JP2001207249A - スパングル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金めっき鋼板 - Google Patents

スパングル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金めっき鋼板

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JP2001207249A
JP2001207249A JP2000013614A JP2000013614A JP2001207249A JP 2001207249 A JP2001207249 A JP 2001207249A JP 2000013614 A JP2000013614 A JP 2000013614A JP 2000013614 A JP2000013614 A JP 2000013614A JP 2001207249 A JP2001207249 A JP 2001207249A
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hot
spangle
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Kazumi Nishimura
一実 西村
Yasuhide Morimoto
康秀 森本
Kenichiro Matsumura
賢一郎 松村
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパングル均一性と耐食性に優れる溶融Zn
−Al−Sn系合金めっき鋼板の提供。 【解決手段】 質量%で、Al:0.1〜15%、S
n:1〜10%を含有し、残部がZnおよび不可避的不
純物よりなるめっき層を有することを特徴とするスパン
グル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合
金めっき鋼板。Mg:0.1〜5%やSi,Ni,F
e,Co,Sb,Pb,Cuの1種以上のさらなる添
加、0.2〜2g/m2 の下層Niめっきの適用が好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパングル均一性
と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金めっき鋼
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融Zn系めっき鋼板のスパングル材
(めっき結晶の花模様)については商品化されており、
めっき浴中にPbあるいはSbを微量添加する方法やガ
ルバリウム鋼板(Zn−55%Al−1.6%Si)が
使用されている。建材、土木分野のガードレール、防音
壁を中心に外観、寿命延長の観点から高耐食性めっき鋼
板が今後多く使用される可能性が大である。特に、環境
と調和するスパングル模様の均一性に優れた表面を有
し、なおかつ高耐食性を有するめっき鋼板の開発が必要
である。従来から使用されてきたPb,Sbを含有する
溶融Znめっき鋼板は、Pb,Sbの環境規制の観点か
ら、その代替めっきが期待されている。
【0003】また、均一性なスパングル模様を有し、高
耐食性を有するめっき鋼板としては、Zn―55%Al
−Si系が多く実用化されているが、Alを多く含有し
ているためその製造上、浴温度が高くなったり、Al原
単位が大のため高コストである欠点を有していた。従っ
て、Alをなるべく減少させ、なおかつ、スパングルの
均一性ならびに耐食性に優れためっき鋼板の開発が期待
されていた。発明者らは、すでに特願平10−2288
01号にてMg:1〜5%およびAl:8〜30%の組
成を有するZn−Mg−Al系合金めっき鋼板はスパン
グル均一性に優れためっき鋼板であるが、さらにスパン
グル均一性に優れためっき鋼板へのニーズが高まってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
ニーズに応えるべく、意匠性と耐食性に優れる溶融Zn
−Al−Sn系合金めっき鋼板を低コストで提供せんと
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、種々のめっ
き浴組成を検討の結果、Zn−Al−Sn系合金めっき
において、極めて高いスパングル均一性が得られること
を見出し、最適な組成を特定することにより本発明を完
成させたものであって、本発明がその要旨とするところ
は、 (1)質量%で、Al:0.1〜15%、Sn:1〜1
0%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物よりな
るめっき層を有することを特徴とするスパングル均一性
と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金めっき鋼
板。 (2)Zn−Al−Sn系合金めっき層が、質量%で、
