JP2007196797A - クロス連結型ショックアブソーバシステムと能動スタビライザを備えた車輌 - Google Patents

クロス連結型ショックアブソーバシステムと能動スタビライザを備えた車輌 Download PDF

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Abstract

【課題】クロス連結型ショックアブソーバシステムと能動スタビライザとを備えた車輌に於ける能動スタビライザでのバッテリ電力消費を抑えることを第一の課題とし、クロス連結型ショックアブソーバシステムの油圧配管の一部に作動油の漏洩が生じたとき、能動スタビライザの作動の修正により適切に対処することを第二の課題とする。
【解決手段】車体がロールしたときロールが進行する間能動スタビライザの能動作動を行なわず、またクロス連結型ショックアブソーバシステムに作動油路の漏洩に応じて能動スタビライザをロックモードまたはフェイルモードとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輌の車輪懸架装置に係り、特に4室のフリーピストン式シリンダ−ピストン装置を備え、一対の後輪のショックアブソーバが一対の前輪のショックアブソーバに対しクロスした関係にてシリンダ−ピストン装置に連結されているクロス連結型のショックアブソーバシステムと、一対の前輪または一対の後輪の少なくとも一方の間に作用する能動スタビライザとを有する車輌の車輪懸架装置に関する改良に係わる。
左右一対の前輪および左右一対の後輪を有する4輪自動車等の車輌に於いて、各輪をそれぞれがショックアブソーバを組み込んだ車輪懸架装置により車体に懸架することは、この技術の分野に於いては周知である。また、そのような4つのショックアブソーバに段付きシリンダと段付きフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置を組み合わせ、一対の前輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧を段付きフリーピストンの一つの段の両側に作用させて互いに対向させ、該段付きフリーピストンの他の一つの段の両側に一対の後輪に対する左右のショックアブソーバの作動油圧を作用させて互いに対向させること、或は一対の前輪に対する左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と一対の後輪に対する左右のショックアブソーバのうちの同じ一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する同じ他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とをフリーピストンにより対向させること(即ち、上記のクロス連結型のショックアブソーバシステムを構成すること)、或は4つのショックアブソーバの作動油圧の対向状態を、平行連通状態と交叉連通状態の間に切り換わる切換弁により、車輌の運転状態に応じて上記2つのモードの間で切り換えることが、下記の特許文献1に記載されている。
特開2004-322755
一方、左右一対の前輪または左右一対の後輪の少なくとも一方の左右の車輪間に延在するトーションバーと、その両端に接続された一対のアームとを有し、前記一対のアームの自由端部にて左右の車輪懸架装置のサスペンションアームに連結されて左右一対の車輪の車体に対するバウンド/リバウンド変位を弾力的に抑制するよう作用し、その際、前記トーションバーの左右一対の車輪に作用する半体がその中央部に設けられた捩りアクチュエータにて相互に可変に捩じられる構造となっていることにより、左右一対の車輪のバウンドとリバウンドに対しそれに及ぼす弾性反力の大きさをバウンド側とリバウンド側とで異なるよう可変に調節することができるようになっている能動スタビライザ(アクティブスタビライザ)がこの技術の分野に於いて知られている。
上記のクロス連結型のショックアブソーバシステムは、車輌が旋回時に車体に作用する遠心力によりロール傾動する如く、車体が単調にロール傾動するとき、それを抑制する機能を有するが、車体が短周期にてロール方向を反転するロール振動に対しては、スタビライザのようにロール偏倚に直ちに応答して弾力的ロール抑制反力を生ずる機能は有しない。従って、クロス連結型ショックアブソーバシステムが設けられる場合にも、路面の不規則等による車輌のロール振動を抑制して車輌の乗り心地を改善するためには、スタビライザも設けられることが望ましく、また、より高度のスタビライザ機能を得るためには、能動スタビライザが必要である。
