JP2007118845A - 旋回時接地加重の左右輪間偏倚の前後の偏りを判断する車輌 - Google Patents

旋回時接地加重の左右輪間偏倚の前後の偏りを判断する車輌 Download PDF

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Abstract

【課題】車輌の旋回走行がアンダーステア気味になっているのか或はオーバーステア気味になっているのかを、それによって目標ヨーレートに対し実ヨーレートに偏差が生ずる前に検知し、車輌の旋回挙動制御に於ける制御入力の先行性を高める。
【解決手段】左前輪のショックアブソーバの作動油圧に対する右前輪のショックアブソーバの作動油圧の差と右後輪のショックアブソーバの作動油圧に対する左後輪のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンの偏倚に基づいて、一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚と一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚の間の相対的大小関係を判断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、四輪自動車の如く左右一対の前輪および左右一対の後輪を有し、これら各輪がそれぞれショックアブソーバを組み込んだ車輪懸架装置により車体に懸架されている車輌に係り、特にその旋回挙動を検知することに係わる。
左右一対の前輪および左右一対の後輪を有する四輪自動車等の車輌に於いて、各輪をそれぞれがショックアブソーバを組み込んだ車輪懸架装置により車体に懸架することは、この技術の分野に於いては周知である。また、そのような4つのショックアブソーバにフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置を組み合わせ、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧をフリーピストンの両側に作用させて互いに対向させ、これに重ねて同じフリーピストンの両側に一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧を作用させて互いに対向させること、或は一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのうちの左側のショックアブソーバの作動油圧に対する右側のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのうちの右側のショックアブソーバの作動油圧に対する左側のショックアブソーバの作動油圧の差とをフリーピストンにより対向させること、或は4つのショックアブソーバの作動油圧の対向状態を、平行連通状態と交叉連通状態の間に切り換えられる切換弁により、車輌の運転状態に応じて上記2つのモードの間で切り換えることが、下記の特許文献1に記載されている。
特開2004-322755
左右一対の前輪および左右一対の後輪を有する四輪自動車等の車輌が旋回走行するとき、車体には旋回の外側へ向かう遠心力が作用することから、車体は旋回の外側へ向けて傾くローリングを起こし、それに伴って旋回外側の車輪の接地荷重は旋回内側の車輪の接地荷重に対比して増大する。このとき、車輌の減速状態や加速状態その他の運行状態の変化に応じて車体は前のめりになったり後のめりになったりすることから、左右一対の前輪と左右一対の後輪の間での接地荷重の旋回外側への偏倚の度合は互いに異なってくる。
車輪の接地荷重の増加に対する車輪のコーナリングフォースの増加は、図3に示す如く、飽和へ向けて上方へ凸型に湾曲する非線形特性を呈するので、左右の車輪間の接地荷重の配分が50:50の釣り合い状態からより大きく偏倚するにつれて(図示例:40:60,30:70,20:80)、左右の車輪のコーナリングフォースの合計はより小さくなる。
一方、四輪車輌では、前輪のコーナリングフォースの大きさと後輪のコーナリングフォースの大きさの間の大小関係が車輌の回頭性を左右する。即ち、後輪のコーナリングフォースに対比して前輪のコーナリングフォースが小さくなると、車輌はアンダーステア特性を呈し、逆に前輪のコーナリングフォースに対比して後輪のコーナリングフォースが小さくなると、車輌はオーバーステア特性を呈する。上記の通り左右輪間の接地荷重の配分が旋回外側へ偏る程、左右両輪によるコーナリングフォースの合計は低減するので、左右輪間の接地荷重の偏りの前後輪間に於ける相違は車輌の回頭性を左右する。即ち、前輪に於ける接地荷重の旋回外側への偏りが後輪に於ける接地荷重の旋回外側への偏りに対比してより大いと、車輌はアンダーステア気味となり、逆に後輪に於ける接地荷重の旋回外側への偏りが前輪に於ける接地荷重の旋回外側への偏りに対比してより大いと、車輌はオーバーステア気味となる。
アンダーステアが過度に進行すると、車輌は運転者の操舵に基づく旋回走行経路を旋回外側に外れるドリフトアウトを生じ、またオーバーステアが過度に進行すると車輌は運転者の操舵に基づく旋回走行経路を旋回内側に外れるスピンを生ずる。かかるドリフアウトやスピンの発生を抑制すべく、操舵角と車速に対応して車輌に生ずべき正規のヨーレートをマイクロコンピュータが装備された電子制御装置(ECU)により目標ヨーレートとして算出し、目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差に基づいて運転者による操舵角を自動的に補正し或は選択された車輪を個別に制動する旋回挙動制御が種々の態様にて公知である。しかし、かかる従来の目標ヨーレートと実ヨーレートの偏差に基づく旋回挙動制御は、制御装置を作動させる入力として目標ヨーレートに対する実ヨーレートの偏差を必要とするものであり、これは制御アクチュエータの容量増大と共に制御装置の精度を無限に高めない限り目標ヨーレートと実ヨーレートの間にある程度の偏差が生ずることを不可避とするものである。
