JP3575876B2 - ハロゲン化銀カラー反転写真感光材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は高感度、高ガンマな写真特性を有し、他層へのインターイメージ効果が強化された乳剤層を含むハロゲン化銀カラー反転写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
“ハロ沃化銀”なる語は、この技術分野において認識されている用法で用いられており、そして沃化物イオンならびに塩化物及び臭化物イオンの最低1つと組み合わせて銀イオンを含有しているハロゲン化銀粒子を指している。“反転写真感光材料”なる語は、観察のための写真像を形成するためのものであって、像露光及び現像によって被観察画像のネガを形成し、引き続いて均一露光及び(又は)残留ハロゲン化銀のカブリ生成、そして処理を行ない、よって、第2の可視像を形成するような写真感光材料を指している。反転写真感光材料の典型的な一例として、カラースライド、例えばフジクローム、エクタクロームなどを挙げることができる。
平板状ハロゲン化銀粒子に関してはすでに、例えば米国特許第4,434,226号、同4,439,520号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,414,306号、同4,459,353号、特開昭59−994335号、特開昭60−209445号、特開昭63−151618号にその製法および使用技術が開示されており、増感色素による色増感効率の向上を含む感度の向上、良好な感度/粒状性の関係、平板粒子の特異的な光学的性質によるシャープネスの向上、カバーリングパワーの向上などの利点が知られている。
【0003】
特開昭61−246746号には沃化銀よりも大きな溶解性を有している銀塩から本質的になる比較的に微細な粒子を感光性平板状ハロ沃化銀粒子と混合して存在させかつ、その際、前記微細な粒子を反転像形成を改良するのに十分な濃度となすことを特徴とする感光材料によって、高感度、高ガンマな写真特性が得られることが記載されている。また、米国特許第5,391,468号明細書には、上記系において、感光性平板状ハロ沃化銀粒子の表面に増感色素を吸着させ、かつ溶解度の高い微細な粒子の表面にも感色性の異なる色素を吸着させることによりさらに高感度、高ガンマな写真材料が得られることが記載されている。
しかしながら、これらの方法はその層自身の写真特性は高感度、高ガンマへと改良されるが、他層へのインターイメージ効果が損なわれるという欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は高感度、高ガンマな写真特性を有すると同時に、他層へのインターイメージ効果が強化された乳剤層を含むハロゲン化銀カラー反転写真感光材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下のハロゲン化銀カラー反転写真感光材料により達成された。すなわち、
(1) 支持体上に、それぞれ少なくとも1層の青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー反転写真感光材料において、厚さ0.03μm 乃至0.5μm 、直径0.2μm 乃至5.0μm で、アスペクト比2乃至100であって、増感色素により色増感された感光性平板状ハロ沃化銀乳剤と、ポリビニルピロリドン系化合物を含む球相当直径0.02μm 乃至0.3μm の非感光性沃化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー反転写真感光材料。
(2) 該感光性平板状ハロ沃化銀乳剤の沃化銀含有量が0.01モル%乃至4.00モル%であることを特徴とする(1) 記載のハロゲン化銀カラー反転写真感光材料。
(3) 該感光性平板状ハロ沃化銀乳剤のハロゲン組成より高い溶解性を有するハロゲン化銀塩よりなり、該感光性平板状ハロ沃化銀乳剤と異なる吸収ピークの色素を表面に吸着させたハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする(1) 記載のハロゲン化銀カラー反転写真感光材料によって達成された。
【0006】
以下本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明における平板状ハロゲン化銀粒子(以下、「平板粒子」という)とは、2つの対向する平行な主平面を有し、該主平面の円相当直径(該主平面と同じ投影面積を有する円の直径)が主平面間の距離(すなわち粒子の厚み)より2倍以上大きなハロゲン化銀粒子をいう。
【0008】
本発明における粒子のアスペクト比とは、後記の方法によって求められた粒子個々の円相当直径を粒子の厚みで割った値として定義される。
【0009】
本発明の平板粒子を有する乳剤のアスペクト比は2以上で100以下であるが、3以上であることが好ましく、特に5以上であることが好ましい。
【0010】
本発明の平板粒子の直径(円相当)は0.2〜5.0μm 、好ましくは0.3〜4.0μm 、さらに好ましくは0.3〜3.0μm である。
【0011】
粒子厚みは0.03〜0.5μm 、好ましくは0.05〜0.3μm である。
【0012】
本発明に於ける粒子直径、粒子厚みの測定は米国特許第4,434,226号に記載の方法の如く粒子の電子顕微鏡写真より求めることができる。
【0013】
本発明の平板粒子は、粒子サイズ分布の変動係数が好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、最も好ましくは10%以下の単分散性であることが好ましく、ここでいう変動係数とは、“該平板粒子の投影面積の円相当直径と厚みから求められる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を、平均粒子サイズで割った値に100を乗じた値”で表わされる。ここで粒子サイズ(Rμm )とは投影面積の円相当直径(rμm )と厚み(dμm )とから以下の式によって求められるものである。
【0014】
R=(3r2 d/2)1/3
ハロゲン化銀粒子の粒子形態が揃い、かつ粒子サイズのバラツキが小さい粒子群からなるハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ分布はほとんど正規分布を示し、標準偏差を容易に求めることができる。
平板状粒子のハロゲン組成は、沃化銀含有率が4モル%以下が好ましい。
平板状粒子は、均一なハロゲン組成からなるものであっても異なるハロゲン組成を有する2以上の相からなるものであってもよい。
【0015】
例えば、沃臭化銀を用いる場合、この沃臭化銀平板状粒子はそれぞれ沃化物含有量の異なる複数の相からなる層状構造を有するものを用いることもできる。特開昭58−113,927号、特開昭58−113,928号、特開昭59−99,433号、特開昭59−119,344号、特開昭59−119,350号等において、平板状ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成およびハロゲンの粒子内分布の好ましい例が記載されている。
【0016】
平板状粒子は、(111)面、(100)面、あるいは(111)面と(100)面の混合した面から形成されるものを選択することができる。
【0017】
平板状粒子の潜像の形成サイトに関しては、潜像が主として粒子表面に形成されるような粒子でもよく、又潜像が主として粒子内部に形成されるような粒子でもよい。さらに潜像が粒子表面と粒子内部に形成されるような粒子でもよい。
【0018】
平板状ハロゲン化銀粒子の製法としては、当業界で知られた方法を適宜、組み合わせることにより成し得る。
【0019】
たとえばpBr1.3以下の比較的低pBr値の雰囲気中で平板状粒子が重量で40%以上存在する種晶を形成し、同程度のpBr値に保ちつつ銀及びハロゲン溶液を同時に添加しつつ種晶を成長させることにより得られる。
この粒子成長過程において、新たな結晶核が発生しないように銀及びハロゲン溶液を添加することが望ましい。
【0020】