そこで、クロス連結型ショックアブソーバシステムと能動スタビライザとを共に備えた車輌が想定されるが、そのような車輌に於いて、車輌が旋回を開始して車体のロール傾動が始まると、当然、クロス連結型ショックアブソーバシステムと能動スタビライザとは共にロール抑制作動を開始する。
しかし、車輌の旋回によるロールに対しては、クロス連結型ショックアブソーバシステムが設けられていれば、ロールが進行している間は、クロス連結型ショックアブソーバシステムがロール抑制効果を発揮し、また能動スタビライザも特に能動的に作動されなくても固定式スタビライザと同等のロール抑制効果を発揮することができるので、車体のロールが発生したとき、少なくとも該ロールが進行している間は能動スタビライザの能動作動を控え、その分能動スタビライザでのエネルギ消費(即ち、バッテリの電力消費)を抑えることができると考えられる。本発明は、この点に着目して、クロス連結型ショックアブソーバシステムと一対の前輪または一対の後輪の少なくとも一方の間に作用する能動スタビライザとを有する車輌を改良することを第一の課題としている。
また、ショックアブソーバは作動油を伴って作動するシリンダ−ピストン装置であり、クロス連結型ショックアブソーバシステムには、車輪のバウンド/リバウンドに伴って車輪と共に上下動するショックアブソーバと車体に固定されたシリンダ−ピストン装置とを連結する油圧配管であってフレキシブルチューブ等による可動油圧配管部が不可避的に存在することから、そのようなショックアブソーバおよび可動油圧配管部には、その一部に部材の疲労破壊等により作動油の漏洩が生ずる恐れがある。クロス連結型ショックアブソーバシステムに於いては、その油圧回路の何処に作動油の漏洩が生ずるかによってクロス連結型ショックアブソーバシステムの作動性能に異なる変化が生ずる。そこで、本発明は、クロス連結型ショックアブソーバシステムと能動スタビライザとを組合せた車輌のクロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける油圧回路の一部に作動油の漏洩が生じたとき、その何処に作動油の漏洩が生じたかに応じて、それが車輌の懸架性能に及ぼす影響と能動スタビライザのエネルギ消費の経済性に対し、能動スタビライザの作動修正により適切に対処することを第二の課題としている。
上記の第一の課題を解決するものとして、本発明は、左右一対の前輪および左右一対の後輪の各々に対するショックアブソーバと、前記一対の前輪の左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪の左右のショックアブソーバのうちの前記一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する前記他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とからなるクロス連結型ショックアブソーバシステムと、前記一対の前輪または前記一対の後輪の少なくとも一方の間に作用する能動スタビライザとを有する車輌にして、前記能動スタビライザは車体がロールしたとき該ロールが進行する間能動作動を行なわないようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。
また、上記の第二の課題を解決するものとして、本発明は、上記の如き車輌に於いて、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたときには、一対の前輪の間に能動スタビライザが設けられていれば、それがロック状態とされ、また一対の後輪の間に能動スタビライザが設けられていれば、その能動機能が高められること、また前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたときには、一対の後輪の間に能動スタビライザが設けられていれば、それがロック状態とされ、また一対の前輪の間に能動スタビライザが設けられていれば、その能動機能が高められること、また前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方および一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたときには、一対の前輪の間または一対の後輪の間またはこれら両方に能動スタビライザが設けられていれば、それまたはそれらがロック状態とされることを提案するものである。
