JP2002248743A - 輪転印刷機のウェブ張力制御装置及びウェブ張力制御方法 - Google Patents

輪転印刷機のウェブ張力制御装置及びウェブ張力制御方法

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JP2002248743A
JP2002248743A JP2001047951A JP2001047951A JP2002248743A JP 2002248743 A JP2002248743 A JP 2002248743A JP 2001047951 A JP2001047951 A JP 2001047951A JP 2001047951 A JP2001047951 A JP 2001047951A JP 2002248743 A JP2002248743 A JP 2002248743A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輪転印刷機のウェブ張力制御装置及びウェブ
張力制御方法に関し、様々な状況下の運転時にウェブの
走行を安定させることができるようにする。 【解決手段】 印刷装置部3よりも上流側と下流側と
に、ウェブ10を駆動する上流側ドラグ21と下流側ド
ラグ61とを有する輪転印刷機においてウェブ10の張
力を制御する制御装置であって、上流側ドラグ21と下
流側ドラグ61との間のウェブテンションを検出するウ
ェブテンション検出手段92と、ウェブテンション検出
手段92からの検出情報に基づいて検出ウェブテンショ
ン値が目標ウェブテンション値になるように、上流側ド
ラグ21及び/又は下流側ドラグ61の作動速度をテン
ションフィードバック制御する制御手段8とをそなえる
とともに、輪転印刷機の運転状態に応じて制御手段8に
よるテンションフィードバック制御の態様を変更する制
御変更手段をそなえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輪転印刷機におい
て、ウェブを張力制御する制御装置及び制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図2は一般的な商業用オフセット輪転印
刷機の要部を説明する概略構成図である。一般的な商業
用オフセット輪転印刷機は、図2に示すように、給紙部
1,インフィード部2,印刷装置部(単に、印刷部とも
いう)3,乾燥部4,冷却部5,ウェブパス部6,折機
部7及びそれらを適宜にコントロールする制御部8等を
その要部としてそなえている。
【0003】給紙部1は、ロール状巻取紙11,12が
装着されるリールスタンド(図示略)を備えており、印
刷稼働の途上で新,旧巻取紙を互いに接続して連続的に
ウェブ10を給送すべく機能する。ここでは、巻取紙1
2は使用中のものであり、巻取紙11は次の使用のため
に準備されたものである。また、各巻取紙11,12の
軸には、給紙を規制する給紙ブレーキが備えられてい
る。
【0004】また、インフィード部2は、巻取紙11,
12から連続的にウェブ10を引き出す部分であり、ウ
ェブ10を挟持して回転移送するインフィードドラグ
(インフィードローラ)21と、下流側へウェブテンシ
ョン(ウェブ張力)を適宜にコントロールする手段とし
てのダンサローラ22(図3参照、図2に示すインフィ
ードドラグ21とインフィードテンションピック92と
の間に設けられる)とを具備している。また、23はテ
ンション変動吸収用ダンパである。
【0005】インフィードドラグ21は、印刷機全体を
連動させる主駆動軸81と無段変速機82を介して連結
され、この主駆動軸81からの回転駆動力が伝達される
ようになっている。主駆動軸81及び無段変速機82は
制御部8により作動を制御される。ダンサローラ22
は、図3に示すように、ウェブ10の走行方向に対し直
角方向でウェブ10と並行に配設された回転軸22aに
アーム22bを介して回転自在に取り付けられており、
アーム22bがエアシリンダ22cによって上下方向
(即ち,ウェブ10の走行面に離接する方向)に弾性的
に支持されている。
【0006】このようなダンサローラ22は、ガイドロ
ール24a,24b間にそなえられ、ウェブ10はガイ
ドロール24a,ダンサローラ22,ガイドロール24
bの順に巻き付きながら走行し、ウェブ10の張力が弱
