JP3574625B2 - ユニット建物とその構築方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はユニット建物とその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ユニット建物は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築される。従って、一般のユニット建物では、各建物ユニットの4個のコーナー部に必ず柱があり、結果として、複数の建物ユニットのコーナー部を互いに突き合せ配置したユニット建物の中央部には必ず柱(複数本の柱)が立ち、柱に遮られることのない広く連続した居室空間を形成することができない。
【0003】
これに対し、建物ユニットの突き合せ部で柱を省略し得るユニット建物として、特開平4−136341号公報(従来例1)、或いは特開平6−185122号公報(従来例2)に記載のものがある。
【0004】
従来例1は、建物ユニットに定めた1個の柱省略コーナー部に仮柱を設けておき、2個の建物ユニットの仮柱部分を互いに突き合せ配置した後、それらの仮柱を取外す。そして、2個の建物ユニットの仮柱を取外された突き合せ部の両側に位置する柱に、それら柱間に架け渡されている天井梁の下方に沿って延在する補強フレームを架設するものである。
【0005】
従来例2は、4個の建物ユニットそれぞれに定めた1個の柱省略コーナー部のそれぞれに仮柱を設けておき、それら4個の建物ユニットの仮柱部分を互いに突き合せ配置し、その柱省略接合部で相交差する4個の天井梁を1個の補強連結具により一体に連結し、その後、それらの仮柱を取外す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来例1には、以下の如くの問題点がある。
(a)仮柱を取外してからでないと、補強フレームを架設できない。このため、仮柱を取外してから補強フレームを架設完了するまでの間、建物ユニットの強度が極端に低下し、天井梁が仮柱を取外された柱省略コーナー部から崩落する虞れがある。即ち、施工性が悪い。
【0007】
(b)補強フレームが天井梁の下方に沿って延在する。従って、補強フレームが天井梁の下に突き出るものとなり、梁下天井高が低くなる。
【0008】
また、従来例2には、以下の如くの問題点がある。
(a)4個の建物ユニットの突き合せ部で柱を省略し、その柱省略接合部で相交差する天井梁を補強連結具により一体に連結するに過ぎない。このため、このユニット建物の天井構造強度は、相隣る建物ユニットの相接する2個の天井梁の断面性能の和以上のものとすることができない。従って、柱省略した天井スパンの拡大に限界があり、柱省略した広い連続空間の拡張に限界がある。
【0009】
本発明の課題は、ユニット建物において、梁下天井高を低くすることなく、柱省略した広い連続空間を形成し、施工性も良好とすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、4個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁間から、他方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁間に渡る補強梁を隣接ユニット間隙に設けてなり、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され補強梁の中央部は、前記4個の建物ユニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物である。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、3個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁間から、他方側の建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を隣接ユニット間隙に設けてなり、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、補強梁の中央部は、前記3個の建物ユニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物である。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、2個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、他の1個の建物ユニットをそれら2個の建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略接合部の両側に渡るように隣接配置し、柱省略接合部の一方側にて相隣る他の1個の建物ユニットと一方側の建物ユニットとの2個の建物ユニットの天井梁間から、他方側にて相隣る他の1個の建物ユニットと他方側の建物ユニットとの2個の建物ユニットの天井梁間に渡る補強梁を隣接ユニット間隙に設けてなり、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、補強梁の中央部は、前記2個の建物ユ ニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されるとともに、前記他の1個の建物ユニットの天井梁中間部とも接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物である。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、2個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側の建物ユニットの天井梁側から、他方側の建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設け、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、補強梁の中央部は、前記2個の建物ユニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物である。
【0014】
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のユニット建物において、前記ユニット建物が、柱省略コーナー部を有する前記複数の建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを搭載され、隣接する上階建物ユニットの一方側の上階建物ユニットの天井梁側から、他方側の上階建物ユニットの天井梁側に渡る上階補強梁を設け、上階補強梁の中央部が、上階建物ユニットの柱の内、下階の柱省略接合部の上の各柱のそれぞれに接続されてなることを特徴とするユニット建物である。
【0015】
