JPH09317197A - ユニット建物の補強方法及び建物ユニット - Google Patents

ユニット建物の補強方法及び建物ユニット

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JPH09317197A
JPH09317197A JP13359596A JP13359596A JPH09317197A JP H09317197 A JPH09317197 A JP H09317197A JP 13359596 A JP13359596 A JP 13359596A JP 13359596 A JP13359596 A JP 13359596A JP H09317197 A JPH09317197 A JP H09317197A
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JP
Japan
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building
unit
floor
reinforcing
ceiling
Prior art date
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JP13359596A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yoda
泰宏 余田
Naoto Tanaka
直人 田中
Katsunori Onishi
克則 大西
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニット建物において、建物ユニットの構造
強度を補強しながら、広く連続する居室空間を形成し、
施工性も良好とすること。 【解決手段】 建物ユニット11において、柱21と床
梁22と天井梁23の少なくとも一部に補強板(補強フ
レーム50)を添着してなるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユニット建物の補
強方法及び建物ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ユニット建物は、柱と床梁と天
井梁を箱形に接合した複数の建物ユニットを隣接設置し
て構築される。そして、従来技術では、建物ユニットの
構造強度を補強する必要があるとき、特公昭61-42061号
公報(従来例1)に記載の如く、上下に相対する天井梁
と床梁との間に補強間柱もしくは補強枠体を付加するこ
ととしている。
【0003】また、一般のユニット建物では、各建物ユ
ニットの4個のコーナー部に必ず柱があり、結果とし
て、複数の建物ユニットのコーナー部を互いに突き合せ
配置したユニット建物の中央部には必ず柱(複数本の
柱)が立ち、柱に遮られることのない広く連続した居室
空間を形成することができない。
【0004】これに対し、建物ユニットの突き合せ部で
柱を省略し得るユニット建物として、特開平4-136341号
公報(従来例2)、或いは特開平6-185122号公報(従来
例3)に記載のものがある。
【0005】従来例2は、建物ユニットに定めた1個の
柱省略コーナー部に仮柱を設けておき、2個の建物ユニ
ットの仮柱部分を互いに突き合せ配置した後、それらの
仮柱を取外す。そして、2個の建物ユニットの仮柱を取
外された突き合せ部の両側に位置する柱に、それら柱間
に架け渡されている天井梁の下方に沿って延在する補強
フレームを架設するものである。
【0006】従来例3は、4個の建物ユニットそれぞれ
に定めた1個の柱省略コーナー部のそれぞれに仮柱を設
けておき、それら4個の建物ユニットの仮柱部分を互い
に突き合せ配置し、その柱省略接合部で相交差する4個
の天井梁を1個の補強連結具により一体に連結し、その
後、それらの仮柱を取外す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来例1
には、以下の如くの問題点がある。 補強間柱もしくは補強枠体が天井梁と床梁との間に存
在する。従って、建物ユニットの両側の柱間に広く連続
する居室空間を形成できない。
【0008】また、従来例2には、以下の如くの問題点
がある。 仮柱を取外してからでないと、補強フレームを架設で
きない。このため、仮柱を取外してから補強フレームを
架設完了するまでの間、建物ユニットの強度が極端に低
下し、天井梁が仮柱を取外された柱省略コーナー部から
崩落する虞れがある。即ち、施工性が悪い。
【0009】補強フレームが天井梁の下方に沿って延
在する。従って、補強フレームが天井梁の下に突き出る
ものとなり、梁下天井高が低くなる。
【0010】また、従来例3には、以下の如くの問題点
がある。 4個の建物ユニットの突き合せ部で柱を省略し、その
柱省略接合部で相交差する天井梁を補強連結具により一
体に連結するに過ぎない。このため、このユニット建物
の天井構造強度は、相隣る建物ユニットの相接する2個
の天井梁の断面性能の和以上のものとすることができな
い。従って、柱省略した天井スパンの拡大に限界があ
り、柱省略した広い連続空間の拡張に限界がある。
【0011】本発明の課題は、ユニット建物において、
建物ユニットの構造強度を補強しながら、広く連続する
居室空間を形成し、施工性も良好とすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した複数の建物ユニ
ットを隣接設置して構築されるユニット建物の補強方法
において、建物ユニットの柱と床梁と天井梁の少なくと
も一部に補強板を添着するようにしたものである。
