JP2917425B2 - 車両用ロール減衰力制御装置 - Google Patents

車両用ロール減衰力制御装置

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JP2917425B2 JP15565290A JP15565290A JP2917425B2 JP 2917425 B2 JP2917425 B2 JP 2917425B2 JP 15565290 A JP15565290 A JP 15565290A JP 15565290 A JP15565290 A JP 15565290A JP 2917425 B2 JP2917425 B2 JP 2917425B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願発明は、前後輪のロール減衰力を個別に制御する
車両用ロール減衰力制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、車両のロール運動を抑制できる装置としては、
例えば本出願人が提案している特開昭60−128011号記載
のもの(発明の名称は「車両におけるロール剛性制御装
置」)が知られている。この従来装置の一態様は、各輪
に設けられ且つロール剛性を変更可能なロール剛性可変
機構としての減衰力可変ショックアブソーバと、操舵角
を検出する操舵角検出器と、この検出器の検出信号に基
づき単位時間当たりの操舵量を算出する操舵量算出手段
と、この算出手段の算出値が所定値以上であるか否かを
判定する操舵量判定手段と、この判定手段の判定結果が
所定操舵量以上であるとき、各輪の減衰力可変ショック
アブソーバのロール剛性を高める制御手段とを備えてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した従来装置においては、4輪全
部の減衰力を操舵角速度に応じて切り換える構成になっ
ていたため、以下のような点に改善の余地を残してい
た。
つまり、車両が旋回する際、車体は通常、前後のサス
ペンションの構造に拠って決まるロール軸という軸を中
心としてロール方向の運動を行うが、例えば高速での車
線変更のように、非常に速いハンドル操舵によって旋回
すると、単純なロール運動だけでなく、車体の前方も沈
み込むピッチ運動を連成した対角ロールと呼ばれるロー
ル運動が発生する。
この対角ロールの発生原因は次のように考えられる。
旋回開始時の前輪だけに横力が発生している状態では、
前輪側が先にロールしようとしている。一方、ショック
アブソーバの特性は圧縮側と伸長側とで異なり、伸長側
の発生減衰力の方が圧縮側に比べて格段に大きくなって
いることから、ロールモーメントを釣り合わせるために
は圧縮側は伸長側よりも大きく(速く)ストロークしな
ければならない。その結果、ロールすることによって前
輪2輪の平均的なホイールストロークは縮む方向になる
が、後輪2輪は未だロールを生じていないため、前輪側
が沈み込むようなピッチ成分が生じて、対角ロールが発
生する。
このような対角ロールは、そのロール量が大きい場
合、タイヤ特性が不均一になることに因って操縦安定性
を低下させるし、また、乗員に違和感を与え、フィーリ
ングを悪くさせてしまう。
本願発明は、このような従来装置の未解決の問題に鑑
みてなされたもので、その解決しようとする課題は、対
角ロールを確実に防止し、操縦安定性の一層の向上を図
るとともに、乗員に与える違和感を排除することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、請求項(1)記載の発明は
第1図(a)に示すように、車体のロール角速度に比例
した減衰力を発生させ且つ当該減衰力を変更可能な減衰
力発生機構を、前輪及び後輪と車体との間に個別に設置
した車両用ロール減衰力制御装置において、操舵角速度
を検出する操舵角速度検出手段と、この操舵角速度検出
手段の検出値が大きくなるにつれて前輪の後輪に対する
減衰力の比が大きくなるように前記減衰力発生機構の夫
々を制御する前後ロール減衰比制御手段とを備え、前記
減衰力発生機構は、各車輪に対応してサスペンション及
び車体間に配設された複動形の流体室シリンダを有し、
左前輪に対応した前記流体室シリンダの上下のシリンダ
室と右前輪に対応した前記流体室シリンダの上下のシリ
ンダ室との間を、車両ロール時に容積が同じ方向に変化
するシリンダ室同士が連通するように配管を介して接続
