JP2970222B2 - 能動型サスペンション - Google Patents

能動型サスペンション

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JP2970222B2
JP2970222B2 JP14871392A JP14871392A JP2970222B2 JP 2970222 B2 JP2970222 B2 JP 2970222B2 JP 14871392 A JP14871392 A JP 14871392A JP 14871392 A JP14871392 A JP 14871392A JP 2970222 B2 JP2970222 B2 JP 2970222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体の上下方向加速度
を検出して車体の姿勢変化を抑制するようにした能動型
サスペンションの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型サスペンションとしては、
本出願人が先に提案した特開平1−115717号公報
に記載されているものがある。この従来例は、車体に生
じる上下加速度を各車輪に対応した位置に配設した上下
加速度センサで検出し、この上下加速度センサの加速度
検出値を積分用のローパスフィルタで積分して上下速度
を算出し、この上下速度に基づく圧力指令値を算出し、
この圧力指令値を圧力制御弁等の制御弁に供給して各車
輪と車体との間に配設された流体シリンダに供給する作
動流体を制御することにより、所謂スカイフックダンパ
を構成して、車体のバウンスを抑制するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の能動型サスペンションにあっては、上下加速度検出
値を積分して上下速度を算出するが、この積分演算を行
うために理想的な積分器がないため1次遅れ特性のロー
パスフィルタで代用するようにしているので、上下方向
加速度に対する圧力指令値の位相特性がばね上共振周波
数近傍の周波数(2Hz)であるときに位相が−90°即
ち90°遅れることになり、車体の絶対速度に比例した
圧力指令値を発生するスカイフックダンパとなるが、こ
のようなスカイフックダンパでは、図6の特性曲線L11
に示すように、正の減衰力のみを発生することになり、
サスペンションストロークを制限するために必要とする
スプリング(又はスプリングに相当するストロークに
対するばね成分を発生することができず、周波数に対
するゲイン特性を表す図7の特性曲線L21で示すよう
に、ばね上共振周波数近傍での制振効果は大きいもの
の、他の周波数領域での車輪側から車体側に伝達される
振動入力の絶縁性が小さく乗心地向上に対する効果があ
る特性の周波数領域に限定されるという未解決の課題が
あった。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、低周波数領域から
高周波数領域までの広範囲の周波数領域で良好なスカイ
フックダンパ効果を発揮させて乗心地を向上させること
ができる能動型サスペンションを提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る能動型サスペンションは、各車輪と車
体との間に配設され、制御信号によってそれら間のスト
ロークを制御可能な制御力を発生するアクチュエータ
と、前記車体の上下方向加速度を検出する上下方向加速
度検出手段と、該上下方向加速度検出手段の上下方向加
速度検出信号に基づいて前記制御信号を出力する制御手
段とを備えた能動型サスペンションにおいて、前記制御
手段は、前記上下方向加速度検出信号の周波数が少なく
ともばね上共振周波数近傍の設定周波数以上であるとき
に前記制御信号の位相を当該上下方向加速度検出信号に
対して進ませる位相制御手段を備えていることを特徴と
している。
【0006】ここで、位相制御手段は、上下方向加速度
検出信号が夫々入力される位相遅れ手段及び位相進み手