平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、温度調節、溶剤の種類や量の選択、粒子成長時に用いる銀塩、及びハロゲン化物の添加速度等をコントロールすることにより調整できる。
【0021】
本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の製造時に、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用いることにより、粒子サイズ、粒子の形状(直径/厚み比など)、粒子のサイズ分布、粒子の成長速度をコントロールできる。
【0022】
例えば溶剤の使用量の増加とともに粒子サイズ分布を単分散化し、成長速度を速めることができる。一方、溶剤の使用量とともに粒子の厚みが増加する傾向もある。
【0023】
しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤としては、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類を挙げることができる。
【0024】
これらのハロゲン化銀溶剤は、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の製造時に、粒子成長を速める為に添加する。銀塩溶液(例えばAgNO3 水溶液)とハロゲン化物溶液(例えばKBr水溶液)の添加速度、添加量、添加濃度を上昇させる方法が好ましく用いられる。
【0025】
本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒子及びそれらを含むハロゲン化銀乳剤について、より具体的には、製法も含めて例えば米国特許第4,434,226号、同第4,439,520号、同第4,414,310号、同第4,425,425号、同第4,399,215号、同第4,435,501号、同第4,386,156号、同第4,400,463号、同第4,414,306号、同第4,425,426号、欧州特許第84,637A2、特開昭59−99433号、リサーチディスクロージャーNo. 22534(1983年1月)などに記載されている。
【0026】
本発明においては次のような単分散六角平板粒子を用いることができる。
該乳剤は、分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハロゲン化銀乳剤であって、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が、最小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比が、2以下である六角形であり、かつ、平行な2面を外表面として有する平板状ハロゲン化銀によって占められており、さらに、該六角平板状ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分布の変動係数〔その投影面積の円換算直径で表わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を、平均粒子サイズで割った値〕が20%以下の単分散性をもつものであり、アスペクト比は2.5以上で粒子サイズは0.2μm以上である。
該六角平板粒子の組成としては、臭化銀、ヨウ臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀のいずれであってもよい。沃度イオンを含む場合、その含量は0〜30モル%であり、結晶構造は一様なものでも、内部と外部が異質なハロゲン組成から成るものでもよく、層状構造をなしていてもよい。また、粒子中に還元増感銀核を含んでいることが好ましい。
該ハロゲン化銀粒子は、核形成−オストワルド熟成及び粒子成長を経ることによって製造することができるが、その詳細は特願昭61−299155号の記載に従う。
【0027】
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開昭63−220238号に記載されているような粒子内に意図的にディスロケーションを導入した平板状粒子を用いることができる。
この平板状ハロゲン化銀粒子は特公昭47−11,386号等に記載されている様に、ハロゲン化銀粒子の粒径および/あるいは厚みの分散性を単分散にして使用することも可能である。
ここで平板状ハロゲン化銀粒子が単分散であるということは95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、好ましくは±40%以内さらには±25%のサイズに入る分散系であることを指す。ここで数平均粒子サイズとはハロゲン化銀粒子の投影面積直径の数平均直径である。
【0028】
平板状粒子には、米国特許第5147771号、同第5147772号、同第5147773号および欧州特許第513723A号に記載のポリアルキレンオキサイド・ブロック・コポリマーが、単分散性を高めるために好ましく用いられる。
【0029】
本発明の乳剤の結晶構造は一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい、また、エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていてもよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
【0030】
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−133542号に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは、現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0031】
ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、および分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーNo. 17643、同No. 18716および同No. 307105に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
【0032】
次に本発明の非感光性沃化銀乳剤について説明する。
非感光性とは実質的に感光性を有さないことを意味し、感光性平板状ハロ沃化銀乳剤の1/5以下の感度であることを意味する。
沃化銀微粒子乳剤は実質的に沃化銀であれば良く、混晶となる得る限りにおいて臭化銀および/また塩化銀を含有していても良い。好ましくは100%沃化銀である。沃化銀はその結晶構造においてβ体、γ体ならびにUS4672026号に記載されているようにα体もしくはα体類似構造があり得る。本発明においては、その結晶構造の制限は特にないが、β体とγ体の混合物さらに好ましくはβ体が用いられる。沃化銀微粒子乳剤は、本発明においては好ましくは通常の水洗工程を経たものが用いられる。
沃化銀微粒子乳剤は、US4672026号等に記載の方法で容易に形成でき得る。粒子形成時のpI値を一定にして粒子形成を行う、銀塩水溶液と沃化物塩水溶液のダブルジェット添加法が好ましい。ここでpIは系のI− イオン濃度の逆数の対数である。温度、pI、pH、ゼラチン等の保護コロイド剤種類、濃度、ハロゲン化銀溶剤の有無、種類、濃度等に特に制限はないが、粒子のサイズは0.3μm 以下0.02μm 以上、より好ましくは0.1μm 以下0.02μm 以上が本発明には都合がよい。微粒子であるために粒子形状は完全には特定できないが粒子サイズの分布の変動係数は50%以下が好ましい。さらに25%以下が好ましい。ここで沃化銀微粒子乳剤のサイズおよびサイズ分布は、沃化銀微粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、カーボンレプリカ法ではなく直接、透過法によって観察して求める。これは粒子サイズが小さいために、カーボンレプリカ法による観察では測定誤差が大きくなるためである。粒子サイズは観察された粒子と等しい投影面積を有する円の直径と定義する。粒子サイズの分布において最も有効な沃化銀微粒子の粒子サイズが0.2μm 以下0.05μm 以上であり、粒子サイズの変動係数が25%以下である。
