JP3577288B2 - 輪転機の停電時制御方法及び停電時制御装置 - Google Patents

輪転機の停電時制御方法及び停電時制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、輪転機の制御方法及び制御装置に係り、特に、それぞれ別個の駆動源によって印刷部と折部とを駆動して印刷稼動する所謂シャフトレス輪転機の、停電時の制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の輪転機は、例えば特公昭60−36946号公報に開示されるように、輪転機を構成する印刷部、折部などに設けられた複数の駆動源(主電動機)を、駆動伝動軸(主軸)とクラッチとを介して連結し、一体化した駆動源によって輪転機全体を駆動し、印刷稼動させるものであった。
【0003】
これに対し、昨今、例えば特許第3037650号公報や特許第3059081号公報に開示されるような、複数の駆動源がそれぞれ異なる被駆動部を個別に駆動するようにし、各駆動源や被駆動部の回転速度と回転位相とが夫々適切に整合するよう電気的に同期制御するようにした、所謂シャフトレス輪転機が、印刷稼動における様々な利点を有することから、一気に普及しはじめている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記昨今一気に普及しはじめた所謂シャフトレス輪転機では、印刷稼動中に電気的な同期制御が不能になった場合、例えば停電などの電源ダウンが発生して給電が遮断された場合、各駆動源と被駆動部とがその慣性力で回転するようになり、良好な印刷が行われないのは勿論のこと、輪転機内を走行する連続紙に統一性のない張力が作用して連続紙の破断が生じ、破断した連続紙が回転部に巻き付くなどのトラブルが生じることがあった。そして、この巻き付いた連続紙の除去や走行コースへの連続紙の通し直しなど印刷稼動可能状態への復旧に多くの時間を必要とし、電源が回復しても即座に印刷稼動を再開することができず、これは、例えば新聞印刷などの迅速かつタイムリーな印刷を要する印刷では、解決を必要とする極めて重大な課題となっていた。
【0005】
他方、この課題の解決策として、前記特許第3037650号公報に開示されたシャフトレス輪転機では、電源トラブルなどで給電が遮断されたときに被駆動部分を個別に制動して輪転機を停止するようにしている。しかし、この輪転機の制御では、給電が遮断された後に各被駆動部が回転を続けようとする慣性力に差があり、またこの慣性力による回転を制動しようとする制動力にも少なからぬ差があり、更に、各制動部における制動開始のタイミングに若干のずれが生じるため、各被駆動部の制動作用による回転速度低下開始のタイミングや停止に至るまでの時間にばらつきが生じてしまい、やはり、輪転機内を走行する連続紙に統一性のない張力が作用し、連続紙が破断し、破断した連続紙が回転部に巻き付くのを回避できなかった。
【0006】
この発明は、電気的に同期制御されるシャフトレス輪転機において、電源トラブルなどで給電が遮断されたときでも、輪転機内を走行する連続紙に統一性のない張力が作用しないようにし、連続紙が破断して破断した連続紙が回転部に巻き付くことを防止し、電源が回復した後即座に印刷稼動を再開することができるようにすることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、特許請求の範囲に記載した構成によって前記目的を達成しようとするものである。
【0008】
即ち、第1の発明は、それぞれ別個の駆動源によって印刷部と折部とを駆動し、かつ給紙部で制動している被印刷材を少なくとも折部で牽引するとともに、印刷部のブランケット胴を被印刷材に接触させて印刷稼動する輪転機の制御方法において、
停電による給電停止により、給紙部での被印刷材の制動を一定の制動力によって行うように切り替え、
停電時の電圧降下を検出して停電信号を出力するとともに、電源を蓄電電源に切替え、
停電信号と蓄電電源からの電力とにより、印刷稼動中のブランケット胴を被印刷材から離隔し、
