JP3594791B2 - 移送体の速度算出方法及び走行特性測定装置 - Google Patents

移送体の速度算出方法及び走行特性測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ、エスカレータ及びいわゆる動く歩道等の移送体の移動速度を測定する移送体の速度算出方法及び走行特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にエレベータ、エスカレータ及びいわゆる動く歩道等の移送体は乗客を乗せて移動する装置であるので、当該装置に故障が生じると乗客に多大の迷惑を及ぼすばかりではなく、場合によっては大きな危険を与えるおそれもある。このため、上記の移送体に対しては定期的に保守を行い安全を期する必要がある。この保守は専門の保守員により多数の項目についてチェックが行われるが、その中でも移送体の加速度及び速度の測定は必要不可欠である。
【0003】
そこで従来、例えば特開平3−195678号公報に記載されているように、エレベータの乗かご内に走行時の上下、前後及び左右方向の加速度を同時に検出する3個の加速度センサと、この加速度センサの検出値を記録する記録部とを設置し、上記の乗かごを走行させて各加速度を検出して、この得られた各加速度データを積分することにより速度を測定するとともに、得られた速度データをさらに積分して距離データを求め、これらの加速度データ、速度データ及び距離データを時間軸として表示部で表示し、この表示に基づいてエレベータの乗り心地特性の良否を判断する技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術にあっては、加速度センサに高精度のものを使用する場合、検出精度の面では問題ないが、かなり価格が掛るという問題があり、一方、それほどの精度を持たない加速度センサを使用すると価格は安いが、その温度特性やその他の誤差成分により正確な加速度を得ることができず、そこから算出される速度についても乗かごの停止後の静止状態であっても演算による速度が0にならず、大幅な狂いを生じる場合がある。この誤差成分は非直線性、非再現性という特徴を有し、且つ、時間とともに誤差が増大する傾向にあるため、測定として必要な精度を保証できる時間内までしか測定を行うことができない。従って、乗かごを昇降路の全行程を往復運転した場合、長い階床で上昇または下降の一方向へ運転した場合、あるいは上昇や下降運転を1回ごとに複数回連続して測定し異常を評価する測定に対して、上述した精度上の必要により測定時間が限られるので測定を数回に分けて行わなければならないという問題がある。
【0005】
本発明はこのような従来技術における実情に鑑みてなされたもので、その目的は、保守員の労力や装置コストを大幅に削減できるとともに、高精度の測定を行うことのできる移送体の速度算出方法及び走行特性測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る発明は、加速度センサを用いて複数回の起動、停止の連続運転を行った移送体の移動方向の加速度検出値をあらかじめ設定された時間間隔で積分し、この積分値に基づいて前記移送体の速度を算出する移送体の速度算出方法において、前記算出した速度データから、走行開始前、走行終了後の静止部分データから求めた近似曲線の値を減算して仮補正した後、前記移送体が走行したと認識される所定の速度αを超える速度データが検出された測定時間のTa秒前を走行開始位置として検出し、次いで、前記所定の速度αより大きな所定の速度βが検出された後に、前記所定の速度α以下の速度データを検出した測定時間のTb秒後を走行停止位置として検出し、測定開始点から前記走行開始位置までの走行前停止部分、前記走行停止位置から次の走行開始位置までの連続運転中の中間停止部分、前記走行停止位置から測定終了点までの走行終了停止部分の速度データを零とするよう前記仮補正した速度データの誤差補正を行う速度算出方法であって、前記所定の速度αは、静止状態にある前記移送体の振動から求まる速度と誤認識されない速度であり、前記Ta秒は、走行開始から前記移送体が所定の速度αに達する時間以上の値に設定し、前記Tb秒は、前記所定の速度βの速度データの検出後に、前記所定の速度αの速度データが検出されてから前記移送体が走行を停止するまでの時間以上の値に設定した構成にしてある。