JP2580139B2 - 車両用サスペンシヨン装置 - Google Patents

車両用サスペンシヨン装置

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JP2580139B2
JP2580139B2 JP61280964A JP28096486A JP2580139B2 JP 2580139 B2 JP2580139 B2 JP 2580139B2 JP 61280964 A JP61280964 A JP 61280964A JP 28096486 A JP28096486 A JP 28096486A JP 2580139 B2 JP2580139 B2 JP 2580139B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、車両用サスペンション装置に係り、特
に、所定の指令値によって作動圧を変化可能な能動型サ
スペンションを装備した車両用サスペンション装置に関
する。
〔従来の技術〕
車両用サスペンション装置に対する第1従来例として
は、本出願人が先に提案した特願昭61−76117号記載の
ものがある。
この第1従来例は、その明細書及び図面に示す如く、
車体の横方向の加速度を検出する横加速度検出器と、こ
の横加速度検出器による検出値に基づき所定の指令値を
形成する制御回路と、この制御回路からの指令値に対応
した圧力を出力する圧力制御弁と、この圧力制御弁の出
力圧力に付勢されて作動圧を変化させる油圧シリンダと
を備えている。そして、例えば車両の右旋回時には、横
加速度検出器からの検出値の内、外輪側の油圧シリンダ
の作動圧を上げ且つ内輪側の油圧シリンダの作動圧を下
げるように制御するとし、車両の横方向の姿勢変化を適
宜抑制制御するようになっている。
また、第2従来例としては、本出願人が先に提案した
特願昭61−137875号記載のものがある。
この第2従来例は、その明細書及び図面に示す如く、
上記第1従来例の横加速度検出器の代わりに、車体の前
後方向の加速度を検出する前後加速度検出器を備えた構
成となっている。そして、運転者がブレーキ又はアクセ
ルを踏んだときの前後方向の加速度を検出し、この検出
値に基づいて前輪の油圧シリンダの圧力を上げ且つ後輪
の油圧シリンダの圧力を下げ(又はこれと反対に)、前
後方向の姿勢変化を適宜抑制するようになっている。
更に、第3従来例としては、同じく本出願人が先に提
案した特願昭61−134218号記載のものがある。
この第3従来例は、その明細書及び図面に示す如く、
上記各従来例と同様にして車体に発生する上下加速度検
出値に基づいて車体のバウンシングを抑制するようにな
っている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記各従来例にあっては、各加速度検
出器に、例えば温度ドリフトによってDCオフセット出力
等による出力誤差が生じると、この出力誤差がそのまま
油圧シリンダの作動圧の制御に反映されるという構成に
なっていたため、当該出力誤差により例えば車高変化が
生じてしまいうことから、当該出力誤差をより少なくす
るためには、より精度の高い加速度検出器を使用しなけ
ればならなくなり、これがため、加速度検出器が高価に
なり、その分装置全体の生産コストが上昇するという未
解決の問題点があった。
そこで、この発明は、このような従来の未解決の問題
点に着目してなされたもので、車両に加速度が生じてい
ない加速度非発生状態を判定し、この状態において検出
される加速度が制御に及ぼす誤差成分であるとして、こ
の誤差成分を相殺するよう加速度検出値を補正し、これ
によって指令値を形成することにより、上記問題点を解
決することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この発明は、第1図の基
本構成図に示すように、車体側部材と車輪側部材との間
に介装され所定の指令値に応じて作動圧が制御される能
動型サスペンションと、車体に発生する加速度を検出す
る加速度検出手段とを備え、該加速度検出手段による検
出値に応じて前記指令値を変化させるようにした車両用
サスペンション装置において、車両に加速度が生じてい
ない加速度非発生状態か否かを判定する車両状態判定手
段と、該車両状態判定手段によって車両が加速度非発生
状態であると判定された場合、当該加速度非発生状態に
おける前記加速度検出手段の検出値を相殺する値を補正
基準値として設定する補正基準値設定手段と、該補正基
準値設定手段による補正基準値に基づいて前記加速度検
出手段の検出値を補正する加速度補正手段と、該加速度
補正手段により補正された加速度検出値に基づき前記指
令値を形成する指令値形成手段とを装備したことを特徴
としている。
〔作用〕
この発明においては、加速度検出手段によって車体に
発生する加速度が検出され、この検出値に応じた指令値
が指令値形成手段によって形成される。そして、当該指
令値によって能動型サスペンションの作動圧が適宜制御
され、車両の姿勢変化が抑制される。
この場合において、車両に加速度が生じていない加速
度非発生状態か否かが車両状態判定手段により判定され
る。加速度非発生状態においては加速度検出手段にかか
る加速度検出値は本来的には零であることから、仮に、
加速度非発生状態において加速度検出手段が検出値を出
力するとすれば、この出力値は、加速度検出手段自身に
起因する例えばDCドリフト等であり、検出誤差となるも
のであることが分かる。