本発明は、上記の事情に鑑み、車輌の旋回走行がアンダーステア気味になっているのか或はオーバーステア気味になっているのかを、それによって目標ヨーレートに対し実ヨーレートに偏差が生ずる以前に検知することにより、車輌の旋回挙動制御に於ける制御入力の先行性を高め、より軽量の制御アクチュエータによる制御装置によってもより高精度の旋回挙動制御を可能にする車輌を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するものとして、本発明は、左右一対の前輪および左右一対の後輪と、これら各輪を車体に懸架する車輪懸架装置に組み込まれたショックアブソーバと、前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのうちの左側のショックアブソーバの作動油圧に対する右側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのうちの右側のショックアブソーバの作動油圧に対する左側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とを有し、車輌の旋回走行時に前記フリーピストンの偏倚により前記一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚と前記一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚の間の相対的大小関係を判断するようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。
前記フリーピストンの偏倚は、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差の対比により判断されるようになっていてよい。
また、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差の対比による判断は、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのストローク変位と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのストローク変位に基づいて行われるようになっていてよい。
一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は互いに同一の受圧面積の受圧面にてフリーピストンに対向して作用し、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は互いに同一で且つ一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧がフリーピストンに対向して作用する受圧面の受圧面積と同じ面積の受圧面にてフリーピストンに対向して作用するようになっていてよい。
フリーピストンは中央の大径ピストン部とその両側にある一対の同径の小径ピストン部とが互いにシャフトにて連結された段付きピストンであって、前記大径ピストン部が係合する中央の大径シリンダ部とその両側にあって前記一対の小径ピストン部が係合する一対の同径の小径シリンダ部とを有する段付きシリンダ内に係合しており、前記大径の2乗と前記小径の2乗の差は前記小径の2乗に等しく、前記一対の小径ピストン部の両外側には前記一対の小径シリンダ部により一対の小径油圧室が形成され、前記大径ピストン部とその両側にある前記一対の小径ピストン部の間には前記大径シリンダ部と前記一対の小径シリンダ部により一対の段付き油圧室が形成されており、前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は前記一対の小径油圧室と前記一対の段付き油圧室のいずれか一方へ導入され、前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は前記一対の小径油圧室と前記一対の段付き油圧室のいずれか他方へ導入されていてよい。
車輌が、左右一対の前輪および左右一対の後輪と、これら各輪を車体に懸架する車輪懸架装置に組み込まれたショックアブソーバと、前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのうちの左側のショックアブソーバの作動油圧に対する右側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのうちの右側のショックアブソーバの作動油圧に対する左側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とを有し、車輌の旋回走行時に前記フリーピストンの偏倚により一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚と一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚の間の相対的大小関係を判断するようになっていれば、これによって車輌がアンダーステア気味になっているのかオーバーステア気味になっているのかを旋回走行の各時点に於いて直ちに知ることができ、それが目標ヨーレートに対する実ヨーレートの差となって現れるのを待たずに任意の旋回挙動制御の実施によりそれに対処することができる。
前記フリーピストンの偏倚が、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差の対比により判断されるようになっていれば、左右前後の4輪に対する4個のショックアブソーバの各々に対し当初から他の制御目的で油圧センサが設けられていれば、それを利用することにより、またそのような油圧センサが設けられていなければ、4個の油圧センサを追加することにより、他に殆ど何らのハードウェア的な装置の追加を要することなく本発明を実施することができる。
