することが多い。Al-Fe合金層の厚さの下限値は特に制限するものでなく、Alを含有する溶融めっき層を形成する際には、必然的にAl-Fe合金層が形成することが判明している。そして、経験的に100nm前後が最もAl-Fe合金層の形成が抑制された場合の厚みであり、めっき層と素地鋼材との密着性を十分確保する厚みと判断されている。特別な手段を講じない限りはAl濃度が高いため、溶融めっき法では、100nmよりも薄いAl-Fe合金層を形成することは困難である。しかし、Al-Fe合金層の厚さが100nm未満であったとしても、また、Al-Fe合金層が形成されていなくても、めっき性能に大きな影響は与えないと推測される。
一方で、Al-Fe合金層の厚みが5μm超となると、Al-Fe合金層上に形成されるZn-Al-Mg合金層のAl成分が不足し、さらに、めっき層の密着性、加工性が極端に悪化する傾向にある。そのため、Al-Fe合金層の厚みは5μm以下に制限するのが好ましい。
なお、Al-Fe合金層は、Al濃度およびSn濃度に関しても密接な関連があり、一般的にAl濃度およびSn濃度が高い方が、成長速度が速い傾向にある。
Zn-Al-Mg合金層及びAl-Fe合金層の厚さは、次の通り測定する。
試料を樹脂埋め込み後、研磨してめっき層断面(めっき層の厚さ方向に沿った切断面)のSEMの反射電子像(ただし、倍率5000倍、視野の大きさ:縦50μm×横200μmで、Al-Fe合金層が視認される視野とする。)において、同定されたAl-Fe合金層の任意の5箇所について、厚さを測定する。そして、5箇所の算術平均を界面合金層の厚さとする。
-Al-Fe合金層-
次にAl-Fe合金層について説明する。
Al-Fe合金層は、素地鋼材表面(具体的には、素地鋼材とZn-Al-Mg合金層との間)に形成されており、組織としてAlFe相が主相の層である。Al-Fe合金層は、素地鋼材およびめっき浴の相互の原子拡散によって形成する。製法として溶融めっき法を用いた場合、Al元素を含有するめっき層では、Al-Fe合金層が形成され易い。めっき浴中に一定濃度以上のAlが含有されることから、AlFe相が最も多く形成する。しかし、原子拡散には時間がかかり、また、素地鋼材に近い部分では、Fe濃度が高くなる部分もある。そのため、Al-Fe合金層は、部分的には、AlFe相、AlFe相、AlFe相などが少量含まれる場合もある。また、めっき浴中にZnも一定濃度含まれることから、Al-Fe合金層には、Znも少量含有される。
耐食性においては、AlFe相、AlFe相、AlFe相、およびAlFe相のいずれの相であっても大差がない。ここでいう耐食性とは、溶接の影響を受けない部分での耐食性である。
ここで、めっき層中にSiを含有する場合、Siは、特にAl-Fe合金層中に取り込まれ易く、Al-Fe-Si金属間化合物相となることがある。同定される金属間化合物相としては、AlFeSi相があり、異性体として、α、β、q1,q2-AlFeSi相等が存在する。そのため、Al-Fe合金層は、これらAlFeSi相等が検出されることがある。これらAlFeSi相等を含むAl-Fe合金層をAl-Fe-Si合金層とも称する。
なお、Al-Fe-Si合金層もZn-Al-Mg合金層に対し、厚みは小さいため、めっき層全体における耐食性において与える影響は小さい。
また、素地鋼材(素地鋼板など)に各種プレめっき鋼材を使用した場合、プレめっきの付着量により、Al-Fe合金層の構造が変化することがある。具体的には、Al-Fe合金層周囲に、プレめっきに用いた純金属層が残存する場合、Zn-Al-Mg合金層の構成成分とプレめっき成分が結合した金属間化合物相(例えば、AlNi相等)が合金層を形成する場合、Al原子およびFe原子の一部が置換したAl-Fe合金層が形成する場合、または、Al原子、Fe原子およびSi原子の一部が置換したAl-Fe-Si合金層を形成する場合等がある。いずれにせよ、これらの合金層もZn-Al-Mg合金層に対し、厚みは小さいため、めっき層全体における耐食性において与える影響は小さい。
つまり、Al-Fe合金層とは、AlFe相を主体とする合金層以外に、上記種々の態様の合金層を包含する層である。
なお、各種プレめっき鋼材のうち、プレNiめっき鋼材にめっき層を形成した場合、Al-Fe合金層として、Al-Ni-Fe合金層が形成されることになる。Al-Ni-Fe合金層も、Zn-Al-Mg合金層に対し、厚みは小さいため、めっき層全体における耐食性において与える影響は小さい。
Al-Fe合金層はAlFe相が主構成となる場合が多いので、Al-Fe合金層の化学組成は、Fe:25~35%、Al:65~75%、Zn:5%以下、および残部:不純物を含む組成が例示できる。
