JP3572153B2 - 移送体の走行特性測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータその他の移送体の乗り心地等を良好に維持するための基礎となる移送体の走行特性を測定する移送体の走行特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
移送体、例えばエレベータの乗り心地は、主としてエレベータの乗りかごの昇降時の加速度、減速度、走行速度により決定される。したがって、エレベータの保守員は、これら加速度、減速度、走行速度等の走行特性を頻繁に測定し、それらが予め定められた値になるように調整する必要がある。このような保守時の調整は、保守員の1人をエレベータ機械室に配置し、他の1人を所要の測定装置を持たせて乗りかごに配置し、実際に乗りかごを昇降させ、その間に乗りかごの保守員がインターホンにより測定結果を機械室の保守員に知らせ、機械室の保守員は知らされた測定結果に基づいて所定の装置による調整を行うという方法により行われていた。このような方法は、保守員2人を要するので効率が悪く、又、これを1人の保守員で行おうとすると、その保守員は調整完了まで機械室と乗りかごとの間を何回も往復しなければならず、多くの時間と保守員の負担の増大とを招くという問題がある。
【0003】
ところで、乗り心地の調整を1人の保守員で行うことができる手段が特開平4−280782号公報で提案されている。この手段では、乗りかごに、データケーブルに接続されたケーブルコネクタを設けておき、保守員がメンテナンス用操作盤を持って乗りかごに乗り、乗りかごを昇降させて乗り心地をチェックし、乗り心地に不具合があれば、メンテナンス用操作盤を、ケーブルコネクタおよびデータケーブルを介して機械室に設置されている巻上機制御装置に接続し、乗り心地を改善するための所要の制御定数を巻上機制御装置へ送信し、巻上機制御装置は、記憶されている制御定数を送信された所要の制御定数に変更する。これにより、1人の保守員で乗り心地の調整を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の手段は、1人の保守員で乗り心地の調整を行うことができるという優れた効果を有するが、他方では、巻上機制御装置の機構を変更しなければならず、かつ、機械室の巻上機制御装置と乗りかご間のデータケーブルに新たに信号線を付加しなければならず、さらに、乗りかごにケーブルコネクタを設置しなければならず、これらの改造に多くの手間と時間と費用とを要するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上記従来技術における課題を解決し、既設の装置を変更することなく、かつ、既設の装置に何等の要素も付加することなく、保守員1人で容易に走行特性を測定することができ、測定した走行特性に基づいて乗り心地を調整することができる移送体の走行特性測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、移送体の移動方向の走行特性を測定する移送体の走行特性測定装置において、前記移送体に設置される加速度センサ、この加速度センサの検出値を処理するとともに当該加速度センサの零点を補正する零点補正手段と当該加速度センサの起動および停止を行う起動停止手段を備えたデータ処理部、および外部と無線による送受信を行う送受信手段で構成される移送体側測定装置と、前記移送体から離れた位置に設置され前記移送体側の送受信手段から送信されたデータに基づく処理を行うとともに前記零点補正手段および前記起動停止手段を選択的に作動させる指令信号を出力する指令信号出力手段を備えたデータ処理部、および前記指令信号出力手段による指令信号を無線により送信するとともに前記移送体側の送受信手段から無線送信されるデータを受信する送受信手段とで構成される調整側測定装置とを備え、かつ、前記調整側測定装置の送受信手段と前記移送体側の送受信手段との間で送受信が行われているとき、前記加速度センサへ零点の補正を指令する補正スイッチもしくは加速度センサへ測定開始と終了を指令する測定スイッチからの信号を入力する入力回路を不作動状態とする手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
