JP3579596B2 - ユニット建物とその構築方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、ユニット建物とその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、柱省略した広い連続空間を備えたユニット建物を構築するため、柱と床梁と天井梁を箱形に接合した建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、複数の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも 1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置してなるものがある。ところが、柱省略建物ユニットのユニットサイズが大きくなると、その柱省略コーナー部に交差する天井梁と鉛直方向の撓み、ひいては上階床面の撓みが大きくなり、建物構造強度を維持できなくなる。
【0003】
そこで、本出願人は、特開平8-277580号公報に記載の如く、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁側から、他方側の柱省略建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設け、補強梁の両端部は、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの柱回りと、柱省略接合部の他方側の柱省略建物ユニットの柱回りのそれぞれに接続され、補強梁の中央部には、複数の柱省略建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続されてなるものを提案している。この従来技術によれば、ユニット建物の天井構造強度が、建物ユニットの天井梁の断面性能の和に、補強梁の断面性能をも加えたものとなるから、柱を省略した天井スパンを大きく拡大し、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0004】
図9は、基礎1の上に、複数個の下階建物ユニット2を据付け、それら下階建物ユニット2の上に複数個の上階建物ユニット3を搭載するに際し、 4個の下階建物ユニット2A〜2Dを上述の柱省略建物ユニットとし、全柱省略建物ユニット4A〜4Dの柱省略コーナー部を柱省略接合部4にて互いに突き合せ配置したものである。そして、このユニット建物にあっては、柱省略建物ユニット2A、2C天井梁側から、柱省略建物ユニット2B、2Dの天井梁側に渡る補強梁5を設けてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来技術(図9)では、下記(1)、(2)の問題点がある。
(1)柱省略接合部の両側に位置する柱省略建物ユニットの天井梁に添設できる補強梁の断面サイズに限界があることから、該補強梁による鉛直荷重の支持能力に限界があり、たとえ補強梁を配置しても、柱を省略しない場合に比して、天井梁6の鉛直方向の撓みδ(図9)、ひいては上階床面の撓みが未だ大きく、柱を省略した天井スパンの拡大に限界がある。
【0006】
(2)補強梁が添設される天井梁は、補強梁の一端側もしくは他端側では柱に支持されるものの、補強梁の中央部では柱に支持されない片持ち梁になっている。このため、補強梁に添設される天井梁は、該補強梁にぶら下がるように添設されるものとなり、該天井梁による鉛直荷重の支持能力はほとんどないという程度である。
【0007】
本発明の課題は、柱省略した広い連続空間を備えたユニット建物を構築するため、複数の建物ユニットの柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置するに際し、該ユニット建物の天井構造強度を強化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、 柱と床梁と天井梁を箱形に接合するとともに、少なくとも 1個の柱省略コーナー部を備えてなり、柱省略コーナー部に交差する天井梁と、この天井梁に相対する他の天井梁との間に、補助梁を掛け渡し、補助梁の両端部のうち、柱省略コーナー部に交差する天井梁の側の端部に相隣る建物ユニットとの接合継手を設けてなる柱省略建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、
各柱省略建物ユニットに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、
柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁間に設けた補助梁と、柱省略接合部の他方側の柱省略建物ユニットの天井梁間に設けた補助梁とを一直線上に配置し、それらの両補助梁をそれらの接合継手で剛接合してなるようにしたものである。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記補助梁が掛け渡された天井梁と、この天井梁に相対する床梁との間で、該補助梁との近傍に、中間柱を設けてなるようにしたものである。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において更に、前記柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁端部と、他方側の柱省略建物ユニットの天井梁端部とを剛接合してなるようにしたものである。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の本発明において更に、前記柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁側から、他方側の柱省略建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設け、