かつ、停電信号と蓄電電源からの電力とにより、折部での被印刷材の牽引機構を予め定めた所定時間内に減速を経て停止する
ようにする。
【0009】
また第2の発明は、それぞれ別個の駆動源によって印刷部と折部とを駆動し、かつ給紙部で制動している被印刷材を少なくとも折部で牽引するとともに、印刷部のブランケット胴を被印刷材に接触させて印刷稼動する輪転機の制御において、
停電による給電停止により、給紙部での被印刷材の制動を停電前の制動力よりも強い一定の制動力によって行うように切り替え、
停電時の電圧降下を検出して停電信号を出力するとともに、電源を蓄電電源に切替え、
停電信号と蓄電電源からの電力とにより、印刷稼動中のブランケット胴を被印刷材から離隔し、
かつ、停電信号と蓄電電源からの電力とにより、折部での被印刷材の牽引機構を予め定めた所定時間内に減速を経て停止する
ようにする。
【0010】
更に第3の発明は、それぞれ別個の駆動源を印刷部と折部とに有し、被印刷材引き出しに対する被印刷材制動機構を給紙部に有し、ブランケット胴を被印刷材に対して接触方向と離隔方向に選択的に移動させるブランケット胴移動機構を印刷部に有し、ドラッグローラーの回転によって被印刷材を牽引する被印刷材牽引機構を少なくとも折部の最上流に有する輪転機において、
停電による給電停止により、制動力が一定である停電時制動力に切り替え可能に設けた被印刷材制動機構と、
電力入力側が外部電源に連結され、停電時の電力入力側の電圧降下を検出して停電信号を出力する停電信号出力部、及び停電時の電力入力側の電圧降下にともなって電力出力側に電力出力する蓄電電源部を有する無停電電源部と、
各駆動源の回転基準を示す基準パルス信号を出力する回転制御信号出力部と、
回転制御信号出力部の出力する基準パルス信号が示す回転基準に基づいて印刷部と折部の駆動源の回転速度を補正するべく各駆動源ごとに設けられた駆動源制御部と、
ブランケット胴を選択的に被印刷材に対し接触又は離隔させるべくブランケット胴移動機構を動作させる移動機構制御部と、
を有し、
更に、回転制御信号出力部並びに前記制御部のうち少なくとも折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーの駆動源制御部及び移動機構制御部が、無停電電源部の電力出力側に連結されるとともに、無停電電源部の電力出力側に連結されない制御部が外部電源と直接連結され、
少なくとも回転制御信号出力部及び移動機構制御部が、無停電電源部の停電信号出力部に連結されて設けられ、
停電にともなって少なくとも折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーの駆動源制御部、回転制御信号出力部及び移動機構制御部が動作し、停電信号出力部の信号に基づいてブランケット胴を被印刷材から離隔させるとともに、折部最上流の被印刷材牽引機構を、回転制御信号出力部が出力する基準パルス信号が示す回転基準に基づいて予め定めた所定時間で減速させ停止させるように設けられる。
【0011】
この発明の構成によれば、外部電源の停電などの電源トラブルが発生した場合以下のとおりの作用が行われる。
【0012】
まず、外部電源の停電などの電源トラブルによって無停電電源部の電力入力側の電圧が降下すると、無停電電源部は、停電信号出力部が停電信号を出力するとともに、蓄電電源部から電力出力側に電力を出力する。また、給紙部の被印刷材制動機構は、外部電源の停電などの電源トラブルによって給電が停止すると、制動力が一定であるように切り替えられる。
【0013】
出力された停電信号は、少なくとも回転制御信号出力部及び移動機構制御部に入力される。また、蓄電電源部から電力出力側に出力された電力は、少なくとも折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーの駆動源制御部、回転制御信号出力部及び移動機構制御部に入力される。
【0014】