Mg:0.1〜5%を、さらに含有することを特徴とす
る前記(1)に記載のスパングル均一性と耐食性に優れ
る溶融Zn−Al−Sn系合金めっき鋼板。
【0006】(3)Zn−Al−Sn系合金めっき層
が、Si,Ni,Fe,Co,Sb,Pb,Cuの1種
以上を、質量%でそれぞれ0.01〜1%、さらに含有
することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の
スパングル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−S
n系合金めっき鋼板。 (4)Zn−Al−Sn系合金めっき層の下層として、
Niめっき層を0.2〜2g/m2 有することを特徴と
する前記(1)〜(3)のいずれかに記載のスパングル
均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金め
っき鋼板である。
【0007】
【発明の実施の形態】発明者らは、Zn−AlおよびZ
n−Al−Mgめっき浴をベースにして、各種添加元素
を検討した。表面のスパングルの均一性ならびに耐食性
を詳細に調査した。めっき実験を重ね鋭意検討した結
果、めっき層Znを主成分とし、適正量のAlおよびS
nを同時に必須添加し、さらに必要に応じ所定量のMg
を添加することことによって均一性の極めて高いスパン
グルめっきが得られ、従来のPb添加の溶融Znめっき
鋼板およびZn−55%Al−Si系以上にめっき層の
スパングル模様の均一性が極めて高く、かつ耐食性が良
好であることを見出した。また、めっき浴直上での冷却
コントロールもスパングルの均一化に有効であった。さ
らには、本めっき層の下層としてNiめっき層を施すこ
とにより加工部のめっき密着性がさらに高まり、特に切
断端面の耐食性が高まることを見いだし、本発明に至っ
た。
【0008】本発明をさらに詳細に説明する。本発明
は、Zn−AlおよびZn−Al−Mgめっき層中にS
nを1%以上含有させることにより、めっき層表面のス
パングル結晶の外観を均一化できると同時に耐食性を高
めるができる。さらに、本めっき層の下層としてNiめ
っき層を施すことにより、加工部のめっき密着性が向上
するために、切断部の耐食性がさらに高まり、しかも従
来のZn−55%Al−Si系のガルバリウムめっき鋼
板よりも大幅にAlを減少させて低コスト化できる点が
本発明の技術上の最大のポイントである。
【0009】以下に本発明における各条件の限定理由に
ついて述べる。まず、めっき浴中のSnの含有量を1〜
10質量%としたのは、1質量%以上の添加でめっき層
のスパングルが均一に形成され、逆に、10質量%を超
えて過剰に添加してもその効果は飽和するばかりで、浴
においてドロスを増加させるなどの原因となるためであ
る。Sn添加によって、スパングル外観が均一になるメ
カニズムは未だ明確ではないが、めっきの凝固過程でS
nが、めっき粒界近傍にはきだされ、低融点のSnがい
つまでも融液として存在するため、めっき層のデンドラ
イト結晶が成長し続けることに起因しているものと考え
られる。
【0010】Alの含有量を0.1〜15質量%とした
のは、Snとの複合添加において、この範囲でめっき層
のスパングル均一性が高く、耐食性にも優れためっき鋼
板が得られるためである。0.1質量%未満では耐食性
が不十分である。また、15質量%を超えて添加しても
特に問題はないが、本発明の成分系では効果が飽和する
ためコスト上昇の要因となる。Mgの含有量を0.1〜
5質量%としたのは、この範囲で添加することにより耐
食性にさらに優れためっき鋼板が得られるためである。
0.1質量%未満では耐食性に対する効果は見られな
い。また、5%を超えて過剰に添加しても効果は飽和す
るばかりで、浴においてドロスを増加させるなどの原因
となるためである。
【0011】これら主要添加元素の他に、めっき層の耐
食性などの特性を向上する目的で、Si,Ni,Fe,
Co,Sb,Pb,Cuの1種以上を、それぞれ0.0
1〜1質量%の範囲で添加しても本発明の効果は維持さ
れる。それぞれ0.01質量%未満の添加では効果が見
られず、1質量%を超えて添加しても効果は飽和するば
かりで、めっき層の加工性を阻害するなどの悪影響が懸
念される。めっき層の加工性などへの弊害を考慮すると
合計で3%までの添加とすることが好ましい。Zn−M
g−Al系合金めっき層の付着量については、特に制約
は設けないが、耐食性の観点から10g/m2 以上、加
工性の観点から350g/m2 以下であることが望まし
い。
【0012】本発明のZn−Al−Sn系合金めっき層
の下層として、を0.2〜2g/m 2 Niめっきを施す
ことにより、めっき密着性が確保され、耐食性がさらに
向上する。特に、Mg,Alを多く含有するめっき組成
では、めっき層自体がやや硬くなるため、より厳しい切
断、バイト加工などを受ける場合に極めて有効である。
0.2g/m2 未満では密着性向上効果が顕著でなく2
g/m2 を超えても効果は飽和するので経済的に好まし