請求項6に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のにおいて、前記ユニット建物が、柱省略コーナー部を有する前記複数の建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを搭載され、前記複数の上階建物ユニットも柱省略コーナー部を有し、上階の柱省略接合部の一方側の上階建物ユニットの天井梁側から、他方側の上階建物ユニットの天井梁側に渡る上階補強梁を設け、上階補強梁の中央部には、複数の上階建物ユ ニットの各柱省略コーナー部が接続されてなることを特徴とするユニット建物である。
【0016】
請求項7に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、複数の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、この柱省略コーナー部を有する前記複数の建物ユニットを下階建物ユニットとし、下階建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、この下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを搭載され、隣接する上階建物ユニットの一方側の上階建物ユニットの天井梁側から、他方側の上階建物ユニットの天井梁側に渡る上階補強梁を設け、上階補強梁の中央部が、上階建物ユニットの柱の内、下階の柱省略接合部の上の各柱のそれぞれに接続されてなることを特徴とするユニット建物である。
請求項8に記載の本発明は、請求項7記載のユニット建物において、柱省略接合部の一方側の下階建物ユニットの天井梁側から、他方側の下階建物ユニットの天井梁側に渡る下階補強梁を設け、下階補強梁の中央部には、複数の下階建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続されてなることを特徴とするユニット建物である。
【0017】
請求項9に記載の本発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のユニット建物の構築方法において、柱が省略される建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてなるものを用い、建物ユニットに補強梁を接続完了するまでは仮柱を設けておき、補強梁の接続完了後に仮柱を取外すことを特徴とするユニット建物の構築方法である。
【0018】
請求項10に記載の本発明は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、2個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合 せ配置し、他の1個の建物ユニットをそれら2個の建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略接合部の両側に渡るように隣接配置し、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、柱省略接合部の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの各柱が補強板を介して高力ボルト接合され、柱省略接合部の左右の他方側にて相隣る2個の建物ユニットの各柱が補強板を介して高力ボルト接合され、2個の建物ユニットの各柱省略コーナー部と1個の建物ユニットの天井梁中間部とが補強板を介して高力ボルト接合されることを特徴とするユニット建物である。
【0019】
本発明によれば下記(1) 、(2) の作用がある。
(1) ユニット建物において、補強梁の中央部には、複数の建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続される。従って、このユニット建物の天井構造強度は、建物ユニットの天井梁の断面性能の和に、補強梁の断面性能をも加えたものとなる。このため、柱を省略した天井スパンを大きく拡大し、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0020】
(2) 補強梁は、建物ユニットの天井梁に添う如くに設置される。従って、補強梁は天井梁の下に大きく突き出る如くがなく、梁下天井高を低くすることがない。
【0021】
請求項1〜4に記載の本発明によれば下記(3) の作用がある。
(3) 建物ユニットの柱省略のための補強梁を、天井梁の上に突出して延在する。従って、柱を省略した建物ユニットの天井構造強度が、補強梁自体の断面性能によって補強される。このため、建物ユニットの柱を省略した天井スパンをより拡大し、柱を省略したより広い連続空間を形成できる。
【0022】
請求項7に記載の本発明によれば下記(4) の作用がある。
(4) 上階補強梁がその中央部で、上階建物ユニットの柱の内、下階の柱省略接合部の上の各柱のそれぞれに接続される。従って、相隣る上階建物ユニットが上階補強梁によって一体化されて、その上階建物ユニットの中央部の柱を介して上階床を吊る如くになり、下階建物ユニットの柱省略接合部への上階荷重を低減するものとなる。よって、万一、下階建物ユニットの補強梁と該下階建物ユニットとの接続(高力ボルト等)が切れ、下階建物ユニットの柱省略接合部の天井構造強度が低下しても、上階建物ユニットの床が落ちる如くを防止できる。
【0023】
請求項5、8に記載の本発明によれば下記(5) の作用がある。
(5) 下階建物ユニットの天井部に補強梁を設け、上階建物ユニットの天井梁に上階補強梁を設け、上階補強梁が上階建物ユニットの柱の内、下階の柱省略接合部の上の各柱のそれぞれに接続される。従って、相隣る上階建物ユニットが上階補強梁によって一体化されて、その上階建物ユニットの接合部の柱を介して上階床を吊る如くになり、下階建物ユニットの柱省略接合部への上階荷重を低減するものとなる。よって、万一、下階建物ユニットの補強梁と該下階建物ユニットとの接続(高力ボルト等)が切れ、下階建物ユニットの柱省略接合部の天井構造強度が低下しても、上階建物ユニットの床が落ちる如くを防止できる。
【0024】
請求項6に記載の本発明によれば下記(6) の作用がある。
(6) 上記(5) の上階補強梁の断面性能が、上階建物ユニットの天井、床を支えることができるものであれば、上階建物ユニットにおいても柱を省略し、広い連続空間を形成できる。
【0025】
請求項1に記載の本発明によれば下記(7) の作用がある。
(7) 4個の建物ユニットそれぞれに定めた1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置してなるユニット建物において、梁下天井高を低くすることなく、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0026】
請求項2に記載の本発明によれば下記(8) の作用がある。