通常、Al-Fe合金層よりもZn-Al-Mg合金層の厚みの方が厚いことが常であることから、Al-Fe合金層のめっき鋼材としての平面部耐食性への寄与は、Zn-Al-Mg合金層と比較すると小さい。しかし、Al-Fe合金層には、成分分析結果から推測されるように耐食性元素であるAlおよびZnを一定濃度以上含有する。そのため、Al-Fe合金層は、素地鋼材に対してある程度の犠牲防食能と腐食バリア効果を有している。
ここで、厚みの薄いAl-Fe合金層の単独の耐食性寄与を定量的な測定で確認することは難しい。ただし、例えば、Al-Fe合金層に十分な厚みがある場合、Al-Fe合金層上のZn-Al-Mg合金層をエンドミル加工等でめっき層の表面からの切削で精密に取り除き、腐食試験をかけることによって、Al-Fe合金層の単独の耐食性を評価することはできる。Al-Fe合金層は、Al成分及び少量のZn成分を含んでいるため、Al-Fe合金層を有する場合、赤錆が点状に発生し、Al-Fe合金層を有さず、素地鋼材剥き出し時のように、全面赤錆とはならない。
また、腐食試験中、素地鋼材の赤錆発生直前までに至っためっき層の断面観察を実施すると、上層のZn-Al-Mg合金層が溶出および錆化してもAl-Fe合金層のみが残存し、素地鋼材を防食していることが確認できる。これは、電気化学的に、Al-Fe合金層がZn-Al-Mg層より貴になるが、素地鋼材より卑に位置するためである。これらのことから、Al-Fe合金層も一定の耐食性を有していると判断することができる。
腐食の観点からは、Al-Fe合金層は厚ければ厚いほど好ましく赤錆発生時間を遅らせる作用がある。しかしながら、厚いAl-Fe合金層は著しくめっき加工性を劣化させる原因となるから、厚みは一定厚み以下が好ましい。加工性の観点から、Al-Fe合金層の厚さは5μm以下が好ましい。Al-Fe合金層の厚さが5μm以下であると、V曲げ試験等により、めっきAl-Fe合金層を起点に発生するクラック及びパウダリング量が減少する。Al-Fe合金層の厚さは、さらに好ましくは2μm以下である。
(めっき層の化学組成)
次に、めっき層の化学組成について説明する。
めっき層に含まれるZn-Al-Mg合金層の成分組成は、めっき浴の成分組成比率がZn-Al-Mg合金層でもほぼ保たれる。溶融めっき法における、Al-Fe合金層の形成はめっき浴内で反応が完了しているため、Al-Fe合金層形成によるZn-Al-Mg合金層のAl成分、Zn成分の減少は通常、僅かである。
そして、安定した犠牲防食性および平面部耐食性を実現するために、めっき層の化学組成は、次の通りとする。
つまり、めっき層の化学組成は、質量%で、
Zn:65.0%超、
Al:5.0%超~25.0%未満、
Mg:3.0%超~12.5%未満、
Sn:0%~3.00%、
Bi:0%~5.0%未満、
In:0%~2.0%未満、
Ca:0%~3.0%、
Y :0%~0.5%、
La:0%~0.5%未満、
Ce:0%~0.5%未満、
Si:0%~2.5%未満、
Cr:0%~0.25%、
Ti:0%~0.25%、
Ni:0%~0.25%、
Co:0%~0.25%、
V :0%~0.25%、
Nb:0%~0.25%、
Cu:0%~0.25%、
Mn:0%~0.25%、
Fe:0%~5.0%、
Sr:0%~0.5%未満、
Sb:0%~0.5%未満、
Pb:0%~0.5%未満、
B :0%~0.5%未満、及び
不純物からなる化学組成とする。
めっき層の化学組成において、Sn、Bi、In、Ca、Y、La、Ce、Si、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、Cu、Mn、Fe、Sr、Sb、Pb、およびBは、任意成分である。つまり、これら元素は、めっき層中に含まなくてもよい。これら任意成分を含む場合、任意元素の各含有量は、後述する範囲が好ましい。
ここで、このめっき層の化学組成は、めっき層全体の平均化学組成(めっき層がZn-Al-Mg合金層の単層構造の場合、Zn-Al-Mg合金層の平均化学組成、めっき層がAl-Fe合金層及びZn-Al-Mg合金層の積層構造の場合、Al-Fe合金層及びZn-Al-Mg合金層の合計の平均化学組成)である。
通常、溶融めっき法において、Zn-Al-Mg合金層の化学組成は、めっき層の形成反応がめっき浴内で完了することがほとんどであるため、ほぼめっき浴の化学組成と同等になる。また、溶融めっき法において、Al-Fe合金層は、めっき浴浸漬直後、瞬時に形成し成長する。そして、Al-Fe合金層は、めっき浴内で形成反応が完了しており、その厚みも、Zn-Al-Mg合金層に対して十分に小さいことが多い。
したがって、めっき後、加熱合金化処理等、特別な熱処理をしない限りは、めっき層全体の平均化学組成は、Zn-Al-Mg合金層の化学組成と実質的に等しく、Al-Fe合金層の成分を無視することができる。
以下、めっき層の各元素について説明する。
<Zn:65.0%超>
