JP3212977B2 - 加工性に優れる溶融めっき鋼材 - Google Patents
加工性に優れる溶融めっき鋼材Info
- Publication number
- JP3212977B2 JP3212977B2 JP24094799A JP24094799A JP3212977B2 JP 3212977 B2 JP3212977 B2 JP 3212977B2 JP 24094799 A JP24094799 A JP 24094799A JP 24094799 A JP24094799 A JP 24094799A JP 3212977 B2 JP3212977 B2 JP 3212977B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plating layer
- plating
- hot
- phase
- workability
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性、特に摺動
時の耐きず付き性および巻き付け加工性に優れた溶融め
っき鋼材に関するものである。
時の耐きず付き性および巻き付け加工性に優れた溶融め
っき鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】加工性の優れる溶融めっき鋼板について
は従来より幾つかの提案がなされており、例えば、本発
明者らも特開平4−147955号公報にて加工部耐食
性が優れるZn−Mg−Alめっき鋼板の製造方法を開
示している。建材、土木分野のガードレール、防音壁あ
るいは河川敷きの護岸用のカゴマット等を中心に寿命延
長の観点から高耐食性めっき鋼板および鋼線が今後多く
使用される可能性が大である。特に、ガードレール支柱
などの用途においては、その加工工程においてロールフ
ォーミングで加工されたり、バイト研削されたりするた
め、通常の溶融Znめっき鋼板の場合、ロールやバイト
の切り子による傷がつきやすい。また、カゴマット用の
Znめっき線材においては、巻き線あるいは網線加工に
おいてもめっき層の傷や亀裂が生じやすく耐食性劣化な
どの原因となりやすいためその改良が望まれていた。
は従来より幾つかの提案がなされており、例えば、本発
明者らも特開平4−147955号公報にて加工部耐食
性が優れるZn−Mg−Alめっき鋼板の製造方法を開
示している。建材、土木分野のガードレール、防音壁あ
るいは河川敷きの護岸用のカゴマット等を中心に寿命延
長の観点から高耐食性めっき鋼板および鋼線が今後多く
使用される可能性が大である。特に、ガードレール支柱
などの用途においては、その加工工程においてロールフ
ォーミングで加工されたり、バイト研削されたりするた
め、通常の溶融Znめっき鋼板の場合、ロールやバイト
の切り子による傷がつきやすい。また、カゴマット用の
Znめっき線材においては、巻き線あるいは網線加工に
おいてもめっき層の傷や亀裂が生じやすく耐食性劣化な
どの原因となりやすいためその改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、発明者
らが特開平4−147955号公報にて開示したZn−
Mg−Alめっき鋼板は、特に加工後の耐赤錆性が通常
の溶融亜鉛めっき鋼板よりも大幅に優れるめっき鋼板で
あるが、なお摺動時の耐きず付き性および巻き付け加工
性において改良の余地を残していた。本発明は、加工性
に優れた溶融Znめっき鋼材、すなわち、摺動や巻き付
け加工を受けた場合の耐きずつき性およびめっき密着性
および加工部の耐食性に優れた溶融Znめっき鋼材を提
供することを課題とする。
らが特開平4−147955号公報にて開示したZn−
Mg−Alめっき鋼板は、特に加工後の耐赤錆性が通常
の溶融亜鉛めっき鋼板よりも大幅に優れるめっき鋼板で
あるが、なお摺動時の耐きず付き性および巻き付け加工
性において改良の余地を残していた。本発明は、加工性
に優れた溶融Znめっき鋼材、すなわち、摺動や巻き付
け加工を受けた場合の耐きずつき性およびめっき密着性
および加工部の耐食性に優れた溶融Znめっき鋼材を提
供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、各種のめっ
きサンプルをめっき浴組成および冷却条件などを変化さ
せて作製し、めっき層構造と加工時の摺動性、即ち、め
っき鋼板の摺動試験およびめっき線材の巻き付け試験時
のめっき層の耐きずつき性、および加工部の耐食性の関
係を詳細に調査した結果から、めっき層が有するべき組
成および組織を特定することにより、本発明を完成させ
たものであり、その要旨とするところは、 (1)表面に有するめっき層が、重量%で、Al:0.
