JP3564409B2 - 輪転印刷機の運転開始時の制御方法及び制御装置 - Google Patents

輪転印刷機の運転開始時の制御方法及び制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輪転印刷機において、機械停止状態から再始動する際に用いて好適の、輪転印刷機の運転開始時の制御方法及び制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は一般的な商業用オフセット輪転印刷機の要部を説明する概略構成図である。一般的な商業用オフセット輪転印刷機は、図2に示すように、給紙部1,インフィード部2,印刷装置部(単に、印刷部ともいう)3,乾燥部4,冷却部5,ウェブパス部6,折機部7及びそれらを適宜にコントロールする制御部8等をその要部としてそなえている。
【0003】
給紙部1は、ロール状巻取紙11,12が装着されるリールスタンド(図示略)を備えており、印刷稼働の途上で新,旧巻取紙を互いに接続して連続的にウェブ10を給送すべく機能する。ここでは、巻取紙12は使用中のものであり、巻取紙11は次の使用のために準備されたものである。また、各巻取紙11,12の軸には、給紙を規制する給紙ブレーキが備えられている。
【0004】
また、インフィード部2は、巻取紙11,12から連続的にウェブ10を引き出す部分であり、ウェブ10を挟持して回転移送するインフィードドラグ(インフィードローラ)21と、下流側へウェブテンション(ウェブ張力)を適宜にコントロールする手段としてのダンサローラ22(図3参照、図2に示すインフィードドラグ21とインフィードテンションピック92との間に設けられる)とを具備している。また、23はテンション変動吸収用ダンパである。
【0005】
インフィードドラグ21は、印刷機全体を連動させる主駆動軸81と無段変速機82を介して連結され、この主駆動軸81からの回転駆動力が伝達されるようになっている。主駆動軸81及び無段変速機82は制御部8により作動を制御される。
ダンサローラ22は、図3に示すように、ウェブ10の走行方向に対し直角方向でウェブ10と並行に配設された回転軸22aにアーム22bを介して回転自在に取り付けられており、アーム22bがエアシリンダ22cによって上下方向(即ち,ウェブ10の走行面に離接する方向)に弾性的に支持されている。
【0006】
このようなダンサローラ22は、ガイドロール24a,24b間にそなえられ、ウェブ10はガイドロール24a,ダンサローラ22,ガイドロール24bの順に巻き付きながら走行し、ウェブ10の張力が弱ければエアシリンダ22cによってダンサローラ22が降下してウェブ10の張力を高め、ウェブ10の張力が強ければエアシリンダ22cに抗してダンサローラ22が上昇しウェブ10の張力を低下させるようになっている。
【0007】
印刷部3には、通常インキ色の異なる複数組の印刷装置31a〜31dがウェブ走行方向に沿って並設されており、この印刷部3では、ウェブ10を各印刷装置31a〜31dへ順次通紙させることによって多色印刷ができるようになっている。
そして、印刷部3において印刷を終えたウェブ10は、次工程の乾燥部4で加熱乾燥された後、冷却部5にて冷却されウェブパス部6へ移送され、折機部7において裁断され折られる。冷却部5にはクーリングドラグ51が、ウェブパス部6にはウェブパスドラグ61が装備されている。
【0008】
クーリングドラグ51も、上記のインフィードドラグ21と同様に、印刷機全体を連動させる主駆動軸81と無段変速機83を介して連結され、この主駆動軸81からの回転駆動力が伝達されるようになっている。ウェブパスドラグ61も、印刷機全体を連動させる主駆動軸81と無段変速機84を介して連結され、この主駆動軸81からの回転駆動力が伝達されるようになっている。無段変速機83、84も制御部8により作動を制御される。
【0009】
また、上記のインフィードドラグ21及びこれらのクーリングドラグ51,ウェブパスドラグ61は紙押さえを着した状態と紙押さえを脱した状態とに切り替えることができるようになっている。