補強梁の両端部は、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの柱回りと、柱省略接合部の他方側の柱省略建物ユニットの柱回りのそれぞれに接続され、補強梁の中央部には 、複数の柱省略建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続されてなるようにしたものである。
【0012】
請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のユニット建物の構築方法において、柱省略建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてなるものを用い、相隣る柱省略建物ユニットの補助梁同士を剛接合するまでは仮柱を設けておき、補助梁同士の剛接合完了後に仮柱を取外すようにしたものである。
【0013】
【作用】
請求項1の本発明によれば下記(1)の作用がある。
(1)柱省略建物ユニットの天井面内に予め工場生産段階で補助梁を設けておき、現地据付段階で相隣る柱省略建物ユニットの補助梁同士を剛接合した。従って、このユニット建物の天井構造強度は、天井梁のみからなる天井構造強度に、両建物ユニットの補助梁を直列 1本化した両持ち梁としての強度を加えたものに強化でき、天井梁の鉛直方向の撓みδ(図2)、ひいては上階床面の撓みを小とし、柱を省略した天井スパンを大きく拡大し、柱を省略した広い連続空間を形成できる。
【0015】
請求項1、3の本発明によれば下記(2)の作用がある。
(2)相隣る柱省略建物ユニットの柱省略接合部を挟む両建物ユニットの天井梁同士を、直列一本化するように剛接合し、これらの両天井梁をその両端部の柱で支持される両持ち梁とした。従って、このユニット建物の天井構造強度は、両柱省略建物ユニットの天井梁を直列 1本化した両持ち梁としての強度に強化できる。
【0016】
請求項1、4の本発明によれば下記(3)の作用がある。
(3)補強梁の両端部は、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの柱と、柱省略接合部の他方側の柱省略建物ユニットの各柱のそれぞれに接続され、補強梁の中央部には、複数の柱省略建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続される。従って、ユニット建物の天井構造強度が、建物ユニットの天井梁の断面性能の和に、補強梁の断面性能をも加えたものに強化できる。
【0017】
請求項1、2の本発明によれば下記(4)の作用がある。
(4)補助梁が掛け渡された天井梁を、補助梁の近傍に設けた中間柱で支持することにより、大スパンの天井梁の撓みを低減できる。
【0018】
請求項5の本発明によれば下記(5)の作用がある。
(5)柱省略建物ユニットの柱省略コーナー部に設けた仮柱は、該柱省略建物ユニットの工場製造段階、輸送保管段階を経た現地据付け後、補強梁同士の剛接合完了まで取外されない。従って、補強梁同士の接合時の柱省略建物ユニットの強度を低下せしめることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性は良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1はユニット建物の要部を示す斜視図、図2はユニット建物の天井補強構造と天井撓みを示す模式図であり、(A)は要部斜視図、(B)は撓み線図、図3は相隣る柱省略建物ユニットの天井補強構造を示す模式図であり、(A)は縦断面図、(B)は要部斜視図、図4は相隣る柱省略建物ユニットの天井補強構造の他の例を示す模式図、図5は相隣る柱省略建物ユニットの天井補強構造の更に他の例を示す模式図、図6は補強梁接続構造を示す模式図であり、(A)は補強梁中央部を示す斜視図、(B)は補強梁端部を示す斜視図、図7は天井梁接合構造を示す模式図であり、(A)は側面図、(B)は平面図、図8は建物ユニットを示す模式図であり、(A)は標準建物ユニットを示す斜視図、(B)は柱省略建物ユニットを示す斜視図、図9は従来のユニット建物の天井撓みを示す模式図である。
【0020】
(ユニット建物と建物ユニット)(図1、図8)
ユニット建物10は、図1に示す如く、工場生産した複数の標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12を建築現場に輸送し、予め設置してある基礎13の上にて水平、鉛直方向に隣接設置して下階部分10A、上階部分10B(不図示)が構築される。
【0021】
標準建物ユニット11は、図8(A)に示す如く、 4本の角鋼管製柱21と、 4本の型鋼製床梁22と、 4本の型鋼製天井梁23とを箱形に接合した骨組構造体である。建物ユニット11は、 4個のコーナー部で、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接続し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合して構成される。
【0022】