Znは、平面部耐食性に加え、犠牲防食性を得るために必要な元素である。Zn濃度は、原子組成比で考慮した場合、Al、Mg等の低比重の元素と共に構成されるめっき層であることから、原子組成比率でもZn主体とする必要がある。
よって、Zn濃度は、65.0%超とする。Zn濃度は、70%以上が好ましい。なお、Zn濃度の上限は、Znを除く元素及び不純物以外の残部となる濃度である。
<Al:5.0%超~25.0%未満>
Alは、Al晶を形成し、平面部耐食性および犠牲防食性を共に確保するために必須の元素である。そして、Alは、めっき層の密着性を高め、加工性を確保するためにも、必須の元素である。よって、Al濃度の下限値は、5.0%超え(好ましくは10.0%以上)とする。
一方、Al濃度が増加すると、犠牲防食性が劣化する傾向となる。よって、Al濃度の上限値は、25.0%未満(好ましくは23.0%以下)とする。
<Mg:3.0%超~12.5%未満>
Mgは、平面部耐食性および犠牲防食性を共に確保するために必須の元素である。また、Mgは、発達した粗大デンドライト状MgZn相を析出させるために必須の元素である。よって、Mg濃度の下限値は、3.0%超え(好ましくは5.0%超え)とする。
一方、Mg濃度が増加すると、加工性が劣化する傾向となる。よって、Mg濃度の上限は、12.5%未満(好ましくは10.0%以下)とする。
<Sn:0%~3.00%>
Snは、水溶性組織であるMgSn相を生成し、高い犠牲防食性を付与する元素である。よって、Sn濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.10%以上)が好ましい。
一方、Sn濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Sn濃度の上限値は、3.00%以下(好ましくは、2.50%以下)とする。
<Bi:0%~5.0%未満>
Biは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Bi濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.1%以上、より好ましくは3.0%以上)が好ましい。
一方、Bi濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Bi濃度の上限値は5.0%未満(好ましくは4.8%以下)とする。
<In:0%~2.0%未満>
Inは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、In濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.1%以上、より好ましくは1.0%以上)が好ましい。
一方、In濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、In濃度の上限値は2.0%未満(好ましくは1.8%以下)とする。
<Ca:0%~3.0%>
Caは、平面部耐食性及び犠牲防食性を付与するのに最適なMg溶出量を調整することができる元素である。よって、Ca濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.05%以上)が好ましい。
一方、Ca濃度が増加すると、平面部耐食性および加工性が劣化する傾向となる。よって、Ca濃度の上限値は3.0%以下(好ましくは1.0%以下)とする。
<Y :0%~0.5%>
Yは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Y濃度の下限値は、0%超え(好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、Y濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Y濃度の上限値は0.5%以下(好ましくは0.3%以下)とする。
<LaおよびCe:0%~0.5%未満>
LaおよびCeは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、La濃度およびCe濃度の下限値は、各々、0%超え(好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、La濃度およびCe濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、La濃度およびCe濃度の上限値は、各々、0.5%未満(好ましくは0.4%以下)とする。
<Si:0%~2.5%未満>
Siは、Al-Fe合金層の成長を抑制して耐食性向上に寄与する元素である。よって、Si濃度は0%超え(好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上)が好ましい。特に、Snを含まない場合(つまり、Sn濃度が0%である場合)、犠牲防食性の確保の観点から、Si濃度は0.10%以上(好ましくは0.20%以上)が好ましい。