このため、車両状態判定手段の判定結果が加速度非発
生状態である場合には、この状態における前記加速度検
出手段の検出値を相殺する値を補正基準値とするよう補
正基準値設定手段によって設定される。そして、設定さ
れた補正基準値に基づき加速度補正手段によって前記加
速度検出手段の検出値に補正が施され、この補正された
加速度検出値に応じた前記指令値が指令値形成手段によ
って形成され、前記能動型サスペンションに供給され
る。従って、加速度検出値に含まれる検出誤差が的確に
排除され、より正確な指令値が形成されるとともに、加
速度検出手段に要求される検出精度を低く設定しても同
等の制御が可能になることから、その分安価な加速度検
出手段を使用し、低コスト化を図ることができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〔第1実施例〕 第2図乃至第7図は、この発明の第1実施例を示す図
である。
第2図において、11FL,11FR,11RL,11RRは、各々、車
体側部材12と各車輪13FL〜13RRを個別に支持する車輪側
部材14との間に介装された能動型サスペンションを示
す。この能動型サスペンション11FL〜11RRの各々は、ア
クチュエータとしての油圧シリンダ15FL,15FR,15RL,15R
R、コイルスプンリング16FL,16FR,16RL,16RR、及び油圧
シリンダ15FL〜15RRに対する作動油圧を、後述するコン
トローラ31からの指令値のみに応動して制御する圧力制
御弁17FL,17FR,17RL,17RRとを各別に備えている。
この内、油圧シリンダ15FL〜15RRは、第3図に示す如
く、前左車輪13FL,前右車輪13FR,後左車輪13RL,後右車
輪13RRに各々対応して独立駆動するように配設されてい
る。この油圧シリンダ15FL〜15RRの各々は、そのシリン
ダチューブ15aが車体側部材12に取り付けられ、ピスト
ンロッド15bが車輪側部材14に取り付けられている。そ
して、ピストン15cによって閉塞された上側圧力室B内
の作動油圧が、圧力制御弁17FL〜17RRによって各々制御
されるようになっている。また、コイルスプリング16FL
〜16RRの各々は、車体側部材12と車輪側部材14との間
に、各油圧シリンダ15FL〜15RRと並列に装備されてお
り、これによって車体の静荷重が支持されている。ここ
で、コイルスプリング16FL〜16RRは、各々、車体の静荷
重を支えるのみであることから、比較的低いバネ定数に
なっている。
また、圧力制御弁17FL〜17RRの各々は、第3図に示す
ように、円筒状の弁ハウジング18とこれに一体的に儲け
られた比例ソレノイド22とを有しており、この内、弁ハ
ウジング18の中央部には挿通孔18が設けられ、この挿通
孔18aには、スプリング21を介在せしめたスプール19及
びロッド20が摺動可能に配設されている。また、弁ハウ
ジング18には、一端が挿通孔18aに連通され他端が油圧
源24の作動油供給側に油圧配管25を介して接続された入
力ポート18bと、同様に一端が挿通孔18aに連通され他端
が油圧源24のドレン側に油圧配管26を介して接続された
出力ポート18cと、同様に一端が挿通孔18aに連通され他
端が油圧配管27を介して各油圧シリンダ15FL〜15RRの上
側油圧室Bと連通する入出力ポート18dとが形成されて
いる。そして、出力ポート18cには、これとスプール19
の上端及び下端との間に連通するドレン通路18e,18fが
形成されている。また、スプール19には、入力ポート18
bに対向するランド19a及び出力ポート18cに対向するラ
ンド19bが形成されており、スプール19の下端部には、
両ランド19a,19bよりも小径のランド19cが設けられてい
る。そして、ランド19aとランド19cとの間に圧力制御室
Cが形成され、この圧力制御室Cがパイロット通路18g
を介して入出力ポート18dに接続されている。
一方、比例ソレノイド22は、ロッド20を介してスプリ
ング21の押圧力を制御し、スプール19の位置を、オフセ
ット位置とその両端側の作動位置との間で移動制御させ
る機能を有している。このため、比例ソレノイド22は、
軸方向に摺動自在の作動子22aと、この作動子22aを駆動
せしめる励磁コイル22bを備えており、後述するコント
ローラ31から出力される駆動電流でなる指令値Sによっ
て駆動制御される。
ここで、指令値Sと入出力ポート18dから出力される
作動油圧Pとの関係は、第4図に示すようになってい
る。つまり、指令値Sが零であるときに、所定のオフセ
ット圧力P0を出力し、この状態から指令値Sが正方向に
増加するとこれに所定の比例ゲインK1をもって作動圧力
Pが増加するとともに、油圧源24の出力圧力P2に達する
と飽和する。また、指令値Sが負方向に増加するとこれ
に比例して作動圧力Pが減少する。
従って、指令値Sが零になると、スプール19が所定の
中立位置に設定され、油圧シリンダ15FL〜15RRの油圧室
Bに対して所定のオフセット油圧P0を供給する。この状
態では、スプール19が圧力調整スプリング21の押圧力と
圧力制御室Cの圧力(即ち油圧シリンダ15FL〜15RRの油
圧室Bの圧力)とが均衡する位置に停止される。そし
て、路面からの細かな凹凸による振動入力があると、こ
れに応じて油圧シリンダ15FL〜15RRの油圧室Bの圧力が
変動し、これに付勢されスプール19の値が微動して振動
入力が車体側へ伝達されることを抑制する。
また指令値Sが正方向に増加すると、作動子22aが下