(8) 3個の建物ユニットそれぞれに定めた1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置してなるユニット建物において、梁下天井高を低くすることなく、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0027】
請求項3に記載の本発明によれば下記(9) の作用がある。
(9) 2個の建物ユニットそれぞれに定めた1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合わせ配置し、他の1個の建物ユニットをそれら2個の建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略接合部の両側に渡るように隣接配置してなるユニット建物において、梁下天井高を低くすることなく、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0028】
請求項9に記載の本発明によれば下記(10)の作用がある。
(10)建物ユニットの柱省略コーナー部に設けた仮柱は、該建物ユニットの工場製造段階、輸送保管段階を経た現地据付け後、補強梁の接続完了まで取外されない。従って、補強梁の接続時の建物ユニットの強度を低下せしめることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性は良い。
請求項10に記載の本発明によれば下記(11)の作用がある。
(11)2個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、他の1個の建物ユニットをそれら2個の建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略接合部の両側に渡るように隣接配置してなるユニット建物において、梁下天井高を低くすることなく、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1はユニット建物と建物ユニットを示す模式図、図2は第1実施形態の下階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図3は下階補強梁を示す模式図、図4は下階補強構造を示す模式図、図5は下階補強梁の端部接続構造を示す模式図、図6は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式図、図7は上階建物ユニットの搭載構造を示す模式図、図8は上階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図9は上階補強梁を示す模式図、図10は上階補強梁の作用を示す模式図、図11は上階補強構造を示す模式図、図12は補強梁の変形例を示す模式図である。
【0030】
(ユニット建物と建物ユニット)(図1)
ユニット建物10は、図1(A)に示す如く、工場生産した複数の標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12を建築現場に輸送し、予め設置してある基礎13の上にて水平、鉛直方向に隣接設置して下階部分10A、上階部分10Bが構築される。
【0031】
標準建物ユニット11は、図1(B)に示す如く、4本の角鋼管製柱21と、4本の型鋼製床梁22と、4本の型鋼製天井梁23とを箱形に接合した骨組構造体である。建物ユニット11は、4個のコーナー部で、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接続し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合して構成される。
【0032】
柱省略建物ユニット12は、図1(C)に示す如く、標準建物ユニット11の4本の柱21のうちの1本の柱21を省略したものである。柱省略建物ユニット12は、柱省略コーナー部以外の3個のコーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合するとともに、柱省略コーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Bにより短柱24に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Bにより短柱25に接合して構成される。そして、柱省略建物ユニット12では、柱省略コーナー部に仮柱26を着脱自在としている。仮柱26は、ボルト、ピン等の着脱手段により、上述の短柱24と短柱25とに着脱自在に結合される。
【0033】
(第1実施形態)(図2〜図11)
(ユニット建物10の下階部分10A)(図2〜図6)
然るに、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、図2に示す如く、4個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ載置し、それら4個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている。以下、4個の柱省略建物ユニット12の接合構造について説明する。
【0034】
ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、4個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30は、図3に示す如く、長尺板材からなり、図2、図4に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る他の2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間に渡って設けられる。図4において、15は下階天井板、16は上階床板である。
【0035】
下階補強梁30の両端部は、図5に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部14の他方側にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部は、高力ボルト31を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。
【0036】
補強梁30の中央部には、図6に示す如く、4個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボルト32を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0037】
補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0038】
尚、補強梁30は、補強梁30を挟んで相隣る2個の建物ユニット12、12の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0039】
(ユニット建物10の下階部分10Aへの上階部分10Bの搭載)(図7)