一方、Si濃度が増加すると、平面部耐食性、犠牲防食性および加工性が劣化する傾向となる。よって、Si濃度の上限値は、2.5%未満とする。特に、平面部耐食性および犠牲防食性の観点からは、Si濃度は、好ましくは2.4%以下、より好ましくは1.8%以下、さらに好ましくは1.2%以下である。
<Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMn:0%~0.25%>
Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度の下限値は、各々、0%超え(好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度の上限値は、各々、0.25%以下とする。Cr、Ti、Ni、Co、V、Nb、CuおよびMnの濃度の上限値は、好ましくは0.22%以下である。
<Fe:0%~5.0%>
溶融めっき法によって、めっき層を形成する場合、Zn-Al-Mg合金層およびAl-Fe合金層に一定のFe濃度が含有される。
Fe濃度が5.0%までは、めっき層(特にZn-Al-Mg合金層)に含まれても性能に悪影響がないことが確認されている。Feの多くは、Al-Fe合金層に含まれていることが多いため、この層の厚みが大きいと一般的にFe濃度は大きくなる。
<Sr、Sb、PbおよびB:0%~0.5%未満>
Sr、Sb、PbおよびBは、犠牲防食性に寄与する元素である。よって、Sr、Sb、PbおよびBの濃度の下限値は、各々、0%超え(好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上)が好ましい。
一方、Sr、Sb、PbおよびBの濃度が増加すると、平面部耐食性が劣化する傾向となる。よって、Sr、Sb、PbおよびBの濃度の上限値は、各々、0.5%未満とする。
<不純物>
不純物は、原材料に含まれる成分、または、製造の工程で混入する成分であって、意図的に含有させたものではない成分を指す。例えば、めっき層には、素地鋼材とめっき浴との相互の原子拡散によって、不純物として、Fe以外の成分も微量混入することがある。
めっき層の化学成分は、次の方法により測定する。
まず、素地鋼材の腐食を抑制するインヒビターを含有した酸でめっき層を剥離溶解した酸液を得る。次に、得られた酸液をICP分析で測定することで、めっき層の化学組成(めっき層がZn-Al-Mg合金層の単層構造の場合、Zn-Al-Mg合金層の化学組成、めっき層がAl-Fe合金層及びZn-Al-Mg合金層の積層構造の場合、Al-Fe合金層及びZn-Al-Mg合金層の合計の化学組成)を得ることができる。酸種は、めっき層を溶解できる酸であれば、特に制限はない。なお、化学組成は、平均化学組成として測定される。また、ICP分析でZn濃度は、「式:Zn濃度=100%-他の元素濃度(%)」で求める。
ここで、素地鋼材として、プレめっき鋼材を用いた場合、そのプレめっきの成分も検出される。
例えば、プレNiめっき鋼材を用いた場合、ICP分析では、めっき層中のNiだけでなく、プレNiめっき中のNiも検出される。具体的には、例えば、Ni付着量が1g/m~3g/mのプレめっき鋼材を素地鋼材として使用したとき、仮にめっき層に含まれるNi濃度が0%であっても、Ni濃度が0.1~15%として検出される。一方、プレNiめっき鋼材を素地鋼材として用いた場合、素地鋼材をめっき浴に浸漬した際に、プレNiめっき層中のNiがめっき浴中に微量に溶解する。そのため、めっき浴中のNi濃度が、建浴しためっき浴中のNi濃度と比べて0.02~0.03%高くなる。したがって、プレNiめっき鋼材を用いた場合には、めっき層中のNi濃度は最大で0.03%高くなる。
そこで、本開示においては、プレNiめっき鋼材を用いた場合、ICP分析により、Ni濃度が0.28(0.25%(めっき層中のNi濃度の上限値)+0.03%)%超え15%以下で検出されたとき、めっき層のNi濃度は、0%と見なす。このときのZn濃度は、「式;Zn濃度=100%-Ni以外の他の元素濃度(%)」で求める。
一方で、プレNiめっき鋼材を用いた場合において、ICP分析により、Ni濃度が15%超えで検出されたとき、めっき層には、Niを0.25%(めっき層中のNi濃度の上限値)超えで含むと見なす。なお、本開示においては、ICP分析方法だけを用いてめっき層の成分を測定したが、ICP分析方法と併せて、グロー放電発光分析法(定量GDS)を用いることで、めっき層中のNi濃度を分析することが可能である。
-Zn-Al-Mg合金層の金属組織-
次に、Zn-Al-Mg合金層の金属組織について説明する。
Zn-Al-Mg合金層の表面に、デンドライト状MgZn相を有する。