し、左後輪に対応した前記流体室シリンダの上下のシリ
ンダ室と右後輪に対応した前記流体室シリンダの上下の
シリンダ室との間を、車両ロール時に容積が同じ方向に
変化するシリンダ室同士が連通するように配管を介して
接続し、さらに、前輪側の前記配管同士を可変絞り弁を
介して接続し、後輪側の前記配管同士を可変絞り弁を介
して接続した構成とし、前記前後ロール減衰比制御手段
は、前記可変絞りのオリフィス径を制御するようになっ
ている。
また請求項(2)記載の発明は第1図(b)に示すよ
うに、車体のロール角速度に比例した減衰力を発生させ
且つ当該減衰力を変更可能な減衰力発生機構を、前輪及
び後輪と車体との間に個別に設置した車両用ロール減衰
力制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、
操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、前記車速
検出手段の検出値が大きくなるにつれて前後輪の減衰力
を高めるとともに、前記操舵角速度検出手段の検出値が
大きくなるにつれて前輪の後輪に対する減衰力の比が大
きくなるように前記減衰力発生機構の夫々を制御する前
後ロール減衰比制御手段とを備え、前記減衰力発生機構
は、各車輪に対応してサスペンション及び車体間に配設
された複動形の流体室シリンダを有し、左前輪に対応し
た前記流体室シリンダの上下のシリンダ室と右前輪に対
応した前記流体室シリンダの上下のシリンダ室との間
を、車両ロール時に容積が同じ方向に変化するシリンダ
室同士が連通するように配管を介して接続し、左後輪に
対応した前記流体室シリンダの上下のシリンダ室と右後
輪に対応した前記流体室シリンダの上下のシリンダ室と
の間を、車両ロール時に容積が同じ方向に変化するシリ
ンダ室同士が連通するように配管を介して接続し、さら
に、前輪側の前記配管同士を可変絞り弁を介して接続
し、後輪側の前記配管同士を可変絞り弁を介して接続し
た構成とし、前記前後ロール減衰比制御手段は、前記可
変絞りのオリフィス径を制御するようになっている。
〔作用〕
請求項(1)の発明において、前後ロール減衰比制御
手段は、操舵角速度検出手段の操舵角速度検出量に応じ
て前後輪の減衰力発生機構を制御してロールを抑制す
る。このとき、同一車速の状態であっても、操舵を早め
て、操舵角速度を大きくするほど、前輪側のロール減衰
比が後輪側のそれよりも大きく制御される。これによ
り、前輪側のロール剛性が後輪側よりも強くなって、前
輪の沈み込み,即ちピッチ成分が抑制され、対角ロール
が小さくなる。
また請求項(2)記載の発明においては、車速検出手
段の検出値が大きくなるにつれて前後輪の減衰力が共に
高められるから、走行速度に応じた全体のロール剛性が
得られるとともに、高速になるほど旋回時のピッチ成分
も強く抑制され、対角ロールがより確実に小さくなる。
そして、これら請求項(1)、(2)に記載された発
明にあっては、減衰力発生機構を、前後左右の各車輪に
対応する複動形の流体室シリンダと、各シリンダの上側
又は下側のシリンダ室を接続する第1〜第4配管と、前
輪及び後輪毎に設けられた計二つの可変絞り弁とで構成
し、その二つの可変絞り弁のオリフィス径を前後ロール
減衰比制御手段が制御するため、例えば各輪毎に設けら
れた減衰力方向ショックアブソーバのオリフィス径を制
御するような構成に比べて、制御対象の個数が少なくて
済み、システム全体での信頼性が向上するとともに、消
費電力も小さくなる。
〔実施例〕
以下、本願発明の実施例を添付図面の第2図乃至第5
図に基づき説明する。
第2図において、2FL〜2RRは車両の前左輪〜後右輪
を、4は車輪支持部材を、6は車体を示す。車輪支持部
材4にはサスペンションリンク8の一端が揺動可能に連
結され、このサスペンションリング8の他端は車体6に
揺動可能に連結されている。
各車輪支持部材4及び車体6間には、車両用サスペン
ション9が装備されており、このサスペンション9は、
各サスペンションリンク8と車体6との間に個別に設け
られたショックアブソーバ10及びコイルスプリング12
と、各サスペンションリンク8と車体6との間にアクチ
ュエータ部分が設けられた油圧式のスタビライザ14とを
備えている。このスタビライザ14が本実施例では車両用
ロール減衰力制御装置に対応している。各ショックアブ
ソーバ10は、従来周知の如く構成され、その圧縮側と伸
長側とでストローク速度に応じて減衰力を夫々発生す
