JP3159135B2 - 微小スパングル溶融亜鉛合金めっき鋼板と製造方法 - Google Patents
微小スパングル溶融亜鉛合金めっき鋼板と製造方法Info
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Description
車等に使用される表面処理鋼板およびその製造方法であ
って、微小スパングル模様の意匠性に優れた溶融Zn−Al
系合金めっき鋼板およびその製造方法に関する。
性と耐候性を改善するために適用されるものであるが、
近年その適用量が増大している。代表的なものに、溶融
アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、例えばアルミニウ
ムが4〜75重量%で残りがZn、ならびにSi、Mg、Ce−La
等の第三成分が微量含有される合金によってめっきされ
たアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板がある。
ニウムを4〜10重量%、残りの大半を亜鉛および微量の
MgまたはCe−Laを配合した合金をめっきした低アルミニ
ウム−亜鉛合金めっき鋼板と、アルミニウムを55重量
%、亜鉛を43.4重量%、Siを1.6 %前後配合した合金を
めっきした高アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の2種
類がある。
鉛めっき鋼板と同一のめっき厚みで比較して、低アルミ
ニウム−亜鉛合金めっき鋼板で1.5 〜2倍、高アルミニ
ウム−亜鉛合金めっき鋼板では3〜6倍の優れた性質を
有している。しかも、高アルミニウム−亜鉛合金めっき
鋼板は耐熱性や熱反射性においても優れている。
鋼板は優れた性質を有するため最近特に注目され、屋根
材、壁材等の建築部材、ガードレール、配線配管、支持
枠、防音壁、排水溝等の土木製品の材料、乾燥機、電子
レンジ等の家電製品、産業機器等の材料、さらには塗装
鋼板の基板等として急速に普及しつつある。
ルミニウムのもつ耐久性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の
もつ犠牲防食性とを併せもった高性能のめっき鋼板とし
て、建材、家電、自動車部品などに広く使用されてい
る。このめっき鋼板は、代表的には、重量%でAl:55
%、Zn:43.4%、Si:1.6 %からなる溶融めっき浴を用
いて製造される。AlとZnの割合は耐食性を考慮して決定
され、Siは、めっき密着性を阻害する鋼素地との合金反
応を抑制するために添加される。
率が少ない他のZn−Al合金めっき鋼板とは異なり、めっ
き表面が特徴的な銀白色のスパングル模様を呈し、その
意匠性から生地のままで、商工業用および一般用建造物
の屋根・壁等、或いは器物などに広く利用されている。
スパングルの粒径は、溶融めっき条件、特に溶融めっき
後の溶融めっき皮膜の凝固速度に応じて変動するが、一
般に平均で約0.8 mm以上であり、目視でスパングル模様
を識別することができる。しかし、用途によっては、ス
パングル模様が目視で識別できない、即ち、平均スパン
グル粒径が0.7 mm以下の微小スパングル(ミニマムスパ
ングルまたはゼロスパングル) が好まれる場合がある。
は、溶融めっき後の強制冷却時の風量を増大させて、冷
却速度 (従って、めっき皮膜の凝固速度) を高めると小
さくなることが知られている。しかし、このようにめっ
き後に急冷しても、Zn−55%Al合金めっき鋼板の平均ス
パングル粒径を安定して0.8 mmより小さくすることは困
難であった。しかも、急冷により、めっき皮膜中の残留
応力が増加し、めっき皮膜が脆くなり、その加工性が低
下する上、母材鋼板自体にも、急冷により硬化や時効劣
化の増大などが起きて、成形性、加工性が悪影響を受け
る。
めっき皮膜が凝固した後スキンパス圧下を行ってスパン
グル模様を消去することも行われてきたが、この方法だ
けでスパングルを消去しようとすると、スパングル残り
による外観劣化、塗装後の外観むらを生じ易い。また、
めっき皮膜がスキンパスロールにピックアップされるこ
とによる疵発生が起こり易く、ユーザにおけるプレス加
工時にスパングル模様が浮き出やすい、といった問題も
ある。
凝固のめっき面に、固体または液体の微粒子を吹付け
て、多数の凝固核を均一に発生させると共に急冷するこ
とにより、スパングルを微細化する技術も種々提案され
ている (溶融アルミニウムめっき鋼板については、例え
ば、特開昭50−38638 号公報、特開昭63−143249号公
報、特開昭63−153255号公報などを参照) 。
っき鋼板のめっき表面の平均スパングル粒径を0.8 mmよ
り小さくすることは可能であるが、急冷に伴う前述した
