JP7381865B2 - Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板 - Google Patents

Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板 Download PDF

Info

Publication number
JP7381865B2
JP7381865B2 JP2019216686A JP2019216686A JP7381865B2 JP 7381865 B2 JP7381865 B2 JP 7381865B2 JP 2019216686 A JP2019216686 A JP 2019216686A JP 2019216686 A JP2019216686 A JP 2019216686A JP 7381865 B2 JP7381865 B2 JP 7381865B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot
region
dip
plating layer
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019216686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021085089A (ja
Inventor
ゆきの 石川
浩雅 莊司
哲也 鳥羽
泰平 金藤
信之 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2019216686A priority Critical patent/JP7381865B2/ja
Priority to CN202080080847.9A priority patent/CN114729437A/zh
Priority to KR1020227016563A priority patent/KR102658299B1/ko
Priority to PCT/JP2020/025968 priority patent/WO2021106260A1/ja
Priority to TW109131294A priority patent/TWI815038B/zh
Publication of JP2021085089A publication Critical patent/JP2021085089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7381865B2 publication Critical patent/JP7381865B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板に関する。
溶融亜鉛めっき鋼板に比べて高い耐食性を有するZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板は、建材、家電、自動車分野等種々の製造業において広く使用されており、近年、その使用量が増加している。
ところで、溶融めっき鋼板の溶融めっき層の表面に、文字、模様、デザイン画などを現すことを目的として、溶融めっき層に印刷や塗装などの工程を施すことにより、文字、模様、デザイン画などを溶融めっき層の表面に現す場合がある。
しかし、溶融めっき層に印刷や塗装などの工程を行うと、文字やデザイン等を施すためのコストや時間が増大する問題がある。更に、印刷や塗装によって文字やデザイン等をめっき層の表面に現す場合は、需要者から高い支持を得ている金属光沢外観が失われるだけでなく、塗膜自体の経時劣化や塗膜の密着性の経時劣化の問題から、耐久性が劣り、時間とともに文字やデザイン等が消失してしまう恐れがある。また、インクをスタンプすることで文字やデザイン等をめっき層の表面に現す場合は、コストや時間は比較的抑えられるものの、インクによって、溶融めっき層の耐食性が低下する懸念がある。更に、溶融めっき層の研削によって意匠等を現す場合は、意匠等の耐久性は優れるものの、研削箇所の溶融めっき層の厚みが大幅に減少することから耐食性低下が必然であり、めっき特性の低下が懸念される。
下記特許文献に示されるように、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板に対する様々な技術が開発されているが、めっき層の表面に文字やデザイン等を現した場合にその耐久性を向上させる技術は知られていない。
Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板に関し、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板にみられる梨地状のめっき外観をより美麗とすることを目的とする従来技術は存在する。
例えば、特許文献1は、キメが細かく、かつ平滑な光沢部が多い梨地状の外観を有するZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板、すなわち、単位面積当たりの白色部の個数が多く、そして、光沢部の面積の割合が大きいという良好な梨地状の外観を有するZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板が記載されている。また、特許文献1においては、好ましくない梨地の状態を、不定形な白色部と円形状の光沢部とが混在して表面に点在した表面外観を呈している状態であることが記載されている。
また、特許文献4は、Al/MgZn/Znの三元共晶組織を微細化させることで、全体的にめっき層の光沢度が増し、外観均一性が向上した高耐食性溶融亜鉛めっき鋼板が記載されている。
しかしながら、めっき層の表面に文字等を現した場合に、その耐久性を向上させ、かつ、耐食性を低下させないようにする技術は、従来から知られていなかった。
日本国特許第5043234号公報 日本国特許第5141899号公報 日本国特許第3600804号公報 国際公開第2013/002358号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、めっき層の表面に文字やデザイン等を現すことができ、それらの耐久性に優れ、また、耐食性にも優れた溶融めっき鋼板を提供することを課題とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 鋼板と、
前記鋼板の表面に形成された溶融めっき層と、
を備え、
前記溶融めっき層は、
平均組成で、Al:4質量%以上25質量%未満、Mg:0質量%以上10質量%未満を含有し、残部がZnおよび不純物を含み、
金属組織として、Al相と、Al/Zn/MgZnの三元共晶組織とを含み、
前記溶融めっき層の表面には、第一領域と第二領域とが存在しており、
前記第一領域および前記第二領域における前記溶融めっき層にはそれぞれ、前記Al相と、前記Al/Zn/MgZn の三元共晶組織とが含まれ、
前記第一領域は、前記鋼板と前記溶融めっき層との界面において前記三元共晶組織が前記鋼板と接する長さLeが、前記界面の長さLに対して0.3超の領域であり、
前記第二領域は、前記鋼板と前記溶融めっき層との界面において前記三元共晶組織が前記鋼板と接する長さLeが、前記界面の長さLに対して0.3以下の領域であり、
前記第一領域または前記第二領域が、前記溶融めっき層の表面において、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様若しくは文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた意図的な形状であることを特徴とするZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
[2] 前記溶融めっき層の表面における前記Al相の(200)面のX線回折強度I(200)と(111)面のX線回折強度I(111)の比I(200)/I(111)が0.8以上である、[1]に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板