又、請求項2の発明は、請求項1記載の移送体の走行特性測定装置において、前記移送体側測定装置又は前記調整側測定装置は、前記加速度センサの検出値を積分して速度を算出する速度演算手段を備えていることを特徴とする。
【0008】
又、請求項3の発明は、請求項1記載の移送体の走行特性測定装置において、前記移送体側測定装置又は前記調整側測定装置は、前記加速度センサの検出値を積分して速度を算出する速度演算手段、および当該加速度センサを用いることにより生じる前記速度演算手段で算出された速度の誤差を修正する速度修正手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るエレベータの走行特性測定装置のブロック図である。この図で、10はエレベータの乗りかご内に設置される乗りかご側測定装置(図2により詳述する)、10aは乗りかご側測定装置10に接続され、外部と無線により送受信を行う送受信装置、10a1 は送受信装置10aのアンテナ、20は機械室等走行特性の調整に便利な個所に設置された調整側測定装置(図7により詳述する)、20aは調整側測定装置20に接続され、外部と無線により送受信を行う送受信装置、20a1 は送受信装置20aのアンテナである。
【0011】
図2は図1に示す乗りかご側測定装置のブロック図である。この図で、11は加速度センサ、12は電圧周波数変換器、13はカウンタ、14はA/D変換器、15はマイクロコンピュータで構成される演算制御部、10aは図1に示す送受信装置である。演算制御部15は、所要の演算、制御を行う中央処理ユニット(CPU)151、CPU151の処理手順が格納されたリードオンリメモリ(ROM)152、演算、制御の結果等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)153、測定の開始と終了の指令信号を出力する測定スイッチ154、加速度センサの零点の補正を指令する指令信号を出力する0補正スイッチ155、測定スイッチ154と0補正スイッチ155の指令信号を入力する入力回路156、および送受信装置10aから受信信号を入力するとともに送受信装置10aへデータを出力する入出力インタフェース157で構成されている。電圧周波数変換器12、カウンタ13、A/D変換器14、および演算制御部15でデータ処理部が構成されている。
【0012】
上記電圧周波数変換器12は、よく知られているように積分器、比較器および出力トランジスタで構成され、入力電圧は積分器により積分され、この積分器からの出力は比較器により鋸歯状波等の参照電圧と比較され、この比較の結果、積分器からの電圧に比例した周波数のパルスが出力トランジスタから出力される。又、A/D変換器14は、加速度センサで検出された加速度を、これに比例したディジタル値に変換してデータ処理部15へ出力する。
【0013】
ここで、上記演算制御部15の0補正スイッチ155による零点補正について図3を参照して説明する。図3は加速度センサの出力特性を示す図である。この図で、横軸には時間、縦軸には加速度センサの出力がとってある。加速度センサは、加速度の大きさを検出する測定器であるので、加速度が「 0」のとき出力も「 0」のはずである。しかし、実際には、気圧、気温、電気部品の発熱等の影響を敏感に受けて僅かな誤差を生じ、この誤差は時間の経過とともに累積されてゆくので、加速度センサの出力は、実際の加速度が「 0」であっても図示のように少しずつ上昇してゆくことになる。そして、たとえ時刻t0 で零点補正して出力を「 0」に戻しても、加速度センサの出力は同様に「 0」から上昇してゆく。したがって、加速度センサを用いて精度の良い測定を行うには、新たな測定毎に零点補正を行うことが必要となる。
【0014】
通常、この零点補正は、保守員等が0補正スイッチ155を操作して零点補正指令信号を出力し、入力回路156を介して入力された当該零点補正指令信号に基づいてCPU151で行われる。例えば、測定直前の静止状態で零点補正指令信号が入力されると、CPU151は、そのときの加速度センサ11の出力を誤差分として取り出し、以後の加速殿測定値に当該誤差分を加算する。即ち、Tを0補正指令から終了までの時間、Gをその場所の重力の加速度、Δを加速度センサの誤差分とすると、測定開始時の加速度センサ11の出力の平均値A1 は
A1 =(∫Gdt+∫Δdt)/T