折機部7におけるウェブ10は、三角板(フォーミング)71を経て縦に二つ折りされた後、リードインローラ72,折機ドラグ(ニッピングローラ)73を順次経由し、鋸胴74及び折胴75によって所定の位置で裁断されると共に折り畳まれて目的とする折帖に形成され、その後、外部へ搬出されるようになっている。
【0010】
次に、従来の輪転印刷機の運転開始時のウェブに関する制御装置及び制御方法について説明する。輪転印刷機では、現行オーダーの印刷が終了すると機械を停止して洗浄し、版胴に巻着した印刷の交換や、その他次オーダーに対する前準備が行われることになる。この場合、ブランケット胴や折機部7のニッピングローラ73等の係合(挟持)を解放するため、ウェブ10が走行するウェブパスラインがフリーになる。
【0011】
したがって、通紙したウェブ10に作用する張力がなくなり、ウェブ10の途中が弛緩した状態となってしまう。このような状態から印刷を再開させた場合には、印刷位置が天地方向においてずれたり、或いは折機部7におけるウェブ10の裁断や折り畳みに際して加工位置のずれが長期間続いたりといった不具合が発生する。
【0012】
そこで、従来の装置では、印刷開始(オーダーチェンジ等に伴う再印刷の開始)に当たって、次のような動作を行なう。
まず、給紙ブレーキ12をオンにして給紙を規制する。そして、インフィードドラグ21,クーリングドラグ51及びウェブパスドラグ61の紙押さえを脱状態としてウェブ10を極低速で走行させる緩動運転を開始する。このとき、各ドラグ21,51,61の速度は、通常印刷時と等しい設定とする。
【0013】
この緩動運転を開始したら、印刷機内のウェブ10の状態が安定する(弛みがなくなり、蛇行が是正される)まで緩動運転を継続する。
そして、印刷機内のウェブ10の状態が安定したら、ウェブ走行速度を装置の運転最低速度(40〜80rpm)まで昇速させる。
運転最低速度まで昇速したら、インフィードドラグ21,クーリングドラグ51及びウェブパスドラグ61の紙押さえを着状態にする。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の輪転印刷機の運転開始時の制御装置及び制御方法では、ウェブの弛みが取れて蛇行が是正され、ウェブが安定走行するようになるまでに多くの時間が掛かり、また、その間に走行する(消費される)ウェブ11がすべて損紙となってしまう。また、同時に、ウェブ11が安定走行するまでの待ち時間が無駄になる。
【0015】
また、ウェブが張るまでの間、印刷機内のウェブの挙動が蛇行するなどして不安定になり、紙詰まりなどの障害の原因となる。
すなわち、従来の装置では、生産性が低下するばかりでなく、資材(巻取紙)の損失が大きくなり、生産コスト高を招来するという課題があった。
ところで、特開平6−122188号公報には、機械の最低速度以下ではインフィードドラグ及びクーリングドラグの速度をテンション制御する技術が開示されている。しかし、このようなテンション制御の場合、通常は各ドラグの紙押さえを着状態にする必要があるため、停止時のウェブの状態によっては、ウェブに皺を発生させる原因となることがある。また、テンション制御のために、コントローラを新規に設けることも必要になり、コスト増を招く。
【0016】
また、特開平11−139641号公報には、運転開始時に、インフィードドラグ,クーリングドラグ,ウェブパスドラグ,折機ドラグの順にドラグをトルク制御により駆動してウェブを張るようにする技術が開示されている。しかし、この技術も、トルク制御の際に、通常は各ドラグの紙押さえを着状態にする必要があるため、停止時のウェブの状態によっては、ウェブに皺を発生させる原因となることがある。
【0017】
