JP2503240B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JP2503240B2
JP2503240B2 JP28592687A JP28592687A JP2503240B2 JP 2503240 B2 JP2503240 B2 JP 2503240B2 JP 28592687 A JP28592687 A JP 28592687A JP 28592687 A JP28592687 A JP 28592687A JP 2503240 B2 JP2503240 B2 JP 2503240B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G17/00Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load
    • B60G17/015Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、能動型サスペンションに係り、特に、車
体側部材と車輪側部材との間に配設された流体圧シリン
ダと、この流体圧シリンダの作動圧を指令値に応じて調
整可能な圧力制御弁とを備え、車両に作用する加速度に
応じて指令値を制御するようにした能動型サスペンショ
ンに関する。
〔従来の技術〕
従来、能動型サスペンションとしては、例えば特開昭
61−193907号公報記載のものが知られている。
この従来装置は、車体側部材と車輪側部材との間に介
挿された流体圧シリンダ等のアクチュエータと、指令値
に応じて前記アクチュエータに供給する作動油の流れを
制御し該アクチュエータのストロークを制御する電磁方
向切換弁等の制御弁と、車体の加速度,車体・車輪間の
ストローク等を検出する検出手段とを備え、この検出手
段による検出値に応じた前記指令値を形成し、アクチュ
エータを制御するようになっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記従来装置にあっては、全ての走行
状態において、横加速度制御にかかる姿勢制御及び上下
加速度制御にかかる姿勢制御,上下加速度にかかるバネ
上制振制御を一様に行うようになっているため、これら
を全て賄うには非常に大きな油圧エネルギを出力可能な
油圧源を必要とし、装置が大形化し高価になるととも
に、通常の良路では稼動率が低く過大な装備になり、ま
た油圧源の駆動ロスによる燃費の低下を招くという問題
点があった。
そこで、この発明は、通常走行し得る荒れた路面等の
走行に際して、所定条件下では横加速度にかかる姿勢制
御不足を許容し、これに代わって上下加速度にかかるバ
ネ上制振制御、前後加速度にかかるダイブ,スカット制
御等を優先して十分に行う方が接地性もよく、乗員にと
っても操縦性、乗心地などの低下を極力小さく抑えられ
るという判断に基づくもので、車体の横方向及びこの横
方向以外の方向の加速度にかかるサスペンションの能動
制御において、横加速度および横加速度以外の加速度の
値が大きい場合には、横加速度以外の加速度にかかるサ
スペンション制御を横加速度にかかるサスペンション制
御に優先して実施することにより、前述した問題点を解
決することを目的としている。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明は、第1図の基本
構成図に示すように、車体側部材と車輪側部材との間に
介装された流体圧シリンダと、この流体圧シリンダの作
動流体圧を変更可能な指令値に応じて制御する圧力制御
弁と、車体の横方向,上下方向または前後方向の内の少
なくとも横方向を含む2方向の加速度を検出する加速度
検出手段と、この加速度検出手段による加速度に基づき
前記指令値を演算し出力する指令値形成手段とを備えた
能動型サスペンションにおいて、前記加速度検出手段に
より検出される横方向の加速度に基づく前記圧力制御弁
の出力圧を演算または推定する第1の制御圧認識手段
と、前記加速度検出手段により検出される横方向以外の
加速度に基づく前記圧力制御弁の出力圧を演算又は推定
する第2の制御圧認識手段と、前記第1の制御圧認識手
段により演算または推定される出力圧が所定の設定値を
越える状態にあるか否かを判断する第1の揺動判断手段
と、前記第2の制御圧認識手段により演算または推定さ