そして、Zn-Al-Mg合金層の表面において、デンドライト状MgZn相のうち、粗大デンドライト状MgZn相を、観察視野25mmの範囲内に10個~140個有する。
粗大デンドライト状MgZn相は、表面粗度Saが50nm以下、1次アーム長さが300μm以上、2次アーム長さが100μm以上である。
表面粗度Saが50nm超えのMgZn相は、正反射率が低く、スパングル外観付与に寄与しない。1次アーム長さが300μm未満、又は、2次アーム長さが100μm未満のデンドライト状MgZn相は、サイズが小さいため、スパングル外観付与に寄与しない。そして、デンドライト状MgZn相が、少なすぎると正反射率が高い領域も少なく、多すぎると正反射率が高い領域も多くなるため、正反射率差によるスパングル外観として認識できない。
よって、粗大デンドライト状MgZn相の個数は、観察視野25mmの範囲内に10個~140個とする。
美麗なスパングル外観付与の観点から、粗大デンドライト状MgZn相の個数は、15個~105個が好ましく、20個~70個がより好ましい。
ここで、粗大デンドライト状MgZn相とは、MgZn相で構成され、1次アーム(つまり、主軸)と、1次アームから枝状に成長した2次アーム(つまり、第二軸)とを有する構造を有する組織である(図1参照)。ここで、図1中,Arm1は1次アーム(その長さ)、Arm2は2次アーム(その長さ)を示す。
なお、粗大デンドライト状MgZn相は、2次アームから枝状に成長した3次アーム、4次アームが存在してもよい。
粗大デンドライト状MgZn相の個数の測定方法は、次の通りである。
まず、測定対象となる、めっき鋼材から、めっき層の表面が1cm×1cm四方となる試料を採取する。ただし、試料は、めっき鋼材の打ち抜き端面部近傍(端面から2mm)以外で、めっき層の欠陥部がない場所から採取する。
次に、試料のめっき層(具体的にはZn-Al-Mg合金層)の表面を、光学顕微鏡(倍率5)により観察する。観察視野は、2.5mm×2mm(=5mm)とする。
観察視野において、デンドライト状MgZn相の1次アーム長さ及び2次アーム長さを測定する(図1参照)。1次アーム長さ及び2次アーム長さは、画像解析ソフト(例えば三谷商事製WinROOF2015)を利用して測定する。
そして、1次アーム長さが300μm以上、2次アーム長さが100μm以上であるデンドライト状MgZn相を特定する。
次に、特定したデンドライト状MgZn相の表面粗度Saを、原子間力顕微鏡(AFM)により測定する。
具体的には、特定したデンドライト状MgZn相の1次アーム及び2次アームにおける、任意の5か所の表面粗度Saを、各々、原子間力顕微鏡(AFM)により測定する。そして、計10個所の表面粗度Saの算術平均値を求める。
ここで、原子間力顕微鏡(AFM)の測定条件は、次の通りである。
・走査モード:ダイナミック フォース モード(DFM)
・測定範囲:15μm×15μm四方
次に、光学顕微鏡における観察視野(2.5mm×2mm)において、表面粗度Saの算術平均値が50nm以下、1次アーム長さが300μm以上、2次アーム長さが100μm以上であるデンドライト状MgZn相の数(つまり、粗大デンドライトMgZn相の数)を特定する。
以上の操作を、試料における任意の5個所で実施し、5か所の観察視野5mm(つまり、観察視野25mmの範囲内)において、粗大デンドライト状MgZn相の個数を数える。この個数を「観察視野25mmの範囲内における、粗大デンドライト状MgZn相の個数」とする。
(めっき鋼材の製造方法)
次に、本開示のめっき鋼材の製造方法の一例について説明する。
本開示のめっき鋼材は、素地鋼材(素地鋼板など)の表面(つまり、片面又は両面)に溶融めっき法により、上記所定の化学組成および金属組織を有するめっき層を形成することで得られる。
具体的には、一例として、次の条件で溶融めっき処理を行う。
めっき浴から素地鋼材を、引き上げ後、めっき浴温から410℃までの温度域を、410℃から380℃までの温度域の平均冷却速度の1.5倍以上の平均冷却速度で冷却する。
次に、410℃から380℃までの温度域を、0.5℃/s以上、9℃/s以下の平均冷却速度で冷却する。
次に、380℃から300℃までの温度域を、410℃から380℃までの温度域の平均冷却速度の4倍以上の平均冷却速度で冷却する。
つまり、本開示のめっき鋼材の製造方法の一例は、めっき浴温から410℃までの温度域の平均冷却速度をA、410℃から380℃までの温度域の平均冷却速度をB、380℃から300℃までの温度域の平均冷却速度Cとしたとき、式(1):A≧1.5×B、式(2):0.5℃/s≦B≦9℃/s、式(3):C≧4×Bを満たす三段階冷却する条件で、素地鋼材に対して溶融めっき処理を行う方法とする。
ただし、めっき浴温から410℃までの温度域の平均冷却速度Aの上限は、風紋等の外観不良抑制の観点から、平均冷却速度Bの5倍以下とすることがよい。
