JP4552838B2 - 後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムを備えた車輌 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車輌の車輪懸架装置に組み込まれたショックアブソーバに係り、特に4室のフリーピストン式シリンダ−ピストン装置を備え、一対の後輪のショックアブソーバが一対の前輪のショックアブソーバに対しクロスした関係にてシリンダ−ピストン装置に連結されている後輪クロス連結型のショックアブソーバシステムに関する改良に係わる。
左右一対の前輪および左右一対の後輪を有する4輪自動車等の車輌に於いて、各輪をそれぞれがショックアブソーバを組み込んだ車輪懸架装置により車体に懸架することは、この技術の分野に於いては周知である。また、そのような4つのショックアブソーバに段付フリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置を組み合わせ、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧をフリーピストンの両側に作用させて互いに対向させ、これに重ねて同じフリーピストンの両側に一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧を作用させて互いに対向させること、或は一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのうちの同じ一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する同じ他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とをフリーピストンにより対向させること、或は4つのショックアブソーバの作動油圧の対向状態を、平行連通状態と交叉連通状態の間に切り換わる切換弁により、車輌の運転状態に応じて上記2つのモードの間で切り換えることが、下記の特許文献1に記載されている。
特開2004-322755
4輪車が左折或は右折する如く操舵により旋回して進行方向を変えるとき、旋回の前期に於いては車体の前輪部が後輪部に比してより大きな角速度にて偏向し、旋回の後期の於いては車体の後輪部が前輪部に比してより大きな角速度にて偏向するので、旋回の前期においては車体の前輪部に作用する旋回外側への遠心力は車体の後輪部に作用する旋回外側への遠心力より大きく、旋回の後期においては車体の後輪部に作用する旋回外側への遠心力が車体の前輪部に作用する旋回外側への遠心力より大きくなる。従って、旋回に伴う車体の旋回外側へのロール傾動により左右一対の車輪間に生ずる接地荷重の旋回外側への偏りは、旋回の前期に於いては前輪において後輪に於けるより大きく、旋回の後期においては後輪に於いて前輪に於けるより大きくなる。
従って、4輪車に上記の如く一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのうちの同じ一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する同じ他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とをフリーピストンにより対向させた後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムが備えられていると、シリンダーピストン装置のフリーピストンに作用する左右一対の車輪間の接地荷重の差に基づく差圧は、旋回の前期には前輪において後輪におけるより大きく、旋回の後期には後輪に於いて前輪におけるより大きくなる。従って、前輪ショックアブソーバ作動油圧に対するシリンダーピストン装置の受圧面積と後輪ショックアブソーバ作動油圧に対するシリンダーピストン装置の受圧面積とがほぼ等しいとすると、フリーピストンは、旋回の前期には旋回の外側より内側へ向かう第一の方向へ変位し、このとき、フリーピストンの変位に応じて、旋回内側の後輪に対するショックアブソーバからは作動油が抜きとられ、旋回内側の後輪に対するショックアブソーバは伸長する。
その後、車輌が旋回の後期に入り、車体の前輪部はほぼ直進状態に戻るのに対し、車体の後輪部は尚まだ旋回による円弧軌跡上にあと、フリーピストンに作用する一対の前輪ショックアブソーバの作動油圧の差は減小し、フリーピストンはそれに作用する旋回外側の後輪ショックアブソーバの作動油圧に押されて上記の第一の方向とは逆の第二の方向へ変位する。この第二の方向へのフリーピストンの変位は、シリンダより旋回内側の後輪ショックアブソーバへ向けて作動油を押し出すものであり、これは伸長状態にある旋回内側後輪ショックアブソーバに反発力(ここでは、ショックアブソーバが伸張方向に発する力)を付与し、旋回内側後輪部にて車体を旋回ロール増大方向へ押し上げる作用が生じる。これは好ましくない。