れる出力圧が所定の設定値を越える状態にあるか否かを
判断する第2の揺動判断手段と、前記第1,第2の揺動判
断手段が共に前記出力圧力の超過状態を判断したとき
に、横方向の加速度に基づく前記圧力制御弁の出力圧力
を低下させる優先制御手段とを備えている。
〔作用〕
この発明においては、車体の横方向,上下方向または
前後方向の内の少なくとも横方向を含む2方向の加速度
が加速度検出手段により検出され、指令値出力手段から
検出加速度に基づく指令値が圧力制御弁に出力される。
これによって、圧力制御弁は流体圧シリンダの作動流体
圧を制御する。
加速度検出手段により検出される横加速度の内、横加
速度に基づく圧力制御弁の出力圧が第1の制御圧認識手
段により演算または推定され、その出力圧が設定値を越
える状態か否かが第1の揺動判断手段により判断され
る。また、横加速度以外の加速度に基づく圧力制御弁の
出力圧が第2の制御圧認識手段により演算または推定さ
れ、その出力圧が設定値を越える状態か否かが第2の揺
動判断手段により判断される。そして、優先制御手段
は、第1,第2の揺動判断手段が共に車体の所定値以上の
揺動状態を判断したときに、指令値形成手段に指令を与
え、横方向の加速度に基づく圧力制御弁の出力圧を低下
させる。このため、横方向以外の加速度に基づく圧力制
御弁の出力圧が十分に確保される。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例) 第2図乃至第6図は、この発明の第1実施例を示す図
である。この実施例は、車体の左右(横)方向の加速度
にかかる姿勢制御と、上下方向の加速度にかかるバネ上
制振制御とを行う場合を示す。
第2図において、10は車体側部材(サスペンションア
ーム)を示し、11FL〜11RRは前左〜後右車輪を示し、12
は能動型サスペンションを示す。
能動型サスペンション12は、車体側部材10と車輪11FL
〜11RRの各車輪側部材14との間に各々介装された流体圧
シリンダとしての油圧シリンダ18FL〜18RRと、この油圧
シリンダ18FL〜18RRの作動圧を各々調整する圧力制御弁
20FL〜20RRと、この油圧系の油圧源22と、この油圧源22
及び圧力制御弁20FL〜RR間に介挿された蓄圧用のアキュ
ムレータ24,24とを有するとともに、車体の左右方向に
作用する横加速度を検出するための横加速度センサ26
と、車体の前右〜後右車輪位置におけるバネ上上下方向
の加速度を検出するための上下加速度センサ28FR〜28RR
と、横,上下加速度検出信号に基づき圧力制御弁20FL〜
20RRの出力圧を個別に制御するコントローラ30とを有し
ている。また、油圧シリンダ18FL〜18RRの後述する圧力
室Lの各々は、絞り弁32を介して振動吸収用のアキュム
レータ34に連設されている。さらに、油圧シリンダ18FL
〜18RRの各々の車体,車輪間には、比較的低いバネ定数
であって車体の静荷重を支持するコイルスプリング36が
配設されている。
油圧シリンダ18FL〜18RRの各々はシリンダチューブ18
aを有し、このシリンダチューブ18aには、ピストン18c
により隔設された下側の圧力室Lが形成されている。そ
して、シリンダチューブ18aの下端が車輪側部材14に取
り付けられ、ピストンロッド18bの上端が車体側部材10
に取り付けられている。また、圧力室Lの各々は、一部
がピストンロッド18bの内部の軸方向に設けられた油圧
配管38を介して圧力制御弁20FL(〜20RR)の入出力ポー
トに連通され、これによって圧力室L内の作動油圧が制
御され得るようになっている。
また、圧力制御弁20FL〜20RRの各々は、円筒状の弁ハ
ウジングとこれに一体的に設けられた比例ソレノイドと
を有したパイロット方式で形成されている。そして、比
例ソレノイドの励磁コイルに供給する指令値としての制
御電流Iの値を調整することにより、弁ハウジング内に
収容されたポペットの移動距離を制御し、油圧シリンダ
18FL〜18RRへの供給油圧Pを制御できるようになってい
る。
ここで、励磁コイルに加えられる指令信号として制御
電流Iと圧力制御弁20FL〜20RRの各々の入出力ポートか
ら出力される作動油の圧力Pとの関係は、第3図に示す
ようになっている。つまり、ノイズを考慮した最小制御
電流IMINのときには最低制御圧PMINとなり、これから制
御電流Iを増加させるとこれに比例して直線的に制御圧