【0013】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記複数の建物ユニットそれ
ぞれに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互い
に突き合せ配置し、柱省略接合部の一方側の建物ユニッ
トの天井梁から他方側の建物ユニットの天井梁に渡り、
前記補強板を添着してなるものである。
【0014】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載の本発明において更に、前記柱省略される建物ユニッ
トとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてな
るものを用い、建物ユニットに補強板を添着完了するま
では仮柱を設けておき、補強板の添着完了後に仮柱を取
外すようにしたものである。
【0015】請求項4に記載の本発明は、柱と床梁と天
井梁を箱形に接合した建物ユニットにおいて、柱と床梁
と天井梁の少なくとも一部に補強板を添着してなるよう
にしたものである。
【0016】請求項1、4に記載の本発明によれば下記
の作用がある。 補強板は、ユニット建物の柱と床梁と天井梁の少なく
とも一部に沿う如くに設置される。従って、補強板は、
天井梁と床梁との間に存在したり床梁の下に大きく突き
出る如くがなく、建物ユニット内に広く連続する居室空
間を形成しながら、建物ユニットの構造強度を補強でき
る。
【0017】請求項2に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 柱省略したユニット建物において、補強板は、柱省略
接合部の一方側の建物ユニットの天井梁から他方側の建
物ユニットの天井梁に渡って添着される。従って、この
ユニット建物の天井構造強度は、建物ユニットの天井梁
の断面性能の和に、補強板の断面性能をも加えたものと
なる。このため、柱省略した天井スパンを大きく拡大
し、柱省略した広い連続空間を形成できる。
【0018】請求項3に記載の本発明によれば下記の
作用がある。 建物ユニットの柱省略コーナー部に設けた仮柱は、該
建物ユニットの工場製造段階、輸送保管段階を経た現地
据付け後、補強板の接続完了まで取外されない。従っ
て、補強板の接続時の建物ユニットの強度を低下せしめ
ることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、
施工性は良い。
【0019】
【発明の実施の形態】図1はユニット建物と建物ユニッ
トを示す模式図、図2は第1実施形態の下階建物ユニッ
トへの補強板接続過程を示す模式図、図3は下階補強板
を示す模式図、図4は下階補強構造を示す模式図、図5
は下階補強板の端部接続構造を示す模式図、図6は下階
補強板の中央部接続構造を示す模式図、図7は上階建物
ユニットの搭載構造を示す模式図、図8は上階建物ユニ
ットへの補強板接続過程を示す模式図、図9は上階補強
板を示す模式図、図10は上階補強板の作用を示す模式
図、図11は上階補強構造を示す模式図、図12は補強
板の変形例を示す模式図である。
【0020】(ユニット建物と建物ユニット)(図1) ユニット建物10は、図1(A)に示す如く、工場生産
した複数の標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット
12を建築現場に輸送し、予め設置してある基礎13の
上にて水平、鉛直方向に隣接設置して下階部分10A、
上階部分10Bを構築される。尚、ユニット建物10に
あっては、相隣る標準建物ユニット11と11、標準建
物ユニット11と柱省略建物ユニット12、柱省略建物
ユニット12と12の間(柱21、21の間、床梁2
2、22の間、天井梁23、23の間)には、構造材の
組立公差やユニット据付作業性確保のために一定の間隙
(例えば10mm)が存在する。
【0021】標準建物ユニット11は、図1(B)に示
す如く、4本の角鋼管製柱21と、4本の型鋼製床梁2
2と、4本の型鋼製天井梁23とを箱形に接合した骨組
構造体である。建物ユニット11は、4個のコーナー部
で、相交差する床梁22をジョイントピース22Aによ
り柱21の下端部に接続し、相交差する天井梁23をジ
ョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合して
構成される。
【0022】柱省略建物ユニット12は、図1(C)に
示す如く、標準建物ユニット11の4本の柱21のうち
の1本の柱21を省略したものである。柱省略建物ユニ
ット12は、柱省略コーナー部以外の3個のコーナー部
では、相交差する床梁22をジョイントピース22Aに
より柱21の下端部に接合し、相交差する天井梁23を
ジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合す
るとともに、柱省略コーナー部では、相交差する床梁2
2をジョイントピース22Bにより短柱24に接合し、
相交差する天井梁23をジョイントピース23Bにより
短柱25に接合して構成される。そして、柱省略建物ユ
ニット12では、柱省略コーナー部に仮柱26を着脱自
在としている。仮柱26は、ボルト、ピン等の着脱手段
により、上述の短柱24と短柱25とに着脱自在に結合
される。
【0023】(第1実施形態)(図2〜図11) (ユニット建物10の下階部分10A)(図2〜図6) 然るに、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部に
て、図2に示す如く、4個の柱省略建物ユニット12そ
れぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互い
に突き合せ載置し、それら4個の柱省略建物ユニット1
2によって柱21に遮られることのない広く連続した居
室空間を形成するものとしている。以下、4個の柱省略
建物ユニット12の接合構造について説明する。
【0024】ユニット建物10の下階部分10Aにおい
て、4個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14
は、下階補強梁30(補強板)にて補強される。下階補
強梁30は、図3に示す如く、長尺板材からなり、図
2、図4に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側
にて相隣る2個の建物ユニット12の天井梁23、23
の間から、左右の他方側にて相隣る他の2個の建物ユニ
ット12の天井梁23、23の間に渡って設けられる。
図4において、15は下階天井板、16は上階床板であ
る。
【0025】下階補強梁30の両端部は、図5に示す如
く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の
建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部14の他
方側にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21のそ
れぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部
は、高力ボルト31を用いた天井梁23、ジョイントピ
ース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱
21に接続される。
【0026】補強梁30の中央部には、図6に示す如
く、4個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接
続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボル
ト32を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bと
の接合を介して短柱25に接続される。
【0027】補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱
25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コ
ーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合
されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に
接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0028】尚、補強梁30は、補強梁30を挟んで相
隣る2個の建物ユニット12、12の相接する天井梁2
3、23と、ジョイントピース23A、23Bのない部
分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0029】(ユニット建物10の下階部分10Aへの
上階部分10Bの搭載)(図7) ユニット建物10は、下階部分10Aの上に上階部分1
0Bを搭載するに際し、下階部分10Aの一部を構成し
ている4個の下階柱省略建物ユニット12の上に4個の
上階標準建物ユニット11を搭載することができる(図
7(A))。このとき、4個の上階建物ユニット11
は、4個の下階建物ユニット12の柱省略コーナー部以
外の3個のコーナー部においては上階建物ユニット11
の3個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の3個
の柱21の上端面に載置して結合し、下階建物ユニット
12の柱省略コーナー部においては上階建物ユニット1
1の1個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の短
柱25の上端面に載置して結合する(図7(B))。
【0030】このとき、図7(C)に示す如く、4個の
下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の
成の高さを上階建物ユニット11の相隣る床梁22、2
2の間にまで延在し、下階補強梁30がこの延在部分で
上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース2
2Aにも高力ボルト33により接続されるものとするこ
とができる。
【0031】(下階部分10Aの上の上階部分10Bの
補強)(図8〜図10) 4個の下階柱省略建物ユニット12の上に4個の上階標
準建物ユニット11を上述の如くに搭載したとき、図8
に示す如く、下階建物ユニット12の補強梁30を設け
た天井梁23、23間と同一面上に位置する、上階建物
ユニット11の天井梁23、23間にも上階補強梁40
(補強板)を設けることができる。
【0032】上階補強梁40は、図9に示す如く、断面
T字状の如くの長尺T形材からなり、図10に示す如
く、左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット11の
天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る2
個の建物ユニット11の天井梁23、23の間に渡って
設けられる。図10において、17は上階天井板であ
る。
【0033】上階補強梁40の両端部、中央部のそれぞ