] 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Si:0.0001~2質量%を含有する、[1]または[2]に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
] 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Ni、Ti、Zr、Srのいずれか1種または2種以上を、合計で0.0001~2質量%含有する、[1]乃至[]の何れか一項に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
] 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hf、Cのいずれか1種または2種以上を、合計で0.0001~2質量%含有する、[1]乃至[]の何れか一項に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
] 前記溶融めっき層の付着量が前記鋼板両面合計で30~600g/mである、[1]乃至[]の何れか一項に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
本発明によれば、溶融めっき層の表面に文字やデザイン等を現した場合に、それらの耐久性に優れ、また、耐食性にも優れた溶融めっき鋼板を提供できる。
No.1の第一領域における走査型電子顕微鏡による断面写真である。 No.1の第二領域における走査型電子顕微鏡による断面写真である。 本実施形態のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板の溶融めっき層の表面の一例を示す写真であって第二領域によって所定のパターンを現した状態を示す写真である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板は、鋼板と、鋼板の表面に形成された溶融めっき層とを備え、溶融めっき層は、平均組成で、Al:4質量%以上25質量%未満、Mg:0質量%超10質量%未満を含有し、残部がZnおよび不純物を含み、金属組織として、Al相と、Al/Zn/MgZnの三元共晶組織とを含む。溶融めっき層の表面は、第一領域と第二領域とからなる。第一領域は、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが、界面の長さLに対して0.2超の領域であり、第二領域は、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが、界面の長さLに対して0.2以下の領域である。そして、第一領域または第二領域が、所定の形状となるように配置されている。
本実施形態のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板は、好ましくは、第一領域または第二領域が、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様若しくは文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状となるように配置されている。第一領域または第二領域は、意図的に形成されたものである。
ここで、Al相とは、Al/Zn/MgZnの三元共晶組織の素地中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、これは例えばAl-Zn-Mgの三元系平衡状態図における高温での「Al″相」(Znを固溶するAl固溶体であり、少量のMgを含む)に相当し、三元共晶組織中のAlとは区別される。以下、本実施形態では、〔Al相〕と表記する。
<鋼板>
溶融めっき層の下地として用いる鋼板の材質は、特に制限されない。詳細は後述するが、鋼板としては、一般鋼などを用いることができ、Alキルド鋼や一部の高合金鋼を用いることも可能である。また、鋼板の形状も特に制限されない。鋼板に対して後述する溶融めっき法を適用することで、本実施形態に係る溶融めっき層が形成される。
<溶融めっき層>
(化学成分)
次に、溶融めっき層の化学成分について説明する。
溶融めっき層は、平均組成で、Al:4質量%以上25質量%未満、Mg:0質量%超10質量%未満を含有し、残部としてZnおよび不純物を含む。溶融めっき層は、好ましくは、平均組成で、Al:4~22質量%、Mg:1~10質量%を含有し、残部としてZnおよび不純物からなる。
溶融めっき層は、平均組成で、Si:0.0001~2質量%を含有してもよい。溶融めっき層は、平均組成で、Ni、Ti、Zr、Srのいずれか1種または2種以上を合計で、0.0001~2質量%含有してもよい。溶融めっき層は、平均組成で、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hfのいずれか1種または2種以上を合計で、0.0001~2質量%を含有してもよい。
[Al:4質量%以上25質量%未満]
溶融めっき層におけるAlの含有量は、平均組成で4質量%以上25質量%未満である。Alは、耐食性を確保するために必要な元素である。溶融めっき層中のAlの含有量が4質量%未満では、耐食性を向上させる効果が不十分であるため、また、〔Al相〕が十分に形成されなくなるため意匠性の確保にも好ましくなく、25質量%以上になると〔Al相〕が過剰に形成されるため意匠性の確保に好ましくない。溶融めっき層におけるAlの含有量は、耐食性の観点から、5~22質量%であってもよく、5~18質量%であってもよく、6~16質量%であってもよい。
[Mg:0質量%超10質量%未満]
溶融めっき層におけるMgの含有量は、平均組成で0質量%超、10質量%未満であり、好ましくは1質量%以上10質量%未満である。Mgは、耐食性を向上させるために添加する。溶融めっき層中のMgの含有量が1質量%以上になると、耐食性を向上させる効果がより十分となるので好ましい。また、Mgが10質量%以上になるとMg化合物が晶出するため意匠性の確保に好ましくなく、また、めっき浴でのドロス発生が著しくなり、安定的に溶融めっき鋼板を製造するのが困難となるため好ましくない。耐食性とドロス発生の抑制とのバランスの観点から、溶融めっき層におけるMgの含有量は、1.5~6質量%としてもよく、2~5質量%としてもよい。
溶融めっき層は、Siを0.0001~2質量%の範囲で含有してもよい。Siは、溶融めっき層の密着性を向上させるのに有効な元素である。
Siを溶融めっき層に0.0001質量%以上含有させることで密着性を向上させる効果が発現するため、Siを0.0001質量%以上含有させることが好ましい。
一方、2質量%を超えて含有させてもめっき密着性を向上させる効果が飽和するため、溶融めっき層にSiを含有させる場合であっても、Siの含有量は2質量%以下とする。
めっき密着性の観点からは、溶融めっき層におけるSiの含有量は、0.0010~1質量%としてもよく、0.0100~0.8質量%としてもよい。
溶融めっき層中には、平均組成で、Ni、Ti、Zr、Srのいずれか1種または2種以上を合計で、0.0001~2質量%含有してもよい。これらの元素を含む金属間化合物は、初晶Al相の晶出核として作用し、〔Al/MgZn/Znの三元共晶組織〕をより微細、均一にして、溶融めっき層の外観や平滑性を向上させる。溶融めっき層におけるこれらの元素の含有量が0.0001質量%未満では、凝固組織を微細均一にする効果が不十分になるため好ましくない。また、溶融めっき層におけるこれらの元素の含有量が2質量%を超えると、〔Al/MgZn/Znの三元共晶組織〕を微細化させる効果が飽和し、かつ、溶融めっき層の表面粗度が大きくなり外観が悪くなるため、好ましくない。
特に溶融めっき層の外観向上を目的として上述の元素を添加する場合、上述の元素の含有量は0.001~0.5質量%が好ましく、0.001~0.05質量%がより好ましく、さらに好ましくは0.002~0.01質量%である。
溶融めっき層中には、平均組成で、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hfの1種又は2種以上を合計で0.0001~2質量%を含有してもよい。溶融めっき層がこれらの元素を含有することで、さらに耐食性を改善することができる。