降し、これに応じてスプール19が下降して、入出力ポー
ト18dが入力ポート18bに連通される。このため、圧力制
御弁17FL〜17RRの圧力室Cの圧力が上昇し、油圧シリン
ダ15FL〜15RRが伸長することになる。一方、指令値Sが
負方向に増加すると、作動子22a及びスプール19が上昇
し、入出力ポート18dが出力ポート18cに連通され、これ
によって上述とは反対に油圧シリンダ15FL〜15RRが収縮
することになる。従って、圧力制御弁17FL〜17RRに供給
する指令値S(S1〜S4)を適宜制御することにより車両
の揺動に対する姿勢変化を制御することができる。
ここで、第2図において、28Hは圧力制御弁17FL〜17R
Rと油圧源24との間の油圧配管25の途中に配設された高
圧側アキュムレータ、28Lは圧力制御弁17FL〜17RRと油
圧シリンダ15FL〜15RRとの間の油圧配管27に絞り弁28V
を介して連通された低圧側アキュムレータである。
一方、車体の所定位置には、横加速度を検出する加速
度検出手段としての横加速度検出器29、及びステアリン
グホイール(図示せず)の操舵角を検出する操舵角検出
器30、及び本装置全体を制御するコントローラ31が設け
られている。そして、横加速度検出器29は車両の横加速
度に応じた電圧出力でなる横加速度検出信号GYを、また
操舵角検出器30は操舵角に応じた電圧出力でなる操舵角
検出信号θを各々コントローラ31に出力するようになっ
ている。
更に、コントローラ31は、第5図に示すように、マイ
クロコンピュータ32と、横加速度検出器29及び操舵角検
出器30の検出信号を切り換えるマルチプレクタ33と、こ
のマルチプレクサ33により選択されたアナログ量の検出
信号をデジタル信号に変換するA/D変換器34とを備えて
いる。また、コントローラ31は、マイクロコンピュータ
32から出力されたデジタル制御信号をアナログ信号に各
々変換するD/A変換器35A〜35D,36A〜36Dと、この内のD/
A変換器35A〜35Dの出力信号を各々二方向(a又はb方
向)に切り換え可能なスイッチ回路37A〜37Dと、このス
イッチ回路37A〜37Dがb方向側に切り換えられていると
きにはD/A変換器35A〜35Dの出力信号の低周波数成分の
みを各々通過させるローパスフィルタ(LPF)38A〜38D
と、このLPF38A〜38D又はスイッチ回路37A〜37Dのa方
向側の出力を受けてこれを各々増幅し圧力制御弁17FL〜
17RRの励磁コイル22bに各々供給する駆動回路39A〜39D
とを含んでいる。この内、スイッチ回路37A〜37Dの各々
は、対応するD/A変換器36A〜36Dから出力される制御信
号によって適宜切換制御され、入力信号をa又はb方向
に切り換えて出力するようになっている。
マイクロコンピュータ32は、I/Oポート41と中央処理
想値(以下、「CPU」という)42とRAM,ROM等から成るメ
モリ43とタイマ44とを含んで構成され、I/Oポート41の
入力ポート側にはA/D変換器34が、出力ポート側にはD/A
変換器35A〜35D,36A〜36Dが各々接続されている。
CPU42は、I/Oポート41を介してマルチプレクサ33の切
換を制御し、これにより選択された横加速度検出器29の
検出信号GY及び操舵角検出器30の検出信号θを読み込
み、これらに基づいて後述する演算その他の処理を行
う。また、メモリ43は、CPU42の処理の実行に必要な所
定のプログラムを予め記憶しているとともに、CPU42の
処理結果等を逐次記憶する。
次に、上記第1実施例の動作を説明する。
まず、車両のイグニッションスイッチ(図示せず)が
オン状態になると、本装置が稼動し、コントローラ31の
マイクロコンピュータ32においてカウンタのクリア等の
初期化が行われた後、所定のメインプログラムに基づき
処理が行われる。
第6,7図は、マイクロコンピュータ32においてタイマ
割り込み処理として実行される処理手順を示す。この
内、横加速度検出値GYに対する補正基準値設定ルーチン
は第6図に示され、例えば10分毎のタイマ割り込み処理
に付される。また、指令値出力ルーチンは第7図に示さ
れ、例えば10msec毎のタイマ割り込み処理に付される。
第6図において、まずステップでは、CPU42はI/Oポ
ート41を介してマルチプレクサ33を選択切換し、操舵角
θの値を読み込んだ後、ステップに移行する。
ステップでは、読み込んだ操舵角θの絶対値|θ|
と予め定めた基準値Δθとの比較判断をおこなう。この
判断は、車両が直進走行状態か否かを判断するものであ
って、ステアリングホイールの遊び等を考慮して、Δθ
の値を直進走行と判定できる所定値に予め設定してい
る。従って、|θ|≧Δθのときには直進状態でないと
してステップaに移行し、直進フラグFSに「0」をセ
ットし、次いでステップbで後述するように直進フラ
グFSが「0」から「1」に変更されることにより起動す
るカウンタCT1はクリアしておく。次いでステップに
移行して、補正フラグFRに「0」をセットし、この後、
メインプログラムに戻る。
一方、第6図のステップにおいて、|θ|<Δθの
ときには直進状態であるとしてステップに移行し、直
進フラグFSに「1」をセットした後、ステップに移行
する。ステップでは、直進フラグFSが「0」から
「1」に変更されることにより起動するカウンタCT1の
計数値が「N」に等しいか否かの判断がCPU42によって
行われる。この判断は後述するステップ,ととも
に、車両の直進状態が所定時間T1だけ継続したか否かを
判定するものであって、直進状態であることの確実化を