本発明は、後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムに生ずる上記の作動に着目し、この点に関し後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムを更に改良することを課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、左右一対の前輪および左右一対の後輪の各々に対するショックアブソーバと、前記一対の前輪の左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪の左右のショックアブソーバのうちの前記一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する前記他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とからなる後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムを有する車輌にして、車輌の旋回の前期に前記一対の前輪のショックアブソーバの作動油圧の差に従う第一の方向へ変位した前記フリーピストンが同車輌旋回の後期に前記第一の方向とは逆の第二の方向へ変位するとき旋回内側にある後輪のショックアブソーバに生ずる反発力を抑制する手段を有することを特徴とする車輌を提案するものである。
前記の旋回内側後輪のショックアブソーバに生ずる反発力を抑制する手段は該ショックアブソーバと前記シリンダ−ピストン装置とを連結する作動油路を絞る手段であってよい。この絞りはその極限として遮断を含むものである。
或はまた、前記の旋回内側後輪のショックアブソーバに生ずる反発力を抑制する手段は左右の後輪間に作用するアクティブスタビライザであってよい。
上記の如く、左右一対の前輪および左右一対の後輪の各々に対するショックアブソーバと、これら一対の前輪の左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪の左右のショックアブソーバのうちの同じ一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する同じ他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とからなる後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムを有する車輌に於いて、車輌の旋回の前期に一対の前輪のショックアブソーバの作動油圧の差に従う第一の方向へ変位したフリーピストンが同車輌旋回の後期に前記第一の方向とは逆の第二の方向へ変位するとき旋回内側にある後輪のショックアブソーバに伸張方向に生ずる反発力を抑制する手段が設けられていれば、旋回の前期に於いて伸長された旋回内側後輪のショックアブソーバが、旋回の後期に伸長された状態のまま反発力を付与されることにより車体後部を旋回ロール増大方向へ付勢するという、後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムに特異な好ましからざる特性に着目して、かかるショックアブソーバシステムの作動を更に改善することができる。
旋回内側後輪に作用するショックアブソーバとシリンダ−ピストン装置とを連結する油路にそれを絞り或は遮断する手段が設けられれば、旋回の前期に旋回の外側と内側にある一対の前輪間の接地荷重の差の増大に応じてフリーピストンが第一の方向へ変位し、それに応じて旋回内側の後輪に対するショックアブソーバから作動油が抜きとられ、旋回内側後輪のショックアブソーバが伸長した状態になったところで、車輌が旋回の後期に入り、フリーピストンの変位方向が逆転し、伸長した状態にある旋回内側の後輪のショックアブソーバへ向けてシリンダより作動油が押し出されようとしても、その作動油の流れは絞られ或は遮断されるので、それに反発力が付与されることを防ぎ、車体の後輪部がロール増大方向に付勢されることが防止される。
また、左右の後輪間に作用するアクティブスタビライザが設けられれば、旋回内側後輪のショックアブソーバに上記の反発力が生じても、それをアクティブスタビライザにより押さえ込み、車体にロール増大方向の付勢力が作用することが防止される。