或いはまた、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差の対比が、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのストローク変位と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのストローク変位に基づいて行なわれるようになっていれば、左右前後の4輪に対する4個のショックアブソーバの各々に対し当初から他の制御目的でストロークセンサが設けられていれば、それを利用することにより、またそのようなストロークセンサが設けられていなければ、4個のストロークセンサを追加することにより、他に殆ど何らのハードウェア的な装置の追加を要することなく本発明を実施することができる。
一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧が互いに同一の受圧面積の受圧面にて前記フリーピストンに対向して作用し、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧が互いに同一で且つ一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧が前記フリーピストンに対向して作用する受圧面の受圧面積と同じ面積の受圧面にて前記フリーピストンに対向して作用するようになっていれば、フリーピストンが中立位置よりどちらの方向へ偏倚するかによって、一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚が一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚より大きいか、または一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚が一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚より大きいかを、判断することができる。
前記フリーピストンが、中央の大径ピストン部とその両側にある一対の同径の小径ピストン部とが互いにシャフトにて連結された段付きピストンであって、前記大径ピストン部が係合する中央の大径シリンダ部とその両側にあって前記一対の小径ピストン部が係合する一対の同径の小径シリンダ部とを有する段付きシリンダ内に係合しており、前記大径の2乗と前記小径の2乗の差が前記小径の2乗に等しく、前記一対の小径ピストン部の両外側には前記一対の小径シリンダ部により一対の小径油圧室が形成され、前記大径ピストン部とその両側にある前記一対の小径ピストン部の間には前記大径シリンダ部と前記一対の小径シリンダ部により一対の段付き油圧室が形成されており、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は前記一対の小径油圧室と前記一対の段付き油圧室のいずれか一方へ導入され、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は前記一対の小径油圧室と前記一対の段付き油圧室のいずれか他方へ導入されていれば、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧をフリーピストンにて互いに対向させ、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧をフリーピストンにて互いに対向させるという、4つの油圧の間の対向状態を、3つのピストン部を有する一つのフリーピストンによって検知することができる。
図1は、車輌旋回時に一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚が一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚より大きいかまたは一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚が一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚より大きいかを判断することができる本発明による車輌の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図である。但し、本発明は、上記の判断を行うというソフトウェア的事項を発明の要旨とするものであり、図1に現れている構成自身は公知のものである。
図1に於いて、10fl,10fr,10rl,10rrはそれぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪であり、各車輪はそれぞれサスペンションアーム12fl,12fr,12rl,12rrにより車体14に対し上下に変位可能に懸架されており、それぞれショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrによりその車体に対する上下の変位が緩衝されるようになっている。尚、図には示されていないが、この技術の分野に於いては周知の通り、サスペンションアーム12fl,12fr,12rl,12rrには、ショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrに並列に配置されたサスペンションスプリングも作用しており、各車輪はサスペンションスプリングとショックアブソーバの並列組合せにより車体に対し懸架されている。
ショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrにはそれぞれ油路18fl,18fr,18rl,18rrが接続されており、これらの油路にはそれぞれ蓄圧室20fl,20fr,20rl,20rr、絞り弁22fl,22fr,22rl,22rr、圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrが接続されている。
26はマイクロコンピュータを備えた車輌の電子制御装置(ECU)であり、本発明に係る制御だけでなく、車輌の自動制御に関する種々の演算を行う電子頭脳である。電子制御装置26には、圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrよりショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrの各々の作動油圧Pfl,Pfr,Prl,Prrを示す信号、操舵角センサ28により検出された操舵角を示す信号が送られる他、電子制御装置26による車輌の自動制御のために必要な車速、横加速度、ヨーレートの如き種々の信号が図には示されていない車速センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサ、その他の信号発生装置より送られるようになっている。
ショックアブソーバ16flの作動油圧は油路18flを経てシリンダ30とフリーピストン32を備えたシリンダ−ピストン装置34の油圧室36flに導入され、ショックアブソーバ16frの作動油圧は油路18frを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36frに導入され、ショックアブソーバ16rlの作動油圧は油路18rlを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36rlに導入され、ショックアブソーバ16rrの作動油圧は油路18rrを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36rrに導入されている。
シリンダ−ピストン装置34のフリーピストン32は、中央の大径ピストン部とその両側にある一対の同径の小径ピストン部とが互いにシャフトにて連結された段付きピストンであり、シリンダ30は、大径ピストン部が係合する中央の大径シリンダ部とその両側にあって前記一対の小径ピストン部が係合する一対の同径の小径シリンダ部とを有する段付きシリンダである。
図1より明らかな通り、左右の前輪に対するショックアブソーバの作動油圧はフリーピストンに対し左右の対応する端面に付与されており、左右の後輪に対するショックアブソーバの作動油圧はフリーピストンに対し左右逆に対応する端面に付与されており、従って、車輌が左旋回走行することにより車体が遠心力により右方へ傾動し、右前輪のショックアブソーバの作動油圧が左前輪のショックアブソーバの作動油圧より上昇してフリーピストンを図にて左方へ付勢するときには、右後輪のショックアブソーバの作動油圧が左後輪のショックアブソーバの作動油圧より上昇してフリーピストンを図にて右方へ付勢する。
今、図示の如く左右の小径ピストン部は同径のDeであるとし、中央の大径ピストン部の直径をDcとし、シャフトの直径をDsとすると、図にて左端の小径ピストン部は、その左面に油圧室36flの油圧Pflを受け、(π/4)De2×Pflの力にて図にて右方へ付勢される。図にて右端の小径ピストン部は、その右面に油圧室36frの油圧Pfrを受け、(π/4)De2×Pfrの力にて図にて左方へ付勢される。中央の大径ピストン部は、その右面に油圧室36rlの油圧Prlを受け、(π/4)(Dc2−Ds2)×Prlの力にて図にて左方へ付勢されるが、その付勢力の一部は同油圧がそれとシャフトにて連結された右端の小径ピストン部に図にて右方へ作用することによる(π/4)(De2−Ds2)×Prlの力にて相殺されるので、ピストン全体としては、油圧Prlにより(π/4)(Dc2−De2)×Prlの力にて図にて左方へ付勢される。同様にして、ピストン全体としては、油圧Prrにより(π/4)(Dc2−De2)×Prrの力にて図にて右方へ付勢される。
従って、車輌が左旋回し、右側のショックアブソーバ作動油圧Pfr、Prrがそれぞれ左側のショックアブソーバ作動油圧Pfl、Prlより高くなっているとき、フリーピストンが左方へ偏倚するか右方へ偏倚するかは、(π/4)De2×(Pfr−Pfl)−(π/4)(Dc2−De2)×(Prr−Prl)の値が正であるか負であるかによって左右される。従って、フリーピストンが左方へ偏倚するか右方へ偏倚するかを見ることにより、(Pfr−Pfl)と(Prl−Prr)の間にどのような差があるかを知ることができる。(Pfr−Pfl)および(Prl−Prr)は、それぞれ前輪と後輪に於ける左右の接地荷重の差に対応し、上に図3を参照して説明した通り、この差が大きくなる程、差が小さく或は差がないときに比して左右の車輪によるコーナリングフォースの合計は小さくなる。従って、車輌の旋回方向との関係に於いて、(π/4)De2×|Pfr−Pfl|−(π/4)(Dc2−De2)×|Prr−Prl|の値に基づいて、車輌がアンダーステア気味の状態であるか、オーバーステア気味の状態にあるかを知ることができる。この場合、特に、De2の値と(Dc2−De2)の値とが等しくされていれば、フリーピストンが中立位置より左方向へ偏倚するか右方向へ偏倚するかによって、左右の前輪間に於ける接地荷重配分の旋回外側への偏倚と左右の後輪間に於ける接地荷重配分の旋回外側への偏倚が、両者を対等の比重で比較して判断することができる。
ショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrの各作動油圧が圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrにて直接検出されているときには、車輌の旋回方向に応じて一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差Pfl−PfrまたはPfr−Pflと、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差Prl−PrrまたはPrr−Prlとを、電子制御装置の演算機能により対比させれば、ピストンの大径Dcと小径Deに基づいて、車輌がアンダーステア気味の状態であるか、オーバーステア気味の状態にあるかを知ることができる。
尚、図1に示す実施の形態の於いては、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Pfl,Pfrが一対の小径油圧室36fl,36frへ導入され、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Prl,Prrが一対の段付き油圧室36rl,36rrへ導入されているが、これに代えて一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Pfl,Pfrが図1にて36rl,36rrと表示されている一対の段付き油圧室へ導入され、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Prl,Prrが図1にて36fl,36frと表示されている一対の小径油圧室へ導入されてもよいことは改めて図示するまでもなく明らかであろう。
図2は、本発明による車輌の他の一つの実施の形態を示す図1と同様の概略図である。図2に於いて、図1に示す部分に対応する部分は図1に於けると同じ符号により示されている。この実施の形態の於いては、図1に於ける圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrに代えて、前後左右の車輪懸架装置にはショックアブソーバのストローク変位を検出するストロークセンサ38fl,38fr,38rl,38rrが設けられており、それらが検出する各ショックアブソーバのストローク変位が電子制御装置26へ供給されている。
蓄圧室20fl,20fr,20rl,20rr内には予め圧力2MPa程度の空気が封入されている。その初期圧をPoとし、その初期体積をVoとする。これらの蓄圧室内の空気は車輌の旋回に伴う圧縮に対しては断熱圧縮される。従って、蓄圧室の圧力がPfl,Pfr,Prl,Prrとなったときの蓄圧室の体積Vfl,Vfr,Vrl,Vrrは、Vo1.4×Po=Vfl1.4×Pfl=Vfr1.4×Pfr=Vrl1.4×Prl=Vrr1.4×Prrなる関係から、Vfl=(Po/Pfl)0.714×Vo,Vfr=(Po/Pfr)0.714×Vo,Vrl=(Po/Prl)0.714×Vo,Vrr=(Po/Prr)0.714×Voである。
そこで、今、車輌が左旋回し、右側のショックアブソーバ作動油圧Pfr、Prrがそれぞれ左側のショックアブソーバ作動油圧Pfl、Prlより高くなっているときの各ショックアブソーバの中立位置からの上向きストローク変位をΔSfl,ΔSfr,ΔSrl,ΔSrrとし、フリーピストン30の左方への変位をΔLとする。前後左右のショックアブソーバの有効断面積をAとすると、
右前輪については、
(π/4)De2×ΔL=A×ΔSfr−{1−(Po/Pfr)0.714}×Vo
左前輪については、
−(π/4)De2×ΔL=A×ΔSfl−{1−(Po/Pfl)0.714}×Vo
従って、
A×ΔSfr−{1−(Po/Pfr)0.714}×Vo
+A×ΔSfl−{1−(Po/Pfl)0.714}×Vo=0
即ち、
A×(ΔSfr+ΔSfl)={2−(Po/Pfr)0.714−(Po/Pfl)0.714}×Vo …(1)
同様に、左右の後輪についても、
A×(ΔSrr+ΔSrl)={2−(Po/Prr)0.714−(Po/Prl)0.714}×Vo …(2)
また、Dc2−De2=De2であるとすれば、右前輪と左後輪の間の関係から、
A×ΔSfr−{1−(Po/Pfr)0.714}×Vo
=A×ΔSrl−{1−(Po/Prl)0.714}×Vo
即ち、
A×(ΔSfr−ΔSrl)={(Po/Prl)0.714−(Po/Pfr)0.714}×Vo …(3)
同様に、左前輪と右後輪の間の関係から、
A×ΔSfl−{1−(Po/Pfl)0.714}×Vo
=A×ΔSrr−{1−(Po/Prr)0.714}×Vo
即ち、
A×(ΔSfl−ΔSrr)={(Po/Prr)0.714−(Po/Pfl)0.714}×Vo …(4)
従って、ストロークセンサ38fl,38fr,38rl,38rrにより各ショックアブソーバのストローク変位ΔSfl,ΔSfr,ΔSrl,ΔSrrが検出されれば、Pfl,Pfr,Prl,Prrに関する上記の式(1),(2),(3),(4)を連立させて解くことにより、Pfl,Pfr,Prl,Prrが求まり、図1に示した実施の形態について説明した要領にて、車輌がアンダーステア気味の状態であるか、オーバーステア気味の状態にあるかを知ることができる。式(1),(2),(3),(4)を連立させて解くことは、周知のコンピュータによる逐次数値計算の演算手法により行なえる。
この場合にも、図2に示す実施の形態の於いては、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Pfl,Pfrが一対の小径油圧室36fl,36frへ導入され、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Prl,Prrが一対の段付き油圧室36rl,36rrへ導入されているが、これに代えて一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Pfl,Pfrが図2に於いて36rl,36rrと表示されている一対の段付き油圧室へ導入され、一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧Prl,Prrが図2に於いて36fl,36frと表示されている一対の小径油圧室へ導入されてもよいことは改めて図示するまでもなく明らかであろう。
