JP3052822B2 - 微小スパングル溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製法 - Google Patents
微小スパングル溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製法Info
- Publication number
- JP3052822B2 JP3052822B2 JP8022786A JP2278696A JP3052822B2 JP 3052822 B2 JP3052822 B2 JP 3052822B2 JP 8022786 A JP8022786 A JP 8022786A JP 2278696 A JP2278696 A JP 2278696A JP 3052822 B2 JP3052822 B2 JP 3052822B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hot
- plating
- steel sheet
- dip
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
車等に使用するのに適した、微小スパングル模様の意匠
性に優れた溶融Zn−Al系合金めっき鋼板およびその製造
方法に関する。
性と耐候性を改善するために被覆されるものであるが、
近年その適用量が増大している。代表的なものに、溶融
亜鉛めっき (Al<0.2%) 、Zn−5%Al合金めっき、Zn−
55%Al合金めっき等がある。
ルミニウムのもつ耐久性、耐熱性、熱反射性と、亜鉛の
もつ犠牲防食性とを併せもった高性能のめっき鋼板とし
て、建材、家電、自動車部品などに広く使用されてい
る。このめっき鋼板は、代表的には、重量%でAl:55
%、Zn:43.4%、Si:1.6 %からなる溶融めっき浴を用
いて製造される。AlとZnの割合は耐食性を考慮して決定
され、Siは、めっき密着性を阻害する鋼素地との合金反
応を抑制するために添加される。
率が少ない他のZn−Al合金めっき鋼板とは異なり、めっ
き表面が特徴的な銀白色のスパングル模様を呈し、その
意匠性から生地のままで、商工業用および一般用建造物
の屋根・壁等、或いは器物などに広く利用されている。
スパングルの粒径は、溶融めっき条件、特に溶融めっき
後の凝固速度に応じて変動するが、一般に平均で約0.8
mm以上であり、目視でスパングル模様を識別することが
できる。しかし、用途によっては、スパングル模様が目
視で識別できない、即ち、平均スパングル粒径が0.7mm
以下の微小スパングル(ミニマムスパングルまたはゼロ
スパングル) が好まれる場合がある。
は、溶融めっき後の強制冷却時の風量を増大させて、冷
却速度 (従って、めっき皮膜の凝固速度) を高めると小
さくなることが知られている。しかし、このようにめっ
き後に急冷しても、Zn−55%Al合金めっき鋼板の平均ス
パングル粒径を安定して0.8 mmより小さくすることは困
難であった。しかも、急冷により、めっき皮膜中の残留
応力が増加し、めっき皮膜が脆くなり、その加工性が低
下する上、母材鋼板自体にも、急冷により硬化や時効劣
化の増大などが起きて、成形性、加工性が悪影響を受け
る。
めっき皮膜が凝固した後スキンパス圧下を行ってスパン
グル模様を消去することも行われてきたが、この方法だ
けでスパングルを消去しようとすると、スパングル残り
による外観劣化、塗装後の外観むらを生じ易い。また、
めっき皮膜がスキンパスロールにピックアップされるこ
とによる疵発生が起こり易い、ユーザーにおけるプレス
加工時にスパングル模様が浮き出やすい、といった問題
もある。
凝固のめっき面に、固体または液体の微粒子を吹付け
て、多数の凝固核を均一に発生させると共に急冷するこ
とにより、スパングルを微細化する技術も種々提案され
ている (溶融アルミニウムめっき鋼板については、例え
ば、特開昭50−38638 号公報、特開昭63−143249号公
報、特開昭63−153255号公報などを参照) 。
っき鋼板のめっき表面の平均スパングル粒径を0.8 mmよ
り小さくすることは可能であるが、急冷に伴う前述した
めっき皮膜の脆化や母材自体の時効劣化等の問題は依然
として解決され得ない。また、この方法は慣用の溶融め
っき設備に微粒子の吹付け装置を付加する必要があり、
コスト高になる。
にSi:3〜15wt%と共にMg:3〜20wt%を添加すること
からなる、スパングルが非常に微細で耐食性に優れた溶
融Zn−Al合金めっき鋼板が記載されている。しかし、比
較的多量のSiとMgがめっき皮膜中に共存するため、この
めっき鋼板には皮膜中のSiおよびMgの析出による加工性
の劣化という問題がある。
き皮膜中にMgのような他元素を存在させずに、成形性や
加工性が良好で、微細なスパングルを持った意匠性に優
れた溶融Zn−Al合金めっき鋼板を提供することである。
成形性や加工性を損ない、現状の溶融めっき設備の変更