くない。
【0013】本発明の溶融めっき鋼板は、いかなる従来
方法で製造してもよく、製造方法は特に限定しないが、
めっき浴直上での空冷処理などによる冷却処理はめっき
層のスパングルの均一化に有効であるので、適用するこ
とが好ましい。なお、本発明の下地鋼板としては、熱延
鋼板、冷延鋼板共に使用でき、鋼種もAlキルド鋼、T
i,Nb等を添加した極低炭素鋼板、また、これらに
P、Si、Mn等の強化元素を添加した高強度鋼など種
々のものが適用できる。また鋼板のみならず、鋼管、条
鋼、線材等のめっき鋼材の意匠性、耐食性を向上させる
目的にも本発明が適用可能である。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。表1に作成しためっき鋼板の組成を示す。
0.8mmの鋼板を溶融めっきして、めっき鋼板を作製
した。めっき付着量は、135g/m2 、浴温は、45
0℃とした。また、一部のめっき鋼板には電気めっきで
下層にNiめっきしたものも製造した。評価としては、
150×70mmの評価視野における、めっき層スパン
グルの均一性を目視観察によって調査した。耐食性は、
平板部およびシャーで切断した端面について、塩水噴霧
試験を行って評価した。なお、切断端面については、試
験中、めっき層の白錆が流れて端面を覆ってから赤錆発
生までの時間を測定した。評価基準は次の通りである。
【0015】(1)スパングルの均一性(目視) 評点 (○以上を合格) ◎ 全面均一 ○ 不均一な部分認められるが目立たない △ 不均一な部分目立つ × 全面不均一もしくはスパングル未発生部あり
【0016】 (2)耐食性の評価基準 (○以上合格) 評点 平板部 切断端面 (赤錆発生までの時間) (赤錆50%となるまでの時間) ◎ 2000hr超 1000hr超 ○ 1000hr超〜2000hr以内 500hr超〜1000hr以内 △ 500超〜1000hr以内 200hr超〜500hr以内 × 200hr以内
【0017】
【表1】
【0018】本発明のめっき鋼鈑(No.1〜12)
は、比較例(No.13〜15)に比べて、めっき表面
のスパングルが均一であり、平板部、切断端面共に耐食
性が良好である。また、No.5は下層としてNiめっ
きを施したものであり、No.6〜12は、Zn−Al
−Sn−Mg合金に、さらにSi,Ni,Fe,Co,
Sb,Pb,Cuを添加した場合の例である。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、建材、土
木、車体等の用途に塗装することなく使用できる、スパ
ングル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系
合金めっき鋼板を提供でき、その産業上の価値は極めて
高いといえる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 賢一郎 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 Fターム(参考) 4K027 AA05 AA22 AB05 AB15 AB26 AB44 AC62 AE23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、Al:0.1〜15%、S
    n:1〜10%を含有し、残部がZnおよび不可避的不
    純物よりなるめっき層を有することを特徴とするスパン
    グル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合
    金めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 Zn−Al−Sn系合金めっき層が、質
    量%で、Mg:0.1〜5%を、さらに含有することを
    特徴とする請求項1に記載のスパングル均一性と耐食性
    に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 Zn−Al−Sn系合金めっき層が、S
    i,Ni,Fe,Co,Sb,Pb,Cuの1種以上
    を、質量%でそれぞれ0.01〜1%、さらに含有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスパングル
    均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金め
    っき鋼板。
  4. 【請求項4】 Zn−Al−Sn系合金めっき層の下層
    として、Niめっき層を0.2〜2g/m2 有すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスパング
    ル均一性と耐食性に優れる溶融Zn−Al−Sn系合金
    めっき鋼板。
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