1〜40%、Mg:0.1〜10%含有し、残部がZn
および不可避不純物からなり、かつ、Zn−Al−Mg
系の母相に、長径が1μm以上30μm以下のMg系金
属間化合物相が、含有率:0.1〜50容積%にて分散
している組織を有することを特徴とする加工性に優れる
溶融めっき鋼材。
きサンプルをめっき浴組成および冷却条件などを変化さ
せて作製し、めっき層構造と加工時の摺動性、即ち、め
っき鋼板の摺動試験およびめっき線材の巻き付け試験時
のめっき層の耐きずつき性、および加工部の耐食性の関
係を詳細に調査した結果から、めっき層が有するべき組
成および組織を特定することにより、本発明を完成させ
たものであり、その要旨とするところは、 (1)表面に有するめっき層が、重量%で、Al:0.
1〜40%、Mg:0.1〜10%含有し、残部がZn
および不可避不純物からなり、かつ、Zn−Al−Mg
系の母相に、長径が1μm以上30μm以下のMg系金
属間化合物相が、含有率:0.1〜50容積%にて分散
している組織を有することを特徴とする加工性に優れる
溶融めっき鋼材。
【0005】(2)前記めっき層が、Si,Fe,N
i,Co,Ti、Sb,Pb,Sn,Cuの元素のう
ち、1種もしくは2種以上を、合計で3重量%以下、さ
らに含有することを特徴とする前記(1)に記載の加工
性に優れる溶融めっき鋼材。
i,Co,Ti、Sb,Pb,Sn,Cuの元素のう
ち、1種もしくは2種以上を、合計で3重量%以下、さ
らに含有することを特徴とする前記(1)に記載の加工
性に優れる溶融めっき鋼材。
【0006】(3)前記めっき層が、Zn−Al−Mg
系の母相に、長径が1μm以上30μm以下のMg系金
属間化合物相が、含有率:0.1〜50容積%にて分散
しており、Zn単相とAl単相の一方もしくは両方を、
さらに含有する組織を有することを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の加工性に優れた溶融めっき
鋼材。(4) 前記めっき層の下層として、Niめっき層を0.
2〜2g/m2 有することを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれか1項に記載の加工性に優れた溶融めっ
き鋼材、である。
系の母相に、長径が1μm以上30μm以下のMg系金
属間化合物相が、含有率:0.1〜50容積%にて分散
しており、Zn単相とAl単相の一方もしくは両方を、
さらに含有する組織を有することを特徴とする前記
(1)または(2)に記載の加工性に優れた溶融めっき
鋼材。(4) 前記めっき層の下層として、Niめっき層を0.