回転制御信号出力部及び移動機構制御部は、停電信号の入力により輪転機停止モードに切り替えられ、蓄電電源部からの電力によって輪転機停止モードの作動を行う。また、ドラッグローラー駆動源制御部は、蓄電電源部からの電力によって回転制御信号出力部が出力する輪転機停止モードの信号に従って駆動源制御作動を続ける。すなわち、回転制御信号出力部は、輪転機内を走行する被印刷材を、減速を経て予め定められた時間内に停止させるべく、折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーを次第に減速させて停止させる制御信号を出力する。この制御信号を受けて、ドラッグローラー駆動源制御部は、折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーの回転駆動を減速し終には停止させる。なお、減速から停止に至る時間は、蓄電電源部からの給電が可能な時間内に定められる。
【0015】
移動機構制御部は、停電信号を受けると即座にブランケット胴移動機構を動作させ、それまで被印刷材に接触する印刷位置に位置していたブランケット胴を被刷材から離隔した非印刷位置に移動させる。
【0016】
この間、制動力が一定であるように切り替えられた給紙部の被印刷材制動機構は、被印刷材が折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーの回転によって引き出されるのを、一定の制動力で制動し続ける。
【0017】
以上記載のとおり、回転制御信号出力部、ドラッグローラー駆動源制御部、移動機構制御部及び被印刷材制動機構が作動し、輪転機内を走行する被印刷材は、一定の制動力下で電気的制御によって減速され停止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の一つの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、オフセット輪転機に、本発明に係る停電時制御装置の1つの実施の形態を適用したものを示す説明図である。図1においてはそれぞれ4つの印刷機構Pを有する印刷部CT1、CT2、印刷された連続紙Wを所定の印刷画像ごとに切断して折り畳む折部FD及び印刷部CT1、CT2ごとに設けられ対応する印刷部CT1又はCT2に被印刷材である連続紙Wを供給する給紙部SP1、SP2を備えたオフセット輪転機が示されている。
【0020】
各印刷部CT1、CT2の印刷機構Pは、ブランケット胴BCと版胴PCとの印刷カップルが2組ずつ設けられている。
【0021】
各印刷カップルは、版胴PCが伝動手段GTを介して、駆動手段Mによって駆動される。またブランケット胴BCは、版胴PC、及び版胴PCとブランケット胴BCとの両胴間に設けられた図示しない伝動手段を介して、駆動手段Mによって駆動される。すなわち、各印刷部CT1、CT2の印刷機構Pは、それぞれ独立した駆動手段Mで駆動されるようになっている。各印刷部CT1、CT2の上流近傍には、連続紙Wを対応する印刷部CT1又はCT2に送り込むインフィードローラーINが設けられており、また各印刷部CT1、CT2の下流近傍には、連続紙Wを対応する印刷部CT1又はCT2から引き出すアウトフィードローラーOTが設けられており、これらのローラーはいずれも、伝動手段GTを介して駆動手段Mによって駆動される。インフィードローラーINの上流には、例えばダンサーローラーを用いた張力検出機構である第1張力検出手段DNが、アウトフィードローラーOTの上流には、例えば歪みゲージを用いた張力検出機構である第2張力検出手段TPが設けられている。
【0022】
また、折部FDは、折胴FCが伝動手段GTを介して、また他の胴は折胴FCと他の胴との間に設けられた図示しない伝動手段を介して、駆動手段Mによって駆動される。折胴FCの上流近傍には、連続紙Wを折胴FCと他の胴とが近接する隙間に送り込むニッピングローラーNIが設けられており、また折部FDの最上流には、連続紙Wを折部FDに送り込むドラッグローラーDRが設けられており、これらのローラーはいずれも、伝動手段GTを介して駆動手段Mによって駆動される。
【0023】