となる。CPU151はこの演算を行い、以後の加速度センサ11の測定値に対しては、(∫Δdt/T)を減算することになる。又、速度は加速度を積分して求められるので、加速度センサ11の誤差分を考慮して速度を求める場合には、加速度センサ11の出力をA2 とすると、速度Vは
V=∫(A2 −A1 )dt
となる。速度vを求める実際の手段は後述する。
【0015】
ところで、走行特性を得るには、加速度の測定とともに速度の測定も必要である。本実施の形態では、速度を加速度センサ11の検出値を用いて算出する手段を採用する。この手段が図2に示す電圧周波数変換器12およびカウンタ14である。即ち、前述のように、電圧周波数変換器12は積分器、比較器および出力トランジスタで構成されており、加速度センサの電圧を積分器により積分することにより速度が得られる。そして、最終的には、この速度に比例した周波数のパルスが演算制御部15に出力されることになる。しかしながら、上述のように、加速度センサは測定中に誤差を生じ、この誤差が累積されてゆくので、加速度センサの検出値を積分して速度を得る本実施の形態の手段では、当該積分により誤差の累積が時間経過に従ってさらに加算されてゆく(誤差が2乗になって現われる)。このため、演算された速度データは大きな誤差を有することとなる。これを図4に示す。
【0016】
図4は速度特性曲線を示す図である。この図で、横軸には時間、縦軸には速度がとってある。なお、図で、速度特性曲線は類型化した形で描かれている。V1 が演算により得られる速度特性曲線、V2 が実際の(正しい)速度特性曲線である。時刻t1 では実際の速度は「 0」であるにもかかわらず、演算では速度ΔVが算出されることになる。乗りかご上昇時には、速度特性曲線は上方に傾き、乗りかご下降時には逆に下方に傾く。本実施の形態では、演算制御部15によりこのような速度の誤差を修正する。この修正手段を、図5に示す加速度、速度曲線および図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0017】
図5に示すように、ある階床から次の階床までの上昇時、乗りかごの上昇開始をみるため、CPU151は加速度センサ11の出力が図5に示すようなある所定値「+α1 」になったか否かを判断し(図6に示す手順S1 )、所定値「+α1 」になっていれば、上昇が開始されたと判断して図示しないクロックにより乗りかごが停止するまでの時間を測定するための時間計測を開始する(手順S2 )。次いで、乗りかごの減速を判断するため加速度センサ11の出力が図5に示す所定値「−α2 」に達するのを待つ(手順S3 )。
【0018】
一方、手順S1 で所定値「+α1 」未満と判断された場合、今度は下降開始をみるための所定値「−α1 」になったか否かを判断する(手順S4 )。これら手順S1 、S4 の処理の繰り返しにより、下降時には加速度センサ11の出力が所定値「−α1 」となり、上昇時の場合と同様、時間計測を開始し(手順S5 )、加速度センサ11の出力が所定値「+α2 」になるのを待つ(手順S6 )。
【0019】
図4に示す場合は上昇状態であるので、上階に近付いて乗りかごが減速すると、手順S3 の処理で所定値「−α2 」が検出される。これにより、CPU151は減速を判断し、クロックの出力を用いてサンプリング時間の計測を開始する。このサンプリング時間は、加速度センサ11の出力がある所定の範囲を超えない値に収まったか否かを判断するための時間を規定するものであり、当該サンプリング時間内に加速度センサ11の出力が上記所定の範囲を超えなければ乗りかごは停止したと判断する。上記所定の範囲が図5に値「β」で示されている。CPU151は手順S8 の処理で加速度を取り込み、手順S9 の処理でサンプリング時間が経過したか否かを判断する。これら手順S8 、S9 の処理により順次加速度を取り込み、サンプリング時間に達したとき、サンプリング時間中に取り込んだ加速度のうち所定の範囲「β」を超えるものがあるか否かを判断する(手順S10)。あれば乗りかごは停止していないと判断し、再び手順S7 、S8 、S9 、S10の処理を繰り返す。
【0020】