沃化銀微粒子乳剤は上述の粒子形成後、好ましくはUS2614929号等に記載の通常の水洗およびpH、pI、ゼラチン等の保護コロイド剤の濃度調整ならびに含沃化銀の濃度調整が行われる。pHは5以上7以下が好ましい。pI値は7以上で沃化銀の溶解度が最低になるpI値までの範囲に設定することが好ましい。保護コロイド剤としては、平均分子量10万程度の通常のゼラチンが好ましく用いられる。平均分子量2万以下の低分子量ゼラチンも好ましく用いられる。また、上記の分子量の異なるゼラチンを混合して用いると都合がよい場合がある。乳剤1kgあたりのゼラチン量は好ましくは10g以上100g以下である。より好ましくは20g以上80g以下である。乳剤1kgあたりの銀原子換算の銀量は好ましくは10g以上100g以下である。より好ましくは20g以上80g以下である。
沃化銀微粒子乳剤は、感光性平板状ハロ沃化銀乳剤中の銀に対して0.5〜10モル%、より好ましくは1〜5モル%の範囲で用いることができる。
【0033】
本発明のポリビニルピロリドン系化合物とは、下記一般式(I)で表わされる繰り返し単位を有する単独重合体又は共重合体である。
【0034】
【化1】
【0035】
R1 は水素原子またはアルキル基を表わす。Qは単なる結合手または−COOR2 −か、−CONHR2 −を表わす。Aは単なる結合手または酸素原子を表わす。Bは単なる結合手または−CO−を表わす。Dは−(CH=CH)2 −又は−(CH2)n −(但しA、Bがともに単なる結合手のとき、nは3〜5の整数、Aが酸素原子でBが単なる結合手のときnは2または3を、またAが単なる結合手でBが−CO−のとき、nは2〜4の整数を表わす)。または、フェニレン基(Aが単なる結合手でBが−CO−のとき)を表わす。
R2 は炭素数2ないし8の置換又は無置換の炭素水素2価基を表わす。
本発明に用いる一般式(I)で表わされる重合体は一般式(IA)で示される一種の単量体の単独重合体もしくは二種以上の単量体の間の共重合体または一般式(IA)で示される単量体と付加重合し得る不飽和化合物との共重合体のいずれでもよい。
【0036】
【化2】
【0037】
(式中R1 、Q、A、B、Dは各々一般式(I)の場合と同意義である。)
一般式(IA)で示される単量体としては、N−ビニルラクタム、N−ビニルイミド、N−アクリロイルオキシアルキルラクタム、N−アクリロイルオキシアルキルイミド、N−メタクリロイルオキシアルキルラクタム、N−メタクリロイルオキシアルキルイミド、N−(アクリルアミドアルキル)ラクタム、N−(アクリルアミドアルキル)イミド、N−(メタクリルアミドアルキル)ラクタム、N−(メタクリルアミドアルキル)イミドなどがある。
更に具体例としては、例えばN−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニル−2−ピリドン、N−ビニルサクシンイミド、N−ビニルグルタルイミド、N−ビニルアジピミド、N−ビニルフタルイミド、N−(2−アクリロイルオキシエチル)ピロリドン、N−(2−アクリロイルオキシエチル)オキサゾリドン、N−(2−アクリロイルオキシエチル)サクシンイミド、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)ピロリドン、N−(2−メタクリロイルオキシエチル)サクシンイミド、N−(2−アクリルアミドエチル)ピロリドン、N−(2−アクリルアミドエチル)サクシンイミド、N−(2−(メタクリルアミドエチル)サクシンイミドなどがある。
【0038】
一般式(IA)の単量体とともに共重合体をつくる付加重合性不飽和化合物には例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニル異節環化合物、スチレン類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、イタコン酸エステル類、クロトン酸エステル類、オレフィン類などがある。それらの具体例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、N−(β−ジメチルアミノエチル)アクリレート、ベンジルアクリレート、ジクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート;N−エチルアクリルアミド、N−(tert−ブチル)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−ヒドロキシブチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、β−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−(β−モルホリノエチル)アクリルアミド、N−(tert−ブチル)メタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピペリジン;酢酸アリル、カブリル酸アリル、カブロン酸アリル、ラウリン酸アリル、安息香酸アリル;アリルブチルエーテル、アリルフェニルエーテル;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、(2−ジメチルアミノエチル)ビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル;ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、安息香酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル;ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、ビニルチオフェン;スチレン、クロルメチルスチレン、p−アセトキシスチレン、p−メチルスチレン;p−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸メチル;クロトンアミド、クロロトン酸ブチル、グリセリンモノクロトネート;メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン;エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテンなど;イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ジエチル、など;ソルビン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸オクチルなど;フマル酸エチル、フマル酸ジブチル、フマル酸オクチルなど;ハロゲン化オレフィン類、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロブレンなど;不飽和ニトリル類、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどがあり、必要に応じて2種以上用いることができる。
【0039】
これらの単量体の中でも、重合体の溶解性、親油性、保護コロイドとの親和性、現像処理適性などの点から、一般式(IA)で表わされる単量体の中ではN−ビニルラクタム、N−ビニルイミド、N−ビニルオキサゾリドンが好ましく、特にN−ビニルピロリドン、N−ビニルサクシンイミドが好適である。また、一般式(IA)の単量体とともに共重合体をつくる付加重合性不飽和化合物の中ではアクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類が好適である。一般式(I)で表わされる繰り返し単位を含む共重合体の組成比については、とくに制限はないが、一般式(I)で示される成分が40〜100モル%であることが好ましく、特に好ましくは、同成分が70〜98モル%である。
【0040】
本発明に用いられる重合体の分子量については特に制限はないが、約10000 〜1000000 が好ましく、特に隣接層への耐拡散性、取扱い性などの点から、約50000 〜500000が好適である。