めっき皮膜の脆化や母材自体の時効劣化等の問題は依然
として解決され得ない。また、この方法は慣用の溶融め
っき設備に微粒子の吹付け装置を付加する必要があり、
コスト高になる。
にSi:3〜15wt%と共にMg:3〜20wt%を添加すること
からなる、スパングルが非常に微細で耐食性に優れた溶
融Zn−Al合金めっき鋼板が記載されている。しかし、比
較的多量のSiとMgがめっき皮膜中に共存するため、この
めっき鋼板には皮膜中のSiおよびMgの析出による加工性
の劣化という問題がある。
l:20〜80wt%、Si:0.1 〜2.0 wt%、Zn残量よりなる
めっき浴中に0.001 〜0.5 wt%のTiを含有させることに
より、Tiが冷却凝固過程の際の核となり微細のスパング
ルを形成できることが記載されている。しかし、Tiを添
加すると、めっき浴中にドロスが発生して、めっき作業
性が低下するだけでなく、めっき皮膜の耐食性も低下す
る。
き皮膜中にMg、Tiのような他元素を存在させずに、成形
性や加工性が良好で、微細なスパングルを持った意匠性
に優れた溶融Zn−Al合金めっき鋼板とその製造方法を提
供することである。
成形性や加工性を損ない、現状の溶融めっき設備の変更
が必要となる微粒子の吹付けを行わずに、Alキルド冷延
鋼板上に微細なスパングルを持った溶融Zn−Al合金めっ
き皮膜を有した溶融Zn−Al合金めっき鋼板とその製造方
法を提供することである。
板は、溶融亜鉛めっきに使用されるような慣用の連続溶
融めっき設備により一般に製造される。代表的な連続溶
融めっき設備では、連続焼鈍炉で焼鈍した母材鋼板 (冷
延鋼板または熱延鋼板) を、スナウトを経て大気に触れ
ることなく溶融めっき浴中に浸漬し、めっき浴から出た
直後にガスワイピングにて所望のめっき付着量に制御
し、冷却ゾーン (通常、空冷) で凝固が完了する温度
(Zn−55%Al合金めっきでは約370 ℃) 以下まで冷却し
た後、必要によりレベラまたはスキンパスロールで軽く
圧下して巻き取る。
備をそのまま利用して溶融Zn−Al合金めっき皮膜のスパ
ングルを微細化する手段について鋭意検討した結果、Al
キルド鋼を熱間圧延および冷間圧延した後、得られた冷
延鋼板を母材として、連続焼鈍してから、Si含有量を調
整したAl−Zn合金溶融浴中で溶融めっきを行うことによ
り、平均スパングル粒径が0.7 mm以下の微細なスパング
ルを持っためっき皮膜を形成することができることを見
出し、本発明を完成した。
御するすなわち、めっき皮膜からめっき−鋼板界面に存
在する合金層を除いた部分のSi含有量を1%以下にする
ことによりめっき表面の平均スパングル粒径が0.7 mm以
下のめっき表面を有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼板が
得られる。
i:0.5 〜2.0 wt%を含有し、残部Znからなる平均めっ
き皮膜組成を有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼板であっ
て、めっき−鋼板界面に存在する合金層を除いた領域の
めっき皮膜のSi濃度が1wt%以下であって、前記平均め
っき皮膜組成のSi濃度より低く、かつめっき皮膜表面の
平均スパングル径が0.7mm 以下であることを特徴とする
微小スパングルを有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼板で
ある。
皮膜組成が、さらに、Zr、Hf、およびV から成る群から
選んだ少なくとも1種をそれぞれ0.01〜0.4 wt%を含有
してもよい。
0 ℃で焼鈍処理した鋼板に、Al:40〜70wt%、Si:0.5
〜2.0 wt%、残部Znからなる組成を有する溶融Zn−Al系
合金めっき浴で浸漬めっきを行うことを特徴とする、め
っき−鋼板界面に存在する合金層を除いた領域のめっき
皮膜のSi濃度が1wt%以下であって、前記めっき浴のSi
濃度より低く、かつめっき皮膜表面の平均スパングル径
が0.7mm 以下である微小スパングルを有する溶融Zn−Al
系合金めっき鋼板の製造方法である。
浴が、さらに、Zr、Hf、およびV から成る群から選んだ
少なくとも1種をそれぞれ0.01〜0.4 wt%を含有しても
よい。さらに本発明の実施態様にあっては、前記合金層
のSi含有量が1.5 〜20%であり、該合金層の付着量が3
〜6g/m2である。
する。なお、本明細書においては、「%」は特に指定の
ない限りwt%である。
Al:40〜70%およびSi: 0.5〜2.0 %とする。所望によ
り、めっき浴中にさらに、Zr、Hf、Vの1種もしくは2
種以上をそれぞれ0.01〜0.4 %を含有させてもよい。め