る。
また、スタビライザ14は、前後左右輪のサスペンショ
ンリング8,…,8及び車体6間に設けたスタビライザ本体
14Aと、このスタビライザ本体14Aによる旋回時のロール
剛性を制御する制御部14Bとを備えている。
スタビライザ本体14Aは、各輪2FL〜2RRに対応して配
設された流体圧シリンダとしての油圧シリンダ20FL〜20
RRと、前後に配設された可変絞り弁22F,22Rとを有し、
これらの各要素が油圧配管によって相互に接続されてい
る。
油圧シリンダ20FL〜20RRの夫々は、シリンダチューブ
20aと、このシリンダチューブ20a内を上側のシリンダ室
U及び下側のシリンダ室Lに分離し且つチューブ内を摺
動可能なピストン20bと、このピストン20bに固設され軸
両方向に延びるピストンロッド20cとを有した両ロッ
ド,複動形に構成されている。係る構造を有する油圧シ
リンダ20FL〜20RRは、各々、ピストンロッド20cの下方
の端部がサスペンションリング8に取り付けられ、上方
の端部がフリーな状態に置かれるとともに、このフリー
端側のシリンダチューブ20aの端部が車体6に揺動可能
に支持され、これによって、油圧シリンダ20FL〜20RRが
前後左右のバネ上,バネ下間に各々介挿されている。
また、前輪側,後輪側の夫々において、左輪側油圧シ
リンダ20FL(20RL)の上側シリンダ室Uが一方の油圧配
管26Aを介して右輪側油圧シリンダ20FR(20RR)の下側
シリンダ室Lに接続され、左輪側油圧シリンダ20FL(20
RL)の下側シリンダ室Lが他方の油圧配管26Bを介して
右輪側油圧シリンダ20FR(20RR)の上側シリンダ室Uに
接続され、これにより、シリンダが相互にクロス接続さ
れている。
さらに、前輪側,後輪側では夫々、油圧配管26A,26B
がその途中において可変絞り弁22F(22R)を介して相互
に接続されている。この可変絞り弁22F,22Rは、その電
磁ソレノイドに供給される電流値で成る指令信号if,ir
の値に応じてプランジャが移動し、この移動がスプール
弁を付勢して、オリフィス径が可変される周知の構造に
なっている。ここで、オリフィス径によって調整される
減衰係数Cf,Crは、各々、第3図に示す如く指令信号if,
irの値に比例するようになっている。
一方、制御部14Bは、可変絞り弁22F,22Rの減衰係数
Cf,Crを制御するロール減衰制御コントローラ36と、こ
のコントローラ36に検出信号を贈る操舵角センサ38及び
車速センサ40とを備える。
この内、コントローラ36は本実施例ではマイクロコン
ピュータ及びソレノイド駆動回路などを有し、操舵角セ
ンサ38の検出信号θ及び車速センサ40の検出信号Vを
入力して後述する第4図の処理を行い、可変絞り弁22F,
22Rのソレノイドに指令信号if,irを出力するようになっ
ている。操舵角センサ38はステアリング機構に設置さ
れ、操舵角及び操舵方向に応じた操舵角信号θを電圧
信号の形で検出し、コントローラ36に供給する。また車
速センサ40は例えば車速機の出力軸の回転を検出して、
車速に比例した電圧パルス信号Vをコントローラ36に出
力する。
次に、本実施例の動作を説明する。
最初に、ロール減衰制御コントローラ36のマイクロコ
ンピュータで実行される第4図のタイマ割込処理を説明
する。第4図の処理は一定時間Δt毎に実行される。同
図ステップにおいて、コントローラ36のマイクロコン
ピュータは操舵角センサ38の検出信号θを読み込み、
その値を記憶してステップに移行する。ステップで
は、ステップの読込み値における前回値と今回値と変
化率を求めて操舵角速度を求める。次いでステップ
に移行し、マイクロコンピュータは車速センサ40の検
出信号Vを読み込み、その値を車速値として記憶した
後、ステップに移行する。
ステップでは、メモリに予め記憶している、第5図
に対応した特性マップを参照することによって、その時
点の車速V及び操舵角速度|H|に対応した前輪,後輪
の減衰指令値DCf,DCrを設定する。つまり、最初に車速
Vに対応した特性曲線を選定し、その選定曲線において
操舵角速度|H|に対応して一義的に定まる減衰指令値
DCf,DCrを設定する。
ここで、第5図における前輪側の減衰指令値DCf及び
後輪側の減衰指令値DCrは車速V一定とした場合、前輪
側の指令値DCfは操舵角速度|H|に正比例し、後輪側
の指令値DCrは反比例し、しかも、両指令値DCf,DCrの和
が一定に保持される。このため、両指令値DCf,DCrの比