上記の如く、左右一対の前輪および左右一対の後輪の各々に対するショックアブソーバと、前記一対の前輪の左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪の左右のショックアブソーバのうちの前記一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する前記他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とからなるクロス連結型ショックアブソーバシステムと、前記一対の前輪または前記一対の後輪の少なくとも一方の間に作用する能動スタビライザとを有する車輌に於いて、前記能動スタビライザは車体がロールしたとき該ロールが進行する間能動作動を行なわないようになっていれば、車体がロールしたとき該ロールが進行する間は、クロス連結型ショックアブソーバシステムがロール抑制効果を発揮すると同時に能動スタビライザも特に能動的に作動されなくても固定式スタビライザと同等のロール抑制効果を発揮することができるので、車輌のロール抑制効果にさしたる影響を及ぼすことなく、その間能動スタビライザの能動作動を控え、その分能動スタビライザでのエネルギ消費(即ち、バッテリの電力消費)を抑えることができる。
また、上記の如き車輌に於いて、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じると、それが左右何れの前輪のショックアブソーバの作動油路の漏洩であっても、左右両方の前輪に対するクロス連結型ショックアブソーバシステムの作用は低下し或は完全に失われるが、それにも拘わらず、このとき一対の前輪間の能動スタビライザが能動作動されると、それに伴って一対の前輪のショックアブソーバに対する作動油路内に作動油の無駄な流動を起こさせ、エネルギの損失を生ずる。そこで、そのようなときには、能動スタビライザが一対の前輪の間に設けられているときには、該一対の前輪の間の能動スタビライザがロック状態とされれば、そのような一対の前輪のショックアブソーバに対する作動油路内の作動油の無駄な流動にバッテリの電流が費やされることを回避することができる。
更にまた、上述の如く、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたときには、それが左右何れの前輪のショックアブソーバの作動油路の漏洩であっても、左右両方の前輪に対するクロス連結型ショックアブソーバシステムの作用は低下し或は完全に失われるが、そのような状態で車体がロールすると、一対の後輪では車体のロールの進行に伴って車体が傾く側の後輪がバウンドすることによってそのショックアブソーバから押し出された作動油がクロス連結型ショックアブソーバシステムを介して反対側の後輪をリバウンド方向に押しやる作用を生じ、それが前輪側の左右のショックアブソーバの作動油圧の差によって対抗されないので、車体が傾く側の後輪のバウンドにより反対側の後輪をリバウンド方向に押しやる作用は大きく進行する。そこで、能動スタビライザが一対の後輪の間に設けられているときには、一対の後輪の間の能動スタビライザの能動機能が高められれば、上記の如く一対の後輪の一方のバウンドがクロス連結型ショックアブソーバシステムを介して他方をリバウンドさせることを抑制し、車体のロール、特に車体が後部にて捩じられる捩じれロールを適切に抑制することができる。
同様のことは、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたときにも言える。即ち、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じると、それが左右何れの後輪のショックアブソーバの作動油路の漏洩であっても、左右両方の後輪に対するクロス連結型ショックアブソーバシステムの作用は低下し或は完全に失われるが、それにも拘わらず、このとき一対の後輪間の能動スタビライザが能動作動されると、それに伴って一対の後輪のショックアブソーバに対する作動油路内に作動油の無駄な流動を起こさせ、エネルギの損失を生ずる。そこで、そのようなときには、能動スタビライザが一対の後輪の間に設けられているときには、該一対の後輪の間の能動スタビライザがロック状態とされれば、そのような一対の後輪のショックアブソーバに対する作動油路内の作動油の無駄な流動にバッテリの電流が費やされることを回避することができる。
また、上記の通り前記クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたときには、それが左右何れの後輪のショックアブソーバの作動油路の漏洩であっても、左右両方の後輪に対するクロス連結型ショックアブソーバシステムの作用は低下し或は完全に失われるが、そのような状態で車体がロールすると、一対の前輪では車体のロールの進行に伴って車体が傾く側の前輪がバウンドすることによってそのショックアブソーバから押し出された作動油がクロス連結型ショックアブソーバシステムを介して反対側の前輪をリバウンド方向に押しやる作用を生じ、それが後輪側の左右のショックアブソーバの作動油圧の差によって対抗されないので、車体が傾く側の前輪のバウンドにより反対側の前輪をリバウンド方向に押しやる作用は大きく進行する。そこで、能動スタビライザが一対の前輪の間に設けられているときには、一対の前輪の間の能動スタビライザの能動機能が高められれば、上記の如く一対の前輪の一方のバウンドがクロス連結型ショックアブソーバシステムを介して他方をリバウンドさせることを抑制し、車体のロール、特に車体が前部にて捩じられる捩じれロールを適切に抑制することができる。