ユニット建物10は、下階部分10Aの上に上階部分10Bを搭載するに際し、下階部分10Aの一部を構成している4個の下階柱省略建物ユニット12の上に4個の上階標準建物ユニット11を搭載することができる(図7(A))。このとき、4個の上階建物ユニット11は、4個の下階建物ユニット12の柱省略コーナー部以外の3個のコーナー部においては上階建物ユニット11の3個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の3個の柱21の上端面に載置して結合し、下階建物ユニット12の柱省略コーナー部においては上階建物ユニット11の1個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の短柱25の上端面に載置して結合する(図7(B))。
【0040】
このとき、図7(C)に示す如く、4個の下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の成の高さを上階建物ユニット11の相隣る床梁22、22の間にまで延在し、下階補強梁30がこの延在部分で上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース22Aにも高力ボルト33により接続されるものとすることができる。
【0041】
(下階部分10Aの上の上階部分10Bの補強)(図8〜図10)
4個の下階柱省略建物ユニット12の上に4個の上階標準建物ユニット11を上述の如くに搭載したとき、図8に示す如く、下階建物ユニット12の補強梁30を設けた天井梁23、23間と同一面上に位置する、上階建物ユニット11の天井梁23、23間にも上階補強梁40を設けることができる。
【0042】
上階補強梁40は、図9に示す如く、断面T字状の如くの長尺T形材からなり、図10に示す如く、左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間に渡って設けられる。図11において、17は上階天井板である。
【0043】
上階補強梁40の両端部、中央部のそれぞれは、図5に示した下階補強梁30の両端部と同様に、相隣る2個の建物ユニット11の各柱21に、高力ボルト41を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの接合を介して接続される。
【0044】
尚、上階補強梁40は、補強梁40を挟んで相隣る2個の建物ユニット11、11の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23Aのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0045】
これによれば、相隣る建物ユニット11が上階補強梁40によって一体化され、4個の建物ユニット11の中央部の柱21を介して上階床を吊る如くになり(図10(C))、4個の下階建物ユニット12の柱省略中央部(柱省略接合部)への上階荷重を低減するものとなる。この上階補強梁40がない場合には、下階建物ユニット12の補強梁30と該下階建物ユニット12の柱21、天井梁23との接続が高力ボルト31、32の破断等により切れたとき(図10(A))、下階建物ユニット12の柱省略中央部の天井構造強度が低下して、上階建物ユニット11の床が図10(B)に示す如くに落ちる虞れがある。上階補強梁40を設けることにより、上述の上階建物ユニット11の床が落ちる如くを防止できる。
【0046】
(上階部分10Bの他の例)(図11)
4個の下階柱省略建物ユニット12の上に搭載される4個の上階建物ユニットは、標準建物ユニット11でなく柱省略建物ユニット12であっても良い。このとき、前述の上階補強梁40の両端部は、図11に示す如く、左右の一方側にて相隣る2個の上階建物ユニット12の各柱21と、左右の他方側にて相隣る2個の上階建物ユニット12の各柱21のそれぞれに、高力ボルト41を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの接合を介して接続される。そして、上階補強梁40の中央部は、4個の上階建物ユニット12の各柱省略コーナー部で、高力ボルト42を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0047】
尚、上階補強梁40は、補強梁40を挟んで相隣る2個の建物ユニット12、12の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0048】
以下、本実施例の作用について説明する。
(a)ユニット建物10において、補強梁30の両端部は、柱省略接合部の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部の他方側にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続される。そして、補強梁30の中央部には、4個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。従って、このユニット建物10の天井構造強度は、相隣る建物ユニット12の相接する2個の天井梁23、23の断面性能の和に、補強梁30の断面性能をも加えたものとなる。このため、柱を省略した天井スパンを大きく拡大し、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0049】
(b)補強梁30は、相隣る建物ユニット12の相接する2個の天井梁23、23の間に挟まれる如くに設置される。従って、補強梁30は天井梁23の下に大きく突き出る如くがなく、梁下天井高を低くすることがない。
【0050】
(c)補強梁30は、天井梁23を柱21、短柱25に接合するためのジョイントピース23A、23Bに接合されることにて、それらの柱21、短柱25に接続される。従って、補強梁30を柱21、短柱25に接続する構造を簡易且つ確実化できる。
【0051】
(d)下階建物ユニット12の柱省略のための補強梁30を、上階建物ユニット11の相隣る床梁22間にまで延在し、その延在部分で上階建物ユニット11にも接続する。従って、柱省略した下階建物ユニット12の天井構造強度が、補強梁30自体の断面性能によって補強されるだけでなく、補強梁30を介して上階建物ユニット11の床梁構造強度等によっても補強される。このため、下階建物ユニット12の柱を省略した天井スパンをより拡大し、柱を省略したより広い連続空間を形成できる。
【0052】
(e)下階建物ユニット12の補強梁30を設けた天井梁23間と同一面上に位置する、上階建物ユニット11の天井梁23間に上階補強梁40を設け、上階補強梁40が上階建物ユニット11の天井梁23が接合されている各柱21のそれぞれに接続される。従って、相隣る上階建物ユニット11が上階補強梁40によって一体化されて、その4個の上階建物ユニット11の中央部の柱21を介して上階床を吊る如くになり、4個の下階建物ユニット12の柱省略中央部への上階荷重を低減するものとなる。よって、万一、下階建物ユニット12の補強梁30と該下階建物ユニット12との接続(高力ボルト等)が切れ、下階建物ユニット12の柱省略中央部の天井構造強度が低下しても、上階建物ユニット11の床が落ちる如くを防止できる。