が必要となる微粒子の吹付けを行わずに、Alキルド冷延
鋼板上に微細なスパングルを持った溶融Zn−Al合金めっ
き皮膜を形成することができる、溶融Zn−Al合金めっき
鋼板の製造方法を提供することである。
板は、溶融亜鉛めっきに使用されるような慣用の連続溶
融めっき設備により一般に製造される。代表的な連続溶
融めっき設備では、連続焼鈍炉で焼鈍した母材鋼板 (冷
延鋼板または熱延鋼板) を、スナウトを経て大気に触れ
ることなく溶融めっき浴中に浸漬し、めっき浴から出た
直後にガスワイピングにて所望のめっき付着量に制御
し、冷却ゾーン (通常、空冷) で凝固が完了する温度
(Zn−55%Al合金めっきでは約370 ℃) 以下まで冷却し
た後、必要によりレベラーまたはスキンパスロールで軽
く圧下して巻き取る。
備をそのまま利用して溶融Zn−Al合金めっき皮膜のスパ
ングルを微細化する手段について鋭意検討した結果、Al
キルド鋼を特定の条件下で熱間圧延および冷間圧延した
後、得られた冷延鋼板を母材として、特定条件下で連続
焼鈍し、次いでSi含有量を抑えたAl−Zn合金溶融浴中で
溶融めっきを行うことにより、平均スパングル粒径が0.
7 mm以下の微細なスパングルを持っためっき皮膜を形成
することができることを見出した。
られた、Al:40〜70wt%およびSi:0.5〜1.5 wt%を含
有し、めっき表面の平均スパングル粒径が0.7 mm以下の
Zn−Al系合金めっき皮膜を有する、加工性、耐食性、そ
して意匠性にすぐれた溶融Zn−Al系合金めっき鋼板であ
る。
ぞれ低炭素または極低炭素Alキルド鋼スラブから、下記
またはの方法により製造することができる。 C:0.02〜0.08wt%の低炭素Alキルド鋼スラブを、仕
上げ温度840 ℃以上、880 ℃以下で熱間圧延し、550 ℃
以下で巻取った後、70%以上の冷間圧延率で冷間圧延
し、連続焼鈍により650 ℃以上750 ℃以下で再結晶させ
た冷延鋼板を、Al:40〜70wt%およびSi: 0.5〜1.5 wt
%を含有するAl−Zn系合金溶融浴中でめっきを行うこと
を特徴とする、平均スパングル粒径が0.7 mm以下のめっ
き表面を有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼板の製造方
法。
鋼スラブを、仕上げ温度860 ℃以上、900 ℃以下で熱間
圧延し、550 ℃以下で巻取った後、70%以上の冷間圧延
率で冷間圧延し、連続焼鈍により750 ℃以上850 ℃以下
で再結晶させた冷延鋼板を、Al:40〜70wt%およびSi:
0.5〜1.5 wt%を含有するAl−Zn系合金溶融浴中でめっ
きを行うことを特徴とする、平均スパングル粒径が0.7
mm以下のめっき表面を有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼
板の製造方法。
合金溶融浴は、めっき皮膜の加工性の一層の向上を目的
として、Zr、Hf、Vの1種もしくは2種以上を各0.01〜
0.4wt%、および/またはTiを0.40wt%以下、さらに含
有していてもよい。
する。なお、以下の説明においては、%は特に指定のな
い限りwt%である。
Al:40〜70%およびSi: 0.5〜1.5 %とする。所望によ
り、めっき浴中にさらに、Zr、Hf、Vの1種もしくは2
種以上:合計で0.01〜0.4 %、および/またはTi:0.40
%以下を含有させてもよい。めっき浴の残部は、亜鉛お
よび不可避不純物である。めっき皮膜の組成は、めっき
浴組成と実質的に同一となる。
60%とする。Al含有率が40%未満では、浴の溶融温度が
低下し、めっき皮膜の凝固開始温度が500 ℃以下になる
ため、凝固完了までの時間が増大し、スパングル径が大
きくなり、平均で0.7 mm以下のスパングル径とすること
が困難となる。その上、相対的に皮膜中のZn含有率が増
加するため、スパングルを形成するAlデンドライト相が
減少し、スパングル自体が不明瞭になって、本発明で目
的とする微細なスパングルにより与えられる美麗な外
観、即ち、目的とする意匠性が得られなくなる。さら
に、めっき層中のZnリッチ相が増大し、粒界腐食の助長
や選択腐食の促進により、耐食性も劣化する。一方、Al
含有率が70%を超えると、Alリッチ相が増大するため、
Znの犠牲防食性が小さくなり、耐食性が再び低下する。
る脆いFe−Al合金層の発達を抑制するために従来よりZn
−Al合金めっき浴に添加されてきた。前述したように、
Zn−55%Al合金溶融めっきでは、この目的で1.6 %程度
のSiを含有させるのが普通であった。本発明では、次に
述べる理由により、Si含有率を 0.5〜1.5 %に抑える。
形態は、等軸晶および柱状晶の混合状態であり、スパン
グル径はAlリッチの一次デンドライト結晶の成長度に関
係する。通常、Alデンドライト結晶は、板面に対して平
行に成長するが、合金層の成長度が増すと、合金層の影
響を受けて板面と垂直方向に成長するようになり、同時
にスパングルの核発生量も増大して、スパングルが微細