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明の請求項2に係る発明は、複数回の起動、停止の連続運転を行う移送体に取り付けられ当該移送体の移動方向の加速度を検出する加速度センサと、この加速度センサの検出値に基づいて前記移送体の速度を算出する速度演算手段と、この速度演算手段により算出された速度を記憶する記憶部と、前記加速度センサによる加速度の検出開始から検出停止までの時間を測定する時間測定手段と、前記記憶部に記憶された速度データから、走行開始前、走行終了後の静止部分データから求めた近似曲線の値を減算して仮補正した後、前記移送体が走行したと認識される所定の速度αを超える速度データが検出された測定時間のTa秒前を走行開始位置として検出し、次いで、前記所定の速度αより大きな所定の速度βが検出された後に、前記所定の速度α以下の速度データを検出した測定時間のTb秒後を走行停止位置として検出し、測定開始点から前記走行開始位置までの走行前停止部分、前記走行停止位置から次の走行開始位置までの連続運転中の中間停止部分、前記走行停止位置から測定終了点までの走行終了停止部分の速度データを零とするよう前記仮補正した速度データの誤差補正を行う速度修正手段とを備え、前記所定の速度αは、静止状態にある前記移送体の振動から求まる速度と誤認識されない速度であり、前記Ta秒は、走行開始から前記移送体が所定の速度αに達する時間以上の値に設定し、前記Tb秒は、前記所定の速度βの速度データの検出後に、前記所定の速度αの速度データが検出されてから前記移送体が走行を停止するまでの時間以上の値に設定した構成にしてある。
【0008】
上記のように構成した本発明では、算出した速度データから、走行開始前、走行終了後の静止部分データから求めた近似曲線の値を減算して仮補正した後、測定開始点から走行開始位置までの走行前停止部分、走行停止位置から次の走行開始位置までの連続運転中の中間停止部分、走行停止位置から走行終了点までの走行終了停止部分の速度データを零とするよう前記仮補正した速度データの誤差補正を行うようにしてある。これにより、精度上の必要により測定を数回に分けて行う必要がなくて済み、保守員の労力を削減できるとともに、加速度センサ自体に特に高精度のものを使用する必要がないので、装置コストも削減できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の移送体の速度算出方法及び走行特性測定装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る走行特性測定装置を備えたエレベータの説明図である。この図で、1は乗かご、2は油圧シリンダ、3はそのプランジャ、4はプランジャ3の頂部に固定されたプーリ、5はプーリ4に掛け渡され乗かご1に連結されたロープである。6は乗かご1の昇降を案内するガイドレール、7はガイドローラ、8は昇降路頂部であり、乗かご1内に本実施形態の走行特性測定装置9が設置されている。
【0010】
図2は本実施形態に係る走行特性測定装置9の構成を示すブロック図である。この図で、91は乗かご1の走行方向の加速度を検出する加速度センサであり、この加速度センサ91は、例えば乗かご1の床面に図示しない永久磁石等で固定設置される。101は電圧周波数変換器、102はカウンタ、103はA/D変換器、104はマイクロコンピュータで構成される演算制御部、105は演算制御部104の電源となるバッテリである。
【0011】
電圧周波数変換器101は、よく知られているように積分器、比較器及び出力トランスで構成されており、入力電圧は積分器により積分された後、この積分器からの出力は比較器により鋸刃状波等の参照電圧と比較され、この比較の結果、積分器に入力された電圧に比例した周波数のパルスが出力トランジスタから出力される。
【0012】
演算制御部104は、CPU(中央処理ユニット)104aと、このCPU104の処理手順データを格納するROM(リードオンリーメモリ)104bと、演算制御の結果等を格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)104cと、加速度データ及び速度データを格納するデータメモリ104dと、外部からの入力信号を取り込む入力回路104eと、図示しない外部装置、例えば保守員が所属する営業所のパーソナルコンピュータとの間の通信機能を備えた入出力インターフェース104fと、計時信号を出力するクロック(CL)104gとで構成されている。なお、上記のCPU104aにより、加速度センサ91の検出値に基づいて乗かご1の速度を算出する速度演算手段と、乗かご1の走行前、走行終了後、及び走行間の静止部分の検出値を利用して速度誤差値を算出し、データメモリ104dに記憶された各速度を修正する速度修正手段とが構成され、上記のデータメモリ104dにより、上記のCPU104aにより算出された速度を記憶する記憶部が構成され、CPU104a及びクロック104gにより、加速度の検出開始から検出停止までの時間を測定する時間測定手段が構成されており、上記のデータメモリ104dは着脱自在のカード型のメモリを使用することもできる。