図るものである。ここで、例えば、Nの値を「100」
に、サンプリング時間Δtを「10msec」に各々設定して
いるものとすると、所定時間T1は「1」秒間となる。そ
して、ステップにおいて、カウンタCT1<Nのとき、
即ち未だ所定時間T1に達していないときには、ステップ
に移行し、カウンタCT1の値を「1」だけインクリメ
ントし、前述したステップに移行する。一方、ステッ
プにおいて、カウンタCT1=Nになったとき、即ち所
定時間T1が経過したときには、ステップに移行し、カ
ウンタCT1をクリアし、ステップに移行する。
ステップにおいて、CPU42は、横加速度検出器29か
らの横加速度検出値GYを読み込み、ステップに移行す
る。そして、ステップでは、横加速度検出値GYの絶対
値|GY|と予め設定した基準値ΔGとを比較判断する。こ
の判断は、横加速度検出器29が温度変化等によってドリ
フトを生じた場合に、検出器単体で想定されるドリフト
値内であるか否かを判定するものであって、この境界値
に対応するようΔGの値を予め定めている。そこで、|G
Y|≧ΔGの場合は、通常、横加速度GYの値が略零である
直進状態でありながらドリフト値の基準値を越える異常
状態であり、ノイズ混入等による場合であるとして前述
したステップaに移行する。つまり、ΔGとの比較判
断によって、検出データGYの信頼性を高めている。
一方、ステップにおいて、|GY|<ΔGの場合は、正
常な検出状態であると判断でき、ステップに移行す
る。そして、ステップでは、ステップにおいて検出
したGYの値(正又は負値)を、後述する横加速度GYに対
する補正基準値Dとして記憶する。つまり、この補正基
準値Dは、車両に横加速度が殆ど発生していない直進走
行状態において横加速度検出器29が出力する値であり、
これは検出器29が温度変化に起因して出力するDCドリフ
ト分に相当する。このドリフト分を放置しておくと、検
出値GYにその分の誤差を生じることになるため、本実施
例では、後述するように検出値GYを補正基準値Dに基づ
いて適宜補正している。
そして、ステップの後は、ステップに移行し、補
正フラグFRに「1」をセットし、メインプログラムにリ
ターンする。
このようにして、第6図のサブルーチンでは、ステッ
プ及びの条件が満足する場合のみ補正基準値Dが設
定される。
一方、第7図の指令値出力ルーチンは、前述の如く第
6図のルーチンより短いサンプリング時間に基づいてタ
イマ割り込み処理に付される。
第7図のステップにおいては、CPU42はその時点に
おける横加速度検出値GYを読み込み、次いでステップ
に移行する。ステップでは、ステップにおいて読み
込んだGYに、前述の補正基準値設定ルーチンにおいて決
定されている補正基準値Dを加減演算することによる相
殺補正演算を行う。これによって、検出値GYから横加速
度検出器29のドリフト分による誤差成分が除去され、正
味の横加速度成分のみとなる。
次いで、ステップにおいて、CPU42は車両の各輪13F
L〜13RRに対する指令値S(S1〜S4)を各別に演算す
る。この演算は横加速度検出値GYに所定のゲインを乗じ
ることにより行われ、この後ステップに移行する。こ
のステップにおいては、補正フラグFRが最後に「0」
から「1」にセットされてから所定時間T2が経過したか
否かがソフトウエアタイマにより判断される。この判断
は、横加速度GYの補正に伴い指令値Sの値が急変し油圧
シリンダ15FL〜15RRの圧力が変動することにより生じる
車高の急変動を防止せんとするものである。
このため、ステップの判断において、予め設定した
時間T2が経過していない場合は、ステップに移行し、
CPU42は前術したスイッチ回路37A〜37Dの各々の出力を
b方向に切り換える。したがって、D/A変換器35A〜35D
の出力経路に各々LPF38A〜38Dが挿入される。ついで、C
PU42は、スチッチにおいて既に演算している指令値
(S1〜S4)に対応した制御信号をD/A変換器35A〜35Dを
介して各別に出力する。これらの制御信号の内、所定の
カットオフ周波数以下の低周波数成分のみがLPF38A〜38
Dを通過して駆動回路39A〜39Dに各々出力される。一
方、ステップの判定において、時間T2が経過している
場合は、ステップにおいてスイッチ回路37A〜37Dの各
々の出力がa方向に切り換えられ、前記ステップに移
行する。このため、D/A変換器35A〜35Dの出力の各々
は、直接に駆動回路39A/39Dに出力される。
この結果、駆動回路39A〜39Dに入力した制御信号は、
各別に増幅され、対応する圧力制御弁17FL〜17RRの励磁
コイル22bに指令値S(S1〜S4)として出力される。こ
こで、指令値S1は前左圧力制御弁17FLに、S2は前右圧力
制御弁17FRに、S3は後左圧力制御弁17RLに、S4は後右圧
力制御弁17RRに各々出力される。
このため、各圧力制御弁17FL〜17RRの励磁コイル22b
が指令値S(S1〜S4)に応じて励磁され、前述した如く
各油圧シリンダ15FL〜15RRに対する作動圧力Pが指令値
S(S1〜S4)に対応する値となる。これによって、各油
圧シリンダ15FL〜15RRのピストンロッド15bの位置が付
勢制御され、指令値S(S1〜S4)に対応する新たな位置
に設定される。従って、能動型サスペンション11FL〜11
RRの油圧シリンダ15FL〜15RRは車体側部材12に対する上
下方向の揺動を抑制するように各別に動作することとな
る。
ここで、第6,7図の処理において、第6図のステップ