化することが判明した。即ち、板面と垂直方向のAlデン
ドライト結晶の成長と核発生量の増大が起こるように、
合金層をある程度成長させる方が、スパングルは微細化
するのである。このように合金層の厚みと形態を制御
し、スパングル径を小さくするために、本発明ではSi含
有率を 0.5〜1.5 %、好ましくは 0.7 〜1.2 %とす
る。
めっき皮膜−母材界面に形成されるFe−Al−Si合金層の
成長が抑制されすぎ、この合金層が薄く均一に成長する
ため、核発生が少なくなる上、めっき皮膜中のAlデンド
ライト結晶が板面と平行方向にのみ成長するようにな
り、スパングル径が増大する。一方、Si含有率が0.5 %
未満では、Fe−Al−Si合金層が不均一に生成し、さらに
この合金層が成長しすぎて非常に厚くなり、めっき皮膜
の加工性が著しく劣化する。
の加工性をさらに向上させるために、必要に応じてZn−
Al合金めっき皮膜中に含有させてもよい。加工性の改善
は、添加元素がめっき皮膜中で均一に分散し、皮膜中に
析出するSiを球状化し、加工時のめっき皮膜中の応力集
中を緩和することで達成される。
01〜0.4 %、好ましくは0.05〜0.2%の範囲の量で含有
させる。その添加量が0.01%以下では、均一分散による
皮膜の均質化の効果が少なく、また0.4 %超を超える
と、皮膜均質化の効果が飽和するばかりでなく、操業時
のめっき浴からのドロス発生量が増大し、めっき品質と
コストの悪化を招く。
的で、必要に応じてZn−Al合金めっき皮膜中に0.40%以
下の量で含有させることができる。Tiの添加量が0.40%
を超えると、皮膜均質化の効果が飽和するばかりでな
く、操業時のめっき浴からのドロス発生量が増大し、め
っき品質とコストの悪化を招く。Tiを添加させる場合の
好ましい添加量は 0.001〜0.20%である。
Al合金めっき皮膜の表面に現れるスパングルとは、図1
に示すように、核から伸びているAlリッチの一次デンド
ライト結晶 (Al一次デンドライト晶) に囲まれた領域で
ある。従って、この領域の径がスパングル径である。な
お、この一次デンドライト晶から伸びているのが、Al二
次デンドライト晶である。
っき鋼板の表面拡大写真 (例えば3倍拡大) を用いて、
一定距離 (例えば100 mm) 間のスパングル個数を測定す
ることにより行われ、 [測定距離/スパングル個数] に
より平均スパングル径が算出される。
目視でスパングル模様が識別可能となり、本発明で目的
とする微細なスパングルによる意匠性を得ることができ
ない。一方、平均スパングル径が0.7 mm以下では、目視
でのスパングル模様の識別が困難となり、本発明で目的
とする微細なスパングルからなる美麗なめっき表面を持
った意匠性を得ることができる。
%の低炭素Alキルド鋼スラブまたはC:0.006 wt%以下
の極低炭素Alキルド鋼スラブを素材として、これを特定
の条件下で熱間圧延および冷間圧延した後、得られた冷
延鋼板を母材とし、特定条件下で連続焼鈍し、次いで上
記組成のAl−Zn合金溶融浴中で溶融めっきを行うことに
より、平均スパングル粒径が0.7 mm以下の微細スパング
ルのめっき表面を持った溶融Zn−Al合金めっき鋼板が製
造される。
温度が、低炭素Alキルド鋼で840 ℃未満、極低炭素Alキ
ルド鋼で860 ℃未満では、α域圧延になり、結晶粒が粗
大化する結果、細粒を得ることが困難である。また、こ
の仕上げ温度が低炭素Alキルド鋼で880 ℃超、極低炭素
Alキルド鋼で900 ℃超では、γ粒が大きくなり、やはり
結晶粒の細粒を得ることが困難である。
の巻取温度が550 ℃を超えると、低炭素Alキルド鋼と極
低炭素Alキルド鋼のいずれにおいてもα粒が成長し、結
晶粒を細粒とすることが困難である。この巻取温度は好
ましくは 500℃以下とする。
の圧延率が70%未満では、再結晶時の核発生量が少ない
ために再結晶粒が大きくなり、細粒を得ることが困難で
ある。好ましい冷間圧延率は75%以上である。
延鋼板を母材として、連続焼鈍を行った後、上記組成に
調整した溶融めっき浴に浸漬して溶融Zn−Al合金めっき
を施す。焼鈍雰囲気は、NH3 を熱分解して得られるN2+
H2の混合ガス雰囲気が好ましい。
℃未満、極低炭素Alキルド鋼で750℃未満では、再結晶
が起こらない。一方で、連続焼鈍温度が低炭素Alキルド
鋼で750 ℃超、極低炭素Alキルド鋼で850 ℃超では、結
晶粒が粗大化し、細粒を得ることが困難となる。好まし
い連続焼鈍温度は、低炭素Alキルド鋼では 650〜720
℃、極低炭素Alキルド鋼では 750〜800 ℃である。
び溶融めっき前の連続焼鈍を行うと、鋼板の結晶粒が細
粒となり、この上に上記の溶融Zn−Al合金めっきを施し
た際に、母材−めっき界面の粒界が多くなり、さらに上
述のようにめっき浴中のSi濃度を抑制することによっ
て、Alデンドライト晶の板面と垂直方向への成長の促進
(板面と平行方向の成長の抑制)とスパングルの核発生
の促進を図ることにより、0.7 mm以下という小さい平均