図1は、本発明による車輌の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図である。但し、本発明は、ショックアブソーバの制御に関するソフトウェア的事項を発明の要旨とするものであり、図1に現れている構成自身は公知のものである。
図1に於いて、10fl,10fr,10rl,10rrはそれぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪であり、各車輪はそれぞれサスペンションアーム12fl,12fr,12rl,12rrにより車体14に対し上下に変位可能に懸架されており、それぞれショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrによりその車体に対する上下の変位が緩衝されるようになっている。尚、図には示されていないが、この技術の分野に於いては周知の通り、サスペンションアーム12fl,12fr,12rl,12rrには、ショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrに並列に配置されたサスペンションスプリングも作用しており、各車輪はサスペンションスプリングとショックアブソーバの並列組合せにより車体に対し懸架されている。
ショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrにはそれぞれ油路18fl,18fr,18rl,18rrが接続されており、これらの油路にはそれぞれ蓄圧室20fl,20fr,20rl,20rr、絞り弁22fl,22fr,22rl,22rr、圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrが接続されている。
26はマイクロコンピュータを備えた車輌の電子制御装置(ECU)であり、本発明に係る制御だけでなく、車輌の自動制御に関する種々の演算を行う電子頭脳である。電子制御装置26には、圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrよりショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrの各々の作動油圧Pfl,Pfr,Prl,Prrを示す信号、操舵角センサ28により検出された操舵角を示す信号、図には示されていない車速センサ、前後加速度センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサより車速、前後加速度、横加速度、ヨーレートを示す信号が送られる他、電子制御装置26による車輌の自動制御のために必要なその他の種々の信号がそれらの信号発生装置より送られるようになっている。
ショックアブソーバ16flの作動油圧は油路18flを経てシリンダ30とフリーピストン32を備えたシリンダ−ピストン装置34の油圧室36flに導入され、ショックアブソーバ16frの作動油圧は油路18frを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36frに導入され、ショックアブソーバ16rlの作動油圧は油路18rlを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36rlに導入され、ショックアブソーバ16rrの作動油圧は油路18rrを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36rrに導入されている。
シリンダ−ピストン装置34のフリーピストン32は、中央の大径ピストン部とその両側にある一対の同径の小径ピストン部とが互いにシャフトにて連結された段付きピストンであり、シリンダ30は、大径ピストン部が係合する中央の大径シリンダ部とその両側にあって前記一対の小径ピストン部が係合する一対の同径の小径シリンダ部とを有する段付きシリンダである。
図1より明らかな通り、左右の前輪に作用するショックアブソーバの作動油圧はフリーピストンに対し左右の対応する端面に付与されており、左右の後輪に作用するショックアブソーバの作動油圧はフリーピストンに対し左右逆に対応する端面に付与されており、従って、車輌が左旋回することにより車体が遠心力により右方へ傾動し、右前輪のショックアブソーバの作動油圧が左前輪のショックアブソーバの作動油圧より上昇してフリーピストンを図にて左方へ付勢するときには、右後輪のショックアブソーバの作動油圧が左後輪のショックアブソーバの作動油圧より上昇してフリーピストンを図にて右方へ付勢する。