【0013】
また図2において、111は速度を表示する表示器、112は演算制御部104の電源をオン、オフする電源スイッチ、113は0点補正を指示する0補正スイッチ、114は測定の開始及び終了を指示する測定開始/終了スイッチ、115は表示器111に表示を行うか否かを指示する表示スイッチ、116は上記の各スイッチ112〜115の状態をそれぞれ示す複数のランプである。
【0014】
この実施形態にあっては、乗かご1の走行特性測定に際して、まず保守員Aは乗かご1に乗り、図1に示すように乗かご1の床(この床の中央部分にあることが望ましい)に走行特性測定装置9を設置する。次いで、電源スイッチ112をオンとし、0点補正スイッチ113により加速度センサ91の0点補正を行なった後、測定開始/終了スイッチ114により測定開始を指示し、ある間隔を置き図示しない所定階の行先階釦を押す。これに伴い走行指令に応じて乗かご1が走行を開始すると、加速度センサ91は乗かご1にかかる重力による乗かご1の移動量に応じた加速度値を出力し、この加速度センサ91の出力電圧は、電圧周波数変換器101に入力され、当該出力電圧に比例した周波数のパルスに変換される。このパルスはカウンタ102でカウントされ、そのカウント値はCPU104aに取り込まれる。電圧周波数変換器101は加速度センサ91が検出した加速度を積分器で積分するので、当該カウント値は乗かご1の速度に比例した値となる。
【0015】
一方、加速度センサ91の出力電圧はA/D変換器103によりディジタル値に変換され、CPU104aに取り込まれる。上記のカウント値はそれに対応した速度データとしてデータメモリ104dに格納され、同様に、A/D変換器103で変換された値も加速度データとしてデータメモリ104dに格納され、すなわち、順次速度データ及び加速度データがデータメモリ104dに格納される。やがて乗かご1が所定階に到達して停止した後、再度測定したい所定階までの行先階釦を押して乗かご1を上昇または下降させる。
【0016】
このような測定動作を測定目的に応じて繰り返して行なった後、保守員Aは乗かご1が所定階で停止したことを確認し、所定時間の静止時間を測定して、測定開始/終了スイッチ114を作動させて測定の終了を指示する。以上の動作により、データメモリ104dに、所定の階床間における乗かご1の速度データ及び加速度データが得られる。
【0017】
図3はある階床間で乗かご1を2往復、すなわち2回続けて上昇、下降を行い測定した速度及び加速度の実測値を示す図である。この図で、横軸には時間をとり、縦軸には加速度及び速度をとってある。この図3において、Aは加速度を示す曲線、Vは速度を示す曲線である。一方の階床からの乗かご1の上昇開始時には、加速度がほぼ0から正方向に急激に増大し、このときその積分値である速度も急速に大きくなり、その後加速度が0近くに収束するとその積分値である速度は一定となる。逆に、乗かご1が他方の階床に近付いて減速、停止する場合には、負方向の加速度が急激に増大し、その積分値である速度は急速に減少し、その後、数回の減速を繰り返して加速度がほぼ0になると速度も0になり、すなわち乗かご1が停止する。この乗かご1の停止時には衝撃による加速度が図3の曲線Aに示すように推移する。
【0018】
このようにして乗かご1の走行が終了して停止した後、下降指令により乗かご1が下降を始めるが、上記の上昇の状態と逆の負方向に同様のカーブを描くように加速度が生じ、それに基づく速度カーブが得られる。この乗かご1の下降を停止したときも衝撃による加速度が図3の曲線Aに示すように推移する。
【0019】
ところで、本実施形態において、本来は上記の結果が得られるところが、加速度センサ91が高精度でない場合には、得られた速度が図4に示すようになることがある。これは乗かご1が2往復したときの実測走行曲線を示す図であるが、速度誤差は時間とともに増大して真値に含まれるため信頼性の無いデータになることが分かる。この原因は、その温度特性やその他の誤差成分により、正確な加速度を得ることができず、そこから算出される速度について乗かご1の停止後の静止状態にあっても演算が0にならず、大幅な狂いを生じるためである。しかも、この誤差成分は非直線性、非再現性という特徴を有し、且つ、時間とともに誤差が増大する傾向にある。したがって、精度のよい速度データを得るためには速度の修正が必要である。