柱省略建物ユニット12は、図8(B)に示す如く、標準建物ユニット11の 4本の柱21のうちの 1本の柱21を省略したものである。柱省略建物ユニット12は、柱省略コーナー部以外の 3個のコーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合するとともに、柱省略コーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Bにより短柱24に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Bにより短柱25に接合して構成される。そして、柱省略建物ユニット12では、柱省略コーナー部に仮柱26を着脱自在としている。仮柱26は、ボルト、ピン等の着脱手段により、上述の短柱24と短柱25とに着脱自在に結合される。
【0023】
ここで、柱省略建物ユニット12にあっては、柱省略コーナー部に交差する天井梁23と、この天井梁23に相対する他の天井梁との間に、補助梁27を掛け渡してある。補助梁27は、例えば角鋼管からなり、図3に示す如く、補助梁27の一端に溶接したエンドプレート27Aが柱省略コーナー部に交差する天井梁23のウエブに仮接合されて接合継手28を形成可能とするとともに、補助梁27の他端に溶接したL型金物27Bが他の天井梁23の上フランジに載置されてボルトによりピン結合される。
【0024】
また、柱省略建物ユニット12にあっては、所望により、補助梁27が掛け渡された天井梁23と、この天井梁23に相対する床梁22との間で、補助梁27との近傍に中間柱29を設けることができる。中間柱29は、中間柱29の上端に溶接したエンドプレート29Aが天井梁23の下フランジに突き合されてボルトによりピン結合されるとともに、中間柱29の下端に溶接したエンドプレート29Bが床梁22の上フランジに突き合されてボルトによりピン結合される。中間柱29は、相隣る柱省略建物ユニット12により構築されるユニット建物10に柱省略した広い連続空間を形成することとの関係で、柱省略建物ユニット12の柱省略コーナー部に交差する天井梁23に相対する天井梁23の側に設けるのが良い。但し、中間柱29は、柱省略建物ユニット12の柱省略コーナー部に交差する天井梁23の側に設けても良い。尚、柱省略建物ユニット12にあっては、中間柱29を設けることを必須としない。
【0025】
また、柱省略建物ユニット12にあっては、基本的に、相対する天井梁23、23と相対する補助梁27、天井梁23とが区画する 2個の天井フレームのそれぞれにおいて、それら天井フレームの対角線上に位置するコーナー部同士を水平ブレース101、102で連結し、天井構造強度の補強を図ることが好ましい。
【0026】
(ユニット建物補強構造)(図1〜図4、図6、図7)
然るに、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、図1に示す如く、 4個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ配置し、それら 4個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている。以下、 4個の柱省略建物ユニット12の接合構造について説明する。
【0027】
ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、 4個の柱省略建物ユニット12は、下記(A) 〜(D) の補強構造、即ち(A) 補助梁連結構造、(B) 中間柱設置構造、(C) 天井梁連結構造、(D) 補強梁設置構造により補強される。本発明にあっては、(A) を採用することを必須とし、(B) 〜(D) の 1以上を(A) に任意に組合わせて採用できる。
【0028】
(A) 補助梁連結構造(図1〜図4)
ユニット建物10において、柱省略接合部14を挟んで相隣る柱省略建物ユニット12は、補助梁連結部30で連結されて補強される。補助梁連結部30は、図3に示す如く、柱省略接合部14の一方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23、23間に設けた前述の補助梁27と、他方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23、23間に設けた前述の補助梁27とを一直線上に配置し、それら両補助梁27、27をそれらの接合継手28で剛接合する。即ち、一方の補助梁27のエンドプレート27Aと、他方の補助梁27のエンドプレート27Aとが、相隣る柱省略建物ユニット12の天井梁23、23、それらの間のスペーサ31を挟んだ状態で、高力ボルト32により高力ボルト接合(摩擦接合)(剛接合)される。尚、柱省略建物ユニット12の天井梁23において、補助梁27のエンドプレート27Aが接合されるウエブの両側にはスチフナ33が溶接されている。
【0029】
(B) 中間柱設置構造(図1、図4)
ユニット建物10において、柱省略接合部14を構成する柱省略建物ユニット12にあっては、前述の中間柱29を備えて補強される。このとき、中間柱29は、前述した如く、相隣る柱省略建物ユニット12により構築されるユニット建物10に柱省略した広い連続空間を形成することとの関係で、柱省略建物ユニット12の柱省略コーナー部に交差する天井梁23に相対する天井梁23の側に設けるのが良い。
【0030】
(C) 天井梁連結構造(図2、図4、図6、図7)