2〜2g/m2 有することを特徴とする前記(1)〜
(3)のいずれか1項に記載の加工性に優れた溶融めっ
き鋼材、である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明は、めっき層の構造がZn―Mg−
Al合金よりなる母相ととその中に分散した所定の大き
さ以上のMg系金属間化合物相とで構成され、摺動性に
優れることを特徴とする溶融Zn合金めっき鋼材であ
り、この構造により、厳しい加工を受けた場合のめっき
層の耐きずつき性、密着性、加工部の耐食性が非常に良
好となるところに最大の技術上のポイントがある。
に説明する。本発明は、めっき層の構造がZn―Mg−
Al合金よりなる母相ととその中に分散した所定の大き
さ以上のMg系金属間化合物相とで構成され、摺動性に
優れることを特徴とする溶融Zn合金めっき鋼材であ
り、この構造により、厳しい加工を受けた場合のめっき
層の耐きずつき性、密着性、加工部の耐食性が非常に良
好となるところに最大の技術上のポイントがある。
【0008】以下に本発明における各条件の限定理由に
ついて述べる。まず、めっき層の構造がZn―Mg−A
l合金Alよりなる母相とその中に特定の大きさ、容積
%の分散したMg系金属間化合物相とで構成されるとし
たのは、この場合にめっき層の耐摺動性、加工部の耐食
性が極めて良好となるためである。まず、めっき層の母
相の組成としてAl0.1〜40%、Mg0.1〜10
%含有するZn−Al―Mg合金としたのは、本範囲に
おいてめっき層の耐摺動性、加工部の耐食性が極めて良
好となるためである。Al0.1%未満では、特にめっ
き層―地鉄界面にFe−Zn合金層が発達しすぎ、加工
性および加工部の耐食性が劣化する。また、Alが40
%を超えるとスパングルの生成にともない、表面凹凸が
大となるためか耐摺動性が劣化する。
ついて述べる。まず、めっき層の構造がZn―Mg−A
l合金Alよりなる母相とその中に特定の大きさ、容積
%の分散したMg系金属間化合物相とで構成されるとし
たのは、この場合にめっき層の耐摺動性、加工部の耐食
性が極めて良好となるためである。まず、めっき層の母
相の組成としてAl0.1〜40%、Mg0.1〜10
%含有するZn−Al―Mg合金としたのは、本範囲に
おいてめっき層の耐摺動性、加工部の耐食性が極めて良
好となるためである。Al0.1%未満では、特にめっ
き層―地鉄界面にFe−Zn合金層が発達しすぎ、加工
性および加工部の耐食性が劣化する。また、Alが40
%を超えるとスパングルの生成にともない、表面凹凸が
大となるためか耐摺動性が劣化する。
【0009】また、Mg0.1〜10%としたのは、本
範囲においてめっき層の耐摺動性、加工部の耐食性が極
めて良好となるためである。Mgが0.1%未満では、
特に加工部の耐食性が劣化し、10%を超えると加工性
が劣化する。母相としてMg0.1〜10%含有するA
l合金よりなる場合も耐摺動性、加工部の耐食性も良好
である。Mgの限定理由はZn−Mg−Alめっきの場
合と同様である。
範囲においてめっき層の耐摺動性、加工部の耐食性が極
めて良好となるためである。Mgが0.1%未満では、
特に加工部の耐食性が劣化し、10%を超えると加工性
が劣化する。母相としてMg0.1〜10%含有するA
l合金よりなる場合も耐摺動性、加工部の耐食性も良好
である。Mgの限定理由はZn−Mg−Alめっきの場
合と同様である。
【0010】また、Mg系金属間化合物相の大きさを長
径で1μm以上、容積率で0.1−50%としたのは、
この場合に加工部の摺動性および加工部の耐食性が優れ
るためである。大きさが1μm未満、容積率で0.1%
未満では、Mg系金属間化合物相の加工性および加工部
の耐食性への効果が認められなくなる。また、容積率が
50%を超えると加工性が劣化するためである。本Mg
系金属間化合物相の大きさ、容積%は、めっき層の断面
をSEM―EPMA(1000倍)で観察することによ