【0053】
(f)上記(e)の上階補強梁40の断面性能が、上階建物ユニット12の天井、床を支えることができるものであれば、上階建物ユニット12においても柱を省略し、広い連続空間を形成できる。
【0054】
(g)建物ユニット12の柱省略コーナー部に設け仮柱26は、該建物ユニット12の工場製造段階、輸送保管段階を経た現地据付け後、補強梁30、40の接続完了まで取外されない。従って、補強梁30、40の接続時の建物ユニット12の強度を低下せしめることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性は良い。
【0055】
図13は第2実施形態のユニット建物を示す模式図、図14は第3実施形態のユニット建物を示す模式図、図15は第3実施形態のユニット建物の変形構造を示す模式図、図16は第4実施形態のユニット建物を示す模式図である。
【0056】
(第2実施形態)(図13)
第2実施形態において、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、図13に示す如く、3個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ載置し、それら4個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている。以下、3個の柱省略建物ユニット12の接合構造について説明する。
【0057】
ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、3個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30は、図13に示す如く、長尺板材からなり、柱省略接合部14の左右の一方側(右側)にて相隣る2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間から、左右の他方側(左側)の建物ユニット12の天井梁23に渡って設けられる。
【0058】
下階補強梁30の両端部は、図13に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側(右側)にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部14の他方側(左側)の建物ユニット12の柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部は、高力ボルト31を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。
【0059】
補強梁30の中央部には、図13に示す如く、3個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボルト32を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0060】
補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0061】
尚、補強梁30は、補強梁30に相接する天井梁23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0062】
尚、第2実施形態のユニット建物10においても第1実施形態と同様に、(a) 下階補強梁の成の高さを上階部分10Bの床梁にまで延在させる構造、(b) 上階部分10Bの天井梁に上階補強梁を設ける構造、(c) 上階部分10Bも柱省略し、その柱省略接合部を上階補強梁により補強する構造を採用できる。
【0063】
(第3実施形態)(図14、図15)
第3実施形態において、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、図14に示す如く、2個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ載置し、他の1個の標準建物ユニット11をそれら2個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14を含む同一面内で該柱省略接合部14の両側に渡るように隣接配置し、それら2個の柱省略建物ユニット12と1個の標準建物ユニット11とによって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている。以下、2個の柱省略建物ユニット12と1個の標準建物ユニット11との接合構造について説明する。
【0064】
ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、2個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30は、図14に示す如く、長尺板材からなり、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12、11の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る2個の建物ユニット12、11の天井梁23、23の間に渡って設けられる。
【0065】
下階補強梁30の両端部は、図14に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12、11の各柱21と、柱省略接合部14の他方側にて相隣る2個の建物ユニット12、11の各柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部は、高力ボルト31を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。
【0066】
補強梁30の中央部には、図14に示す如く、2個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部と1個の建物ユニット11の天井梁中間部のそれぞれが接続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボルト32を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0067】
補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0068】
尚、補強梁30は、補強梁30を挟んで相隣る2個の建物ユニット12、11の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0069】