本発明に用いる重合体の合成には、英国特許第1,211,039号、特公昭47−29195号、特開昭48−76593号、同48−92022号、特開昭49−21134号、同49−120634号、英国特許第961,395号、米国特許第3,227,672号、同3,290,417号、同3,262,919号、同3,245,932号、同2,681,897号、同3,230,275号、ジョン・シー・ペトロプーロス(John.C.Petropoulos et al) 著;「オフィシアル、ダイジェスト」(Official Digest) 、33巻、719〜736頁(1961)、村橋俊介ら編「合成高分子」、1巻、246〜290頁、3巻、1〜108頁などに記載の方法を参考にして行うことができる。目的に応じて、重合開始剤、濃度、重合温度、反応時間などを幅広く、かつ、容易に変更できることはいうまでもない。
例えば、重合は、一般に20〜180℃、好ましくは40〜120℃で重合すべき単量体に対し通常0.05〜5重量%のラジカル重合開始剤を用いて行われる。開始剤としては、アゾビス化合物、パーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触媒など、例えば、過硫酸カリウム、tert−ブチルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどがある。
【0041】
次に本発明の用いられる重合体の代表的な例を示すが、これに限定されるものではない。
(1)ポリ−N−ビニルピロリドン
(2)ポリ−N−ビニルオキサゾリジン
(3)ポリ−N−ビニルピペリドン
(4)ポリ−N−ビニルサクシンイミド
(5)ポリ−N−ビニルフタルイミド
(6)ポリ−N−ビニル−e−カプロラクタム
(7)N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(モル比70:30)
(8)N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(モル比80:20)
(9)N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(モル比90:10)
(10)N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(モル比95:5)
(11)N−ビニルピロリドン−n−ブチルメタクリレート共重合体(モル比90:10)
(12)N−ビニルピロリドン−n−ブチルメタクリレート共重合体(モル比95:5)
(13)N−ビニルピロリドン−n−ブチルアクリレート共重合体(モル比80:20)
(14)N−ビニルピロリドン−メチルメタクリレート共重合体(モル比90:10)
(15)N−ビニルピロリドン−メチルアクリレート共重合体(モル比95:5)(16)N−ビニルピロリドン−メトキシエチルアクリレート共重合体(モル比85:15)
(17)N−ビニルピロリドン−N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチルアクリルアミド)共重合体(モル比50:50)
(18)N−ビニルピロリドン−N−(tert−ブチル)アクリルアミド共重合体(モル比70:30)
(19)N−ビニルピロリドン−ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体(モル比80:15:5)
(20)N−ビニルピロリドン−N−ビニルサクシンイミド−酢酸ビニル共重合体(モル比70:20:10)
(21)N−ビニルピロリドン−2−エトキシエチルアクリレート共重合体(モル比92:8)
(22)N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル−ジメチルアクリルアミド共重合体(モル比60:20:20)
(23)N−ビニルサクシンイミド−酢酸ビニル共重合体(モル比75:25)
(24)N−ビニルサクシンイミド−酢酸ビニル共重合体(モル比90:10)
(25)N−ビニルサクシンイミド−n−ブチルメタクリレート共重合体(モル比93:7)
(26)N−ビニルサクシンイミド−N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチルアクリルアミド)共重合体(モル比65:35)
(27)N−ビニルサクシンイミド−ジメチルアクリルアミド共重合体(モル比73:27)
(28)N−ビニルオキサゾリドン−酢酸ビニル共重合体(モル比92:8)
(29)N−ビニルオキサゾリドン−n−ブチルアクリレート共重合体(モル比95:5)
(30)N−ビニルオキサゾリドン−N−ビニルフタルイミド共重合体(モル比60:40)
(31)N−(2−メタクリロイルオキシエチル)ピロリドン−N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミド共重合体(モル比70:30)
(32)N−(2−アクリルアミドエチル)ピロリドン−酢酸ビニル共重合体(モル比75:25)
(33)N−ビニルピロリドン−ビニルアルコール共重合体(モル比70:30)
【0042】
本発明のポリビニルピロリドン系化合物は、前記沃化銀微粒子乳剤にあらかじめ(感光性平板状ハロ沃化銀乳剤と混合する前に)、添加することが重要である。添加量は沃化銀微粒子1モル当たり、5g〜50g、好ましくは10〜30gがよい。添加温度は40℃〜75℃の範囲で行なうことができる。
本発明では前述の平板状粒子ハロ沃化銀乳剤と沃化銀微粒子乳剤に加え、易溶性の粒子より成る乳剤(これらの粒子は、本質的に、沃化銀よりも溶解性が大である銀塩からなる)をブレンドすることができる。
これに有用な銀塩は、9.5〜16未満の溶解度積定数を持っているものの中から選択することができる。好ましい銀塩は、9.75〜15.5、最適には11〜13の溶解度積定数を有しているものである。なお、記載の溶解度積定数はすべて、特に断りのある場合を除いて、温度20℃の時のものである。典型的な銀塩に関しての溶解度積定数の検討及び列挙は、例えば、James.Theory of the Photographic Process, 4th Ed., Macmillan, 1977. Chapter 1, Section F.G及びH. pp.5−10に認めることができる。
【0043】
例えば、感光性平板状臭沃化銀粒子とブレンドする場合には、易溶性乳剤は、臭化銀、チオシアン酸銀あるいは、これらの組合せの銀塩より実質的に成ることが好ましく、感光性平板状塩臭沃化銀粒子とブレンドする場合には塩化銀あるいは塩臭化銀より実質的に成ることが好ましい。また粒子サイズは感光性平板状ハロ沃化銀粒子に比較して小サイズであることが好ましく、0.5μm 以下、さらに0.3μm 以下が好ましい。さらに0.1μm 未満の平均粒径を用いることができる。したがって、易溶性乳剤は最適には、常用のリップマン乳剤でありうる。最小平均直径は調製の便宜によってのみ制限されるものであり、通常、最低約0.05μm である。
本発明の易溶性乳剤は、反転写真感光材料の写真性能を改善する任意の濃度で使用することができるが、混合乳剤の全銀量に対して0.5〜50モル%の範囲で用いることが好ましく、さらに1〜40モル%、さらに2〜20モル%が好ましい。
本発明においては、易溶性乳剤は、感光性平板状ハロ沃化銀乳剤と、沃化銀微粒子乳剤と混合するに先だって、感光性平板状ハロ沃化銀乳剤上の増感色素と異なる波長の吸収ピークを有する色素を表面に吸着させることが重要である。ここに使用する色素は米国特許第5,391,468号に示されているものを用いることができる。
ここで異なる波長の吸収ピークとは、ピーク波長で20nm以上異なることを意味し、50nm以上異なっていることが好ましい。
以下に、具体的な化合物例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】
【化5】
【0047】
【化6】
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
【化9】
【0051】
【化10】
【0052】