れは、図5に示した下階補強梁30の両端部と同様に、
相隣る2個の建物ユニット11の各柱21に、高力ボル
ト41を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aと
の接合を介して接続される。
【0034】尚、上階補強梁40は、補強梁40を挟ん
で相隣る2個の建物ユニット11、11の相接する天井
梁23、23と、ジョイントピース23Aのない部分で
も、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0035】これによれば、相隣る建物ユニット11が
上階補強梁40によって一体化され、4個の建物ユニッ
ト11の中央部の柱21を介して上階床を吊る如くにな
り(図10(C))、4個の下階建物ユニット12の柱
省略中央部への上階荷重を低減するものとなる。この上
階補強梁40がない場合には、下階建物ユニット12の
補強梁30と該下階建物ユニット12の柱21、天井梁
23との接続が高力ボルト31、32の破断等により切
れたとき(図10(A))、下階建物ユニット12の柱
省略中央部の天井構造強度が低下して、上階建物ユニッ
ト11の床が図10(B)に示す如くに落ちる虞れがあ
る。上階補強梁40を設けることにより、上述の上階建
物ユニット11の床が落ちる如くを防止できる。
【0036】(上階部分10Bの他の例)(図11) 4個の下階柱省略建物ユニット12の上に搭載される4
個の上階建物ユニットは、標準建物ユニット11でなく
柱省略建物ユニット12であっても良い。このとき、前
述の上階補強梁40の両端部は、図11に示す如く、左
右の一方側にて相隣る2個の上階建物ユニット12の各
柱21と、左右の他方側にて相隣る2個の上階建物ユニ
ット12の各柱21のそれぞれに、高力ボルト41を用
いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの接合を介
して接続される。そして、上階補強梁40の中央部は、
4個の上階建物ユニット12の各柱省略コーナー部で、
高力ボルト42を用いた天井梁23、ジョイントピース
23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0037】尚、上階補強梁40は、補強梁40を挟ん
で相隣る2個の建物ユニット12、12の相接する天井
梁23、23と、ジョイントピース23A、23Bのな
い部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0038】以下、本実施形態の作用について説明す
る。 ユニット建物10において、補強梁30の両端部は、
柱省略接合部の一方側にて相隣る2個の建物ユニット1
2の各柱21と、柱省略接合部の他方側にて相隣る2個
の建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続され
る。そして、補強梁30の中央部には、4個の建物ユニ
ット12の各柱省略コーナー部が接続される。従って、
このユニット建物10の天井構造強度は、相隣る建物ユ
ニット12の相接する2個の天井梁23、23の断面性
能の和に、補強梁30の断面性能をも加えたものとな
る。このため、柱省略した天井スパンを大きく拡大し、
柱省略した広い連続空間を形成できる。
【0039】補強梁30は、相隣る建物ユニット12
の相接する2個の天井梁23、23の間に挟まれる如く
に設置される。従って、補強梁30は天井梁23の下に
大きく突き出る如くがなく、梁下天井高を低くすること
がない。
【0040】補強梁30は、天井梁23を柱21、短
柱25に接合するためのジョイントピース23A、23
Bに接合されることにて、それらの柱21、短柱25に
接続される。従って、補強梁30を柱21、短柱25に
接続する構造を簡易且つ確実化できる。
【0041】下階建物ユニット12の柱省略のための
補強梁30を、上階建物ユニット11の相隣る床梁22
間にまで延在し、その延在部分で上階建物ユニット11
にも接続する。従って、柱省略した下階建物ユニット1
2の天井構造強度が、補強梁30自体の断面性能によっ
て補強されるだけでなく、補強梁30を介して上階建物
ユニット11の床梁構造強度等によっても補強される。
このため、下階建物ユニット12の柱省略した天井スパ
ンをより拡大し、柱省略したより広い連続空間を形成で
きる。
【0042】下階建物ユニット12の補強梁30を設
けた天井梁23間と同一面上に位置する、上階建物ユニ
ット11の天井梁23間に上階補強梁40を設け、上階
補強梁40が上階建物ユニット11の天井梁23が接合
されている各柱21のそれぞれに接続される。従って、
相隣る上階建物ユニット11が上階補強梁40によって
一体化されて、その4個の上階建物ユニット11の中央
部の柱21を介して上階床を吊る如くになり、4個の下
階建物ユニット12の柱省略中央部への上階荷重を低減
するものとなる。よって、万一、下階建物ユニット12
の補強梁30と該下階建物ユニット12との接続(高力
ボルト等)が切れ、下階建物ユニット12の柱省略中央
部の天井構造強度が低下しても、上階建物ユニット11
の床が落ちる如くを防止できる。
【0043】上記の上階補強梁40の断面性能が、
上階建物ユニット12の天井、床を支えることができる
ものであれば、上階建物ユニット12においても柱省略
し、広い連続空間を形成できる。
【0044】建物ユニット12の柱省略コーナー部に
設け仮柱26は、該建物ユニット12の工場製造段階、
輸送保管段階を経た現地据付け後、補強梁30、40の
接続完了まで取外されない。従って、補強梁30、40