今、図示の如く左右の小径ピストン部は同径のDeであるとし、中央の大径ピストン部の直径をDcとし、シャフトの直径をDsとすると、図にて左端の小径ピストン部は、その左面に油圧室36flの油圧Pflを受け、(π/4)De2×Pflの力にて図にて右方へ付勢される。図にて右端の小径ピストン部は、その右面に油圧室36frの油圧Pfrを受け、(π/4)De2×Pfrの力にて図にて左方へ付勢される。中央の大径ピストン部は、その右面に油圧室36rlの油圧Prlを受け、(π/4)(Dc2−Ds2)×Prlの力にて図にて左方へ付勢されるが、その付勢力の一部は同油圧がそれとシャフトにて連結された右端の小径ピストン部に図にて右方へ作用することによる(π/4)(De2−Ds2)×Prlの力にて相殺されるので、ピストン全体としては、油圧Prlにより(π/4)(Dc2−De2)×Prlの力にて図にて左方へ付勢される。同様にして、ピストン全体としては、油圧Prrにより(π/4)(Dc2−De2)×Prrの力にて図にて右方へ付勢される。
従って、今、車輌が左旋回するとし、右側のショックアブソーバ作動油圧Pfr、Prrがそれぞれ左側のショックアブソーバ作動油圧Pfl、Prlより高くなっているとき、フリーピストンが左方へ変位するか右方へ変位するかは、(π/4)De2×(Pfr−Pfl)と(π/4)(Dc2−De2)×(Prr−Prl)のどちらが大きいか、即ち、ΔFf=(Pfr−Pfl)De2、ΔFr=(Prr−Prl)(Dc2−De2)とすると、ΔFfとΔFrの対比によって左右され、ΔFf>ΔFrであるときにはフリーピストンは図にて左方へ変位し、ΔFf<ΔFrであるときにはフリーピストンは図にて右方へ変位する。
4輪車が左折または右折する如く操舵されて旋回するとき、前述の通り旋回の前期に於いては、一対の前輪間の接地荷重の差は一対の後輪間の接地荷重の差より大きくなり、これに対し旋回の後期に於いては、一対の後輪間の接地荷重の差は一対の前輪間の接地荷重の差より大きくなる。
従って、上記の如きピストンーシリンダ装置に於いて、De2と(Dc2−De2)の値がほぼ等しいとすると、左方への旋回に於いては、旋回の前期にΔFfがΔFrより大きくなってフリーピストンは図にて左方へ変位し、このときシリンダ室36rlはその容積が拡張され、それに伴って左後輪のショックアブソーバからは作動油が吸い出されるので、左後輪のショックアブソーバは伸長する。その後、左旋回が後期に入り、一対の前輪間の接地荷重の差が縮小し、また同時に一対の後輪間の接地荷重の差が増大し、ΔFfに対しΔFrが優勢となり、フリーピストンは図にて右方へ向けて反転変位する。この時、シリンダ室36rlの縮小によりこれから押出された作動油がそのまま伸長状態にある左後輪のショックアブソーバへ送り込まれると、左後輪のショックアブソーバには伸長状態のまま反発力が生じ、車体を旋回ロール方向へ付勢することになる。しかし、このとき絞り弁22rlが絞られ或は遮断されれば、作動油がショックアブソーバ16rlのシリンダ室内へ流入することを抑制ないし阻止することができ、伸長状態にあるショックアブソーバ16rlを伸張方向に付勢してショックアブソーバ16rlに伸張方向の反発力が生ずることを抑制することができる。
図2は、上記の如きショックアブソーバの制御を一つの実施の形態について示すフローチャートである。かかるフローチャートに沿った制御は、電子制御装置26により車輌の運転開始から始まって数10〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返されてよい。
制御が開始されると、先ず、ステップ10にて、フラグF1が1であるか否かが判断される。フラグF1は制御の開始時にはその都度0にリセットされ、制御が後述のステップ80に至ったとき1にセットされるものである。従って、制御が最初にこのステップに至ったときには、答はノー(N)であり、制御はステップ20へ進む。
ステップ20に於いては、操舵角θの絶対値がある所定の下限値θo以上であるか否かが判断される。操舵角θについて絶対値を用いたのは、左旋回と右旋回とでθの値が正または負とされるためである。ここでは左旋回時の操舵角を正の値とし、右旋回時の操舵角を負の値とする。下限値θoは、操舵角θの絶対値がそれ以下であるようなときには以下の制御は行われるには及ばないような或る小さな操舵角である。従って、答がノーであればこの回の制御はこれにて終了する。答がイエス(Y)であれば、制御はステップ30へ進む。
ステップ30に於いては、前後加速度Gx(前後Gx)がある所定の下限値Gxo以上であるか否かが判断される。下限値Gxoもまた、前後加速度Gxの値がそれ以下であるときには以下の制御は行われるには及ばないような或る小さな前後加速度の値である。従って、答がノーであればこの回の制御はこれにて終了する。答がイエスであれば、制御はステップ40へ進む。