,の処理が車両状態検出手段に、第6図のステップ
〜の処理が補正基準値設定手段に、第7図のステッ
プ,の処理が加速度補正手段に、第7図のステップ
の処理が指令値形成手段に各々対応している。
以上の第7図の動作は、メインプログラムの処理にと
もなって、予め設定されたサンプリング時間毎に実行さ
れるため、上下方向の姿勢変化を確実に抑制できる。ま
たこれのみならす、適宜の時間毎に補正基準値Dを定め
これに基づき横加速度検出器29のドリフト発生による検
出誤差を補正しているため、横加速度検出器29としては
検出精度のより低いもので実用十分であることから、よ
り安価な検出器を搭載することができ、これによって、
装置全体の生産コスト低減を図ることができる。
なお、本第1実施例において、操舵角検出器の代わり
に、実舵角検出器を用いる構成としてもよい。
〔第2実施例〕 次に、第2実施例を第8図乃至第9図を参照しながら
説明する。ここで、前記第1実施例と同一の構成要素に
対しては同一の符号を用い、その説明を省略又は簡略化
する(これは、以下の第3〜第5実施例についても同様
とする)。
本第2実施例は、前記第1実施例が操舵角を検出し、
車両の横加速度検出値に対し補正を施す構成であるのに
対して、車両の前後加速度検出値に補正を施すという構
成になっている。具体的には、第8図に示すように、コ
ントローラ31のマルチプレクサ33に対して、ブレーキ
(図示せず)が操作されているか否かを検出する一方の
加速度検出手段としてのブレーキスイッチ50と、車両が
加速中か否かをチェックする他方の加速度検出手段とし
ての燃料パルス検出器51と、車両の前後方向の加速度を
検出する前後加速度検出器52とを備えている。その他
は、前記第1実施例と同様に構成されている。
次に、本第2実施例の動作を説明する。
第9図には、マイクロコンピュータ32のタイマ割り込
み処理によって補正基準値Dを設定する手法が示されて
いる。まず、同図のステップにおいて、CPU32はマル
チプレクサ33に選択制御信号を送り、燃料パルス検出器
51からの燃料パルス噴射時間Fn(n=1,2,・・・)をサ
ンプリング毎に検出する。これに引き続いて、ステップ
では、燃料パルス噴射時間Fnに基づき燃料パルス噴射
時間幅ΔFn(n=1,2,・・・)を演算し、ステップに
移行する。
ステップでは、ブレーキスイッチ50からの状態信号
J(例えばブレーキ操作時には論理Hレベル信号,ブレ
ーキ非操作時には論理Lレベル信号)を適宜読み込み、
次いで、ステップにおいて状態信号Jに基づきブレー
キが操作されているか否かが判断される。そして、ブレ
ーキが操作されていると判断された場合は、車両が加速
度運動を行っており補正基準値Dを設定できる状態にな
いとして、ステップaにおいて等速走行フラグFTに
「0」をセットし、次いで、ステップbで後述するよ
うに等速走行フラグFTが「0」から「1」に変更される
ことにより起動するカウンタCT1はクリアしておく。次
いでステップにおいて補正フラグFRに「0」をセット
する。この後、ステップにおいて、ΔFnをΔFn+1にセ
ットし、次回のサンプリングにおけるステップの基準
値を入れ換え、リターンする。
一方、前記ステップにおいて、ブレーキが操作され
ていないと判定されて場合は、補正基準値Dを設定でき
る状態にあるとしてステップに移行し、|ΔFn−ΔF
n+1|=ΔFの式に基づいて燃料パルス噴射時間幅の変化
率ΔFを演算する。これは、変化率ΔFの動向に依って
車両がアクセル操作に伴う加減速走行中か否かを判定す
ることを目的とするもので、次のステップにおいて、
|ΔF|>FSか否かの判断にかけられる。ここで、FSはア
クセルが急激に踏み込まれ又は戻されているか否かを示
す基準値であり、予めメモリ43に格納されている。そし
て、|ΔF|>FSの場合は、アクセル操作による加速度の
変化率が高く補正基準値を設定できないとして前記ステ
ップaに移行する。また、|ΔF|≦FSの場合は、加速
度変化率が所定範囲内であり、殆ど前後方向の加速度を
生じる状態にない等速走行状態であるとして、ステップ
に移行し、等速走行フラグFTを「1」をセットする。
ここで、上記ステップ〜,,によって車両に
前後方向の加速度が殆ど発生していない状態が検出され
る。
次いで、CPU42は、スイッチにおいて、等速走行フ
ラグFTが「0」から「1」に変更されることにより起動
するカウンタCT1に対して、CT1=Nか否かを判断する。
この判断は、等速走行状態が所定時間継続した安定状態
か否かを判断するものであり、これに対応するNの値が
予めメモリ43に格納されている。そして、ステップに
おいて、カウンタCT1の計数値が未だ所定値Nに達して
いない場合は、ステップで計数値を「1」だけインク
リメントした後、前記ステップに移行する。また、ス
テップにおいて、CT1=Nに達すると、ステップに
おいて計数値をクリアして、ステップに移行する。
ステップでは、前後加速度GXを読み込み、ステップ
において|GX|<ΔGか否かの判断にかけられる。この
基準値ΔGは、前述した第1実施例と同様に、前後加速
度検出器52が温度変化等によってドリフトを生じた場合
に、|GX|の値が検出器単体で想定されるドリフト値内で
あるか否かを判定するものであって、この境界値に対応
するようΔGの値を定めている。そして、|GX|≧ΔGの
場合は、ノイズ等による異常検出状態であるとして前記
ステップaに移行する。また、|GX|<ΔGの場合は、
正常検出状態であるとしてステップに移行して、ステ
ップにおいて読み込んだ前後加速度検出値GX(正又は