なお、上記いずれの胴及びローラーにおいても、伝動手段GTをなくして駆動手段Mで直接駆動するようにしてもよい。
【0024】
前記駆動手段Mには、各駆動手段Mに応する駆動源制御部3である、(i)#11〜#18と#21〜#28との印刷カップル駆動源制御部30、(ii)#10と#20とのインフィードローラー駆動源制御部31、(iii) #19と#29とのアウトフィードローラー駆動源制御部32、(iv)#97のドラッグローラー駆動源制御部33、(v)#98のニッピングローラー駆動源制御部34、(vi)#99の折胴駆動源制御部35が設けられている。また更に駆動手段Mの回転の角変位量に比例する数だけの、第1パルス信号を出力するとともに、1回転ごとに第2パルス信号(Z相パルス信号)を出力するフィードバック信号出力部であるZ相付きロータリーエンコーダー(インクリメンタルエンコーダー;以下、エンコーダーとする)ENが設けられている。駆動源制御部3は、図5で説明する入力側インターフェース36、連結ケーブル92を介して回転制御信号出力部2に接続されている。
【0025】
さらに、印刷部CT1、CT2の各印刷カップルには、それぞれのブランケット胴BCのブランケット面を連続紙Wに対して接触させ又は離隔させるべく、選択的にブランケット胴BCを移動させる、例えばエアーシリンダーを駆動源としたブランケット胴移動機構である所のブランケット胴切替機構6が設けられ、各ブランケット胴切替機構6・・は、各印刷部CT1又はCT2のブランケット胴切替機構6・・の動作を制御する移動機構制御部60に、連結配管93を介して連結されている。また、前記折部FDの最上流に設けられた連続紙Wを折部FDに送り込むドラッグローラーDRには、このドラッグローラーDRに連続紙Wを押し付けながら回転可能な回転部材PRがドラッグローラーDRの軸方向に離隔した適宜の複数個所に設けられ、各回転部材PR・・は、回転部材押付け機構7に連結され、さらに回転部材押付け機構7は、回転部材PR・・による連続紙WをドラッグローラーDRに押し付ける押付け力を切り替える押付け力制御部70に、連結配管94を介して連結されている。
【0026】
給紙部SP1,SP2には、それぞれ連続紙Wの巻取体WRの支持機構(図示せず)が複数設けられるとともに、各支持機構ごとに、例えばエアー作動ブレーキを有する被印刷材制動機構8・・が設けられ、各被印刷材制動機構8・・は、連続紙Wへの制動力切換えをする被印刷材制動制御部80に、連結配管95を介して連結されている。
【0027】
他方、図示しない外部電源と連結されて無停電電源部1が設けられている。図2に示す如く、無停電電源部1には、電力入力側にコンバーター部11、電力出力側にインバーター部13が設けられるとともに、蓄電電源部12及び停電信号出力部14が設けられており、当該無停電電源部1は、外部電源から給電された交流電力をコンバーター部11で一旦直流電力に変換して蓄電電源部12に蓄えるとともに、変換した直流電力をインバーター部13で交流電力に戻して電力出力するように構成されている。また、停電信号出力部14は、外部電源が停電するなどしてコンバーター部11へ給電される電力の電圧が低下すると、これを検知して停電信号を出力する。出力された停電信号は、連結ケーブル96を介して回転制御信号出力部2、移動機構制御部60、押付け力制御部70に入力される。
【0028】
無停電電源部1の電力出力側には、前記ドラッグローラー駆動源制御33、移動機構制御部60及び押付け力制御部70が、連結ケーブル91を介して連結されている。また、印刷カップル駆動源制御30、インフィードローラー駆動源制御31、アウトフィードローラー駆動源制御32、ニッピングローラー駆動源制御34、折胴駆動源制御35及び被印刷材制動制御部80は、連結ケーブル90を介して図示しない外部電源と連結されている。
【0029】
なお、図1の中央上部に示す符号ADは、連続紙Wを幅方向の中央で長手方向と平行に切断し、かつ折部での切断単位となる画像位置が長手方向で一致した状態で重ね合わせる重ね合せ機構であるが、本発明に関係しないので詳細な説明を省略する。