りその面積割合から換算することにより同定した。
径で1μm以上、容積率で0.1−50%としたのは、
この場合に加工部の摺動性および加工部の耐食性が優れ
るためである。大きさが1μm未満、容積率で0.1%
未満では、Mg系金属間化合物相の加工性および加工部
の耐食性への効果が認められなくなる。また、容積率が
50%を超えると加工性が劣化するためである。本Mg
系金属間化合物相の大きさ、容積%は、めっき層の断面
をSEM―EPMA(1000倍)で観察することによ
りその面積割合から換算することにより同定した。
【0011】このように本発明の特定のめっき層構成に
より加工性(摺動性)および加工部の耐食性が良好とな
る理由は、未だ明確ではないが、母相のめっき相がバイ
ンダー、分散したMg系金属間化合物相が、耐きずつき
性を発現する硬いバリヤー相として複合的に働くためと
思われる。また、腐蝕環境においてMg化合物中のMg
が溶出し、傷部の地鉄露出部に対して安定な水酸化物皮
膜を構成するといったインヒビター的な効果が働くこと
により加工部の耐食性も向上するものと考えられる。ま
た、めっき層のZn−Mg−Al合金母相の中にZn単
相、あるいはAl単相が混合されている場合を本発明と
したのは、冷却条件などによっては、Zn−Mg−Al
合金母相の中にZn単相、あるいはAl単相が混合され
ることがあるが、これらの相がめっき層中に混合しても
耐傷付き性には影響なく、むしろ、めっき密着性の観点
からは、良好であったためである。
より加工性(摺動性)および加工部の耐食性が良好とな
る理由は、未だ明確ではないが、母相のめっき相がバイ
ンダー、分散したMg系金属間化合物相が、耐きずつき
性を発現する硬いバリヤー相として複合的に働くためと
思われる。また、腐蝕環境においてMg化合物中のMg
が溶出し、傷部の地鉄露出部に対して安定な水酸化物皮
膜を構成するといったインヒビター的な効果が働くこと
により加工部の耐食性も向上するものと考えられる。ま
た、めっき層のZn−Mg−Al合金母相の中にZn単
相、あるいはAl単相が混合されている場合を本発明と
したのは、冷却条件などによっては、Zn−Mg−Al
合金母相の中にZn単相、あるいはAl単相が混合され
ることがあるが、これらの相がめっき層中に混合しても
耐傷付き性には影響なく、むしろ、めっき密着性の観点
からは、良好であったためである。
【0012】また、Mg系金属間化合物としては、Mg
−Zn系,Mg−Sn系,Mg−Si系,Mg−Fe
系,Mg−Ni系,Mg−Al系,Mg−Ti系がMg
系金属間化合物のなかでも特に耐摺動性、および耐食性
が極めて良好ならしめるため好適である。化合物の形態
は特に限定するところではないが、望ましくはMgZn
2 、Mg2 Sn、Mg2 Siなどが最適である。さら
に、Zn−Mg−Al合金母相の中にSi,Fe,N
i,Co,Ti、Sb,Pb,Sn,Cuの元素を単独
あるいは複合で3%以下含有している場合は、耐摺動性
がさらに良好である。下限は特に限定しないが、3%を
超えると効果が飽和するだけでなく、めっき密着性など
に悪影響を与える。本発明のめっきの付着量については
特に制約は設けないが、耐食性の観点から10g/m2
以上、加工性の観点からすると350g/m2 以下であ
ることが望ましい。
−Zn系,Mg−Sn系,Mg−Si系,Mg−Fe
系,Mg−Ni系,Mg−Al系,Mg−Ti系がMg
系金属間化合物のなかでも特に耐摺動性、および耐食性
が極めて良好ならしめるため好適である。化合物の形態
は特に限定するところではないが、望ましくはMgZn
2 、Mg2 Sn、Mg2 Siなどが最適である。さら
に、Zn−Mg−Al合金母相の中にSi,Fe,N
i,Co,Ti、Sb,Pb,Sn,Cuの元素を単独
あるいは複合で3%以下含有している場合は、耐摺動性
がさらに良好である。下限は特に限定しないが、3%を
超えると効果が飽和するだけでなく、めっき密着性など