なお、REMは、周期律表における原子番号57~71の希土類元素の1種または2種以上を指す。
溶融めっき層の化学成分の残部は、亜鉛及び不純物である。不純物には、亜鉛ほかの地金中に不可避的に含まれるもの、めっき浴中で、鋼が溶解することによって含まれるものがある。また、めっきを溶解する際にめっき層と鋼の界面に生成する合金層由来のFeが測定されることもある。
なお、溶融めっき層の平均組成は、次のような方法で測定できる。まず、めっきを浸食しない塗膜剥離剤(例えば、三彩化工社製ネオリバーSP-751)で表層塗膜を除去した後に、インヒビター(例えば、スギムラ化学工業社製ヒビロン)入りの塩酸で溶融めっき層を溶解し、得られた溶液を誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析に供することで求めることができる。塩酸の濃度は例えば、10質量%でよい。また、表層塗膜を有しない場合は、表層塗膜の除去作業を省略できる。
(金属組織)
次に、溶融めっき層の金属組織について説明する。本実施形態に係る溶融めっき層は、金属組織として〔Al相〕と、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕とを含んでいる。
具体的には、本実施形態に係る溶融めっき層は、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕の素地中に、〔Al相〕が包含された形態を有している。
更に、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕の素地中に、〔MgZn相〕や〔Zn相〕が含まれていてもよい。
また、Siを添加した場合には、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕の素地中に、〔MgSi相〕が含まれていてもよい。
〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕
ここで、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕とは、Al相と、Zn相と金属間化合物MgZn相との三元共晶組織であり、この三元共晶組織を形成しているAl相は例えばAl-Zn-Mgの三元系平衡状態図における高温での「Al″相」(Znを固溶するAl固溶体であり、少量のMgを含む)に相当する。
この高温でのAl″相は、常温では通常は微細なAl相と微細なZn相とに分離して現れる。該三元共晶組織中のZn相は少量のAlを固溶し、場合によってはさらに少量のMgを固溶したZn固溶体である。該三元共晶組織中のMgZn相は、Zn-Mgの二元系平衡状態図のZn:約84質量%の付近に存在する金属間化合物相である。
状態図で見る限りそれぞれの相にはその他の添加元素を固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。しかしながら、その量は通常の分析では明確に区別できないため、この3つの相からなる三元共晶組織を本明細書では〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕と表す。
本実施形態では、後述するように、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeを、第一領域では界面の長さLに対して0.2超となる領域とし、第二領域では界面の長さLに対して0.3以下となる領域とする。
〔Al相〕
〔Al相〕とは、前記の三元共晶組織の素地中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、これは例えばAl-Zn-Mgの三元系平衡状態図における高温での「Al″相」(Znを固溶するAl固溶体であり、少量のMgを含む)に相当する。この高温でのAl″相は、めっき浴のAlやMg濃度に応じて、固溶するZn量やMg量が相違する。この高温でのAl″相は、常温では通常は微細なAl相と微細なZn相とに分離するが、常温で見られる島状の形状は高温でのAl″相の形状に起因すると考えられる。
状態図で見る限りこの相にはその他の添加元素を固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。しかしながら、通常の分析では明確に区別できないため、この高温でのAl″相に由来し且つ形状的にはAl″相の形状に起因する相を本明細書では〔Al相〕と呼ぶ。
〔Al相〕は前記の三元共晶組織を形成しているAl相とは顕微鏡観察において明瞭に区別できる。
〔Zn相〕
〔Zn相〕とは、前記の三元共晶組織の素地中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、実際には少量のAlや少量のMgを固溶していることがある。状態図で見る限り、この相にはその他の添加元素を固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。
〔Zn相〕は、前記の三元共晶組織を形成しているZn相とは顕微鏡観察において明瞭に区別できる。本実施形態に係る溶融めっき層には、製造条件により〔Zn相〕が含まれる場合が有るが、〔Zn相〕に起因する耐食性への影響はほとんど見られなかった。そのため、溶融めっき層に〔Zn相〕が含まれても、特に問題は無い。
〔MgZn相〕
〔MgZn相〕とは、前記の三元共晶組織の素地中に明瞭な境界をもって島状に見える相であり、実際には少量のAlを固溶していることがある。状態図で見る限り、この相にはその他の添加元素を固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。
〔MgZn相〕と前記の三元共晶組織を形成しているMgZn相とは、顕微鏡観察において明瞭に区別できる。本実施形態に係る溶融めっき層には、製造条件により〔MgZn相〕が含まれない場合も有るが、ほとんどの製造条件では溶融めっき層中に含まれる。
〔MgSi相〕
〔MgSi相〕とは、Siを添加しためっき層の凝固組織中に、明瞭な境界を持って島状に見える相である。状態図で見る限り、〔MgSi相〕にはZn、Al、その他の添加元素は固溶していないか、固溶していても極微量であると考えられる。〔MgSi相〕は、溶融めっき層中では顕微鏡観察において明瞭に他の相と区別できる。
本実施形態の溶融めっき層は、鋼板がめっき浴に浸漬された後に引き上げられ、その後、鋼板表面に付着した溶融金属が凝固することにより形成される。このとき、最初に、〔Al相〕が形成され、その後、溶融金属の温度低下に伴い、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕が形成される。
溶融めっき層の化学成分(つまり、めっき浴の化学成分)によっては、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕の素地中に、〔MgSi相〕、〔MgZn相〕または〔Zn相〕が形成される場合もある。
(第一領域及び第二領域)
次に、溶融めっき層の第一領域及び第二領域について説明する。本実施形態に係る溶融めっき層(溶融めっき層の表面)には、第一領域と第二領域とが存在する。第一領域は、その表面の金属光沢が低く、白色若しくは灰色を示す領域である。第二領域は、その表面の金属光沢が高い領域である。このため、第一領域と第二領域は、肉眼、拡大鏡下または顕微鏡下で識別可能である。
本実施形態では、第一領域が直線部、曲線部等を現すものであってもよく、第二領域が直線部、曲線部等を現すものであってもよい。第一領域が直線部、曲線部等を現すものである場合は、第一領域が所定の形状となるように配置され、それ以外の領域を第二領域とすることができる。また、第二領域が直線部、曲線部等を現すものである場合は、第二領域が所定の形状となるように配置され、それ以外の領域を第一領域とすることができる。第一領域と第二領域の境界は、肉眼、拡大鏡下または顕微鏡下で把握することができる。