ステップ40に於いては、横加速度Gy(横Gy)がある所定の下限値Gyo以上であるか否かが判断される。横加速度Gyも左旋回または右旋回に応じて正または負となる。下限値Gyoもまた、横加速度Gyの絶対値がそれ以下であるときには以下の制御は行われるには及ばないような或る小さな値である。従って、答がノーであればこの回の制御はこれにて終了する。答がイエスであれば、制御はステップ50へ進む。
ステップ50に於いては、操舵角θが正であるか否かが判断される。これは、本件では、操舵による旋回が左旋回であるか右旋回であるかを判別するものである。答がイエス、即ち左旋回であれば、制御はステップ60へ進み、旋回方向係数Kが1とされ、また、答がノー、即ち右旋回であれば、制御はステップ70へ進み、旋回方向係数Kが−1とされる。いずれにしても、次いで、制御はステップを80へ進み、フラグF1が1にセットされる。ここでフラグF1が1にセットされると、以後のフローに於いて、ステップ10の答はイエスとなるので、ステップ20〜80はパイパスされる。
次いで、制御はステップ90へ進み、一対の前輪について,左前輪ショックアブソーバの作動油圧Pflに対する右前輪ショックアブソーバの作動油圧Pfrの差Pfr−Pflとフリーピストン小径部の直径Deの2乗の積を表す上述のΔFfの値が算出される。但し、前述のΔFfは旋回が左旋回であるという前提に基づいており、右旋回も含めて旋回内側のショックアブソーバ作動油圧に対する旋回外側のショックアブソーバ作動油圧の差による力を一般化して示す指標値として、ここでは上記の旋回方向係数Kを用いてΔFf=K(Pfr−Pfl)De2とする。
次いで、制御はステップ100へ進み、一対の後輪について,同様に、左輪ショックアブソーバの作動油圧Prlによる力に対する右輪ショックアブソーバの作動油圧Prrによる力の差を示す指標値として、ΔFr=K(Pfr−Pfl)(Dc2−De2)の値が算出される。
次いで、制御はステップ110へ進み、ΔFf<ΔFrであるか否かが判断される。今、De2の値が(Dc2−De2)の値に等しいとすると、上記の通り旋回の前期に於いてはΔFf>ΔFrであり、旋回の後期に於いてはΔFf<ΔFrである。従って、旋回が始まってその前期の間は、ステップ110の答はノーであり、制御はステップ120へ進む。
ステップ120に於いては、フラグF2が1であるか否かが判断される。フラグF2は制御開始時に0にリセットされ、制御が後述のステップ160に至ったとき1にセットされるものである。従って、一先ずステップ120の答はノーである。この状態は、車輌の実質的な旋回が開始され、制御がステップ110まで進んだときにも、旋回の前期の間は続く。その間、制御はステップ120まででリターンする。
旋回がやがて前期より後期へ移ると、ステップ110の答はノーからイエスに転ずる。これより制御はステップ130へ進むようになる。ステップ130に於いては、上記の回旋方向係数Kが正であるか否かが判断される。そして答がイエスであり、即ち旋回が左旋回であれば、制御はステップ140へ進み、左後輪のショックアブソーバに対する絞り弁22rlが絞られる。一方、答がノーであれば、制御はステップ150へ進み、右後輪のショックアブソーバに対する絞り弁22rrが絞られる。いずれにしても、次いで制御はステップ160へ進み、フラグF2が1にセットされる。
車輌の旋回が終わりに近づく途中で、または遅くとも旋回が終わったときには、ΔFfとΔFrとは等しくなるので、ステップ110の答は再びノーとなり、制御はステップ120へ進む。このときには、ステップ120の答はイエスであり、制御はステップ170へ進む。
ステップ170に於いては、再度、旋回方向係数Kが正であるか否かが判断される。そして答がイエスであれば、制御はステップ180へ進み、ステップ140にて行われた左後輪のショックアブソーバに対する絞り弁22rlの絞りが解除される。一方、答がノーであれば、制御はステップ190へ進み、ステップ150にて行われた右後輪のショックアブソーバに対する絞り弁22rrの絞りが解除される。
尚、以上の説明に於いては、旋回の後期にシリンダ室より左後輪のショックアブソーバまたは右後輪のショックアブソーバへ作動油が送られることを抑制するために絞り弁22flまたは22frが絞られているが、これらのショックアブソーバの各々と対応するシリンダ室とを連結する油路に図にて点線にて示すごとく別途遮断弁40lおよび40rが設けられ、これらの遮断弁が閉じられるようになっていてもよい。