負値)が補正用としてメモリの所定領域に格納され、こ
の値が補正基準値Dとして後述する指令値演算に使用さ
れる。この後、ステップにおいて、前記フラグFRに
「1」をセットし、前記ステップに移行する。
ここで、第9図において、ステップ〜,,の
処理が車両状態検出手段に、またステップ〜の処理
が補正基準値設定手段に各々対応している。
上述のようにして補正基準値Dが設定されると、前記
第1実施例の指令値出力ルーチンを示す第7図と同様の
アルゴリズムに沿って、圧力制御弁17FL〜17RRに対する
指令値S(S1〜S2)が形成され出力される。
以上により、本第2実施例によると、前後加速度検出
値に対して前記第1実施例と同様の効果を得ることがで
きる。
なお、本第2実施例において、加速度検出手段の一部
を形成する燃料パルス検出器の代わりに、アクセルの開
度を検出するアクセル開度検出器を用いることもでき
る。
〔第3実施例〕 次に、第3実施例を第10図乃至第11図を参照しながら
説明する。
本第3実施例は、前記第1実施例と同一の目的を有す
るものであって、この第1実施例に更に停車時における
指令値の制御,詳しくは、停車時には指令値を一定に保
持して指令値演算の手間を省くという手法を付加したも
のである。
このため、本第3実施例では、第10図に示す如く、コ
ントローラ31の入力側に車速検出器54を付加し、車速V
をマルチプレクサ33等を介してマイクロコンピュータ32
に入力できるようになっている。その他は、第1実施例
と同一に構成されている。
次に、本第3実施例の動作を説明する。
本第3実施例では、第1実施例と同様に、第6図のル
ーチンに基づき補正基準値Dがタイマ割り込み処理によ
って設定される。そして、ここで設定された補正基準値
Dを用いて第11図に示す指令値出力ルーチンのタイマ割
り込み処理が所定サンプリング時間毎に実行される。
第11図のステップにおいては、車速Vが読み込ま
れ、次いで、ステップで車速Vに基づいて車両が停車
か否かが判断される。このステップの判断によって、
車両が停車状態の場合には、後述する停車時専用の制御
を行い、また停車状態でない場合には、ステップにお
いて停車フラグFPに「0」をセットし、この後、ステッ
プ〜ステップ(これらは、ステップを除いて、第
1実施例を示す第7図のステップ〜の処理に相当す
る)の処理が行われて指令値S(S1〜S4)が演算され
る。この場合において、第11図のステップの処理で
は、走行開始、つまり停車フラグFPが「1」から「0」
に変更された後、所定時間経過か否かが判断され、これ
に続くステップの時間経過判断とともに、走行直後の
不安定期間の指令値,即ち車高値の急激な変化を回避し
ている。
一方、ステップにおいて、停車状態であると判断さ
れた場合は、ステップに移行し、停車フラグFP=1か
否かの判断が行われる。この判断において、停車フラグ
FPが1でない場合、ステップで停車フラグFPに「1」
がセットされ、停車フラグFPが1になるまでステップ
,の処理が繰り返される。
そして、ステップにおいて、停車フラグFPが1にセ
ットされると、次いでステップに移行し、最終のステ
ップにかかる指令値S(S1〜S4)が予め設定されてい
る一定値SDに等しいか否かが判断される。この判断は、
停車時には横加速度GYに無関係な一定の指令値を出力
し、所定サンプリング時間毎の指令値演算を省略しよう
とするためのものである。このため、S=SDの場合は、
前記ステップを介してステップにおいて指令値S
(=SD)を出力する。一方、ステップにおいてS≠SD
の場合には、次のステップで指令値の微小値ΔS(正
又は負値)を加算し、前記ステップに移行する。従っ
て、停車時にあっては、ステップ〜の処理が繰り返
されるため、指令値Sが徐々に一定値SDまで変化され、
そのまま停車状態が維持されるときには、圧力制御弁17
FL〜17RRの出力圧力,即ち車高値が予め設定した一定値
に維持される。
ここで、第11図において、ステップ,の処理が加
速度補正手段に、ステップの処理が指令値形成手段に
各々対応している。
以上のように、本第3実施例によれば、その効果も前
記第1実施例と同等のものが得られるとともに、停車時
における指令値演算の手間を省略でき、これによってプ
ログラム全体の簡単化を図ることができるという利点も
得られる。
〔第4実施例〕 次に、第4実施例を第12図乃至第13図を参照しながら
説明する。
本第4実施例は、第12図に示す如く、コントローラ31
の入力側に加速度検出手段としての上下加速度検出器56
及び車速検出器54を備え、車速検出器54にかかる車速信
号Vにより車両状態を検出し、これに応じて上下加速度
検出器56が検出する上下加速度検出値GZに補正を施し、
これによって前記各実施例と同様の目的を達成しようと
するもである。その他は、前記各実施例と同一に構成さ
れている。
次に、本第4実施例の動作を説明する。
まず、第13図に示す補正基準値設定ルーチンにかかる
タイマ割り込み処理によって、上下加速度検出値GZに対
する補正基準値Dが設定される。これを詳述すると、同
図のステップでは、CPU42は、車速検出器54からの車
速Vを読み込み、次いで、ステップにおいてこの車速
Vを基に車両が停車状態か否かを判断する。このステッ
プの判断において、停車状態でない場合には、補正基
準値Dの設定には及ばないとして、ステップで補正フ
ラグFRを「0」にセットした後、メインプログラムにリ
ターンする。
しかしながら、ステップにおいて、車両が停車状態
にあると判断された場合には、ステップにおいて停車