第一領域が所定の形状となるように配置される場合の第一領域は、肉眼で第一領域の存在を判別可能な程度の大きさに形成されるとよい。この場合の第二領域は、溶融めっき層(溶融めっき層の表面)において第一領域以外の部分を占める領域となり、溶融めっき層の大部分を占めてもよい。また、第二領域内に第一領域が配置されてもよい。具体的には、第一領域は、第二領域内おいて、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様及び文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状となるように配置されていてもよい。第一領域の形状を調整することによって、溶融めっき層の表面に、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様及び文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状が現される。この形状は人工的に形成された形状であり、自然に形成されたものではない。
一方、第二領域が所定の形状となるように配置される場合の第二領域は、肉眼で第二領域の存在を判別可能な程度の大きさに形成されるとよい。この場合の第一領域は、溶融めっき層(溶融めっき層の表面)において第二領域以外の部分を占める領域となり、溶融めっき層の大部分を占めてもよい。また、第一領域内に第二領域が配置されてもよい。具体的には、第二領域は、第一領域内おいて、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様及び文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状となるように配置されていてもよい。第二領域の形状を調整することによって、溶融めっき層の表面に、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様及び文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状が現される。この形状は人工的に形成された形状であり、自然に形成されたものではない。
第一領域と第二領域は、肉眼に限らず、拡大鏡下または顕微鏡下で識別可能であってもよい。具体的には、第一領域または第二領域で構成される直線部等の形状は、50倍以下の視野で識別可能であればよい。50倍以下の視野であれば、第一領域または第二領域で構成される所定の形状は、その表面状態の違いにより、識別可能である。
第一領域または第二領域は、好ましくは20倍以下、さらに好ましくは10倍以下、より好ましくは5倍以下で識別可能である。
第一領域と第二領域は、下記の条件を満たすものである。
(a)第一領域は、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが、界面の長さLに対して0.2超の領域である。
(b)第二領域は、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが、界面の長さLに対して0.2以下の領域である。
溶融めっき層には、少なくとも〔Al相〕及び〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕が存在する。溶融めっき層では、〔Al/Zn/MgZnの三元共晶組織〕の素地中に、〔Al相〕が包含された形態を有する。そして、〔Al相〕は、溶融めっき層の凝固時に比較的早期に析出するものであり、その際の〔Al相〕の形態は樹枝晶状となる。
ここで、第一領域は、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが、界面の長さLに対して0.2超の領域であることから、第一領域における溶融めっき層の厚み方向の鋼板側では、三元共晶組織が比較的多く存在し、〔Al相〕やその他の相または組織は比較的少なくなる。これにより、溶融めっき層の厚み方向の表面側では樹枝晶状の〔Al相〕が比較的多く存在するようになる。このため、第一領域の表面は、表面粗さRaが比較的大きくなり、第一領域に入射した光が拡散反射し、白色乃至灰色を呈するようになると推測される。
一方、第二領域は、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが、界面の長さLに対して0.2以下の領域であることから、第二領域における溶融めっき層の厚み方向の鋼板側では、三元共晶組織が比較的少なく存在し、〔Al相〕やその他の相または組織は比較的多くなる。これにより、溶融めっき層の厚み方向の表面側では樹枝晶状の〔Al相〕が比較的少なく存在するようになる。このため、第二領域の表面は、表面粗さRaが比較的小さくなり、第二領域は金属光沢を呈すると推測される。
第二領域は、好ましくは、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが界面長さLに対して0.15以下の領域であり、より好ましくは0.1以下の領域である。第一領域のおけるLe/Lと、第二領域におけるLe/Lとの差が大きくなるほど、第一領域及び第二領域を識別しやすくなるため好ましい。
溶融めっき層の凝固時に生成する〔Al相〕は、通常は溶融めっき層の厚み方向全体に析出する。しかし、本実施形態のように、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeを意図的若しくは人工的に制御することにより、溶融めっき層の表面における〔Al相〕の存在割合を制御できる。そして、〔Al相〕は、樹枝晶の形態を有するため、溶融めっき層の表面における〔Al相〕の存在割合が多くなると、溶融めっき層の表面粗さが大きくなり、一方、溶融めっき層の表面における〔Al相〕の存在割合が小さくなると、溶融めっき層の表面粗さが小さくなる。このように、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeを制御することにより、溶融めっき層の表面において、第一領域及び第二領域を形成できる。
鋼板と溶融めっき層との界面における、界面の長さLに対する三元共晶組織が鋼板と接する長さLeの割合は、次のような方法で測定することができる。まず、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板の板厚方向の断面を露出させる。断面は、第一領域及び第二領域についてそれぞれ5箇所ずつとする。それぞれの断面を走査型電子顕微鏡で撮影する。各断面において、鋼板と溶融めっき層との界面のうち、150μmの長さの領域を任意に選択する。この長さを界面長さLとする。そして、選択した界面長さの範囲において三元共晶組織を確認し、鋼板と溶融めっき層との界面における全ての三元共晶組織の合計の長さLeを測定し、Le/Lを求める。第一領域及び第二領域のそれぞれ5カ所の断面においてLe/Lを求め、その平均を、鋼板と溶融めっき層との界面における、界面の長さLに対する三元共晶組織が鋼板と接する長さLeの割合とする。
溶融めっき層の凝固時に生成する〔Al相〕は、通常は溶融めっき層の厚み方向全体に析出する。しかし、予め鋼板表面に凝固核となる物質を配置すると、凝固核が配置された領域では、鋼板表面に付着した溶融金属が凝固する際に、鋼板表面の凝固核を核にして、多数の〔Al相〕が析出する。生成した〔Al相〕は、比較的鋼板に近い側に偏析する。また、凝固核が配置された領域では、〔Al相〕が比較的高密度に生成するため、〔Al相〕自体が粗大化せず、微細なままとなる。このため、凝固核が配置された領域では〔Al相〕が溶融めっき層の表面側まで成長せず、鋼板と溶融めっき層の界面近傍に〔Al相〕が多く析出する。これにより、凝固核が配置された領域における三元共晶組織は、析出量が少なくなり、界面の長さLに対する三元共晶組織が鋼板と接する長さLeの割合が小さくなる。
本実施形態の場合、鋼板表面において凝固核が存在する領域が、溶融めっき層の第二領域になり、凝固核が存在しない領域が、溶融めっき層の第一領域になる。また、第二領域は上述のようなメカニズムで形成されるため、第二領域の鋼板と溶融めっき層との界面には凝固核が存在する場合がある。より具体的には、第二領域の鋼板と溶融めっき層との界面に、炭素(C)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、ホウ素(B)、リン(P)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)からなる群から選択される元素のいずれか1種又は2種以上、もしくは上述の元素のいずれか1種又は2種以上を含む化合物が存在する場合がある。