「DCf/DCr」は操舵角速度|H|に比例して大きくなる
(第5図中の仮想線参照)。なお、|H|=|H1|と
なるまでの間はDCf<DCrにしている。さらに、車速Vが
増加するにつれて、第5図中の指令曲線DCf,DCrを上側
を並行移動した形、即ち指令値DCf,DCrの値を車速Vに
比例して増加させている。
次いでステップに移行し、マイクロコンピュータは
ステップで設定した指令値DCf,DCrをソレノイド駆動
回路に出力する。これにより、ソレノイド駆動回路は指
令値DCf,DCrに比例した指令信号if,iSを可変絞り弁22F,
22Rに供給する。
本実施例では、操舵角センサ38及び第4図ステップ
,の処理が操舵角速度検出手段を構成し、車速セン
サ40及び第4図ステップの処理が車速検出手段を構成
し、さらに第4図ステップ,の処理及びコントロー
ラ36のソレノイド駆動回路が前後ロール減衰比制御手段
を構成し、油圧シリンダ20FL〜20RR、可変絞り弁22F,22
R及び油圧配管26A,26Bが減衰力発生機構を構成してい
る。
次に、本実施例の全体動作を説明する。
車両が凹凸の無い良路を直進している場合、車速セン
サ40はその時点の車速に応じた信号Vを検出するが、操
舵角センサ38の検出信号θが零であるから、第4図の
処理において操舵角速度|H|も零となる。このため、
その時点の車速Vによって選定される指令値曲線の初期
値、DCf=DCf0,DCr=DCr0(DCf0=DCr0)が設定される
から、可変絞り弁22F,22Rに出力される指令信号if,ir
if<irとなる。これによって、後輪側可変絞り弁22Rの
減衰係数Crが前輪側可変絞り弁22Fのそれよりも大きく
なり、しかもその両者の和は車速Vに比例した値とな
る。このとき、車速Vの大きさが変わると、それに比例
して可変絞り弁22F,22Rの減衰係数Cf,Crが変更される
が、その比「Cf/Cr」は一定に保持される。しかし、い
まサスペンションストロークが変化しないから、スタビ
ライザ14の油圧シリンダ20FL〜20RRのストローク変動も
無く、フロント側,リヤ側共に油圧配管26A,26B中を作
動油が流れることもない。このため、スタビライザ14は
油圧反力によるスタビライザ効果及び減衰力を発生せ
ず、サスペンション9によって設定されたバネ定数が保
持されている。
このため、上述した直進時から旋回しようとしてロー
ルが始まるときは、スタビライザ1のリヤ側の発生減衰
力がフロント側のそれよりも大きくなり、ステア特性は
オーバーステア方向に向かい、良好な回頭性が得られ
る。
さらに、上述した直進走行において、左右輪が同相に
上下動するバウンスが生じたとすると、各輪のショック
アブソーバ10がピストン速度に比例した減衰力を発生さ
せる。これと共に、スタビライザ14では、左右の油圧ピ
ストン20FL,20FL及び20RL,20RRが同相にストロークし、
このときの、圧縮された上側シリンダ側U(下側シリン
ダ室L)と伸長した下側シリンダ室L(上側シリンダ室
U)の体積変化が両ロッド形のために同じである。そこ
で、圧縮された上側シリンダ室U(下側シリンダ室L)
の作動油は、そのほぼ全量が油圧配管26A(26B)を介し
て、対を成形す反対側のシリンダの伸長された下側シリ
ンダ室L(上側シリンダ室U)に流れ込むので、作動油
が可変絞り弁22F,22Rを通過することはない。これによ
って、バウンス時には各ショックアブソーバ10に拠る減
衰力のみが車体上下振動を減衰させ、スタビライザ14が
余分な減衰力を発生して、乗心地を悪化させることもな
い。
さらに、前述した直進状態から操舵して旋回状態に移
行したとする。その場合には、操舵角センサ38の検出信
号θに基づき操舵角速度が演算され、車速V及び
操舵角速度に応じてフロント側,リヤ側の減衰指令
値DCf,DCrが設定される。
このとき、操舵角速度|H|=H1となるまでの比較
的緩やかな操舵状態の場合には、減衰指令値DCf<DCr
なるから、この指令に基づき可変絞り弁22F,22Rの減衰
係数Cf,CrもCf<Crに設定される。そこで、4輪のショ
ックアブソーバ10,…,10が車体のロールに応じて減衰力
を発生する一方で、スタビライザ14の油圧20FL〜20RRも
共に左右逆相応にストロークし、左右のシリンダ間で一
方の対を成すシリンダ室U,Lが共に圧縮され且つ他方の
対を成すシリンダ室L,Uが共に伸長される。具体的に
は、いま右切り操舵であって左輪側20FL,20RLが沈み込