本発明は、このような課題に鑑み案出されたもので、ウェブに皺を発生させないようにしながら、低コストで、ウェブの弛みをとり走行が安定するまでに要する時間を短縮できるようにした、輪転印刷機の運転開始時の制御方法及び制御装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目標を達成するため、本発明の輪転印刷機の運転開始時の制御方法(請求項1)は、複数の装置部をそなえ、これらのうちのいずれかの装置部の上流側と下流側とに、ウェブを駆動する上流側ドラグと下流側ドラグとを有する輪転印刷機において、運転開始時に該ウェブの動きを制御する方法であって、運転開始にあたって、まず、該上流側ドラグと該下流側ドラグとをいずれも紙押さえを脱にした状態で、該下流側ドラグの周速度を所定の緩動運転速度にし、該上流側ドラグの周速度を該下流側ドラグの周速度よりも遅くして、これらの各ドラグを緩動運転する第1のステップと、該第1のステップの緩動運転中に、該上流側ドラグと該下流側ドラグとの間のウェブテンションを監視して所定のウェブテンション状態が検出されたら該上流側ドラグを上記緩動運転速度に復帰させる第2のステップと、該第2のステップによって、上記の両ドラグが上記緩動運転速度に復帰したら、上記の両ドラグを機械の通常運転速度の最低速度域まで昇速させるとともに、各ドラグの紙押さえを着にする該第3のステップとをそなえていることを特徴としている。
【0019】
また、本発明の輪転印刷機の運転開始時の制御方法(請求項2)は、インフィードドラグを有する給紙部と、印刷装置部と、乾燥部と、クーリングドラグを有する冷却部と、ウェブパスドラグを有するウェブパス部と、折機部とを、ウェブの走行ラインの上流側から順にそなえた輪転印刷機において、運転開始時にウェブの動きを制御する方法であって、運転開始にあたって、まず、該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとをいずれも紙押さえを脱にした状態で、該ウェブパスドラグの周速度を所定の緩動運転速度にし、該クーリングドラグの周速度を該ウェブパスドラグの周速度よりも遅くするとともに該インフィードドラグの周速度を該クーリングドラグの周速度よりも遅くして、これらの各ドラグを緩動運転する第1のステップと、該第1のステップの緩動運転中に、該インフィードドラグと該クーリングドラグとの間のウェブテンション及び該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとの間のウェブテンションを監視して、各区間で所定のウェブテンション状態が検出されたら該区間の上流側のドラグを上記緩動運転速度に復帰させる第2のステップと、該第2のステップによって、上記の全てのドラグが上記緩動運転速度に復帰したら、上記の全てのドラグを機械の通常運転速度の最低速度域まで昇速させるとともに、各ドラグの紙押さえを着にする該第3のステップとをそなえていることを特徴としている。
【0020】
該ウェブパスドラグの周速度に対する該クーリングドラグの周速度の比、及び/又は、該クーリングドラグの周速度に対する該インフィードドラグの周速度の比は、予め設定された所定の速度比であることが好ましい(請求項3)。
また、本発明の輪転印刷機の運転開始時の制御装置(請求項4)は、インフィードドラグを有する給紙部と、印刷装置部と、乾燥部と、クーリングドラグを有する冷却部と、ウェブパスドラグを有するウェブパス部と、折機部とを、ウェブの走行ラインの上流側から順にそなえた輪転印刷機において運転開始時にウェブの動きを制御する装置であって、該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとにそれぞれそなえられた紙押さえ着脱手段と、該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとをそれぞれ個別の速度で回転駆動しうるドラグ駆動手段と、該着脱手段と該ドラグ駆動手段とを制御する制御手段とをそなえ、該制御手段は、運転開始にあたって、まず、該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとをいずれも紙押さえを脱にした状態で、該ウェブパスドラグの周速度を所定の緩動運転速度にし、該クーリングドラグの周速度を該ウェブパスドラグの周速度よりも遅くするとともに該インフィードドラグの周速度を該クーリングドラグの周速度よりも遅くして、これらの各ドラグを緩動運転させ、この緩動運転中に、該インフィードドラグと該クーリングドラグとの間のウェブテンション及び該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとの間のウェブテンションを監視して、各区間で所定のウェブテンション状態が検出されたら該区間の上流側のドラグを上記緩動運転速度に復帰させて、上記の全てのドラグが上記緩動運転速度に復帰したら、上記の全てのドラグを機械の通常運転速度の最低速度域まで昇速させるとともに、紙押さえを着にすることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1は本発明の一実施形態としての輪転印刷機の運転開始時の制御方法を示すものである。なお、本実施形態にかかる制御装置及び輪転印刷機については、図2,図3を参照して説明する。