鋼板と溶融めっき層との界面における上述の元素又は化合物の存在を確認するには、グロー放電発光分光分析装置(GDS)を用いて、スパッタリングで試料を掘り進みながら第二領域の鋼板と溶融めっき層との界面において元素分析を行うことで確認することができる。
以上のように、鋼板を溶融めっき浴に浸漬する前に、鋼板表面に、直線部、曲線部、図形、数字、記号及び文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状で凝固核を配置することにより、溶融めっき層にこれらの形状を有する第二領域を形成することができる。
また、鋼板を溶融めっき浴に浸漬する前に、鋼板表面に、直線部、曲線部、図形、数字、記号及び文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状を除く領域に、凝固核を配置することにより、溶融めっき層にこれらの形状を有する第一領域を形成することができる。
また、本実施形態では、更に、溶融めっき層の表面におけるAl相の(200)面のX線回折強度I(200)と(111)面のX線回折強度I(111)の比I(200)/I(111)が0.8以上であることが好ましい。第一領域、第二領域によらず、比I(200)/I(111)が0.8以上であるとよい。
比I(200)/I(111)が高くなると、〔Al相〕のうち、(200)面が溶融めっき層の表面と平行になる〔Al相〕が多くなり、(111)面が溶融めっき層の表面と平行になる〔Al相〕が少なくなる。これにより、溶融めっき層の表面から見た場合に、十字状に見える樹枝晶が多く、六角形状に見える樹枝晶が少なくなる。溶融めっき層が溶融状態から凝固する過程において、初晶として析出する〔Al相〕がめっき表面側から見て結晶核から十字状に樹枝晶が成長するようになると、枝と枝とのなす角度が広くなり、めっき表面に垂直な方向に融液の流路ができやすくなり、めっき表面の〔Al相〕が、最後に凝固する三元共晶組織に覆われやすくなる。これにより、比I(200)/I(111)が高くなると、その表面が、金属光沢に見えるようになる。これにより、溶融めっき層の外観全体を向上することができる。また、第一領域では、板厚方向の界面付近側に三元共晶組織が多く存在し、そのため表面付近には〔Al相〕が多く存在する傾向にある。一方、第二領域はその逆となる。表面に〔Al相〕が多く存在する箇所では、上記理由によって金属光沢がよりいっそう強調されるため、第一領域と第二領域とをより鮮明に識別できるようになる。
溶融めっき層の表面における比I(200)/I(111)は、めっき層形成後の冷却速度を調整することによって、制御することができる。
<化成処理皮膜層及び塗膜層>
本実施形態に係るZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板は、溶融めっき層の表面に化成処理皮膜層や塗膜層を有してもよい。ここで、化成処理皮膜層や塗膜層の種類は特に限定されず、公知の化成処理皮膜層や塗膜層を用いることができる。
[Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板の製造方法]
以下、本実施形態のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板の製造方法を説明する。本実施形態のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板は、鋼板に凝固核を所定のパターンになるように配置し、次いで鋼板を溶融めっき浴に浸漬させてから引き上げ、次いで冷却して溶融めっき層を凝固させることによって製造する。
まず、熱間圧延鋼板を製造し、必要に応じて熱延板焼鈍を行う。酸洗後、冷間圧延を行い、冷延板とする。冷延板を脱脂、水洗した後、焼鈍(冷延板焼鈍)し、焼鈍後の冷延板を溶融めっき浴に浸漬させて溶融めっき層を形成する。
ここで、冷間圧延から溶融めっき浴に浸漬させるまでの間において、鋼板表面に凝固核を付着させて、直線部、曲線部、図形、数字、記号及び文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状のパターン部を形成する。凝固核の付着は、冷間圧延と冷延板焼鈍との間、冷延板焼鈍と溶融めっき浴への浸漬との間、または、冷延板焼鈍の最終焼鈍の直前のいずれかの段階で実施するとよい。
凝固核を形成する成分(以下、凝固核形成成分と呼称する場合がある)としては、めっき層が凝固する過程において、凝固核を形成する成分であれば特に限定されない。凝固核形成成分としては、例えば、炭素(C)、ニッケル(Ni)、カルシウム(Ca)、ホウ素(B)、リン(P)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)からなる群から選択される元素のいずれか1種又は2種以上、もしくは上述の元素のいずれか1種又は2種以上を含む化合物等が挙げられる。上記成分は、1または2以上を組み合わせて用いてもよい。鋼板表面に凝固核を付着させる方法の例としては、凝固核形成成分そのものの他、合金箔や樹脂、界面活性剤、インキ、油等に凝固核形成成分を含有させて鋼板表面に付着させる方法が挙げられる。これらの凝固核形成成分は、固体そのものであってもよいし、水や有機溶剤に溶解または分散していてもよい。或いは、顔料または染料としてインキに含まれていてもよい。
凝固核を鋼板表面に付着させる方法として、例えば、凝固核形成成分を含む材料を鋼板表面に転写する、塗布する、吹き付ける等の方法を例示できる。例えば、ホットスタンプやコールドスタンプ等を用いた箔転写法、各種の版を用いた印刷法(グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷等)、インクジェット法、インクリボン等を用いた熱転写法など、一般的な印刷法を用いることができる。
合金箔を用いた転写方法の一例として、凝固核形成成分を含有する合金箔を鋼板表面に接着させつつ、加熱されたシリコンロールを合金箔に押し付けて鋼板表面に転写させる方法が挙げられる。
版を用いた印刷方法の一例として、印刷パターンを周面に形成したゴムロールまたはゴムスタンプに、凝固核となる成分を含有するインキまたは界面活性剤を付着させつつ、ゴムロールまたはゴムスタンプを鋼板表面に押し付けてインキまたは界面活性剤を転写させる方法が挙げられる。この方法であれば、連続して通板する鋼板に対して、効率よく凝固核形成成分を鋼板表面に付着させることができる。
凝固核の付着量は、例えば、50mg/m以上5000mg/m以下の範囲が好ましい。付着量が50mg/m未満の場合には、第一領域が肉眼で識別可能な程度に形成されなくなる可能性があるため好ましくない。一方、付着量が5000mg/m超の場合には、溶融めっき層の密着性が低下するおそれがあるため好ましくない。
次に、凝固核からなるパターン部が形成された鋼板を、溶融めっき浴に浸漬させる。溶融めっきは、鋼板を溶融めっき浴に連続通板させる連続式溶融めっき法でもよく、鋼板を所定の形状に加工した鋼材または鋼板自体を、溶融めっき浴に浸漬してから引き上げるどぶ付け式めっき法でもよい。
溶融めっき浴は、Al:4質量%以上25質量%未満、Mg:0質量%超10質量%未満を含有し、残部としてZnおよび不純物を含むことが好ましい。また、溶融めっき浴は、Al:4~22質量%、Mg:1~10質量%を含有し、残部がZnおよび不純物を含むものでもよい。更に、溶融めっき浴は、Si:0.0001~2質量%を含有してもよい。更にまた、溶融めっき浴は、Ni、Ti、Zr、Sr、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hfのいずれか1種または2種以上を、合計で0.001~2質量%含有してもよい。なお、本実施形態の溶融めっき層の平均組成は、溶融めっき浴の組成とほぼ同じである。