段と、上下方向加速度検出信号の周波数がばね上共振周
波数近傍の設定周波数未満であるときに位相遅れ手段を
選択し、設定周波数以上であるときに位相進み手段を選
択する選択手段とで構成することが好ましい。
【0007】
【作用】本発明においては、上下方向加速度検出手段の
上下方向加速度検出信号の周波数がばね上共振周波数近
傍の設定周波数未満であるときには、位相制御手段で、
ローパスフィルタ、位相遅れ回路等を選択することによ
って位相を遅らせて、ばね上の振動を抑制する正の減衰
力を発生させると共に、サスペンションストロークを制
限する負のばね力を発生させて良好な制振効果を発揮さ
せ、上下方向加速度検出信号の周波数が前記設定周波数
以上であるときには、位相制御手段で位相進み回路等を
選択することによって位相を進めて、アクチュエータ自
身が持っている減衰力を打ち消す負の減衰力を発生させ
ると共に、負のばね力を発生させて、車輪側から車体側
に伝達される振動入力の絶縁性を向上させて乗心地を向
上させる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の第1実施例を示す概略構成図で
あり、図中、10はサスペンションアームである車体側
部材を、11FL〜11RRは前左〜後右車輪を、12は能
動型サスペンションを夫々示す。
【0009】能動型サスペンション12は、車体側部材
10と車輪11FL〜11RRの各車輪側部材14との間に
各々介装された流体圧シリンダとしての油圧シリンダ1
8FL〜18RRと、これら油圧シリンダ18FL〜18RRの
作動圧を個別に調整する圧力制御弁20FL〜20RRと、
これら圧力制御弁20FL〜20RRに所定圧力の作動油を
供給側配管52を介して供給すると共に、圧力制御弁2
0FL〜20RRからの戻り油を戻り側配管54を通じて回
収する油圧源22と、この油圧源22及び圧力制御弁2
0FL〜20RR間の供給圧側配管52に介挿された蓄圧用
のアキュムレータ24F,24Rと、車体の各車輪11
FL〜11RR位置の上下方向加速度を検出する上下方向加
速度センサ28FR〜28RRと、これら上下方向加速度セ
ンサ28FR〜28RRの各検出値ZGFR 〜ZGRR に基づき
圧力制御弁20FL〜20RRの出力圧を個別に制御するコ
ントローラ30とを有している。また、油圧シリンダ1
8FL〜18RRの後述する圧力室Lの各々は、絞り弁32
を介してバネ下振動吸収用のアキュムレータ34に接続
されている。さらに、油圧シリンダ18FL〜18RRの各
々のバネ上,バネ下相当間には、比較的低いバネ定数で
あって車体の静荷重を支持するコイルスプリング36が
配設されている。
【0010】油圧シリンダ18FL〜18RRの夫々は、シ
リンダチューブ18aを有し、このシリンダチューブ1
8aには、軸方向貫通孔を有するピストン18cにより
隔設された下側の圧力室Lが形成され、ピストン18c
の上下面の受圧面積差と内圧に応じた推力を発生する。
そして、シリンダチューブ18aの下端が車輪側部材1
4に取り付けられ、ピストンロッド18bの上端が車体
側部材10に取り付けられている。また、圧力室Lの各
々は、油圧配管38を介して圧力制御弁20FL〜20RR
の出力ポートに接続されている。
【0011】圧力制御弁20FL〜20RRの夫々は、スプ
ールを摺動自在に内装した円筒状の弁ハウジングとこれ
に一体的に設けられた比例ソレノイドとを有する、従来
周知の3ポート比例電磁減圧弁(例えば特開昭64−7
4111号参照)で構成されている。そして、比例ソレ
ノイドの励磁コイルに供給する指令電流i(指令値)を
調整することにより、弁ハウジング内に収容されたポペ
ットの移動距離、即ちスプールの位置を制御し、供給ポ
ート及び出力ポート又は出力ポート及び戻りポートを介
して油圧源22と油圧シリンダ18FL〜18RRとの間で
流通する作動油を制御できるようになっている。
【0012】ここで、励磁コイルに加えられる指令電流
i(:iFL〜iRR)と圧力制御弁20FL(〜20RR)の
出力ポートから出力される制御圧Pとの関係は、図2に