まず、本実施形態にかかる輪転印刷機について図2,図3を参照して説明する。
【0022】
本実施形態にかかる輪転印刷機としては、従来からの一般的な商業用オフセット輪転印刷機を流用でき、図2に示すように、給紙部1,インフィード部2,印刷装置部(印刷部)3,乾燥部4,冷却部5,ウェブパス部6,折機部7及びそれらを適宜にコントロールする制御部8等をその要部としてそなえている。これらの各部については、既に説明しているので、ここでは運転開始時の制御にかかる部分を中心に説明する。
【0023】
運転開始時のウェブ(印刷用紙)10の搬送制御にかかる装置構成要素には、ウェブ10を駆動(又は制動)する要素と、ウェブ10の張力状態(ウェブテンション)を検出する要素と、検出要素の情報からウェブ駆動要素を制御する制御系要素(制御手段)とが備えられる。
ウェブ10を駆動又は制動する要素には、給紙部1のロール状巻取紙11,12の軸に備えられた給紙ブレーキ(図示略)と、インフィード部2に備えられたインフィードドラグ(インフィードローラ)21と、冷却部5に備えられたクーリングドラグ51と、ウェブパス部6に備えられたウェブパスドラグ61と、折機部7に備えられたに折機ドラグ(ニッピングローラ)73とがある。
【0024】
これらのドラグ(ドラグローラ)21,51,61,71は、無段変速機82,83,84を通じて主駆動軸(ドラグ駆動手段)81によって駆動され、また、図示しない紙押さえ着脱手段によって紙押さえを着状態又は脱状態に切り替えられる。
ウェブ10の張力状態(ウェブテンション)を検出する要素には、インフィードドラグ21の直上流に設けられた給紙テンションピック91と、インフィードドラグ21の直下流に設けられたインフィードテンションピック92と、クーリングドラグ51の直上流に設けられたクーリングテンションピック93と、ウェブパスドラグ61の直上流に設けられたクーリング/ウェブパステンションピック94とがある。
【0025】
また、制御系要素(制御手段)としては制御部8がある。
制御部8では、運転開始時に、インフィードテンションピック92により検出されるインフィードドラグ21とクーリングドラグ51と間のウェブ10の張力状態(ウェブテンション)と、クーリング/ウェブパステンションピック94により検出されるクーリングドラグ51とウェブパスドラグ61との間のウェブ10の張力状態(ウェブテンション)とに基づいて、インフィードドラグ21と、クーリングドラグ51と、ウェブパスドラグ61との各回転状態を制御して、通常運転に進めるようにしている。この場合、無段変速機82,83,84を通じて、各ドラグ21,51,61の回転速度を制御するようにしている。
【0026】
具体的には、制御部8を通じて行なう制御方法(輪転印刷機の運転開始時の制御方法)では、図1に示すように、運転開始にあたって、運転開始操作(ステップS10)に応じて、まず、インフィードドラグ21とクーリングドラグ51とウェブパスドラグ61とをいずれも紙押さえを脱にした状態として、インフィードドラグ21とクーリングドラグ51の運転速度(周速度)については従来より遅く設定して(ステップS20)、ドラグ21,51,61を緩動運転する(ステップS30)。
【0027】
つまり、ウェブパスドラグ61の周速度V3を所定の緩動運転速度にし、クーリングドラグ51の周速度V2をウェブパスドラグ61の周速度V3よりも遅くし、さらに、インフィードドラグ21の周速度V1をクーリングドラグ51の周速度V2よりも遅くして、これらの各ドラグ21,51,61を緩動運転させる。すなわち、各周速度V1,V2,V3は、V1<V2<V3の関係とされる。また、この場合の周速度比V1/V3,V2/V3は例えば数パーセント〜10パーセント程度の所定の速度比とすればよい。