尚、第3実施形態の2個の柱省略建物ユニット12と1個の標準建物ユニット11とから広く連続した居室空間を形成してなるユニット建物10にあっては、図14の接合構造によらず、図15の接合構造を採用するものであっても良い。図15では、図14で用いた長尺の下階補強梁30を用いず、補強板50を用いた。即ち、(a) 柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12、11の各柱21に一体のジョイントピース23Aが補強板50を介して高力ボルト接合され、(b) 柱省略接合部14の左右の他方側にて相隣る2個の建物ユニット12、11の各柱21に一体のジョイントピース23Aが補強板50を介して高力ボルト接合され、(c) 2個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部と1個の建物ユニット11の天井梁中間部とが補強板50を介して高力ボルト接合される。
【0070】
また、第3実施形態のユニット建物10においても、第1実施形態と同様に、(a) 下階補強梁の成の高さを上階部分10Bの床梁にまで延在させる構造、(b) 上階部分10Bの天井梁に上階補強梁を設ける構造、(c) 上階部分10Bも柱省略し、その柱省略接合部を上階補強梁により補強する構造を採用できる。
【0071】
(第4実施形態)(図16)
第4実施形態において、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、図16に示す如く、2個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ載置し、それら2個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている。以下、2個の柱省略建物ユニット12の接合構造について説明する。
【0072】
ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、2個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30は、図16に示す如く、長尺板材からなり、柱省略接合部14の左右の一方側の建物ユニット12の天井梁23の側から、左右の他方側の建物ユニット12の天井梁23の側に渡って設けられる。
【0073】
下階補強梁30の両端部は、図16に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側の建物ユニット12の柱21と、柱省略接合部14の他方側の建物ユニット12の柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部は、高力ボルト31を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。
【0074】
補強梁30の中央部には、図16に示す如く、2個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボルト32を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0075】
補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0076】
尚、補強梁30は、補強梁30に相接する天井梁23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0077】
また、第4実施形態のユニット建物10においても、第1実施形態と同様に、(a) 下階補強梁の成の高さを上階部分10Bの床梁にまで延在させる構造、(b) 上階部分10Bの天井梁に上階補強梁を設ける構造、(c) 上階部分10Bも柱省略し、その柱省略接合部を上階補強梁により補強する構造を採用できる。
【0078】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、補強梁は、板材、T形材に限らず、角管(図12)、H形材、C形材等であっても良い。また、補強梁は相隣る2個の建物ユニットの天井梁間に貫通ボルトにて一挙に接合されるものでなく、補強梁の一面側に1つのボルトで一方の天井梁を接合し、補強梁の他面側に他のボルトで他方の天井梁を接合するものであっても良い。また、補強梁は、ボルトにより天井梁に接合するものでなく、溶接等の他の手段により天井梁に接合されるものであっても良い。
【0079】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ユニット建物において、梁下天井高を低くすることなく、柱省略した広い連続空間を形成し、施工性も良好とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はユニット建物と建物ユニットを示す模式図である。
【図2】図2は下階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図である。
【図3】図3は下階補強梁を示す模式図である。
【図4】図4は下階補強構造を示す模式図である。
【図5】図5は下階補強梁の端部接続構造を示す模式図である。
【図6】図6は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式図である。
【図7】図7は上階建物ユニットの搭載構造を示す模式図である。
【図8】図8は上階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図である。
【図9】図9は上階補強梁を示す模式図である。
【図10】図10は上階補強梁の作用を示す模式図である。
【図11】図11は上階補強構造を示す模式図である。
【図12】図12は補強梁の変形例を示す模式図である。
【図13】図13は第2実施形態のユニット建物を示す模式図である。
【図14】図14は第3実施形態のユニット建物を示す模式図である。
【図15】図15は第3実施形態のユニット建物の変形構造を示す模式図である。
【図16】図16は第4実施形態のユニット建物を示す模式図である。
【符号の説明】
10 ユニット建物
11 標準建物ユニット
12 柱省略建物ユニット
14 柱省略接合部
21 柱
22 床梁
23 天井梁
25 短柱
26 仮柱
23A、23B ジョイントピース
30 下階補強梁
40 上階補強梁
31、32、33、41、42 高力ボルト

Claims (10)

  1. 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、4個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁間から、他方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁間に渡る補強梁を隣接ユニット間隙に設けてなり、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され補強梁の中央部は、前記4個の建物ユニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物。
