JP7328543B2 - 溶融めっき鋼板 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1は、キメが細かく、かつ平滑な光沢部が多い梨地状の外観を有するZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板、すなわち、単位面積当たりの白色部の個数が多く、そして、光沢部の面積の割合が大きいという良好な梨地状の外観を有するZn-Al-Mg系溶融めっき鋼板が記載されている。また、特許文献1においては、好ましくない梨地の状態を、不定形な白色部と円形状の光沢部とが混在して表面に点在した表面外観を呈している状態であることが記載されている。
また、特許文献4は、Al/MgZn2/Znの三元共晶組織を微細化させることで、全体的にめっき層の光沢度が増し、外観均一性が向上した高耐食性溶融亜鉛めっき鋼板が記載されている。
しかしながら、めっき層の表面に文字等を現した場合に、その耐久性を向上させ、かつ、耐食性を低下させないようにする技術は、従来から知られていなかった。
[1] 鋼板と、前記鋼板の表面に形成された溶融めっき層と、を備え、
前記溶融めっき層は、平均組成で、Al:0~90質量%、Mg:0~10質量%を含有し、残部がZnおよび不純物を含み、
前記溶融めっき層に、所定の形状となるように配置されたパターン部と、非パターン部とが形成され、
前記パターン部及び前記非パターン部は、それぞれ、第1領域、第2領域のうちの1種または2種を含み、
前記パターン部における前記第1領域の面積率と、前記非パターン部における前記第1領域の面積率との差の絶対値が、30%以上であり、
前記第1領域は、下記の測定方法で得られる配向率が3.5以上の領域であり、
前記第2領域は、下記の測定方法で得られる配向率が3.5未満の領域であることを特徴とする、溶融めっき鋼板。
[測定方法] 前記溶融めっき層の表面に1mm間隔または10mm間隔で仮想格子線を描き、前記仮想格子線によって区画される複数の領域にそれぞれX線を入射させるX線回折法により、前記領域毎に、Zn相の(0002)面の回折ピーク強度I0002と、Zn相の(10-11)面の回折ピーク強度I10-11とを測定し、これらの強度比(I0002/I10-11)を前記配向率とする。
[2] 前記溶融めっき層が、平均組成で、Al:4~22質量%、Mg:0~10質量%を含有し、残部がZnおよび不純物を含むことを特徴とする[1]に記載の溶融めっき鋼板。
[3] 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Si:0.0001~2質量%を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載の溶融めっき鋼板。
[4] 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Ni、Ti、Zr、Sr、Fe、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hf、Cのいずれか1種または2種以上を、合計で0.001~2質量%含有することを特徴とする[1]乃至[3]の何れか一項に記載の溶融めっき鋼板。
[5] 前記パターン部が、直線部、曲線部、ドット部、図形、数字、記号、模様若しくは文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状となるように配置されていることを特徴とする[1]乃至[4]の何れか一項に記載の溶融めっき鋼板。
[6] 前記パターン部が、意図的な形状となるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至[5]の何れか一項に記載の溶融めっき鋼板。
[7] 前記溶融めっき層の付着量が前記鋼板両面合計で30~600g/m2であることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の溶融めっき鋼板。
本実施形態の溶融めっき鋼板は、鋼板と、鋼板の表面に形成された溶融めっき層と、を備え、溶融めっき層は、平均組成で、Al:0~90質量%、Mg:0~10質量%を含有し、残部がZnおよび不純物を含み、溶融めっき層に、所定の形状となるように配置されたパターン部と、非パターン部とが形成され、パターン部及び非パターン部は、それぞれ、第1領域、第2領域のうちの1種または2種を含み、パターン部における第1領域の面積率と、非パターン部における第1領域の面積率との差の絶対値が、30%以上であり、第1領域は、下記の測定方法で得られる配向率が3.5以上の領域であり、第2領域は、下記の測定方法で得られる配向率が3.5未満の領域である溶融めっき鋼板である。
溶融めっき層は、平均組成で、Al:0~90質量%、Mg:0~10質量%を含有し、残部としてZnおよび不純物を含む。より好ましくは、平均組成で、Al:4~22質量%、Mg:1~10質量%を含有し、残部としてZnおよび不純物を含む。更に好ましくは、平均組成で、Al:4~22質量%、Mg:1~10質量%を含有し、残部としてZnおよび不純物からなる。また、溶融めっき層は、平均組成で、Si:0.0001~2質量%を含有していてもよい。更に、溶融めっき層は、平均組成で、Ni、Ti、Zr、Sr、Fe、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hf、Cのいずれか1種または2種以上を合計で、0.001~2質量%含有していてもよい。
Siは、溶融めっき層の密着性を向上させる場合があるので、含有させてもよい。Siを0.0001質量%以上含有させることで密着性を向上させる効果が発現するため、Siを0.0001質量%以上含有させることが好ましい。一方、2質量%を超えて含有させてもめっき密着性を向上させる効果が飽和するため、Siの含有量は2質量%以下とする。めっき密着性の観点からは、0.0010~1質量%の範囲としてもよく、0.0100~0.8質量%の範囲としてもよい。