ユニット建物10において、柱省略接合部14を挟んで相隣る柱省略建物ユニット12は、天井梁連結部40で連結されて補強される。天井梁連結部40は、図6、図7に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23の端部に接合してある短柱25と、柱省略接合部14の左右の他方側の柱省略建物ユニット12の天井梁23の端部に接合してある短柱25との間の上下両端部に平板短冊状のスペーサ41、42を介装し、それら両短柱25、25を 2本の高力ボルト43とナット44で高力ボルト接合(摩擦接合)(剛接合)することにて接合される。
【0031】
(D) 補強梁設置構造(図1、図2、図4、図6)
補強梁50は、図1、図6に示す如く、長尺板材からなり、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る 2個の柱省略建物ユニット12の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る他の 2個の柱省略建物ユニット12の天井梁23、23の間に渡って設けられる。
【0032】
補強梁50の両端部は、図6(B)に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る 2個の柱省略建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部14の他方側にて相隣る 2個の柱省略建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁50の両端部は、高力ボルト51を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。
【0033】
補強梁50の中央部には、図6(A)に示す如く、 4個の柱省略建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。このとき、補強梁50の中央部は、高力ボルト52を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0034】
尚、柱省略建物ユニット12によりユニット建物10を構築するに際し、上述(A) の補助梁連結部30、(C) の天井梁連結部40、(D) の補強梁50が施工されるとき、各柱省略建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、それらの補助梁連結部30、天井梁連結部40、補強梁50の施工が完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0035】
また、柱省略接合部14で互いに突き合わせ配置された 4個の柱省略建物ユニット12は、基本的には、前述の如く、それらの天井面に水平ブレース101、102を備える。但し、 4個の柱省略建物ユニット12のうち、少なくとも 3個の柱省略建物ユニット12の天井面にだけ水平ブレースを設け、残る 1個の柱省略建物ユニット12の天井面は水平ブレースを備えない吹き抜け空間として用いるものであっても良い。
【0036】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
(1)柱省略建物ユニット12の天井面内に予め工場生産段階で補助梁27を設けておき、現地据付段階で相隣る柱省略建物ユニット12の補助梁27同士を補助梁連結部30で剛接合した。従って、このユニット建物10の天井構造強度は、天井梁23のみからなる天井構造強度に、両建物ユニットの補助梁27を直列 1本化した両持ち梁としての強度を加えたものに強化でき、天井梁23の鉛直方向の撓みδ(図2)、ひいては上階床面の撓みを小とし、柱21を省略した天井スパンを大きく拡大し、柱21を省略した広い連続空間を形成できる。
【0037】
(2)相隣る柱省略建物ユニット12の柱省略接合部を挟む両建物ユニットの天井梁23同士を、直列一本化するように天井梁連結部40で剛接合し、これらの両天井梁23をその両端部の柱21で支持される両持ち梁とした。従って、このユニット建物10の天井構造強度は、両柱省略建物ユニット12の天井梁23を直列 1本化した両持ち梁としての強度に強化できる。
【0038】
(3)補強梁50の両端部は、柱省略接合部14の一方側の柱省略建物ユニット12の柱21と、柱省略接合部14の他方側の柱省略建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続され、補強梁50の中央部には、複数の柱省略建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。従って、ユニット建物10の天井構造強度が、建物ユニットの天井梁23の断面性能の和に、補強梁50の断面性能をも加えたものに強化できる。
【0039】
(4)補助梁27が掛け渡された天井梁23を、補助梁27の近傍に設けた中間柱29で支持することにより、大スパンの天井梁23の撓みを低減できる。
【0040】
(5)柱省略建物ユニット12の柱省略コーナー部に設けた仮柱26は、該柱省略建物ユニット12の工場製造段階、輸送保管段階を経た現地据付け後、補助梁27同士を補助梁連結部30で剛接合し、天井梁23同士を天井梁連結部40で剛接合し、且つ補強梁50を接続完了するまで取外されない。従って、補助梁27同士と天井梁23同士の接合と補強梁50の接続時の柱省略建物ユニット12の強度を低下せしめることがなく、施工段階の建物強度も十分に確保でき、施工性が良い。
【0041】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は以下の如くに変形できる。
【0042】