が増加し、最大制御電流IMAXのときにはライン圧に相当
する最高制御圧PMAXとなる。
一方、車両の重心位置より前方の所定位置には前述し
た横加速度センサ26が装備されており、この横加速度セ
ンサ26は、車両に作用する横加速度を検出しこれに応じ
たアナログ電圧信号でなる横加速度信号gYをコントロー
ラ30に出力するようになっている。また、前右〜後右車
輪11FL〜11RRの略直上部の車体位置には、前述した上下
加速度センサ28FR〜28RRが各々装備されており、これら
のセンサ28FR〜28RR、各車輪位置に発生する上下加速度
を検出しこれに応じたアナログ電圧信号でなる上下加速
度信号gZFR〜gZRRをコントローラ30に出力するようにな
っている。本実施例では、前左車輪11FL位置における上
下加速度は、その他の信号gZFR〜gZRRの値から演算によ
り求め、センサの数を削減している。
更に、前記コントローラ30は、第4図に示すように、
入力するアナログ量の横加速度検出信号gYをデジタル量
に変換するA/D変換器70と、同じくアナログ量の上下加
速度信号gZFR〜gZRRをデジタル量に変換するA/D変換器7
1A〜71Cと、制御用のマイクロコンピュータ72と、この
マイクロコンピュータ72から出力されるデジタル量の制
御信号SCを個別にアナログ量に変換するD/A変換器73A〜
73Dと、このアナログ量の制御信号SCに応じた制御電流
Iを前記圧力制御弁20FL〜20RRに個別に出力する駆動回
路74A〜74Dとを有している。
この内、マイクロコンピュータ72は、少なくともイン
ターフェイス回路76と演算処理装置78とRAM,ROM等から
なる記憶装置80とを含んで構成され、インターフェイス
回路76はI/Oポート等から構成されている。また、演算
処理装置78は、インターフェイス回路76を介して横加速
度検出信号gY及び上下加速度信号gZFR〜gZRRを順次読み
込み、これらに基づき後述する演算その他の処理を行
う。記憶装置80は、演算処理装置78の処理の実行に必要
な所定プログラム及び固定データ等を予め記憶している
とともに、演算処理装置78の処理結果を記憶可能になっ
ている。
次に、上記実施例の動作を説明する。
車両のイグニッションスイッチ(図示せず)がオン状
態になると、各電源が投入されて、その作動が開始され
る。
まず、コントローラ30による処理を説明する。
コントローラ30は、横加速度センサ26及び上下加速度
センサ28FR〜28RRによる検出信号gY,gZFR〜gZRRに基づ
き、メインプログラム実行中において第5図に示すタイ
マ割込み処理を所定時間(例えば、20msec)毎且つ各車
輪11FL(〜11RR)毎に実行する。
まず、同図のステップでは、マイクロコンピュータ
72の演算処理装置78は、各検出信号gY,gZFR〜gZRRを読
み込み、ステップに移行する。このステップでは、
ステップで読み込んだ検出信号から横加速度GY,上下
加速度GZFL〜GZRRを演算し、次いでステップでは、上
下速度VZFL〜VZRRを演算する。
そして、ステップにおいて、横加速度GYをゲインKY
倍して制御電流Iを演算し、この制御電流Iに対応する
圧力制御弁20FL〜20RRの出力圧P(これを横方向制御出
力圧RGとする)を演算する。さらに、ステップにおい
て、上下速度VZFL〜VZRRをゲイン倍KZして制御電流Iを
演算し、この制御電流Iに対応する圧力制御弁20FL〜20
RRの出力圧P(これを上下方向制御圧力圧BGとする)を
演算する。
次いで、ステップで、上下方向制御出力圧BGに対し
て、上下動の様子をチェックするために、|BG|>αか否
かの判断を行う。このαは、上下加速度の大きさを判断
するために予め設定した基準値である。そこで、この判
断で、|BG|>αの場合は、荒れた路面などを走行してお
り上下方向の揺動が相当に大きい状態であるとして、ス
テップに移行して、タイマ値Tに予め定めた設定時間
βをセットし、ステップに移行する。一方、ステップ
に判断で、|BG|≦αの場合は、上下方向の揺動が比較
的小さいとしてステップをスキップしてステップに
移行する。
ステップでは、タイマ値Tを、予め定めた値γだけ
カウントダウンしてステップに移行する。ステップ
では、上下動の継続時間をチェックするために、タイマ
値T>0か否かの判断を行う。