【0028】
この緩動運転中には、インフィードテンションピック92によりインフィードドラグ21とクーリングドラグ51との間のウェブテンションを監視し、クーリング/ウェブパステンションピック94によりクーリングドラグ51とウェブパスドラグ61との間のウェブテンションを監視する。
上記のように、ドラグ21,51,61において、上流側のドラグの周速度ほど低速に設定されるので、各ドラグ21,51,61の紙押さえが脱であっても各ドラグ21,51,61からウェブ10に加わる駆動力の差によって、インフィードドラグ21とクーリングドラグ51との間のウェブテンション、及び、クーリングドラグ51とウェブパスドラグ61との間のウェブテンションが速やかに発生する。
【0029】
そして、いずれかの区間でウェブ10の弛みが解消された(即ち、ウェブ10に張りが生じた、或いは、所定のウェブテンション状態が検出された)ら、その区間の上流側のドラグを上記緩動運転速度に復帰させる。なお、テンションピック92,94の出力が0以上になったら、ウェブ10の弛みが解消されたと判定することができる。
【0030】
例えば、インフィードテンションピック92によりインフィードドラグ21とクーリングドラグ51との間のウェブテンションが検出されたら、インフィードドラグ21の周速度V1を緩動運転速度V3に復帰させ(ステップS40)、クーリング/ウェブパステンションピック94によりクーリングドラグ51とウェブパスドラグ61との間のウェブテンションが検出されたら、クーリングドラグ51の周速度V2を緩動運転速度V3に復帰させる(ステップS50)。
【0031】
このようにして、全てのドラグ21,51,61の周速度がいずれも緩動運転速度V3に復帰したら(ステップS60)、上記の全てのドラグ21,51,61を機械の通常運転速度の最低速度域(例えば40〜80rpm)まで昇速させるとともに(ステップS70)、紙押さえを着にする(ステップS80)。なお、紙押さえを着にする(ステップS80)のは、昇速開始後の昇温中に行なうのが好ましい。
【0032】
本発明の一実施形態としての輪転印刷機の運転開始時の制御方法及び制御装置は、このように構成されており、ドラグ21,51,61において、上流側のドラグの周速度ほど低速に設定されるので、各ドラグ21,51,61の紙押さえが脱であっても各ドラグ21,51,61からウェブ10に加わる駆動力の差によって、ウェブ10が張ろうとする力が働き、インフィードドラグ21とクーリングドラグ51との間のウェブテンション、及び、クーリングドラグ51とウェブパスドラグ61との間のウェブテンションが速やかに発生して、ウェブ10の弛みがなくなり、ウェブ10の昇速段階(ステップS70,S80)に速やかに進むことができる。
【0033】
このように、ウェブ10の弛みが取れて蛇行が是正され、ウェブが安定走行するようになるまでの時間を短縮できるため、ウェブ10の損紙を削減するとともに、ウェブ10が安定走行するまでの待ち時間も削減することができる。
また、ウェブ10が張るまでの時間が短いため、印刷機内のウェブの挙動が蛇行するなどして不安定になることもなく、紙詰まりなどの障害の原因を防止することができる。
【0034】
したがって、生産性が向上し、資材(巻取紙)の損失が削減され、各種の生産コストの低減を促進することができる。
また、各ドラグ21,51,61の紙押さえを脱にしながら各ドラグ21,51,61間で速度差を与えることによってウェブ10の弛みを取るので、ウェブ10に蛇行があってもウェブ10に皺が生じることがなく、また、たとえ停止中のウェブ10の位置が偏っていても、ウェブ10は速やかにセンタリングするようになる。
【0035】
また、各ドラグ21,51,61の紙押さえを脱にしながら各ドラグ21,51,61間で速度差を与えることによってウェブ10の弛みを取るので、各ドラグ21,51,61とウェブ10との間で滑りを生じることが可能であり、ウェブ10に過剰なテンションが加わろうとするとこの滑りによって過剰なテンションを回避できるので、ウェブ10が切れてしまうおそれはない。
【0036】