【0030】
次に、以上記載の構成による作動について説明するとともに、図1に示す停電時制御装置をブロック図で示した図2乃至図5を参照してその構成を若干詳細に説明する。
【0031】
輪転機は、外部電源にトラブルが無いときは通常のように稼動する。すなわち、外部電源がONされると、無停電電源部1、印刷カップル駆動源制御部30、インフィードローラー駆動源制御部31、アウトフィードローラー駆動源制御部32、ニッピングローラー駆動源制御部34、折胴駆動源制御部35及び被印刷材制動制御部80に、連結ケーブル90を介して電力供給される。電力供給された無停電電源部1では、入力された電力がコンバーター部11で交流から直流に変換され、さらにインバーター部13で交流から直流に変換されて出力され、回転制御信号出力部2、ドラッグローラー駆動源制御部33、移動機構制御部60及び押付け力制御部70に給電される。また、無停電電源部1では、交流から直流に変換された電力が蓄電電源部12に蓄えられる。
【0032】
このような状態になった後、回転制御信号出力部2(図3参照)の入力操作部21から、例えば起動、次に増速といった輪転機の稼動操作信号を入力し、輪転機を作動させる。稼動操作信号を入力された回転制御信号出力部2は、処理部22で入力された稼動操作信号に見合う制御信号、例えば回転基準を示す基準パルス信号を出力させるべく制御信号発生部23に信号出力指令する。処理部22から信号出力指令された制御信号発生部23は、指令にしたがって制御信号を出力し、この信号は、出力側インターフェース24を介して連結ケーブル92に出力される。
【0033】
連結ケーブル92に出力された回転制御信号出力部2が出力した信号は、図5に示す如く、入力側インターフェース36を介して各駆動源制御部3・・に入力される。回転制御信号出力部2が出力した信号を入力された駆動源制御部3は、この信号を処理部37で処理して基準位相と基準速度を抽出するとともに、エンコーダーENが出力する第1パルス信号及び第2パルス信号から対応する駆動手段Mの当該時点における位相と速度とを抽出し、さらに抽出した基準位相と駆動手段Mの当該時点における位相とを比較し、かつ基準速度と駆動手段Mの当該時点における速度とを比較し、速度差及び位相差をなくすべく基準速度を補正した補正信号を出力し、増幅器38を介して補正信号に見合った適宜の駆動電力を駆動手段Mに供給する。なお、駆動源制御部3のうち、インフィードローラー駆動源制御部31は前記基準速度を補正する際に第1張力検出手段DNの出力信号をも取り込んで補正し、アウトフィードローラー駆動源制御部32は前記基準速度を補正する際に第2張力検出手段TPの出力信号をも取り込んで補正している。
【0034】
このようにして、輪転機の各駆動回転部は同期回転駆動される。
この同期回転駆動される間、移動機構制御部60(図4参照)は、予め定められた輪転機起動後の適宜のタイミングでブランケット胴移動切替電磁弁61を切り替え、ブランケット胴切替機構6を動作させて、同期回転駆動によって走行する連続紙Wにブランケット胴BCのブランケット面を接触させ、この状態を維持する。押付け力制御部70(図4参照)は、輪転機起動とともに電空変換器71で予め設定された空圧を回転部材押付け機構7に供給して回転部材PRをドラッグローラーDRに押付け、ドラッグローラーDRに接触して案内される連続紙Wを回転部材PRによってドラッグローラーDRに押し付ける。また、被印刷材制動制御部80は、当該印刷稼動時点の連続紙Wの巻取体WRの径に応じて被印刷材制動電磁弁81を切り替え、当該印刷稼動時点の連続紙Wの巻取体WRの径に見合った制動を行うべく被印刷材制動機構8を作動させるとともに、公知の給紙張力検出手段(図示せず)の検出する給紙張力に応じて、被印刷材制動機構8に供給する空圧を常時調整させる。なお、当該印刷稼動時点の連続紙Wの巻取体WRの径は適宜公知の検出手段(図示せず)で検出すればよい。
【0035】
以上記載の状態で輪転機が通常稼動しているときに、外部電源に停電が生じると、図1に示す停電時制御装置は、次のように制御作動する。