  2. 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、3個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁間から、他方側の建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を隣接ユニット間隙に設けてなり、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、補強梁の中央部は、前記3個の建物ユニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物。
  3. 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、2個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、他の1個の建物ユニットをそれら2個の建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略接合部の両側に渡るように隣接配置し、柱省略接合部の一方側にて相隣る他の1個の建物ユニットと一方側の建物ユニットとの2個の建物ユニッ トの天井梁間から、他方側にて相隣る他の1個の建物ユニットと他方側の建物ユニットとの2個の建物ユニットの天井梁間に渡る補強梁を隣接ユニット間隙に設けてなり、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、補強梁の中央部は、前記2個の建物ユニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されるとともに、前記他の1個の建物ユニットの天井梁中間部とも接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物。
  4. 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、2個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側の建物ユニットの天井梁側から、他方側の建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設け、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、補強梁の中央部は、前記2個の建物ユニットの各柱省略コーナー部で、短柱に接続されてなり、補強梁の上端部を天井梁の上に突出して延在してなることを特徴とするユニット建物。
  5. 前記ユニット建物が、柱省略コーナー部を有する前記複数の建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを搭載され、隣接する上階建物ユニットの一方側の上階建物ユニットの天井梁側から、他方側の上階建物ユニットの天井梁側に渡る上階補強梁を設け、上階補強梁の中央部が、上階建物ユニットの柱の内、下階の柱省略接合部の上の各柱のそれぞれに接続されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のユニット建物。
  6. 前記ユニット建物が、柱省略コーナー部を有する前記複数の建物ユニットを下階建物ユニットとし、この下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを搭載され、前記複数の上階建物ユニットも柱省略コーナー部を有し、上階の柱省略接合部の一方側の上階建物ユニットの天井梁側から、他方側の上階建物ユニットの天井梁側に渡る上階補強梁を設け、上階補強梁の中央部に は、複数の上階建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のユニット建物。
  7. 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、複数の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、この柱省略コーナー部を有する前記複数の建物ユニットを下階建物ユニットとし、下階建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、この下階建物ユニットの上に複数の上階建物ユニットを搭載され、隣接する上階建物ユニットの一方側の上階建物ユニットの天井梁側から、他方側の上階建物ユニットの天井梁側に渡る上階補強梁を設け、上階補強梁の中央部が、上階建物ユニットの柱の内、下階の柱省略接合部の上の各柱のそれぞれに接続されてなることを特徴とするユニット建物。
  8. 柱省略接合部の一方側の下階建物ユニットの天井梁側から、他方側の下階建物ユニットの天井梁側に渡る下階補強梁を設け、下階補強梁の中央部には、複数の下階建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続されてなることを特徴とする請求項7記載のユニット建物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のユニット建物の構築方法において、柱が省略される建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてなるものを用い、建物ユニットに補強梁を接続完了するまでは仮柱を設けておき、補強梁の接続完了後に仮柱を取外すことを特徴とするユニット建物の構築方法。
  10. 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、2個の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、他の1個の建物ユニットをそれら2個の建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内で該柱省略接合部の両側に渡るように隣接配置し、建物ユニットが、柱省略コーナー部以外のコーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を柱に接合し、柱省略コーナー部では、相交差する天井梁及び床梁を短柱に接合して構成され、 柱省略接合部の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの各柱が補強板を介して高力ボルト接合され、柱省略接合部の左右の他方側にて相隣る2個の建物ユニットの各柱が補強板を介して高力ボルト接合され、2個の建物ユニットの各柱省略コーナー部と1個の建物ユニットの天井梁中間部とが補強板を介して高力ボルト接合されることを特徴とするユニット建物。
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