手順S10の処理で、サンプリング時間中に取り込んだ各加速度が所定の範囲「β」を超えないと判断されると、CPU151は手順S2 で開始した時間計測を停止する(手順S11)。次いで、CPU151はそのときの速度Δvと、計測した時間t1 (いずれも図4に示されている)とを取り込み(手順S12)、両者の比率(Δv/t1 )を演算し(手順S13)、この比率に基づいて各速度を修正する(手順S14)。この修正は、各速度からその速度に上記比率を乗じた値を減算(下降時は加算)することにより行われる。例えば、時刻tX において取り込んだ速度vX に対する修正された速度をvX0とすると、速度の修正は
vX0=vX −tX (Δv/t1 )
のように行われる。
【0021】
上記の修正手段は誤差が直線的に(図4に破線で示す直線T0 に沿って)積算されるとして修正を行うものである。しかし、速度は加速度を積分することにより得られるので加速度センサの誤差も積分されることになり、実際には誤差は直線的でなく二次曲線に沿う値となる。この二次曲線を一点鎖線T01で示す。この二次曲線を、速度をV、時間をT、係数をaとして表すと、
V=aT2
a=V/T2
図示のように時間t1 で速度ΔVであるから、
a=ΔV/t1 2
となる。したがって、上記のように時刻tX における速度vX に対する修正された速度をvX0とすると、速度の修正は
vX0=vX −tX (Δv/t1 2)
のように行われる。
この修正の場合、図6に示す手順S13の処理は、(Δv/t1 2)の計算となるのは明らかである。
【0022】
このように、演算制御部15に速度の修正手段を備えたので、加速度センサとしては精度の如何にかかわらずどのような加速度センサを用いても、精度良く速度を測定することができる。なお、誤差を直線とした場合も、二次曲線とした場合も、加速度センサ131に高精度のものを使用する場合には、修正手段は必ずしも必要ではない。
【0023】
以上、図1に示す乗りかご側測定装置10の構成および一部の機能について説明した。次に、図1に示す調整側測定装置20について説明する。
図7は調整側測定装置のブロック図である。データ処理部としての調整側測定装置20は、パーソナルコンピュータ等を用いて構成されており、所要の演算、制御を行う中央処理ユニット(CPU)21、CPU21の処理手順が格納されたリードオンリメモリ(ROM)22、演算、制御の結果等を格納するランダムアクセスメモリ(RAM)23、乗りかご側測定装置10から送信されたデータを格納するメモリ24、各種指令を入力するキーボード25、各種の表示を行う表示部26、および送受信装置20aから受信信号を入力するとともに送受信装置20aへ各種指令信号を出力する入出力インタフェース28で構成されている。20aは図1に示す送受信装置である。
【0024】
次に、上記実施の形態の動作を図8に示す演算制御部15の動作のフローチャートを参照して説明する。速度測定に際し、保守員は乗りかごに乗り、当該乗りかごの床等適宜な個所に乗りかご側測定装置10(加速度センサ11は床中央部に設置することが望ましいが、中央部でなくてもよいし、壁等でもよい)を設置するとともに、送受信装置10aを入出力インタフェース157に接続して適宜個所に設置し、図示しない電源スイッチをオンとした後、乗りかごを離れて調整個所、例えば機械室へ行く。ここで保守員は送受信装置20aを入出力インタフェース28に接続し、調整側測定装置20を起動させる。そして、キーボード25により零点補正指令信号の出力を指示し、CPU21はこれに応じ、入出力インタフェース28を介して送受信装置20aから零点補正指令信号を無線送信する。この零点補正指令信号は乗りかご内に設置された送受信装置10aで受信される。
【0025】
一方、乗りかご内に設置された演算制御部15のCPU151は、零点補正指令信号の入力を待ち(図8に示す手順S21)、これが送受信装置10aで受信され入出力インタフェース157から入力されると、入力回路156の入力又は出力を阻止してこれを不動作状態にし(手順S22)、零点補正を行い(手順S23)、零点補正が終了すると零点補正終了を送信し(手順S24)、測定開始指令信号の入力を待つ(手順S25)。なお、上記手順S22で入力回路を不動作状態にするのは、何らかの理由により乗りかごに第三者が乗っている場合、測定スイッチ154や0補正スイッチ155を扱っても測定に影響がないようにするためである。この不動作状態は測定処理が終了すると解除される。
【0026】