示すように、ノイズを考慮した最小電流値iMIN のとき
には最低制御圧PNIM となり、この状態から電流値iを
増加させると、電流値iに比例して直線的に制御圧Pが
増加し、最大電流値iMAX のときには油圧源22の設定
ライン圧に相当する最高制御圧PMAX となる。この図2
で、iN は中立指令電流,PN は中立制御圧である。
【0013】上下方向加速度センサ28FL〜28RRの夫
々は、図3に示すように、上下方向加速度が零であると
きには、所定の中立電圧VN を出力し、上方向の加速度
を検出したときには、その加速度値に応じた中立電圧V
N より高い電圧を、下方向の加速度を検出したときに
は、その加速度値に応じた中立電圧VN より低い電圧を
夫々出力するように構成されている。
【0014】更に、前記コントローラ30は、図4に示
すように、各上下方向加速度センサ28FR〜28RRの上
下方向加速度検出値ZGFR 〜ZGRR が個別に入力される
位相制御手段としての位相制御回路40FL〜40RRと、
これら位相制御回路40FL〜40RRで位相制御された上
下方向加速度検出値に対して個別に所定の比例ゲインを
乗算する制御ゲイン乗算回路42FL〜42RRと、これら
制御ゲイン乗算回路42FL〜42RRの乗算出力が個別に
入力されて、これらを指令電流に変換する例えばフロー
ティング形定電流回路で構成される駆動回路44FL〜4
4RRとを備えている。
【0015】ここで、位相制御回路40FL〜40RRの夫
々は、図5に示すように、上下方向加速度検出信号の周
波数を判定する周波数判定器45と、この周波数判定器
45の周波数判定信号によって位相制御態様を切換える
位相制御器46とで構成されている。周波数判定器45
は、上下方向加速度センサ28i(i=FL,FR,RL,R
R)の上下方向加速度検出値ZGiが個別に入力されるバ
ンドパスフィルタ45a及びハイパスフィルタ45b
と、これら両フィルタ45a及び45bの出力が入力さ
れた比較器45cとを備え、バンドパスフィルタ45a
は、入力される上下方向加速度検出値ZGiのうちばね上
共振周波数近傍の周波数成分を通過させ、ハイパスフィ
ルタ45bは、バンドパスフィルタ45aの通過周波数
領域より高いばね下共振周波数側の周波数成分を通過さ
せ、さらに比較器45cは、バンドパスフィルタ45a
のフィルタ出力Fa がハイパスフィルタ45bのフィル
タ出力Fb 以上(Fa ≧Fb )であるときに論理値
“1”、逆にバンドパスフィルタ45aのフィルタ出力
a がハイパスフィルタ45bのフィルタ出力Fb 未満
(Fa <Fb )であるときに論理値“0”となる周波数
判定信号FDを位相制御器46に出力する。
【0016】位相制御器46は、上下方向加速度検出値
Giが夫々入力されるローパスフィルタ46a及び位相
進み回路46bと、これらローパスフィルタ46a及び
位相進み回路46bの出力を周波数判定器45からの周
波数判定信号FDに応じて選択する選択スイッチ46c
とで構成され、ローパスフィルタ46aは上下方向加速
度検出値ZGiを積分する積分器としての1次遅れ特性を
有し、位相進み回路46bはその伝達関数G(s) が下記
(1) 式で表されるように設定され、選択スイッチ46c
は周波数判定信号FDが論理値“1”であるときにロー
パスフィルタ46aを、論理値“0”であるときに位相
進み回路46bを夫々選択する。
【0017】 但し、α2 >1であり、本実施例では、位相進み回路4
6bに入力される上下方向加速度検出値ZGiに対して出
力の位相が例えば35°進むように係数α2 が20に選
定されている。
【0018】次に、上記第1実施例の動作を説明する。
イグニッションスイッチがオン状態となると、コントロ
ーラ30に電源が投入され、上下方向加速度センサ28
FL〜28RRからの上下方向加速度検出値ZGFL〜ZGRR
に基づく姿勢変化抑制処理が開始される。すなわち、上
下方向加速度センサ28FL〜28RRからの上下方向加速
度検出値ZGFL 〜ZGRR が夫々位相制御回路回路40FL