に悪影響を与える。本発明のめっきの付着量については
特に制約は設けないが、耐食性の観点から10g/m2
以上、加工性の観点からすると350g/m2 以下であ
ることが望ましい。
【0013】また、さらに厳しい切断、バイト加工など
を受けた際のめっき密着性をさらに向上させるために下
層としてNiめっき層が0.2〜2g/m2 が有効であ
る。0.2/m2 以上でこの効果が出始め、2g/m2
で飽和する。なお、本発明の下地鋼材としては、鋼板の
みならず、線材、形鋼、条鋼、鋼管など種々の鋼材が使
用できる。鋼板としては、熱延鋼板、冷延鋼板共に使用
でき、鋼種もAlキルド鋼、Ti,Nb等を添加した極
低炭素鋼板、およびこれらにP、Si、Mn等の強化元
素を添加した高強度鋼、ステンレス鋼板 等種々のもの
が適用できる。本発明品の製造方法については、特に限
定することなく鋼板の連続めっき、鋼材や線材のどぶづ
けめっき法など種々の方法が適用できる。めっき層中に
所定のMg金属間化合物相を分散させるために、望まし
い方法としては、めっき層がまだ溶融状態のうちに冷却
速度を5゜C/sec以上程度に制御することなどが最
適である。
を受けた際のめっき密着性をさらに向上させるために下
層としてNiめっき層が0.2〜2g/m2 が有効であ
る。0.2/m2 以上でこの効果が出始め、2g/m2
で飽和する。なお、本発明の下地鋼材としては、鋼板の
みならず、線材、形鋼、条鋼、鋼管など種々の鋼材が使
用できる。鋼板としては、熱延鋼板、冷延鋼板共に使用
でき、鋼種もAlキルド鋼、Ti,Nb等を添加した極
低炭素鋼板、およびこれらにP、Si、Mn等の強化元
素を添加した高強度鋼、ステンレス鋼板 等種々のもの
が適用できる。本発明品の製造方法については、特に限
定することなく鋼板の連続めっき、鋼材や線材のどぶづ
けめっき法など種々の方法が適用できる。めっき層中に
所定のMg金属間化合物相を分散させるために、望まし
い方法としては、めっき層がまだ溶融状態のうちに冷却
速度を5゜C/sec以上程度に制御することなどが最
適である。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。表1に作成しためっきサンプルと加工時の摺
動性およびめっき密着性との関係を示す。めっき浴中の
各成分を変化させて、前処理還元処理した鋼板および線
材を460〜550℃の範囲で溶融めっきした。一部溶
融めっき後の凝固過程の冷却条件(冷却速度)を変化さ
せて各種構造よりなるZn−Mg−Alめっき鋼板を作
製した。めっき付着量は、135g/m2 とした。ま
た、一部のめっき鋼板には電気めっきでプレNiめっき
したサンプルも用いた。評価として、Mg金属間化合物
相の分布面積の割合をSEM―EPMA(1000倍)
で元素分布を調べることによって調査した。また摺動性
試験として傷付き性をHeidon摺動試験、加工部の
密着性を線材の巻き付け試験、耐食性試験方法として折
り曲げ加工(0T曲げ)したサンプルを35゜C、0.
5%NaClと乾燥工程(50゜C、60%)と湿潤工
程(49゜C、98%)を組み合わせたを腐食サイクル
テストで赤錆性を評価した。
説明する。表1に作成しためっきサンプルと加工時の摺
動性およびめっき密着性との関係を示す。めっき浴中の
各成分を変化させて、前処理還元処理した鋼板および線
材を460〜550℃の範囲で溶融めっきした。一部溶
融めっき後の凝固過程の冷却条件(冷却速度)を変化さ
せて各種構造よりなるZn−Mg−Alめっき鋼板を作
製した。めっき付着量は、135g/m2 とした。ま
た、一部のめっき鋼板には電気めっきでプレNiめっき
したサンプルも用いた。評価として、Mg金属間化合物
相の分布面積の割合をSEM―EPMA(1000倍)
で元素分布を調べることによって調査した。また摺動性
試験として傷付き性をHeidon摺動試験、加工部の
密着性を線材の巻き付け試験、耐食性試験方法として折
り曲げ加工(0T曲げ)したサンプルを35゜C、0.