上記零点補正終了の信号は無線で送受信装置10a、20aにより送受信され、調整側測定装置20の入出力インタフェース28を介してCPU21に入力され、CPU21はこれを表示部26に表示する。保守員はこの表示をみて、キーボド25により測定開始指令信号の出力を指示するとともに、機械室で乗りかごの上昇又は下降の呼びを作り、乗りかごを上昇又は下降させる。
【0027】
調整側測定装置20から出力された測定開始指令信号は、送受信装置20a、10aを介して演算制御部15に入力され、CPU151は、手順S25の処理でこれを認識し、加速度センサ11の検出データをA/D変換器14を介して取り込むとともに、加速度センサ11の検出データを積分により速度に変換した電圧周波数変換器12のデータをカウンタ13を経て取り込み、RAM153又はその他の適宜の記憶手段に格納する(手順S26)。次いで、測定終了指令信号が受信されたか否かを判断し(手順S27)、受信されていない場合は再び手順S25の処理を行い、これらの処理の繰り返しにより加速度データと速度データが蓄積されてゆく。
【0028】
乗りかごが停止すると、保守員はキーボド25により測定終了指令信号の出力を指示する。この測定終了指令信号は送受信装置20a、10aを介して乗りかご内の演算制御部15に入力され、CPU151は測定終了指令信号の入力を手順S26の処理で判断してデータの採取を停止し、測定開始から終了までに取り込んだ速度データの修正を前述の処理により行い、修正された速度データを所定の記憶手段に格納し(手順S28)、データ要求信号の受信を待つ(手順S29)。保守員がキーボード25によりデータ要求信号の出力を指示すると、当該データ要求信号は送受信装置20a、10aを介して演算制御部15に入力され、CPU151はデータ要求信号の入力を手順S29の処理で判断して格納されている加速度データおよび修正された速度データを送信し(手順S30)、メモリに格納されているデータを消去して(手順S31)処理を終了する。当該加速度データおよび速度データは送受信装置10a、20aを介して調整側測定装置20へ入力され、CPU21はこれらデータをメモリ24へ格納する。なお、データの消去は必ずしも必要ではない。
【0029】
保守員は、メモリ24に格納されたデータを表示部26に例えば波形として表示し、これを基準値と比較して乗り心地性能の評価を行う。そして、乗り心地が低下していると判断すると、機械室の所要の装置に対する調整を行う。この調整の結果は、乗りかごを昇降させて上記の処理を再度実施することにより観察され、必要であれば再調整を行う。
【0030】
このように、本実施の形態では、乗りかごに乗りかご側測定装置と無線による送受信装置とを設置し、一方、機械室等の適宜な個所に調整側測定装置と無線による送受信装置とを設置し、調整側測定装置から乗りかご側測定装置に指令を与えてこれを起動させ、加速度センサのデータおよび速度データを調整側測定装置に取り込むようにしたので、既設の装置を変更したり、これに何等の要素も付加することなく、保守員1人で容易に走行特性を測定することができ、測定した走行特性に基づいて乗り心地を調整することができる。又、加速度センサの出力に対して測定ごとに、調整側測定装置からの指令により零点補正を行うようにしたので、精度の良い測定データを得ることができる。さらに、加速度センサにおける測定誤差による速度の誤差の修正を行うようにしたので、精度の良い速度特性を得ることができる。
【0031】
なお、上記実施の形態の説明では、速度の修正を乗りかご側測定装置で行う例について説明したが、これは調整側測定装置で行うこともできる。この場合、乗りかご側測定装置のデータ処理部は電圧周波数変換器とカウンタとを除いたものとなり、調整側測定装置(データ処理部)にこれらが加わることになる。又、前述のように、加速度センサに高精度のものを使用する場合には、速度修正手段は必ずしも必要ではない。又、演算制御部又は調整側測定装置に、速度データをさらに積分して距離を算出する機能をもたせれば、振動等の異常が見出される走行行程上の位置を把握することができる。又、加速度センサを常時乗りかご内の適宜な個所に固定しておき、測定時に送受信装置を接続できるようにしてもよい。さらに、何等かの理由により2つの送受信装置の間での送受信を円滑に行うことができない場合には、適宜の個所に中継器を備えればよい。
【0032】