これ等の色素は、易溶性粒子の表面の飽和被覆量に対し、30〜120%の範囲で添加することができるが、好ましくは80〜105%の範囲がよい。色素の飽和被覆量を求めるには、A.H.Herz等による、Advances in Chemistry Series 79, America Chemical Society 173〜197(1968) の報告を参考にすることができる。
【0053】
本発明の感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。
米国特許第4,082,553号に記載の粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第4,626,498号、特開昭59−214852号に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特開昭59−214852号に記載されている。
粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成をもつものでもよい。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズには特別な限定はないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μmが好ましい。また、粒子形状については特に限定はなく、規則的な粒子でもよく、また、多分散乳剤でもよいが、単分散(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0054】
本発明の感光材料は、支持体上に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。
上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には各種の中間層等の非感光性層を設けてもよい。
該中間層には、特開昭61−43748号、同59−113438号、同59−11340号、同61−20037号、同61−20038号明細書に記載されるようなカプラー、DIR化合物等が含まれていてもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでいてもよい。
各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは英国特許第923,045号に記載されるように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることができる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の間には非感光性層が設けられていてもよい。また、特開昭57−112751号、同62−200350号、同62−206541号、62−206543号等に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0055】
具体例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができる。
また特公昭55−34932号公報に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RLの順に配列することもできる。また特開昭56−25738号、同62−63936号明細書に記載されているように、支持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列することもできる。
また特公昭49−15495号公報に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59−202464号明細書に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中間度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に設置されてもよい。
その他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中間度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中間度乳剤層/高感度乳剤層などの順に設置されていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如く配列を変えてよい。
【0056】
色再現性を改良するために、米国特許第4,663,271号、同第4,705,744号、同第4,707,436号、特開昭62−160448号、同63−89850号の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
上記のように、それぞれの感光材料の目的に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0057】
【0058】
本発明の感光材料に、米国特許第4,740,454号、同第4,788,132号、特開昭62−18539号、特開平1−283551号に記載のメルカプト化合物を含有させることができる。
本発明の感光材料に、特開平1−106052号に記載の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそれらの前駆体を放出する化合物を含有させることができる。
【0059】
本発明のハロゲン化銀写真乳剤、およびそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料に用いることのできる種々の技術や無機・有機の素材については一般にはリサーチ・ディスクロージャーNo. 308119(1989年)に記載されたものを用いることができる。
【0060】
これに加えて、より具体的には、例えば、本発明のハロゲン化銀写真乳剤が適用できるカラー写真感光材料に用いることができる技術および無機・有機素材については、欧州特許第436,938A2号の下記の箇所及び下記に引用の特許に記載されている。
【0061】
【0062】
本発明には以下の透明磁気記録層を有することができる。
本発明に用いられる透明磁気記録層とは、磁性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。
本発明で用いられる磁性体粒子は、γFe2O3 などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2O3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積では SBET で20m2/g以上が好ましく、30m2/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A/mであり、特に好ましくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161032に記載された如くその表面にシランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特開平4−259911、同5−81652 号に記載の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0063】
次に磁性粒子に用いられるバインダーは、特開平4−219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導体など)およびそれらの混合物を使用することができる。上記樹脂のTgは −40℃〜 300℃、重量平均分子量は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリプロピオネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1molの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、例えば特開平6−59357 に記載されている。
【0064】