このステップの判断で、タイマ値T>0の場合は、
所定振幅以上の上下動が未だ継続しているとして、ステ
ップに移行する。このステップでは、所定振幅以上
の上下動のときに、横方向の揺動をチェックするため
に、横方向制御出力圧RGに対して、|RG|>δか否かを判
断する。このδは、横加速度の大きさを判断するために
予め設定した基準値であり(第6図参照)、PMAX>δ>
αに設定されている。
このステップの判断で|RG|>δの場合は、上下方向
および横方向の揺動が共に所定の設定基準値よりも大き
く、且つ、横方向制御出力圧RGによって圧力制御弁20FL
〜20RRの最大出力圧PMAXまで消費されており、この状態
では、上下方向制御出力圧BGは最大出力圧PMAXによりリ
ミッタがかけられて、例えば第6図中の二点鎖線Aの如
くその部分の出力が無くて半波出力になり、上下速度に
対する減衰力が不十分な状態にあると認識される。そこ
で、ステップに移行して、RGに基準値δをセットし、
横方向制御出力圧RGを強制的にδまで低下させ(第6図
のt1参照)、ステップに移行する。
一方、前述したステップにおいてタイマ値T≦0の
場合は、上下方向の揺動が一過性のものであるから、ス
テップ,をスキップしてステップに移行し、また
前述したステップにおいて|RG|≦δの場合は、横方向
の揺動が小さくて、最大圧PMAXによって横方向制御出力
圧RG及び上下方向制御出力圧BGの両方を十分に賄うこと
ができるとして、ステップをスキップし、ステップ
に移行する。
そして、ステップでは、演算処理装置78は、記憶テ
ーブルを参照することにより、RG+BGをこれに対応した
制御電流Iに変換し、ステップでは、その制御電流I
に対応したデジタル量の制御信号SCをD/A変換器73A〜73
Dを個別に介して駆動回路74A〜74Dに各々出力する。こ
れによって、前述のようにして決定されたRG+BGに対応
した制御電流Iが駆動回路74A〜74Dから圧力制御弁20FL
〜20RRの励磁コイルに各々供給され、油圧シリンダ18FL
〜18RRの圧力室Lの圧力が制御される。
次に、前述したようにして設定された制御電流Iにか
かる具体的動作を説明する。
いま、定格荷重の車両が平坦な良路を定速度で直進走
行しているものとすると、この状態ではロール,バウン
スを生じないので、横加速度センサ26,上下加速度セン
サ28FR〜28RRの検出信号gY,gZFR〜gZRRは略零である。
このため、制御電流Iは中立値IN又はその近傍の値とな
り、車体側部材10及び車輪側部材16間が所定の中立状態
に調整される。
この状態で、車輪11FL(〜11RR)が路面凹凸部を通過
することによるバネ上共振周波数域に対応する比較的低
周波数の振動入力が車輪側部材14を介して圧力室Lに入
力されても、この振動分の圧力変化が圧力制御弁20FL〜
20RRを介した油圧源22との間で吸収され、中立状態が維
持される。
さらに、路面の細かな凹凸によるバネ下共振周波数域
に対する比較的高周波数の振動入力が油圧シリンダ18FL
〜18RRの圧力室Lに伝達されると、この振動入力による
圧力変動が固定絞り32及びアキュムレータ34により吸収
され、圧力制御弁20FL(〜20RR)には伝達されなく、乗
心地の悪化が防止される。
一方、前述した定速走行状態から、ステアリングホイ
ールを右切り又は左切りにして旋回状態に移行し、しか
も、荒れた路面を通過したとする。これによって、車体
に横加速度が作用し、車体後側からみて左下がり又は右
下がりにロール角をもって傾斜するロールが生じるとと
もに、車体に上下加速度が作用し、バウンスが生じる。
これを、旋回外輪側の圧力制御弁の出力圧力Pの変化
の一例を示す第6図で説明すると、時刻t0〜t1の間は、
旋回により横加速度gYのみが検出され、この検出値gY
基づいて前述した第5図の各ステップの処理を経て(こ
のとき上下加速度信号gZFR〜gZRRは零)、横方向制御出
力圧RGのみが徐々に増加し、これに対応した制御電流I
が出力される(ステップ,)。
このとき、例えば右旋回により横加速度センサ26から
正の横加速度信号gYが検出されたとする。これにより、
コントローラ30は、車両左側の圧力制御弁20FL,20RLに
対して中立制御電流INより高い制御電流Iを、車両右側
の圧力制御弁20FR,20RRに対して中立制御電流INより低
い制御電流Iを各々供給する。このため、前述したよう