又、上記実施の形態の説明では、エレベータに適用した場合について説明したが、例えば、ダムウエータのような昇降機の走行特性の測定にも適用できる。ダムウエータが、料理や食器の移送に用いられる場合、液体状の料理に対して、又は積み重ねられた陶磁器の食器に対して円滑な昇降が必要となるので、走行特性の測定が必要となる。さらに、エレベータやダムウエータのような昇降機だけでなく、エスカレータや動く歩道等の走行特性の測定にも利用できるのは明らかである。
【0033】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明では、加速度センサ、零点補正手段と起動停止手段とを備えたデータ処理部、および無線による送受信手段で構成される移送体側測定装置を移送体に設置し、一方、移送体側の送受信手段から送信されたデータに基づく処理を行うとともに零点補正手段および起動停止手段を選択的に作動させる指令信号を出力する指令信号出力手段を備えたデータ処理部、および無線による送受信手段とで構成される調整側測定装置を機械室等に設置するようにしたので、既設の装置を変更したり、これに何等の要素も付加することなく、保守員1人で容易に走行特性を測定することができ、測定した走行特性に基づいて乗り心地を調整することができる。又、加速度センサの出力に対して測定毎に、調整側測定装置からの指令により零点補正を行うようにしたので、精度の良い測定データを得ることができる。さらに、加速度センサにおける測定誤差による速度の誤差の修正を行うようにした場合には、精度の良い速度特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るエレベータ走行特性測定装置のブロック図である。
【図2】図1に示す乗りかご側測定装置のブロック図である。
【図3】加速度センサの出力特性を示す図である。
【図4】速度特性曲線を示す図である。
【図5】加速度、速度特性曲線を示す図である。
【図6】図1に示す演算制御部の速度修正動作を説明するフローチャートである。
【図7】図1に示す調整側測定装置のブロック図である。
【図8】図1に示す演算制御部の測定動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 乗りかご側測定装置
10a、20a 送受信装置
11 加速度センサ
12 電圧周波数変換器
13 カウンタ
15 演算制御部
20 調整側測定装置
Claims (3)
- 移送体の移動方向の走行特性を測定する移送体の走行特性測定装置において、前記移送体に設置される加速度センサ、この加速度センサの検出値を処理するとともに当該加速度センサの零点を補正する零点補正手段と当該加速度センサの起動および停止を行う起動停止手段を備えたデータ処理部、および外部と無線による送受信を行う送受信手段で構成される移送体側測定装置と、前記移送体から離れた位置に設置され前記移送体側の送受信手段から送信されたデータに基づく処理を行うとともに前記零点補正手段および前記起動停止手段を選択的に作動させる指令信号を出力する指令信号出力手段を備えたデータ処理部、および前記指令信号出力手段による指令信号を無線により送信するとともに前記移送体側の送受信手段から無線送信されるデータを受信する送受信手段とで構成される調整側測定装置とを備え、かつ、前記調整側測定装置の送受信手段と前記移送体側の送受信手段との間で送受信が行われているとき、前記加速度センサへ零点の補正を指令する補正スイッチもしくは加速度センサへ測定開始と終了を指令する測定スイッチからの信号を入力する入力回路を不作動状態とする手段を設けたことを特徴とする移送体の走行特性測定装置。
- 請求項1記載の移送体の走行特性測定装置において、前記移送体側測定装置又は前記調整側測定装置は、前記加速度センサの検出値を積分して速度を算出する速度演算手段を備えていることを特徴とする移送体の走行特性測定装置。
- 請求項1記載の移送体の走行特性測定装置において、前記移送体側測定装置又は前記調整側測定装置は、前記加速度センサの検出値を積分して速度を算出する速度演算手段、および当該加速度センサを用いることにより生じる前記速度演算手段で算出された速度の誤差を修正する速度修正手段を備えていることを特徴とする移送体の走行特性測定装置。
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