む車体ロールのときには、左側油圧シリンダ22FL,22RL
の上側シリンダ室U及び右側油圧シリンダ22FR,22RRの
下側シリンダ室Lが共に圧縮され、同時に、左側油圧シ
リンダ22FL,22RLの下側シリンダ室L及び右側油圧シリ
ンダ22FR,22RRの上側シリンダ室Uが共に伸長する。左
旋回の場合には反対の圧縮,伸長となる。
係るストローク状態に至るとき、圧縮された側の作動
油が可変絞り弁22F,22Rを通過して拡張された反対側の
シリンダ室に流れるから、可変絞り弁22F,22Rのその時
点のオリフィス径に応じて減衰力を発生させる。この発
生減衰力は今の|H|<H1の状態では、後輪側の方を
大きくし、依然としてオーバーステア化の傾向を保持さ
せ、緩慢な旋回時の回頭性向上を図っている。
しかし、操舵角速度|H|≧H1の急操舵状態の場合
には、同一車速Vであっても、減衰指令値DCf≧DCrとな
るから、この指令に基づき可変絞り弁22F,22Rの減衰係
数Cf,CrもCf≧Crに設定される。そこで、4輪のショッ
クアブソーバ10,…,10及び前述した如く発生するスタビ
ライザ14の減衰力に拠って車体ロールが確実に抑制され
る。しかも、このときのスタビライザ14の発生減衰力
は、リヤ側よりもフロント側の方が相対的に大きいか
ら、ステア特性がアンダーステア方向に向かって旋回安
定性が保持されるとともに、フロント側の車体ロールが
リヤ側よりも強く抑制されて、フロント側の過渡的な沈
み込み,即ちピッチ成分が減少し、対角ロールも小さく
なる。したがって、対角ロールによる操縦安定性の低下
を防止でき、且つ、乗員のロールに対するフィーリング
を悪化させることもない。
さらに、本実施例の構成であれば、前輪側及び後輪側
のそれぞれに対応して設けている可変絞り弁22F,22Rの
オリフィス径を制御することにより前後ロール減衰比を
制御できる構成であるため、例えば各輪毎に設けた減衰
力可変ショックアブソーバのオリフィス径を制御するよ
うな場合に比べて、制御対象の個数が少なくて済み、シ
ステム全体での信頼性が向上するとともに、消費電力も
小さくなるという利点もある。
なお、前述した実施例においては車速検出手段を設け
て、車速を加味したロール剛性としたが、必要に応じて
操舵角速度による前後のロール剛性制御のみとする
こともでき、それにより構成が簡単化される。
また、実施例では|H|<H1の間は前後の減衰係数
をCf<Crに設定するとしたが、必要にじて|H|<H1
の間であってもCf>Crに設定するようにしてもよい。
また、本願発明のロール減衰力制御装置に用いる流体
圧シリンダは、前述したように両ロッド形に限定される
ことなく、片ロッド形であってもよい。また、流体圧シ
リンダの車輪側,車体側取付位置を車両左右で相互に反
対向きにすることもでき、そのようにすると、流体圧シ
リンダを接続する管路は見かけ上、クロス接続にならず
並行接続となる。要は、車両ロール時に同じ方向に容積
が変化するシリンダ室同士が連通するように、前輪側の
流体室シリンダ同士を配管を介して接続し、後輪側の流
体室シリンダ同士を配管を介して接続すればよい。
さらに、本願発明における作動流体は上述した如く作
動油を用いるものに限定されることなく、例えば非圧縮
性の気体を作動流体として用いる装置であってもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように本願発明は、操舵角速度が大きい
ほど、前輪側ロール減衰力の後輪側ロール減衰力に対す
る比を大きくする構成としたため、急操舵時に対角ロー
ルが発生しようとしても、前輪側のロールに対する減衰
力が後輪側よりも相対的に大きいことから、過渡的なピ
ッチ成分が抑制されて、対角ロールが小さくなり、した
がって、操縦安定性が向上するとともに、運転者のロー
ルに対するフィーリングも自然なものになるという効果
が得られ、しかも、システム全体の信頼性が高く、消費
電力も少なくて済むという利点もある。とくに、請求項
(2)記載の発明にあっては、車速が大きいほど、ロー
ル剛性全体も大きくなるから、対角ロールを含めた車体
ロールがより高精度に抑制される。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は夫々本願発明のクレーム対応図、
第2図乃至第5図は本願発明の実施例を示す図であっ
て、第2図は概略構成図、第3図は減衰係数と指令信号
の関係を示すグラフ、第4図はコントローラでの処理の