溶融めっき浴の温度は、組成によって異なるが、例えば、400~500℃の範囲が好ましい。溶融めっき浴の温度がこの範囲であれば、所望の溶融めっき層を形成できるためである。
また、溶融めっき層の付着量は、溶融めっき浴から引き上げられた鋼板に対してガスワイピング等の手段で調整すればよい。溶融めっき層の付着量は、鋼板両面の合計の付着量が30~600g/mの範囲になるように調整することが好ましい。付着量が30g/m未満の場合、溶融めっき鋼板の耐食性が低下するので好ましくない。付着量が600g/m超の場合、鋼板に付着した溶融金属の垂れが発生して、溶融めっき層の表面を平滑にすることができなくなるため好ましくない。
溶融めっき層の付着量を調整した後、なお溶融状態であるようにワイピング時の温度は調整する必要がある。さらに、ワイピング通過後、めっき中にAl相の微細結晶を多く生成させるため急速冷却が必要となる。一方で凝固の方向をそろえるためには、一定時間凝固状態を保たなくてはいけない。そこで、ワイピング通過後、1秒以内に、凝固が開始する温度(液相線温度)より低く、めっきが完全に凝固する温度(固相線温度)以上の温度まで冷却する。微細結晶を十分に析出させるためには液相線温度より20℃以上低い温度まで1秒以内に冷却することが望ましい。
また、Alが優先的に析出することも求められるので、本発明の場合は固相線の上に存在するAlに加えてMgZn相が析出する温度(MgZn相析出温度線とする)よりも高い温度で急速冷却を止めることがより望ましい。(MgZn相析出温度+5)℃以上の温度まで冷却することで、Alの微細結晶のみが生成し、Alの結晶方位揃いやすくなる。その後は結晶成長させるため平均冷却速度10℃/秒未満の徐冷で300℃以下まで冷却する。
更に、溶融めっき層の表面に化成処理層を形成する場合には、溶融めっき層を形成した後の溶融めっき鋼板に対して、化成処理を行う。化成処理の種類は特に限定されず、公知の化成処理を用いることができる。
また、溶融めっき層の表面や化成処理層の表面に塗膜層を形成する場合には、溶融めっき層を形成した後、又は、化成処理層を形成した後の溶融めっき鋼板に対して、塗装処理を行う。塗装処理の種類は特に限定されず、公知の塗装処理を用いることができる。
本実施形態のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板は、第一領域を、鋼板と溶融めっき層との界面において三元共晶組織が鋼板と接する長さLeが界面の長さLに対して0.2超となる領域とし、第二領域を、長さLeが界面の長さLに対して0.2以下となる領域とすることで、第一領域と第二領域を識別できるようになる。第一領域及び第二領域は、印刷や塗装によって形成されたものではないため、耐久性が高くなっている。また、第一領域及び第二領域が印刷や塗装によって形成されたものではないため、溶融めっき層の耐食性への影響もない。更に、第一領域及び第二領域は、溶融めっき層の表面を研削等によって形成したものではない。従って、各領域における溶融めっき層の厚みは、耐食性が劣化するほどのめっき層の厚みの減少がみられず、耐食性を低下させない。また、第一領域または第二領域を、所定の形状、例えば、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様若しくは文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状となるように意図的若しくは人工的に配置することで、溶融めっき層に意匠、商標、その他の識別マークなどを表すことができ、また、工程管理や在庫管理に必要な情報なども現すことができる。これらは、耐久性が高く、また、溶融めっき鋼板の優れた耐食性を阻害することがない。
本実施形態によれば、所定の形状に成形した第一領域または第2領域の耐久性が高く、耐食性等の好適なめっき特性を有する溶融めっき鋼板を提供できる。また、本実施形態では、凝固核を鋼板表面に付着させてからめっき浴に鋼板を浸漬させ、めっき浴から引き上げ後の溶融状態の溶融めっき層の冷却速度を制御することで、凝固後の溶融めっき層における鋼板と溶融めっき層の界面における三元共晶組織の長さを意図的に調整することができ、直線部、曲線部、ドット部、図形、数字、記号、模様若しくは文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状となるように第一領域または第二領域を配置できる。これにより、溶融めっき層の表面に、印刷、塗装または研削を行うことなく様々な意匠、商標、その他の識別マークを表すことができ、鋼板の出所の識別性やデザイン性等を高めることができる。また、第一領域または第二領域を所定の形状に成形することで、工程管理や在庫管理などに必要な情報や需要者が求める任意の情報を、溶融めっき層の表面に付与することもでき、溶融めっき鋼板の生産性の向上にも寄与することができる。
次に、本発明の実施例を説明する。冷間圧延後の鋼板を脱脂、水洗した。次いで、50mm間隔の格子状パターンが転写された形状をもつゴム版に、表1に示す凝固核形成成分(CまたはNiの微粒子)を含むインキを付着させた。このゴム版を水洗後の鋼板に押し付けることで、インキを鋼板表面に付着させた。その後、鋼板に対して冷延板焼鈍を行った。冷延板焼鈍後の鋼板を溶融めっき浴に浸漬してから引き上げた。その後、付着量をガスワイピングによって調整し、さらに冷却を行った。付着量制御後の冷却は、ガスワイピングを通過してから1秒後の溶融めっき層の温度が表2に示す温度になる冷却条件で冷却し、その後、放冷した。このようにして、表3A及び表3Bに示すNo.1~20のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板を製造した。表2の鋼板温度は、いずれも、凝固が開始する温度(液相線温度)以下で、めっきが完全に凝固する温度(固相線温度)以上であり、望ましくは(MgZnの析出が始まる温度+5)℃以上、(液相線温度-20)℃未満の範囲であった。
また、凝固核を付着させなかった鋼板に対して、溶融めっき浴によるめっき処理を行ったこと以外は上記と同様にして、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板を製造した。これをNo.21として、表3A及び表3Bに示す。
また、凝固核を付着させなかった鋼板に対して、溶融めっき浴によるめっき処理を行ったこと以外は上記と同様にして、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板を製造した。この鋼板の溶融めっき層の表面に、インクジェット法により、50mm間隔の格子状パターンを印刷した。このようにして、No.22のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板を製造した。
また、凝固核を付着させなかった鋼板に対して、溶融めっき浴によるめっき処理を行ったこと以外は上記と同様にして、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板を製造した。その後、溶融めっき層の表面を研削して、50mm間隔の格子状パターンを形成した。このようにして、No.23のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板を製造した。
得られた溶融めっき鋼板について、第一領域及び第二領域における、鋼板と溶融めっき層との界面において界面の長さLに対する三元共晶組織が鋼板と接する長さLeの比を求めた。まず、第一領域及び第二領域の境界は、溶融めっき層の表面を肉眼で観察することにより特定した。境界の判別が難しい例では、凝固核の付着範囲が第二領域であるとした。