【0036】
すなわち、図2を参照すると判る如く、無停電電源部1は、コンバーター部11に入力される電力の電圧が低下したのを停電信号出力部14が検出して停電信号を出力するとともに、蓄電電源部12から直流電力が出力され、この直流電力をインバーター部13で交流電力に変換して出力する。無停電電源部1が出力した停電信号は、連結ケーブル96を介して回転制御信号出力部2、移動機構制御部60及び押付け力制御部70に入力され、無停電電源部1が出力した蓄電電源部12からの直流電力に基づく交流電力は、連結ケーブル91を介して回転制御信号出力部2、ドラッグローラー駆動源制御部33、移動機構制御部60及び押付け力制御部70に入力される。
【0037】
他方、連結ケーブル90を介して外部電源と直接連結された印刷カップル駆動源制御部30、インフィードローラー駆動源制御部31、アウトフィードローラー駆動源制御部32、ニッピングローラー駆動源制御部34、折胴駆動源制御部35及び被印刷材制動制御部80は、電力の供給が停止される。
【0038】
すると、停電信号と無停電電源部1が出力した蓄電電源部12からの直流電力に基づく交流電力とを共に入力されている回転制御信号出力部2は、駆動回転されている部分を、予め定めた所定時間、例えば15秒で減速し停止させるよう、当該駆動手段Mを回転させる回転基準を示す信号を出力する。そして、無停電電源部1が出力した蓄電電源部12からの直流電力に基づく交流電力を入力されたドラッグローラー駆動源制御部33は、ドラッグローラーDRを、無停電電源部1が出力する前記駆動手段Mを減速停止させるよう回転させる回転基準を示す信号に従って回転制御する。加えて、停電信号と無停電電源部1が出力した蓄電電源部12からの直流電力に基づく交流電力とを共に入力された押付け力制御部70は、電空変換器71で予め設定された空圧を維持し又は電空変換器71で予め設定された空圧をより強い値に変更し、回転部材押付け機構7に供給して回転部材PRをドラッグローラーDRに押付け、ドラッグローラーDRに接触して案内される連続紙Wを回転部材PRによってドラッグローラーDRに押し付ける状態を維持する。したがって、ドラッグローラーDRは、外部電源に停電トラブルが生じた後も、連続紙Wを制御回転のもとで減速しながら牽引し、終には停止する。
【0039】
また、停電信号と無停電電源部1が出力した蓄電電源部12からの直流電力に基づく交流電力とを共に入力された移動機構制御部60は、図4から判る如く、即座にブランケット胴移動切替電磁弁61を切り替え、ブランケット胴切替機構6を動作させて、連続紙Wからブランケット胴BCのブランケット面を離隔させ、この状態を維持する。
【0040】
他方、電力の供給が停止された印刷カップル駆動源制御部30、インフィードローラー駆動源制御部31、アウトフィードローラー駆動源制御部32、ニッピングローラー駆動源制御部34、折胴駆動源制御部35は、制御作動を停止する。したがって、印刷カップルを構成する版胴PCとブランケット胴BC、インフィードローラーIN、アウトフィードローラーOTはそれぞれ駆動手段Mによる制御回転から慣性力による回転に切り替わる。しかし、前記したようにブランケット胴BCのブランケット面が連続紙Wから離隔させられており、連続紙Wに印刷カップルの回転による大きなかつ不規則な張力が作用することが無い。
【0041】
また、電力の供給が停止された被印刷材制動制御部80は、被印刷材制動電磁弁81が内蔵されたスプリングによって切り替えられ、連続紙Wの巻取体WRの径に無関係にまた給紙張力に無関係に、被印刷材制動機構8が制動機能を最大限に発揮する状態に切り替えられる。
【0042】
以上記載のとおり、外部電源に停電トラブルが生じると輪転機は、ブランケット胴BCが離隔した連続紙Wは、給紙部SP1、SP2の被印刷材制動機構8が最大制動機能を発揮した状態のもとで、ドラッグローラーDRの制御回転によって牽引され、予め定められた所定時間内に停止させられる。また、停止するまでの間に不規則かつ大きな張力が作用しないので、連続紙Wが切断することもない。