前述の磁性体を上記バインダ−中に分散する方法は、特開平6−35092 に記載されている方法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好ましく併用も好ましい。特開平5−088283に記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μm、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2、好ましくは0.01〜 2g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2である。本発明に用いられる磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に設けることができる。磁気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用でき、特開平5−341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0065】
磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、その表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用するバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同 5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されている。
【0066】
次に本発明に用いられるポリエステル支持体について記すが、後述する感材、処理、カートリッジ及び実施例なども含め詳細については、公開技報、公技番号94−6023(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。本発明に用いられるポリエステルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000ないし 200,000である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0067】
次にポリエステル支持体は、巻き癖をつきにくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。
このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として市販されている染料または顔料を練り込むことにより目的を達成することが可能である。
【0068】
次に、本発明では支持体と感材構成層を接着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることができる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0069】
また本発明においては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができる。
帯電防止剤として最も好ましいものは、 ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、 MgO、 BaO、MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下である粒子サイズ 0.001〜 1.0μm結晶性の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、 5〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量の比は1/300 〜 100/1が好ましく、より好ましくは 1/100〜 100/5である。
【0070】
本発明の感材には滑り性がある事が好ましい。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25以下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステンレス球に対し、 60cm/分で搬送した時の値を表す(25℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層としては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0071】
本発明の感材にはマット剤が有る事が好ましい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例えばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の 0.9〜 1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ましい。又、マット性を高めるために 0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられる。
【0072】
次に本発明で用いられるフィルムパトローネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。
好ましいプラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止されたパトローネは特開平1−312537、同1−312538に記載されている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作される。パトローネのサイズは現在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下とすることも有効である。パトローネのケースの容積は、30cm3 以下好ましくは 25cm3以下とすることが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに使用されるプラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0073】
更に本発明で用いられる、スプールを回転してフイルムを送り出すパトローネでもよい。またフイルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸をフイルム送り出し方向に回転させることによってフイルム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造でもよい。これらはUS 4,834,306、同 5,226,613に開示されている。本発明に用いられる写真フイルムは現像前のいわゆる生フイルムでもよいし、現像処理された写真フイルムでもよい。又、生フイルムと現像済みの写真フィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、異なるパトローネでもよい。
【0074】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
1.乳剤の調製
(乳剤aの調製)
温度を60℃に保った3.0重量%のゼラチン溶液1.0リットルにNH4 OHを添加しpH=10.3とした。この溶液にダブルジェット法で0.5Mの硝酸銀水溶液と0.5Mの臭化カリウム溶液とを2分間でそれぞれ42cc添加した。このまま10分間保った後、1.0M硝酸銀溶液100ccをゆっくり添加した後pHを元に戻し、さらに60分間で130gの硝酸銀を含む硝酸銀水溶液と10.2gのヨウ化カリウムを含む臭化カリウム水溶液を一定流量で添加した。この間pBrは2.90に保たれた。さらに10分間で20gの硝酸銀を含む硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液をpBrを2.85に保ちながら一定流量で添加した。この乳剤を定法のフロキュレーション法で脱塩し、40℃においてpH=6.5、pAg=8.5に調整した後チオ硫酸ソーダと塩化金酸カリウムおよびチオシアン酸カリウムにより最適に化学増感した。このようにして球換算時の直径が0.41μm 、AgI含率6.0モル%の立方体乳剤粒子を調製した。
この後、増感色素S−7、S−9を用いて、最適に色増感をし緑感性乳剤aを調製した。