ければエアシリンダ22cによってダンサローラ22が
降下してウェブ10の張力を高め、ウェブ10の張力が
強ければエアシリンダ22cに抗してダンサローラ22
が上昇しウェブ10の張力を低下させるようになってい
る。
【0007】印刷部3には、通常インキ色の異なる複数
組の印刷装置31a〜31dがウェブ走行方向に沿って
並設されており、この印刷部3では、ウェブ10を各印
刷装置31a〜31dへ順次通紙させることによって多
色印刷ができるようになっている。そして、印刷部3に
おいて印刷を終えたウェブ10は、次工程の乾燥部4で
加熱乾燥された後、冷却部5にて冷却されウェブパス部
6へ移送され、折機部7において裁断され折られる。冷
却部5にはクーリングドラグ51が、ウェブパス部6に
はウェブパスドラグ61が装備されている。
【0008】クーリングドラグ51も、上記のインフィ
ードドラグ21と同様に、印刷機全体を連動させる主駆
動軸81と無段変速機83を介して連結され、この主駆
動軸81からの回転駆動力が伝達されるようになってい
る。ウェブパスドラグ61も、印刷機全体を連動させる
主駆動軸81と無段変速機84を介して連結され、この
主駆動軸81からの回転駆動力が伝達されるようになっ
ている。無段変速機83、84も制御部8により作動を
制御される。
【0009】また、上記のインフィードドラグ21及び
これらのクーリングドラグ51,ウェブパスドラグ61
は紙押さえを着した状態と紙押さえを脱した状態とに切
り替えることができるようになっている。折機部7にお
けるウェブ10は、三角板(フォーミング)71を経て
縦に二つ折りされた後、リードインローラ72,折機ド
ラグ(ニッピングローラ)73を順次経由し、鋸胴74
及び折胴75によって所定の位置で裁断されると共に折
り畳まれて目的とする折帖に形成され、その後、外部へ
搬出されるようになっている。
【0010】なお、ウェブ10の張力状態(ウェブテン
ション)を検出する手段として、インフィードドラグ2
1の直上流に設けられた給紙テンションピック91と、
インフィードドラグ21の直下流に設けられたインフィ
ードテンションピック92と、クーリングドラグ51の
直上流に設けられたクーリングテンションピック93
と、ウェブパスドラグ61の直上流に設けられたクーリ
ング/ウェブパステンションピック94とが設けられて
いる。
【0011】また、ウェブパス部6にはコンペンセータ
ロール62が装備されている。次に、従来の輪転印刷機
の制御について説明する。輪転印刷機では、現行オーダ
ーの印刷が終了すると機械を停止して洗浄し、版胴に巻
着した印刷の交換や、その他次オーダーに対する前準備
が行われることになる。この場合、ブランケット胴や折
機部7のニッピングローラ73等の係合(挟持)を解放
するため、ウェブ10が走行するウェブパスラインがフ
リーになる。
【0012】したがって、通紙したウェブ10に作用す
る張力がなくなり、ウェブ10の途中が弛緩した状態と
なってしまう。このような状態から印刷を再開させた場
合には、印刷位置が天地方向においてずれたり、或いは
折機部7におけるウェブ10の裁断や折り畳みに際して
加工位置のずれが長期間続いたりといった不具合が発生
する。
【0013】そこで、従来の装置では、印刷開始(オー
ダーチェンジ等に伴う再印刷の開始)に当たって、次の
ような動作を行なっている。まず、給紙ブレーキ12を
オンにして給紙を規制する。そして、インフィードドラ
グ21,クーリングドラグ51及びウェブパスドラグ6
1の紙押さえを脱状態としてウェブ10を極低速で走行
させる緩動運転を開始する。このとき、各ドラグ21,
51,61の速度は、通常印刷時と等しい設定とする。
【0014】この緩動運転を開始したら、印刷機内のウ
ェブ10の状態が安定する(弛みがなくなり、蛇行が是
正される)まで緩動運転を継続する。そして、印刷機内
のウェブ10の状態が安定したら、ウェブ走行速度を装
置の運転最低速度(40〜80rpm)まで昇速させ
る。運転最低速度まで昇速したら、インフィードドラグ
21,クーリングドラグ51及びウェブパスドラグ61
の紙押さえを着状態にする。
【0015】この後、通常運転状態に入り印刷を開始す
るが、印刷時には、インフィードドラグ21,クーリン
グドラグ51及びウェブパスドラグ61の各ドラグは以