鋼板と溶融めっき層との界面における、界面の長さLに対する三元共晶組織が鋼板と接する長さLeの割合は、次のような方法で測定した。まず、Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板の板厚方向の断面を露出させた。断面は、第一領域及び第二領域についてそれぞれ5箇所ずつとした。それぞれの断面を走査型電子顕微鏡で撮影した。各断面において、鋼板と溶融めっき層との界面のうち、150μmの長さの領域を任意に選択した。この長さを界面長さLとした。そして、選択した界面長さの範囲において三元共晶組織を確認し、鋼板と溶融めっき層との界面における全ての三元共晶組織の合計の長さLeを測定し、Le/Lを求める。第一領域及び第二領域のそれぞれ5カ所の断面においてLe/Lを求め、その平均を、鋼板と溶融めっき層との界面における、界面の長さLに対する三元共晶組織が鋼板と接する長さLeの割合とした。
また、溶融めっき層の表面の任意の位置において、Al相の(200)面のX線回折強度I(200)と(111)面のX線回折強度I(111)の比I(200)/I(111)を求めた。CuKα線を使用したX線回折法により、溶融めっき層の表面において、Al相の(200)面のX線回折強度I(200)と(111)面のX線回折強度I(111)とを測定し、その比I(200)/I(111)を求めた。Al相の(200)面のピーク強度は、2θ範囲で44.74°に現れるAlの(200)面回折ピークの強度とした。Al相の(111)面のピーク強度は、2θ範囲で38.47の範囲に現れるAlの(111)面回折ピークの強度とした。X線回折測定は、微小領域測定用のX線回折装置を用いた。ステップは0.02°、走査速度は5°/minとし、検出器は高速半導体2次元検出器を用いた。X線光源から出射されるX線は、ポリキャピラリによって集光した。集光後のX線の照射範囲は、直径1mmの円形とした。
[識別性]
格子状のパターンを施した試験板の、製造した直後の初期状態のものと、6ヶ月間屋外暴露した経時状態のものを対象に、下記の判定基準に基づいて目視評価した。初期状態、経時状態とも、◎~△を合格とした。
◎:8m先からでも格子状パターンを視認できる。
○:8m先からは格子状パターンを視認できないが、4m先からの視認性は高い。
△:4m先からは格子状パターンを視認できないが、1m先からの視認性は高い。
×:1m先から格子状パターンを視認できない。
[耐食性]
試験板を150×70mmに切断し、JASO-M609に準拠した腐食促進試験CCTを30サイクル試験した後、錆発生状況を調査し、下記の判定基準に基づいて評価した。◎~△を合格とした。
◎:錆発生がなく、格子状パターンとそれ以外の領域がともに美麗な意匠外観を維持している。
○:錆発生はないが、格子状パターンとそれ以外の領域にごくわずかな意匠外観変化が認められる。
△:意匠外観がやや損なわれているが、格子状パターンとそれ以外の領域が目視で区別できる。
×:格子状パターンとそれ以外の領域の外観品位が著しく低下しており、目視で区別できない。
表3A及び表3Bに示すように、No.1~No.20の本発明例のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板は、識別性及び耐食性の両方に優れていた。図1に、No.1の第一領域の走査型電子顕微鏡による断面観察結果を示し、図2に、No.1の第二領域の走査型電子顕微鏡による断面観察結果を示す。第一領域と第二領域は異なった外観を呈しており、識別が可能であることがわかる。
No.21は、凝固核を付着しなかったため、第二領域が形成されず、格子状パターンが形成されなかった。
また、インクジェット法で格子状のパターンを印刷したNo.22は、6ヶ月間の屋外暴露によってパターンが薄くなり、意匠性が低下した。また、凝固核を付着しなかったため、第二領域が形成されなかった。
更に、研削によって格子状のパターンを形成したNo.23は、研削した箇所のめっき層の厚みが低下し、研削箇所での耐食性が低下した。また、凝固核を付着しなかったため、第二領域が形成されなかった。
なお、No.1~No.23の溶融めっき層には、Al相と、Al/Zn/MgZnの三元共晶組織とを含んでいた。
図3には、Zn-Al-Mg系溶融めっき層に第二領域によって文字列(アルファベット)を表した溶融めっき鋼板の表面を示す。
本発明によれば、溶融めっき鋼板の表面に、文字やマークを意図的に表すことができるようになる。
Figure 0007381865000001
Figure 0007381865000002
Figure 0007381865000003
Figure 0007381865000004

Claims (6)

  1. 鋼板と、
    前記鋼板の表面に形成された溶融めっき層と、
    を備え、
    前記溶融めっき層は、
    平均組成で、Al:4質量%以上25質量%未満、Mg:0質量%以上10質量%未満を含有し、残部がZnおよび不純物を含み、
    金属組織として、Al相と、Al/Zn/MgZnの三元共晶組織とを含み、
    前記溶融めっき層の表面には、第一領域と第二領域とが存在しており、
    前記第一領域および前記第二領域における前記溶融めっき層にはそれぞれ、前記Al相と、前記Al/Zn/MgZn の三元共晶組織とが含まれ、
    前記第一領域は、前記鋼板と前記溶融めっき層との界面において前記三元共晶組織が前記鋼板と接する長さLeが、前記界面の長さLに対して0.3超の領域であり、
    前記第二領域は、前記鋼板と前記溶融めっき層との界面において前記三元共晶組織が前記鋼板と接する長さLeが、前記界面の長さLに対して0.3以下の領域であり、
    前記第一領域または前記第二領域が、前記溶融めっき層の表面において、直線部、曲線部、図形、数字、記号、模様若しくは文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた意図的な形状であることを特徴とするZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
  2. 前記溶融めっき層の表面における前記Al相の(200)面のX線回折強度I(200)と(111)面のX線回折強度I(111)の比I(200)/I(111)が0.8以上である、請求項1に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
  3. 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Si:0.0001~2質量%を含有する、請求項1または請求項2に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
  4. 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Ni、Ti、Zr、Srのいずれか1種または2種以上を、合計で0.0001~2質量%含有する、請求項1乃至請求項の何れか一項に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
  5. 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hf、Cのいずれか1種または2種以上を、合計で0.0001~2質量%含有する、請求項1乃至請求項の何れか一項に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
  6. 前記溶融めっき層の付着量が前記鋼板両面合計で30~600g/mである、請求項1乃至請求項の何れか一項に記載のZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板。
JP2019216686A 2019-11-29 2019-11-29 Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板 Active JP7381865B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019216686A JP7381865B2 (ja) 2019-11-29 2019-11-29 Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板
CN202080080847.9A CN114729437A (zh) 2019-11-29 2020-07-02 Zn-Al-Mg系热浸镀钢板