スパングル径を確保することが可能となる。
よく、特に制限されない。Alを40〜70%含有する溶融Zn
−Al合金めっき浴の浴温は普通 530〜600 ℃である。連
続焼鈍した冷延鋼板は、外気に触れないように不活性雰
囲気下に保持されたスナウトを通す間に、この浴温付近
まで冷却され、溶融めっき浴に浸漬される。浴から出た
直後、ガスワイピングノズル等の慣用の付着量制御手段
により、めっき付着量を制御する。付着量は特に制限さ
れないが、通常は片面当たり35〜100 g/m2、好ましくは
45〜90 g/m2 である。溶融めっきは、普通には両面めっ
きであるが、周知の方法を利用して片面めっきとするこ
ともできる。
て、めっき皮膜を凝固させる。この時の冷却は、通常の
空冷でよく、従来の微細スパングル技術で採用されたよ
うな急冷 (例、送風量の極端な増大、水冷、微粒子の吹
付け等) を行う必要はない。従って、従来の連続溶融め
っき設備を改造する必要がない。通常の空冷でも、熱間
圧延、冷間圧延、めっき前の連続焼鈍の各条件、および
めっき浴組成を上記のように制御すれば、平均スパング
ル径が0.7 mm以下という微細スパングル表面を持った溶
融Zn−Al合金めっき皮膜を得ることができる。
き中に生じた歪みを除去するために、めっき鋼板をレベ
ラーまたはスキンパスロールで軽く圧下してから巻き取
る。スパングルが粗大であると、この圧下時にスパング
ルが不均一になって外観が劣化し、或いは塗装あとの外
観むらを生ずる原因となっていた。しかし、本発明では
スパングルが微細化されているため、スキンパス圧下を
行っても、このような外観劣化や塗装時の外観むらがほ
とんどみられない。
1に示す仕上げ温度および巻取温度で熱間圧延した後、
同じく表1に示す冷間圧延率で冷間圧延することによ
り、0.8 mm厚の冷延鋼板を得た。
により表面清浄化した後、N2+H2ガス雰囲気の焼鈍炉で
表1に示す焼鈍温度において60秒の連続焼鈍を施し、続
いて表1に示した浴組成 (残部:亜鉛および不可避不純
物) の溶融Zn−Al合金めっき浴を用いて両面溶融めっき
を施し、ワイピングノズルで片面当たり80 g/m2 のめっ
き付着量に制御し、通常の空冷(送風量500 Nm3/分)に
より冷却して、溶融Zn−Al合金めっき鋼板を得た。
スパングル径、加工性および耐食性を次のようにして評
価した結果を、総合評価と共に、表1に併せて示す。平均スパングル径 めっき表面の2倍拡大写真を用いて、100 mm長さ当たり
のスパングル個数を測定し、[100/スパングル個数] に
より平均スパングル径 (mm) を算出した。
げ部のめっき皮膜の割れ幅および割れ数をSEM (走査
型電子顕微鏡) で観察し、下記基準により評価した。 ×:割れ大、一部剥離あり、 △:割れ中、剥離なし、 ○:割れ小、剥離なし、 ◎:割れ極少、剥離なし。
時間行った後、赤錆発生面積率を目視判定により求め、
下記基準により評価した。 ×:50%以上の赤錆発生、 △:5〜50%の赤錆発生、 ○:5%以下の赤錆発生、 ◎:赤錆全くなし。
×とする)。
004 %の極低炭素Alキルド鋼スラブを用いた以外は、実
施例1と同様にして熱間圧延、冷間圧延、めっき前の焼
鈍、および溶融Zn−Al合金めっきを行った。熱間圧延の
仕上げおよび巻取り温度、冷間圧延率、焼鈍温度、およ
びめっき浴組成を表2にまとめて示す。得られた溶融Zn
−Al合金めっき鋼板の平均スパングル径、加工性および
耐食性を上記のように評価した結果を総合評価と共に、
表1に併せて示す。
に従って溶融Zn−Al合金めっき鋼板を製造すると、平均
スパングル径が0.7 mm以下で、加工性や耐食性も良好で
あった。これに対し、めっき浴 (めっき皮膜) 中のAl含
有率が40%未満であるか、Si含有率が1.5 %を超える
と、平均スパングル径は1.0 mmを超え、スパングルが著
しく粗大となった。Al含有率が30〜70%の範囲外、また
はSi含有率が0.5 %未満では、加工性や耐食性が著しく
劣化した。また、めっき皮膜中の任意添加元素の添加量
が上限を超えたり、或いは各工程の条件が本発明の範囲
外では、いずれも鋼板の細粒化が不十分で、平均スパン
グル径を0.7 mm以下まで微細化することができず、また
加工性や耐食性も著しく或いはやや劣化した。
備を改造せずにそのまま利用して、加工性や耐食性を劣
化させることなく、ミニマムスパングル化された、意匠
性に優れた溶融Zn−Al合金めっき鋼板を得ることが可能
となる。
鋼板で代表される優れた耐食性と、過酷な曲げ加工に耐
える良好な加工性とを有しており、しかも目視で判別で
きない微細スパングルからなる意匠性の高い外観を有す
るため、塗装せずに生地のまま、建材、家電製品、その
他の器物などに使用できる。また、スパングルが微細で
あるため、塗装を施した後の外観むらが少ないので、自
動車車体のように塗装用途にも使用でき、それにより従
来の亜鉛めっき鋼板に比べてさらに高い耐食性を自動車
車体に付与することができる。