図3は、本発明による車輌の他の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す図1と同様の概略図である。図3に於いて。図1に示す部分に対応する部分は図1に於けると同じ符号により示されている。この場合にも、本発明は、ショックアブソーバの作動に関連してアクティブサスペンションについて行われる制御に関するソフトウェア的事項を発明の要旨とするものであり、図3に現れている構成自身は公知のものである。
この場合、一対の後輪10rlと10rrの間には、両輪間に上下方向に制御可能に異なる反力を及ぼすアクティブスタビライザ42が設けられている。この種のアクティブスタビライザは、この技術の分野に於いては公知である。図にて解図的に示されている如く、左右の後輪の上下方向相対変位によって左右一対のロッド44lと44rとがそれらの軸線の周りに捩じられるようになっており、中央のアクチュエータ46にて左右のロッド44lと44rの相対的捩じり角が可変に制御されることにより、右輪に対し左輪が上下に変位することに対し、或いは左輪に対し右輪が上下に変位することに対し、ロッド44lと44rを介して作用する弾性的反力の強さが変えられるようになっている。
かかるアクティブスタビライザを用いて本発明が実施されるときには、図2のフローチャートのステップ140に於いて、右後輪に対して左後輪を上方へ付勢するようアクティブスタビライザが制御され、一方、同フローチャートのステップ150に於いては、左後輪に対して右後輪を上方へ付勢するようアクティブスタビライザが制御されればよく、また、ステップ180および190に於いてはそれぞれステップ140およびステップ150にてなされたアクティブスタビライザ制御が解除されるようになっていればよい。
以上に於いては本発明を2つの実施の形態について詳細に説明したが、これら実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明による車輌の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図。 図1に示すショックアブソーバの制御を一つの実施の形態について示すフローチャート。 本発明による車輌の他の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図。
符号の説明
10fl,10fr,10rl,10rr…左前輪、右前輪、左後輪、右後輪、12fl,12fr,12rl,12rr…サスペンションアーム、14…車体、16fl,16fr,16rl,16rr…ショックアブソーバ、18fl,18fr,18rl,18rr…油路、20fl,20fr,20rl,20rr…蓄圧室、22fl,22fr,22rl,22rr…絞り弁、24fl,24fr,24rl,24rr…圧力センサ、26…電子制御装置(ECU)、28…操舵角センサ、30…シリンダ、32…フリーピストン、34…シリンダ−ピストン装置、36fl,36fr,36rl,36rr…油圧室、38fl,38fr,38rl,38rr…ストロークセンサ、40l,40r…遮断弁、42…アクティブスタビライザ、44l,44r…ロッド、46…アクチュエータ

Claims (3)

  1. 左右一対の前輪および左右一対の後輪の各々に対するショックアブソーバと、前記一対の前輪の左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪の左右のショックアブソーバのうちの前記一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する前記他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とからなる後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムを有する車輌にして、車輌の旋回の前期に前記一対の前輪のショックアブソーバの作動油圧の差に従う第一の方向へ変位した前記フリーピストンが同車輌旋回の後期に前記第一の方向とは逆の第二の方向へ変位するとき旋回内側にある後輪のショックアブソーバに生ずる反発力を抑制する手段を有することを特徴とする車輌。
  2. 前記の旋回内側後輪のショックアブソーバに生ずる反発力を抑制する手段は該ショックアブソーバと前記シリンダ−ピストン装置とを連結する作動油路を絞る手段であることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記の旋回内側後輪のショックアブソーバに生ずる反発力を抑制する手段は左右の後輪間に作用するアクティブスタビライザであることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
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