【0043】
なお、停電信号と無停電電源部1が出力した蓄電電源部12からの直流電力に基づく交流電力を、ドラッグローラー駆動源制御部33に加え、インフィードローラー駆動源制御部31、アウトフィードローラー駆動源制御部32、ニッピングローラー駆動源制御部34、折胴駆動源制御部35にも入力し、これらに対応する駆動手段Mを、前記ドラッグローラー駆動源制御部33によるドラッグローラーDRの駆動手段Mの制御と同様の制御を行わせるようにしてもよいことは勿論である。更にまた、印刷カップル駆動源制御部3と印刷カップルを駆動する駆動手段Mについても同様の作動を行わせるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上記載のとおりであり、この発明の実施により、電気的に同期制御されるシャフトレス輪転機において、電源トラブルなどで給電が遮断されたときでも、輪転機内を走行する連続紙に統一性のない張力が作用して連続紙が破断することを無くすことができた。したがって破断した連続紙が回転部に巻き付くことがなくなり、電源が回復した後即座に印刷稼動を再開することができるようになり、新聞印刷のような迅速タイムリーな印刷に大きな支障をきたすことが無くなった。また、輪転機の作動率向上にも極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】オフセット輪転機に、本発明に係る停電時制御装置の1つの実施の形態を適用したものを示す説明図である。
【図2】図1に示す停電時制御装置の構成を示し無停電電源部の構成を若干詳細に示すブロック図である。
【図3】図1に示す停電時制御装置の構成を示し回転制御信号出力部の構成を若干詳細に示すブロック図である。
【図4】図1に示す停電時制御装置の構成を示し移動機構制御部及び押付け力制御部の構成を若干詳細に示すブロック図である。
【図5】図1に示す停電時制御装置の構成を示し駆動源制御部及び被印刷材制動制御部の構成を若干詳細に示すブロック図である。
【符号の説明】
1:無停電電源部
2:回転制御信号出力部
3:駆動源制御部
6:ブランケット胴切替機構
7:回転部材押付け機構
8:被印刷材制動機構
11:コンバーター部
12:蓄電電源部
13:インバーター部
14:停電信号出力部
21:入力操作部
22:処理部
23:制御信号発生部
24:出力側インターフェース
30:印刷カップル駆動源制御部
31:インフィードローラー駆動源制御部
32:アウトフィードローラー駆動源制御部
33:ドラッグローラー駆動源制御部
34:ニッピングローラー駆動源制御部
35:折胴駆動源制御部
36:入力側インターフェース
37:処理部
38:増幅器
60:移動機構制御部
61:ブランケット胴移動切替電磁弁
70:押付け力制御部
71:電空変換器
80:被印刷材制動制御部
81:被印刷材制動電磁弁
90:連結ケーブル
91:連結ケーブル
92:連結ケーブル
93:連結配管
94:連結配管
95:連結配管
96:連結ケーブル
AD:重ね合せ機構
BC:ブランケット胴
CT1、CT2:印刷部
DR:ドラッグローラ−
DN:第1張力検出手段
EN:エンコーダー
FC:折胴
FD:折部
GT:伝動手段
IN:インフィードローラー
M:駆動手段
NI:ニッピングローラー
OT:アウトフィードローラー
P:印刷機構
PC:版胴
PR:回転部材
SP1、SP2:給紙部
TP:第2張力検出手段
W:連続紙
WR:連続紙の巻取体

Claims (5)

  1. それぞれ別個の駆動源によって印刷部と折部とを駆動し、かつ給紙部で制動している被印刷材を少なくとも折部で牽引するとともに、印刷部のブランケット胴を被印刷材に接触させて印刷稼動する輪転機の制御方法において、
    停電による給電停止により、給紙部での被印刷材の制動を一定の制動力によって行うように切り替え、
    停電時の電圧降下を検出して停電信号を出力するとともに、電源を蓄電電源に切替え、
    停電信号と蓄電電源からの電力とにより、印刷稼動中のブランケット胴を被印刷材から離隔し、