しかも、実際には、テンションピックの検出に誤差があり、テンションはある種のローパスフィルタを経由して検出されることになるので、ウェブ10に過剰なテンションが加わろうとする状態は生じ難い。
さらに、この方法では、従来の印刷機に備えられる周速比制御(ドロー制御)にかかる機構をそのまま流用することができ、制御装置やセンサ類など新規のハード構成が不要であり、低コストで構成できる。
【0037】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、運転開始時の制御を制御部(制御手段)8を通じて行なっているが、制御の一部を人為的操作で行なっても良い。
【0038】
また、テンションピックについては、必要に応じて給紙テンションピック91,クーリングテンションピック93等を用いるようにしてもよく、ウェブテンションは他の手段を用いて検出しても良い。
また、本発明は、緩動運転時に、上流側ドラグと下流側ドラグとをいずれも紙押さえを脱にした状態で、下流側ドラグの周速度を所定の緩動運転速度にし、上流側ドラグの周速度を下流側ドラグの周速度(即ち、所定の緩動運転速度)よりも遅くして、ウェブの弛みを速やかに取ることが趣旨であり、様々な態様で実施しうるものである。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3記載の本発明の輪転印刷機の運転開始時の制御方法及び請求項4記載の本発明の輪転印刷機の運転開始時の制御装置によれば、ウェブが安定走行するようになるまでの時間を短縮できるため、ウェブの損紙を削減するとともに、ウェブが安定走行するまでの待ち時間も削減することができ、生産性が向上し、資材(巻取紙)の損失が削減され、各種のコストの低減を促進することができる。
【0040】
また、ウェブに蛇行があってもウェブに皺が生じることがなく、ウェブは速やかにセンタリングするようになり、しかも、ウェブに過剰なテンションが加わるのを回避できるので、ウェブが切れてしまうおそれもない上、従来の印刷機に備えられる周速比制御(ドロー制御)にかかる機構をそのまま流用することができ、制御装置やセンサ類など新規のハード構成が不要であり低コストで構成できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての輪転印刷機の運転開始時の制御方法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態としての輪転印刷機の運転開始時の制御装置にかかる一般的な輪転印刷機の装置構成を示す模式的な側面図である。
【図3】本発明の一実施形態としての輪転印刷機の運転開始時の制御装置にかかる一般的な輪転印刷機の要部構成を示す模式的な側面図である。
【符号の説明】
1 給紙部
2 インフィード部
3 印刷装置部(印刷部)
4 乾燥部
5 冷却部
6 ウェブパス部
7 折機部
8 制御部(制御手段)
10 ウェブ
11,12 ロール状巻取紙
21 インフィードドラグ(インフィードローラ)
22 ダンサローラ
23 テンション変動吸収用ダンパ
31a〜31d 印刷装置
51 クーリングドラグ
61 ウェブパスドラグ
71 三角板(フォーミング)
72 リードインローラ
73 折機ドラグ(ニッピングローラ)
74 鋸胴
75 折胴
81 主駆動軸(ドラグ駆動手段)
82〜84 無段変速機
91 給紙テンションピック
92 インフィードテンションピック
93 クーリングテンションピック
94 クーリング/ウェブパステンションピック

Claims (4)

  1. 複数の装置部をそなえ、これらのうちのいずれかの装置部の上流側と下流側とに、ウェブを駆動する上流側ドラグと下流側ドラグとを有する輪転印刷機において、運転開始時に該ウェブの動きを制御する方法であって、
    運転開始にあたって、まず、該上流側ドラグと該下流側ドラグとをいずれも紙押さえを脱にした状態で、該下流側ドラグの周速度を所定の緩動運転速度にし、該上流側ドラグの周速度を該下流側ドラグの周速度よりも遅くして、これらの各ドラグを緩動運転する第1のステップと、
    該第1のステップの緩動運転中に、該上流側ドラグと該下流側ドラグとの間のウェブテンションを監視して所定のウェブテンション状態が検出されたら該上流側ドラグを上記緩動運転速度に復帰させる第2のステップと、