下のように動作する。インフィードドラグ21は、給紙
テンションピック91からの検出情報又はダンサローラ
22の角度(アーム22bの上下方向への揺動角度)に
基づいてウェブ10の張力(ウェブテンション)が所定
の状態になるように周速度を制御(テンション制御)さ
れる。
【0016】クーリングドラグ51は、ユーザが設定し
たドラグ周速比(例えば、印刷速度を100%として1
00.12%程度)になるように周速度を制御(ドロー
制御)される。ウェブパスドラグ61も、ユーザが設定
したドラグ周速比(例えば、印刷速度を100%として
100.12%程度)になるように周速度を制御(ドロ
ー制御)される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の輪転印刷機の制御では、ウェブの弛みが取れて蛇
行が是正され、ウェブが安定走行するようになるまでに
多くの時間が掛かり、また、その間に走行する(消費さ
れる)ウェブ11がすべて損紙となってしまう。また、
同時に、ウェブ11が安定走行するまでの待ち時間が無
駄になる。
【0018】また、ウェブが張るまでの間、印刷機内の
ウェブの挙動が蛇行するなどして不安定になり、紙詰ま
りなどの障害の原因となる。すなわち、従来の装置で
は、生産性が低下するばかりでなく、資材(巻取紙)の
損失が大きくなり、生産コスト高を招来するという課題
があった。また、印刷中に外乱によってウェブに加減速
が生じるとウェブのテンション変動が生じることになる
が、この場合のテンション変動の抑制は、用紙のダンパ
特性やドラグローラの滑りに依存しているため、テンシ
ョン変動が発生するとテンションを安定させるまでに時
間がかかる。
【0019】ところで、特開平6−122188号公報
には、機械の最低速度以下の場合だけ各ドラグの速度を
テンション制御する技術が開示されている。しかし、こ
のようなテンション制御の場合、印刷開始にあたって、
比較的速やかにウェブの弛みが取れてウェブが安定走行
するようになるが、通常運転中(印刷中)には、従来と
同様なドラグ制御であるため、外乱等によってウェブに
加減速が生じウェブのテンション変動が生じた場合に、
テンションを安定させるまでに時間がかかるという課題
は残る。
【0020】また、特開2000−127352号公報
には、機械の運転速度全域にわたって各ドラグの速度を
テンション制御する技術が開示されている。この技術で
は、ウェブのテンション変動の影響を速やかに解消する
ことができるが、カットオフコントローラによるコンペ
ンセータ移動やペースタ等に起因するウェブのテンショ
ン変動に対してまで制御しようとするため,制御ハンチ
ングが起こるおそれがある。
【0021】つまり、実際にテンション制御を行なう
と、ドラグ速度を調整してからこの調整がテンション反
映されるまでの遅れ時間があり、この遅れ時間は、用紙
パス長(ドラグとテンション検出部との間)や印刷速度
によって変化する。このため、コンペンセータ移動やペ
ースタ等に起因するウェブのテンション変動に対してテ
ンション制御を行なうと、制御ハンチングが起こりやす
いのである。
【0022】本発明は、このような課題に鑑み案出され
たもので、様々な状況下の運転時にウェブの走行を安定
させることができるようにした、輪転印刷機のウェブ張
力制御装置及びウェブ張力制御方法を提供することを目
的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するた
め、本発明の輪転印刷機のウェブ張力制御装置(請求項
1)は、印刷装置部をそなえ、該印刷装置部よりも上流
側と下流側とに、ウェブを駆動する上流側ドラグと下流
側ドラグとを有する輪転印刷機において、該ウェブの張
力を制御する制御装置であって、該上流側ドラグ該下流
側ドラグとの間の該ウェブのテンション状態を検出する
ウェブテンション検出手段と、該ウェブテンション検出
手段からの検出情報に基づいて検出ウェブテンション値
が所定の目標ウェブテンション値になるように、該上流
側ドラグ及び/又は該下流側ドラグの作動速度をテンシ
ョンフィードバック制御する制御手段とをそなえるとと
もに、該輪転印刷機の運転状態に応じて該制御手段によ
るテンションフィードバック制御の態様を変更する制御
変更手段をそなえていることを特徴としている。