(1) ユニット建物は、図5に示す如く、 2個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ配置し、それら 2個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間、広く連続した開口部等を形成するものとしても良い。図5のユニット建物にあっても、前述した(A) 補助梁連結構造、(B) 中間柱設置構造を採用できる。また、図5のユニット建物において、前述した(C) 天井梁連結構造、(D) 補強梁設置構造を採用することもできる。
【0043】
(2) 前述の図1のユニット建物における如く、 4個の柱省略建物ユニット12を突き合せ配置してなるユニット建物10において、柱省略接合部の一方側に位置する 2個の柱省略建物ユニット12においてのみ、前述した(A) 補助梁連結構造、(B) 中間柱設置構造を採用するものとしても良い。このとき、前述した(A)補助梁連結構造、(B) 中間柱設置構造が採用されない他方側に位置する 2個の柱省略建物ユニット12では、補助梁27により遮られない天井吹抜け空間を形成したり、中間柱29により遮られない壁開口部を形成できる。
【0044】
(3) ユニット建物10は、下階部分10Aの一部を構成している複数個の柱省略建物ユニット12の一部もしくは全部の上に、他の柱省略建物ユニット12もしくは標準建物ユニット11を搭載して上階部分10Bを構成することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、柱省略した広い連続空間を備えたユニット建物を構築するため、複数の建物ユニットの柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置するに際し、該ユニット建物の天井構造強度を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はユニット建物の要部を示す斜視図である。
【図2】図2はユニット建物の天井補強構造と天井撓みを示す模式図であり、(A)は要部斜視図、(B)は撓み線図である。
【図3】図3は相隣る柱省略建物ユニットの天井補強構造を示す模式図であり、(A)は縦断面図、(B)は要部斜視図である。
【図4】図4は相隣る柱省略建物ユニットの天井補強構造の他の例を示す模式図である。
【図5】図5は相隣る柱省略建物ユニットの天井補強構造の更に他の例を示す模式図である。
【図6】図6は補強梁接続構造を示す模式図であり、(A)は補強梁中央部を示す斜視図、(B)は補強梁端部を示す斜視図である。
【図7】図7は天井梁接合構造を示す模式図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図8】図8は建物ユニットを示す模式図であり、(A)は標準建物ユニットを示す斜視図、(B)は柱省略建物ユニットを示す斜視図である。
【図9】図9は従来のユニット建物の天井撓みを示す模式図である。
【符号の説明】
10 ユニット建物
11 標準建物ユニット
12 柱省略建物ユニット
14 柱省略接合部
21 柱
22 床梁
23 天井梁
26 仮柱
27 補助梁
29 中間柱
30 補強梁連結部
40 天井梁連結部
50 補強梁
Claims (5)
- 柱と床梁と天井梁を箱形に接合するとともに、少なくとも 1個の柱省略コーナー部を備えてなり、柱省略コーナー部に交差する天井梁と、この天井梁に相対する他の天井梁との間に、補助梁を掛け渡し、補助梁の両端部のうち、柱省略コーナー部に交差する天井梁の側の端部に相隣る建物ユニットとの接合継手を設けてなる柱省略建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、
各柱省略建物ユニットに定めた柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せ配置し、
柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁間に設けた補助梁と、柱省略接合部の他方側の柱省略建物ユニットの天井梁間に設けた補助梁とを一直線上に配置し、それらの両補助梁をそれらの接合継手で剛接合してなることを特徴とするユニット建物。 - 前記補助梁が掛け渡された天井梁と、この天井梁に相対する床梁との間で、該補助梁との近傍に、中間柱を設けてなる請求項1記載のユニット建物。
- 前記柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁端部と、他方側の柱省略建物ユニットの天井梁端部とを剛接合してなる請求項1または2記載のユニット建物。
- 前記柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの天井梁側から、他方側の柱省略建物ユニットの天井梁側に渡る補強梁を設け、
補強梁の両端部は、柱省略接合部の一方側の柱省略建物ユニットの柱回りと、柱省略接合部の他方側の柱省略建物ユニットの柱回りのそれぞれに接続され、補強梁の中央部には、複数の柱省略建物ユニットの各柱省略コーナー部が接続されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のユニット建物。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のユニット建物の構築方法において、
柱省略建物ユニットとして、柱省略コーナー部に仮柱を着脱自在としてなるものを用い、
相隣る柱省略建物ユニットの補助梁同士を剛接合するまでは仮柱を設けておき、補助梁同士の剛接合完了後に仮柱を取外すことを特徴とするユニット建物の構築方法。
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