〜40RRに供給され、これら位相制御回路40FL〜40
RRで、上下方向加速度検出値ZGFL 〜ZGRR の周波数成
分に応じた位相制御即ちばね上共振周波数領域の周波数
成分がばね下共振周波数側の周波数成分より多いときに
は位相を90°未満の範囲で遅らせ、ばね上共振周波数
領域の周波数成分が多いときには位相を同様に90°未
満の範囲で進ませる位相補償を行い、位相補償された上
下方向加速度検出値に制御ゲイン乗算回路42FL〜42
RRで所定制御ゲインを乗算し、これらを駆動回路44FL
〜44RRに供給することにより、これら駆動回路44FL
〜44RRからの車体の姿勢変化を抑制する指令電流iFL
〜iRRが圧力制御弁20FL〜20RRに出力され、各油圧
シリンダ18FL〜18RRで車体の姿勢変化を抑制する推
力が発生される。
【0019】したがって、車両が停止状態でイグニッシ
ョンスイッチをオン状態とし、そのときに乗員の乗降及
び積載物の積み降ろしがないものとすると、上下方向加
速度センサ28FR〜28RRの上下方向加速度検出値Z
GFR 〜ZGRR は略中立電圧VNに維持され、これらが位
相制御回路40FL〜40RRに供給される。このとき、位
相制御回路40FL〜40RRの周波数判定器4では、上
下方向加速度検出値ZGFR 〜ZGRR の周波数が零に近い
状態であるので、バンドパスフィルタ4aの出力Fa
及びハイパスフィルタ4bの出力Fbは共に略零とな
り、このため比較器4cから論理値“1”の周波数判
定信号FDが位相制御器4の切換スイッチ回路4
に供給され、この切換スイッチ回路4cでローパスフ
ィルタ4aの出力即ち上下方向加速度検出値ZGFR
GRR を積分した上下方向速度に対応するフィルタ出力
が選択され、これらが制御ゲイン乗算回路42FL〜42
RRに供給され、これら制御ゲイン乗算回路42FL〜42
RRで所定の制御ゲインを乗算し、これを駆動回路44FL
〜44RRに供給することにより、これら駆動回路44FL
〜44RRから圧力制御弁20FL〜20RRの中立圧PN
相当する中立指令電流値iN の指令電流iFL〜iRRが圧
力制御弁20FL〜20RRに出力され、これによって油圧
シリンダ18FL〜18RRの内圧が中立圧PN に制御さ
れ、車体をフラットな状態で目標車高に維持することが
できる。
【0020】この車両の停止状態から車両を緩発進させ
て良路を直進走行状態に移行すると、車体に生じる上下
振動が少ないので、上下方向加速度センサ28FL〜28
RRの上下方向加速度検出値ZGFL 〜ZGRR も中立電圧V
N に近い値となり、停止時と同様に指令電流iFL〜iRR
が略中立電流値iN に維持される。そして、車両の走行
中に、うねり路面通過、凹凸通過等によって車体側部材
10にばね上共振周波数近傍の周波数のバウンスを生じ
る状態となると、これに応じて上下方向加速度センサ2
8FL〜28RRから出力される上下方向加速度検出値Z
GFL 〜ZGRR がバウンス状態に応じて中立電圧VN を中
心として振動することになる。
【0021】このため、周波数判定器4のバンドパス
フィルタ4aのフィルタ出力Faが大きな値となり、
ハイパスフィルタ4bのフィルタ出力Fbは小さい値
となるため、比較器4cの出力FDは論理値“1”を
継続し、位相制御器4の切換スイッチ回路4cでロ
ーパスフィルタ4aの出力を選択する状態が継続され
る。したがって、ローパスフィルタ4aから出力され
る上下方向加速度検出値ZGFL 〜ZGRR を積分した上下
方向速度に応じて圧力制御弁20FL〜20RRの制御圧P
C が制御され、これによって油圧シリンダ18FL〜18
RRの内圧がバウンスを抑制するように制御され、図7の
特性曲線L21で示すように、特性曲線L24で示す制御を
行わない場合に比較してばね上共振周波数でのゲインを
低下させた通常のスカイフックダンパと同等の機能を発
揮して車体をフラットな状態で目標車高に維持すること
ができる。このとき、ローパスフィルタ4aは、1次
遅れ特性を有するので、このローパスフィルタ4aの