【0024】該制御変更手段は、該制御手段によるテン
ションフィードバック制御の制御時定数を印刷速度に応
じて変更する制御時定数変更手段であることが好ましい
(請求項2)。この場合、該制御時定数変更手段では、
印刷速度に比例して応答が速まるように該制御時定数を
設定することが好ましい(請求項3)。
【0025】また、該制御変更手段は、該検出ウェブテ
ンション値を変動させうる該輪転印刷機の所定の機能要
素の作動時に、該制御手段によるテンションフィードバ
ック制御の制御時定数を変更する制御時定数変更手段で
あることが好ましい(請求項4)。或いは、該制御変更
手段は、該検出ウェブテンション値を変動させうる該輪
転印刷機の所定の機能要素の作動時に、該制御手段によ
るテンションフィードバック制御を一時的にホールドす
る手段であることが好ましい(請求項5)。
【0026】また、該上流側ドラグは、該印刷装置部の
上流の給紙部に設けられたインフィードドラグであっ
て、該下流側ドラグは該印刷装置部の下流の冷却部に設
けられたクーリングドラグ及び/又は該冷却部の下流の
ウェブパス部に設けられたウェブパスドラグであること
が好ましい(請求項6)。本発明の輪転印刷機のウェブ
張力制御方法(請求項7)は、印刷装置部をそなえ、該
印刷装置部よりも上流側と下流側とに、ウェブを駆動す
る上流側ドラグと下流側ドラグとを有する輪転印刷機に
おいて、該ウェブの張力を制御する制御方法であって、
該上流側ドラグ該下流側ドラグとの間の該ウェブのテン
ション状態を検出し、該検出情報に基づいて検出ウェブ
テンション値が所定の目標ウェブテンション値になるよ
うに、該上流側ドラグ及び/又は該下流側ドラグの作動
速度をテンションフィードバック制御して、該テンショ
ンフィードバック制御時には、該輪転印刷機の運転状態
に応じて該制御手段によるテンションフィードバック制
御の態様を変更することを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1は本発明の一実施形態
としての輪転印刷機のウェブ張力制御装置及びウェブ張
力制御方法について示すもので、(a)はそのドラグ駆
動系の模式的構成図、(b)はそのドラグ駆動系の模式
的な制御ブロック図である。なお、本実施形態にかかる
輪転印刷機は、図2,図3を参照して説明する。
【0028】まず、本実施形態にかかる輪転印刷機につ
いて図2,図3を参照して説明する。本実施形態にかか
る輪転印刷機としては、従来からの一般的な商業用オフ
セット輪転印刷機を流用でき、図2に示すように、給紙
部1,インフィード部2,印刷装置部(印刷部)3,乾
燥部4,冷却部5,ウェブパス部6,折機部7及びそれ
らを適宜にコントロールする制御部8等をその構成要部
としてそなえている。これらの各部については、既に説
明しているので、ここではウェブ張力制御にかかる部分
を中心に説明する。
【0029】運転開始時のウェブ(印刷用紙)10の搬
送制御にかかる装置構成要素には、ウェブ10を駆動
(又は制動)する要素と、ウェブ10の張力状態(ウェ
ブテンション)を検出する要素と、検出要素の情報から
ウェブ駆動要素を制御する制御系要素(制御手段)とが
備えられる。ウェブ10を駆動又は制動する要素には、
給紙部1のロール状巻取紙11,12の軸に備えられた
給紙ブレーキ(図示略)と、インフィード部2に備えら
れたインフィードドラグ(インフィードローラ)21
と、冷却部5に備えられたクーリングドラグ51と、ウ
ェブパス部6に備えられたウェブパスドラグ61と、折
機部7に備えられたに折機ドラグ(ニッピングローラ)
73とがある。
【0030】これらのドラグ(ドラグローラ)21,5
1,61,71は、それぞれ独立して回転速度を調整で
きるようになっており、例えば、インフィードドラグ2
1及びウェブパスドラグ61は、図1(a)に示すよう
に、それぞれ電動モータ21A,61Aによって、独立
して回転速度を制御されるようになっている。ウェブ1
0の張力状態(ウェブテンション)を検出する要素に
は、インフィードドラグ21の直上流に設けられた給紙
テンションピック91と、インフィードドラグ21の直
下流に設けられたインフィードテンションピック92
と、クーリングドラグ51の直上流に設けられたクーリ
ングテンションピック93と、ウェブパスドラグ61の
直上流に設けられたクーリング/ウェブパステンション