【0020】
この速度の修正のため、本実施形態では最小二乗法による誤差カーブ近似方法が用いられている。すなわち、この修正は、格納されている図4の速度データVから走行前、走行後の静止部分データViを数点取り出し、求める近似曲線F(x)の同座標に対応するデータF(i)の残差の二乗和が最少となるように近似曲線F(x)の係数を求めるものである。この残差の式は以下のように示される。
Figure 0003594791
次に、上式で求めた近似カーブをデータ内測定速度データVからそれぞれの座標すなわち時間tにおける近似曲線の値を減算し、仮の補正カーブVを次のように求める。
=V−F(x)
ここで、仮の補正と称する理由は、走行開始前、走行終了後の静止部分2箇所から誤差成分全体を推定するため、長時間の測定になると中間部分のデータを上記の近似曲線の推定に用いていないことから、近似曲線推定にずれを生じて、停止、走行を区別できる程度の精度しか見込めなくなるからである。その中間部分のデータを近似曲線の推定に利用して、誤差カーブの推定精度を向上させるために行う処理を図5を用いて次の走行データの状態の測定方法で説明する。
【0021】
すなわち、まず上記の仮補正を行った速度データの測定開始点Tから乗かご1が走行開始したことを判断する所定の速度±αm/minを越えるまでデータを読む。この所定の速度±αm/minを越えたデータに対応する測定時間BのTa秒前を走行開始位置Bとする。次いで、より大きな速度±βm/minを検出した後、所定の速度±αm/min以下を示す点Bを検知し、そのTb秒後を走行停止位置Bとする。その後も同様の判定を繰り返して、第2回目の走行開始位置B、走行停止位置B、第3回目の走行開始位置B、走行停止位置B、第4回目の走行開始位置B、走行停止位置B10を検知して、上記の処理により測定開始点Tから走行開始位置Bまでの走行前停止部分、連続運転中の停止部分、走行停止位置B10から測定終了点Tまでの走行終了部分が求められる。
【0022】
従って、上記の位置に対応する測定時間の測定データは0であるはずで、そのとき、0を示さない値が純粋な速度誤差成分となる。そこで、仮補正を行う前の静止部分に相当する箇所を通る曲線を求めれば誤差成分を推定でき、その成分を測定データから減算すれば精度よく補正を行うことが可能となる。すなわち、上記の手法を用いることによって測定内の中間部分の誤差値も含めて近似するわけであるので、測定ごとに規則性のないカーブを描く誤差成分を推定するのに最適となる。
【0023】
このように、演算制御部104に速度の修正手段を備えたので、加速度センサ91自体は精度が比較的劣るものであっても、精度よく速度を測定することができる。上記の場合、走行開始直後、走行停止寸前を把握する条件値である所定の速度±αm/minは、静止状態の振動から求まる速度と誤認識しないようであればよく、Ta秒は、走行開始から所定の速度±αm/minに達する時間以上の値に設定し、Tb秒は所定の速度±αm/minを認識してから走行停止までに要する時間以上の値に設定すればよく、これらの条件は乗かご1の走行特性により決まっている。また、乗かご1の上昇、下降の順で説明したが、±の絶対値で走行の状態を把握するため、下降、上昇の順で測定も構わない。
【0024】
データメモリ104dは、最終的には加速度データと速度データとが格納された状態となる。このようにして得られた各速度は所定階に停止した後、表示器111に順次数字で表示してもよいし、曲線として表示してもよい。また図示しない入力部から送信先、例えば保守員が所属する営業所のパーソナルコンピュータと指定してデータ送信指令を入力すると、データメモリ104dの加速度データと速度データが上記の送信先に送信される。なお、この送信先では、送信された加速度データと速度データのサンプリング時間が判っているので、それらの各データに時間を割り当てることもできる。
【0025】
図6は本実施形態に係る走行特性測定装置9の平面図、図7は図6の走行特性測定装置9を矢印Xで示す方向から見た側面図である。なお、これらの図において図2に示す部分と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0026】