に、前左,後左圧力制御弁20FL,20RLの出力圧Pが中立
圧PNより大きい値になり、これに対応する油圧シリンダ
18FL,18RLの下側圧力室Lの圧力が増加する。このた
め、油圧シリンダ18FL,18RLにより車体・車輪間のスト
ローク収縮に抗する付勢力が発生され、車体の沈み込み
が抑制される。一方、前右,後右圧力制御弁20FR,20RR
の出力する制御圧Pが中立圧PNより小さい値になり、こ
れに対応する油圧シリンダ18FL,18RLの下側圧力室Lの
圧力が減少する。このため、油圧シリンダ18FL,18RLの
ストロークが伸長しようとしているが、これに対する付
勢力が減少させられ、車体の浮き上がりが助長されるこ
とがない。
また一方、上述した右旋回状態とは反対に、左旋回状
態においては上述とは反対の動作により、ロール抑制制
御が的確に行われて姿勢の安定化が図られる。
そして、時刻t1に接近するにつれて横加速度にかかる
姿勢制御が油圧源22の最大能力PMAXで飽和した状態とな
り、この旋回走行において、路面の荒れにより車体が時
刻t1からバウンスを生じたとする。
この上下加速度にかかる上下方向制御出力圧BGが設定
値αを越えた時刻t2にタイマTに時間βがセットされる
とともに、横方向制御出力圧RGが設定値δまで強制的に
下げられる(第5図のステップ〜)。これにより、
許容値での横方向姿勢制御に重畳する形で、上下方向制
御出力圧BGの全波出力に応じた減衰力が発生し、各輪の
バウンス制御が確実に実行される。そして、時刻t3
は、上下方向制御出力圧BGが設定値αより小さくなるの
で、その後、時間βが経過した時刻t4において、バウン
スに対する優先制御が終了して元に戻る。
上述の制御は、旋回時の内輪側でも、圧力制御弁20FL
〜20RRの出力圧の最低圧力PMINに関して同様に行われ
る。
このように、横加速度が通常一番大きいのでこれにか
かる制御出力圧だけで圧力制御弁20FL〜20RRに最大圧に
なった場合でも、この横方向制御出力圧RGを許容できる
値まで抑制し、その代わりに上下方向の制振を優先的に
行って接地性の低下を防止できる。また、これによっ
て、油圧源22の最大圧PMAXを下げても、即ち、油圧エネ
ルギ源が小さくても間に合うため、その分、稼動率が向
上し、また安価で小形化されたものになる。
ここで、横加速度センサ26,上下加速度センサ28FR〜2
8RR、A/D変換器70,71A〜71C、及び第5図のステップ
,の処理により加速度検出手段が形成され、同図ス
テップの処理によって第1の制御圧認識手段が形成さ
れ、同図のステップ,の処理によって第2の制御圧
認識手段が形成され、同図ステップの処理によって第
1の揺動判断手段が形成され、同図ステップ〜によ
って第2の揺動判断手段が形成され、同図ステップの
処理により優先制御手段が形成され、同図ステップ〜
,,及びD/A変換器73A〜73D、駆動回路74A〜74D
によって指令値形成手段が形成されている。
(第2実施例) 次に、本発明の第2実施例を第7図乃至第9図に基づ
き説明する。ここで、第1実施例と同一の構成要素に対
しては同一符号を用いる。
この第2実施例では、横方向制御出力圧RGの超過を判
断する基準設定値が、上下方向制御出力圧BG及び横方向
制御出力圧RGの値に応じて変更されるようになってい
る。具体的には、第7図に示すように、上下方向制御出
力圧BGが大きくなり、その基準設定値α1〜α3(α1
α2<α3)を越える毎に、リミッタにかかる基準設定値
がステップ状に小さくなり(PMAX>δ1>δ2>δ3)、
リミッタの値が大きくなるように設定されている。その
他の構成は、第1実施例と同一であり、コントローラ30
では第8図に示す処理が行われる。
第8図では、そのステップ〜及び,の処理が
前述した第5図のステップ〜及び,の処理と同
一である。
そして、第8図のステップ,,では、演算され
た上下方向制御出力圧BGの値をチェックするため、基準
値α1,α2,α3についてα2>|BG|≧α1,α3>|BG|≧
α2,|BG|≧α3か否かの判断を各々行う(|BG|<α1の範
囲では、上下振動が微小であるために、ロール制御を優
先とする)。これらの判断で「YES」の場合は、続いて
ステップ,,において演算された横方向制御出力
圧RGの程度をチェックするため、基準値δ1,δ2,δ3