っき浴の残部は、亜鉛および不可避不純物である。めっ
き皮膜の組成は、めっき浴組成と実質的に同一となる。
ただし、本発明の場合、合金層を除いた残りの領域で
は、Si濃度が浴組成のSi濃度と異なるため、めっき皮膜
全体の組成を便宜上「平均めっき皮膜組成」と言う。な
お、従来技術においては特別の理由がない限り、この合
金層の生成は可及的に少となるから、めっき皮膜組成は
実質上めっき浴組成に同一であると言うことができる。
とする。Al含有率が40%未満では、浴の溶融温度が低下
し、めっき皮膜の凝固開始温度が500 ℃以下になるた
め、凝固完了までの時間が増大し、スパングル径が大き
くなり、平均で0.7 mm以下のスパングル径とすることが
困難となる。その上、相対的に皮膜中のZn含有率が増加
するため、スパングルを形成するAlデンドライト相が減
少し、スパングル自体が不明瞭になって、本発明で目的
とする微細なスパングルにより与えられる美麗な外観、
即ち、目的とする意匠性が得られなくなる。さらに、め
っき層中のZnリッチ相が増大し、粒界腐食の助長や選択
腐食の促進により、耐食性も劣化する。一方、Al含有率
が70%を超えると、Alリッチ相が増大するため、Znの犠
牲防食性が小さくなり、耐食性が再び低下する。
る脆いFe−Al合金層の発達を抑制するために従来よりZn
−Al合金めっき浴に添加されてきた。前述したように、
Zn−55%Al合金溶融めっきでは、この目的で1.6 %程度
のSiを含有させるのが普通であった。本発明では、さら
に後に述べる合金層の点から、Zn−Al合金めっき浴のSi
含有率を 0.5〜2.0 %、好ましくは0.7 〜1.2 %とす
る。
めっき浴のそれに同じであるが、後述するように合金層
を除いためっき皮膜のSi濃度は1%以下となる。これは
充分な凝固速度を確保することで平均スパングル径を0.
7mm 以下とするためである。
の加工性をさらに向上させるために、必要に応じてZn−
Al合金めっき皮膜中に含有させてもよい。加工性の改善
は、添加元素がめっき皮膜中で均一に分散し、皮膜中に
析出するSiを球状化し、加工時のめっき皮膜中の応力集
中を緩和することで達成される。
01〜0.4 %、好ましくは0.05〜0.2%の範囲の量で含有
させる。その添加量が0.01%以下では、均一分散による
皮膜の均質化の効果が少なく、また0.4 %を超えると、
皮膜均質化の効果が飽和するばかりでなく、操業時のめ
っき浴からのドロス発生量が増大し、めっき品質とコス
トの悪化を招く。
層は通常Fe−Al−Siの3元素からなり、Si濃度の低い順
にθ、τ5 、τ6 、およびSiである。それぞれの化学量
的な組成は表1に示すとおりである。
詳細に調べたところ以下のような関係のあることを見出
した。すなわち、浴中Siが高くなる等の変化で生成する
合金層はθから、τ5 、τ6へと変化し、合金層中のSi
濃度は高くなる。
Si濃度が高くなるにつれ、Feとの反応は抑えられるので
その厚みは薄くなる。合金層中のトータルのSi量はこれ
らの積で表わされる。
処理による鋼板表面の活性化の程度によって合金層の形
成速度が影響を受けるために、得られる合金層の厚さは
鋼板表面のそのような活性化の程度、具体的には焼鈍温
度によっても影響を受けるのである。つまり、浴温度、
鋼板温度、焼鈍温度等の処理条件、特に焼鈍温度は合金
層の厚さ、したがって合金層中のSi量に影響を与える。
以外の領域の残りの領域の溶融液中のSi濃度( 以下、単
に残部Si濃度とも言う) は、合金層の厚さ、そのSi量に
よって決まる。
の溶融液の凝固により決まるから、合金層の組成、厚み
をコントロールすることにより、残部溶融のSi、つまり
残部Si量をある値以下に制限し、スパングル径を制御出
来るのである。これを式で示せば次の通りである。
付着量)−(合金層Si含有率(%)×合金層付着量)]/(めっ
き付着量−合金層付着量)≦1.0(%) したがって、スパングル粒径を小さくする、すなわち凝
固速度を速くするには、凝固の際の駆動力を大きくすれ
ば良い。そのためには、固液界面の液相平衡Si濃度と液
相バルクのSi濃度の差を大きくしてやれば良い。つま
り、合金相が生成した後の残部溶融液中のSi濃度が低い
方が凝固速度が速くなりスパングル粒径が小さくなると
考えられる。
部溶融液中のSi濃度を1wt%以下にすれば、めっき表面
の平均スパングル粒径が0.7 mm以下のめっき表面を有す
る溶融Zn−Al系合金めっき鋼板が得られることを見いだ
した。
には、例えば焼鈍温度を650 〜690℃にするととも、め
っき溶中Si濃度を0.5 〜2.0 %とすることにより、適正
な合金層が適正な量だけ生成するようにすればよい。め
っき溶中Si濃度について言えば、好ましくは、0.7 〜1.