まず、溶融めっき層の表面に1mm間隔または10mm間隔で仮想格子線を描く。次に、仮想格子線によって区画される複数の領域における重心点を中心に狙い、それぞれX線を入射させるX線回折法により、領域毎に、Zn相の(0002)面の回折ピーク強度I0002と、Zn相の(10-11)面の回折ピーク強度I10-11とを測定する。そして、これらの強度比(I0002/I10-11)を配向率とする。
本実施形態の溶融めっき鋼板は、製鋼、鋳造、熱間圧延を経て製造された鋼板に対して、溶融めっきを行う。鋼板を製造する際には、更に、酸洗、熱延板焼鈍、冷間圧延、冷延板焼鈍を行ってもよい。溶融めっきは、鋼板を溶融めっき浴に連続通板させる連続式溶融めっき法でもよく、鋼板を所定の形状に加工した鋼材または鋼板自体を、溶融めっき浴に浸漬してから引き上げるどぶ付け式めっき法でもよい。
また、溶融めっき層の付着量は、溶融めっき浴から引き上げられた鋼板に対してガスワイピング等の手段で調整すればよい。溶融めっき層の付着量は、鋼板両面の合計の付着量が30~600g/m2の範囲になるように調整することが好ましい。付着量が30g/m2未満の場合、溶融めっき鋼板の耐食性が低下するので好ましくない。付着量が600g/m2超の場合、鋼板に付着した溶融金属の垂れが発生して、溶融めっき層の表面を平滑にすることができなくなるため好ましくない。
また、溶融めっき層の表面や化成処理層の表面に塗膜層を形成する場合には、溶融めっき層を形成した後、又は、化成処理層を形成した後の溶融めっき鋼板に対して、塗装処理を行う。塗装処理の種類は特に限定されず、公知の塗装処理を用いることができる。
正方形状のパターン部を施した試験板の、製造した直後の初期状態のものと、6ヶ月間屋外暴露した経時状態のものを対象に、下記の判定基準に基づいて目視評価した。初期状態、経時状態とも、◎~△を合格とした。
○:5m先からはパターン部を視認できないが、3m先からの視認性は高い。
△:3m先からはパターン部を視認できないが、1m先からの視認性は高い。
×:1m先からパターン部を視認できない。
試験板を150×70mmに切断し、JASO-M609に準拠した腐食促進試験CCTを30サイクル試験した後、錆発生状況を調査し、下記の判定基準に基づいて評価した。◎~△を合格とした。
○:錆発生はないが、パターン部と非パターン部にごくわずかな意匠外観変化が認められる。
△:意匠外観がやや損なわれているが、パターン部と非パターン部が目視で区別できる。
×:パターン部と非パターン部の外観品位が著しく低下しており、目視で区別できない。
また、No.31及びNo.32は、溶融めっき層の組成が本発明の範囲から外れており、6ヶ月間屋外暴露した後の識別性が低下した。
また、研削によって正方形状のパターン部を形成したNo.34は、研削した箇所のめっき層の厚みが低下し、研削箇所での耐食性が低下した。
なお、No.1~6、10~34のめっき層には、Al相と、Al/Zn/MgZn2の三元共晶組織とを含んでいた。
本発明によれば、溶融めっき鋼板の表面に、文字やマークからなるパターン部を意図的に表すことができるようになる。
Claims (7)
- 鋼板と、前記鋼板の表面に形成された溶融めっき層と、を備え、
前記溶融めっき層は、平均組成で、Al:0~90質量%、Mg:0~10質量%を含有し、残部がZnおよび不純物を含み、
前記溶融めっき層に、所定の形状となるように配置されたパターン部と、非パターン部とが形成され、
前記パターン部及び前記非パターン部は、それぞれ、第1領域、第2領域のうちの1種または2種を含み、
前記パターン部における前記第1領域の面積率と、前記非パターン部における前記第1領域の面積率との差の絶対値が、30%以上であり、
前記第1領域は、下記の測定方法で得られる配向率が3.5以上の領域であり、
前記第2領域は、下記の測定方法で得られる配向率が3.5未満の領域であることを特徴とする、溶融めっき鋼板。
[測定方法] 前記溶融めっき層の表面に1mm間隔または10mm間隔で仮想格子線を描き、前記仮想格子線によって区画される複数の領域にそれぞれX線を入射させるX線回折法により、前記領域毎に、Zn相の(0002)面の回折ピーク強度I0002と、Zn相の(10-11)面の回折ピーク強度I10-11とを測定し、これらの強度比(I0002/I10-11)を前記配向率とする。 - 前記溶融めっき層が、平均組成で、Al:4~22質量%、Mg:0~10質量%を含有し、残部がZnおよび不純物を含むことを特徴とする請求項1に記載の溶融めっき鋼板。
- 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Si:0.0001~2質量%を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融めっき鋼板。
- 前記溶融めっき層が、更に、平均組成で、Ni、Ti、Zr、Sr、Fe、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hf、Cのいずれか1種または2種以上を、合計で0.001~2質量%含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の溶融めっき鋼板。
- 前記パターン部が、直線部、曲線部、ドット部、図形、数字、記号、模様若しくは文字のいずれか1種またはこれらのうちの2種以上を組合せた形状となるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の溶融めっき鋼板。
- 前記パターン部が、意図的な形状となるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の溶融めっき鋼板。
- 前記溶融めっき層の付着量が前記鋼板両面合計で30~600g/m2であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の溶融めっき鋼板。
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