ピック94とがある。
【0031】また、制御系要素(制御手段)としては制
御部8がある。制御部8では、運転時に、インフィード
テンションピック92により検出されるインフィードド
ラグ21とクーリングドラグ51と間のウェブ10の張
力状態(ウェブテンション)、或いは、クーリング/ウ
ェブパステンションピック94により検出されるクーリ
ングドラグ51とウェブパスドラグ61との間のウェブ
10の張力状態(ウェブテンション)とに基づいて、モ
ータ21A,61Aを通じて、インフィードドラグ21
とウェブパスドラグ61との各回転状態を制御し、ウェ
ブテンションを所定のテンション状態に制御するように
なっている。
【0032】このため、図1(b)に示すように、制御
部8には、検出したウェブテンション値TEと目標とす
るウェブテンション値TEaとの差(TEa−TE)に
基づいてモータ制御量を設定する制御器8Aと、制御器
8A設定されたモータ制御量に基づいてモータ21A,
61Aを作動させるモータコントローラ8Bとがそなえ
られている。制御器8Aでは、差(TEa−TE)基づ
くテンションフィードバック制御(例えばPI制御)に
よってウェブテンションが所定状態になるように、モー
タコントローラ8Bを通じてモータ21A,61Aの回
転を制御することになる。
【0033】ところで、本制御部8には、制御器8Aに
よる制御量設定にかかる制御時定数Tを機械の運転状態
の応じて変更する制御時定数変更手段(制御変更手段)
8Cがそなえられている。つまり、PI制御等のフィー
ドバック制御では、制御時定数Tに応じて制御応答性
(制御感度)が決まるが、この制御時定数変更手段8C
では、印刷機の速度に応じて(ここでは、印刷速度Vp
に比例して制御応答が速まるように)制御時定数Tを設
定するようになっている。
【0034】さらに、この制御時定数変更手段8Cで
は、検出ウェブテンション値を変動させうる輪転印刷機
の所定の機能要素(例えば、カットオフコントローラに
よるコンペンセータ移動やペースタ等)の作動時に、制
御応答性(制御感度)が大きく低下するように制御時定
数Tを設定するようになっている。なお、検出ウェブテ
ンション値を変動させうる輪転印刷機の所定の機能要素
(例えば、カットオフコントローラによるコンペンセー
タ移動やペースタ等)の作動時に、かかるテンションフ
ィードバック制御を一時的にホールドする(時定数無限
大)ように、制御変更手段8を構成しても良い。
【0035】本発明の一実施形態としての輪転印刷機の
ウェブ張力制御装置及びウェブ張力制御方法は、このよ
うに構成されているので、機械の運転時には、印刷機械
部3の上流側ドラグであるインフィードドラグ21と印
刷機械部3の下流側ドラグであるウェブパスドラグ61
との間のウェブテンション状態を、インフィードテンシ
ョンピック92により検出し、検出ウェブテンション値
TEと目標ウェブテンション値TEaとの差(TEa−
TE)に基づいてこの差(TEa−TE)が0になるよ
うに、フィードバック制御を行なう。
【0036】例えば、検出ウェブテンション値TEが目
標ウェブテンション値TEaよりも低ければ、インフィ
ードドラグ21の回転速度を遅くする及び/又はウェブ
パスドラグ61の回転速度を速くする。また、検出ウェ
ブテンション値TEが目標ウェブテンション値TEaよ
りも高ければ、インフィードドラグ21の回転速度を速
くする及び/又はウェブパスドラグ61の回転速度を遅
くする。
【0037】このように、ウェブテンションを常に最適
な状態にすることができるが、カットオフコントローラ
によるコンペンセータ移動やペースタ等に起因するウェ
ブのテンション変動時にこのような制御をすると、用紙
パス長(ドラグとテンション検出部との間)や印刷速度
によって変化する応答遅れ時間もからんで、制御ハンチ
ングが起こるおそれがある。
【0038】これに対して、本装置では、制御時定数変
更手段(制御変更手段)8Cが、印刷機の速度に応じ
て、例えば印刷速度Vpに比例して制御応答が速まるよ
うに制御時定数Tを設定するので、印刷速度によって応
答遅れ時間が変化しないようになる。また、制御時定数
変更手段8Cが、検出ウェブテンション値を変動させう
る輪転印刷機の所定の機能要素(例えば、カットオフコ
ントローラによるコンペンセータ移動やペースタ等)の