5%NaClと乾燥工程(50゜C、60%)と湿潤工
程(49゜C、98%)を組み合わせたを腐食サイクル
テストで赤錆性を評価した。
【0015】
【表1】
【0016】評価基準は次の通りである。 1.めっき層中のMg系金属間化合物相の容積率の測定 めっき層の断面EPMAの1000倍視野にて面積率を
測定し容積率に換算。 2.耐きずつき性の評価 (1)Heidon試験機 鋼球をすべらせた場合のめっき鋼板表面の傷の程度を目
視観察
測定し容積率に換算。 2.耐きずつき性の評価 (1)Heidon試験機 鋼球をすべらせた場合のめっき鋼板表面の傷の程度を目
視観察
【0017】(2)巻き付け剥離試験 径6mmのめっき線材を同一径の線材に6回巻き付けて
めっきの亀裂および剥離具合を調査。
めっきの亀裂および剥離具合を調査。
【0018】3.加工部の耐食性
【0019】本発明のめっき相構造を有するめっき鋼鈑
は、比較材に比べて、摺動加工時の耐きずつき性、線材
の巻き付け加工部のめっき密着性、加工部耐食性共に良
好である。また、本発明のうち、さらに、Zn−Mg−
Alめっき層の下層にNiめっき層を施したものは、めっ
き単層の場合に比較して、線材加工時のめっき密着性が
さらに向上している。
は、比較材に比べて、摺動加工時の耐きずつき性、線材
の巻き付け加工部のめっき密着性、加工部耐食性共に良
好である。また、本発明のうち、さらに、Zn−Mg−
Alめっき層の下層にNiめっき層を施したものは、めっ
き単層の場合に比較して、線材加工時のめっき密着性が
さらに向上している。
【0020】
【発明の効果】本発明のめっき鋼鈑は、加工性特に摺動
加工時の耐きずつき性、線材の加工性、加工部の耐食性
に優れることから、建材、土木部材等の各種用途に有用
である。
加工時の耐きずつき性、線材の加工性、加工部の耐食性
に優れることから、建材、土木部材等の各種用途に有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 和彦 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 田中 暁 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 末宗 義広 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 真木 純 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新 日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 新頭 英俊 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日 本製鐵株式会社 広畑製鐵所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40
Claims (4)
- 【請求項1】 重量%で、 Al:0.1〜40%、 Mg:0.1〜10% 含有し、残部がZnおよび不可避不純物からなり、か
つ、Zn−Al−Mg系の母相に、長径が1μm以上3
0μm以下のMg系金属間化合物相が、含有率:0.1
〜50容積%にて分散している組織を有するめっき層
を、表面に有することを特徴とする加工性に優れる溶融
めっき鋼材。 - 【請求項2】 前記めっき層が、Si,Fe,Ni,C
o,Ti、Sb,Pb,Sn,Cuの元素のうち、1種
もしくは2種以上を、合計で3重量%以下、さらに含有
することを特徴とする請求項1に記載の加工性に優れる
溶融めっき鋼材。 - 【請求項3】 前記めっき層が、Zn−Al−Mg系の
母相に、長径が1μm以上30μm以下のMg系金属間
化合物相が、含有率:0.1〜50容積%にて分散して
おり、Zn単相とAl単相の一方もしくは両方を、さら
に含有する組織を有することを特徴とする請求項1また
は2に記載の加工性に優れた溶融めっき鋼材。 - 【請求項4】 前記めっき層の下層として、Niめっき
層を0.2〜2g/m 2 有することを特徴とする請求項
1〜3のいずれか1項に記載の加工性に優れた溶融めっ
き鋼材。
Priority Applications (14)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24094799A JP3212977B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 加工性に優れる溶融めっき鋼材 |
US09/470,886 US6465114B1 (en) | 1999-05-24 | 1999-12-22 | -Zn coated steel material, ZN coated steel sheet and painted steel sheet excellent in corrosion resistance, and method of producing the same |
TW088122926A TWI236968B (en) | 1999-05-24 | 1999-12-24 | Plated steel material, plated steel sheet and coated steel sheet excellent in corrosion resistance, and a method of producing the same |
AU18030/00A AU758643B2 (en) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Plated steel product, plated steel sheet and precoated steel sheet having excellent resistance to corrosion |
KR10-2001-7015025A KR100509626B1 (ko) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | 내식성이 우수한 도금 강재, 도금 강판과 도장 강판 및 그제조방법 |