フィルタ出力は入力される上下方向加速度検出値ZGFL
〜ZGRR に対して90°に近い位相遅れを生じるため、
図6の特性曲線L11で示すように正の減衰力のみを発揮
して、良好なスカイフックダンパ機能を発揮することが
できる。
【0022】一方、路面の細かな凹凸等により車輪11
FL〜11RRに振動が発生し、これが車体側部材10に伝
達されて上下方向加速度センサ28FL〜28RRの上下方
向加速度検出値ZGFL 〜ZGRR 中のばね上共振周波数よ
り高いハイパスフィルタのカットオフ周波数以上の周波
数成分が多くなる状態となると、周波数判定器4のハ
イパスフィルタ4bのフィルタ出力Fbがバンドパス
フィルタ4aのフィルタ出力Faより大きな値とな
り、これに応じて比較器4cから出力される周波数判
定信号FDが論理値“1”から論理値“0”に反転す
る。このため、位相制御器4の切換スイッチ回路4
cでローパスフィルタ4aの出力に代えて位相進み回
路4bの出力が選択され、これらが制御ゲイン乗算回
路42FL〜42RRに供給される。このように、位相制御
器4で位相進み回路4bが選択されることにより、
この位相進み回路4bの出力は、図6の特性曲線L12
に示すように、入力される上下方向加速度検出値ZGFL
〜ZGRR に対して位相が例えば35°進むことになり、
油圧シリンダ18FL〜18RRで負の減衰力及び負のばね
力を発生するように制御される。このように、負の減衰
力が発生することにより、元々油圧シリンダ18FL〜1
8RRの流体通路や油圧配管自体が保有する減衰力を相殺
乃至抑制することができ、車輪側部材14から油圧シリ
ンダ18FL〜18RRを介して車体側部材10に伝達され
る振動入力を吸収して、振動絶縁性を大幅に向上させる
ことができると共に、負のばね力によってサスペンショ
ンストロークを制限することにより振動伝達力を相殺し
て減衰力制御よりも大きな振動絶縁効果を発揮すること
ができ、且つ周波数に対するゲイン特性も図7の特性曲
線L22で示すように、ローパス4aによるスカイフッ
クダンパ機能の特性曲線L21に対して乗員が感知し易く
乗心地に影響を与えるばね下共振周波数域(2Hz〜10
Hz)でゲインを低下させることができ、乗心地を大幅に
向上させることができる。なお、位相進み回路4bで
は、積分要素を有していることからスカイフックダンパ
機能も当然に発揮することができる。
【0023】また、車両の停止状態から急発進を行った
とき(又は走行状態で急制動を行ったとき)には、車体
にスカット現象(又はノーズダイブ現象)を生じ、前輪
側の上下方向加速度センサ28FL及び28FRで夫々中立
電圧VN より大きい(又は小さい)上下加速度検出値Z
GFL,GFR が出力され、後輪側の上下方向加速度センサ
28RL及び28RRで夫々中立電圧VN より小さい(又は
大きい)上下加速度検出値ZGRL,GRR が出力されるこ
とにより、前輪側の指令電流iFL,iFRが負(又は
正)、後輪側の指令電流iRL,iRRが正(又は負)とな
って、スカット現象(又はノーズダイブ現象)を抑制す
ることができる。
【0024】さらに、良路の直進走行状態から例えば左
(又は右)旋回状態に移行すると、車体に右(又は左)
方向の横加速度が作用することになり、車体に後方側か
らみて右下がり(又は左下がり)に傾斜するロールを生
じたときには、右輪側の上下方向加速度センサ28FR及
び28RRで夫々中立電圧VN より大きい(又は小さい)
上下加速度検出値ZGFR,GRR が出力され、左輪側の上
下方向加速度センサ28FL及び28RLで夫々中立電圧V
N より小さい(又は大きい)上下加速度検出値ZGFL,
GRL が出力されることにより、左輪側の指令電流iFL
RLが負(又は正)、右輪側の指令電流iFR,iRRが正
(又は負)となって、アンチロール効果を発揮すること
ができる。
【0025】次に、本発明の第2実施例を図8について
説明する。この第2実施例は、前述した第1実施例にお
けるばね上共振周波数近傍領域の制振効果をより向上さ
せるようにしたものである。すなわち、図8に示すよう