作動時に、制御応答性(制御感度)が大きく低下するよ
うに制御時定数Tを設定するので、カットオフコントロ
ーラによるコンペンセータ移動やペースタ等に起因する
ウェブのテンション変動時に制御ハンチングが起こりに
くくなる。
【0039】あるいは、カットオフコントローラによる
コンペンセータ移動やペースタ等の作動時に、かかるテ
ンションフィードバック制御を一時的にホールドする
(時定数無限大)すれば、上記制御ハンチングを解消す
ることができる。しかも、本装置は、常時テンション制
御を基本にするので、始動時に、ウェブ10が安定走行
するまでの待ち時間も削減することができ、ウェブ10
が張るまでの時間が短いため、印刷機内のウェブの挙動
が蛇行するなどして不安定になることもなく、紙詰まり
などの障害の原因を防止することができる。
【0040】したがって、生産性が向上し、資材(巻取
紙)の損失が削減され、各種の生産コストの低減を促進
することができる。以上、本発明の実施形態を説明した
が、本発明はかかる実施形態に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
することができる。
【0041】例えば、駆動手段(モータ21A,61
A)を制御してインフィードドラグ21とウェブパスド
ラグ61との回転速度を制御してウェブテンションを制
御しているが、インフィードドラグ21とクーリングド
ラグ51との回転速度を制御してウェブテンションを制
御してもよく、インフィードドラグ21とクーリングド
ラグ51とウェブパスドラグ61との回転速度を制御し
てウェブテンションを制御しても良い。
【0042】この場合、クーリングドラグ51を単独モ
ータで駆動するようにすればよい。また、ドラグ(ドラ
グローラ)21,51,61,71のうち本制御にかか
るドラグは、それぞれ独立して速度調整できれば良く、
図2に示すような無段変速機82,83,84を通じて
速度調整しても良い。また、テンションピックについて
は、必要に応じて給紙テンションピック91,クーリン
グテンションピック93等を用いるようにしてもよく、
ウェブテンションは他の手段を用いて検出しても良い。
【0043】いずれにしても、例えば特開2000−1
27352号公報に開示されているように、機械の運転
速度全域にわたって各ドラグの速度をテンション制御す
る技術に、本発明の構成を適用すれば、常に安定した制
御性能を得られるようになる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜6記載
の本発明の輪転印刷機のウェブ張力制御装置及び請求項
7記載の本発明の輪転印刷機のウェブ張力制御方法によ
れば、機械の始動時から通常運転時まで、機会の低速か
ら高速まで印刷機内のウェブのテンションを安定させて
運転することができるうえ、印刷速度の高低やコンペン
セータ移動やペースタ等の機械の特定運転に起因した制
御ハンチングを防止することができ、ウェブ張力に関
し、常に安定した制御性能を得られるようになる。ま
た、常時テンション制御を基本にするので、始動時に、
ウェブが安定走行するまでの待ち時間も削減することが
でき、ウェブが張るまでの時間が短いため、印刷機内の
ウェブの挙動が蛇行するなどして不安定になることもな
く、紙詰まりなどの障害の原因を防止することができる
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての輪転印刷機のウェ
ブ張力制御装置及びウェブ張力制御方法を説明する図で
あり、(a)はそのドラグ駆動系の模式的構成図、
(b)はそのドラグ駆動系の模式的な制御ブロック図で
ある。
【図2】本発明の一実施形態にかかる一般的な輪転印刷
機の装置構成を示す模式的な側面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる一般的な輪転印刷
機の要部構成を示す模式的な側面図である。
【符号の説明】