また、上記の如き車輌に於いて、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムの一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方および一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたときには、それが左右何れの前輪および左右何れの後輪のショックアブソーバの作動油路の漏洩であっても、左右両方の前輪および後輪に対するクロス連結型ショックアブソーバシステムの作用は低下し或は完全に失われるが、それにも拘わらず、このとき一対の前輪または後輪のいずれであっても、その間の能動スタビライザが能動作動されると、それに伴って一対の前輪または後輪のショックアブソーバに対する作動油路内に作動油の無駄な流動を起こさせ、エネルギの損失を生ずる。そこで、このとき一対の前輪間のものであれまた一対の後輪間のものであれ、能動スタビライザは全てはロック状態とされれば、上記の無駄な作動油の流動を起こさせることによるバッテリ電流の消費を回避することができる。
図1は、本発明による車輌の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図である。但し、本発明は、能動スタビライザの制御に関するソフトウェア的事項を発明の要旨とするものであり、図1に現れている構成自身は公知のものである。
図1に於いて、10fl,10fr,10rl,10rrはそれぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪であり、各車輪はそれぞれサスペンションアーム12fl,12fr,12rl,12rrにより車体14に対し上下に変位可能に懸架されており、それぞれショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrによりその車体に対する上下の変位が緩衝されるようになっている。尚、図には示されていないが、この技術の分野に於いては周知の通り、サスペンションアーム12fl,12fr,12rl,12rrには、ショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrに並列に配置されたサスペンションスプリングも作用しており、各車輪はサスペンションスプリングとショックアブソーバの並列組合せにより車体に対し懸架されている。
ショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrにはそれぞれ油路18fl,18fr,18rl,18rrが接続されており、これらの油路にはそれぞれ蓄圧室20fl,20fr,20rl,20rr、絞り弁22fl,22fr,22rl,22rr、圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrが接続されている。
26はマイクロコンピュータを備えた車輌の電子制御装置(ECU)であり、本発明に係る制御だけでなく、車輌の自動制御に関する種々の演算を行う電子頭脳である。電子制御装置26には、圧力センサ24fl,24fr,24rl,24rrよりショックアブソーバ16fl,16fr,16rl,16rrの各々の作動油圧Pfl,Pfr,Prl,Prrを示す信号、操舵角センサ28により検出された操舵角を示す信号、図には示されていない車速センサ、前後加速度センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサより車速、前後加速度、横加速度、ヨーレートを示す信号が送られる他、電子制御装置26による車輌の自動制御のために必要なその他の種々の信号がそれらの信号発生装置より送られるようになっている。
ショックアブソーバ16flの作動油圧は油路18flを経てシリンダ30とフリーピストン32を備えたシリンダ−ピストン装置34の油圧室36flに導入され、ショックアブソーバ16frの作動油圧は油路18frを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36frに導入され、ショックアブソーバ16rlの作動油圧は油路18rlを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36rlに導入され、ショックアブソーバ16rrの作動油圧は油路18rrを経てシリンダ−ピストン装置34の油圧室36rrに導入されている。