KR1020227016563A KR102658299B1 (ko) 2019-11-29 2020-07-02 Zn-Al-Mg계 용융 도금 강판
PCT/JP2020/025968 WO2021106260A1 (ja) 2019-11-29 2020-07-02 Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板
TW109131294A TWI815038B (zh) 2019-11-29 2020-09-11 Zn-Al-Mg系熔融鍍敷鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019216686A JP7381865B2 (ja) 2019-11-29 2019-11-29 Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021085089A JP2021085089A (ja) 2021-06-03
JP7381865B2 true JP7381865B2 (ja) 2023-11-16

Family

ID=76088361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019216686A Active JP7381865B2 (ja) 2019-11-29 2019-11-29 Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7381865B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117280070B (zh) * 2021-09-07 2024-04-19 日本制铁株式会社 热浸镀钢材
WO2023188792A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 Jfeスチール株式会社 熱間プレス部材および熱間プレス用鋼板
EP4296400A1 (en) * 2022-04-20 2023-12-27 Nippon Steel Corporation Hot-dip galvanized steel material
CN115948677A (zh) * 2022-12-26 2023-04-11 首钢集团有限公司 合金及其制备方法和应用

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001262305A (ja) 2000-03-15 2001-09-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 加工性に優れた溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製造方法
JP2003268517A (ja) 2002-03-08 2003-09-25 Nippon Steel Corp 表面平滑性に優れる溶融めっき鋼材
WO2004038060A1 (ja) 2002-10-28 2004-05-06 Nippon Steel Corporation 表面平滑性と成形性に優れる高耐食性溶融めっき鋼材と溶融めっき鋼材の製造方法
WO2011001662A1 (ja) 2009-06-30 2011-01-06 新日本製鐵株式会社 Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板とその製造方法
WO2013002358A1 (ja) 2011-06-30 2013-01-03 新日鐵住金株式会社 外観均一性に優れた高耐食性溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2016162982A1 (ja) 2015-04-08 2016-10-13 新日鐵住金株式会社 Zn-Al-Mg系めっき鋼板、及びZn-Al-Mg系めっき鋼板の製造方法
WO2019221193A1 (ja) 2018-05-16 2019-11-21 日本製鉄株式会社 めっき鋼材

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001262305A (ja) 2000-03-15 2001-09-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 加工性に優れた溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製造方法
JP2003268517A (ja) 2002-03-08 2003-09-25 Nippon Steel Corp 表面平滑性に優れる溶融めっき鋼材
WO2004038060A1 (ja) 2002-10-28 2004-05-06 Nippon Steel Corporation 表面平滑性と成形性に優れる高耐食性溶融めっき鋼材と溶融めっき鋼材の製造方法
WO2011001662A1 (ja) 2009-06-30 2011-01-06 新日本製鐵株式会社 Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板とその製造方法
WO2013002358A1 (ja) 2011-06-30 2013-01-03 新日鐵住金株式会社 外観均一性に優れた高耐食性溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
WO2016162982A1 (ja) 2015-04-08 2016-10-13 新日鐵住金株式会社 Zn-Al-Mg系めっき鋼板、及びZn-Al-Mg系めっき鋼板の製造方法
WO2019221193A1 (ja) 2018-05-16 2019-11-21 日本製鉄株式会社 めっき鋼材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021085089A (ja) 2021-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7381865B2 (ja) Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板
JP6648871B1 (ja) Zn−Al−Mg系溶融めっき鋼板及びその製造方法
CN110268087B (zh) 镀覆钢材
US9080231B2 (en) Hot-dipped steel and method of producing same
EP1905859B1 (en) HOT-DIP Sn-Zn SYSTEM COATED STEEL SHEET HAVING GOOD CORROSION RESISTANCE
JP7381864B2 (ja) Zn-Al-Mg系溶融めっき鋼板
JP7328543B2 (ja) 溶融めっき鋼板
WO2020261723A1 (ja) めっき鋼材
JP7328542B2 (ja) 溶融めっき鋼板
TWI815038B (zh) Zn-Al-Mg系熔融鍍敷鋼板
WO2021106259A1 (ja) 溶融めっき鋼板
KR102658299B1 (ko) Zn-Al-Mg계 용융 도금 강판
JP7328541B2 (ja) 溶融めっき鋼板
JP7339531B2 (ja) 溶融めっき鋼板
JP7410448B1 (ja) 溶融めっき鋼板
KR101168730B1 (ko) Mg기 합금 도금 강재
WO2023238941A1 (ja) 溶融めっき鋼板
TW202407117A (zh) 熔融鍍敷鋼板
JP7440819B1 (ja) 溶融めっき鋼板
JP2022124269A (ja) 溶融めっき鋼板
TW202405205A (zh) 熔融鍍敷鋼板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231016

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7381865

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151