PCT/JP1999/007362 WO2000071773A1 (fr) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Produit d'acier plaque, feuille d'acier plaquee et feuille d'acier prerevetue possedant une excellente resistance a la corrosion |
DE69936071T DE69936071T2 (de) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Plattiertes stahlprodukt, plattiertes stahlblech und vorbeschichtetes stahlblech mit hervorragender korrosionsbeständigkeit |
CNB998130958A CN1170955C (zh) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | 耐腐蚀性优良的镀覆钢材和涂装钢板及其制造方法 |
EP99961441A EP1199376B1 (en) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Plated steel product, plated steel sheet and precoated steel sheet having excellent resistance to corrosion |
CA002374757A CA2374757C (en) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Zn coated steel material.zn coated steel sheet and painted steel sheet excellent in corrosion resistance, and method of producing the same. |
AT99961441T ATE362002T1 (de) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Plattiertes stahlprodukt, plattiertes stahlblech und vorbeschichtetes stahlblech mit hervorragender korrosionsbeständigkeit |
ES99961441T ES2283142T3 (es) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Productos de acero chapado, lamina de acero chapado y lamina de acero prechapado que tiene excelente resistencia a la corrosion. |
PT99961441T PT1199376E (pt) | 1999-05-24 | 1999-12-27 | Produto de aço revestido com metal, folha de aço revestida com metal e folha de aço pré-revestida tendo uma excelente resistência à corrosão. |
HK02106572.1A HK1044968B (zh) | 1999-05-24 | 2002-09-06 | 耐腐蝕性優良的鍍覆鋼材和塗裝鋼板及其製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24094799A JP3212977B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 加工性に優れる溶融めっき鋼材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001064759A JP2001064759A (ja) | 2001-03-13 |
JP3212977B2 true JP3212977B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=17067029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24094799A Expired - Lifetime JP3212977B2 (ja) | 1999-05-24 | 1999-08-27 | 加工性に優れる溶融めっき鋼材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212977B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017074030A1 (ko) * | 2015-10-26 | 2017-05-04 | 주식회사 포스코 | 굽힘가공성이 우수한 아연합금도금강판 및 그 제조방법 |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4102035B2 (ja) * | 2000-04-18 | 2008-06-18 | 新日本製鐵株式会社 | 耐食性に優れためっき製品およびその製造方法 |
JP3580261B2 (ja) * | 2001-03-23 | 2004-10-20 | 住友金属工業株式会社 | 溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板およびその製造方法 |
JP3760901B2 (ja) * | 2002-08-06 | 2006-03-29 | Jfeスチール株式会社 | 加工性および耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板およびその製造方法 |
JP4102144B2 (ja) * | 2002-09-13 | 2008-06-18 | 新日本製鐵株式会社 | 均一塗装性と耐食性に優れた溶融亜鉛メッキ鋼材およびその製造方法 |