次デンドライト晶) を示す説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 めっき後空冷により得られた、Al:40〜
70wt%及びSi: 0.5〜1.5 wt%を含有し、めっき表面の
平均スパングル粒径が0.7 mm以下のZn−Al系合金めっき
皮膜を有する、加工性、耐食性、そして意匠性にすぐれ
た溶融Zn−Al系合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 前記Zn−Al系合金めっき皮膜がさらに、
Zr、Hf、Vの1種もしくは2種以上を各0.01〜0.4 wt
%、および/またはTiを0.40wt%以下含有する、請求項
1記載の溶融Zn−Al系合金めっき鋼板。 - 【請求項3】 C:0.02〜0.08wt%の低炭素Alキルド鋼
スラブを、仕上げ温度840 ℃以上880 ℃以下で熱間圧延
し、550 ℃以下で巻取った後、70%以上の冷間圧延率で
冷間圧延し、連続焼鈍により650 ℃以上750 ℃以下で再
結晶させた冷延鋼板を、Al:40〜70wt%およびSi: 0.5
〜1.5 wt%を含有するAl−Zn系合金溶融浴中でめっきを
行うことを特徴とする、平均スパングル粒径が0.7 mm以
下のめっき表面を有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼板の
製造方法。 - 【請求項4】 C:0.006 wt%以下の極低炭素Alキルド
鋼スラブを、仕上げ温度860 ℃以上900 ℃以下で熱間圧
延し、550 ℃以下で巻取った後、70%以上の冷間圧延率
で冷間圧延し、連続焼鈍により750 ℃以上850 ℃以下で
再結晶させた冷延鋼板を、Al:40〜70wt%およびSi:
0.5〜1.5 wt%を含有するAl−Zn系合金溶融浴中でめっ
きを行うことを特徴とする、平均スパングル粒径が0.7
mm以下のめっき表面を有する溶融Zn−Al系合金めっき鋼
板の製造方法。 - 【請求項5】 前記Zn−Al系合金溶融浴がさらに、Zr、
Hf、Vの1種もしくは2種以上を各0.01〜0.4 wt%、お
よび/またはTiを0.40wt%以下含有する、請求項3また
は4記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8022786A JP3052822B2 (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 微小スパングル溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8022786A JP3052822B2 (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 微小スパングル溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09209109A JPH09209109A (ja) | 1997-08-12 |
JP3052822B2 true JP3052822B2 (ja) | 2000-06-19 |
Family
ID=12092369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8022786A Expired - Fee Related JP3052822B2 (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 微小スパングル溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3052822B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003213396A (ja) * | 2002-01-18 | 2003-07-30 | Jfe Engineering Kk | 加工性と加工部耐食性に優れた表面処理鋼板及びその製造方法 |
WO2005056863A1 (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-23 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
MY141385A (en) * | 2005-04-05 | 2010-04-30 | Bluescope Steel Ltd | Metal-coated steel strip |
AU2006230798C1 (en) * | 2005-04-05 | 2024-01-04 | Bluescope Steel Limited | Metal-coated steel strip |
CN101880800A (zh) * | 2010-05-26 | 2010-11-10 | 上海大学 | 具有细小晶粒和高耐蚀性的高Al系Al-Zn-Si-Ti热浸镀合金 |