後予め設定した一定時間(例えば1秒間)が経過してい
るか否かが図示しないカウンタに依りチェックされる。
この判断は、停車直後の反動等による上下加速度の検出
誤差を回避しようとするものであって、一定時間後の停
車安定状態を検出するものである。
そこで、ステップにおいて、一定時間が未だ経過し
ていない不安定状態の場合には、前記ステップに移行
する。しかし、ステップにおいて、一定時間が経過し
ている場合には、ステップにおいて補正フラグFRが
「1」になっているか否か、つまり補正基準値Dが設定
されているか否かが判断される。この判断は重複して補
正基準値Dを設定することを避けるためのである。この
ため、既に補正フラグFR=1の場合には、停車状態にお
いて既に補正基準値Dが設定済であり新たに設定する必
要がないとしてメインプログラムへリターンし、また補
正フラグFR=1でない場合には、補正が成されていない
と判断し、ステップに移行する。
このようにステップに移行した場合には、前記各実
施例と同様に、補正基準値Dが設定される(ステップ
〜参照)。そして、この補正基準値Dに基づき、前記
第7図に示したと同様にして上下加速度検出値GZに対す
る指令値S(S1〜S4)が演算され出力される。
ここで第13図のにおいて、ステップ,,の処理
が車両状態検出手段に対応し、ステップ〜の処理が
補正基準値設定手段に対応している。
従って、本第4実施例においても、前記各実施例と同
等の効果が得られる。
〔第5実施例〕 次に、第5実施例を第14図乃至第15図を参照しながら
説明する。
本第5実施例は、第4図に示す如く、第4実施例の構
成において新たに開閉装置状態検出手段としてのドア開
閉検出スイッチ58をコントローラ31の入力側に追加した
ものであり、補正基準値Dを設定する際の状態検出をよ
り厳格に行おうとするものである。つまり、車両停車時
であっても人の乗降又は荷物の積み降ろし等により車両
が揺動するため、このような状態での補正基準値の設定
をドア開閉検出スイッチ58からの情報によって禁止する
ようにしたものである。このため、ドア開閉検出スイッ
チ58は、車両のドアが開いている状態では例えば論理H
レベルの状態信号Uを、また閉まっている状態では論理
Lレベルの状態信号Uをコントローラ31に出力するよう
になっている。そのほかは、前記第4実施例と同様であ
る。
次に、本第5実施例の動作を説明する。
補正指令値Dの設定は、第15図のようにして行われ
る。この第15図のルーチンは、前記第4実施例を示す第
13図のルーチンのステップととの間に、新たにステ
ップa及びbの処理が追加された処理になってい
る。即ち、CPU42は、第15図のステップ〜に示す補
正基準値Dの設定に入る前に、ステップaにおいてド
ア開閉検出スイッチ58にかかる検出信号Uを読み込み、
これに基づいてステップbでドアが開いているか又は
閉まっているかを判断する。そして、ドアが開状態であ
るとされる場合は、上述の趣旨により補正基準値の設定
を行わずにリターンし、ドアが閉状態であるとされる場
合のみステップに移行して補正基準値の設定を行う。
一方、第15図によって設定された補正基準値Dに基づ
く指令値演算は、第4実施例と同様にして行われる。
このため、本第5実施例によっても前記各実施例と同
様の効果が得られると共に、補正基準値を設定する状態
をより厳格に選択していることから、補正基準値がより
正確で信頼性のある値となり、従って、これに基づく指
令値,即ち車高値がより的確に制御される。
ところで、上記第5実施例では、開閉装置状態検出手
段としてドア開閉検出スイッチを用いる構成としたが、
これは、例えばトランクの開閉状態を検出するスイッチ
であってもよい。
なお、前記第4,5実施例にあっては、加速度検出手段
として上下加速度検出器を搭載する構成としたが、本発
明は必ずしもこれに限定されず、横加速度検出器若しく
は前後加速度検出器又はこれれらの組み合わせを適宜用
いる構成としてもよい。
なお、前記各実施例における、補正基準値設定ルーチ
ンと指令値出力ルーチンとのタイマ割り込み間隔は、前
記記載のものに限定されることなく、温度変化等に伴う
各加速度検出器の検出誤差を的確に把握できるものであ
れば、適宜な間隔でよい。
また、前記各実施例では、各車輪13FL〜13RRに対して
各々異なった指令値を演算するとしたが、これは、例え
ば前,後輪毎の指令値演算の如くであってもよい。
更に、前記実施例では、圧力制御弁に限らず、特開昭
61−181712号に示されているように、車体と車輪との間
のストロークを検出し、これに応じて油圧シリンダを制
御するようにしてもよい。
更に、前記実施例においては、流体圧シリンダとして
油圧シリンダを適用した場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、空気圧シリンダ等
の他の流体圧シリンダにも適用し得ることは勿論であ
る。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、車両状
態検出手段により車両が加速度非発生状態か否かを検出
し、加速度非発生状態の場合における加速度検出手段の
検出値を相殺する値を補正基準値として補正基準値設定
手段により設定し、この補正基準値に基づき加速度補正
手段によって指令値を形成するための加速度検出値を補
正するとしているため、これによると、加速度検出手段
が例えば温度により影響を受けドリフトを生じてその検
出値にオフセット分等の誤差を含む場合であっても、当