シリンダ−ピストン装置34のフリーピストン32は、中央の大径ピストン部とその両側にある一対の同径の小径ピストン部とが互いにシャフトにて連結された段付きピストンであり、シリンダ30は、大径ピストン部が摺動する中央の大径シリンダ部とその両側にあって前記一対の小径ピストン部が摺動する一対の同径の小径シリンダ部とを有する段付きシリンダである。
左右の前輪に作用するショックアブソーバの作動油圧はフリーピストンに対し左右の対応する端面に付与されており、左右の後輪に作用するショックアブソーバの作動油圧はフリーピストンに対し左右逆に対応する端面に付与されており、従って、車輌が左旋回することにより車体が遠心力により右方へ傾動し、右前輪のショックアブソーバの作動油圧が左前輪のショックアブソーバの作動油圧より上昇してフリーピストンを図にて左方へ付勢するときには、右後輪のショックアブソーバの作動油圧が左後輪のショックアブソーバの作動油圧より上昇してフリーピストンを図にて右方へ付勢する。
図示の如く左右の小径ピストン部は同径のDeであるとし、中央の大径ピストン部の直径をDcとし、シャフトの直径をDsとすると、図にて左端の小径ピストン部は、その左面に油圧室36flの油圧Pflを受け、(π/4)De2×Pflの力にて図にて右方へ付勢される。図にて右端の小径ピストン部は、その右面に油圧室36frの油圧Pfrを受け、(π/4)De2×Pfrの力にて図にて左方へ付勢される。中央の大径ピストン部は、その右面に油圧室36rlの油圧Prlを受け、(π/4)(Dc2−Ds2)×Prlの力にて図にて左方へ付勢されるが、その付勢力の一部は同油圧がそれとシャフトにて連結された右端の小径ピストン部に図にて右方へ作用することによる(π/4)(De2−Ds2)×Prlの力にて相殺されるので、ピストン全体としては、油圧Prlにより(π/4)(Dc2−De2)×Prlの力にて図にて左方へ付勢される。同様にして、ピストン全体としては、油圧Prrにより(π/4)(Dc2−De2)×Prrの力にて図にて右方へ付勢される。
左右一対の前輪10flと10frの間には、前輪側能動スタビライザ38fが設けられている。能動スタビライザ38fは中央部に設けられた捩りアクチュエータ40fとその両側にあって左右の前輪間に延在するトーションバー半体42flおよび42frよりなるトーションバーと、その両端に接続された一対のアーム44flおよび44frとを有し、一対のアーム44flおよび44frの自由端部にて左右の車輪懸架装置のサスペンションアーム12flおよび12frに連結されて左右一対の前輪の車体に対するバウンド/リバウンド変位を弾力的に抑制するよう作用し、その際、トーションバー半体42flおよび42frが捩りアクチュエータ40fにて相互に可変に捩じられることにより、左右一対の前輪のバウンドとリバウンドに対しそれに及ぼす弾性反力の大きさをバウンド側とリバウンド側とで異なるよう可変に調節することができるようになっている。捩りアクチュエータ40fによるトーションバー半体42flと42frの間の捩じり作用、即ち、能動スタビライザ38fの能動作動は、電子制御装置26により制御される。
同様に、左右一対の後輪10rlと10rrの間には、後輪側能動スタビライザ38rが設けられている。能動スタビライザ38rは中央部に設けられた捩りアクチュエータ40rとその両側にあって左右の前輪間に延在するトーションバー半体42rlおよび42rrよりなるトーションバーと、その両端に接続された一対のアーム44rlおよび44rrとを有し、一対のアーム44rlおよび44rrの自由端部にて左右の車輪懸架装置のサスペンションアーム12rlおよび12rrに連結されて左右一対の後輪の車体に対するバウンド/リバウンド変位を弾力的に抑制するよう作用し、その際、トーションバー半体42rlおよび42rrが捩りアクチュエータ40rにて相互に可変に捩じられることにより、左右一対の後輪のバウンドとリバウンドに対しそれに及ぼす弾性反力の大きさをバウンド側とリバウンド側とで異なるよう可変に調節することができるようになっている。捩りアクチュエータ40rによるトーションバー42rlと42rrの間の捩じり作用、即ち、能動スタビライザ38rの能動作動も、電子制御装置26により制御される。
図2は、上記の如きクロス連結型ショックアブソーバシステムと、一対の前輪間に作用する前輪用能動スタビライザ38fと、一対の後輪間に作用する後輪用能動スタビライザ38rとを有する車輌に於いて、前輪用能動スタビライザ38fと後輪用能動スタビライザ38rとが本発明に従って制御される要領の一例を示すフローチャートである。かかるフローチャートに沿った制御は、図1には示されていないイグニションスイッチの如き車輌運転スイッチの閉成により開始され、車輌の運行中数10〜数100ミリセカンドの周期にて繰り返されてよい。