2 %である。
には1.5 〜20%の範囲にあり、そのときの合金層付着量
は3〜6g/m2である。好ましくは、それぞれ2〜16%、
3〜5g/m2である。より好ましい範囲は、それぞれ2〜
8%、3.5 〜5g/m2である。
径の測定は、めっき鋼板の表面拡大写真 (例えば3倍拡
大) を用いて、一定距離 (例えば100 mm) 間のスパング
ル個数を測定することにより行われ、 [測定距離/スパ
ングル個数] により平均スパングル径が算出される。
目視でスパングル模様が識別可能となり、本発明で目的
とする微細なスパングルによる意匠性を得ることができ
ない。一方、平均スパングル径が0.7 mm以下では、目視
でのスパングル模様の識別が困難となり、本発明で目的
とする微細なスパングルからなる美麗なめっき表面を持
った意匠性を得ることができる。
%の低炭素Alキルド鋼スラブまたはC:0.006 wt%以下
の極低炭素Alキルド鋼スラブを素材として、これを特定
の条件下で熱間圧延および冷間圧延した後、得られた冷
延鋼板を母材とし、特定条件下で連続焼鈍し、次いで上
記組成のAl−Zn合金溶融浴中で溶融めっきを行うことに
より、平均スパングル粒径が0.7 mm以下の微細スパング
ルのめっき表面を持った溶融Zn−Al合金めっき鋼板が製
造される。
よく、特に制限されない。Alを40〜70%含有する溶融Zn
−Al合金めっき浴の浴温は普通 530〜600 ℃である。連
続焼鈍した冷延鋼板は、外気に触れないように不活性雰
囲気下に保持されたスナウトを通す間に、この浴温付近
まで冷却され、溶融めっき浴に浸漬される。浴から出た
直後、ガスワイピングノズル等の慣用の付着量制御手段
により、めっき付着量を制御する。付着量は特に制限さ
れないが、通常は片面当たり35〜100 g/m2、好ましくは
45〜90 g/m2 である。溶融めっきは、普通には両面めっ
きであるが、周知の方法を利用して片面めっきとするこ
ともできる。
て、めっき皮膜を凝固させる。この時の冷却は、通常の
空冷でよく、従来の微細スパングル技術で採用されたよ
うな急冷 (例、送風量の極端な増大、水冷、微粒子の吹
付け等) を行う必要はない。従って、従来の連続溶融め
っき設備を改造する必要がない。通常の空冷でも、熱間
圧延、冷間圧延、めっき前の連続焼鈍等の各加工、処理
条件、あるいはめっき浴組成等を適宜制御して、好まし
くは焼鈍温度を650 〜690 ℃に、そしてめっき浴Si濃度
を0.5 〜2.0wt %に制限して、残部Si濃度を1%以下に
することにより、平均スパングル径が0.7 mm以下という
微細スパングル表面を持った溶融Zn−Al合金めっき皮膜
を得ることができる。
き中に生じた歪みを除去するために、めっき鋼板をレベ
ラーまたはスキンパスロールで軽く圧下してから巻き取
る。スパングルが粗大であると、この圧下時にスパング
ルが不均一になって外観が劣化し、或いは塗装後の外観
むらを生ずる原因となっていた。しかし、本発明ではス
パングルが微細化されているため、スキンパス圧下を行
っても、このような外観劣化や塗装時の外観むらがほと
んどみられない。次に、実施例によって本発明の作用効
果についてさらに具体的に説明する。
熱間圧延した後、冷間圧延することにより、0.8 mm厚の
冷延鋼板を得た。
により表面清浄化した後、N2+H2ガス雰囲気の焼鈍炉で
表1に示す焼鈍温度において60秒の連続焼鈍を施し、続
いて表2に示した浴組成 (残部:亜鉛および不可避不純
物) の溶融Zn−Al合金めっき浴を用いて両面溶融めっき
を施し、ワイピングノズルで片面当たり約70 g/m2 のめ
っき付着量に制御し、通常の空冷(送風量500 Nm3/分)
により冷却して、溶融Zn−Al合金めっき鋼板を得た。
スパングル径、加工性および耐食性を次のようにして評
価した結果を、総合評価と共に、表2に併せて示す。
合金層を塩酸で溶かし溶液分析により、組成を定量し
た。
のスパングル個数を測定し、[100/スパングル個数] に
より平均スパングル径 (mm) を算出した。
グル径に対し残部Si濃度をグラフ上にプロットして示