該誤差成分が補正により的確に排除され、より正確な指
令値による揺動抑止制御となるとともに、加速度検出手
段に要求される検出精度を下げることもできることか
ら、その分だけより安価な加速度検出手段を用いること
が可能となり、装置全体の生産コスト低減を図ることが
できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の概要を示す基本構成図、第2図はこ
の発明の第1実施例を示す概略構成図、第3図はこの発
明に適用し得る圧力制御弁の一例を示す概略断面図、第
4図は第3図の圧力制御弁に対する指令値と圧力制御弁
の出力圧力との関係を示すグラフ、第5図は第1実施例
におけるコントローラの構成を示すブロック図、第6図
は第1実施例のコントローラにおいて実行される補正基
準値設定ルーチンを示すフローチャート、第7図は第1
実施例のコントローラにおいて実行される指令値出力ル
ーチンを示すフローチャート、第8図は本発明の第2実
施例の構成を示す一部簡略化されたブロック図、第9図
は第2実施例のコントローラにおいて実行される補正基
準値設定ルーチンを示すフローチャート、第10図は本発
明の第3実施例の構成を示す一部簡略化されたブロック
図、第11図は第3実施例のコントローラにおいて実行さ
れる指令値出力ルーチンを示すフローチャート、第12図
は本発明の第4実施例の構成を示す一部簡略化されたブ
ロック図、第13図は第4実施例のコントローラにおいて
実行される補正基準値設定ルーチンを示すフローチャー
ト、第14図は本発明の第5実施例の構成を示す一部簡略
化されたブロック図、第15図は第5実施例のコントロー
ラにおいて実行される補正基準値設定ルーチンを示すフ
ローチャートである。 図中、11FL〜11RRは能動型サスペンション、12は車体側
部材、14は車輪側部材、15FL〜15RRは油圧シリンダ、17
FL〜17RRは圧力制御弁、29は加速度検出手段としての横
加速度検出器、31はコントローラ、32はマイクロコンピ
ュータ、52は加速度検出手段としての前後加速度検出
器、56は加速度検出手段としての上下加速度検出器であ
る。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側部材と車輪側部材との間に介装され
    所定の指令値に応じて作動圧が制御される能動型サスペ
    ンションと、車体に発生する加速度を検出する加速度検
    出手段とを備え、該加速度検出手段による検出値に応じ
    て前記指令値を変化させるようにした車両用サスペンシ
    ョン装置において、 車両に加速度が生じていない加速度非発生状態か否かを
    判定する車両状態判定手段と、該車両状態判定手段によ
    って車両が加速度非発生状態であると判定された場合、
    当該加速度非発生状態における前記加速度検出手段の検
    出値を相殺する値を補正基準値として設定する補正基準
    値設定手段と、該補正基準値設定手段による補正基準値
    に基づいて前記加速度検出手段の検出値を補正する加速
    度補正手段と、該加速度補正手段により補正された加速
    度検出値に基づき前記指令値を形成する指令値形成手段
    とを装備したことを特徴とする車両用サスペンション装
    置。
  2. 【請求項2】前記加速度検出手段は車体の横加速度を検
    出する横加速度検出器であり、前記車両状態検出手段は
    操舵角情報に基づき車両が横加速度を発生しない直進走
    行状態か否かを判定する手段であり、前記補正基準値設
    定手段は車両が直進走行状態であるときに前記横加速度
    検出器の検出値を相殺する値を前記補正基準値とする手
    段であることを特徴とした特許請求の範囲第1項記載の
    車両用サスペンション装置。
  3. 【請求項3】前記加速度検出手段は車体の前後加速度を
    検出する前後加速度検出器であり、前記車両状態検出手
    段は制動及び駆動情報に基づき車両が前後加速度を発生
    しない等速走行状態か否かを判定する手段であり、前記
    補正基準値設定手段は車両が等速走行状態であるときに
    前記前後加速度検出器の検出値を相殺する値を前記補正
    基準値とする手段であることを特徴とした特許請求の範
    囲第1項記載の車両用サスペンション装置。
  4. 【請求項4】前記加速度検出手段は、車体の横加速度を
    検出する横加速度検出器、車体の前後加速度を検出する
    前後加速度検出器及び車体の上下加速度を検出する上下
    加速度検出器の内の少なくとも一つの検出器から成り、
    前記車両状態検出手段は車速情報に基づき車両が加速度
    を発生しない停車状態か否かを検出する手段であり、前
    記補正基準値設定手段は車両が停車状態であるときに前
    記加速度検出器の検出値を相殺する値を前記補正基準値
    とする手段であることを特徴とした特許請求の範囲第1
    項記載の車両用サスペンション装置。
  5. 【請求項5】前記指令値形成手段は、前記加速度検出手
    段の加速度検出値に対する補正に起因して急激に変化す
    る指令値の挙動を規制するためのローパスフィルタを備
    えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第4項
    の内の何れかに記載の車両用サスペンション装置。
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