以上に於いては本発明を二つの実施の形態について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明による車輌の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図。 本発明による車輌の他の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図。 車輪の接地荷重の増加に対する車輪のコーナリングフォースの増加と左右輪間での接地荷重の偏倚に伴って左右両輪のコーナリングフォースの合計が減小する状態を示す図。
符号の説明
10fl,10fr,10rl,10rr…左前輪、右前輪、左後輪、右後輪、12fl,12fr,12rl,12rr…サスペンションアーム、14…車体、16fl,16fr,16rl,16rr…ショックアブソーバ、18fl,18fr,18rl,18rr…油路、20fl,20fr,20rl,20rr…蓄圧室、22fl,22fr,22rl,22rr…絞り弁、24fl,24fr,24rl,24rr…圧力センサ、26…電子制御装置(ECU)、28…操舵角センサ、30…シリンダ、32…フリーピストン、34…シリンダ−ピストン装置、36fl,36fr,36rl,36rr…油圧室、38fl,38fr,38rl,38rr…ストロークセンサ

Claims (5)

  1. 左右一対の前輪および左右一対の後輪と、これら各輪を車体に懸架する車輪懸架装置に組み込まれたショックアブソーバと、前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのうちの左側のショックアブソーバの作動油圧に対する右側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのうちの右側のショックアブソーバの作動油圧に対する左側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とを有し、車輌の旋回走行時に前記フリーピストンの偏倚により前記一対の前輪間に於ける接地荷重の偏倚と前記一対の後輪間に於ける接地荷重の偏倚の間の相対的大小関係を判断するようになっていることを特徴とする車輌。
  2. 前記フリーピストンの偏倚は前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差の対比により判断されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧の差の対比は前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのストローク変位と前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのストローク変位に基づいて行なわれるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  4. 前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は互いに同一の受圧面積の受圧面にて前記フリーピストンに対向して作用し、前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は互いに同一で且つ前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧が前記フリーピストンに対向して作用する受圧面の受圧面積と同じ面積の受圧面にて前記フリーピストンに対向して作用するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車輌。
  5. 前記フリーピストンは中央の大径ピストン部とその両側にある一対の同径の小径ピストン部とが互いにシャフトにて連結された段付きピストンであって、前記大径ピストン部が係合する中央の大径シリンダ部とその両側にあって前記一対の小径ピストン部が係合する一対の同径の小径シリンダ部とを有する段付きシリンダ内に係合しており、前記大径の2乗と前記小径の2乗の差は前記小径の2乗に等しく、前記一対の小径ピストン部の両外側には前記一対の小径シリンダ部により一対の小径油圧室が形成され、前記大径ピストン部とその両側にある前記一対の小径ピストン部の間には前記大径シリンダ部と前記一対の小径シリンダ部により一対の段付き油圧室が形成されており、前記一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は前記一対の小径油圧室と前記一対の段付き油圧室のいずれか一方へ導入され、前記一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧は前記一対の小径油圧室と前記一対の段付き油圧室のいずれか他方へ導入されていることを特徴とする請求項4に記載の車輌。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007145122A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Toyota Motor Corp 後輪クロス連結型ショックアブソーバシステムを備えた車輌

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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