JP3735360B2 (ja) * | 2003-07-01 | 2006-01-18 | 新日本製鐵株式会社 | 外観に優れた溶融Zn−Mg−Al系めっき鋼板の製造方法 |
JP4585224B2 (ja) | 2004-04-28 | 2010-11-24 | 新日本製鐵株式会社 | 高耐食性亜鉛系合金めっき鋼材用塗料 |
JP4548832B2 (ja) * | 2005-01-12 | 2010-09-22 | 日新製鋼株式会社 | 自動車用ステアリング構造体 |
JP4582707B2 (ja) * | 2005-04-20 | 2010-11-17 | 新日本製鐵株式会社 | 不メッキ欠陥発生のない溶融亜鉛メッキ方法 |
JP5101249B2 (ja) | 2006-11-10 | 2012-12-19 | Jfe鋼板株式会社 | 溶融Zn−Al系合金めっき鋼板およびその製造方法 |
JP4788606B2 (ja) * | 2007-01-16 | 2011-10-05 | Jfeスチール株式会社 | 表面処理金属の耐食性評価方法 |
JP6128158B2 (ja) * | 2007-03-15 | 2017-05-17 | 新日鐵住金株式会社 | 溶融Mg−Zn系合金めっき鋼材 |
BR112019015377B1 (pt) * | 2017-01-27 | 2023-10-03 | Nippon Steel Corporation | Produto de aço revestido |
WO2018169084A1 (ja) * | 2017-03-17 | 2018-09-20 | 新日鐵住金株式会社 | めっき鋼板 |
AU2018234211B2 (en) | 2017-03-17 | 2020-07-23 | Nippon Steel Corporation | Coated Steel Sheet |
WO2019132412A1 (ko) * | 2017-12-26 | 2019-07-04 | 주식회사 포스코 | 내식성 및 표면 평활성이 우수한 아연합금도금강재 및 그 제조방법 |
KR102235255B1 (ko) | 2017-12-26 | 2021-04-02 | 주식회사 포스코 | 내식성 및 표면 평활성이 우수한 아연합금도금강재 및 그 제조방법 |
-
1999
- 1999-08-27 JP JP24094799A patent/JP3212977B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017074030A1 (ko) * | 2015-10-26 | 2017-05-04 | 주식회사 포스코 | 굽힘가공성이 우수한 아연합금도금강판 및 그 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001064759A (ja) | 2001-03-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3212977B2 (ja) | 加工性に優れる溶融めっき鋼材 | |
JP6715400B1 (ja) | 溶融Al−Zn−Mg−Si−Srめっき鋼板及びその製造方法 | |
JP5230318B2 (ja) | 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法 | |
KR100446789B1 (ko) | 고내식성과 우수한 가공성의 도금 강재 및 이의 제조 방법 | |
JP2011214145A (ja) | 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材と鋼管およびその製造方法 | |
KR20210133266A (ko) | 용융 Al-Zn-Mg-Si-Sr 도금 강판 및 그 제조 방법 | |
JP2002322527A (ja) | Al−Zn−Mg系合金めっき鉄鋼製品 | |
JPWO2020213688A1 (ja) | めっき鋼板 | |
JP2003003238A (ja) | 耐食性に優れたZn−Al−Mg系溶融めっき鋼材 | |
JP7052942B1 (ja) | めっき鋼材 | |
JP3769199B2 (ja) | 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法 | |
WO2020213680A1 (ja) | めっき鋼材 | |
JP2002030405A (ja) | 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法 | |
JP2002371343A (ja) | 高耐食性を有し加工性に優れた溶融めっき鋼線 | |
JP2002047521A (ja) | 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法 | |
JP3854469B2 (ja) | 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法 | |
JP3399895B2 (ja) | 高耐食性を有する溶融めっき鋼線及びその製造方法 | |
JP2001207249A (ja) | スパングル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金めっき鋼板 | |
JP3769198B2 (ja) | 高耐食性めっき鋼材およびその製造方法 | |
JP2003328101A (ja) | 溶融めっき鋼線およびその製造方法 | |
JP2756547B2 (ja) | 難めっき鋼板の溶融Znベースめっき法 | |
JP3464289B2 (ja) | 耐食性に優れた耐火構造用溶融Zn−Al合金めっき鋼板の製造方法 | |
KR102524791B1 (ko) | 용융 도금 강재 | |
JP3857882B2 (ja) | 高耐食性を有し加工性に優れためっき鋼材およびその製造方法 | |
JP7436948B1 (ja) | めっき鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010710 |