に、前述した第1実施例の位相制御回路40FL〜40RR
における位相制御器4のローパスフィルタ4aに代
えて位相遅れ回路47を適用したことを除いては前記第
1実施例と同様の構成を有し、第1実施例との対応部分
には同一符号を付してその詳細説明はこれを省略する。
【0026】ここで、位相遅れ回路47は、その伝達関
数G(s) が下記(2) 式で表されるように設定され、入力
される上下方向加速度検出値ZGFL 〜ZGRR に対して出
力の位相が例えば45°遅れるように例えば係数α1
0.05に設定されている。 1+α1 1 s G(s) =─────── …………(2) 1+T1 s 但し、0<α1 <1 この第2実施例によると、上下方向加速度センサ28FL
〜28RRの上下方向加速度検出値ZGFL 〜ZGRR のばね
上共振周波数領域の周波数成分がバネ下共振周波数領域
側の周波数成分に比べて多いか又は等しいときに周波数
判定器4の比較器4cから論理値“1”の周波数判
定信号FDが位相制御器4の切換スイッチ回路4
に供給されて、この切換スイッチ回路4cで位相遅れ
回路47の出力が選択され、これが制御ゲイン乗算回路
42FL〜42RRに供給される。このとき、位相遅れ回路
47で、入力される上下方向加速度検出値ZGFL 〜Z
GRRに対して出力の位相が略45°遅れることになるの
で、前述した図6の特性曲線L13で表されるように、正
の減衰力と負のばね力とを発生させることになり、この
負のばね力によって周波数に対するゲイン特性を表す図
7の特性曲線L23で示すように、ばね上共振点を小さく
して、ばね上共振周波数近傍の周波数域で前述した第1
実施例に比較して良好な制振効果を発揮させることがで
きる。
【0027】また、上下加速度検出値ZGFL 〜ZGRR
のばね上共振周波数領域の周波数成分よりばね下共振周
波数側の周波数成分が大きいときには、前述した第1実
施例と同様に位相制御器4の切換スイッチ回路4
が位相進み回路4b側に切換えられることから、負の
減衰力と負のばね力とを発生させて、振動絶縁性を向上
させる。
【0028】なお、上記各実施例においては、位相制御
回路40FL〜40RRで、上下方向加速度検出値ZGFL
GRR に含まれるばね上共振周波数領域の周波数成分と
ばね下共振周波数側の周波数成分とを比較して、位相の
遅れ及び位相進みを切換えるようにした場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、異なる位相
遅れの位相遅れ回路及び異なる位相進みの位相進み回路
を複数設け、これらを上下方向加速度検出値ZGFL 〜Z
GRR に含まれる周波数成分に応じて切換えるか又は位相
を連続的に変化させて位相の急変を防止するようにして
もよい。
【0029】また、上記実施例においては、上下方向加
速度センサ28FL〜28RRの上下方向加速度検出値Z
GFL 〜ZGRR に基づいてのみ車体の姿勢変化を抑制する
場合について説明したが、これに限定されるものではな
く、他の横方向加速度センサ、前後方向加速度センサ等
の加速度検出値に基づくロール、ピッチを抑制する指令
電流を算出し、これらを前記指令電流iFL〜iRRに加減
算してトータル制御を行うようにしてもよい。
【0030】さらに、上記実施例においては、各車輪位
置に上下方向加速度センサ28FL〜28RRを設けた場合
について説明したが、何れか1つの上下方向加速度セン
サを省略し、この省略した上下方向加速度センサの上下
方向加速度検出値を残りの3つの上下方向加速度センサ
の上下方向加速度検出値から推定するようにしてもよ
い。
【0031】さらにまた、上記実施例では、制御弁とし
て圧力制御弁20FL〜20RRを適用した場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、他の流量制
御型サーボ弁等を適用し得るものである。なおさらに、
上記実施例においては、作動流体として作動油を適用し
た場合について説明したが、これに限らず圧縮率の少な