の接続時の建物ユニット12の強度を低下せしめること
がなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性
は良い。
【0045】図13は第2実施形態のユニット建物を示
す模式図、図14は第3実施形態のユニット建物を示す
模式図、図15は第4実施形態のユニット建物を示す模
式図である。
【0046】(第2実施形態)(図13) 第2実施形態において、ユニット建物10は、下階部分
10Aの一部にて、図13に示す如く、2個の柱省略建
物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接
合部14にて互いに突き合せ載置し、それら2個の柱省
略建物ユニット12によって柱21に遮られることのな
い広く連続した居室空間を形成するものとしている。以
下、2個の柱省略建物ユニット12の接合構造について
説明する。
【0047】ユニット建物10の下階部分10Aにおい
て、2個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14
は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30
は、図13に示す如く、長尺板材からなり、柱省略接合
部14の左右の一方側の建物ユニット12の天井梁23
の側から、左右の他方側の建物ユニット12の天井梁2
3の側に渡って設けられる。
【0048】下階補強梁30の両端部は、図13に示す
如く、柱省略接合部14の左右の一方側の建物ユニット
12の柱21と、柱省略接合部14の他方側の建物ユニ
ット12の柱21のそれぞれに接続される。このとき、
補強梁30の両端部は、高力ボルト31を用いた天井梁
23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩
擦接合)を介して柱21に接続される。
【0049】補強梁30の中央部には、図13に示す如
く、2個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接
続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボル
ト32を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bと
の接合を介して短柱25に接続される。
【0050】補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱
25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コ
ーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合
されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に
接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0051】尚、補強梁30は、補強梁30に相接する
天井梁23と、ジョイントピース23A、23Bのない
部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0052】また、第2実施形態のユニット建物10に
おいても、第1実施形態と同様に、(a) 下階補強梁の成
の高さを上階部分10Bの床梁にまで延在させる構造、
(b)上階部分10Bの天井梁に上階補強梁を設ける構
造、(c) 上階部分10Bも柱省略し、その柱省略接合部
を上階補強梁により補強する構造を採用できる。
【0053】(第3実施形態)(図14) 第3実施形態において、ユニット建物10は、下階部分
10A及び/又は上階部分10Bの一部にて、図14に
示す如く、標準建物ユニット11の一面の柱21と床梁
22と天井梁23に四角枠状の補強フレーム50を添着
し、建物ユニット11の構造強度を補強しながら、建物
ユニット11の相対する柱21、21間に補強間柱等に
より遮られることのない広く連続した居室空間を形成す
るものとしている。
【0054】補強フレーム50は、四角枠状板材からな
り、天井側の2コーナー部のそれぞれを高力ボルト51
を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力
ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21の上端部に接続
され、床側の2コーナー部のそれぞれを高力ボルト51
を用いた床梁22、ジョイントピース22Aとの高力ボ
ルト接合(摩擦接合)を介して柱21の下端部に接続さ
れる。
【0055】補強フレーム50は、補強フレーム50に
相接する柱21、床梁22、天井梁23と、ジョイント
ピース22A、23Aのない部分でも、ボルト等を用い
て接合されて良い。
【0056】尚、補強フレーム50は、図14(A)に
示す如くに相隣る建物ユニット11、11に挟まれる状
態で、それら両建物ユニット11の柱21、床梁22、
天井梁23に高力ボルト接合されるものであっても良
い。これによれば、相隣る建物ユニット11、11の両
者を単一の補強フレーム50により補強できる。
【0057】(第4実施形態)(図15) 第4実施形態において、ユニット建物10は、下階部分
10A及び/又は上階部分10Bの一部にて、図15に
示す如く、標準建物ユニット11の一面の柱21と天井
梁23にL型状の補強アングル60を添着し、建物ユニ
ット11の構造強度を補強しながら、建物ユニット11
の相対する柱21、21間に補強間柱等により遮られる