制御が開始されると、ステップ10に於いて、クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に作動油の漏洩が生じたか否かが判断される(X−システム前輪側油漏れ?)。これは、例えば油圧センサ24flと24frの指示値の和或は平均が異常に低下することにより検出される。答がノー(N)であれば、制御そのままステップ20へ進むが、答がイエス(Y)であれば、制御はステップ30へ進み、制御開始時に0にリセットされているフラグFfが1にセットされた後、制御はステップ20へ進む。
ステップ20に於いては、クロス連結型ショックアブソーバシステムに於ける一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に作動油の漏洩が生じたか否かが判断される(X−システム後輪側油漏れ?)。これは、例えば油圧センサ24rlと24rrの指示値の和或は平均が異常に低下することにより検出される。答がノーであれば、制御そのままステップ40へ進むが、答がイエスであれば、制御はステップ50へ進み、制御開始時に0にリセットされているフラグFrが1にセットされた後、制御はステップ40へ進む。
ステップを40に於いては、フラグFrが1であるか否かが判断される。答がノーであれば、制御はステップを60へ進み、フラグFfが1であるか否かが判断される。答がノーであれば、制御はステップを70へ進む。
ステップ70に於いては、前輪用能動スタビライザおよび後輪用スタビライザが、いずれも本発明による省エネモードにて作動される。ここで省エネモードとは、車体がロールしたとき該ロールが進行する間能動作動を行なわないことを特徴とするものであり、その他の点では任意の作動態様であってよい。
ステップ60の答がイエスであるときには、制御はステップ80へ進み、前輪用能動スタビライザがロックモードとされ、後輪用能動スタビライザがフェイルモードとされる。ここでロックモードとは、能動スタビライザの捩りアクチュエータがロックされ、能動スタビライザが能動機能を有しない通常のスタビライザとして作動するようにすることであり、またフェイルモードとは、能動機能を高められて作動するようにすることである。
ステップ40の答がイエスであるときには、制御はステップ90へ進み、フラグFfが1であるか否かが判断される。答がノーであれば、制御はステップ100へ進み、前輪用能動スタビライザがフェイルモードとされ、後輪用能動スタビライザがロックモードとされる。
ステップ90の答がイエスであるときには、制御はステップ110へ進み、前輪用能動スタビライザおよび後輪用能動スタビライザが共にロックモードとされる。
図3は、車輌が右旋回したときの、時間の経過に対する、ロール初期、ロール中期、定常ロール期の各時点に於ける、クロス連結型ショックアブソーバシステムのシリンダ−ピストンに於けるピストンの移動量(センターピストンストローク)、左前輪(FL輪)および左後輪(FR輪)の上下ストロークの変化、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪(FL輪,FR輪,RL輪,RR輪)の作動油圧の変化、クロス連結型ショックアブソーバシステム(X−システム)によるロール抑制力の変化、および能動スタビライザがフェイルモードとされるときと省エネモードとされるときの能動量(Aスタビ能動量)の変化を例示するグラフである。
図示の通り、ロールが進行する間はクロス連結型ショックアブソーバシステムによるロール抑制力が生じるので、この間は能動スタビライザの能動作動を行なわず、ロールがロール中期を越えて継続するとき、省エネモードにより示す要領にて能動スタビライザを能動作動させれば、能動スタビライザの能動作動に要するエネルギ消費(バッテリの電流消費)をそれだけで低減することができる。この場合、図示の例の如くロールが定常ロール状態で長引けば、能動スタビライザの能動作動をロールが中期に入るまで遅らせることによるが能動作動用エネルギ消費量の節約の度合は小さくなるが、自動車等の運転に於いては、多くの場合、ロールは中期で終わるので、上記の要領にて能動スタビライザを省エネモードにて作動させるか否かによる能動スタビライザの消費エネルギ量には大きな差が生ずる。
フェイルモードでは、能動スタビライザはロールの初期より高められた能動量にて能動作動される。尚、能動スタビライザがロックモードとされるときには、能動量は0である。
以上に於いては本発明を一つの実施の形態について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