について|RG|>δ1,|RG|>δ2,|RG|>δ3か否かの判断
を各々行う。これらの判断で「YES」の場合は、ステッ
プ,,においてRGにδ1,δ2,δ3を各々セット
し、一方、ステップ,,で「NO」の場合はステッ
プ,、,、,を各々スキップし、ステップ
,,で「NO」の場合はステップ,,を各々
スキップする。このため、上下方向制御出力圧BGの程度
に応じて横方向制御出力圧RGに対する基準設定値がδ0
〜δ3の間で可変される。
そこで、この第2実施例にかかる制御の一例を示すと
第9図のようになり、これによると、前述した第1実施
例と同等の効果が得られるほか、横方向制御出力圧RGを
強制的に低下させ上下方向制御出力圧BGを優先させる制
御に移行する場合、前述した第6図のものに比べてその
移行変化が滑らかになって、その際の姿勢変化を最小源
に止めることができる。また、上下方向制御出力圧BGの
値如何によっては、横方向制御出力圧RGの抑制を必要最
小限に止めるため、ロール制御も合わせて十分に行われ
る利点がある。
本第2実施例では、第9図のステップ,,の処
理が第1の揺動判断手段に対応し、同図のステップ,
,の処理が第2の揺動判断手段に対応し、同図のス
テップ,,の処理が優先制御手段に対応し、同図
のステップ,の処理、D/A変換器73A〜73D及び駆動
回路74A〜74Dによって指令値形成手段が構成される。
なお、この第2実施例では、基準値を3段階に分ける
としたが、この値は必要に応じて変えてもよい。
(第3実施例) 次に、本発明の第3実施例を第10図乃至第12図に基づ
き説明する。ここで、第1実施例と同一の構成要素に対
しては同一符号を用いる。
この第3実施例では、前述した第2実施例と同等の作
用効果を横加速度に対する制御ゲインの連続的な可変に
よって達成しようとするものである。
その構成の要部を第10図に示す。同図において、コン
トローラ30は前述した第1実施例のものと同等に構成さ
れ機能する。つまり、コントローラ30は上下加速度セン
サ28FR〜28RRの検出信号gZFR〜gZRRに基づき前述したと
同様の演算を行って制御電流IZFL〜IZRRを個別に出力す
るとともに、上下方向制御出力圧BGを演算し、これに比
例したアナログ制御信号BG′を、後述する可変利得増幅
器90に出力するようになっている。また、横加速度セン
サ26の検出信号gYは可変利得増幅器90によって増幅され
て制御電流IYとなって、加算器92A〜92Dにおいて制御電
流IZFL〜IZRRに個別に加算され制御電流I,…,Iとして圧
力制御弁20FL〜20RRに各々供給されるようになってい
る。
ここで、可変利得増幅器90は、第11図に示すように、
その制御信号BG′が増大したときに横加速度制御ゲイン
KYが反比例して連続的に減少する特性を有している。
このため、この第3実施例にかかる制御の一例を示す
と第12図のようになり、これによると、前述した各実施
例と同等の効果が得られるほか、優先制御に移行する際
の圧力変化が第2実施例よりも滑らかになり、姿勢変化
の急変が回避されるという利点がある。
この第3実施例では、コントローラ30の制御信号BG′
にかかる制御が優先制御手段に対応し、可変利得増幅器
90,加算器92A〜92Dは指令値形成手段の一部を成す。
なお、前記各実施例において、車体の揺動抑制制御と
しては、横加速度及び上下加速度にかかるもので説明し
たが、この発明は必ずしもこれに限定されることなく、
例えば、横加速度及び前後加速度にかかる揺動抑制制御
(この場合、第2の制御圧認識手段,第2の揺動判断手
段は、前後加速度に基づく処理を行う)、又は、横加速
度、上下加速度、及び前後加速度にかかる揺動抑制制御
(この場合、第2の制御圧認識手段,第2の揺動判断手
段は、上下加速度及び前後加速度に基づく処理を行う)
であってもよい。
また、前記各実施例では、圧力制御弁の油圧シリンダ
への出力圧を演算してその飽和状態を判断するとした
が、これは、加速度センサの出力値又は制御電流Iの値
を判断することにより推定してもよい。
さらに、前記各実施例では、流体圧シリンダとして油
圧シリンダを適用した場合について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、空気シリンダ等の他
の流体圧シリンダを適用し得るものである。
さらにまた、前記実施例におけるコントローラ30は、