ことのない広く連続した居室空間を形成するものとして
いる。
【0058】補強アングル60は、L型状板材からな
り、高力ボルト61により、柱21の中間部、天井梁2
3の中間部、ジョイントピース23Aのそれぞれと高力
ボルト接合(摩擦接合)される。尚、補強アングル60
は、柱21の中間部、天井梁23の中間部との接合面
に、ジョイントピース23Aと同板厚のスペーサ62を
予め接着されている。
【0059】尚、補強アングル60は、図15(A)に
示す如くに相隣る建物ユニット11、11に挟まれる状
態で、それら建物ユニット11の柱21、天井梁23に
高力ボルト接合されるものであっても良い。これによれ
ば、相隣る建物ユニット11、11の両者を単一の補強
アングル60により補強できる。
【0060】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、柱
省略コーナー部は、実施の形態のような六面体の箱型の
建物ユニットの柱部の他に、前記建物ユニットの天井梁
と床梁の間に設けられる柱部であっても良いし、更には
補強板は建物ユニットのジョイントピースを介して柱に
接続されるものでなく、柱に直接接続されるものであっ
ても良い。このとき、柱の内面に裏ナットを設けてお
き、補強板に挿通した高力ボルトをこの裏ナットに螺合
することができる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ユニット
建物において、建物ユニットの構造強度を補強しなが
ら、広く連続する居室空間を形成し、施工性も良好とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はユニット建物と建物ユニットを示す模式
図である。
【図2】図2は下階建物ユニットへの補強梁接続過程を
示す模式図である。
【図3】図3は下階補強梁を示す模式図である。
【図4】図4は下階補強構造を示す模式図である。
【図5】図5は下階補強梁の端部接続構造を示す模式図
である。
【図6】図6は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式
図である。
【図7】図7は上階建物ユニットの搭載構造を示す模式
図である。
【図8】図8は上階建物ユニットへの補強梁接続過程を
示す模式図である。
【図9】図9は上階補強梁を示す模式図である。
【図10】図10は上階補強梁の作用を示す模式図であ
る。
【図11】図11は上階補強構造を示す模式図である。
【図12】図12は補強梁の変形例を示す模式図であ
る。
【図13】図13は第2実施形態のユニット建物を示す
模式図である。
【図14】図14は第3実施形態のユニット建物を示す
模式図である。
【図15】図15は第4実施形態のユニット建物を示す
模式図である。
【符号の説明】
10 ユニット建物 11 標準建物ユニット 12 柱省略建物ユニット 14 柱省略接合部 21 柱 22 床梁 23 天井梁 23A、23B ジョイントピース 30 下階補強梁(補強板) 40 上階補強梁(補強板) 50 補強フレーム(補強板) 60 補強アングル(補強板)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した複数
    の建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物
    の補強方法において、 建物ユニットの柱と床梁と天井梁の少なくとも一部に補
    強板を添着することを特徴とするユニット建物の補強方
    法。
  2. 【請求項2】 前記複数の建物ユニットそれぞれに定め
    た柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ
    配置し、 柱省略接合部の一方側の建物ユニットの天井梁から他方
    側の建物ユニットの天井梁に渡り、前記補強板を添着し
    てなる請求項1記載のユニット建物の補強方法。
  3. 【請求項3】 前記柱省略される建物ユニットとして、
    柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてなるものを用
    い、 建物ユニットに補強板を添着完了するまでは仮柱を設け
    ておき、補強板の添着完了後に仮柱を取外す請求項2記
    載のユニット建物の補強方法。
  4. 【請求項4】 柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物
    ユニットにおいて、 柱と床梁と天井梁の少なくとも一部に補強板を添着して
    なることを特徴とする建物ユニット。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083584A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Sekisui Chem Co Ltd ユニット建物とその構築方法
JP2008285861A (ja) * 2007-05-16 2008-11-27 Sekisui Chem Co Ltd 建物ユニットおよびユニット建物
JP2009155986A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Kanto Auto Works Ltd 建物ユニット
JP2021046713A (ja) * 2019-09-18 2021-03-25 積水化学工業株式会社 ユニット建物

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