    該第2のステップによって、上記の両ドラグが上記緩動運転速度に復帰したら、上記の両ドラグを機械の通常運転速度の最低速度域まで昇速させるとともに、各ドラグの紙押さえを着にする該第3のステップとをそなえている
    ことを特徴とする、輪転印刷機の運転開始時の制御方法。
  2. インフィードドラグを有する給紙部と、印刷装置部と、乾燥部と、クーリングドラグを有する冷却部と、ウェブパスドラグを有するウェブパス部と、折機部とを、ウェブの走行ラインの上流側から順にそなえた輪転印刷機において、運転開始時にウェブの動きを制御する方法であって、
    運転開始にあたって、まず、該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとをいずれも紙押さえを脱にした状態で、該ウェブパスドラグの周速度を所定の緩動運転速度にし、該クーリングドラグの周速度を該ウェブパスドラグの周速度よりも遅くするとともに該インフィードドラグの周速度を該クーリングドラグの周速度よりも遅くして、これらの各ドラグを緩動運転する第1のステップと、
    該第1のステップの緩動運転中に、該インフィードドラグと該クーリングドラグとの間のウェブテンション及び該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとの間のウェブテンションを監視して、各区間で所定のウェブテンション状態が検出されたら該区間の上流側のドラグを上記緩動運転速度に復帰させる第2のステップと、
    該第2のステップによって、上記の全てのドラグが上記緩動運転速度に復帰したら、上記の全てのドラグを機械の通常運転速度の最低速度域まで昇速させるとともに、各ドラグの紙押さえを着にする該第3のステップとをそなえている
    ことを特徴とする、輪転印刷機の運転開始時の制御方法。
  3. 該ウェブパスドラグの周速度に対する該クーリングドラグの周速度の比、及び/又は、該クーリングドラグの周速度に対する該インフィードドラグの周速度の比は、予め設定された所定の速度比である
    ことを特徴とする、請求項2記載の輪転印刷機の運転開始時の制御方法。
  4. インフィードドラグを有する給紙部と、印刷装置部と、乾燥部と、クーリングドラグを有する冷却部と、ウェブパスドラグを有するウェブパス部と、折機部とを、ウェブの走行ラインの上流側から順にそなえた輪転印刷機において運転開始時にウェブの動きを制御する装置であって、
    該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとにそれぞれそなえられた紙押さえ着脱手段と、
    該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとをそれぞれ個別の速度で回転駆動しうるドラグ駆動手段と、
    該着脱手段と該ドラグ駆動手段とを制御する制御手段とをそなえ、
    該制御手段は、
    運転開始にあたって、まず、該インフィードドラグと該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとをいずれも紙押さえを脱にした状態で、該ウェブパスドラグの周速度を所定の緩動運転速度にし、該クーリングドラグの周速度を該ウェブパスドラグの周速度よりも遅くするとともに該インフィードドラグの周速度を該クーリングドラグの周速度よりも遅くして、これらの各ドラグを緩動運転させ、
    この緩動運転中に、該インフィードドラグと該クーリングドラグとの間のウェブテンション及び該クーリングドラグと該ウェブパスドラグとの間のウェブテンションを監視して、各区間で所定のウェブテンション状態が検出されたら該区間の上流側のドラグを上記緩動運転速度に復帰させて、
    上記の全てのドラグが上記緩動運転速度に復帰したら、上記の全てのドラグを機械の通常運転速度の最低速度域まで昇速させるとともに、紙押さえを着にすることを特徴とする、輪転印刷機の運転開始時の制御装置。
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