これらの図において、110は収納ケースであり、この収納ケース110内に、図2に示す加速度センサ91、電圧周波数変換器101、カウンタ102、演算制御部104、及びバッテリ105が収納されている。117a、117bは表示送りスイッチであり、表示器111に速度が表示されている場合、表示送りスイッチ117aを1回押すと、データメモリ104dに格納されている速度データのうちの1つ先のデータが表示され、一方、他の表示送りスイッチ117bを1回押すと、データメモリ104dに格納されている速度データのうちの1つ後のデータが表示される。また表示送りスイッチ117aを所定時間連続して押すと、データメモリ104dの速度データが採取された時間の経過に沿って順次連続的に流れて表示器111に表示され、他の表示送りスイッチ117bでも同様である。118は外部装置とのデータ通信のためのコネクタであり、収納ケース110の内部で入力インターフェース104fに接続されている。119は底面(図6に示す面と対向する面)に設けられた複数の足を示す。このような構成にしたため、1つの収納ケース110に全構成部品を収納することにより、全体を小型に構成することができ、保守員の携行が容易となる。さらに、各種機能を収納ケースの上面にまとめてあるので、乗かご1の床面に収納ケース110を載置したとき当該面が上面となって保守員の操作が容易にある。
【0027】
このように構成した実施形態では、算出した速度データから走行開始前、走行終了後の静止部分データから求めた近似曲線の値を減算して仮補正した後、測定開始点から走行開始位置までの走行前停止部分、走行停止位置から次の走行開始位置までの連続運転中の中間停止部分、走行停止位置から走行終了点までの走行終了停止部分の速度データを零とするよう前記仮補正した速度データの誤差補正を行うようにしてある。これにより、精度上の必要により測定時間が限られることがなくなるので測定を数回に分けて行う必要がなく、保守員の労力を大幅に削減できるとともに、高精度の測定を行なえる。さらに加速度センサ91に特に高精度のものを使用する必要がないので、装置コストも削減できる。
【0028】
なお、本実施形態では、誤差カーブ推定に用いる静止データ近似にはより多くの点を用いるほど近似の信頼性が上がることから乗かご1の走行開始前、走行開始後、起動、停止間の中間部分全てを用いる場合を例示したが、所望の目標を満たす精度が得られるのであれば、近似に用いる静止データを減らしてもよい。また、乗かご1の2往復走行を測定した場合で説明したが、測定に必要な条件として起動、停止間で中間停止部分を確保できれば、どのような組み合わせや回数で運転を行ってもよい。
【0029】
さらに、本実施形態では、加速度センサを乗かご1の床の中央部に設置する例について説明したが、必ずしも乗かご1の床の中央部でなくてもよい。また、乗かご1の床ではなく、乗かご1の壁部分に固定することもでき、乗かご1上で作業する場合には乗かご1上に載置してもよい。
【0030】
さらに、本実施形態では、時刻、加速度、及び速度を記憶する例について説明したが、記憶部の容量によっては加速度及び速度の一方、あるいは速度を積分して得られる距離を記憶するようにしてもよい。このようにして距離を求めておけば加速度、速度の異常発生位置の探索等に便利である。
【0031】
さらに、本実施形態では、表示器111を設ける例について説明したが、表示器111を設けずに外部との通信手段を設け、記憶部に記憶された加速度、速度及び距離を、あるいは距離のみを上記の通信手段により外部の所定箇所、例えば保守員が所属する営業所のパーソナルコンピュータへ送信することもできる。もちろん、表示器111及び上記の通信手段の両方を備えてもよい。
【0032】
さらに、本実施形態では、移送体としてエレベータの乗かご1を例示して説明したが、このエレベータに限ることはなく、エスカレータ、動く歩道の他に、保守員による測定が必要なロープウエイの乗かごや電車等の移送体の速度の測定にも、多くの点の静止状態の測定を行い補正式を用いて補正することにより適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように構成したので、本発明によれば、算出した速度データから、走行開始前、走行終了後の静止部分データから求めた近似曲線の値を減算して仮補正した後、測定開始点から走行開始位置までの走行前停止部分、走行停止位置から次の走行開始位置までの連続運転中の中間停止部分、走行停止位置から走行終了点までの走行終了停止部分の速度データを零とするよう前記仮補正した速度データの誤差補正を行うようにしてある。これにより精度上の必要により測定を数回に分けて行う必要がなくて済み、保守員の労力を削減できるとともに、加速度センサ自体に特に高精度のものを使用する必要がないので、装置コストも削減できる。したがって、移送体の走行特性測定を行う際の精度を向上できるとともにコスト削減を図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る走行特性測定装置を備えたエレベータの説明図である。