【0075】
(乳剤bの調製)
KBr0.15g、酸化処理ゼラチン0.4g、HNO3 (1N)16.8cc、化合物(P−3)5gを含む水溶液1リットルを45℃に保った。この溶液中に攪拌しながら0.165mol /リットルの硝酸銀溶液を14cc、0.155mol /リットルの臭化カリウム溶液を14ccを30秒間で添加した。添加後1分後にKBrを2.98g添加した後、9分間で60℃に昇温した。昇温後直ちに、20%アンモニウム17ccとNaOH(5N)27ccを添加した。9分間攪拌後、酸化処理ゼラチン16.7gとHNO3 (1N)43ccを添加した。2分間攪拌後、0.165mol /リットルの硝酸銀溶液を75cc、0.155mol /リットルの臭化カリウム溶液を83cc、5分間で添加した。2分間攪拌後、1.21mol /リットルの臭化カリウムと沃化カリウムの混合溶液を銀/飽和カロメル電極間電位差が−40mVになるように流速をコントロールしながら添加した。この乳剤を水洗し、分散させた。得られた平板粒子は球換算時の直径が0.41μm 、AgI含率6.0モル%、変動係数が10%、平均アスペクト比が6.0であった。
この後、増感色素S−7、S−9を用いて、最適に色増感をし、チオ硫酸ソーダ、塩化金酸カリウム、チオシアン酸カリウムおよび、(CH3)2NCSeNH2 を用い最適に化学増感し、緑感性平板状沃臭化銀乳剤b−1を得た。
【0076】
【化11】
【0077】
(乳剤cの調製)
乳剤cは乳剤b−1の調製法において、増感色素S−7、S−9をS−2、S−14に変えた以外は同じ手順で、赤感性平板状沃臭化銀乳剤cを得た。
(乳剤dの調製)
温度を35℃に保ったゼラチン30gを含むゼラチン溶液4.6リットルに、120gの硝酸銀を含む水溶液と103gの沃化カリウムを含む水溶液を5分間にわたって流量を3倍に加速して添加した。その後臭化カリウム20gとゼラチン60gを含む水溶液を添加し、10分間保持した。次いでフロキュレーション法で脱塩し、40℃でpH=6.5、pAg=8.5に調整することにより、球相当直径0.05μm の沃化銀微粒子乳剤d−1を得た。
(乳剤eの調製)
温度を30℃に保ったゼラチン24g、KBr1.5gを(1N)NaOH3.0ccを含む溶液300ccに、90gの硝酸銀を含む水溶液と、64.2gのKBrを含む水溶液を4分間にわたって添加し、その後10分間保持した。次いでフロキュレーション法で脱塩し、40℃でpH=6.5、pAg=8.5に調整することにより、球相当直径0.06μm の易溶性臭化銀乳剤e−1を得た。
【0078】
2.塗布試料の作製
(モデル塗布試料−1の作製)
下塗りを施した厚み127μmの三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記の組成の各層より成るモデル感光材料を作製し、試料1とした。数字はm2当りの添加量を表す。
第1層:中間層
ゼラチン 0.4g
化合物Cpd−A 5.0mg
高沸点有機溶媒Oil−3 0.1g
第2層:赤感性乳剤層
乳剤−c 銀量 1.0g
ゼラチン 1.6g
カプラーC−1 0.4g
カプラーC−2 0.10g
カプラーC−6 0.4g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.2g
第3層:中間層
ゼラチン 1.0g
化合物Cpd−D 0.1g
化合物Cpd−G 0.2g
第4層:緑感性乳剤層
乳剤−a 銀量 1.0g
ゼラチン 1.0g
カプラーC−4 0.3g
カプラーC−10 0.2g
カプラーC−11 0.2g
化合物Cpd−F 0.03g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g
第5層:保護層
ゼラチン 1.40g
ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μ) 5.0mg
メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体
(平均粒径1.5μ) 0.10g
シリコーンオイル 0.030g
【0079】
また、上記組成物の他に添加剤F−1〜F−3、界面活性剤W−2〜W−6、ゼラチン硬化剤H−1を添加した。
(塗布試料2〜17の作製)
試料2は試料1で第4層の乳剤aを乳剤b−1に置き換えて作製した。試料3、4は乳剤b−1を同様の調製法にて得たヨード含量3モル%の乳剤b−2、ヨード含量0モル%の乳剤b−3に置き換えて作製した。試料5は試料4において第4層に乳剤d−1を、乳剤b−3に対し6モル%の割合で加えて作製した。試料6は乳剤d−1にあらかじめ本文記載のポリビニル系化合物(1) を、60℃で乳剤1モル当たり19g添加した乳剤d−2を調製し、試料5において乳剤d−1を乳剤d−2に置き換えて作製した。試料7、8は表−1のごとく、試料6と類似の方法で作製した。試料9は、乳剤d−1にあらかじめ本文記載のポリビニル系化合物(14)を、60℃で乳剤1モル当たり25g添加した乳剤d−3を用いて作製した。試料10は試料8において、第4層に乳剤e−1を、乳剤b−2に対し3モル%の割合で加えて作製した。試料11は、乳剤e−1にあらかじめ本文記載の色素D−2を飽和被覆量の95%量を60℃で添加した乳剤e−2を調製し、試料10において乳剤e−1を乳剤e−2に置き換えて作製した。試料12は乳剤e−2の色素をD−37に置き換えた乳剤e−3を用いて作製した。試料13、14は、表−1のごとく試料11と類似の方法で作製した。試料15は試料11において乳剤d−2を除いて作製した。試料16は試料8において、乳剤d−2の粒子サイズを大きくした乳剤d−4をd−2の代わりに用いて作製した。試料17は試料11において、乳剤e−2の粒子サイズを大きくした乳剤e−4をe−2の代わりに用いて作製した。
(試料の評価)
作製した試料1〜17の試料片を白色光源を用い1/100秒のウェッジ露光をした後、下記現像処理、センシトメトリーを行ない、マゼンタ濃度0.5を与える露光量の逆数より第4層の感度を、またマゼンタ最高濃度MDmの0.8倍と0.2倍を結ぶ直線の傾きより、第4層のガンマを求めた。さらに第4層から第2層へのインターイメージ効果の程度をシアン濃度0.5を与える露光量の逆数より得られた第2層の感度Sと基準となる感度Soとから、I=log So/Sの値として表わした(この値が正に大きい程インターイメージ効果は大きい)。
【0080】
【0081】
各処理液の組成は以下の通りであった。
pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0082】
pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0083】
pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0084】
pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0085】
pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0086】
pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。
【0087】
結果を表1に示した。
【0088】
【表1】
【0089】
表−1より明らかなように、本発明の構成は比較の試料に比べて感度、ガンマ、インターイメージ効果が同時に高く、本発明の効果が顕著であることが判る。
【0090】
実施例2
(試料201の作製)
下塗りを施した厚み127μの三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー感光材料を作製し、試料201とした。数字はm2当りの添加量を表す。なお添加した化合物の効果は記載した用途に限らない。
【0091】
第1層:ハレーション防止層
黒色コロイド銀 銀量 0.30g
ゼラチン 2.30g
紫外線吸収剤U−1 0.10g
紫外線吸収剤U−3 0.04g
紫外線吸収剤U−4 0.10g
高沸点有機溶媒Oil−1 0.10g
染料E−1の微結晶固体分散物 0.25g
染料E−2の微結晶固体分散物 0.10g