す。
げ部のめっき皮膜の割れ幅および割れ数をSEM (走査
型電子顕微鏡) で観察し、下記基準により評価した。 ×:割れ大、一部剥離あり、 △:割れ中、剥離なし、 ○:割れ小、剥離なし、 ◎:割れ極少、剥離なし。
時間行った後、赤錆発生面積率を目視判定により求め、
下記基準により評価した。 ×:50%以上の赤錆発生、 △:5〜50%の赤錆発生、 ○:5%以下の赤錆発生、 ◎:赤錆全くなし。
×とする) 。
融Zn−Al合金めっき鋼板を製造すると、平均スパングル
径が0.7 mm以下で、加工性や耐食性も良好であった。こ
れに対し、めっき浴 (めっき皮膜) 中のAl含有率が40%
未満であるか、めっき皮膜からめっき−鋼板界面に存在
する合金層を除いた部分のSi濃度が1%を超えると、平
均スパングル径は1.0 mmを超え、スパングルが著しく粗
大となった。めっき浴のAl含有率が40〜70%の範囲外、
またはSi含有率が0.5 %未満では、加工性や耐食性が著
しく劣化した。
備を改造せずにそのまま利用して、加工性や耐食性を劣
化させることなく、ミニマムスパングル化された、意匠
性に優れた溶融Zn−Al合金めっき鋼板を得ることが可能
となる。
鋼板で代表される優れた耐食性と、過酷な曲げ加工に耐
える良好な加工性とを有しており、しかも目視で判別で
きない微細スパングルからなる意匠性の高い外観を有す
るため、塗装せずに生地のまま、建材、家電製品、その
他の器物などに使用できる。また、スパングルが微細で
あるため、塗装を施した後の外観むらが少ないので、自
動車車体のように塗装用途にも使用でき、それにより従
来の亜鉛めっき鋼板に比べてさらに高い耐食性を自動車
車体に付与することができる。
スパングル径との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 Al:40〜70wt%、Si:0.5 〜2.0 wt%、
残部Znからなる平均めっき皮膜組成を有する溶融Zn−Al
系合金めっき鋼板であって、めっき−鋼板界面に存在す
る合金層を除いた領域のめっき皮膜のSi濃度が1wt%以
下であって、前記平均めっき皮膜組成のSi濃度より低
く、かつめっき皮膜表面の平均スパングル径が0.7mm 以
下であることを特徴とする微小スパングルを有する溶融
Zn−Al系合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 前記めっき皮膜組成が、さらに、Zr、H
f、およびV から成る群から選んだ少なくとも1種をそ
れぞれ0.01〜0.4 wt%を含有する請求項1記載の溶融Zn
−Al系合金めっき鋼板。 - 【請求項3】前記合金層のSi含有量が1.5 〜20%であ
り、該合金層の付着量が3〜6g/m2である請求項1また
は2記載の溶融Zn−Al系合金めっき鋼板。 - 【請求項4】 焼鈍温度650 〜690 ℃で焼鈍処理した鋼
板に、Al:40〜70wt%、Si:0.5 〜2.0 wt%、残部Znか
らなる組成を有する溶融Zn−Al系合金めっき浴で浸漬め
っきを行うことを特徴とする、めっき−鋼板界面に存在
する合金層を除いた領域のめっき皮膜のSi濃度が1wt%
以下であって、前記めっき浴のSi濃度より低く、かつめ
っき皮膜表面の平均スパングル径が0.7mm 以下である微
小スパングルを有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼板の製
造方法。 - 【請求項5】 前記めっき浴が、さらに、Zr、Hf、およ
びV から成る群から選んだ少なくとも1種をそれぞれ0.
01〜0.4 wt%を含有する請求項4記載の溶融Zn−Al系合
金めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項6】前記合金層のSi含有量が1.5 〜20%であ
り、該合金層の付着量が3〜6g/m2である請求項4また
は5記載の溶融Zn−Al系合金めっき鋼板の製造方法。
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