また、380℃から300℃までの温度域の平均冷却速度Cの上限は、凹凸模様等の外観不良抑制の観点から、平均冷却速度Bの15倍以下とすることがよい。
ここで、めっき浴温は、めっき浴の融点+20℃以上とすることがよい。
めっき浴に素地鋼板を浸漬し、めっき浴から素地鋼材を引き上げた後、めっき浴温から410℃までの温度域を、式(1)を満たす平均冷却速度で一次冷却することで、めっき層の未凝固に起因する、ミスト冷却によるめっき層の表面性状の悪化を抑えつつ、めっき層中で、Al相がデンドライト状に十分に発達しつつ析出する。その結果、めっき層の表面性状の悪化によって、所定の表面粗度を持つデンドライト状MgZn相の個数が少なくなり、スパングル模様が見え難くなることが抑制される。式(1)を満たす平均冷却速度は、例えば、風速が大きい空冷により実施する。
410℃から380℃までの温度域(特に390℃から380℃までの温度域)を、0.5℃/s以上の平均冷却速度で二次冷却することで、製造時冷却不足によるトップロールへのめっき層の巻き込みが抑制される。その結果、めっき層の外観不良によって、所定の表面粗度を持つデンドライト状MgZn相の個数が少なくなり、パングル模様が見え難くなることが抑制される。
410℃から380℃までの温度域(特に390℃から380℃までの温度域)を、9℃/s以下の平均冷却速度で二次冷却することで、発達したデンドライト状のAl相の周囲に、十分にMgZn相が析出する。その結果、Zn-Al-Mg合金層の表面に粗大デンドライト状MgZn相が現れ、上記粗大デンドライト状MgZn相の個数を満たす組織(つまり、美麗なスパングル外観)が得られる。式(2)を満たす平均冷却速度は、例えば、風速が小さい空冷により実施する。
380℃から300℃までの温度域を、式(3)を満たす平均冷却速度で三次冷却することで、トップロール等へのめっき層の巻つきや風紋等が抑制される。めっき層の外観不良によって、所定の表面粗度を持つデンドライト状MgZn相の個数が少なくなり、スパングル模様が見え難くなることが抑制される。式(3)を満たす平均冷却速度は、例えば、ミスト冷却により実施する。
なお、素地鋼材との間に形成するAl-Fe合金層は、めっき浸漬直後、1秒にも満たない時間で急速に形成および成長する。その成長速度はめっき浴温が高い方が大きく、めっき浴への浸漬時間が長い方がさらに大きくなる。ただし、めっき浴温が500℃未満の温度となると、ほとんど成長しなくなるため、浸漬時間を少なくするか、凝固から直ぐ冷却過程に移った方がよい。
また、めっき鋼材については、一度凝固させた後、再加熱してめっき層を再溶融すれば、構成相は全て消失して液相状態となる。従って、例えば、一度、急冷等を実施しためっき鋼材でも、オフラインにて再加熱して適切な熱処理する工程で、本開示で規定する組織制御を実施することも可能である。この場合、めっき層の再加熱温度は、めっき浴の融点直上付近にしておき、Al-Fe合金層が過剰に成長しない温度域とすることが好ましい。
以下、本開示のめっき鋼材に適用できる後処理について説明する。
本開示のめっき鋼材には、めっき層上に皮膜を形成してもよい。皮膜は、1層または2層以上を形成することができる。めっき層直上の皮膜の種類としては、例えば、クロメート皮膜、りん酸塩皮膜、クロメートフリー皮膜が挙げられる。これら皮膜を形成する、クロメート処理、りん酸塩処理、クロメートフリー処理は既知の方法で行うことができる。
クロメート処理には、電解によってクロメート皮膜を形成する電解クロメート処理、素材との反応を利用して皮膜を形成させ、その後余分な処理液を洗い流す反応型クロメート処理、処理液を被塗物に塗布し水洗することなく乾燥して皮膜を形成させる塗布型クロメート処理がある。いずれの処理を採用してもよい。
電解クロメート処理としては、クロム酸、シリカゾル、樹脂(アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、酢酸ビニルアクリルエマルション、カルボキシル化スチレンブタジエンラテックス、ジイソプロパノールアミン変性エポキシ樹脂等)、および硬質シリカを使用する電解クロメート処理を例示することができる。
りん酸塩処理としては、例えば、りん酸亜鉛処理、りん酸亜鉛カルシウム処理、りん酸マンガン処理を例示することができる。
クロメートフリー処理は、特に、環境に負荷がなく好適である。クロメートフリー処理には、電解によってクロメートフリー皮膜を形成する電解型クロメートフリー処理、素材との反応を利用して皮膜を形成させ、その後、余分な処理液を洗い流す反応型クロメートフリー処理、処理液を被塗物に塗布し水洗することなく乾燥して皮膜を形成させる塗布型クロメートフリー処理がある。いずれの処理を採用してもよい。