本発明による車輌の一つの実施の形態を本発明に係る構成の要部について示す概略図。 クロス連結型ショックアブソーバシステムと、一対の前輪間および一対の後輪間に作用する能動スタビライザとを有する車輌に於いて、能動スタビライザが本発明に従って制御される要領の一例を示すフローチャート。 車輌が右旋回したときの、時間の経過に対するロール初期、ロール中期、定常ロール期の各時点に於ける、関連諸元の変化を例示するグラフ。
符号の説明
10fl,10fr,10rl,10rr…左前輪、右前輪、左後輪、右後輪、12fl,12fr,12rl,12rr…サスペンションアーム、14…車体、16fl,16fr,16rl,16rr…ショックアブソーバ、18fl,18fr,18rl,18rr…油路、20fl,20fr,20rl,20rr…蓄圧室、22fl,22fr,22rl,22rr…絞り弁、24fl,24fr,24rl,24rr…圧力センサ、26…電子制御装置(ECU)、28…操舵角センサ、30…シリンダ、32…フリーピストン、34…シリンダ−ピストン装置、36fl,36fr,36rl,36rr…油圧室、38f…前輪用能動スタビライザ、40f…捩りアクチュエータ、42fl,42fr…トーションバー半体、44fl,44fr…アーム、38r…後輪用能動スタビライザ、40r…捩りアクチュエータ、42rl,42rr…トーションバー半体、44rl,44rr…アーム

Claims (6)

  1. 左右一対の前輪および左右一対の後輪の各々に対するショックアブソーバと、前記一対の前輪の左右のショックアブソーバのうちの一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差と前記一対の後輪の左右のショックアブソーバのうちの前記一方の側のショックアブソーバの作動油圧に対する前記他方の側のショックアブソーバの作動油圧の差とを対向させるフリーピストンを備えたシリンダ−ピストン装置とからなるクロス連結型ショックアブソーバシステムと、前記一対の前輪または前記一対の後輪の少なくとも一方の間に作用する能動スタビライザとを有する車輌にして、前記能動スタビライザは車体がロールしたとき該ロールが進行する間能動作動を行なわないようになっていることを特徴とする車輌。
  2. 前記能動スタビライザは前記一対の前輪の間に設けられており、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムの前記一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油に漏洩が生じたとき、前記一対の前輪の間の能動スタビライザはロック状態とされるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記能動スタビライザは前記一対の後輪の間に設けられており、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムの前記一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたとき、前記一対の後輪の間の能動スタビライザは能動機能が高められるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌。
  4. 前記能動スタビライザは前記一対の後輪の間に設けられており、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムの前記一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたとき、前記一対の後輪の間の能動スタビライザはロック状態とされるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  5. 前記能動スタビライザは前記一対の前輪の間に設けられており、前記クロス連結型ショックアブソーバシステムの前記一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたとき、前記一対の前輪の間の能動スタビライザは能動機能が高められるようになっていることを特徴とする請求項1または4に記載の車輌。
  6. 前記クロス連結型ショックアブソーバシステムの前記一対の前輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方および前記一対の後輪の左右のショックアブソーバの少なくとも一方の作動油路に漏洩が生じたとき、前記能動スタビライザはロック状態とされるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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