    かつ、停電信号と蓄電電源からの電力とにより、折部での被印刷材の牽引機構を予め定めた所定時間内に減速を経て停止する
    ように制御することを特徴とする輪転機の停電時制御方法。
  2. それぞれ別個の駆動源によって印刷部と折部とを駆動し、かつ給紙部で制動している被印刷材を少なくとも折部で牽引するとともに、印刷部のブランケット胴を被印刷材に接触させて印刷稼動する輪転機の制御方法において、
    停電による給電停止により、給紙部での被印刷材の制動を停電前の制動力よりも強い一定の制動力によって行うように切り替え、
    停電時の電圧降下を検出して停電信号を出力するとともに、電源を蓄電電源に切替え、
    停電信号と蓄電電源からの電力とにより、印刷稼動中のブランケット胴を被印刷材から離隔し、
    かつ、停電信号と蓄電電源からの電力とにより、折部での被印刷材の牽引機構を予め定めた所定時間内に減速を経て停止する
    ように制御することを特徴とする輪転機の停電時制御方法。
  3. それぞれ別個の駆動源を印刷部と折部とに有し、被印刷材引き出しに対する被印刷材制動機構を給紙部に有し、ブランケット胴を被印刷材に対して接触方向と離隔方向に選択的に移動させるブランケット胴移動機構を印刷部に有し、ドラッグローラーの回転によって被印刷材を牽引する被印刷材牽引機構を少なくとも折部の最上流に有する輪転機において、
    停電による給電停止により、制動力が一定である停電時制動力に切り替え可能に設けた被印刷材制動機構と、
    電力入力側が外部電源に連結され、停電時の電力入力側の電圧降下を検出して停電信号を出力する停電信号出力部、及び停電時の電力入力側の電圧降下にともなって電力出力側に電力出力する蓄電電源部を有する無停電電源部と、
    各駆動源の回転基準を示す基準パルス信号を出力する回転制御信号出力部と、
    回転制御信号出力部の出力する基準パルス信号が示す回転基準に基づいて印刷部と折部の駆動源の回転速度を補正するべく各駆動源ごとに設けられた駆動源制御部と、
    ブランケット胴を選択的に被印刷材に対し接触又は離隔させるべくブランケット胴移動機構を動作させる移動機構制御部と、
    を有し、
    更に、回転制御信号出力部並びに前記制御部のうち少なくとも折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーの駆動源制御部及び移動機構制御部が、無停電電源部の電力出力側に連結されるとともに、無停電電源部の電力出力側に連結されない制御部が外部電源と直接連結され、
    少なくとも回転制御信号出力部及び移動機構制御部が、無停電電源部の停電信号出力部に連結されて設けられ、
    停電にともなって少なくとも折部最上流の被印刷材牽引機構のドラッグローラーの駆動源制御部、回転制御信号出力部及び移動機構制御部が動作し、停電信号出力部の信号に基づいてブランケット胴を被印刷材から離隔させるとともに、折部最上流の被印刷材牽引機構を、回転制御信号出力部が出力する基準パルス信号が示す回転基準に基づいて予め定めた所定時間で減速させ停止させるように設けられた
    ことを特徴とする輪転機の停電時制御装置。
  4. 停電時制動力が、停電前の制動力よりも大きくなるように設けられたことを特徴とする請求項3に記載の輪転機の停電時制御装置。
  5. 折部最上流の被印刷材牽引機構が、ドラッグローラーに被印刷材を押し付けながら回転可能な回転部材及び回転部材のドラッグローラーに対する押付け力の切り替えを行なう押付け力制御部を有し、更にこの押付け力制御部が無停電電源部の電力出力側に連結されるとともに無停電電源部の停電信号出力部に連結され、停電信号出力部の信号に基づいて回転部材のドラッグローラーに対する押付け力を強化するように設けられたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の輪転機の停電時制御装置。
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