さらに、めっき層直上の皮膜の上に、有機樹脂皮膜を1層もしくは2層以上有してもよい。有機樹脂としては、特定の種類に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、又はこれらの樹脂の変性体等を挙げられる。ここで変性体とは、これらの樹脂の構造中に含まれる反応性官能基に、その官能基と反応し得る官能基を構造中に含む他の化合物(モノマーや架橋剤など)を反応させた樹脂のことを指す。
このような有機樹脂としては、1種又は2種以上の有機樹脂(変性していないもの)を混合して用いてもよいし、少なくとも1種の有機樹脂の存在下で、少なくとも1種のその他の有機樹脂を変性することによって得られる有機樹脂を1種又は2種以上混合して用いてもよい。また有機樹脂皮膜中には任意の着色顔料や防錆顔料を含んでもよい。水に溶解又は分散することで水系化したものも使用することができる。
本開示の実施例について説明するが、実施例での条件は、本開示の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本開示は、この一条件例に限定されるものではない。本開示は、本開示の要旨を逸脱せず、本開示の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
表1~表2に示す化学組成のめっき層が得られるように、所定量の純金属インゴットを使用して、真空溶解炉で、インゴットを溶解した後、大気中でめっき浴を建浴した。めっき鋼板の作製には、バッチ式溶融めっき装置を使用した。
素地鋼材としては、板厚2.3mmの一般材熱延炭素鋼板(C濃度<0.1%未満)を使用し、めっき工程直前に、脱脂、酸洗を実施した。
また、いくつかの例では、素地鋼材としては、板厚2.3mmの一般材熱延炭素鋼板にプレNiめっきを施したプレNiめっき鋼板を使用した。Ni付着量は1~3g/mとした。なお、素地鋼材として、プレNiめっき鋼板を使用した例は、表中の「素地鋼材」の欄に「プレNi」と表記し、Ni濃度の欄には、かっこ書きでめっき浴中のNi濃度を表記した。
いずれのサンプル作製においても、素地鋼材について、めっき浴浸漬時までの工程は同等の還元処理方法を実施した。すなわち、素地鋼材をN-H(5%)(露点-40℃以下、酸素濃度25ppm未満)環境下、室温から800℃までを通電加熱で昇温し、60秒保持した後、Nガス吹き付けにて、めっき浴温+10℃まで冷却し、直ちにめっき浴に浸漬した。
なお、いずれのめっき鋼板も、めっき浴への浸漬時間は表中の時間とした。Nガスワイピング圧力を調整し、めっき厚みが30μm(±1μm)となるようにめっき鋼板を作製した。
めっき浴温は融点+20℃を基本とし、一部の水準でさらに温度を上げてめっきした。めっき浴浸漬時間は2秒とした。素地鋼材をめっき浴から引き上げ後、表1~表2に示す下記1~3段目の平均冷却速度を表1~表2に示す条件とする冷却プロセスでめっき層を得た。
・1段目平均冷却速度:めっき浴温から410℃までの温度域の平均冷却速度
・2段目平均冷却速度:410℃から380℃までの温度域の平均冷却速度
・3段目平均冷却速度:380℃から300℃までの温度域の平均冷却速度
-各種の測定-
得られためっき鋼板から試料を切り出した。そして、既述の方法にしたがって、下記事項を測定した。
・観察視野25mmの範囲内に存在する粗大デンドライト状MgZn相(表面粗度Saが50nm以下、1次アーム長さが300μm以上、2次アーム長さが100μm以上であるデンドライト状MgZn相)の個数(表中、「D-MgZn個数と表記)
・Al-Fe合金層の厚さ(ただし、素地鋼材としてプレNiめっき鋼板を使用した例では、Al-Ni-Fe合金層の厚さを示す。)
-平面部耐食性-
平面部耐食性を比較するため、製造サンプルを腐食促進試験(SST JIS Z 2371:2015)に2000時間供して、平面部の赤錆発生面積率の平均値を評価した。平均赤錆発生面積率が3%以下で、かつn=5中の赤錆発生面積率の最大値と最小値が平均値の±100%以内である場合を「A+」評価、平均赤錆発生面積率が5%以下で、かつn=5中の赤錆発生面積率の最大値と最小値が平均値の±100%以内である場合を「A」評価、それ以外を「NG」評価とした。
-犠牲防食性(切断部端面耐食性)-
犠牲防食性(切断部端面耐食性)を比較するため、試料を50mm×100mmにシャー切断し、上下端面をシールして腐食促進試験(SST JIS Z2371:2015)に500時間供して、側面部の端面露出部の赤錆発生面積率の平均値を評価した。赤錆発生面積率が50%以下を「A+」評価、70%以下を「A」評価、70%超を「NG」評価とした。
-加工性-
めっき層の加工性を評価するために、めっき鋼板をエリクセン試験機(しわ押さえ内径40mm、パンチ端の球状の直径15mm)で張り出し高さ7mmに押し出し加工した後、エリクセン加工部に幅24mmのセロハンテープを押し当てて引き離し、目視でパウダリングを評価した。テープにパウダリング剥離粉が付着しなかったものを「A」評価、わずかに付着したものを「A-」評価、付着したものを「NG」評価とした。