1 給紙部 2 インフィード部 3 印刷装置部(印刷部) 4 乾燥部 5 冷却部 6 ウェブパス部 7 折機部 8 制御部(制御手段) 8A 制御器 8B モータコントローラ 8C 制御変更手段としての制御時定数変更手段 10 ウェブ 11,12 ロール状巻取紙 21 インフィードドラグ(インフィードローラ) 21A モータ(駆動手段) 22 ダンサローラ 23 テンション変動吸収用ダンパ 31a〜31d 印刷装置 51 クーリングドラグ 61 ウェブパスドラグ 61A モータ(駆動手段) 62 コンペンセータロール 71 三角板(フォーミング) 72 リードインローラ 73 折機ドラグ(ニッピングローラ) 74 鋸胴 75 折胴 81 主駆動軸(ドラグ駆動手段) 82〜84 無段変速機 91 給紙テンションピック(ウェブテンション検出手
段) 92 インフィードテンションピック(ウェブテンショ
ン検出手段) 93 クーリングテンションピック(ウェブテンション
検出手段) 94 クーリング/ウェブパステンションピック(ウェ
ブテンション検出手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷装置部をそなえ、該印刷装置部より
    も上流側と下流側とに、ウェブを駆動する上流側ドラグ
    と下流側ドラグとを有する輪転印刷機において、該ウェ
    ブの張力を制御する制御装置であって、 該上流側ドラグ該下流側ドラグとの間の該ウェブのテン
    ション状態を検出するウェブテンション検出手段と、 該ウェブテンション検出手段からの検出情報に基づいて
    検出ウェブテンション値が所定の目標ウェブテンション
    値になるように、該上流側ドラグ及び/又は該下流側ド
    ラグの作動速度をテンションフィードバック制御する制
    御手段とをそなえるとともに、 該輪転印刷機の運転状態に応じて該制御手段によるテン
    ションフィードバック制御の態様を変更する制御変更手
    段をそなえていることを特徴とする、輪転印刷機のウェ
    ブ張力制御装置。
  2. 【請求項2】 該制御変更手段は、該制御手段によるテ
    ンションフィードバック制御の制御時定数を印刷速度に
    応じて変更する制御時定数変更手段であることを特徴と
    する、請求項1記載の輪転印刷機のウェブ張力制御装
    置。
  3. 【請求項3】 該制御時定数変更手段では、印刷速度に
    比例して応答が速まるように該制御時定数を設定するこ
    とを特徴とする、請求項2記載の輪転印刷機のウェブ張
    力制御装置。
  4. 【請求項4】 該制御変更手段は、該検出ウェブテンシ
    ョン値を変動させうる該輪転印刷機の所定の機能要素の
    作動時に、該制御手段によるテンションフィードバック
    制御の制御時定数を変更する制御時定数変更手段である
    ことを特徴とする、請求項1記載の輪転印刷機のウェブ
    張力制御装置。
  5. 【請求項5】 該制御変更手段は、該検出ウェブテンシ
    ョン値を変動させうる該輪転印刷機の所定の機能要素の
    作動時に、該制御手段によるテンションフィードバック
    制御を一時的にホールドする手段であることを特徴とす
    る、請求項1記載の輪転印刷機のウェブ張力制御装置。
  6. 【請求項6】 該上流側ドラグは、該印刷装置部の上流
    の給紙部に設けられたインフィードドラグであって、該
    下流側ドラグは該印刷装置部の下流の冷却部に設けられ
    たクーリングドラグ及び/又は該冷却部の下流のウェブ
    パス部に設けられたウェブパスドラグであることを特徴
    とする、請求項1〜5の何れかの項に記載の輪転印刷機
    のウェブ張力制御装置。
  7. 【請求項7】 印刷装置部をそなえ、該印刷装置部より
    も上流側と下流側とに、ウェブを駆動する上流側ドラグ
    と下流側ドラグとを有する輪転印刷機において、該ウェ
    ブの張力を制御する制御方法であって、 該上流側ドラグ該下流側ドラグとの間の該ウェブのテン
    ション状態を検出し、 該検出情報に基づいて検出ウェブテンション値が所定の
    目標ウェブテンション値になるように、該上流側ドラグ
    及び/又は該下流側ドラグの作動速度をテンションフィ
    ードバック制御して、 該テンションフィードバック制御時には、該輪転印刷機
    の運転状態に応じて該制御手段によるテンションフィー
    ドバック制御の態様を変更することを特徴とする、輪転
    印刷機のウェブ張力制御方法。
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