【図2】本実施形態の走行特性測定装置の構成を示すブロック図である。
【図3】乗かごの上昇、下降時の速度及び加速度を示す特性図である。
【図4】乗かごの2往復運転時の実測走行曲線を示す特性図である。
【図5】本実施形態の走行特性測定装置により補正処理を行う際の動作を説明する特性図である。
【図6】本実施形態の走行特性測定装置の平面図である。
【図7】本実施形態の走行特性測定装置の側面図である。
【符号の説明】
1 乗かご(移送体)
9 走行特性測定装置
91 加速度センサ
101 電圧周波数変換器
102 カウンタ
103 A/D変換器
104 演算制御部
104a CPU
104b ROM
104c RAM
104d データメモリ(記憶部)
104g クロック

Claims (2)

  1. 加速度センサを用いて複数回の起動、停止の連続運転を行った移送体の移動方向の加速度検出値をあらかじめ設定された時間間隔で積分し、この積分値に基づいて前記移送体の速度を算出する移送体の速度算出方法において、
    前記算出した速度データから、走行開始前、走行終了後の静止部分データから求めた近似曲線の値を減算して仮補正した後、
    前記移送体が走行したと認識される所定の速度αを超える速度データが検出された測定時間のTa秒前を走行開始位置として検出し、
    次いで、前記所定の速度αより大きな所定の速度βが検出された後に、前記所定の速度α以下の速度データを検出した測定時間のTb秒後を走行停止位置として検出し、
    測定開始点から前記走行開始位置までの走行前停止部分、前記走行停止位置から次の走行開始位置までの連続運転中の中間停止部分、前記走行停止位置から測定終了点までの走行終了停止部分の速度データを零とするよう前記仮補正した速度データの誤差補正を行う速度算出方法であって、
    前記所定の速度αは、静止状態にある前記移送体の振動から求まる速度と誤認識されな速度であり、
    前記Ta秒は、走行開始から前記移送体が所定の速度αに達する時間以上の値に設定し、
    前記Tb秒は、前記所定の速度βの速度データの検出後に、前記所定の速度αの速度データが検出されてから前記移送体が走行を停止するまでの時間以上の値に設定したことを特徴とする移送体の速度算出方法。
  2. 複数回の起動、停止の連続運転を行う移送体に取り付けられ当該移送体の移動方向の加速度を検出する加速度センサと、この加速度センサの検出値に基づいて前記移送体の速度を算出する速度演算手段と、この速度演算手段により算出された速度を記憶する記憶部と、前記加速度センサによる加速度の検出開始から検出停止までの時間を測定する時間測定手段と、
    前記記憶部に記憶された速度データから、走行開始前、走行終了後の静止部分データから求めた近似曲線の値を減算して仮補正した後、
    前記移送体が走行したと認識される所定の速度αを超える速度データが検出された測定時間のTa秒前を走行開始位置として検出し、
    次いで、前記所定の速度αより大きな所定の速度βが検出された後に、前記所定の速度α以下の速度データを検出した測定時間のTb秒後を走行停止位置として検出し、
    測定開始点から前記走行開始位置までの走行前停止部分、前記走行停止位置から次の走行開始位置までの連続運転中の中間停止部分、前記走行停止位置から測定終了点までの走行終了停止部分の速度データを零とするよう前記仮補正した速度データの誤差補正を行う速度修正手段とを備え、
    前記所定の速度αは、静止状態にある前記移送体の振動から求まる速度と誤認識されない速度であり、
    前記Ta秒は、走行開始から前記移送体が所定の速度αに達する時間以上の値に設定し、
    前記Tb秒は、前記所定の速度βの速度データの検出後に、前記所定の速度αの速度デ
    ータが検出されてから前記移送体が走行を停止するまでの時間以上の値に設定したことを特徴とする移送体の走行特性測定装置。
JP4770498A 1998-02-27 1998-02-27 移送体の速度算出方法及び走行特性測定装置 Expired - Fee Related JP3594791B2 (ja)

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