-スパングル外観-
スパングル外観について、次の評価を実施した。
試料を水平から45°~60°の方向から目視したときに、明確に大きなスパングル模様が見えるものを「A+」評価、小さいながらスパングル模様と認識できるものを「A」評価、スパングル模様を認識できないものを「NG」評価とした。
実施例について表1~表2に一覧にして示す。
上記結果から、本開示のめっき鋼材に該当する実施例は、比較例に比べ、安定した平面部耐食性を有することがわかる。
特に、本開示のめっき層の化学組成を満たしても、式(1):A≧1.5×Bを満たさない平均冷却速度で一次冷却した比較例(試験No.74)は、ミスト冷却によってめっき層の表面性状が悪化したため、所定の表面粗度を持つデンドライト状MgZn相の個数が少なくなり、スパングル模様が見えにくいことがわかる。
本開示のめっき層の化学組成を満たしても、式(2):0.5℃/s≦B≦9℃/sを満たさない平均冷却速度で二次冷却した比較例(試験No.75及びNo.78)は、デンドライト状MgZn相の成長が不十分でスパングル模様が見えにくいことがわかる。
本開示のめっき層の化学組成を満たしても、式(3):C≧4×Bを満たさない平均冷却速度で三次冷却した比較例(試験No.76)は、トップロールへのめっき層巻き込みによるめっき外観不良で、所定の表面粗度を持つデンドライト状MgZn相の個数が少なくなり、スパングル模様が見えにくいことがわかる。
本開示のめっき層の化学組成を満たしても、式(1):A≧1.5×Bを満たさない平均冷却速度で一次冷却し、かつ、式(3):C≧4×Bを満たさない平均冷却速度で三次冷却した比較例(試験No.77)は、ミスト冷却によってめっき層の表面性状が悪化したため、所定の表面粗度を持つデンドライト状MgZn相の個数が少なくなり、スパングル模様が見えにくいことがわかる。
なお、プレNiめっき鋼板を使用した例(試験No44~47)のめっき層のNi濃度は、ICP分析により検出されたNi濃度が0.28%超え15%以下であるため、めっき層のNi濃度を、0%と見なす例に該当する。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (3)

  1. 素地鋼材と、前記素地鋼材の表面に配されたZn-Al-Mg合金層を含むめっき層と、を有するめっき鋼材であって、
    前記めっき層が、質量%で、
    Zn:65.0%超、
    Al:5.0%超~25.0%未満、
    Mg:3.0%超~12.5%未満、
    Sn:0%~3.00%、
    Bi:0%~5.0%未満、
    In:0%~2.0%未満、
    Ca:0%~3.0%、
    Y :0%~0.5%、
    La:0%~0.5%未満、
    Ce:0%~0.5%未満、
    Si:0%~2.5%未満、
    Cr:0%~0.25%、
    Ti:0%~0.25%、
    Ni:0%~0.25%、
    Co:0%~0.25%、
    V :0%~0.25%、
    Nb:0%~0.25%、
    Cu:0%~0.25%、
    Mn:0%~0.25%、
    Fe:0%~5.0%、
    Sr:0%~0.5%未満、
    Sb:0%~0.5%未満、
    Pb:0%~0.5%未満、
    B :0%~0.5%未満、及び
    不純物からなる化学組成を有し、
    前記Zn-Al-Mg合金層の表面に、デンドライト状MgZn相を有し、前記デンドライト状MgZn相のうち、表面粗度Saが50nm以下、1次アーム長さが300μm以上、2次アーム長さが100μm以上であるデンドライト状MgZn相を、観察視野25mmの範囲内に10個~140個有する、
    めっき鋼材。
  2. 前記めっき層における、Snの含有量が、質量%で、0.05%~3.00%である請求項1に記載のめっき鋼材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のめっき鋼材の製造方法であって、
    めっき浴から前記素地鋼材を、引き上げ後、めっき浴温から410℃までの温度域の平均冷却速度をA、
    410℃から380℃までの温度域の平均冷却速度をB、
    380℃から300℃までの温度域の平均冷却速度をC、
    としたとき、
    式(1):A≧1.5×B、
    式(2):0.5℃/s≦B≦9℃/s、
    式(3):C≧4×B
    を満たす三段階冷却する条件で、前記素地鋼材に対して溶融めっき処理を行う、
    めっき鋼材の製造方法。
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