その全体をカウンタ,比較器,可変利得増幅器等の電子
回路により構成することもできる。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、車体の
横方向及びこの横方向以外の方向の加速度にかかるサス
ペンションの能動制御において、横加速度および横加速
度以外の加速度の値が共に設定値より大きい場合には、
横加速度以外の加速度にかかるサスペンション制御を横
加速度にかかるサスペンション制御に優先して実施する
ように構成したため、通常走行し得る荒れた路面程度で
は許容される条件下において、横加速度にかかる姿勢制
御より上下加速度にかかるバネ上制振制御、前後加速度
にかかるダイブ,スカット制御等を優先して十分に行う
ことができ、これによって車輪の接地性の悪化を防止す
ることができ、また操縦性、乗心地などの低下を極力小
さく抑えることができるとともに、流体圧系統のエネル
ギ源がより小さくてもよいことから、その分、安価で小
形化されるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の概要を示す基本構成図、第2図はこ
の発明の第1実施例を示す概略構成図、第3図は第1実
施例における圧力制御弁の制御電流Iとその出力圧Pと
の関係を示すグラフ、第4図は第1実施例のコントロー
ラのブロック図、第5図は第1実施例におけるコントロ
ーラの処理手順を示すフローチャート、第6図は第1実
施例における外輪側の制御出力圧の変化の一例を示すグ
ラフ、第7図はこの発明の第2実施例における上下方向
制御出力圧BGに対する横方向制御出力圧BGの変化例を示
すグラフ、第8図は第2実施例におけるコントローラの
処理手順を示すフローチャート、第9図は第2実施例に
おける外輪側の制御出力圧の変化の一例を示すグラフ、
第10図はこの発明の第3実施例の要部を示すブロック
図、第11図は第3実施例における可変利得増幅器の制御
信号BG′に対する横加速度制御ゲインKYの変化例を示す
グラフ、第12図は第3実施例における外輪側の圧力制御
弁の出力圧変化の一例を示すグラフである。 図中、10は車体側部材、12は能動型サスペンション、14
は車輪側部材、18FL〜18RRは前左〜後右油圧シリンダ、
20FL〜20RRは前左〜後右圧力制御弁、26は横加速度セン
サ、28FR〜28RRは上下加速度センサ、30はコントロー
ラ、90は可変利得増幅器、92A〜92Dは加算器である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側部材と車輪側部材との間に介装され
    た流体圧シリンダと、この流体圧シリンダの作動流体圧
    を変更可能な指令値に応じて制御する圧力制御弁と、車
    体の横方向,上下方向または前後方向の内の少なくとも
    横方向を含む2方向の加速度を検出する加速度検出手段
    と、この加速度検出手段による加速度に基づき前記指令
    値を演算し出力する指令値形成手段とを備えた能動型サ
    スペンションにおいて、 前記加速度検出手段により検出される横方向の加速度に
    基づく前記圧力制御弁の出力圧を演算または推定する第
    1の制御圧認識手段と、前記加速度検出手段により検出
    される横方向以外の加速度に基づく前記圧力制御弁の出
    力圧を演算又は推定する第2の制御圧認識手段と、前記
    第1の制御圧認識手段により演算または推定される出力
    圧が所定の設定値を越える状態にあるか否かを判断する
    第1の揺動判断手段と、前記第2の制御圧認識手段によ
    り演算または推定される出力圧が所定の設定値を越える
    状態にあるか否かを判断する第2の揺動判断手段と、前
    記第1,第2の揺動判断手段が共に前記出力圧力の超過状
    態を判断したときに、横方向の加速度に基づく前記圧力
    制御弁の出力圧力を低下させる優先制御手段とを備えた
    ことを特徴とした能動型サスペンション。
  2. 【請求項2】前記第2の制御圧認識手段は、車両の上下
    方向の加速度に基づく前記出力圧力を演算または推定す
    る手段であることを特徴とした特許請求の範囲第1項記
    載の能動型サスペンション。
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