一例を示す概略フローチャート、第5図は操舵角速度の
変化に対する指令値の変化例を示すグラフである。 図中の主要符号は、2FL〜2RR……車輪、6……車体、8
……サスペンションリンク、9……車両用サスペンショ
ン、10……ショックアブソーバ、14……スタビライザ、
20FL〜20RR……油圧シリンダ、22F,22R……可変絞り
弁、26A,26B……油圧配管、36……コントローラ、38…
…操舵角センサ、40……車速センサ、である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−160721(JP,A) 特開 昭60−71315(JP,A) 特開 昭58−167210(JP,A) 実開 昭56−103307(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60G 17/00 - 23/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体のロール角速度に比例した減衰力を発
    生させ且つ当該減衰力を変更可能な減衰力発生機構を、
    前輪及び後輪と車体との間に個別に設置した車両用ロー
    ル減衰力制御装置において、 操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、この操舵
    角速度検出手段の検出値が大きくなるにつれて前輪の後
    輪に対する減衰力の比が大きくなるように前記減衰力発
    生機構の夫々を制御する前後ロール減衰比制御手段とを
    備え、 前記減衰力発生機構は、各車輪に対応してサスペンショ
    ン及び車体間に配設された複動形の流体室シリンダを有
    し、左前輪に対応した前記流体室シリンダの上下のシリ
    ンダ室と右前輪に対応した前記流体室シリンダの上下の
    シリンダ室との間を、車両ロール時に容積が同じ方向に
    変化するシリンダ室同士が連通するように配管を介して
    接続し、左後輪に対応した前記流体室シリンダの上下の
    シリンダ室と右後輪に対応した前記流体室シリンダの上
    下のシリンダ室との間を、車両ロール時に容積が同じ方
    向に変化するシリンダ室同士が連通するように配管を介
    して接続し、さらに、前輪側の前記配管同士を可変絞り
    弁を介して接続し、後輪側の前記配管同士を可変絞り弁
    を介して接続した構成とし、 前記前後ロール減衰比制御手段は、前記可変絞りのオリ
    フィス径を制御するようになっていることを特徴とする
    車両用ロール減衰力制御装置。
  2. 【請求項2】車体のロール角速度に比例した減衰力を発
    生させ且つ当該減衰力を変更可能な減衰力発生機構を、
    前輪及び後輪と車体との間に個別に設置した車両用ロー
    ル減衰力制御装置において、 車速を検出する車速検出手段と、操舵角速度を検出する
    操舵角速度検出手段と、前記車速検出手段の検出値が大
    きくなるにつれて前後輪の減衰力を高めるとともに、前
    記操舵角速度検出手段の検出値が大きくなるにつれて前
    輪の後輪に対する減衰力の比が大きくなるように前記減
    衰力発生機構の夫々を制御する前後ロール減衰比制御手
    段とを備え、 前記減衰力発生機構は、各車輪に対応してサスペンショ
    ン及び車体間に配設された複動形の流体室シリンダを有
    し、左前輪に対応した前記流体室シリンダの上下のシリ
    ンダ室と右前輪に対応した前記流体室シリンダの上下の
    シリンダ室との間を、車両ロール時に容積が同じ方向に
    変化するシリンダ室同士が連通するように配管を介して
    接続し、左後輪に対応した前記流体室シリンダの上下の
    シリンダ室と右後輪に対応した前記流体室シリンダの上
    下のシリンダ室との間を、車両ロール時に容積が同じ方
    向に変化するシリンダ室同士が連通するように配管を介
    して接続し、さらに、前輪側の前記配管同士を可変絞り
    弁を介して接続し、後輪側の前記配管同士を可変絞り弁
    を介して接続した構成とし、 前記前後ロール減衰比制御手段は、前記可変絞りのオリ
    フィス径を制御するようになっていることを特徴とする
    車両用ロール減衰力制御装置。
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