い流体であれば任意の作動流体を適用し得る。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る能
動型サスペンションによれば、上下方向加速度検出手段
の上下方向加速度検出信号を位相制御手段に供給して、
少なくともばね上共振周波数領域よりばね下共振領域側
の周波数成分が多いときに上下方向加速度検出信号の位
相を進ませて、負の減衰力及び負のばね力を発生させ、
これによって車体側に伝達される振動に対する良好な振
動絶縁効果を発揮させて、乗心地を向上させることがで
きるという効果が得られる。
【0033】また、請求項2に係る能動型サスペンショ
ンによれば、位相制御手段で、上下方向加速度検出信号
のばね上共振周波数領域の周波数成分が多いときには、
位相遅れ手段で上下方向加速度検出信号の位相を遅らせ
て、正の減衰力及び負のばね力を発生させて制振効果を
向上させ、逆にばね下共振周波数側の周波数成分が多い
ときには上下方向加速度検出信号の位相を進ませて、負
の減衰力及び負のばね力を発生させて振動絶縁効果を発
揮させて、良好な乗心地を確保することができるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略構成図である。
【図2】圧力制御弁の指令電流に対する制御圧の関係を
示す特性線図である。
【図3】上下方向加速度センサの出力特性を示す特性線
図である。
【図4】コントローラの一例を示すブロック図である。
【図5】位相制御回路の具体的構成を示すブロック図で
ある。
【図6】位相と減衰力及びばね力との関係を示す特性線
図である。
【図7】上下方向加速度に対して油圧シリンダで発生す
る制御力の周波数に対するゲイン特性を示す特性線図で
ある。
【図8】本発明の第2実施例を示す位相制御回路のブロ
ック図である。
【符号の説明】
10 車体側部材 11FL〜11RR 車輪 14 車輪側部材 18FL〜18RR 油圧シリンダ 20FL〜20RR 圧力制御弁 22 油圧源 28FL〜28RR 上下方向加速度センサ 30 コントローラ 40FL〜40RR 位相制御回路 42FL〜42RR 制御ゲイン乗算回路 44FL〜44RR 駆動回路 45 周波数判定器 45a バンドパスフィルタ 45b ハイパスフィルタ 45c 比較器 46 位相制御器 46a ローパスフィルタ 46b 位相進み回路 46c 切換スイッチ回路 47 位相遅れ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−95517(JP,A) 特開 平3−99918(JP,A) 実開 平1−68905(JP,U) 実開 平4−16009(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪と車体との間に配設され、制御信
    号によってそれら間のストロークを制御可能な制御力を
    発生するアクチュエータと、前記車体の上下方向加速度
    を検出する上下方向加速度検出手段と、該上下方向加速
    度検出手段の上下方向加速度検出信号に基づいて前記制
    御信号を出力する制御手段とを備えた能動型サスペンシ
    ョンにおいて、前記制御手段は、前記上下方向加速度検
    出信号の周波数が少なくともばね上共振周波数近傍の設
    定周波数以上であるときに前記制御信号の位相を当該上
    下方向加速度検出信号に対して進ませる位相制御手段を
    備えていることを特徴とする能動型サスペンション。
  2. 【請求項2】 前記位相制御手段は、上下方向加速度検
    出信号が夫々入力される位相遅れ手段及び位相進み手段
    と、上下方向加速度検出信号の周波数がばね上共振周波
    数近傍の設定周波数未満であるときに位相遅れ手段を選
    択し、前記設定周波数以上であるときに位相進み手段
    選択する選択手段とを備えていること特徴とする請求項
    1記載の能動型サスペンション。
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