【0092】
第2層:中間層
ゼラチン 0.40g
化合物Cpd−A 5.0mg
高沸点有機溶媒Oil−3 0.10g
染料d−4 10.0mg
染料d−5 4.0mg
【0093】
第3層:中間層
黄色コロイド銀 銀量 0.010g
ゼラチン 0.40g
【0094】
第4層:低感度赤感性乳剤層
乳剤 銀量 0.69g
ゼラチン 0.80g
カプラーC−1 0.10g
カプラーC−2 0.04g
カプラーC−6 0.05g
化合物Cpd−A 5.0mg
化合物Cpd−E 0.1mg
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g
【0095】
第5層:中感度赤感性乳剤層
乳剤(実施例1に記載の乳剤c) 銀量 0.50g
ゼラチン 0.80g
カプラーC−1 0.13g
カプラーC−2 0.06g
カプラーC−6 0.01g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g
【0096】
第6層:高感度赤感性乳剤層
乳剤 銀量 0.50g
ゼラチン 1.70g
カプラーC−3 0.70g
カプラーC−6 0.02g
添加物P−1 0.20g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.04g
【0097】
第7層:中間層
ゼラチン 0.60g
化合物Cpd−D 0.04g
化合物Cpd−G 0.16g
染料E−4の微結晶固体分散物 0.02g
【0098】
第8層:中間層
ゼラチン 1.20g
化合物Cpd−A 0.10g
化合物Cpd−B 0.10g
化合物Cpd−C 0.17g
高沸点有機溶媒Oil−3 0.20g
【0099】
第9層:低感度緑感性乳剤層
乳剤 銀量 0.95g
ゼラチン 0.50g
カプラーC−7 0.03g
カプラーC−8 0.09g
カプラーC−10 0.04g
カプラーC−11 0.04g
化合物Cpd−A 0.01g
化合物Cpd−E 0.01g
化合物Cpd−F 0.3mg
高沸点有機溶媒Oil−2 0.10g
【0100】
第10層:中感度緑感性乳剤層
乳剤(実施例1に記載の乳剤a) 銀量 0.50g
ゼラチン 0.50g
カプラーC−4 0.12g
カプラーC−10 0.06g
カプラーC−11 0.06g
化合物Cpd−F 0.03g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g
【0101】
第11層:高感度緑感性乳剤層
乳剤 銀量 0.44g
ゼラチン 0.50g
カプラーC−4 0.18g
カプラーC−10 0.09g
カプラーC−11 0.09g
化合物Cpd−F 0.08g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.020g
【0102】
第12層:中間層
ゼラチン 0.30g
【0103】
第13層:イエローフィルター層
黄色コロイド銀 銀量 0.08g
ゼラチン 0.50g
化合物Cpd−B 0.02g
化合物Cpd−D 0.03g
化合物Cpd−G 0.10g
染料E−3の微結晶固体分散物 0.27g
【0104】
第14層:低感度青感性乳剤層
乳剤 銀量 0.43g
ゼラチン 0.80g
カプラーC−5 0.30g
カプラーC−6 5.0mg
カプラーC−9 0.03g
【0105】
第15層:中感度青感性乳剤層
乳剤 銀量 0.16g
ゼラチン 0.60g
カプラーC−5 0.30g
カプラーC−6 5.0mg
カプラーC−9 0.03g
【0106】
第16層:高感度青感性乳剤層
乳剤 銀量 0.47g
ゼラチン 2.60g
カプラーC−5 0.10g
カプラーC−6 0.10g
カプラーC−9 1.00g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.40g
【0107】
第17層:第1保護層
ゼラチン 1.00g
紫外線吸収剤U−1 0.10g
紫外線吸収剤U−2 0.03g
紫外線吸収剤U−5 0.20g
染料d−1 0.05g
染料d−2 0.050g
染料d−3 0.10g
染料d−4 0.05g
化合物Cpd−H 0.40g
高沸点有機溶媒Oil−2 0.30g
【0108】
【0109】
【0110】
用いた乳剤はまとめて表2に示した。
【0111】
【表2】
【0112】
また、上記組成物の他に添加剤F−1〜F−8、界面活性剤W−1〜W−6、ゼラチン硬化剤H−1を添加した。
更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノール、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステルを添加した。
【0113】
【化12】
【0114】
【化13】
【0115】
【化14】
【0116】
【化15】
【0117】
【化16】
【0118】
【化17】
【0119】
【化18】
【0120】
【化19】
【0121】
【化20】
【0122】
【化21】
【0123】
【化22】
【0124】
【化23】
【0125】
【化24】
【0126】
【化25】
【0127】
(試料202〜217の作製)
試料201の作製法において、第10層の中間度緑感性乳剤層の乳剤を表−1の第4層構成にした以外は同じ方法で全重層ハロゲン化銀カラー反転写真感光材料202〜217を作製した。
(試料の評価)
作製した試料201〜217の試料片を白色光源を用い1/100秒のウェッジ露光をした後、実施例1と同じ処理、センシトメトリーを行った。但し、第10層の感度はマゼンタ濃度1.5で見積り、第10層のガンマはマゼンタ濃度1.5のポイントガンマで見積り、第10層から第4層、5層、6層の赤感性層へのインターイメージ効果はシアン濃度1.3の感度点より同様な方法で見積もった。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。
【0128】
実施例3
(試料301〜303の作製)
試料301は実施例2の試料211と同様に作成した。試料302は試料301の第14層低感度青感性層に実施例1の乳剤d−2を感光性ハロゲン化銀乳剤に対し3モル%量加えた以外は同様に作製した。試料303は試料302において第14層低感度青感性層に実施例1の乳剤e−2を3モル%量加えた以外は同様に作製した。
(試料の評価)
試料301〜303の試料片を実施例2と同様に処理、センシトメトリーを行った。その結果、実施例2と類似の効果が観察され、塗布試料302は301に対して、マゼンタおよびシアンカーブが低感化しておりインターイメージ効果が向上していることが判った。また試料303は302に対してイエローカーブのD=0.15付近の感度が高く、第14層が高ガンマとなっていることが判った。
Claims (3)
- 支持体上に、それぞれ少なくとも1層の青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー反転写真感光材料において、厚さ0.03μm 乃至0.5μm 、直径0.2μm 乃至5.0μm で、アスペクト比2乃至100であって、増感色素により色増感された感光性平板状ハロ沃化銀乳剤と、ポリビニルピロリドン系化合物を含む球相当直径0.02μm 乃至0.3μm の非感光性沃化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー反転写真感光材料。
- 該感光性平板状ハロ沃化銀乳剤の沃化銀含有量が0.01モル%乃至4.00モル%であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー反転写真感光材料。
- 該感光性平板状ハロ沃化銀乳剤のハロゲン組成より高い溶解性を有するハロゲン化銀塩よりなり、該感光性平板状ハロ沃化銀乳剤と異なる吸収ピークの色素を表面に吸着させたハロゲン化銀乳剤を含有することを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀カラー反転写真感光材料。
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