KR102395454B1 (ko) * | 2020-08-27 | 2022-05-09 | 현대제철 주식회사 | 스팽글 크기를 제어하는 용융아연도금 강판의 제조방법 및 용융아연도금 강판의 제조장치 |
CN115161547A (zh) * | 2022-04-27 | 2022-10-11 | 日照钢铁控股集团有限公司 | 一种耐大气腐蚀花纹板的制造方法 |
-
1996
- 1996-02-08 JP JP8022786A patent/JP3052822B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09209109A (ja) | 1997-08-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5825244B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP7063431B1 (ja) | めっき鋼材 | |
JPS5891162A (ja) | 溶融亜鉛めつき鋼板の製造方法 | |
JP3052822B2 (ja) | 微小スパングル溶融Zn−Al系合金めっき鋼板とその製法 | |
JP3159135B2 (ja) | 微小スパングル溶融亜鉛合金めっき鋼板と製造方法 | |
JP3520741B2 (ja) | めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JP2002004018A (ja) | 塗装後耐食性が良好でプレス加工性の良い高強度溶融亜鉛めっき鋼板と塗装鋼板 | |
CN116685706B (zh) | 镀覆钢材 | |
JP2004143506A (ja) | 外観品位に優れた溶融めっき鋼板および溶融めっき鋼板の製造方法 | |
EP0632141B1 (en) | Surface treated steel sheet and method therefore | |
JP3360594B2 (ja) | 溶融Zn−Al系めっき鋼板のスパングル調整方法 | |
JP3599716B2 (ja) | 表面外観および曲げ加工性に優れた溶融Al−Zn系合金めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP2022067841A (ja) | めっき鋼材、およびめっき鋼材の製造方法 | |
JP2002371342A (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JPH1088309A (ja) | 摺動性及び電着塗装時の耐クレータリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 | |
JP3185530B2 (ja) | 耐食性に優れた深絞り用表面処理鋼板及びその製造方法 | |
JPH10140316A (ja) | 加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP7436948B1 (ja) | めっき鋼板 | |
JP3179202B2 (ja) | めっき密着性及びプレス加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP3198902B2 (ja) | 薄目付け溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP7265217B2 (ja) | ホットスタンプ用めっき鋼板 | |
WO2024038664A1 (ja) | めっき鋼板 | |
JP2565054B2 (ja) | 深絞り性とめっき密着性の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP2003251401A (ja) | 冷延鋼板の製造方法および溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP3184445B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000307 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080407 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407 Year of fee payment: 13 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407 Year of fee payment: 13 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140407 Year of fee payment: 14 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |